JP3393596B2 - カムの耐久性を向上するローラピン材料 - Google Patents

カムの耐久性を向上するローラピン材料

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、広くは内燃機関のカム
シャフト被動カムフォロワ構成要素の材料に関するもの
であり、具体的に言うと、ローラと接触するカムの耐久
性を向上させるとともに寿命を延ばす材料で作製される
ローラピンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】高馬力ディーゼルエンジンは一般にカム
シャフトで駆動されるバルブ又はインジェクタトレイン
を採用して、カムシャフトの回転運動を、シリンダヘッ
ドバルブおよび燃料インジェクタが最適な間隔で開閉す
るように該バルブとインジェクタを作動するのに必要な
同期往復運動に変換する。特に、燃料噴射の間隔は、噴
射燃料の最大可能噴霧を達成するのに必要な高圧が発生
されるように、ごく注意深くタイミングを取らなくては
ならない。これは通常、カムシャフトにインジェクタカ
ムを取り付けてクランクシャフトと固定関係で回転させ
ることによって達成される。ピンに取り付けたローラを
含むローリングカムフォロワ装置は、カムに当接し、カ
ムシャフトの回転運動をインジェクタトレインプッシュ
ロッドまたはプッシュチューブに伝達するとともに、イ
ンジェクタトレインを介して燃料インジェクタに伝達す
る。バルブのバルブトレインは同様に作動して、これら
構造体を作動するのに要する往復運動を供する。本発明
の譲受人が所有する米国特許第4,090,197号明
細書、同第4,962,743号明細書、および同第
5,011,079号明細書にこの種の燃料インジェク
タとバルブトレインが記載されている。
【0003】エンジンの作動時、ドライブトレインロー
リングカムフォロワのローラ部分は、カムシャフトに取
り付けられた回転カムと連続的に接触する。その結果、
エンジンの作動中、ローラは常に回転している。大部分
のカムフォロワローラは、カムフォロワ装置に対し、ピ
ンを軸として回転可能に取り付けられている。ローラは
通常は鋼鉄で作られており、カムフォロワ装置支持レバ
ーは鋳鉄であり、ローラをレバーに固定するピンは青銅
である。カムフォロワ装置の各要素、中でも特にカムフ
ォロワローラとピンの間の界面にある要素で生ずる圧力
は、ピンの好ましくない摩耗の原因となり、ローラの回
転安定性に悪影響を及ぼす可能性がある。カムシャフト
カムとローラの最適な接触状態は、ローラが自由に回転
できなければ維持できない。この回転自由性がなけれ
ば、潤滑膜の維持、荷重分散、ならびに回転接触といっ
た接触状態が著しく悪くなることがある。摩耗したピン
を持ったバルブまたはインジェクタトレインは、ローラ
を要求されるタイミング精度で作動するように確実にバ
ルブまたはインジェクタに支持しえないため、このよう
なローラピンの摩耗の影響の受けやすさは、最終的にカ
ムの寿命を短くするとともにエンジンの効率を低下す
る。
【0004】摩耗ローラピンに付随するタイミングの問
題に加え、回転カムフォロワを利用するエンジンも、エ
ンジンを頻繁に停止および始動するときの他のバルブま
たはインジェクタトレイン構成要素に対する損傷のため
に耐用寿命が減少する。このような耐用寿命の減少は、
カムシャフトカムおよびローラフォロワの損傷、主とし
てカムシャフトカムと振動するフォロワローラとの表面
間の摩損(gallingまたはscuffing)と
して知られる物質移動によってもたらされる。検査せず
におくと、このような摩損は遂にはカムの破砕およびエ
ンジンの機能不全を招くことがある。カムの突出部およ
びローラの間の高需要トラクション力のためにカムの摩
損が生じる。極端な場合には、ローラの「外滑り(sk
idding)」が生じることがあるが、カムの損傷は
外滑りなしでも発生することがある。この状態は、複数
の要因により、エンジンの始動ならびに停止時に特に重
大であり、それらの要因のほとんどはローラとピンの境
界のオイル不足に関わるものである。ハイドロダイナミ
ック油膜の欠如によって性格付けられる低回転速度は、
ローラとローラ支持ピンの間に高摩擦を生じる。ピン−
ローラの界面に供給するオイルが不十分であると、せい
ぜい薄い油膜しかできず、そのような状況下におけるピ
ン材料の摩耗は結果的にローラとの共形的接触を増し、
更に油膜を薄くする。エンジン始動および停止時のピン
とローラの間の摩擦を低減すればこれらの問題は防止さ
れる。
【0005】従来技術においては、耐摩耗材料から成る
カムを形成することによってカムシャフト取付カムの寿
命を延長することが提案されている。例えば、レイスナ
(Leithner)による米国特許第5,082,4
33号明細書は、0.5〜16重量%のモリブデンと、
1〜20重量%の銅と、0.1〜1.5重量%の炭素
と、5重量%程度のクロムとマンガンと珪素とニッケル
との混合物と、残分の鉄とから成る格子間銅の硬化マト
リックスを備えた焼結合金からカムを形成することを開
示している。前述の合金から形成した、カムならびに例
えばロッカーアームなどの他の同様な内燃機関構成要素
は摺動摩耗に耐性があることが開示されている。
【0006】サカ(Saka)他による米国特許第5,
529,641号明細書は、3.0〜3.6重量%の炭
素と、1.6から2.4重量%の珪素と、0.2〜1.
