JP3396127B2 - 綿毛布の片面捺染方法 - Google Patents

綿毛布の片面捺染方法

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JP3396127B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面の絵柄が鮮明
で裏面が無地または白色のままである綿毛布の片面捺染
方法に関し、中間乾燥が不要になって原価面からも有利
である綿毛布の片面捺染方法に関する。
【0002】
【従来の技術】毛布は、掛け寝具として人体に直接接触
する場合が多く、高い保温性と吸透湿性が要求され且つ
ソフトな感触も必要であり、近年では、綿製の毛布が感
触性と洗濯性の良さで生産量が急成長している。この種
の綿毛布としては、表組織地と裏組織地とを織成する織
毛布や、タフティング機を用いて綿の基布に綿糸をパイ
ル状に植え込むタフト毛布が存在するけれども、これら
の綿毛布は生産効率と感触性などの点で改善の余地が多
い。
【0003】 綿毛布のパイル素材としては、縦編機で
あるダブルラッセル編機で編成した二重編素材を適用で
き、この場合には綿毛布に関する生産効率と感触性をか
なり改善できる。この綿毛布は、アクリル毛布と同様
に、二重編素材をカットして上下2枚のパイル編素材を
形成し、このパイル編素材から得た表編地と裏編地を逆
向きに重ね合わせ、周囲に縁布を縫着して2枚合わせと
した毛布が一般的であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】2枚合わせ綿毛布は、
一般に厚くて重くなってしまい、夏季には快適さなどの
点で使用しづらいうえにコスト高にもなる。このため、
二重編素材から得た個々の片面パイル編素材について、
表側のパイルを裏側に掻き出して裏面を起毛させ、1枚
物の両面パイル綿毛布を製造することが盛んである。1
枚物の綿毛布は、片面パイル編素材の表面に絵柄を印捺
した後に、表側のパイルを裏側に掻き出して起毛処理す
ることにより、裏面は表面の模様が薄く移った白無地に
なり、外観がきわめて安っぽくなる。
【0005】 このため、1枚物の綿毛布において、片
面パイル編素材の表面よりパイル根元まで染料が浸透す
るように捺染し、この染料の固定後に表面パイルの一部
を裏面に掻き出す。また、織毛布では、例外的に1〜6
色の先染糸から模様織りして両面模様のパイル織毛布を
織成することも可能である。1枚物の綿毛布において、
表面の印捺後にパイルを裏側に掻き出すと、裏面は表面
と同じ模様でも表面よりもわずかに不鮮明な模様とな
り、一方、織毛布では非常に高価になってしまう。
【0006】 本発明は、綿毛布の捺染に関する前記の
問題点を改善するために提案されたものであり、表面の
絵柄が鮮明であるのに裏面が無地または白色のままであ
り、しかも絵柄の泣き出しなどの不良品が発生しないリ
バーシブルな綿毛布の片面捺染方法を提供することを目
的とする。本発明の他の目的は、綿の両面起毛地を捺染
した後に直接蒸熱することにより、中間乾燥工程が不要
になって製造コストを低減できる綿毛布の片面捺染方法
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る片面捺染方法では、綿の両面起毛地5
(図4)をスクリーン捺染機で表面から印捺する際に、
密生したパイル23,25によって染料の浸透を適度に
止め、絵柄7(図4)の裏写りを防ぐ。つまり、本発明
方法は、捺染工程の前に両面起毛処理を行い、密生した
パイル23,25で染料の裏通しを防ぐけれども、捺染
処理で無地染する工程を有するならば使用染料を裏通し
させる場合もある。
【0008】 本発明方法は、両面起毛地5の捺染後
に、蒸熱、洗浄、乾燥、仕上げ処理を行い、この際に再
