JP3047293U - パイル柄分散の縦編み素材 - Google Patents

パイル柄分散の縦編み素材

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 毛布やカーペットなどとして好適であり、総
詰め毛布などに比べて軽量で肌触りが良いパイル柄分散
の縦編み素材を得る。 【解決手段】 パイル糸を基布地の間に掛け渡して二重
編地を編成する際に、パイル糸の編み込みをゲージ方向
に所定の比率で減らすとともに、ダブルラッセル編機に
おけるパイル用ガイドバーを間欠的に作用させ、パイル
糸が出ているパイル部が基布地上で所定の柄を描くよう
に編成調整する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、総詰め毛布などに比べて軽量で肌触りが良いパイル柄分散の縦編み 素材に関し、毛布やカーペットなどとして好適な縦編み素材に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在市販の毛布は、アクリル繊維糸からなるマイヤー毛布が大部分であり、織 毛布に比べて柔軟で感触が良いため、日本国内ばかりでなく世界各地に販売され ている。従来の編み毛布は、ダブルラッセル編機によって2枚の基布地間にパイ ル糸を編成し、これをパイル中央でセンターカットして2枚の編み素材に分割す ることにより、得た素材の片面がパイル状になっている。この編み素材は、染色 処理および起毛,捌き加工などの後処理をしてから裏面同士を合せ、両者の周囲 を縫着して1枚の毛布を製造する。
【0003】 この種の合わせ毛布は、一般に、ダブルラッセル編機にお いてゲージ数と同数のパイル糸を各ガイドバーに通し、パイル糸を全コースに連 続して編み込む総詰め式(フルゲージとも称す)であるので、パイル糸の使用量 が多いうえに、編成した毛布が重くなる。一方、特公昭52−33719号公報 では、片面編み素材においてパイル糸が迂回した裏面のパイル迂回部を引掻き起 こして毛羽立たせ、片面編み素材1枚から毛布を製造するといういわゆるニュー マイヤー毛布を提案している。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
2枚合わせ毛布は、フルゲージつまり総詰めの2枚の片面編み素材から構成す ることで重く、軽い着心地が好まれる現代とマッチしないので、毛布を世界各地 の気温や風土に適応させるように軽く且寝心地を良くすることが要望されている 。これに対し、縦編み素材の軽量化対策として、総詰め式の毛布に対して、パイ ル糸の編み込みを半分にしたハーフゲージの毛布が提案されているが、この種の 毛布は軽いだけで寝心地に変化がなく、しかも編み込み休止部分が線状に溝とな って毛布の風合いを損ねている。
【0005】 また、片面編み素材1枚から製造するニューマイヤー毛布 は、編地裏面のパイル迂回部を引掻き起こして毛羽立たせるので表裏面のパイル 量を完全に一致させることが難しく、裏面のパイル量が表面に比べてかなり少な くなって裏面の毛羽が寝やすい。毛羽の倒伏を防ぐには、裏面の毛羽立ちを数回 修正することを要し、全体的に毛布完成までに手間が掛かって不経済であるうえ に、この毛布も軽いだけで寝心地が良いとはいえない。
【0006】 本考案は、従来の編み素材に関する前記の問題点を改善す るために提案されたものであり、単に総詰め毛布に比べて軽量であるだけでなく 、表面に凹凸感を付与して肌触りが良い縦編み素材を提供することを目的として いる。本考案の他の目的は、軽量で肌触りが良い編み毛布または編みカーペット を提供することである。本考案の別の目的は、基布地の表面でパイル柄が分散す るように配列することにより、各種の繊維製品として美観に優れた縦編み素材を 提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案に係る縦編み素材3では、二重編地5(図 3)を編成する際に、ダブルラッセル編機1(図1)におけるパイル糸2の編み 込みをゲージ方向に所定の比率で減らすとともに、1枚または複数枚のパイル用 ガイドバー7を間欠的に作用させる。図2に例示するように、縦編み素材3にお いて、パイル糸2が出ているパイル部が基布地10上で所定の柄を描くように編 成調整し、基布地10の表面でパイル柄8を分散するように配列させる。このパ イル柄は、図2、図4または図5にも示すけれども、パイル用ガイドバー7の数 を増やしたり、織機のジャカード機構を利用するといっそう複雑な柄出しを行う ことができる。