5重量%のマンガンと、0.5〜1.5重量%のクロム
と、1.5〜3.0重量%のニッケルと、0.5〜1.
0重量%のモリブデンと、0.0003〜0.1重量%
の、ビスマスとテルルとセリウムとから成る群から選択
される少なくとも1つのチリング促進元素と、残分の鉄
および不可避の不純物とを含む鋳鉄のカムを形成するこ
とによって、カムシャフトのカムの耐摩耗性および耐点
食性向上することを開示している。サカ特許もレイス
ナ特許もエンジンのドライブトレインのカム接触ローラ
を取り付けるピンの構成材料が、カムの摩耗に影響を及
ぼすことを示していない。
【0007】カトウ(Kato)他による米国特許第
5,246,509号明細書は、エンジンのターボチャ
ージャの浮動ブッシュ軸受けを形成する耐摩耗性を備え
た銅合金を開示している。この合金は、1.0〜3.5
重量%のマンガンと、0.3〜1.5重量%の珪素と、
11.5〜25重量%の亜鉛と、5〜18重量%の鉛
と、実質的に残分の銅ならびに付随的不純物とを含む。
この合金は、通常ターボチャージャで生じる高腐食性条
件下での高摺動速度ならびに高温の動作に耐えられると
記載されているが、回転摩耗すなわちカムと接触するロ
ーラを支持するピンが遭遇する状態に当該合金が耐性が
あるとは示されていない。
【0008】フクイ(Fukui)他による米国特許第
4,462,957号明細書は、いずれも耐摩耗合金か
ら作られたローラ構造体およびピン構造体を記載してい
る。当該特許記載のピンおよびローラ構造体は、原子炉
の制御棒のガイド機構で使用される。ローラはカム状の
構造体に接触していないように固定されており、しかも
ピンの構成材料がピンと接触しないいずれか構造体
(カムなど)の寿命に影響を及ぼすことは全く記載され
ていない。
【0009】2つの「アロイダイジェスト(Alloy
Digest)」公刊資料に、ベアリング、ブシュ等
として有用な銅合金が記載されている。ミュラー合金6
730(Mueller Alloy 6730)は、
60.5%のと、2.5%のマンガンと、1.05%
の鉛と、1.0%の珪素と、35.0%の亜鉛とから組
成される。銅合金No.C67300(Copper
Alloy No.C67300)は、58.0〜3
6.0%の銅と、2.0〜3.5%のマンガンと、0.
5〜1.5%の珪素と、0.40〜3.0%の鉛と、
0.50%以下の鉄と、0.30%以下のスズと、0.
25%以下のニッケルと、0.25%以下のアルミニウ
ムと、残分の亜鉛とから組成される。これらの合金は、
ベアリング、ブシュ、カム、およびアイドラピンを形成
するのに有用であると記載されている。しかし、カムと
接触するローラのピンの作成にこれらの合金のいずれか
を利用することにより、ローラと直接接触しないカムの
耐久性を向上することは示されていない。また、これら
合金のいずれについても潤滑性添加剤の存在下で高い耐
摩耗性および耐腐食性を備えることは記載されていな
い。
【0010】一般に市販されているカムフォロワローラ
およびピン組立体では、ローラは鋼鉄製でピンは含鉛燐
青銅製である。しかしながら、このピン材料は、カムの
摩耗または破損を防止する潤滑性添加剤の存在下で、さ
ほど低摩擦でなく、又は、耐摩耗性または耐腐食性を十
分に備えていない。
【0011】このように、従来技術では、耐腐食性のあ
る材料から製造した高馬力内燃機関のドライブトレイン
のカムフォロワローラを回転可能に取り付ける、エンジ
ンオイル添加剤の存在下で低摩擦で耐摩耗性と耐腐食性
を備えるピンが提供されていなかった。また、従来技術
は、カムの破損を防止するとともにカムの耐久性を向上
する材料から製造されるカムフォロワローラピンを提供
していなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の主目
的は、従来技術の欠点を克服し、カムの破損を防止する
とともにカムの耐久性を向上する材料から製造される、
高馬力内燃機関のカムフォロワローラを支持するピンを
供することである。
【0013】本発明の別の目的は、低摩擦で、耐摩耗
性、耐腐食性、耐摩損性のカムフォロワローラピンを供
することである。
【0014】本発明の更に別の目的は、カムフォロワロ
ーラに加わる機械的負荷を支えることができる材料で作
られた内燃機関のカムフォロワローラのピンを供するこ
とである。
【0015】本発明の更に別の目的は、カムの摩損を防
止する内燃機関カムフォロワ装置に、カムフォロワロー
ラを回転可能に取り付けるための耐摩耗耐腐食性のピン
を供することである。
【0016】本発明の更に別の目的は、エンジン始動お
よび停止時にカムシャフトとローラの最適な接触状態を
維持するカムフォロワローラ用ピンを供することであ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】前述の目的は、内燃機関
のカムフォロワに、カム接触ローラを回転可能に取り付
けるための耐摩耗性で耐腐食性のピンを供することによ
って達成される。ピンは、最適な低摩擦、最適耐腐食
