JP3396485B2 - 難燃性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性熱可塑性樹脂組成物

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JP3396485B2
JP3396485B2 JP53079397A JP53079397A JP3396485B2 JP 3396485 B2 JP3396485 B2 JP 3396485B2 JP 53079397 A JP53079397 A JP 53079397A JP 53079397 A JP53079397 A JP 53079397A JP 3396485 B2 JP3396485 B2 JP 3396485B2
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一昭 松本
央 小山
良貴 大野
克豊 藤田
洋一 大原
和史 広部
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Kaneka Corp
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/49Phosphorus-containing compounds
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    • C08K5/52Phosphorus bound to oxygen only
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    • C08K5/523Esters of phosphoric acids, e.g. of H3PO4 with hydroxyaryl compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、ハロゲン原子を含まなくても優れた難燃
性、耐ドリッピング性を発揮し、しかも、耐熱性、機械
的強度、耐溶剤性、成形品表面性、寸法安定性にも優れ
た難燃性熱可塑性樹脂組成物に関する。
背景技術 近年、とくに電気・電子部品の用途においては、火災
に対する安全性を確保するため、使用する樹脂に対し、
UL−94 V−0(米国アンダーライターズラボラトリー
規格)に適合するような高度な難燃性が要求される例が
多く、このため種々の難燃剤が開発、検討されている。
このような高度な難燃性を樹脂組成物に付与するばあ
い、一般的に、難燃剤としてハロゲン系化合物が用いら
れ、必要に応じて三酸化アンチモンなどの難燃助剤が併
用されている。しかしながら、難燃剤としてハロゲン系
化合物を使用したばあい、難燃化の効果は大きいが、樹
脂加工時に難燃剤の分解によって生成する遊離ハロゲン
ガスやハロゲン化合物がコンパウンド用押出機のシリン
ダーや金型表面などを腐食させたり、樹脂組成物を電気
・電子部品として使用するばあいには、金属部品を腐食
させ、接点不良や導通不良などのトラブルの原因となる
ばあいもある。また、近年、ヨーロッパ各国を中心とし
てハロゲン含有樹脂の使用を全面的に規制しようという
動きが見られる。さらに、三酸化アンチモンなどの難燃
助剤を添加すると、高温溶融時に樹脂の熱安定性が悪化
するという欠点を有している。このため、塩素系化合物
や臭素系化合物などのハロゲン系難燃剤、酸化アンチモ
ンなどの難燃助剤を全く含有しない難燃性熱可塑性樹脂
組成物の開発が望まれている。
このような難燃性樹脂組成物として、たとえば、ポリ
カーボネート系樹脂とポリエステル系樹脂とのアロイを
ハロゲン系以外の難燃剤で難燃化した樹脂組成物が提案
されている。特開昭64−70555、特開平6−192553など
の公報には、ポリカーボネート/ポリアルキレンテレフ
タレートアロイに、グラフト重合体、トリアリールホス
フェートやオリゴマー性燐酸エステルなどのリン系難燃
剤、フッ素化ポリオレフィンを添加することにより、塩
素や臭素を含まない難燃性樹脂組成物がえられることが
開示されている。リン系難燃剤だけで難燃化しようとし
ても、成形体の燃焼時に樹脂の燃焼物が落下するいわゆ
るドリッピング現象が生じ、UL−94 V−0規格に合格
しなくなるため、提案されているごとく、これを防止す
るためにフッ素化ポリオレフィンを添加する必要があ
る。
リン系難燃剤を使用するこれらの難燃性樹脂組成物
は、高度な難燃性を達成しようとすると、その他の物性
が低下するため、難燃性と耐熱性や機械的強度などの物
性との両立が極めて困難になるという問題を有してい
る。また、フッ素化ポリオレフィンは高価であるため、
その添加により樹脂組成物のコストアップにつながると
いう問題があるため、できるだけ添加量が少ない方が好
ましいが、添加量を減らすとフッ素化ポリオレフィンの
分散不良が生じやすく、難燃性が成形加工条件によって
変化するという問題や、フッ素化ポリオレフィンを多量
に添加すると、成形体の外観が低下したり、流動性およ
び成形加工性が悪化してしまうという問題がある。さら
に、近年の環境問題に対する関心の高まりにより、臭素
系や塩素系の難燃剤以外に、フッ素系樹脂の使用をも制
限しようとする動きも見られる。このため、フッ素系樹
脂を添加せずに、樹脂の燃焼時のドリッピングを防ぐ方
法の開発が望まれている。
また、特開平7−26129には、ポリカーボネート系樹
脂にポリホスフェート系難燃剤、フッ素化ポリオレフィ
ン、マイカ、タルクなどを添加して難燃化する技術が示
されている。しかし、このような組成物のばあい、樹脂
の流動性や耐薬品性に劣るため、樹脂の利用範囲が限定
されている。
発明の開示 本発明者らは、前記のごとき問題を解決するため鋭意
検討を行った結果、ポリカーボネート系樹脂と芳香族ポ
リエステル系樹脂と有機リン系難燃剤とからなる組成物
に、珪酸塩化合物を添加することにより、フッ素系樹脂
を添加せずに成形体の燃焼時のドリッピングが防止で
き、塩素および臭素原子などのハロゲン原子を実質的に
含まない難燃性熱可塑性樹脂組成物がえられることを見
出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、 (A)ポリカーボネート系樹脂および (B)芳香族ポリエステル系樹脂 からなり、(A)成分/(B)成分が重量比で99/1〜50
/50である熱可塑性樹脂(R)100重量部に対し、 (C)珪酸塩化合物0.5〜100重量部、 (D)有機リン系難燃剤0.5〜30重量部および (F)分子内にハロゲンを実質的に含有しないエポキシ
化合物10重量部以下 を配合してなる難燃性熱可塑性樹脂組成物を提供する。
本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物は、難燃性および
耐ドリッピング性に優れ、しかも耐熱性、機械的強度、
耐溶剤性、成形品表面性、寸法安定性、耐衝撃性などの
優れた特性を有している。また、分子内に実質的にハロ
ゲン原子を含有しないエポキシ化合物(F)を組成物に
添加することにより、耐溶剤性、溶融時の熱安定性およ
び耐着色性を向上させることができる。さらに、0℃以
下に少なくとも1つのガラス転移温度を有する弾性樹脂
(E)を組成物に添加することにより、さらに耐衝撃性
を向上させることができる。
発明を実施するための最良の形態 本発明で使用されるポリカーボネート系樹脂(A)
は、具体的には2価以上のフェノール系化合物と、ホス
ゲン、ジフェニルカーボネートのような炭酸ジエステル
化合物とを反応させてえられる熱可塑性樹脂であり、耐
衝撃性、耐熱変形性、機械的強度などの優れた特性を発
揮する。
前記2価以上のフェノール系化合物としては、様々な
ものがあげられるが、とくに2価フェノール化合物であ
る2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通
称ビスフェノールA)が経済的、機械的強度の点から好
ましい。ビスフェノールA以外の2価フェノール化合物
の例としては、たとえばビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニル
メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−(4−イソプロ
