JP2019218915A - 内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】複リンク式ピストンクランク機構の軸受メタルの内転を抑制する。【解決手段】複リンク式ピストンクランク機構のロアリンクには、燃焼荷重に起因してロアリンク7のアッパピン軸受部に荷重F1が作用し、ロアリンク7のクランクピン軸受部11及び軸受メタル17に荷重F2が作用し、ロアリンク7のコントロールピン軸受部13に荷重F3が作用する。荷重F1、F2、F3の入力により面圧が高くなるロアリンクアッパ側の軸受面21において、領域B1の範囲のみ表面粗さを大きくし、領域A1の範囲の表面粗さを小さくする。また、荷重F1、F2、F3の入力があっても面圧の低いロアリンクロア16側の軸受面21においては、全ての範囲(領域A2、B2、B3)で表面粗さを小さくする。【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構に関する。
ピストンにピストンピンを介して一端が連結されたアッパリンクと、アッパリンクの他端にアッパピンを介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに軸受メタルを介して連結されたロアリンクと、一端が機関本体側に揺動可能に支持され、かつ他端が上記ロアリンクにコントロールピンを介して連結されたコントロールリンクと、を備え、ロアリンクが軸受メタルを保持するクランクピン軸受部を有する内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構が従来から広く知られている。
このような複リンク式ピストンクランク機構におけるロアリンクにおいては、機関運転中に、軸受メタルがクランクピン軸受部に対して回転するいわゆる内転がロアリンクに作用する荷重により生じる虞がある。
例えば、特許文献1には、軸受メタルの内周面に突出部を設け、軸受メタルのクランクピン軸受部に対する面圧を増加させて当該軸受メタルの内転を抑制する技術が開示されている。
特開2012−241852号公報
しかしながら、軸受メタルのクランクピン軸受部に対する面圧が高くなると、当該軸受メタルが劣化しやすくなるという問題がある。つまり、軸受メタルの劣化を抑制しつつ当該軸受メタルの内転を抑制するには、更なる改善の余地がある。
本発明に係る内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構は、クランクピンに軸受メタルを介して連結された第2リンクを有し、クランクピン軸受部の内周面と上記軸受メタルの外周面のうちの少なくとも一方は、燃焼荷重に起因して上記クランクピンから入力される荷重が作用する側の表面粗さを、燃焼荷重に起因して上記クランクピンから入力される荷重が作用しない側の表面粗さよりも大きくすることを特徴としている。
本発明によれば、軸受メタルのクランクピン軸受部に対する面圧を高くすることなく、軸受メタルがクランクピン軸受部に対して回転するいわゆる内転を抑制できる。
本発明に係る第1実施例の内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構の概略構成を模式的に示した説明図。 本発明に係る内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構の要部であるロアリンクの正面図。 本発明に係る内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構のロアリンクのクランクピン軸受部及び軸受メタルを拡大して模式的に示した説明図。 本発明に係る第2実施例の内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構の概略構成を模式的に示した説明図。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される第1実施例の内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構1の概略構成を模式的に示した説明図である。