【0008】 本考案において、パイル糸2は合成繊維糸および/または 天然繊維糸であり、合成繊維糸はアクリル糸、ポリエステル糸やビニロン糸など で、天然繊維糸は綿糸、羊毛、絹糸、カシミヤ糸、レーヨン糸やアセテート糸な どであると好ましい。パイル糸2における合成繊維糸と天然繊維糸は、ゲージ方 向に所定の比率で配分したり、複数枚のガイドバー7ごとに変えて同時に編み込 むことが可能である。基布地10は通常ポリエステル糸から編成する。
【0009】 本考案の縦編み素材3では、通常、図2や図3に示すよう に、パイル糸2を基布地10の間に掛け渡して二重編地5を編成する際に、各パ イル柄8をつなぐパイル糸の出ないループ部11が存在する。ループ部11では 、パイル糸2が二重編地5間に橋渡しされずに、一方の基布地10に巻き付くよ うになる。ループ部11は、パイル糸2を通したガイドバー7の非作用時に発生 し、ループ部11は二重編地5における一方の基布地側に形成され、該二重編地 の他方の対応個所は基布地面だけが存在する。
【0010】 本考案の縦編み素材3は、二重編地5の編成後に、掛け渡 したパイル糸2をセンターカットして得る。1枚の二重編地5から得た2枚の縦 編み素材3は、その後に所望に応じて起毛,捌きおよび仕上げ加工などを行い、 編み毛布やカーペットなどを縫製する。縦編み素材3からは、シーツ、ひざ掛け 、こたつ掛け、防寒着、毛皮調アウターウェア、カーテン、テーブルクロス、フ ロアカバーなどを縫製することも可能である。
【0011】
【考案の実施の形態】
本考案の縦編み素材3は、図1に例示するようなダブルラッセル編機1を用い て編成し、該編機は2列のラッチニードル12,12を備え、その上方に複数枚 のガイドバーを配置している。ラッセル編機1は、用途に応じてガイドバーの数 は種々異なり、一般にパイル用ガイドバー7は1〜4枚である。全ガイドバーが 図示のような6枚である場合、ガイドバー14,15は横挿入糸18用で、ガイ ドバー16,17は基布地10の鎖糸20用であり、パイル用ガイドバー7は7 a,7bの2枚である。
【0012】 ラッセル編機1の基本単位はインチであり、ゲージ(E) は単位長さ当たりのニードル12の数で示す。18Eゲージならば幅1インチ当 たり18本のニードル12が図1の紙面と直交して並び、最高は24Eのファイ ンゲージである。一方、ガイドバー7a,7b,14〜17には、通常、1イン チ幅のブロックを並べて締着し、18Eゲージならば各ブロックの中に18本の ガイドを鋳込んでおり、個々のパイル糸2をガイドバー7a,7bのガイド体に 通している。
【0013】 ダブルラッセル編機1において、ガイドバー14と16で 前面の基布地10を編成し、ガイドバー15と17で後面の基布地10を編成す る。1枚または2枚以上のガイドバー7が、パイル糸2を前後のニードル12, 12へ供給し、パイル用ガイドバー7が2枚または3枚以上であっても、トータ ルとして1列のラッチニードル12に1本のパイル糸2を供給し、常に特定のパ イル糸2だけを給糸することを要する。
【0014】 本考案の縦編み素材3は、ダブルラッセル編機1で二重編 地5を編成する際に、パイル糸2の編み込みを1コースにおいて所定の比率で減 らす。例えば、1本のガイドバーでは、パイル糸2の挿入部と糸欠落部の比率は 6:1、6:2、5:1、5:2、4:1などである。また、ガイドバー7aと 7bでは、パイル糸2の挿入部と糸欠落部の比率は6:9、6:10、5:7、 5:8、4:7、4:6などであり、これらを相互に組み合わせて使用する。