ピルフェニル)メタン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)エタン、1−ナフチル−1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)エタン、1−フェニル−1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)エタン、2−メチル−1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、1−エチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブ
タン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタ
ン、4−メチル−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ヘキサン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプ
タン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、
1,10−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル
シクロヘキサンなどのジヒドロキシジアリールアルカン
類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロデカ
ンなどのジヒドロキシジアリールシクロアルカン類;ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−
ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどのジ
ヒドロキシジアリールスルホン類;ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)エーテル、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)エーテルなどのジヒドロキシジアリ
ールエーテル類;4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン、
3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジヒドロキシベン
ゾフェノンなどのジヒドロキシジアリールケトン類;ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−
メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィ
ドなどのジヒドロキシジアリールスルフィド類;ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシドなどのジヒド
ロキシジアリールスルホキシド類;4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニルなどのジヒドロキシジフェニル類;9,9−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンなどのジヒドロ
キシアリールフルオレン類などがあげられる。また、前
記のごとき2価フェノール化合物以外に、ヒドロキノ
ン、レゾルシノール、メチルヒドロキノンなどのジヒド
ロキシベンゼン類;1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6
−ジヒドロキシナフタレンなどのジヒドロキシナフタレ
ン類なども使用しうる。
さらに、3価以上のフェノール系化合物も、えられる
ポリカーボネート系樹脂が熱可塑性を維持する範囲で使
用しうる。3価以上のフェノール系化合物の例として
は、たとえば2,4,4′−トリヒドロキシベンゾフェノ
ン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、
2,4,4′−トリヒドロキシフェニルエーテル、2,2′,4,
4′−テトラヒドロキシフェニルエーテル、2,4,4′−ト
リヒドロキシジフェニル−2−プロパン、2,2′−ビス
(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン、2,2′,4,4′
−テトラヒドロキシジフェニルメタン、2,4,4′−トリ
ヒドロキシジフェニルメタン、1−[α−メチル−α−
(4′−ジヒドロキシフェニル)エチル]−3−
[α′,α′−ビス(4″−ヒドロキシフェニル)エチ
ル]ベンゼン、1−[α−メチル−α−(4′−ジヒド
ロキシフェニル)エチル]−4−[α′,α′−ビス
(4″−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、α,
α′,α″−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,
5−トリイソプロピルベンゼン、2,6−ビス(2−ヒドロ
キシ−5′−メチルベンジル)−4−メチルフェノー
ル、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4′−ヒドロキシ
フェニル)−2−ヘプテン、4,6−ジメチル−2,4,6−ト
リス(4′−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5
−トリス(4′−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,
1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビ
ス[4,4−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キシル]プロパン、2,6−ビス(2′−ヒドロキシ−
5′−イソプロピルベンジル)−4−イソプロピルフェ
ノール、ビス[2−ヒドロキシ−3−(2′−ヒドロキ
シ−5′−メチルベンジル)−5−メチルフェニル]メ
タン、ビス[2−ヒドロキシ−3−(2′−ヒドロキシ
−5′−イソプロピルベンジル)−5−メチルフェニ
ル]メタン、テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)メ
タン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタ
ン、2′,4′,7−トリヒドロキシフラバン、2,4,4−ト
リメチル−2′,4′,7−トリヒドロキシフラバン、1,3
−ビス(2′,4′−ジヒドロキシフェニルイソプロピ
ル)ベンゼン、トリス(4′−ヒドロキシフェニル)−
アミル−s−トリアジンなどがあげられる。
これらのフェノール系化合物は、それぞれ単独で用い
てもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリカーボネート系樹脂(A)は分岐構造を有してい
てもよく、ポリカーボネート系樹脂(A)には、必要に
応じて、分岐ポリカーボネート系樹脂にするための成分
(分岐剤)を、耐薬品性、熱安定性、機械的物性を損わ
ない範囲で含有させることができる。分岐ポリカーボネ
ート系樹脂をうるために用いられる分岐剤としては、3
価以上のフェノール系化合物以外に、たとえばフロログ
ルシン、メリト酸、トリメリト酸、トリメリト酸クロリ
ド、無水トリメリト酸、没食子酸、没食子酸n−プロピ
ル、プロトカテク酸、ピロメリト酸、ピロメリト酸二無
水物、α−レゾルシル酸、β−レゾルシル酸、レゾルシ
ルアルデヒド、イサチンビス(o−クレゾール)、4−
クロロホルミルフタル酸無水物、ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸などがあげられる。
また、ポリカーボネート系樹脂(A)として、ポリカ
ーボネート部とポリオルガノシロキサン部とからなるポ
リカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を用
いてもよい。このポリオルガノシロキサン部の重合度は
5以上が好ましい。
この他、ポリカーボネート系樹脂(A)として、たと
えばアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸などの直鎖状脂肪
族2価カルボン酸を共重合モノマーとする共重合体を用
いることもできる。
なお、ポリカーボネート系樹脂(A)の成分として、
必要に応じて、重合時の末端停止剤として使用される公
知の各種のものを、耐薬品性、熱安定性、機械的物性を
損わない範囲で使用することができる。具体的には、1