性、最適な耐摩擦性、および摩損せずに潤滑油混入物を
包埋する(embed)能力を持った材料から作られ
る。ピンを形成するための好適材料は、好ましくは5
8.0〜63.0重量%の銅と、2.0〜3.5重量%
のマンガンと、0.5〜1.5重量%の珪素と、0.4
〜3.0重量%の鉛と、0.50重量%以下の鉄と、
0.25重量%のニッケル、0.30重量%のスズと、
0.25重量%のアルミニウムと、残分の亜鉛とを含
む、含鉛マンガン珪素青銅を含む。
【0018】更に前述の目的は、低摩擦で、耐摩耗性、
耐腐食性、耐摩損性を備え、カムの寿命を増すように選
択された組成を持った合金から、カムと接触するカムフ
ォロワローラ支持ピンを形成するステップを含む、内燃
機関のカムシャフト取付カムの耐久性を向上する方法を
提供することによって達成される。
【0019】特に、本発明の請求項1に記載された発明
は、ローラピンと、これに取り付けられエンジンカムシ
ャフト上のカムを駆動するように配置されたカムフォロ
ワローラとを備えた内燃機関ドライブトレインであっ
て、前記ローラピンはカムの耐久性および寿命を向上す
るように選択された銅ベースの合金から製造される。
【0020】前記合金は、オイル混入物によるピン表面
の化学的侵食を防止する耐腐食性と、硬いデブリおよび
オイル混入物を、傷つくことなく包埋する能力と、カム
ローラにかかる機械的負荷を担持する耐疲労性とを有す
る。
【0021】前記ローラピンは、重量パーセントによる
組成が 銅 58.0〜63.0 マンガン 2.0〜3.5 珪素 0.5〜1.5 鉛 0.40〜3.0 鉄 0.50以下 ニッケル 0.25以下 スズ 0.30以下 アルミニウム 0.25以下 亜鉛 残分 である含鉛マンガン珪素青銅で形成される。
【0022】また、本発明の請求項2に記載された発明
は、前記ローラピンの銅合金のロックウェルB硬度は少
なくとも50HRBである、請求項1に記載の内燃機関
ドライブトレインである。
【0023】また、本発明の請求項3に記載された発明
は、前記ローラピンの銅合金の引張強度は55,000
psi以上であり、耐力強度は25,000psi以上
であり、4D伸び率は10%以上である、請求項2に記
載の内燃機関ドライブトレインである。
【0024】また、本発明の請求項4に記載された発明
は、前記銅合金は、マトリックス全体に均等に分散する
棒状のケイ化マンガン粒子から成る二相目を備えたマト
リックスを有する、請求項1に記載の内燃機関ドライブ
トレインである。
【0025】また、本発明の請求項5に記載された発明
は、内燃機関ドライブトレインのカム接触カムフォロワ
ローラおよびピンの組立体であって、ピンを構成する材
料は、ローラと接触するカムの摩損ならびに破損を実質
的に無くすように選択され、前記材料は、ピンの表面に
潤滑膜を維持するとともに摩損することなく硬いオイル
混入物を包埋する能力を有する銅合金で形成される。
【0026】前記銅合金は、58.0〜63.0重量%
の銅と、2.0〜3.5重量%のマンガンと、0.5〜
1.5%の珪素と、0.40〜3.0重量%の鉛と、
0.50重量%以下の鉄と、0.25重量%以下のニッ
ケルと、0.25重量%以下のスズと、0.30重量%
以下のアルミニウムとを残分の亜鉛と共に含む含鉛マン
ガン珪素青銅である。
【0027】また、本発明の請求項6に記載された発明
は、前記銅合金の硬度は少なくとも50HRBであり、
引張強度は55,000psi以上であり、耐力強度は
25,000psi以上であり、4D伸び率は10%以
上である、請求項5に記載のカム接触カムフォロワロー
ラおよびピンの組立体である。
【0028】また、本発明の請求項7に記載された発明
は、前記銅合金は、マトリックス全体に均等に分散する
棒状のケイ化マンガン粒子から成る二相目を備えたマト
リックスを有する、請求項6に記載のカム接触カムフォ
ロワローラおよびピンの組立体である。
【0029】また、本発明の請求項8に記載された発明
は、内燃機関ドライブトレインにおいて振動カム突出部
と接触するローラを支持するピンであって、ピン表面に
潤滑膜を与え、および摩損せずに硬いデブリを包埋する
青銅合金からピンを形成することによって該カム突出部
と該ローラの間のトラクション力は減少するとともにカ
ム突出部の耐久性が向上する。
【0030】前記青銅合金は、58.0〜63.0重量
%の銅と、2.0〜3.5重量%のマンガンと、0.5
〜1.5%の珪素と、0.40〜3.0重量%の鉛と、
0.50重量%以下の鉄と、0.25重量%以下のニッ
ケルと、0.30重量%未満のスズと、0.25重量%
以下のアルミニウムと、残分の亜鉛とを含む。
【0031】また、本発明の請求項9に記載された発明
は、前記銅合金の硬度は少なくとも50HRBであり、
引張強度は55,000psi以上であり、耐力強度は
25,000psi以上であり、4D伸び率は10%以
上であり、マトリックス全体に均等に分散する棒状のケ
イ化マンガン粒子から成る二相目を備えたマトリックス
を有する、請求項8に記載のピンである。