起毛処理、捌きやシャーリング加工なども包含してい
る。本発明方法では、両面起毛地5の捺染後に、中間乾
燥することなしに蒸熱処理を施すことにより、該起毛地
において染料が濡れた状態で蒸熱処理を受け、この際に
絵柄の泣き出しまたは染料の内部浸透が助長されないよ
うな染料を選定し、且つ色糊の組成と粘度を調整するこ
とを要する。
【0009】 本発明方法では、両面起毛地5の捺染に
例えば反応性染料を使用し、反応性染料はアルカリの存
在でセルロースと化学結合する反応基を持つ水溶性の染
料であり、一般に鮮明な色相が得られ、堅牢度が優秀で
染色方法も簡単で使いやすい。反応性染料を含む色糊と
して、例えば、比較的微細な絵柄の個所に用いるW/O
型エマルジョンと、比較的染着面積が大きい個所に用い
るO/W型エマルジョンとを組み合わせる。このW/O
型エマルジョンは、O/W型エマルジョンよりもいっそ
う粘度が高く、油分を多くすることによってO/W型エ
マルジョンと混ざらない。これらのエマルジョンは、相
対的に粘度が高く、両面起毛地5の裏面まで浸透しない
ように調整している。
【0010】 本発明方法で用いる両面起毛地5は、編
地または織地のいずれでもよく、その素材は、綿単独ま
たは綿とアクリル,羊毛,絹,カシミヤ,ナイロン,ポ
リエステルなどとの混紡繊維である。両面起毛地5を製
造するには、例えば綿の二重編素材3のパイル糸1をセ
ンターカットし、得た2枚の片面パイル編地4を精練・
漂白処理の後に毛割り加工して十分に解繊するととも
に、該片面パイル編地の裏面をあらかじめ起毛する。
【0011】 裏面が有色の無地である綿毛布を形成す
るには、縦編機で編成した二重編素材3(図1)に連続
の浸染処理を施してから、パイル糸1をセンターカット
して片面パイル編地4(図2)に分離し、その後に表面
の捺染処理を施せばよい。また、パイル糸1として種々
の色彩の先染めパイル糸を用いることも可能であり、こ
の場合には二重編素材3の編成後における捺染処理にお
いて、表面の先染めパイル糸が不鮮明にならないように
薄く染着したり、該先染めパイル糸の色彩が残らない濃
色に染着する。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明を図面によって説明
すると、図1に示す二重編素材3を編成するにはカール
マイヤー社製のダブルラッセル編機(図示しない)を用
いる。編成すべきパイル糸1および基布地2はいずれも
綿糸である。このダブルラッセル機では、例えば2本の
ラッチニードルに対して5枚のガイド(おさ)を配置
し、このガイドを直線方向に向って毛布横幅に対応する
長さに多数組配列している。そして4枚のガイドによっ
てそれぞれ独立して縦編糸と横挿入糸で基布地2を編
み、中央1枚のガイドによって前後の基布地2,2をパ
イル糸1で連結して二重編素材3を編成する。
【0013】 二重編素材3は、ついでナイフカット装
置(図示しない)に送る。このナイフカット装置におい
て、二重編素材3をスクエアを経て下方から上方へ連続
的に送り込み、水平に回動するエンドレスのバンドナイ
フによって、二重編素材3を図1における線aでセッタ
ーカットし、2枚の片面パイル編地4とした後に左右に
分離させてロール反に巻いていく。
【0014】 精練・漂白処理において、片面パイル編
地4をバット漂白装置(図示しない)に送り込み、該装
置では、精練剤,漂白剤の溶液を含有する浸漬槽に通し
てからロールパッダで絞り、次にスチーマ内において飽
和蒸気によって反応を促進させる。この後に、片面パイ
ル編地4は、段階的に低い水温に設定した複数の洗浄機
を順次通過させて水洗する。この洗浄機は、例えば6槽
を一連に配置し、各洗浄機の湯温を約80℃から40℃
まで段階的に低く定めると好ましい。水洗した片面パイ
ル編地4は、脱水処理した後に熱風室を循環させて乾燥