価フェノール系化合物である、たとえばフェノール、p
−クレゾール、p−t−ブチルフェノール、p−t−オ
クチルフェノール、p−クミルフェノール、ノニルフェ
ノールなどがあげられる。
前記炭酸ジエステル化合物としては、たとえばジフェ
ニルカーボネートなどのジアリールカーボネートや、ジ
メチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのジア
ルキルカーボネートがあげられる。
ポリカーボネート系樹脂(A)の分子量にはとくに限
定はないが、えられる樹脂の強度の点から、粘度平均分
子量で10000以上、さらには12000以上、とくには13000
以上であるのが好ましい。また、成形加工性の点から、
60000以下、さらには50000以下、とくには40000以下で
あるのが好ましい。
前記のごときポリカーボネート系樹脂(A)の具体例
としては、たとえばビスフェノールAとジフェニルカー
ボネートとを反応させてえられるポリカーボネート樹
脂、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタンとジフェニ
ルカーボネートとを反応させてえられるポリカーボネー
ト樹脂などがあげられる。
本発明で使用される芳香族ポリエステル系樹脂(B)
は、2価以上の芳香族カルボン酸成分と、2価以上のア
ルコールおよび(または)フェノール成分とを重縮合す
ることによりえられる熱可塑性芳香族ポリエステル系樹
脂であり、本発明の組成物に耐溶剤性、成形流動性など
の特性を付与するために使用される成分である。
前記2価以上の芳香族カルボン酸成分としては、炭素
数8〜22の2価以上の芳香族カルボン酸やこれらのエス
テル形成性誘導体が用いられる。これらの具体例として
は、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボ
ン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アント
ラセンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルカルボン酸、
1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボン
酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸などの2価芳香族
カルボン酸、トリメシン酸、トリメリット酸、ピロメリ
ット酸などの3価以上の芳香族カルボン酸、それらのエ
ステル形成能を有する誘導体があげられる。これらのう
ちでは、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカ
ルボン酸が、取り扱い易さ、反応の容易さ、えられる樹
脂の耐熱性と流動性とのバランスが良好であるなどの点
から好ましい。これらは単独で用いてもよく2種以上を
組み合わせて用いてもよい。
前記2価以上のアルコールおよび(または)フェノー
ル成分としては、炭素数2〜15の脂肪族化合物、炭素数
6〜20の脂環式化合物、炭素数6〜40の芳香族化合物で
あって分子内に2個以上の水酸基を有する化合物類やこ
れらのエステル形成性誘導体などがあげられる。これら
の具体例としては、エチレングリコール、プロピレング
リコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、デンカ
ンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジオ
ール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジ
オール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)
プロパンなどの脂環式ジオール、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、ハイドロキノンなどの芳香
族ジオール、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの
3価以上のアルコールや、それらのエステル形成能を有
する誘導体があげられる。これらのうちでは、エチレン
グリコール、ブタンジオールが、取り扱い易さ、反応の
容易さ、えられる樹脂の耐熱性と流動性とのバランスが
良好であるなどの点から好ましい。これらは単独で用い
てもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族ポリエステル系樹脂(B)には、前記の成分以
外に、炭素数4〜12の2価以上の脂肪族カルボン酸、炭
素数8〜15の2価以上の脂環式カルボン酸などのカルボ
ン酸類、それらのエステル形成性誘導体が一部共重合さ
れていてもよい。これらの具体例としては、アジピン
酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マ
レイン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸などのジカルボン酸、それら
のエステル形成能を有する誘導体があげられる。また、
p−ヒドロキシ安息香酸のようなオキシ酸、それらのエ
ステル形成性誘導体、ε−カプロラクトンのような環状
エステルなども共重合成分として使用しうる。さらに、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ポリ(エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド)ブ
ロックおよび(または)ランダム共重合体、ビスフェノ
ールA共重合エチレンオキシド付加重合体、同プロピレ
ンオキシド付加重合体、同テトラヒドロフラン付加重合
体、ポリテトラメチレングリコールなどのポリアルキレ
ングリコール単位を高分子鎖中に一部共重合させた芳香
族ポリエステル系樹脂を用いることもできる。これら他
の成分の共重合量としては、概ね20重量%以下、さらに
は15重量%以下、とくには10重量%以下が好ましい。
芳香族ポリエステル系樹脂(B)は、アルキレンテレ
フタレート単位を80重量%以上、さらには85重量%以
上、とくには90重量%以上含有するポリアルキレンテレ
フタレート系樹脂であるのが、えられる組成物の耐熱
性、流動性、耐薬品性などの物性バランスに優れるため
好ましい。
芳香族ポリエステル系樹脂(B)のフェノール/テト
ラクロロエタン=1/1(重量比)混合溶媒中、25℃で測
定したときの固有粘度(IV)は、0.30〜2.00dl/g、さら
には0.40〜1.80dl/g、とくには0.50〜1.60dl/gであるの
が好ましい。固有粘度が前記範囲未満のばあい、成形体
の機械的強度が低下し、前記範囲をこえると成形加工が
困難になる傾向が生じる。
芳香族ポリエステル系樹脂(B)の具体例としては、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレ
ート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート、ポリテトラメチレンナフタレート、ポ
リシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリアリ
レート、前記各樹脂とポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、
ポリε−カプロラクトンなどとの共重合体などがあげら
れる。これらのなかでも、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリテトラメチレンテレフタレートが好ましい。
芳香族ポリエステル系樹脂(B)は、単独で用いても
よく、共重合成分や固有粘度の異なる2種以上を組み合
わせて用いてもよい。
こうした芳香族ポリエステル系樹脂(B)は、通常の
ポリエステルの製法により製造することができる。
ポリカーボネート系樹脂(A)/芳香族ポリエステル
系樹脂(B)の重量比は、99/1〜50/50であり、好まし
くは95/5〜55/45、さらに好ましくは90/10〜60/40であ
る。前記重量比が99/1をこえると、耐溶剤性が低下し、
50/50未満のばあい、えられる成形品の衝撃強度および
耐熱性が低下する。
本発明で使用される珪酸塩化合物(C)は、樹脂の収
縮率の異方性を抑えつつ、耐熱性、機械的強度、弾性率
などの諸物性を向上させるとともに、成形体を燃焼させ
たときのドリッピングを防止し、難燃効果を高めるため