【0015】 パイル用ガイドバー7は、間欠的に作用することにより、 1または複数コースの非作用時にパイル部が基布地10上に形成されず、パイル 柄8が不連続となって基布地表面で分散するように配列する。パイル用ガイドバ ー7を2枚以上用いるならば、複数枚のガイドバー7を異なるコース位置で間欠 的に作用させることにより、複雑な平面形状のパイル柄8を基布地10の表面で 分散するように配列させることが可能である。
【0016】 1枚または2枚以上のパイル用ガイドバー7の作用・非作 用は、個々のガイドバーの駆動系を調整することで行う。パイル糸2によるジグ ザグ柄、綾柄、幾何学柄などの編成には、基布地10の組織編成用のチェーンド ラム(図示しない)とは別に、ダブルラッセル編機1にパイル用ガイドバー7用 のドラム(図示しない)を設けることを要する。
【0017】
【実施例】
次に、本考案を実施例に基づいて説明すると、図1において、本考案で用いる カールマイヤー社製のパイル用ダブルラッセル編機1の要部を示す。ダブルラッ セル編機1は、2列のラッチニードル12,12を備え、その上方に例えば6枚 のガイドバー7a,7b,14〜17を配置している。これらのガイドバーにお いて、ガイドバー14,15には横挿入糸18をおよびガイドバー16,17に は基布地10用のポリエステル鎖糸20を通す。
【0018】 図2のパイル柄8を編成する場合、パイル用ガイドバー7 は2枚用いればよく、パイル糸2はアクリル糸および/または綿糸などである。 例えば、一方のガイドバー7aでは、パイル糸2の挿入部Laと糸欠落部の比率 は6:10の繰り返しであり、他方のガイドバー7bでも挿入部Lbと糸欠落部 の比率は6:10の繰り返しであるが、挿入部LaとLbはゲージ方向で相互の 間隙に配置させる。図2の位置Aから編成する場合、ガイドバー7a,7bとも に、1コースごとに1ゲージずつ右方向へずれるように編成していき、4コース 編成後に編成可能高さから上方または前後方向に外れて2コース分作用しない。 この後に、ガイドバー7a,7bともに、右へ4ゲージずれた位置で編成可能高 さまで下降し、1コースごとに1ゲージずつ左方向へずれるように4コース分編 成する。次にガイドバー7a,7bは編成可能高さから上方に外れて2コース分 作用せず、以下では前記の作動を繰り返す。
【0019】 ダブルラッセル機1では、図3に示すように、ガイドバー 14と16で二重編地5の前面の基布地10を編成し、ガイドバー15と17で 後面の基布地10を編成する。前後の基布地10,10をパイル糸2で結合し、 ガイドバー14,15によって横挿入糸18を各基布地10の編み目の中に挿入 する。ラッチニードル12,12で編み出す基布地10の編み目は、その直前の 編み目を内側から外側に通過して形成され、全体として複雑な編目組織の縦編み 素材3となり、基布地10,10において、各縦編糸の編み目の中に横挿入糸1 8が横たわるように構成する。
【0020】 パイル糸2は、図3に示すように、ガイドバー7a,7b で基布地10,10間に交互に編み込まれ、ガイドバー7a,7bの非作用時に は二重編地5間に橋渡しされずに、一方の基布地側に巻き付く。この巻き付き個 所がループ部11であり、図2に示す基布地10にはガイドバー7aのパイル糸 2が巻き付いている。パイル糸2のループ部11は、二重編地5の一方の基布地 10に形成され、該二重編地の他方の対応個所は基布地面だけが存在する。した がって、基布地10の表面は、パイル柄8、ループ部10および基布地面の3組 織で構成され、コースごとに並んだ菱形のパイル柄8が基布地10の表面で分散 配列されている。
【0021】 得た二重編地5は、例えば、編立て後において浸染用連続 バット染色装置(図示しない)に導き、全体に淡色の浸染処理を施す。二重編地 5は、このバット染色装置における浸染後にパッダで70〜80%に均一に絞ら れ、次のスチーマ(図示しない)に送られる。スチーマ内では、二重編地5をコ ンベヤチェーンに連結されたハンギング・バーに一定長さに懸垂し、9〜100 ℃の飽和蒸気中で12〜15分間蒸熱することにより、染料の定着を促進する。
