JPH0771464A - すべり軸受構造 - Google Patents

すべり軸受構造

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JPH0771464A
JPH0771464A JP22093093A JP22093093A JPH0771464A JP H0771464 A JPH0771464 A JP H0771464A JP 22093093 A JP22093093 A JP 22093093A JP 22093093 A JP22093093 A JP 22093093A JP H0771464 A JPH0771464 A JP H0771464A
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JP
Japan
Prior art keywords
bearing
connecting rod
coating layer
bearing structure
housing
Prior art date
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Pending
Application number
JP22093093A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirobumi Michioka
博文 道岡
Yoshio Fuwa
良雄 不破
Tomohiro Kano
知広 加納
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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Pending legal-status Critical Current

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 すべり軸受構造のハウジングと軸受との接触
面のフレッチング摩耗の防止。 【構成】 ハウジング(コネクティングロッド10)と
軸受3とを有し、軸受3のハウジング側表面とハウジン
グ10の軸受側表面との何れか一方のみに、合成樹脂ベ
ースのコーティング層5、6を形成したものにおいて、
荷重分布に応じて合成樹脂ベースのコーティング層5、
6の組成を変えた。たとえば、荷重大の部位はポリアミ
ドイミドとし、荷重小の部位は、ポリテトラフルオロエ
チレンなどの固体潤滑材を含むポリアミドイミドとす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、すべり軸受構造に関
し、たとえば内燃機関のコネクティングロッドの大端部
軸受構造に利用される。
【0002】
【従来の技術】内燃機関のコネクティングロッド大端部
と、大端穴に装着される軸受との間には、フレッチング
摩耗(微動摩耗)が生じやすい。フレッチング摩耗と
は、腐食性環境にある材料の荷重をかけられた接触面
に、振動または相対運動が繰り返し加えられたとき、接
触部に孔または溝状の損傷、摩耗が生じる現象をいう。
近年のエンジンの高回転、高出力化に伴ない、また軽量
化のためにアルミ合金コネクティングロッドとしたため
に剛性が低下して繰り返し微小変形が生じやすくなった
ことにより、フレッチング摩耗が生じやすい条件となっ
てきている。フレッチングが発生すると、そこを起点と
してコネクティングロッドに亀裂が入って長期間の使用
の間に亀裂が進展し、遂には折損にいたるおそれがあ
る。フレッチング摩耗防止対策として、本出願人により
先に(特願平5−43023号)、コネクティングロッ
ドに設けられる、裏金が軟鋼板(SPCC)から成る軸
受のコネクティングロッド側表面またはコネクティング
ロッドの軸受側表面に、ポリテトラフルオロエチレン
(四フッ化エチレン)を主成分とするコーティング層を
設けたものが提案された。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
では、合成樹脂層を何ら形成しないそれまでのすべり軸
受構造に比べてフレッチング摩耗抑制効果はあるもの
の、なおその効果は十分でないという問題があった。さ
らに詳しくは、ポリテトラフルオロエチレンを主成分と
するコーティング層は、大端部のコネクティングロッド
軸芯から最も離れた部分、すなわち変形が最も大きく軸
受間とのすべり振動が最も大きくなる部位に対しては、
すべり特性がよいため凝着防止、フレッチング発生防止
に対して優れた効果をもつものの、大端部のコネクティ
ングロッド軸芯上かその近傍の部分、すなわちすべり振
動は小さいが最も大きな荷重を受ける部分に対しては、
比較的早期に剥離してしまい、剥離後は従来同様フレッ
チング摩耗を生じてしまう。したがって、大きな荷重が
かかる部位においては、フレッチング摩耗防止対策は不
十分であった。本発明の目的は、荷重分布の変化によら
ず、フレッチング摩耗を耐久性をもって防止できるすべ
り軸受構造を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係るすべり軸受構造は、次のものから成る。
すなわち、ハウジングとその内側の軸受とを有し、軸受
のハウジング側表面とハウジングの軸受側表面との何れ
か一方のみに合成樹脂をベースとするコーティング層を
形成したすべり軸受構造であって、軸受にかかる荷重分
布に応じて前記合成樹脂ベースのコーティング層の組成
を変えたすべり軸受構造。上記において、荷重大の部位
をポリアミドイミドから、荷重小(相対すべり量は大)
の部位をポリテトラフルオロエチレンなどの固体潤滑材
を含むポリアミドイミドから構成することが望ましい。
【0005】
【作用】上記本発明のすべり軸受構造では、軸受部位に
応じて合成樹脂ベースコーティング層の組成を変えたの
で、荷重分布に対応した、最適な耐フレッチング特性を
もたせることができる。そして、荷重大の部位を耐剥離
性にすぐれたポリアミドイミドとすることにより、耐フ
レッチング摩耗の耐久性を向上できるとともに、荷重小
ですべり量大の部位を固体潤滑材(たとえば、ポリテト
ラフルオロエチレン)を含有するポリアミドイミドとす
ることにより、すべり性を維持できる。
【0006】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面を参照して説
明する。以下の説明では、すべり軸受構造として、図1
に示すような内燃機関のコネクティングロッド大端部1
5を例にとるが、本発明はこれに限定されるものではな
い。コネクティングロッド大端部の場合は、すべり軸受
構造のハウジングはコネクティングロッド10(ロッド
本体1およびキャップ2)であり、軸受はコネクティン
グロッド大端穴に嵌着される2つ割りの軸受3である。
コネクティングロッドは材質がアルミ合金、またはスチ
ールで、軸受は、裏金が軟鋼板(冷間圧延鋼板であるS
PCC)で、その内面側(クランクピンに接触する側)
に形成された軸受合金7がアルミニウム系軸受合金また