【0032】また、本発明の請求項10に記載された発
明は、内燃機関のカムシャフト取付カムの耐久性を向上
する方法であって、前記カムの突出部表面に接触するカ
ムフォロワローラであって、前記カムシャフトが回転す
る際に前記カム突出部表面から周期的な機械的負荷を受
けるカムフォロワローラを提供するステップと、前記カ
ムフォロワローラを設置するためのローラピンであっ
て、前記カム突出部表面から距離を保つように維持され
て前記カム突出部表面に接触しないローラピンを提供す
るステップと、を備える。
【0033】前記カム接触カムフォロワローラを取り付
けるピンは、58.0〜63.0重量%の銅と、2.0
〜3.5重量%のマンガンと、0.5〜1.5%の珪素
と、0.40〜3.0重量%の鉛と、0.50重量%以
下の鉄と、0.25重量%以下のニッケルと、0.30
重量%以下のスズと、0.25重量%以下のアルミニウ
ムと、残分の亜鉛とを含む含鉛マンガン珪素青銅で形成
される。
【0034】
【発明の実施の形態】カムをエンジンのカムシャフトに
接触させ、それによってエンジンバルブまたはインジェ
クタトレインのバルブおよび/またはインジェクタに動
力を伝達する回転カムフォロワまたはカム接触ローラを
採用する内燃機関では、エンジンが頻繁に始動および停
止されると、その耐用期間が短くなることが分かってい
る。エンジンの耐用期間は一般にカムシャフトおよびフ
ォロワに対する損傷の結果として短くなる。このような
損傷は主として摩損に起因するものであり、カムシャフ
トカム突出部と振動カム接触ローラの表面間の物質移動
を生じる。結果として摩損によってカムは破砕して機能
不全を生じる。
【0035】燃料インジェクタトレインの摩損によって
損傷したカムの究極の効果の1つは噴射のタイミングが
悪くなることである。これにより、燃焼効率が悪くな
り、エンジンの性能が劣化する。ローラの過度に不規則
な運動によって他のインジェクタトレイン構成要素は不
均一に摩耗するとともに、不適正に機能する。最悪の場
合、インジェクタトレイン全体が最低機能要件を満たさ
なくなって、交換が必要になる可能性がある。
【0036】カム突出部とローラとの間に強く要求され
るトラクション力は、エンジンの始動および停止時に特
に深刻であり、カムの損傷をきたす。エンジンの始動お
よび停止の低速回転速度特性により、最小のハイドロダ
イナミック油膜しか発生せず、結果としてピンとローラ
の間の摩擦および摩耗が高くなる。それに加え、ピンと
ローラの間の広範囲な共形的接触のために、このような
薄油膜条件下におけるピン材料の摩耗は摩擦を増大し、
それによってピンとローラ間の油膜形成に利用できる空
間が狭くなる。エンジンの始動および停止時にピンおよ
びローラ間のそのような摩擦を減少することにより、カ
ムおよびローラ間のトラクション力が減少され、カムの
耐久性が向上することが分かっている。また、ローラピ
ン材料の選択によっては、エンジンバルブまたはインジ
ェクタトレインのピン支持ローラと接触するカムの寿命
を予想外に著しく増大することが発見された。ローラピ
ン材料を適切に選択することによって、カムの耐久性と
寿命を大幅に向上できる。
【0037】ローラピンによってローラの安定回転が維
持されれば、最適なカムおよびローラの接触状態が維持
される。その結果、潤滑膜が十分となり、負荷は適切に
分散され、およびカムおよびカムフォロワローラ間の転
がり接触により、カムシャフトの回転はドライブトレイ
ンに最適に伝えられる。銅合金、好ましくは含鉛マンガ
ン珪素青銅を使用すると、ローラの安定回転状態を維持
する、耐摩耗性が極めて高いローラピンができることが
分かった。このピン材料は、従来技術材料で作られたピ
ンによって支持されるカムフォロワローラに起因する悪
影響を排除する。更に、銅合金製ローラピン、詳しく述
べると、本発明の好適な含鉛マンガン珪素青銅製のロー
ラピンは、高い耐摩耗性を有し、ピン表面の潤滑油膜の
形成を促進し、油中の添加剤または混入物によるピン表
面の総合的な化学的侵食を防止するに十分な耐腐食性を
有し、摩損せずに硬いデブリ等の油混入物を包埋するに
十分な能力を有し、カムフォロワに加えられる機械的負
荷を担持するに十分な耐疲労性を有する。
【0038】図面を参照すると、図1は本発明のカムフ
ォロワローラピンを組み込んだ典型的なドライブドレイ
ン10を示す。カム12はエンジンカムシャフト14に
取り付けられており、カムシャフトが回転するのに伴っ
て回転する。カムフォロワローラ16は、ローラピン1
8のまわりにカムフォロワ装置レバー20に回転可能に
取り付けられている。カムフォロワ装置レバーは、プッ
シュロッド22に連結されている。プッシュロッド22
は、ロッカーアーム24にこれを駆動可能に連結され、
該ロッカーアーム24は、更に燃料インジェクタ(不図
示)の燃料インジェクタプランジャロッド(不図示)ま
たはスレーブピストン26を往復運動させ、それにより
バルブクロスヘッド28に吸気バルブ又は排気バルブ3
0、32を作動させる。本発明のローラピンは、どんな
