JP3398340B2 - 4,6−ジニトロレゾルシンの製造方法 - Google Patents
4,6−ジニトロレゾルシンの製造方法Info
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Description
ゾルシンの新規な製造方法に関する。4,6−ジニトロ
レゾルシンは耐熱性・強度・弾性率などの性質に優れた
ポリベンゾビスオキサゾール(PBO)樹脂の原料モノ
マーである4,6−ジアミノレゾルシンの前駆体として
利用される。
公報に記載されているように強度、弾性率、耐熱性、耐
薬品性等の諸物性において従来品より優れており、アラ
ミドを凌ぐスーパー繊維として構造材や断熱材など種々
の用途への応用が期待されている産業上極めて有用性が
高い樹脂である。4,6−ジアミノレゾルシンはPBO
のモノマーとなることからその原料として重要である。
造方法および4,6−ジニトロレゾルシン誘導体を経由
して4,6−ジアミノベンゼンを製造する方法としては
レゾルシンをアセチル化してニトロ化する方法(Be
r.Dtsch.Chem.Ges.,16,552,
1883)、1,3−ビス(アルキルカーボネート)ベ
ンゼンをニトロ化する方法(特開平2−136号公報)
などが知られている。
の水酸基に対して保護基を導入するため工程が煩雑で高
コストとなり、また加水分解工程において脱離した保護
基が回収不可能な副生成物となるなど工業的には問題が
あった。
ベンゼンを原料として用いる方法が提案されており、ト
リクロロベンゼンをニトロ化する方法(特開平2−50
0743号公報)、ジハロベンゼンをニトロ化してアル
カリで加水分解する方法(特開平1−238561号公
報、特開平7−233127号公報、特開平7−316
102号公報、特開平8−73417号公報)等が知ら
れている。
ニトロレゾルシンは加水分解を行なうアルカリ条件下で
不安定であるため、生成した4,6−ジニトロレゾルシ
ンの分解を避けるために工程が煩雑になりがちであっ
た。またトリクロロベンゼンおよびそのニトロ化物は毒
性が強く皮膚のかぶれを引き起こすなどの問題があり、
作業者の安全上ハロベンゼンのニトロ化物を経由する事
は好ましくない。
−ジニトロレゾルシンを工業的に有利に製造する新規な
方法を提供することにある。
解決するため鋭意検討を行なった結果、2−スルホン酸
−4,6−ジニトロレゾルシンを加水分解することで
4,6−ジニトロレゾルシンが高収率で得られることを
見出し、本発明を完成するに到った。
を水または鉱酸水溶液中で加水分解することを特徴とす
る4,6−ジニトロレゾルシンの製造方法。 (2)鉱酸として硫酸を用いる事を特徴とする請求項1
に記載の4,6−ジニトロレゾルシンの製造方法。
−4,6−ジニトロレゾルシンはレゾルシンをスルホン
化剤と接触させて2,4,6−トリスルホン酸レゾルシ
ンとした後該物質をニトロ化する事によって合成する事
ができる。該化合物は加水分解を行なう際にアルカリ塩
となっていてもよく、さらに硫酸ナトリウムなどのアル
カリ硫酸塩との混合物であっても問題はない。また2−
スルホン酸−4,6−ジニトロレゾルシンを合成した反
応マスより単離することなく加水分解を行なうこともで
きる。反応マスより引き続き加水分解を行なう場合は反
応マスを所定条件の鉱酸水溶液になるように稀釈すれば
よい。
アルカリを添加した水溶液中で行われる。高濃度のアル
カリ水溶液中では4,6−ジニトロレゾルシンの分解反
応が起こるおそれがあるため水または鉱酸水溶液中で行
うのが好ましく、鉱酸水溶液中で行うのがより好まし
い。
あり脱離したスルホン基が再結合することを防ぐために
必要に応じて硫酸結合剤を添加してもよい。好ましい鉱
酸濃度範囲は10〜90重量%程度であり、10重量%
未満では加水分解速度が遅く十分な収率を得るためには
長時間を要するため好ましくなく、また90重量%を超
えると得られる結晶の着色が激しくなるため好ましくな
い。使用する鉱酸水溶液の量は特に制限されるものでは
ないが、攪拌効率および容積効率の観点より2−スルホ
ン酸−4,6−ジニトロレゾルシンに対して2〜50重
量倍程度が好ましい。反応温度は50℃〜還流温度程度
である。
ロレゾルシンの結晶が徐々に析出するため、反応終了後
に結晶を濾過する事で目的の4,6−ジニトロレゾルシ
ンが得られる。
要に応じてエタノールなどの溶媒で再結晶して精製する
事ができる。
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 HPLC分析条件 カラム:YMC−312A(ODS) 移動相:アセトニトリル:水:PIC=1000:20
00:10 PIC=10%テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロ
キシドメタノール溶液 流速 :1ml/min 検出波長:254nm 恒温層:40℃