【0022】 浸染工程を終えた二重編地5は、洗浄装置(図示しない) においてアニオン系界面活性剤などの洗浄液を用い、例えば40〜50℃で洗浄 する。ついで二重編地5をマングルなどの脱水装置を経て乾燥装置(図示しない )に導く。この乾燥装置は、多段式のピンテンタードライヤーが使用され、布速 度10〜20m/分、熱風温度13〜140℃で、熱風を二重編地5の上下両面 に吹き付ける。熱風温度を比較的高温域とし、熱風を上下両面へ吹き付けること により、パイル糸2は温度、風速等の悪影響を受けない。このピンテンタードラ イヤーでは、二重編地5の幅出しも行う。
【0023】 全体に淡色の浸染処理を施した二重編地5は、センターカ ットされて2枚の縦編み素材3となる。二重編地5を図5のSのようにセンター カットするには、ナイフカット装置(図示しない)において、二重編地5をスク エアを経て下方から上方へ連続的に送り込み、二重編地5を水平に回動するエン ドレスのバンドナイフによってセッターカットし、2枚の縦編み素材3とした後 に左右に分離してロール反に巻いていく。
【0024】 浸染済みの縦編み素材3は、起毛および捌き加工を行い、 さらにシャーリング,ポリッシャなどの仕上げ加工を連続的に行う。その後に、 パイル面を外側にして2枚の縦編み素材3を重ね合わせ、縁布縫製装置において 両側縁布を連続的に縫着し、さらに毛布1枚毎の所定寸法に裁断してから横縁布 を縫着すると、凹凸感を有する感触の良くて軽量の合わせ毛布が完成する。
【0025】 図2において、基布地10を低伸縮組織で編成するととも に、パイル糸2をその基布地10,10の間に掛け渡して二重編地5を編成する 。この二重編地5では、センターカットで2枚の縦編み素材3に裁断してから、 所望の色糊を調整して自動スクリーン捺染機でパイル表面を印捺する。この捺染 後に、前記と同様に適当な加熱温度と時間(例えば100℃で30分間)で蒸熱 し、ついで60〜70℃で20分間洗浄する。この後に、縦編み素材3を柔軟処 理装置へ送って柔軟処理液に浸漬した後、マングルなどで脱水する。ついで前記 と同様に、ピンテンタードライヤー(図示しない)を用いて幅出ししながら乾燥 室を通すことにより、縦編み素材3を幅方向に緊張させながら乾燥する。
【0026】 捺染後の縦編み素材3は、乾燥後に裏張り材の接着工程へ 送り、その裏面に厚さ2〜3mmの薄いウレタンフォームを加熱融着する。ウレ タンフォームの融着後に一旦冷却してから、再びウレタンフォームを加熱溶融さ せ、薄いフェルトシートを融着する。このフェルトシートは、ポリエステル繊維 の着色ニードルパンチフェルトである。シート接着した縦編み素材は、反物状の ままで起毛および捌き加工を行い、さらにシャーリング,ポリッシャなどの仕上 げ加工を連続的に行ってから1枚ごとに裁断する。次に、周囲をオーバーロック すると編みカーペットを得る。
【0027】 図4は縦編み素材の他の例を示し、ダブルラッセル機1に おいて、パイル用ガイドバー7を1枚だけ用いてパイル柄40を編成する。例え ば、用いるパイル糸は、ガイドバー7の全ガイド体の5本当たり1本の比率で通 していない。図4の位置Bから編成する場合、5コース編成後にガイドバー7は 編成可能高さから上方または前後方向に外れて1コース分作用せず、ついでガイ ドバー7で再び5コース分編成する。この後に、ガイドバー7は編成可能高さか ら上方に外れて1コース分作用せず、以下では前記の作動を繰り返す。
【0028】 二重編地に関して、ガイドバー14と16で前面の基布地 42を編成し、ガイドバー15と17で後面の基布地42を編成する。前後の基 布地42,42をパイル糸で結合し、ガイドバー14,15によって横挿入糸を 各基布地42の編み目の中に挿入する。
【0029】 1本のガイドバー7により、パイル糸を基布地42,42 間に交互に編み込み、ガイドバー7の非作用時には二重編地間に橋渡しされずに 、一方の基布地側に巻き付く。この巻き付き個所がループ部44である。ループ 部44は、非作用時に二重編地の一方の基布地42に形成され、該二重編地の他 方の対応個所は基布地面だけが存在する。したがって、基布地42の表面は、パ イル柄40、ループ部44および基布地面の3組織で構成され、角形のパイル柄 40が基布地42の表面で分散配列されている。