複リンク式ピストンクランク機構1を有する内燃機関は、例えば、自動車等の車両に搭載される。
複リンク式ピストンクランク機構1は、ピストン2と、第1リンクとしてのアッパリンク4と、第2リンクとしてのロアリンク7と、第3リンクとしてのコントロールリンク9と、から大略構成されている。
ピストン2は、ピストンピン3を介してアッパリンク4の一端に回転可能に連結されている。
アッパリンク4は、他端が第1連結ピンとしてのアッパピン5を介してロアリンク7の一端側に回転可能に連結されている。
ロアリンク7は、クランクシャフト6のクランクピン6aに回転可能に連結されている。詳述すると、ロアリンク7は、後述する軸受メタル17を介してクランクピン6aに連結されている。
コントロールリンク9は、一端が第2連結ピンとしてのコントロールピン8を介してロアリンク7の他端側に回転可能に連結されている。
コントロールリンク9は、他端が機関本体側に支持されるコントロールシャフト10の偏心軸部10aに回転可能に連結されている。
コントロールシャフト10は、クランクシャフト6と平行に配置されるものであって、例えば、シリンダブロック(図示せず)に回転可能に支持される。
つまり、コントロールシャフト10の偏心軸部10aに回転可能に連結されているコントロールリンク9の他端は、機関本体側に揺動可能に支持されていることになる。偏心軸部10aの中心軸は、コントロールシャフト10の回転中心に対して所定量偏心している。
複リンク式ピストンクランク機構1は、ピストン2とクランクシャフト6のクランクピン6aとを複数のリンクで連係したものである。
複リンク式ピストンクランク機構1は、コントロールシャフト10を回転させて偏心軸部10aの位置を変更することで、上死点におけるピストン2の位置が変更可能となり、内燃機関の機械的圧縮比を変更することができる。
コントロールシャフト10は、ロアリンク7の自由度を規制するものであり、例えば、電動モータからなるアクチュエータ等によって回転駆動される。
なお、複リンク式ピストンクランク機構1は、偏心軸部10aの位置を固定することで、圧縮比を可変としない構成とすることも可能である。すなわち、複リンク式ピストンクランク機構1は、コントロールシャフト10に替えて、機関本体側に支持される支持ピンにコントロールリンク9の他端を回転可能に連結し、固定圧縮比機構として構成することも可能である。
図2は、ロアリンク7の正面図である。ロアリンク7は、クランクピン6aに嵌合する円筒状のクランクピン軸受部11を中央に有している。また、ロアリンク7は、クランクピン軸受部11を挟んで互いにほぼ180°反対側となる位置に、一対のアッパピン軸受部12及び一対のコントロールピン軸受部13を有している。アッパピン軸受部12は、第1連結ピン軸受部に相当するものである。コントロールピン軸受部13は、第2連結ピン軸受部に相当するものである。
ロアリンク7は、全体として、菱形に近い平行四辺形をなしている。ロアリンク7は、クランクピン軸受部11の中心(中心軸)Cを通る分割面14において、アッパピン軸受部12を含む第2リンクアッパとしてのロアリンクアッパ15と、コントロールピン軸受部13を含む第2リンクロアとしてのロアリンクロア16と、の2部品(2部材)に分割して形成されている。
ロアリンクアッパ15及びロアリンクロア16は、炭素鋼の鍛造や鋳造等によって形成されたものである。
分割面14は、クランクピン軸受部11の中心軸Cを含む単一の平面からなり、ロアリンクアッパ15とロアリンクロア16の合わせ面をとなる。
クランクピン軸受部11は、半円筒形の一対の軸受メタル17を介してクランクピン6aと嵌合している。
クランクピン軸受部11は、ロアリンクアッパ15側のアッパ側軸受部18と、ロアリンクロア16側のロア側軸受部19と、を有している。
つまり、クランクピン軸受部11の内周面11aは、アッパ側軸受部18のアッパ側内周面18aと、ロア側軸受部19のロア側内周面19aと、によって構成される。
クランクピン軸受部11は、半円筒形の一対の軸受メタル17を介してクランクピン6aと嵌合している。
アッパ側内周面18a及びロア側内周面19aには、それぞれ軸受メタル17が保持される。つまり、軸受メタル17は、クランクピン軸受部11の内周面11aに保持されている。