に用いられる。
このような珪酸塩化合物は、代表的にはSiO2単位の化
学組成を含む化合物である。形状については特に限定さ
れないが、代表的には粉体状、粒状、針状、板状などで
ある。このような珪酸塩化合物は、天然物であっても合
成されたものであってもよい。珪酸塩化合物(C)の具
体例としては、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、
珪酸カルシウム、タルク、マイカ、ワラストナイト、カ
オリン、珪藻土、スメクタイトなどがあげられる。これ
らのなかでも、マイカ、タルク、カオリン、スメクタイ
トが、樹脂組成物からえられる成形品の異方性を抑える
効果を有するうえ、耐熱性や機械的強度にも優れるため
好ましい。成形体のドリッピングを防止し、難燃性を高
める効果に優れる点から、マイカ、タルクが特に好まし
い。珪酸塩化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を
組み合わせて用いてもよい。
(C)成分として用いられるマイカは、特にその種類
は限定されず、白マイカ(マスコバイト)、金マイカ
(フロゴパイト)、絹マイカ(セリサイト)、黒マイ
カ、ソーダマイカ、合成マイカなどから適宜選択するこ
とができる。
マイカは樹脂との接着性を高めるために表面処理がな
されていてもよい。表面処理剤としては、エポキシシラ
ンのようなエポキシ基を含むシランカップリング剤が、
樹脂の物性を低下させることがないため好ましい。表面
処理の方法には特に制限はなく、通常の処理方法が適用
できる。
マイカは、重量平均フレーク粒径が1μm以上40μm
以下のものを用いるのが、添加時の難燃効果やドリッピ
ング防止効果をより高めることができる、溶融混練時の
加工性が向上する、えられる成形体の衝撃強度が向上す
るなどの理由から好ましい。重量平均フレーク粒径が2
μm以上37μm以下のマイカがより好ましく、重量平均
フレーク粒径が3μm以上35μm以下のマイカがさらに
好ましい。重量平均フレーク粒径が1μm未満では、マ
イカの嵩比重が大きくなりすぎて溶融混練時に樹脂成分
と混練することが困難となり、重量平均フレーク粒径が
40μmをこえると、成形体の衝撃強度やドリッピング防
止効果が低下する傾向がある。
なお、本発明におけるマイカの重量平均フレーク粒径
とは、粉体を各種の目開きのマイクロシーブで分級し、
その結果をロジン−ランムラー(Rosin−Rammlar)線図
にプロットし、測定に供した粉体の50重量%が通過する
マイクロシーブの目開きに相当する値で定義されるもの
である。
これらマイカは、単独で用いてもよく、あるいは粒
径、種類、表面処理剤などの異なる2種以上を混合して
用いてもよい。
(C)成分として用いられるタルクは、重量平均粒子
径が1.0μm以上で、かつ嵩比容積が8.0ml/g以下のもの
が、添加時の難燃効果、ドリッピング防止効果をより高
めることができる、溶融混練時の加工性が向上する、え
られる成形体の衝撃強度が向上するなどの理由から好ま
しい。重量平均粒子径は、より好ましくは1.1〜30μ
m、さらに好ましくは1.2〜20μmである。また、嵩比
容積は、より好ましくは7.0ml/g以下、さらに好ましく
は6.0ml/g以下である。重量平均粒子径が1.0μm未満あ
るいは嵩比容積が8.0ml/gをこえると、溶融混練時に樹
脂成分と混練することが困難となるうえ、成形体が燃焼
したときのドリッピング防止効果に劣る傾向がある。ま
た、重量平均粒子径が30μmをこえると、成形体の衝撃
強度が低下することがある。
なお、本発明におけるタルクの重量平均粒子径とは、
粉体を各種の目開きのマイクロシーブで分級し、測定に
供した粉体の全重量の50%が通過するマイクロシーブの
目開きに相当する値で定義されるものである。
本発明で用いられるタルクの種類、産地などにはとく
に限定はなく、市販のものから適宜選択することができ
る。これらは熱可塑性樹脂(R)との接着性を高めるた
め、表面処理剤で表面処理がなされていてもよい。前記
表面処理剤としては、エポキシシランのようなエポキシ
基を含むシランカップリング剤が、熱可塑性樹脂(R)
の物性を低下させることがない点から好ましい。表面処
理の方法にはとくに限定はなく、通常の処理方法が採用
されうる。
タルクは、単独で用いてもよく、粒子径、種類、表面
処理剤などの異なる2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
前記珪酸塩化合物(C)の添加量は、ポリカーボネー
ト系樹脂(A)および芳香族ポリエステル系樹脂(B)
からなる熱可塑性樹脂(R)100重量部に対して0.5〜10
0重量部、好ましくは1〜70重量部、さらに好ましくは
2〜50重量部である。珪酸塩化合物(C)の添加量が0.
5重量部未満のばあい、えられる成形体の燃焼時にドリ
ッピングが生じて燃焼性が充分改善されないうえに、耐
熱性、機械的強度も低下する。一方、100重量部をこえ
ると、えられる成形体の耐衝撃性および表面性が低下す
るうえに、溶融混練時の樹脂との混練が困難となる。
また、珪酸塩化合物(C)は、フッ素系樹脂を添加せ
ずとも成形体が燃焼したときのドリッピング防止効果を
発揮することができるが、さらにドリッピング防止効果
を高めるために、ポリテトラフルオロエチレンなどのフ
ッ素系樹脂(フッ素化ポリオレフィンなど)を併用して
もよい。併用するばあいには、(A)成分〜(D)成分
からなる組成物100重量部に対してフッ素系樹脂0.005〜
1重量部程度用いるのが、コストと難燃化効果との兼ね
合いの点から好ましい。
本発明で使用される有機リン系難燃剤(D)として
は、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、ホ
スフィンオキシド、ホスファイト、ホスホナイト、ホス
フィナイト、ホスフィンなどがあげられる。これらの具
体例としては、たとえば、トリメチルホスフェート、ト
リエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ
(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリブトキシエ
チルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリク
レジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、ト
リス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリス
(フェニルフェニル)ホスフェート、トリナフチルホス
フェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニ
ルジフェニルホスフェート、ジフェニル(2−エチルヘ
キシル)ホスフェート、ジ(イソプロピルフェニル)フ
ェニルホスフェート、フェニルジクレジルホスフェー
ト、ジ−2−エチルヘキシルホスフェート、モノイソデ
シルホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルアシ
ッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルア
シッドホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイルオ
キシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロ
イルオキシエチルホスフェート、トリフェニルホスファ
イト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリストリ
デシルホスファイト、ジブチルハイドロジエンホスファ
イト、トリフェニルホスフィンオキシド、トリクレジル
ホスフィンオキシド、メタンホスホン酸ジフェニル、フ
ェニルホスホン酸ジエチルなどの有機リン系化合物や、
縮合リン酸エステルなどがあげられる。これらは単独で
用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機リン系難燃剤(D)としては、とくに、一般式
(I) (式中、R1〜R4は1価の芳香族基または脂肪族基、R5
2価の芳香族基、nは0〜16を示し、n個のR3およびR5
はそれぞれ異なっていてもよい)で表わされるリン酸エ
ステル化合物が、難燃性に優れるうえに取り扱いが容易
である点から好ましく、前記一般式(I)においてnが