タイプのドライブトレインのカム接触ローラを支持する
のにも使用されることが予定されている。
【0039】ローラピンを作製するために広く利用され
ている従来技術材料から作製されたピンで支持される回
転カムフォロワを利用するエンジンは、エンジンの始動
ならびに停止が頻繁に行われる場合に耐用寿命が短くな
りがちである。このように耐用寿命が短くなるのは、総
じてカムシャフトカムとローラフォロワの損傷によるも
のである。破損した突出部の顕微鏡写真検査により、こ
の損傷は摩損に起因するカムおよびローラの表面間の材
料物質移動が主原因であることが分かった。摩損は、最
終的に破砕として知られるカムのチッピングやフラクチ
ャリングおよび機能不全の原因となる。
【0040】エンジンの始動および停止時のピンとロー
ラ間の摩擦が減少すると、カムおよびローラ間のトラク
ション力が減り、結果としてカムの耐久性が向上する。
ローラ支持ピン18(図1)を構成する材料の選択によ
って、カムの破損の原因となる好ましくないトラクショ
ン力を減少することが思いがけなく分かった。ピン材料
の組成は、オイル調合物が少ないことによるピンの摩耗
及びばらつきを減らすように、および、摩損することな
くオイル混入物を包埋するようにするため十分な耐摩耗
性、耐腐食性、耐摩損性を有するように選択しなくては
ならないことが分かった。ローラピン材料とエンジンオ
イル添加物の化学反応性は、カムの耐久性にも影響する
かも知れないと考えられるが、どの程度の影響であるの
かは十分に立証されていない。銅をベースとするローラ
ピン材料は、これらの要件も満足するとともにカム突出
部の耐久性を予想外に向上することが発見された。カム
の耐久性および寿命を向上するローラピン材料を選択す
るために必要な大規模な装備およびエンジン試験並びに
表面の分析により、銅ベースの材料が所望の目的を達成
することが確認された。
【0041】広く利用され一般に市販されている従来技
術ローラピン材料の1つは、C534という名称で特定
される含鉛リン青銅合金である。この合金は、以下の重
量パーセントによる組成を備えている。
【0042】 スズ 3.5〜5.8 リン 0.03〜0.35 鉄 0.10以下 鉛 0.80〜1.20 亜鉛 0.30以下 銅 99.5以上(スズ、リン、鉛を含む) 前述の材料は、銅ベースの材料であり、耐摩耗性を供す
る適切なバルク硬度(bulk hardness)を
有しているが、ローラピンを作製するのに利用した場合
にカムの耐久性を向上しない。他の銅ベース材料、特に
含鉛マンガン珪素青銅を使ってローラピンを作製した場
合に、カムの寿命が大幅に向上されることが発見され
た。
【0043】カム接触ローラを作製するために広範囲な
含鉛マンガン珪素青銅合金を利用できると考えられる。
本発明によりローラピンを作製するのに最も好適な含鉛
マンガン珪素青銅合金は、以下の重量パーセント組成を
有するC67300合金である。
【0044】 銅 58.0〜63.0 亜鉛 残分 マンガン 2.0〜3.5 珪素 0.50〜1.5 鉛 0.40〜3.0 鉄 0.50以下 ニッケル 0.25以下 スズ 0.30以下 アルミニウム 0.25以下 本発明によりローラピンを作製するために選択される銅
合金は、自動車技術協会規格SAEJ463に記載のあ
る種の最小機械特性を呈することが好ましい。用途が異
なれば、異なる機械特性を備えたピンが要求されるの
で、これらの特性は究極の最終用途によって異なる。例
えば、ほとんどの好適含鉛マンガン珪素青銅ピン材料の
最小ロックウェルB硬度は、ASTME18に基づいて
定められる約50HRBである。最適なピン材料は、少
なくとも以下に記載のASTME8に基づく最小引張特
性を備えていなくてはならない。
【0045】 引張強度,psi−55,000 耐力強度,psi−25,000 4D伸び率−10% 更に、最適なローラピン材料の構造は、マトリックス全
体に均等に分散された棒状のケイ化マンガン粒子から成
る二相目を含むマトリックスを特徴とする。前述の機械
的特性は、最適なローラピン材料を特徴付けるものであ
る。しかしながら、前述の特性は、カムの耐久性が向上
したことを実証できるローラピン材料の所望特性の実例
として供されたものである。ローラピンを作製したとき
にカムの寿命を効果的に延長する他の同様な、又は、僅
かに異なる力学的特性をもった銅合金も、本発明の適用
範囲内にあると考えられる。
【0046】図2と図3は、カムフォロワローラを支持
するピンを、前述の組成を備えた名称C534および5
34で識別される従来技術の含鉛リン青銅合金から作っ
た場合と、本発明の好適な銅ベース含鉛マンガン珪素青
銅から作った場合の、摩擦およびカム突出部の損傷をそ
れぞれ比較したものである。本明細書ではこの合金を、
「673」、「C673」、または「C67300」と
呼ぶ。図2は、C534合金から作ったピンとC673
合金から作ったピンの静止摩擦係数を示す。いずれのケ
ースもピンに取り付けるローラは鋼鉄製であった。C5
34のピン材料は、C673のピン材料よりも高い摩擦