【0030】 図5は縦編み素材の別の例を示し、パイル柄50を編成す る場合、パイル用ガイドバー7は2枚用いる。例えば、一方のガイドバー7aで は、パイル糸2の挿入部Laと糸欠落部の比率は6:9の繰り返しであり、他方 のガイドバー7bでも挿入部Lbと糸欠落部の比率は6:9であるが、挿入部L aとLbはゲージ方向で相互の間隙に配置させる。図4の位置Cから編成する場 合、ガイドバー7a,7bともに1コースごとに1ゲージずつ右方向へずれるよ うに編成していき、4コース編成後にガイドバー7bは3コース分作用しないが 、ガイドバー7aはそのまま作用する。この3コース分において、ガイドバー7 aは、2コースは右方向へずれ、その次は左方向へずれる。この後に、ガイドバ ー7bが再び作用し、ガイドバー7a,7bは1コースごとに1ゲージずつ左方 向へずれるように編成していき、4コース編成後にガイドバー7aが3コース分 作用しないが、ガイドバー7bはそのまま作用する。この3コース分において、 ガイドバー7bは、2コースは左へずれ、その次は右方向へずれる。ついで、ガ イドバー7aが再び作用し、以下では前記の作動を繰り返す。
【0031】 用いるパイル糸は、ガイドバー7a,7bで基布地52, 52間に交互に編み込まれ、ガイドバー7a,7bの作用時には二重編地間に橋 渡しされずに、一方の基布地側に巻き付く。この巻き付き個所がループ部54で あり、図5に示す基布地52にはガイドバー7bのパイル糸が巻き付いている。 ループ部54は、二重編地の一方の基布地52に形成され、該二重編地の他方の 対応個所は基布地面が存在する。したがって、基布地52の表面は、パイル柄5 0、ループ部54および基布地面の3組織で構成され、矢尻状平面のパイル柄5 0が基布地52の表面で交互に向かい合うように分散配列されている。
【0032】 図6は縦編み素材のさらに別の例を示し、パイル柄60を 編成する場合、パイル用ガイドバー7は4枚用いる。例えば、ガイドバー7c, 7d,7e,7fにおいて、パイル糸60挿入部と糸欠落部はそれぞれ異なる。 図6の位置Dから編成する場合、ガイドバー7c,7d,7e,7fの順で作用 させ、ついで逆順にガイドバー7f,7e,7dに作用させ、以下では前記の作 動を繰り返す。
【0033】 用いるパイル糸は、各ガイドバーで基布地62,62間に 交互に編み込まれていく。したがって、基布地62の表面は、パイル柄60およ び基布地のみの2組織で構成され、ほぼ円形のパイル柄60が基布地62の表面 で分散配列されている。
【0034】
【考案の効果】
本考案の縦編み素材は、パイル糸が出ているパイル部が基布地上で所定の分散 柄を描くように編成することにより、総詰め毛布などに比べて軽量であり、凹凸 感のある感触や速乾性などが優れている。この縦編み素材は、単に毛布やカーペ ットとしてだけでなく、世界各地の気温や風土に適応させ、さらにシーツ、ひざ 掛け、こたつ掛け、防寒着、毛皮調アウターウェア、カーテン、テーブルクロス 、フロアカバーなどを縫製することが可能である。
【0035】 また、本考案では、二重編地を編成する際にパイル糸の編 み込みを所定の比率で減らすことにより、細いパイル糸を使用しなくても軽量に なり、パイル長を長くして高級感がありしかも美麗な柄を有する縦編み素材を得 ることができる。本考案の縦編み素材は、パイル糸の編み込みを半分にしたハー フゲージ毛布のように安っぽくなく、パイル欠落部分が線状の溝となって素材の 風合いを損ねることも少ない。
【0036】 本考案の縦編み素材は、通常、パイル糸の編み込みをゲー ジ方向に所定の比率で減らし、毛布やカーペットとしての品質と物性に変化を加 えることができる。本考案では、パイル糸をアクリル糸と綿糸などの合成繊維糸 と天然繊維糸で構成するとともに、二重編地を編成する際にパイル糸の編み込み を所定の比率で減らすことも可能である。この場合には、単一素材の毛布に比べ て複合的な特性を付与でき、しかも軽量であるので商品価値の高い縦編み素材を 得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案で用いるダブルラッセル編機の要部を
示す概略側面図である。
【図2】 本考案の縦編み素材の一例を示す概略平面図
である。
【図3】 ダブルラッセル編機で編成する二重編地を縦