1〜16であるばあいの縮合リン酸エステルが、成形時に
金型などの金属部分に対する汚染性が低い点から、さら
に好ましい。
前記一般式(I)で表わされるリン酸エステル(n=
0)の具体例としては、トリフェニルホスフェート、ト
リクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェー
ト、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフ
ェニルホスフェートなどがあげられる。
前記一般式(I)で表わされる縮合リン酸エステルの
具体例としては、 一般式: (式中、mは0〜15)で表わされるレゾルシノールビス
(ジフェニル)ホスフェート(1)、 一般式: (式中、mは0〜15)で表わされるレゾルシノールビス
(ジ−2,6−キシリル)ホスフェート(2)、 一般式: (式中、mは0〜15)で表わされるビスフェノールAビ
ス(ジクレジル)ホスフェート(3)、 一般式: (式中、mは0〜15)で表わされるハイドロキノンビス
(ジ−2,6−キシリル)ホスフェート(4) およびこれらの縮合物などがあげられる。
有機リン系難燃剤(D)の添加量は、ポリカーボネー
ト系樹脂(A)および芳香族ポリエステル系樹脂(B)
からなる熱可塑性樹脂(R)100重量部に対して0.5〜30
重量部、好ましくは1〜25重量部、さらに好ましくは3
〜20重量部である。有機リン系難燃剤(D)の添加量が
0.5重量部未満になると、えられる成形品の難燃性が低
下し、30重量部をこえると、えられる成形品の耐衝撃
性、耐熱性、耐溶剤性が低下する。
本発明では、えられる成形体の衝撃強度を高めるため
に、樹脂組成物にさらに弾性樹脂(E)を添加してもよ
い。
弾性樹脂(E)としては、0℃以下、好ましくは−20
℃以下に少なくとも1つのガラス転移温度を有するもの
が、えられる成形体の衝撃強度を向上するうえで好まし
い。
弾性樹脂(E)の具体例としては、たとえばポリブタ
ジエン、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル
−ブタジエンゴム、(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル−ブタジエンゴムなどのジエン系ゴム、アクリルゴ
ム、エチレン−プロピレンゴム、シロキサンゴムなどの
ゴム状重合体、ジエン系ゴムおよび(または)ゴム状重
合体の存在下にビニル系単量体を重合してえられるグラ
フト共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの各
種ポリオレフィン系樹脂、エチレン−エチルアクリレー
ト共重合体などの各種共重合成分により共重合変性され
たポリオレフィン系樹脂、エチレン−グリシジルメタク
リレート共重合体などの各種官能性成分により変性され
た変性ポリオレフィン系樹脂などがあげられる(それぞ
れのガラス転移温度は分子量や共重合比率などにより変
化するが、いずれも−20℃以下である)。弾性樹脂
(E)は単独で用いてもよく2種以上組み合わせて用い
てもよい。
えられる成形体の衝撃強度が優れている点で、弾性樹
脂(E)として、前記ジエン系ゴムおよび(または)ゴ
ム状重合体10〜90重量部、さらには30〜80重量部に対
し、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルから選択されたビニル
系化合物の1種以上10〜90重量部、さらには20〜70重量
部およびこれらと共重合可能な他のビニル系化合物0〜
10重量部からなる単量体をゴム成分と単量体の合計が10
0重量部になるように重合してえられるグラフト共重合
体を使用するのが好ましい。ゴム成分(ジエン系ゴムお
よび(または)ゴム状重合体)とビニル系単量体の共重
合割合は、重量比で10/90〜90/10、なかんづく30/70〜8
0/20である。ジエン系ゴムおよび(または)ゴム状重合
体の割合が10重量部未満のばあい、耐衝撃性の向上効果
が少なく、また、90重量部をこえると、衝撃強度を高め
る効果がジエン系ゴムおよび(または)ゴム状重合体自
身を用いるばあいとあまりかわらず、また、熱可塑性樹
脂(R)との相溶性が低下する傾向がある。
前記ジエン系ゴムおよび(または)ゴム状重合体に共
重合せしめられる芳香族ビニル化合物としては、たとえ
ばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニル
トルエンなど、シアン化ビニル化合物としては、たとえ
ばアクリロニトリル、メタクリロニトリルなど、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルとしては、たとえばブ
チルアクリレート、ブチルメタクリレート、エチルアク
リレート、エチルメタクリレート、メチルアクリレー
ト、メチルメタクリレートなど、共重合可能な他のビニ
ル系化合物としては、たとえばアクリル酸、メタクリル
酸などの不飽和酸、グリシジルアクリレート、グリシジ
ルメタクリレートなどの(メタ)アクリル酸グリシジル
エステル、酢酸ビニル、無水マレイン酸、N−フェニル
マレイミドなどがあげられる。
衝撃強度の改良効果に優れる点から好ましいグラフト
共重合体として、たとえばブタジエンゴムとスチレン・
メチルメタクリレートとの共重合体、ブタジエンゴムと
メチルメタクリレートとの共重合体、アクリルゴムとス
チレン・メチルメタクリレートとの共重合体、アクリル
ゴムとメチルメタクリレートとの共重合体、シリコーン
ゴムとスチレン・メチルメタクリレートとの共重合体、
シリコーンゴムとメチルメタクリレートとの共重合体、
シリコーンゴムとブチルアクリレートとの共重合体、エ
チレンプロピレンゴムとスチレン・メチルメタクリレー
トとの共重合体、エチレンプロピレンゴムとメチルメタ
クリレートとの共重合体などがあげられる。
グラフト共重合体は単独で用いてもよく2種以上組み
合わせて用いてもよい。
また、弾性樹脂(E)として、1種以上のオレフィン
単位とアルキル基の炭素数が1〜10である1種以上の
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位とからなる共
重合体を用いることにより、耐衝撃性に加えて、えられ
る成形品の耐薬品性、リブ強度などがさらに改善され
る。
該共重合体は、一般的には1種以上のオレフィンと1
種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを、ラ
ジカル開始剤の存在下にラジカル重合することによりえ
られるが、重合方法はこれに限られるものではなく、一
般的に知られている公知の種々の重合方法を用いて重合
することができる。共重合体は、ランダム共重合体、ブ
ロック共重合体、グラフト共重合体などの任意の共重合
形態をとってよい。
該共重合体のオレフィンの具体例としては、たとえ
ば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン
などがあげられる。これらオレフィンは1種または2種
以上組み合わせて用いられる。耐薬品性がより改善され
る点から、オレフィンとしてはエチレンが特に好まし
い。
また、該共重合体における(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルとしては、アルキル基の炭素数が1〜10、好
ましくは炭素数が8以下、さらに好ましくは炭素数が6
以下のものが用いられる。アルキル基の炭素数が10をこ
えると、熱可塑性樹脂(R)との相溶性が低下し、樹脂
組成物中で分散不良となるため、機械的強度が低下す
る。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例として
は、たとえば、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、n−プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレ
ート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n
−プロピルメタクリレート、i−プロピルメタクリレー
ト、n−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレ
ートなどがあげられる。これらは、単独で用いてもよ
く、2種以上組み合わせて用いてもよい。機械的強度の
優れる点で、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、エチルメタクリレートが特