係数を有する。図3に、カム突出部の損傷をC534と
C673のピン材料で比較したものを示す。記載されて
いるのは、カム被動インジェクタトレインおよびカム被
動バルブドライブトレインのカム突出部に関するデータ
である。被検数のうち、不合格の突出部のパーセンテー
ジは、C673銅ベース含鉛マンガン珪素青銅製ローラ
ピンを備えたインジェクタならびにバルブトレインで
は、いずれもゼロであった。これとは明らかに対照的
に、C534含鉛リン青銅製ローラピンは、試験したカ
ム突出部のうち、インジェクタドライブトレインの60
%以上、バルブトレインのほぼ60%にカムの破損が生
じた。
【0047】カム突出部の損傷を低減するのは、高硬度
といったはっきりしたピン材料特性によるものではな
い。好適なC673合金は、従来技術C534合金と実
質的に同じバルク硬度を持っている。むしろカム寿命の
向上は、共同的に作用するピン材料の特性に関わる要因
の組合わせによるものと考えられる。これらの要因は、
低い摩擦、高い耐摩耗性、耐腐食性、潤滑添加剤との親
和性、およびデブリ包埋性などである。
【0048】ピン材料は高い耐摩耗性を有しなくてはな
らない。これは、ピン−ローラ間の摩擦増加の原因とな
るローラとの共形接触を生じるピンの摩耗を退けること
によってピンのハイドロダイナミック特性の維持を助け
る。図4a、4b、および4cは、好適C673合金な
どの含鉛マンガン珪素青銅が、従来技術C534などの
含鉛リン青銅よりも、約3〜10倍耐摩耗性が高いこと
を示す。これは、硬いマンガン珪素沈殿物の存在による
ものであろう。硬い相を含む、すなわち、高いバルク硬
度を示す他の合金の場合も摩耗特性の向上が認められる
と考えられるが、ローラピンに構成したときカムの耐久
性を向上するように共同的に相互作用するために要求さ
れる全部の特性を必ずしも満足しているとは限らない。
【0049】図4aは、エンジン試験でインジェクタお
よびバルブトレインについてC673およびC534で
形成したローラピンのミクロン単位のピンの摩耗を比較
したものである。C673のピンはC534のピンより
もかなり少ない摩耗を示した。図4bは、ローラトラク
ションリグ試験(roller tractionri
g test)で始動の作用におけるC673とC53
4のピンの摩耗を、インチ単位で比較したものである。
エンジン始動10,000回と30,000回の両方に
ついて、C673のピンはC534のピンと比べれば、
実質的に無視しうる程度の摩耗であった。図4Cは、青
銅のブロックと52100鋼鉄リングを使って良い標準
オイル(A)と悪い標準オイル(B)の存在下のブロッ
ク・オン・リング・ベンチ摩耗試験(Falex I摩
耗比較)で、C673およびC534ローラピンの摩耗
を比較したものである。使用したオイルは市販の潤滑油
である。これらのオイルの中には、カムの摩損を他のオ
イルよりも多く生じるものがあった。最も大きな損傷を
生じたオイルを「悪い」オイルとした。悪い標準オイル
の存在下においてでさえ、C673ローラピンの摩耗係
数は、C534ローラピンの摩耗係数よりも実質的に著
しく低かった。平均摩耗の減少に加え、好適C673合
金などの含鉛マンガン珪素青銅は、前述の試験で証明さ
れたように、摩耗のばらつきを著しく減少させた。図4
cに示されたように、摩耗のばらつきは、種々の市販オ
イル調合品使用下で、伝統的なピン材料、具体的には含
鉛リン青銅の場合に特に高くなりうる。しかしながら、
C673のピンはオイルの品質に対して鈍感であった。
【0050】好適なローラピン材料は、ピン表面におけ
る潤滑膜の供給を促進しなくてはならない。図5aおよ
び図5bに記載されているように、銅合金、特に含鉛マ
ンガン珪素青銅のピンは、オイル添加剤に対して、従来
技術の含鉛リン青銅ピンと異なった反応をし、マグネシ
ウムのレベルを著しく高めることが分かったが、これは
ピン表面でオイル添加剤との化学反応が存在することの
証拠である。これまでの市販の従来技術のローラピン材
料に存在しないマンガン、シリコン、および亜鉛などの
元素の存在又は組合わせは、潤滑油添加剤との反応性の
違いに少なくとも部分的に寄与していると考えられる。
図5aと5bに、エンジン試験を施した2つのローラピ
ンの摩耗表面からとった表面薄膜を、X線光電子分光法
によって分析したときの元素構成を示す。図5aは、摩
耗した従来技術の含鉛リン青銅(C534)のローラピ
ンの表面薄膜の元素構成を示し、図5bは摩耗した含鉛
マンガン珪素青銅(C673)のローラピンの表面薄膜
の元素構成を示す。C673のローラピンの元素構成
は、このピンのオイル添加剤との化学反応性が、C53
4のピンよりも大きいことを示している。
【0051】図6は、従来技術の含鉛リン青銅(C53
4)のローラピンと含鉛マンガン珪素青銅(C673)
のローラピンを低品質エンジンオイル存在下に250°
Fで168時間放置した後、耐腐食性を比較したもので
ある。カムの寿命を延ばすために、ローラピンは、オイ