し、一般にピンテンタードライヤを用いて寸法を安定化
させる。
【0015】 片面パイル編地4を精練・漂白処理の後
に、該片面パイル編地のパイル糸1を毛割り加工して十
分に解繊してパイル23を形成する。ついで針布ロール
のような起毛機24(図3)を用い、片面パイル編地4
の裏面6を起毛してパイル化するが、この起毛によって
表面パイル繊維の35〜50%が裏面に迂回する。この
繊維の迂回により、表面のパイル密度がかなり低下する
ため、パイル糸1の目付を例えばフルゲージの総詰めと
する。
【0016】 得た両面起毛編地5(図4)は、図5に
示すスクエア21からマグネット式の自動スクリーン捺
染機20に送り込む。ほぼJ字形の側面を有するスクエ
ア21は、自動スクリーン捺染機20の前方部に近接さ
せ、起毛編地5を上方へ送るための複数の送りローラ3
4を回転自在に取り付け、その片側内部へ起毛編地5を
振り落しながら積み重ねる。図5で要部を示す自動スク
リーン捺染機20は、捺染テーブルに沿ってベルト22
を張設する。ベルト22は、捺染テーブル下方を通って
リターンする水平走行のエンドレスコンベヤベルトであ
り、該ベルト表面に両面起毛編地5を張り付ける。
【0017】 スクリーン捺染機20の前方部には、起
毛編地5の搬送通路に除塵用のビーターを設置し、且つ
ベルト22の先端部に除塵用のブラシを配置する。自動
スクリーン捺染機20は、複数(例えば16個)のスク
リーン型枠8に分割されている。各スクリーン型枠8に
は、毛布柄の同色部分を分割して写真製版したスクリー
ン紗をセットし、色糊を引き伸ばすローラ(図示しな
い)をスクリーン紗上に水平移動可能に取り付ける。各
スクリーン型枠8は、一定のリズムで上下動を繰り返
し、上方に位置する時にベルト22が走行し、下方に移
動してベルト22と接触する時に該ベルトは停止する。
ベルト22は、捺染テーブル下方を通ってリターン走行
する際に、該捺染テーブルの後方部で水洗され且つテー
ブル中央部において熱風ノズルで乾燥される。
【0018】 両面起毛編地5は、図5に示すように、
送りローラ34によってロール反33から送り込まれ、
上方から振い落としてスクエア21に一旦保留する。起
毛編地5は、スクエア21において先の編地の反尻が見
えた段階で次の編地の反先とミシン(図示しない)で連
結させて連続走行を可能とする。スクエア21内の起毛
編地5は、表面パイル23を上にして送りローラ37に
よって連続的に引き出され、ベルト22の先端部に運ば
れるまでにビーターで叩いて繊維屑を除去する。ベルト
22の先端部に運ばれた起毛編地5は、プレスローラ3
6によって該編地の基布面をベルト22と密着させる。
起毛編地5をベルト22で搬送する間に、該編地のパイ
ル表面をブラシで連続的にさらに除塵し、次に複数の分
割スクリーン型枠8において一色ずつ順次捺染する。
【0019】 各スクリーン型枠8には、所定の加工指
図に基づいて毛布柄の同色部分を分割して写真製版した
スクリーン紗をセットし、毛布柄の配色数だけのスクリ
ーン型枠8を使用する。各スクリーン型枠8は、一定の
リズムで上下動を繰り返し、色糊をスクリーン紗の下方
へ押し出して起毛編地5の表面パイルに付着させる。各
色糊は桶に入れて区分けし、加工指図によって所定のス
クリーン型枠8に運ぶ。両面起毛編地5は、スクリーン
型枠8が上方に揚がった時に、毛布単位ごとにベルト2
2によって次の型枠8の位置へ運ばれ、別の色糊を付着
させる。起毛編地5の毛布単位部分が全スクリーン型枠
8を通過すると、全配色の印刷が完了する。
【0020】 自動スクリーン捺染機20に添加する色
糊として、例えば、比較的微細な絵柄の個所に用いるW
/O型エマルジョンの元糊を調合する。この元糊の作製
するために、糊材(商品名:PCパウダーA−10),
乳化剤(商品名:エマルコンH),還元防止剤(商品