に好ましい。
該オレフィン−アルキル(メタ)アクリレート共重合
体のメルトインデックス(MI)の値は、190℃、2kg荷重
条件(JIS K6730に準拠)において、好ましくは0.1〜5
00g/10分、さらに好ましくは0.3〜400g/10分、特に好ま
しくは0.5〜300g/10分である。MI値が0.1g/10分未満で
は、えられる組成物の流動性が低下する傾向があり、MI
値が500g/10分をこえると、えられる成形体の機械的強
度が低下する傾向がある。
該共重合体中におけるオレフィン単位の含有量は、好
ましくは40〜95重量%、さらに好ましくは45〜90重量
%、とくに好ましくは50〜85重量%であり、(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル単位の含有量は、好ましくは
5〜60重量%、さらに好ましくは10〜55重量%、とくに
好ましくは15〜50重量%である。(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル単位の含有量が5重量%未満では耐薬品
性改良効果が小さく、60重量%をこえると、成形加工な
ど溶融時の熱安定性が低下する傾向がある。
前記オレフィン−(メタ)アクリレート共重合体は、
単独で用いてもよく、共重合成分、MI値の異なるものを
2種以上組み合わせて用いてもよい。
弾性樹脂(E)を添加するばあい、その添加量は、熱
可塑性樹脂(R)100重量部に対し、15重量部以下、さ
らには0.1〜12重量部、とくには0.2〜10重量部が好まし
い。添加量が15重量部をこえると剛性、耐熱性などが低
下する。また、弾性樹脂(E)を用いることによる明確
な効果をうるためには、0.1重量部以上用いるのが好ま
しい。
本発明の難燃性樹脂組成物は、組成物の耐溶剤性や溶
融時の熱安定性を高める目的および組成物の着色を防止
する目的で、分子内に実質的にハロゲン原子を含有しな
いエポキシ化合物(F)が配合される。
本発明で使用されるエポキシ化合物(F)は、分子内
に少なくとも1つ以上のエポキシ基を有し、かつ分子内
に実質的にハロゲン原子を有しない化合物である。好ま
しくは、エポキシ当量が50〜3000、なかんづく80〜1000
のエポキシ化合物が用いられる。なお、エポキシ化合物
(F)には、製造方法によっては、製造時の不純物とし
て塩素原子や臭素原子が微量含まれることがあるが、こ
のように不純物として微量のハロゲン原子が含まれるば
あいには、本明細書ではハロゲン原子を有しない化合物
として取り扱う。
エポキシ化合物(F)の具体例としては、N−グリシ
ジルフタルイミド、N−グリシジルテトラヒドロフタル
イミドなどのN−グリシジルイミド化合物、フェニルグ
リシジルエーテル、p−ブチルフェニルグリシジルエー
テルなどのフェニルグリシジルエーテル化合物、ネオヘ
キセンオキシド、エチレングリコールジグリシジルエー
テル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、
プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロ
ピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレ
ングリコールジグリシジルエーテルなどの(ポリ)アル
キレングリコールジグリシジルエーテル化合物、ビスフ
ェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポ
キシ化合物、レゾルシノール型エポキシ化合物、フェノ
ールノボラック型エポキシ化合物、オルトクレゾールノ
ボラック型エポキシ化合物、アジピン酸ジグリシジルエ
ステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジ
グリシジルエステルなどのジグリシジルエステル化合
物、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレー
ト、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エ
チレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−グリシジルメタクリレート−メチルアク
リレート共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレー
ト−エチルアクリレート共重合体などがあげられる。こ
れらのうちでは、ビスフェノールA型エポキシ化合物、
ノボラック型エポキシ化合物、エポキシ基含有オレフィ
ン系共重合体などが、えられる組成物の熱安定性などの
面から好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以
上を組み合わせて用いてもよい。
なお、エポキシ化合物として、テトラブロモビスフェ
ノールA型エポキシ化合物のような分子内にハロゲン原
子を含有するエポキシ化合物を添加すると、本発明の特
徴である、ハロゲン原子を含有しない難燃性熱可塑性樹
脂組成物という特徴が失われてしまう。このため添加す
るエポキシ化合物は分子内にハロゲン原子を含んでいな
いことが必要である。
エポキシ化合物(F)の添加量は、熱可塑性樹脂
(R)100重量部に対して、10重量部以下、好ましくは
0.01〜8重量部、さらに好ましくは0.05〜5重量部であ
る。添加量が10重量部をこえると流動性が低下するう
え、耐熱性や耐衝撃性が低下するばあいもあるため好ま
しくない。また、エポキシ化合物(F)を用いることに
よる明確な効果をうるためには、0.01重量部以上用いる
のが好ましい。
本発明においては、組成物の耐熱性や機械的強度をよ
り高めるために、珪酸塩化合物(C)以外の強化充填剤
を使用することができる。無機の強化充填剤の具体例と
しては、たとえば、ガラス繊維、カーボン繊維、金属繊
維などの繊維状強化剤、炭酸カルシウム、ガラスビー
ズ、ガラス粉末、セラミック粉末、金属粉末、カーボン
ブラックなどがあげられる。これらは熱可塑性樹脂
(R)との接着性を高めるために、表面処理剤で処理さ
れていてもよい。表面処理剤としては、エポキシシラン
のようなエポキシ基を含むシランカップリング剤が、熱
可塑性樹脂(R)の物性を低下させることがないため好
ましい。表面処理の方法にはとくに限定はなく、通常の
処理方法でよい。
無機強化充填剤は単独で用いてもよく、種類、粒子径
や長さ、表面処理方法などの異なるものを2種以上組み
合わせて用いてもよい。
前記無機強化充填剤の添加量は、熱可塑性樹脂(R)
100重量部に対して100重量部以下、好ましくは50重量部
以下、さらに好ましくは10重量部以下である。添加量が
100重量部をこえると耐衝撃性が低下するうえ、成形加
工性、難燃性が低下するばあいがある。また無機強化充
填剤の添加量が増えるとともに成形品の表面性や寸法安
定性が悪化する傾向が見られるため、これらの特性が重
視されるばあいには、無機強化充填剤の添加量をできる
だけ減らすのが好ましい。無機強化充填剤を使用するこ
とによる効果をうるためには、少なくとも0.1重量部程
度使用するのが好ましい。
本発明の組成物には、本発明の目的を損わない範囲で
さらに他の任意の熱可塑性あるいは熱硬化性の樹脂、た
とえば液晶ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポ
リスチレン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、
ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリアセタール系樹
脂、ポリサルホン系樹脂などを単独であるいは2種以上
を組み合わせて添加してもよい。
また、本発明の組成物をより高性能にするため、フェ
ノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤などの
酸化防止剤、リン系安定剤などの熱安定剤などを単独で
または2種以上を組み合わせて使用してもよい。さらに
必要に応じて、安定剤、滑剤、離型剤、可塑剤、リン系
以外の難燃剤、難燃助剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔
料、染料、帯電防止剤、導電性付与剤、分散剤、相溶化
剤、抗菌剤などの通常用いられる添加剤を単独でまたは
2種以上組み合わせて使用してもよい。