ル添加剤またはオイル内混入物によるピン表面の総合的
な化学的侵食を防止するに十分な耐腐食性を備えた材料
から形成しなくてはならない。図6に示されているよう
に、含鉛マンガン珪素青銅のローラピンは、高温のエン
ジンオイルに浸漬したときに、含鉛リン青銅のローラピ
ンよりも遥かに少ない腐食性を示した。
【0052】また、カムの寿命を延ばすためには、ロー
ラピンを構成する材料は、硬いデブリ等のオイル混入物
を摩損することなく包埋する十分な能力を持っていなけ
ればならないことがわかっている。エンジン試験によ
り、含鉛マンガン珪素青銅のピンは摩損せずにデブリを
包埋できることが分かった。更に、ピン材料は、カムフ
ォロワローラに与えられる機械的負荷を担持するに十分
な耐疲労性を備えていなければならない。含鉛マンガン
珪素青銅合金の回転ビーム疲労試験により、疲労強度が
108サイクルで172MPaであることが分かった。
これは、広範囲な予想されるインジェクタおよびバルブ
ローラピンの要件に対して許容される耐疲労性である。
【0053】カムの耐久性および寿命を向上する最適な
ローラピン材料の要件は、複雑でしばしば矛盾したもの
であることが分かっている。そのような最適ローラピン
材料の選択は、簡単な特性データや一般的な知識に基づ
いてでなく、前述のような広範囲にわたるリグおよびエ
ンジンの試験並びに表面分析に基づいてなされなければ
ならない。本発明の銅ベースの含鉛マンガン珪素青銅の
ローラピンは、カム突出部の耐久性を予想外に向上す
る。また、好適な本発明の銅ベースの含鉛マンガン珪素
青銅のローラピンは、オイル調合物が乏しい条件下で、
摩擦を低減し、ばらつきを減少するとともに、カムの耐
久性を向上させる。結局、本発明は当該ピン材料組成が
カムの寿命を予想外に著しく延長することをはっきりと
示している。
【0054】
【発明の効果】本発明のカムフォロワローラピンは、デ
ィーゼルエンジンのバルブまたはインジェクタトレイン
にその主な用途がある。しかしながら、ピン取付ローラ
がカムシャフトの回転カムと接触し、且つカムの耐久性
ならびにカムの寿命を向上することが望ましい、燃料ポ
ンプなどの任意タイプの装置においてカムフォロワロー
ラを支持するのにも有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、内燃機関のドライブトレインの回転カ
ムフォロワを模式的に示す。
【図2】図2は、従来技術材料で作られたカムフォロワ
ローラピン及び本発明により作られたローラピンと、ス
チール製のカムフォロワローラとの静止摩擦係数をグラ
フで比較したものである。
【図3】図3は、従来技術のローラピン材料および本発
明により製造されたローラピンで生じるカム突出部の損
傷をグラフで比較したものである。
【図4】図4a、図4b、および図4cは、従来技術の
ローラピンと本発明によって製造したローラピンの、異
なる条件下におけるローラピン摩耗の比較を示す。
【図5】図5aと図5bは、従来技術の合金から作製さ
れたローラピンおよび本発明による銅合金から作製され
たローラピンとのピン摩耗表面の成分組成を比較するも
のである。
【図6】図6は、従来技術の材料から製造されたローラ
ピンおよび本発明により製造されたローラピンの耐腐食
性をグラフで比較したものである。
【符号の説明】
10 ドライブトレイン 12 カム 14 カムシャフト 16 カムローラフォロア 18 ローラピン
フロントページの続き (72)発明者 ジョン ティー. モーガン アメリカ合衆国、インディアナ州 47201、コロンバス、エイコーン ドラ イブ 6045 (72)発明者 スザンヌ ピー. レーベル アメリカ合衆国、インディアナ州 47401、ブルーミングトン、サウス ハ イランド アベニュー 1505 (72)発明者 ブライアン ジェイ. ランス アメリカ合衆国、インディアナ州 46131、フランクリン、ショア ビュー ドライブ 767 (72)発明者 カール エフ. マスロフ アメリカ合衆国、ニューヨーク州 14710、アシュビル、サウス メイプル アベニュー 2047 (72)発明者 ジョー ダブリュ. ダルトン アメリカ合衆国、ニューヨーク州 14701、ジェイムスタウン、ハント ロ ード 203 (56)参考文献 特開 平9−195724(JP,A) 特公 昭49−18884(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 9/04 F01L 1/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ローラピンと、これに取り付けられエンジ
    ンカムシャフト上のカムを駆動するように配置されたカ
    ムフォロワローラとを備えた内燃機関ドライブトレイン
    であって、前記ローラピンはカムの耐久性および寿命を
    向上するように選択された銅ベースの合金から製造さ
    れ、前記合金は、オイル混入物によるピン表面の化学的
    侵食を防止する耐腐食性と、硬いデブリおよびオイル混