は銅系軸受合金からなる。アルミニウム系軸受合金とし
ては、とくに限定されるものではないが、たとえばAl
に3〜20wt%のSnと、10wt%以下のSi、
2.5wt%以下のCuおよび/またはMg、5wt%
以下のPbを含有させたものを使用する。銅系軸受合金
としては、Cu−Sn−Pb系のバビットメタル、Cu
−Pb系のケルメットメタルが使用され、ケルメットメ
タルは通常オーバレイメッキをして使用される。
【0007】コネクティングロッド10の軸受側表面
と、軸受3のコネクティングロッド側表面との、何れか
一方のみに、合成樹脂ベースのコーティング層5、6が
形成されている。図2はコーティング層6が軸受3側に
形成された場合を示しており、図3はコーティング層5
がコネクティングロッド10に形成された場合を示して
いる。コーティング層5、6は、軸受にかかる荷重分布
に応じて合成樹脂ベースのコーティング層の組成を変え
てある。さらに詳しくは、合成樹脂ベースコーティング
層5、6のうち、軸受にかかる荷重が大の部位(図2で
コネクティングロッド軸芯と直角方向からの角度が80
°〜100°の範囲にある部位)をポリアミドイミド
(PAI)のみから構成し(固定潤滑材を含まず)、そ
の他の部位(図でコネクティングロッド軸芯と直角方向
からの角度が0°〜80°および100°〜180°の
範囲にある部位)を、固体潤滑材を含むポリアミドイミ
ドから構成する。固定潤滑材としては、ポリテトラフル
オロエチレン(PTFE)、MoS2 、グラファイトの
うち、少なくとも1種類が用いられ、この固体潤滑材を
全重量比で29%以下、望ましくは8〜20wt%、ベ
ース樹脂(ポリアミドイミド)に含むようにする。
【0008】各種樹脂ベースコーティング層5、6を形
成する方法としては、まず下地の金属表面をペーパ等で
粗らし、脱脂した後、スプレーコートやディッピング
(80〜100°の範囲にはマスキング実施)及びプリ
ント印刷等により所定の膜厚とするように処理を行な
う。その後、大気乾燥あるいは予備焼成(約80℃×1
0分)した後、再度スプレーコートやディッピング及び
プリント印刷等により0〜80°及び100〜180°
の部位に所定の膜厚となるように処理を行なう。その後
160℃〜220℃で約30分間焼成することにより樹
脂コート層を形成した。なお、コーティングの皮膜厚さ
としては、下地粗さより若干厚くした方が良く、軸受メ
タルの場合は、樹脂層厚さが3〜7μm、コネクティン
グロッドの場合は樹脂層厚さが4〜10μmとすること
が望ましい。また、下地面粗さとしては、軸受メタル3
側が1〜4μmR2 (R2 はJISの10点平均粗さ)
が望ましく、コネクティングロッド大端穴面が3〜5μ
mR2 が望ましい。
【0009】つぎに、作用を説明する。表1に示すよう
に、合成樹脂ベースコーティング層6(軸受3側に形成
したものを例にとる、コネクティングロッド側に形成し
た樹脂層5でも同じような結果が得られる)の組成を種
々に変えて、実機に組み込んで耐久試験を行った。実施
例1〜3は固体潤滑材の量を変えた場合、実施例4はコ
ネクティングロッド材をアルミ合金からスチールに変え
た場合である。また、比較例(本発明に含まず)とし
て、表1に示す5種類を作製して、併せて試験を行っ
た。
【0010】
【表1】
【0011】ただし、テスト条件は次の通りであった。 エンジン 4気筒2000cc 最大回転数 6000rpm 負荷 全負荷 油温 120℃ 時間 180Hr 試験結果を、フレッチングが発生した面積比で、図4に
示す。ここで、比較例1の材料組合わせのものは、耐久
スタートから約50Hrでフレッチング発生によるコネ
クティングロッド折損となったため、その時のフレッチ
ング発生面積を、図4には示した。
【0012】この図から軸受の裏金表面(またはコネク
ティングロッド大端面)の全面に同一樹脂コート層を形
成した仕様(比例例2、3)の場合は何も処理しない比
較例1に比べると大幅に耐フレッチング性が向上してい
るが、それでも充分でなく、コーティング層がなくな
り、フレッチングの発生面積は約20〜27.5%にも
達している。これらの比較例に対し、本発明のように軸
受の裏金表面においてコネクティングロッド大端面との
間ですべりが発生する部位(0〜80°、100〜18
0°)と主に荷重のみが作用する部位(80〜100
°)に分けそれぞれ適正な樹脂コート層を形成した場
合、耐フレッチング性が大きく向上している。すべりが
発生する部位には固体潤滑材として例えばPTFEを8
〜29%含んでなるPAIベース樹脂コート層を、主荷
重発生部位には固体潤滑材を含まずPAIのみの樹脂コ
ート層を形成した組み合わせた(実施例1〜3)場合が
良好であり、比較例5のようにすべり部と主荷重部を逆
に組み合わせるとねらい通りの効果が得られない。ま
た、比較例4のようにすべり部と主荷重部の適正な範囲
を越えて処理した場合も、充分なフレッチング性の向上
は期待できない。
【0013】以上のように本発明が優れた性能を示す理
由としては次のように考えられる。コネクティングロッ
ド大端部における軸受の支持機構は、軸受裏金の張力
(コンプレッションハイト)により保持されている。し
かし、エンジンを高速で運転すると、軸受背面とコネク
ティングロッド大端面の間で若干クリアランスが生じ、
コネクティングロッドの変形に対し、すべり軸受が追従
できない状態が生じる。とくに、軸受の両端(0〜80
°及び100〜180°)部において、コネクティング
ロッド大端面との間には相対すべりが生じることからそ
の部分にはすべり特性に優れる固体潤滑材、たとえばP
TFE含有PAI樹脂コート層を、また、軸受の中央部
(80〜100°)ではほとんど相対すべりが発生せ
ず、単に高面圧となることから、耐剥離性に優れた固体
潤滑材を含まないPAI樹脂コートを形成することによ
り、処理層の寿命向上がはかれたものと考えられる。上
記処理材は、コネクティングロッド大端面側にしても同
様な効果が得られる。
【0014】
【発明の効果】請求項1のすべり軸受構造によれば、軸
受にかかる荷重分布に応じて、合成樹脂ベースのコーテ
ィング層の組成を変えたので、耐フレッチング摩耗上耐
久性を向上させるようにコーティング層を形成すること
が可能になる。請求項2のすべり軸受構造によれば、荷
重大の部位にポリアミドイミドのみのコーティング層
を、荷重小の部位に固体潤滑材(たとえば、PTFE)
を含むポリアミドイミドのコーティング層を形成したの
で、最適かそれに近いフレッチング摩耗防止をはかるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るすべり軸受構造の分解
斜視図である。
【図2】図1の2−2線に沿う拡大断面図である。
【図3】図1の3−3線に沿う拡大断面図である。
【図4】実施例1〜4、比較例1〜5の耐久試験におけ
るフレッチング発生面積率を示す棒グラフである。
【符号の説明】
1 コネクティングロッド本体 2 キャップ 3 軸受 4 ボルト 5 合成樹脂ベースコーティング層 6 合成樹脂ベースコーティング層 7 軸受合金 10 コネクティングロッド