本発明の組成物の製法にはとくに限定はなく、たとえ
ば前記成分および他の添加剤や樹脂などを乾燥後、単軸
押出機、2軸押出機のような溶融混練機で、溶融混練す
るなどの方法により製造することができる。また、配合
剤が液体のばあいには、液体供給ポンプなどを用いて溶
融混練機に途中添加して製造することもできる。
本発明の組成物の成形加工法にはとくに限定はなく、
熱可塑性樹脂について一般に用いられている成形法、た
とえば射出成形、ブロー成形、押出成形、真空成形、プ
レス成形、カレンダー成形などが適用できる。
つぎに実施例をあげて本発明の組成物を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、以下の説明中、「部」はことわりのない限り重量部
を示す。
実施例および比較例で使用した成分を以下に示す。
ポリカーボネート系樹脂(A) PC−1:粘度平均分子量が約28800のビスフェノールA
型ポリカーボネート樹脂 PC−2:粘度平均分子量が約23500のビスフェノールA
型ポリカーボネート樹脂 PC−3:粘度平均分子量が約25000のビスフェノールA
型ポリカーボネート樹脂 芳香族ポリエステル系樹脂(B) PET−1:固有粘度0.75の線状ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂 PET−2:固有粘度0.65の線状ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂 PET−3:固有粘度0.60の線状ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂 PBT−1:固有粘度0.75の線状ポリブチレンテレフタレ
ート樹脂 PBT−2:固有粘度0.85の線状ポリブチレンテレフタレ
ート樹脂 珪酸塩化合物(C) MIC−1:重量平均フレーク粒径8μmのマスコバイト
型マイカ MIC−2:重量平均フレーク粒径30μmのマスコバイト
型マイカ TAL−1:重量平均粒子径3.2μm、嵩比容積1.6ml/gの
タルク TAL−2:重量平均粒子径1.8μm、嵩比容積2.2ml/gの
タルク KAO−1:カオリン(商品名:SATINTON No.5、エンゲル
ハード(ENGELHARD)社製) 有機リン系難燃剤(D) P−1:ビスフェノールAビス(ジクレジル)ホスフェ
ート P−2:トリフェニルホスフェート P−3:ハイドロキノンビス(ジ−2,6−キシリル)ホ
スフェート Pー4:レゾルシノールビス(ジ−2,6−キシリル)ホ
スフェート P−5:レゾルシノールビス(ジフェニル)ホスフェー
ト 弾性樹脂(E) MB:ブタジエンとメチルメタクリレートとの共重合
体、Tg−20℃以下(登録商標:パラロイドEXL−2602、
呉羽化学(株)製) LLDPE:直鎖低密度ポリエチレン、Tg−20℃以下(登録
商標:出光ポリエチレン−L0134N、出光石油化学工業
(株)製) EEA−1:MI値25g/10分、エチルアクリレート含有量35
重量%のエチレン−エチルアクリレート共重合体 EEA−2:MI値20g/10分、エチルアクリレート含有量25
重量%のエチレン−エチルアクリレート共重合体 EEA−3:MI値275g/10分、エチルアクリレート含有量25
重量%のエチレン−エチルアクリレート共重合体 EEA−4:MI値25g/10分、エチルアクリレート含有量17
重量%のエチレン−エチルアクリレート共重合体 エポキシ化合物(F) EP−1:エポキシ当量約210のo−クレゾールノボラッ
ク型エポキシ化合物(登録商標:YDCN−704P、東都化成
(株)製) EP−2:エポキシ当量約200のエポキシ化合物(登録商
標:アデカスタブEP−22、旭電化工業(株)製) EP−3:エポキシ当量約185のビスフェノールA型エポ
キシ樹脂(登録商標:エピコート828、油化シェルエポ
キシ(株)製) その他の添加剤 AO−60:高分子量ヒンダードフェノール(安定剤)
(登録商標:アデカスタブAO−60、旭電化工業(株)
製) PEP−36:粉末ホスファイト系安定剤(登録商標、アデ
カスタブPEP−36、旭電化工業(株)製) HP−10:粉末ホスファイト系安定剤(登録商標、アデ
カスタブHP−10、旭電化工業(株)製) GF−1:ガラス繊維(登録商標:T−195H/P、日本電気硝
子(株)製) PTFE:ポリテトラフルオロエチレン樹脂(登録商標:
ポリフロンFA−500、ダイキン工業(株)製) 実施例および比較例における各種物性は、以下の方法
で評価した。
難燃性 えられたペレットを110℃で5時間乾燥後、35t射出成
形機を用い、シリンダー温度280℃、金型温度70℃で、1
25mm×13mmのサイズで厚さ1/16インチの試験片を作製
し、えられた試験片についてUL−94V規格にしたがって1
/16インチバーの難燃性を測定した。
ドリッピング性 UL−94V規格に準じ、1/32インチバーの燃焼試験を行
いドリッピングによる綿着火の有無を評価した。
機械的強度 えられたペレットを110℃で5時間乾燥後、75t射出成
形機を用い、シリンダー温度280℃、金型温度70℃でAST
M1号試験片を作製し、えられた試験片についてASTM D6
38にしたがって23℃、引張速度5mm/分で引張強度(単
位:MPa)の最大値を測定した。
耐熱性(低荷重) えられたペレットを110℃で5時間乾燥後、75t射出成
形機を用い、シリンダー温度280℃、金型温度70℃で、1
25mm×13mmのサイズで厚さ1/4インチの試験片を作製
し、えられた試験片について、ASTM D648にしたがって
厚さ1/4インチ、荷重0.45MPaのHDT(単位:℃)を測定
した。
耐熱性(高荷重) えられたペレットを110℃で5時間乾燥後、75t射出成
形機を用い、シリンダー温度280℃、金型温度70℃で、1
25mm×13mmのサイズで厚さ1/4インチの試験片を作製
し、えられた試験片について、ASTM D648にしたがって
厚さ1/4インチ、荷重1.82MPaのHDT(単位:℃)を測定
した。
耐サラダ油性 えられたペレットを110℃で5時間乾燥後、75t射出成
形機を用い、シリンダー温度280℃、金型温度70℃でAST
M1号試験片を作製し、えられたダンベル試験片に1.5%
曲げ歪みを加えて、80℃に保持したオーブン中にてサラ
ダ油を塗布し、24時間後のクラック発生の有無を調べ、
下記基準で評価した。
◎:クラックの発生が認められない ○:長さ1mm未満のわずかなクラックの発生が認めら
れる △:長さ1mm以上の大きなクラックの発生が認められ
る ×:試験片の破断が認められる。
耐ガソリン性 えられたペレットを110℃で5時間乾燥後、75t射出成
形機を用い、シリンダー温度280℃、金型温度70℃でAST
M1号試験片を作製し、えられたダンベル試験片に1%曲
げ歪みを与え、ガソリン(日本石油(株)製レギュラー
ガソリン)を塗布し、23℃で48時間放置した後、表面外
観変化を目視にて観察し、下記基準にしたがって評価し
た。
○:外観変化無し △:3mm未満のクラック発生有り ×:3mm以上のクラック発生有り 耐油性(作動油) えられたペレットを110℃で5時間乾燥後、75t射出成
形機を用い、シリンダー温度280℃、金型温度70℃でAST
M1号試験片を作製し、えられたダンベル試験片に1%曲
げ歪みを与え、作動油を塗布し、80℃に保持したオーブ
ン中にて72時間放置した後、表面外観変化を目視にて観
察し、下記基準にしたがって評価した。
○:外観変化無し △:3mm未満のクラック発生有り ×:3mm以上のクラック発生有り 耐薬品性(ジオクチルフタレート) えられたペレットを110℃で5時間乾燥後、75t射出成
形機を用い、シリンダー温度280℃、金型温度70℃でAST
M1号試験片を作製し、えられたダンベル試験片1%曲げ
歪みを与え、ジオクチルフタレート(試薬)を塗布し、
80℃に保持したオーブン中にて24時間放置した後、表面
外観変化を目視にて観察し、下記基準にしたがって評価
した。
○:外観変化無し △:3mm未満のクラック発生有り ×:3mm以上のクラック発生有り 成形品の表面性 えられたペレットを110℃で5時間乾燥後、75t射出成
形機を用い、シリンダー温度280℃、金型温度70℃で、
厚さ1mm、寸法10cm×10cmの平板を作製し、えられた平
板の表面性を目視にて以下の基準で評価した。
◎:平板全面にもやなどが見られず、表面性良好 ○:ごくわずかに平板表面にもやが見られるものの、
ほぼ表面性良好 △:平板表面に部分的にもやが見られる ×:平板表面のいたる所にもやが発生したり、全面に