    入物を、傷つくことなく包埋する能力と、カムローラに
    かかる機械的負荷を担持する耐疲労性とを有し、前記ロ
    ーラピンは、重量パーセントによる組成が 銅 58.0〜63.0 マンガン 2.0〜3.5 珪素 0.5〜1.5 鉛 0.40〜3.0 鉄 0.50以下 ニッケル 0.25以下 スズ 0.30以下 アルミニウム 0.25以下 亜鉛 残分 である 含鉛マンガン珪素青銅で形成される、内燃機関の
    ドライブトレイン。
  2. 【請求項2】前記ローラピンの銅合金のロックウェルB
    硬度は少なくとも50HRBである、請求項に記載の
    内燃機関ドライブトレイン。
  3. 【請求項3】前記ローラピンの銅合金の引張強度は5
    5,000psi以上であり、耐力強度は25,000
    psi以上であり、4D伸び率は10%以上である、請
    求項に記載の内燃機関ドライブトレイン。
  4. 【請求項4】前記銅合金は、マトリックス全体に均等に
    分散する棒状のケイ化マンガン粒子から成る二相目を備
    えたマトリックスを有する、請求項に記載の内燃機関
    ドライブトレイン。
  5. 【請求項5】内燃機関ドライブトレインのカム接触カム
    フォロワローラおよびピンの組立体であって、ピンを構
    成する材料は、ローラと接触するカムの摩損ならびに破
    損を実質的に無くすように選択され、前記材料は、ピン
    の表面に潤滑膜を維持するとともに摩損することなく硬
    いオイル混入物を包埋する能力を有する銅合金で形成さ
    れ、前記銅合金は、58.0〜63.0重量%の銅と、
    2.0〜3.5重量%のマンガンと、0.5〜1.5%
    の珪素と、0.40〜3.0重量%の鉛と、0.50重
    量%以下の鉄と、0.25重量%以下のニッケルと、
    0.25重量%以下のスズと、0.30重量%以下のア
    ルミニウムとを残分の亜鉛と共に含む含鉛マンガン珪素
    青銅である、カム接触カムフォロワローラおよびピンの
    組立体。
  6. 【請求項6】前記銅合金の硬度は少なくとも50HRB
    であり、引張強度は55,000psi以上であり、耐
    力強度は25,000psi以上であり、4D伸び率は
    10%以上である、請求項に記載のカム接触カムフォ
    ロワローラおよびピンの組立体。
  7. 【請求項7】前記銅合金は、マトリックス全体に均等に
    分散する棒状のケイ化マンガン粒子から成る二相目を備
    えたマトリックスを有する、請求項に記載のカム接触
    カムフォロワローラおよびピンの組立体。
  8. 【請求項8】内燃機関ドライブトレインにおいて振動カ
    ム突出部と接触するローラを支持するピンであって、ピ
    ン表面に潤滑膜を与え、および摩損せずに硬いデブリを
    包埋する青銅合金からピンを形成することによって該カ
    ム突出部と該ローラの間のトラクション力は減少すると
    ともにカム突出部の耐久性が向上し、前記青銅合金は、
    58.0〜63.0重量%の銅と、2.0〜3.5重量
    %のマンガンと、0.5〜1.5%の珪素と、0.40
    〜3.0重量%の鉛と、0.50重量%以下の鉄と、
    0.25重量%以下のニッケルと、0.30重量%未満
    のスズと、0.25重量%以下のアルミニウムと、残分
    の亜鉛とを含むピン。
  9. 【請求項9】前記銅合金の硬度は少なくとも50HRB
    であり、引張強度は55,000psi以上であり、耐
    力強度は25,000psi以上であり、4D伸び率は
    10%以上であり、マトリックス全体に均等に分散する
    棒状のケイ化マンガン粒子から成る二相目を備えたマト
    リックスを有する、請求項に記載のピン。
  10. 【請求項10】内燃機関のカムシャフト取付カムの耐久
    性を向上する方法であって、前記カムの突出部表面に接
    触するカムフォロワローラであって、前記カムシャフト
    が回転する際に前記カム突出部表面から周期的な機械的
    負荷を受けるカムフォロワローラを提供するステップ
    と、 前記カムフォロワローラを設置するためのローラピンで
    あって、前記カム突出部表面から距離を保つように維持
    されて前記カム突出部表面に接触しないローラピンを提
    供するステップと、を備え、 カム接触カムフォロワローラを取り付けるピンは、
    8.0〜63.0重量%の銅と、2.0〜3.5重量%
    のマンガンと、0.5〜1.5%の珪素と、0.40〜
    3.0重量%の鉛と、0.50重量%以下の鉄と、0.
    25重量%以下のニッケルと、0.30重量%以下のス
    ズと、0.25重量%以下のアルミニウムと、残分の亜
    鉛とを含む含鉛マンガン珪素青銅で形成されることを特
    徴とする方法。
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