方向に沿って示す概略断面図である。
【図4】 縦編み素材の他の例を示す概略平面図であ
る。
【図5】 縦編み素材の別の例を示す概略平面図であ
る。
【図6】 縦編み素材のさらに別の例を示す概略平面図
である。
【符号の説明】
1 ダブルラッセル編機 2 パイル糸 3 縦編み素材 5 二重編地 7 パイル用ガイドバー 8 パイル柄 10 基布地 11 ループ部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年10月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【実用新案登録請求の範囲】

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パイル糸を基布地の間に掛け渡して二重
    編地を編成する際に、パイル糸の編み込みをゲージ方向
    に所定の比率で減らすとともに、ダブルラッセル編機に
    おけるパイル用ガイドバーを間欠的に作用させることに
    より、パイル糸が出ているパイル部が基布地上で所定の
    柄を描くように編成調整し、該基布地の表面でパイル柄
    を分散するように配列させる縦編み素材。
  2. 【請求項2】 パイル糸を基布地の間に掛け渡して二重
    編地を編成する際に、パイル糸の編み込みをゲージ方向
    に所定の比率で減らすとともに、ダブルラッセル編機に
    おけるパイル用ガイドバーを間欠的に作用させることに
    より、パイル糸が出ているパイル部が基布地上で所定の
    柄を描くように編成調整し、該基布地の表面でパイル柄
    を分散するように配列させるとともに、各パイル柄をつ
    なぐパイル糸の出ないループ部が存在し、ついで二重編
    地の掛け渡したパイル糸をセンターカットして得るパイ
    ル柄分散の縦編み素材。
  3. 【請求項3】 パイル糸を基布地の間に掛け渡して二重
    編地を編成する際に、パイル糸の編み込みをゲージ方向
    に所定の比率で減らすとともに、ダブルラッセル編機に
    おける複数枚のパイル用ガイドバーを間欠的に作用させ
    ることにより、パイル糸が出ているパイル部が基布地上
    で所定の柄を描くように編成調整し、該基布地の表面で
    パイル柄を分散するように配列させるとともに、各パイ
    ル柄をつなぐパイル糸の出ないループ部が存在し、つい
    で二重編地の掛け渡したパイル糸をセンターカットして
    得るパイル柄分散の縦編み素材。
  4. 【請求項4】 パイル糸を基布地の間に掛け渡して二重
    編地を編成する際に、パイル糸の編み込みをゲージ方向
    に所定の比率で減らすとともに、ダブルラッセル編機に
    おけるパイル用ガイドバーを間欠的に作用させることに
    より、パイル糸が出ているパイル部が基布地上で所定の
    柄を描くように編成調整し、該基布地の表面でパイル柄
    を分散するように配列させるとともに、各パイル柄をつ
    なぐパイル糸の出ないループ部が存在し、ついで二重編
    地をセンターカットして2枚の縦編み素材を形成して、
    各縦編み素材について起毛,捌きおよび仕上げ加工など
    を行う編み毛布。
  5. 【請求項5】 パイル糸を低伸縮組織の基布地の間に掛
    け渡して二重編地を編成する際に、パイル糸の編み込み
    をゲージ方向に所定の比率で減らすとともに、ダブルラ
    ッセル編機におけるパイル用ガイドバーを間欠的に作用
    させることにより、パイル糸が出ているパイル部が基布
    地上で所定の柄を描くように編成調整して、該基布地の
    表面でパイル柄を分散するように配列させるとともに、
    各パイル柄をつなぐパイル糸の出ないループ部が存在
    し、ついで二重編地をセンターカットして2枚の縦編み
    素材を形成して、各縦編み素材について起毛,捌きおよ
    び仕上げ加工などを行う編みカーペット。
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