2モル)をゆっくり装入した後に50℃に昇温したとこ
ろ反応マスは暗赤色の溶液となり、液体クロマトグラフ
ィーによる分析で2,4,6−トリスルホン酸レゾルシ
ンの生成が確認された。スルホン化マスを氷冷し、98
%硝酸25.7g(0.4モル)を滴下したところ激し
い発熱があり、反応マスは黄褐色のスラリーとなった。
このニトロ化マス175.9gを氷300g中に装入し
氷冷しながら49%水酸化ナトリウム水溶液119.4
gを滴下したところ黄白色結晶が析出してスラリーとな
った。これを濾過して濾塊をエタノール200gで洗浄
し2−スルホン酸−4,6−ジニトロレゾルシンナトリ
ウム塩と硫酸ナトリウムの混合物17.6gを得た。該
混合物に水80g、エタノール320gを加えて80℃
でスラッジ、熱濾過した後室温で放置して冷却したとこ
ろ結晶の析出が見られた。これを濾過、窒素下風乾して
2−スルホン酸−4,6−ジニトロレゾルシンナトリウ
ム塩の黄色結晶1.37gを得た。また濾液をエバポレ
ーターで溶媒を留去したところ黄色の結晶が析出した。
これをエタノールで洗浄、窒素下風乾して2−スルホン
酸−4,6−ジニトロレゾルシンナトリウム塩の黄色結
晶5.96gを得た。2−スルホン酸−4,6−ジニト
ロレゾルシンナトリウム塩3.02g(0.01モル)
を20重量%硫酸水溶液50g中に溶解し、103℃で
8時間加水分解を行なったところ徐々に結晶の析出が見
られた。これを濾過、窒素下風乾して4,6−ジニトロ
レゾルシン1.79g(2−スルホン酸−4,6−ジニ
トロレゾルシンナトリウム塩に対し収率89.5%)を
得た。
モル)をゆっくり装入した後に90℃に昇温したところ
反応マスは暗赤色の溶液となり、液体クロマトグラフィ
ーによる分析で2,4,6−トリスルホン酸レゾルシン
の生成が確認された。スルホン化マスを氷冷し、60%
硝酸10.5g(0.1モル)を滴下したところ激しい
発熱があり、反応マスは黄褐色のスラリーとなった。こ
のニトロ化マスを氷100g中に装入(溶媒中の硫酸濃
度30重量%)、濾過して副生した2,4,6−トリニ
トロレゾルシンを除去した後、濾液を100℃に加熱し
て加水分解を行なったところ徐々に結晶の析出が見られ
た。これを濾別して窒素下で風乾し、4,6−ジニトロ
レゾルシン8.03g(レゾルシンに対し収率80.3
%)を得た。
(0.05モル)をゆっくり装入した後に140℃に昇
温したところ反応マスは暗赤色の溶液となり、液体クロ
マトグラフィーによる分析で2,4,6−トリスルホン
酸レゾルシンの生成が確認された。スルホン化マスを氷
冷し、60%硝酸21.0g(0.2モル)を滴下した
ところ激しい発熱があり、反応マスは褐色となった。こ
のニトロ化マスを氷200g中に装入、濾過して副生し
た2,4,6−トリニトロレゾルシンを除去し、さらに
クロロホルム200mlで残存している2,4,6−ト
リニトロレゾルシンを抽出した後、水層に49%NaO
Hを滴下したところ黄白色結晶が析出してスラリーとな
った。91g滴下したところでこれを濾過、窒素下で風
乾して未精製の2−スルホン酸−4,6−ジニトロレゾ
ルシンナトリウム塩の黄白色結晶8.47gを得た。得
られた黄白色結晶のうち2.49gを20重量%硫酸5
0g中に溶解し、100℃で加水分解を行なったところ
徐々に結晶の析出が見られた。これを濾別して窒素下で
風乾し、4,6−ジニトロレゾルシン1.34g(レゾ
ルシンに対し収率45.6%)を得た。
6−ジニトロレゾルシンナトリウム塩3.02g(0.
01モル)を水50g中に溶解し、100℃で7時間加
水分解を行ったところ、徐々に結晶の析出が見られた。
結晶を濾過、窒素下風乾して、4,6−ジニトロレゾル
シン0.30g(2−スルホン酸−4,6−ジニトロレ
ゾルシンナトリウム塩に対し収率15.0%)を得た。
方法で4,6−ジニトロレゾルシンを得ることができ
る。即ち本発明によれば4,6−ジニトロレゾルシンを
工業的に有利に製造することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】2−スルホン酸−4,6−ジニトロレゾル
シンを加水分解することを特徴とする4,6−ジニトロ
レゾルシンの製造方法。 - 【請求項2】水または鉱酸水溶液中で加水分解すること
を特徴とする請求項1記載の4,6−ジニトロレゾルシ
ンの製造方法。 - 【請求項3】鉱酸として硫酸を用いる事を特徴とする請
求項1又は2記載の4,6−ジニトロレゾルシンの製造
方法。
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KR1020000021959A KR100361998B1 (ko) | 1999-04-30 | 2000-04-25 | 4,6-디아미노레조르신의 제조방법 |
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