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングとその内側の軸受とを有し、
    軸受のハウジング側表面とハウジングの軸受側表面との
    何れか一方のみに合成樹脂をベースとするコーティング
    層を形成したすべり軸受構造であって、軸受にかかる荷
    重分布に応じて前記合成樹脂ベースのコーティング層の
    組成を変えたことを特徴とするすべり軸受構造。
  2. 【請求項2】 前記合成樹脂ベースのコーティング層の
    うち、軸受にかかる荷重が大の部位のコーティング層部
    分をポリアミドイミドから構成し、軸受にかかる荷重が
    小の部位のコーティング層部分を固体潤滑材を含むポリ
    アミドイミドから構成した請求項1記載のすべり軸受構
    造。
JP22093093A 1993-09-06 1993-09-06 すべり軸受構造 Pending JPH0771464A (ja)

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JP22093093A JPH0771464A (ja) 1993-09-06 1993-09-06 すべり軸受構造

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JP22093093A JPH0771464A (ja) 1993-09-06 1993-09-06 すべり軸受構造

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000081081A (ja) * 1998-06-26 2000-03-21 Bridgestone Corp スライダ―
JP2010150966A (ja) * 2008-12-24 2010-07-08 Mitsubishi Heavy Ind Ltd スクロール圧縮機
JP2019218915A (ja) * 2018-06-21 2019-12-26 日産自動車株式会社 内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010150966A (ja) * 2008-12-24 2010-07-08 Mitsubishi Heavy Ind Ltd スクロール圧縮機
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