名:MB),白灯油(商品名:ミネラルターペン),p
H調整剤(商品名:PH−608)などを容積1000
リットルの糊溶解釜に入れ水で希釈する。この元糊の中
に、水で希釈した反応性染料(中性固着型)を加え、所
望に応じて適宜の助剤を添加する。
【0021】 他の添加色糊として、比較的染着面積が
大きい個所に用いるO/W型エマルジョンの元糊を調合
する。この元糊の作製するために、糊材(商品名:PC
パウダーW),乳化剤(商品名:エマルコンANコン
ク),還元防止剤(商品名:MB),白灯油(商品名:
ミネラルターペン),pH調整剤(商品名:PH−60
8)などを容積1000リットルの糊溶解釜に入れ水で
希釈する。前記のW/O型エマルジョンはこのO/W型
エマルジョンよりもいっそう粘度が高く、両エマルジョ
ンは相互に混ざらない。これらのエマルジョンは、相対
的に粘度が高くて両面起毛地5の裏面まで浸透しない。
【0022】 各スクリーン型枠8は、一定のリズムで
上下動を繰り返し、下方に降りた時にスクリーン紗の端
に載せた色糊をローラ(図示しない)によって他端まで
加圧しながら運び、この色糊をスクリーン紗の下方へ押
し出して起毛編地5に付着させる。ローラによる加圧条
件は、各色糊におけるパイル浸透度合いに応じて調整
し、該色糊が両面起毛地5の裏面まで通らないような圧
力に設定する。
【0023】 表面パイル23を捺染した起毛編地5
は、捺染後にスチーマ9(図6)に送り込み、該スチー
マ内ではコンベヤチェーンに連結されたハンギング・バ
ー38にループ状に懸垂し、直ちに飽和蒸気で所定時間
蒸熱して染色反応を促進させて染料の固着を行う。蒸熱
処理した起毛編地5はスチーマ9から排出され、一般に
所定長さ分を振り落し装置でパレット39上に載置して
いく。図示しないけれども、このパレット39上の起毛
編地5は、反返し装置において所定長さ分の反前端部を
後端部とを反転して再度パレット上に載置し、所定長さ
分における捺染から水洗までの経過時間の均一化を図る
と好ましい。
【0024】 蒸熱処理した起毛編地5は、例えばバイ
ブロ水洗機10(図7)において、60〜70℃の湯に
洗浄剤を加えた容量500リットルの洗浄槽40を最初
に通してソーピングする。この結果、起毛編地5から捺
染工程で使用した余分の染料,糊材,助剤などを除去
し、ついでバイブロ水洗機10における残りの3〜4槽
の湯洗槽41を通して十分に水洗する。
【0025】 水洗した起毛編地5は、再度水洗槽42
を経て連続的にスプラジェット11(図7)へ送られ、
該スプラジェットにおいて下方ゴムローラ43と一方の
金属ローラ44で絞り、さらに他方の金属ローラ45で
絞りながら柔軟槽46へ送り込む。柔軟槽46には、6
0℃の湯に柔軟剤を添加し、複数のマングル47によっ
て柔軟槽46への出入を繰り返す。柔軟槽46を出た起
毛編地5は、上方ゴムローラ48と他方の金属ローラ4
5で絞り、さらに一方の金属ローラ44で絞りながら送
り出す。ゴムローラ43,48と金属ローラ44,45
とで形成した空間には、コンプレッサ(図示しない)で
圧搾空気を注入し、その空気の連続的な吹出しによって
絞り効果を高めると好ましい。
【0026】 柔軟化処理した起毛編地5は、斜向ロー
ラと湾曲ローラの組51(図7)などによって布目斜向
や布目湾曲を修正する。この後に、ピンテンタードライ
ヤ12(図8)において両端辺をテンタークリップ52
で把持し、幅出ししながら熱風室13(図8)内へ導入
させる。ピンテンタードライヤ12は、8段3室の機内
温度が常用120℃,布速度10〜20m/分であり、
蒸気ヒータを熱源とし且つ多段状に配置した多数の吹出
し口を有する。熱風室13内に入った起毛編地5は、所
定の間隔をおいて配置した多数のローラの個所で旋回し
てジグザグ状に走行し、熱風室13内の布収容長は約1
00mに達する。この吹出し口の縦位置を適切に定める