もやが見られる。
成形品の寸法安定性 えられたペレットを110℃で5時間乾燥後、75t射出成
形機を用い、シリンダー温度280℃、金型温度70℃で、
厚さ1mm、寸法10cm×10cmの平板を作製し、えられた平
板を23℃×50%RH条件下で1週間静置した。そののち、
平滑な平面上に平板を置き、平板の4隅のいずれか1点
を平面上に押し当て、対角線側の隅の平面との隙間を隙
間ゲージで測定した。4隅のうちでこの隙間が最も大き
くなったときの値を、以下の基準で評価した。
◎:隙間0.5mm未満 ○:隙間0.5mm以上1mm未満 △:隙間1mm以上3mm未満 ×:隙間3mm以上。
衝撃強度 えられたペレットを110℃で5時間乾燥後、75t射出成
形機を用い、シリンダー温度280℃、金型温度70℃で試
験片を作製し、えられた試験片について、ASTM D−25
6にしたがって、23℃、厚さ1/4インチ、ノッチ無しのIZ
OD衝撃強度(単位:J/m)を測定した。
熱安定性 えられたペレットを110℃で5時間乾燥後、75t射出成
形機を用い、シリンダー温度280℃で10分間滞留させた
後、金型温度70℃で120mm×120mm×2mmの板状の成形品
を成形し、えられた成形品について表面外観性を目視に
て以下の基準で評価した。
◎:外観良好 ○:若干黄色に変色 △:黄色に変色有り、フラッシュ、シルバー、ガスに
よる表面性不良などの外観不良有り ×:黄色に変色大、フラッシュ、シルバー、ガスによ
る表面性不良などの外観不良大 参考例1 ポリカーボネート系樹脂(A)として、120℃で4時
間乾燥したビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂
(PC−1)85部、芳香族ポリエステル系樹脂(B)とし
て、140℃で4時間乾燥した線状ポリエチレンテレフタ
レート樹脂(PET−1)15部、フェノール系酸化防止剤
(AO−60)0.2部およびリン系安定剤(PEP−36)0.5部
をよく混合したのち、設定温度280℃の同方向2軸押出
機((株)日本製鋼所製のTEX44XCT−38)のホッパーに
投入した。さらに、有機リン系難燃剤(D)としてビス
フェノールAビス(ジクレジルホスフェート)(P−
1)6部を同押出機の液体添加ポンプより、さらに珪酸
塩化合物(C)としてマイカ(MIC−1)16部を同押出
機のサイドフィーダーより添加し、それらを溶融混練し
てペレット化を行ない組成物をえた。えられた組成物を
評価した結果を表1に示す。
実施例1〜29、参考例2〜18および比較例1〜15 表1〜8に記載の処方にしたがって参考例1と同様に
して組成物を製造し、評価した。結果を表1〜8に示
す。
なお、PBT−1およびPBT−2の乾燥は130℃で4時間
行なった。また、有機リン系難燃剤P−3、P−4、P
−5およびエポキシ化合物EP−2、EP−3は押出機の液
体添加ポンプから、珪酸塩化合物MIC−2、TAL−1、TA
L−2、KAO−1、ガラス繊維GF−1は押出機のサイドフ
ィーダーから、その他の成分は押出機のホッパーから添
加した。
表1〜4から、本発明にしたがってえられた組成物は
いずれも難燃性、耐ドリッピング性、耐熱性、機械的強
度、耐溶剤性に優れていることがわかる。また、弾性樹
脂(E)を添加することにより、耐衝撃性が向上するこ
とがわかる。さらに表5から、弾性樹脂(E)としてオ
レフィンと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共
重合体を用いるときは、耐薬品性などに優れた組成物が
えられることがわかる。
表7に示されるように、比較例1〜2では、芳香族ポ
リエステル系樹脂(B)が含まれていないため、耐サラ
ダ油性に劣り、比較例3〜4では、ポリカーボネート系
樹脂(A)の使用量が少なく、(A)/(B)比が本発
明の範囲外であるため、耐熱性、引張強度(機械的強
度)に劣り、寸法安定性も不充分である。比較例5で
は、珪酸塩化合物(C)を用いていないため、耐ドリッ
ピング性、耐熱性、機械的強度が低下している。比較例
6では、珪酸塩化合物(C)の代りにフッ素化ポリオレ
フィンが使用されているが、引張強度が低下し、また、
えられた成形体の表面性も悪化していることがわかる。
さらに、比較例7では、珪酸塩化合物(C)の代りにガ
ラス繊維を用いているため、耐ドリッピング性、表面
性、寸法安定性が劣っている。また、比較例8〜9で
は、珪酸塩化合物(C)や有機リン系難燃剤(D)の添
加量が本発明の範囲外であるため、押出機での混練加工
が困難となり、樹脂組成物がえられなかった。
産業上の利用可能性 本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物は、ハロゲン原子
を含まなくても優れた難燃性、耐ドリッピング性を発揮
できるうえ、耐熱性、機械的強度、耐溶剤性、成形体の
表面性、寸法安定性にも優れるため、家電製品、OA機器
部品、AV機器部品、自動車部品などに用いられる成形品
として好適に使用しうる。
フロントページの続き (72)発明者 大原 洋一 兵庫県加東郡社町山口30 (72)発明者 広部 和史 大阪市北区本庄西3丁目2−25−307 (56)参考文献 特開 平6−192553(JP,A) 特開 昭54−54165(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 69/00 WPI/L(QUESTEL)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリカーボネート系樹脂および (B)芳香族ポリエステル系樹脂 からなり、(A)成分/(B)成分が重量比で99/1〜50
    /50である熱可塑性樹脂(R)100重量部に対し、 (C)珪酸塩化合物0.5〜100重量部、 (D)有機リン系難燃剤0.5〜30重量部および (F)分子内にハロゲンを実質的に含有しないエポキシ
    化合物10重量部以下 を配合してなる難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】珪酸塩化合物(C)が、重量平均フレーク
    粒径1〜40μmのマイカである請求の範囲1記載の難燃
    性熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】珪酸塩化合物(C)が、重量平均粒子径1.
    0μm以上でかつ嵩比容積8.0ml/g以下のタルクである請
    求の範囲1記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】有機リン系難燃剤(D)が、一般式
    (I): (式中、R1〜R4は1価の芳香族基または脂肪族基、R5
    2価の芳香族基、nは0〜16を示し、n個のR3およびR5
    はそれぞれ異なっていてもよい)で表されるリン酸エス
    テルである請求の範囲1〜3のいずれかに記載の難燃性
    熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】有機リン系難燃剤(D)が、一般式(I)
    においてnが1〜16である縮合リン酸エステルである請
    求の範囲4記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】(A)成分および(B)成分からなる熱可
    塑性樹脂(R)100重量部に対して、さらに(E)弾性
    樹脂15重量部以下を含有する請求の範囲1〜5のいずれ
    かに記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】芳香族ポリエステル系樹脂(B)が、アル
    キレンテレフタレート単位を80重量%以上含有するポリ
    アルキレンテレフタレート系樹脂である請求の範囲1〜
    6のいずれかに記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】弾性樹脂(E)が、少なくとも1種のオレ
    フィン単位とアルキル基の炭素数が1〜10である少なく
    とも1種の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位と
    からなる共重合体である請求の範囲6〜7のいずれかに
    記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
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