軸受メタル17は、その内周面17aがクランクピン6aを回転可能に支持する。また、軸受メタル17は、その外周面17bがクランクピン軸受部11の内周面11aに保持される。
ここで、本願明細書においては、クランクピン軸受部11の内周面11aと軸受メタル17の外周面17bとが合わさる円筒面を説明の便宜上、軸受面21と呼ぶことにする。
分割面14は、クランクシャフト軸方向視で、アッパピン軸受部12の中心とコントロールピン軸受部13の中心とを結ぶ直線に沿ったロアリンク幅方向に対して傾斜している。換言すると、分割面14は、アッパピン軸受部12の中心軸とコントロールピン軸受部13の中心軸とを含む平面に対して斜めに傾いている。
本実施例では、ロアリンク幅方向におけるアッパピン軸受部12側をロアリンク7の一端側とし、ロアリンク幅方向におけるコントロールピン軸受部13側をロアリンク7の他端側とする。
これらのロアリンクアッパ15及びロアリンクロア16は、クランクピン軸受部11をクランクピン6aに嵌め込んだ上で、互いに逆向きに挿入される一対のボルト(図示せず)によって互いに締結されている。さらに言えば、ロアリンクアッパ15とロアリンクロア16は、クランクピン軸受部11の両側に配置した2本のボルトによって締結されている。なお、ロアリンクアッパ15とロアリンクロア16とは、2本以上のボルトで締結するようにしてもよい。
上述した従来技術においては、軸受メタルの内周面に突出部を設け、軸受メタルのクランクピン軸受部に対する面圧を増加させて当該軸受メタルの内転を抑制している。軸受メタルの内転とは、機関運転中に軸受メタルがクランクピン軸受部に対して回転することである。
従来技術のような突出部を廃止して軸受メタルの内転を抑制するためには、軸受メタル17の外周面や、クランクピン軸受部11の内周面11aの表面粗さを大きく(粗く)して、上述した軸受面21の摩擦係数を大きくすることが考えられる。
しかしながら、軸受メタル17の外周面17bやクランクピン軸受部11の内周面11aの表面粗さを全周に亙って粗くし、軸受面21の全周に亙って摩擦係数を大きくすることは、以下の3つの問題点が生じることから好ましくない。
1つ目の問題点は、ロアリンク7と軸受メタル17の変形の違いから生じる相対運動によって発生する摩耗が軸受面21の全周に亙って発生するため、クランクピン軸受部11に対する軸受メタル17の面圧(軸受メタル背面圧)の低下が軸受面21の全周に亙って発生し、結果的に内転が発生してしまうことである。
2つ目の問題点は、軸受メタル17の外周面17bや、クランクピン軸受部11の内周面11aの表面粗さを大きくすることにより、応力集中の影響が大きくなり、応力集中したところに亀裂が生じて破損する可能性が高くなることである。
3つ目の問題点は、軸受メタル17の外周面17bや、クランクピン軸受部11の内周面11aにおいて、表面粗さを大きくする範囲(周方向の範囲)が大きくなるほど、寸法精度が低下してしまうことである。
従って、仮に、軸受メタル17の外周面17bやクランクピン軸受部11の内周面11aの表面粗さを粗くする際には、周方向において極力小さい範囲にすることが望ましい。
また、機関運転中のロアリンク7には、例えば図2中に矢示するような向きに、燃焼荷重に起因して荷重F1、F2、F3が作用する。
軸受面21は、これらの荷重F1、F2、F3によって、総じてロアリンクアッパ15側で面圧が高くなる。また、軸受面21は、これらの荷重F1、F2、F3の入力があっても、総じてロアリンクロア16側で面圧が低くなる。
つまり、軸受メタル17は、これらの荷重F1、F2、F3によって、総じてロアリンクアッパ15側で面圧が高くなり、総じてロアリンクロア16側で面圧が低くなる。また、クランクピン軸受部11は、これらの荷重F1、F2、F3によって、総じてロアリンクアッパ15側で面圧が高くなり、総じてロアリンクロア16側で面圧が低くなる。
従って、軸受メタル17の外周面17bやクランクピン軸受部11の内周面11aは、ロアリンクアッパ15側において表面粗さを粗くし、ロアリンクロア16側において表面粗さを粗くしないようにすれば、上記の3つの問題点を抑制しつつ内転を抑制できる。