ことにより、該吹出し口から出る熱蒸気は起毛編地5の
裏面パイル25に接触するが、捺染した表面パイル23
に直接接触することはない。
【0027】 この結果、起毛編地5は、ピンテンター
ドライヤ12において幅出ししながら熱風室13を循環
させて乾燥する。乾燥された起毛編地5は、45゜斜向
ローラ(図示しない)によって方向転換し、垂直の方向
にピンテンタードライヤ12から出ていく。熱風室13
から出た起毛編地5は、振り落し装置(図示しない)に
より、台車をセットしたパレット上に折り返しながら積
み重ねる。
【0028】 表面捺染後の両面起毛編地5は、所望に
応じて再起毛処理を施し、ついで捌きおよびシャーリン
グ,ポリッシャなどの仕上げ加工などを行う。最後に両
面起毛地5を1枚毎の所定寸法に裁断し、周囲をミシン
によって縁布を縫着し、表面の絵柄が鮮明で裏面が無地
または白色のままの両面パイル毛布が完成する。
【0029】
【実施例】マグネット式の自動スクリーン捺染機20に
おいて、綿の両面起毛編地5を片面捺染するために用い
る色糊の調合例は下記の通りであり、下記の表において
xとyは捺染柄の色相に応じて異なる。
【0030】 W/O型エマルジョンの色糊: 反応性染料(中性固着型) x % 糊材(商品名:PCパウダーA−10) 2.5% 乳化剤(商品名:エマルコンH) 0.5% 還元防止剤(商品名:MB) 0.5% 白灯油(商品名:ミネラルターペン) 16.0% pH調整剤(商品名:PH−608) 0.3% 水 y % ───────────────────────────────── 100 %
【0031】 O/W型エマルジョンの色糊: 反応性染料(中性固着型) x % 糊材(商品名:PCパウダーW) 1.5% 乳化剤(商品名:エマルコンANコンク) 12.0% 還元防止剤(商品名:MB) 0.5% 白灯油(商品名:ミネラルターペン) 8.0% pH調整剤(商品名:PH−608) 微量 水 y % ───────────────────────────────── 100 %
【0032】 前記の色糊を用いて、マグネット式の自
動スクリーン捺染機20で両面起毛編地5の表面に印捺
する。印捺後に、両面起毛編地5を直ちにスチーマに送
り込み、該スチーマにおいて、98〜100℃(飽和蒸
気)で15〜20分間蒸熱を行う。
【0033】
【発明の効果】本発明方法は、1枚物の綿毛布の捺染の
前に両面の起毛処理を行うことにより、表面だけが絵柄
で裏面が無地または白色のままの綿毛布を製造する。両
面の起毛処理を捺染処理の前に行うと、捺染処理時に密
生パイルによって染料の浸透が妨げられて裏通しを防
ぎ、リバーシブルな綿毛布を得ることができる。本発明
方法では、スクリーン捺染に用いる染料および色糊の組
成と粘度を選定し、且つ各スクリーン型枠におけるロー
ラ加圧条件を色糊のパイル浸透度合いに応じて調整する
ことにより、色糊が両面起毛地の裏面まで浸透しないよ
うに設定する。
【0034】 本発明方法は、1枚物の綿毛布において
表面の絵柄が鮮明になるように、例えば反応性染料を使
用する。反応性染料を含む色糊として、比較的微細な絵
柄の個所に用いるW/O型エマルジョンと、比較的染着
面積が大きい個所に用いるO/W型エマルジョンとを組
み合わせ、これらは相互に混ざらない。これらのエマル
ジョンを用いることにより、濡れ蒸しにおいて絵柄の泣
き出しを防止し、適度な浸透によって片面だけの捺染を
適切に行える。
【0035】 本発明方法は、従来の綿毛布の捺染方法
と異なり、両面起毛地の捺染後に直ちに蒸熱処理を施
し、印捺の後に中間乾燥することなしに蒸熱処理を施す
ことにより、両面起毛地において染料が濡れた状態で蒸
熱処理を受ける。本発明方法は、捺染処理後の中間乾燥
作業を省略するので全体的な作業時間が短くなるうえ