なお、荷重F1は、燃焼荷重に起因してアッパリンク4からロアリンク7のアッパピン軸受部12に作用する入力荷重である。荷重F2は、燃焼荷重に起因してクランクピン6aからロアリンク7のクランクピン軸受部11及び軸受メタル17に作用する入力荷重であり、ロアリンクアッパ15側のアッパ側軸受部18及びロアリンクアッパ15側の軸受メタル17に作用する。荷重F3は、燃焼荷重に起因してコントロールリンク9からロアリンク7のコントロールピン軸受部13に作用する入力荷重である。
また、荷重F1、F2、F3の入力位置は、内燃機関の機械的圧縮比が変化する等して複リンク式ピストンクランク機構1のリンクジオメトリが変化すると変化する。但し、複リンク式ピストンクランク機構1のリンクジオメトリが変化しても、軸受面21は、荷重F1、F2、F3によって、総じてロアリンクアッパ15側で面圧が高くなり、総じてロアリンクロア16側で面圧が低くなる。
さらに、本願の発明者らは、軸受メタル17の内転のメカニズム解明のために新たな解析を行った。具体的には、軸受面21の摩擦係数と、軸受メタル17の内転との相関関係を解析した。
その結果、軸受メタル17の内転の量(ずれ量)は、軸受面21の周方向に沿った位置により異なることが判明した。
また、軸受メタル17の内転の方向は、軸受面21の周方向に沿った位置により異なることが判明した。
さらに、軸受面21には、軸受面21の摩擦係数によらず軸受メタル17の内転の量が変化しない箇所(領域)が存在することが判明した。
具体的には、図3に示すように、ロアリンクアッパ15側の軸受面21は、軸受面21の周方向に沿って、軸受面21の摩擦係数によらず内転の量が略一定の領域A1と、軸受面21の摩擦係数が大きいほど内転の量が減少する領域B1と、に分けられることが判明した。ロアリンクロア16側の軸受面21は、軸受面21の周方向に沿って、軸受面21の摩擦係数によらず内転の量が略一定の領域A2と、軸受面21の摩擦係数が大きいほど内転の量が減少する領域B2、B3と、に分けられることが判明した。
図3は、図2における姿勢のロアリンク7のクランクピン軸受部11及び軸受メタル17を拡大して模式的に示した説明図である。換言すると、図3は、荷重F1が分割面14に対して直交するように入力し、荷重F2が図2に示すような位置でクランクピン軸受部11に対して入力し、荷重F3が図2に示すような位置でコントロールピン軸受部13に対して入力した場合における領域A1、A2、B1、B2、B3を模式的に示すものである。
ここで、クランクシャフト軸方向視で、荷重F1の作用方向(入力方向)と平行で、クランクピン軸受部11の中心Cを通る直線を直線Lとする。そして、クランクピン軸受部11の中心Cから見て、この直線Lのロアリンクアッパ15側を12時方向、ロアリンクロア16側を6時方向とする。
荷重F2は、図3において、クランクピン軸受部11の中心Cから見て、軸受面21の略1時方向に入力している。
領域A1は、図3において、軸受面21のうちクランクピン軸受部11の中心Cから見て9時方向と10時方向の間に位置する部分である。
領域B1は、図3において、軸受面21のうちクランクピン軸受部11の中心Cから見て10時方向と3時方向の間に位置する部分である。換言すると、領域B1は、ロアリンクアッパ15側の軸受面21のうち荷重F2の入力位置を含む所定範囲の領域である。また、領域A1は、ロアリンクアッパ15側の軸受面21のうち荷重F2の入力位置を含む所定範囲(領域B1)以外の領域である。
領域A2は、図3において、軸受面21のうちクランクピン軸受部11の中心Cから見て4時方向と5時方向の間に位置する部分である。
領域B2は、図3において、軸受面21のうちクランクピン軸受部11の中心Cから見て3時方向と4時方向の間に位置する部分である。
領域B3は、図3において、軸受面21のうちクランクピン軸受部11の中心Cから見て5時方向と9時方向の間に位置する部分である。
そこで、第1実施例では、面圧が高くなるロアリンクアッパ15側の軸受面21において、領域B1の範囲のみ表面粗さを大きく(粗く)し、領域A1の範囲の表面粗さを小さく(細かく)する。また、面圧が低いロアリンクロア16側の軸受面21においては、全ての範囲(領域A2、B2、B3)で表面粗さを小さく(細かく)する。