に、中間乾燥に要する熱エネルギがゼロとなり、しかも
濡れ蒸しのために尿素の添加が不必要になって原価面で
も有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ダブルラッセル編機で編成した二重編素材を
拡大して示す概略断面図である。
【図2】 二重編素材をセンターカットして得た片面パ
イル編地を拡大して示す概略断面図である。
【図3】 片面パイル編地を起毛加工する状態を示す概
略断面図である。
【図4】 片面捺染する両面起毛地を示す概略断面図で
ある。
【図5】 自動スクリーン捺染機の要部を示す概略断面
図である。
【図6】 連続捺染処理で用いるスチーマを示す概略断
面図である。
【図7】 バイブロ水洗機,スプラジェットおよび斜向
ローラと湾曲ローラの組を示す概略断面図である。
【図8】 ピンテンタードライヤを示す概略断面図であ
る。
【符号の説明】
1 パイル糸 2 基布地 3 二重編素材 4 片面パイル編地 5 両面起毛地 6 編地裏面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D06P 5/00 DBB D06P 5/00 DBB

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縦編機で編成したフルゲージで総詰めの
    二重パイル編素材を2枚の片面パイル編地に分離し、こ
    の片面パイル地を毛割り加工して十分に解繊するととも
    に、該パイル地の裏面を起毛処理することによって両面
    起毛地を形成し、得た両面起毛地をスクリーン捺染機で
    表面から印捺する際に、色糊のエマルジョンの粘度が相
    対的に高く且つスクリーン型枠のローラによる加圧条件
    を色糊のパイル浸透度合いに応じて調整することによ
    り、両面ともに密生したパイルによって染料の浸透を止
    めて裏通しを防ぎ、さらに蒸熱、洗浄、乾燥、仕上げ処
    理をする、表面が鮮明な絵柄で裏面が無地または白色の
    ままである綿毛布の片面捺染方法。
  2. 【請求項2】 縦編機で編成した二重パイル編素材に連
    続の浸染処理を施してから2枚の片面パイル編地に分離
    し、この片面パイル地を毛割り加工して十分に解繊する
    とともに、該パイル地の裏面を起毛処理することによっ
    て両面起毛地を形成し、得た両面起毛地を表面から印捺
    する際に、色糊のエマルジョンの粘度が相対的に高く且
    つスクリーン型枠のローラによる加圧条件を色糊のパイ
    ル浸透度合いに応じて調整することにより、両面の起毛
    パイルによって染料の浸透を止めて裏通しを防ぎ、捺染
    後に直ちに蒸熱、洗浄、乾燥、仕上げ処理をする、表面
    が鮮明な絵柄で裏面が有色の無地である綿毛布の片面捺
    方法。
  3. 【請求項3】 縦編機で編成した二重パイル編素材を2
    枚の片面パイル編地に分離し、この片面パイル地を両面
    起毛した後に、反応性染料を用いる捺染処理の際に、比
    較的微細な絵柄の個所に用いるW/O型エマルジョン
    色糊と、比較的染着面積が大きい個所に用いるO/W型
    エマルジョンの色糊とからなり、W/O型エマルジョン
    はO/W型エマルジョンよりも粘度が高く、しかも両エ
    マルジョンは相互に混ざらず、これらのエマルジョンを
    用いて捺染処理することにより、濡れ蒸しにおいて絵柄
    の泣き出しを防止し、適度な浸透によって片面だけの捺
    染を行い、さらに洗浄、乾燥、仕上げ処理をする、表面
    が鮮明な絵柄で裏面が無地または白色のままである綿毛
    布の片面捺染方法
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