つまり、軸受面21のうち、領域B1の表面粗さを領域A1、A2、B2、B3の表面粗さよりも大きく(粗く)する。
詳述すると、荷重F2の入力があるロアリンクアッパ15のアッパ側軸受部18のアッパ側内周面18aのうち、荷重F2の入力位置を含む所定範囲(領域B1)の表面粗さを大きくし、この所定範囲以外(領域A1)の表面粗さを小さくする。また、荷重F2の入力がないロアリンクロア16のロア側軸受部19のロア側内周面19aは、周方向に沿って全ての範囲(領域A2、B2、B3)で表面粗さを小さくする。
なお、ロアリンクアッパ15側の軸受面21に対する荷重F2の入力位置は、複リンク式ピストンクランク機構1のリンクジオメトリの変化等によって変化ため、領域Bの具体的な範囲は、実機毎の適合値により決定される。
軸受面21の領域B1は、機械加工(例えば工具を用いた研削)を施すことで表面粗さが大きくなっている。
軸受面21の領域A1、A2、B2、B3は、一般的な砥石で研削すればよい程度に表面粗さが小さければよいので、領域B1のような機械加工を施す必要はなく、場合によっては機械加工を行わなくても良い。
これによって、軸受メタル17のクランクピン軸受部11に対する面圧を全周に亙って高くすることなく、軸受メタル17の内転を抑制できる。
なお、軸受面21の領域B1の表面粗さを大きくするにあたっては、アッパ側内周面18aの領域B1に相当する部分に加え、軸受メタル17の外周面17bのうち領域B1に相当する部分にも機械加工を施すようにしてもよい。
また、軸受面21の領域B1の表面粗さを大きくするにあたって、軸受メタル17の外周面17bのうち領域B1に相当する部分にのみ機械加工を施すようにしてもよい。
以下、本発明の他の実施例について説明する。なお、上述した実施例と同一の構成要素については、同一の符号を付し重複する説明を省略する。
図4は、本発明が適用される第2実施例の内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構30の概略構成を模式的に示した説明図である。
複リンク式ピストンクランク機構30は、上述した第1実施例の複リンク式ピストンクランク機構1と略同一構成となっているが、ロアリンクアッパ33がアッパピン軸受部12及びコントロールピン軸受部13を有するようにロアリンク32が分割されている。
すなわち、ロアリンク32は、クランクピン軸受部11の中心軸を含む単一の平面からなる分割面31において、アッパピン軸受部12及びコントロールピン軸受部13を含む第2リンクアッパとしてのロアリンクアッパ33と、それ以外の部分からなる第2リンクロアとしてのロアリンクロア34と、の2部品(2部材)に分割して形成されている。
第2実施例の分割面31は、クランクシャフト軸方向視で、アッパピン軸受部12の中心とコントロールピン軸受部13の中心と結ぶ直線に対して略平行になっている。換言すると、分割面31は、アッパピン軸受部12の中心軸とコントロールピン軸受部13の中心軸とを含む平面に対して略平行になっている。
第2実施例におけるクランクピン軸受部11は、ロアリンクアッパ33側のアッパ側軸受部35と、ロアリンクロア34側のロア側軸受部36と、を有している。つまり、クランクピン軸受部11の内周面11aは、アッパ側軸受部35のアッパ側内周面35aと、ロア側軸受部36のロア側内周面36aと、によって構成される。
また、機関運転中のロアリンク32には、例えば図4中に矢示するような向きに、燃焼荷重に起因して荷重F1、F2、F3が作用する。
軸受面21は、これらの荷重F1、F2、F3によって、総じてロアリンクアッパ33側で面圧が高くなり、総じてロアリンクロア34側で面圧が低くなる。
そして、この第2実施例では、荷重F2の入力があるロアリンクアッパ33のアッパ側軸受部35のアッパ側内周面35aのうち、荷重F2の入力位置を含む所定の範囲の表面粗さを大きくし、上記所定の範囲以外の表面粗さを小さくする。また、荷重F2の入力がないロアリンクロア34のロア側軸受部36のロア側内周面36aは、周方向に沿って全ての範囲で表面粗さを小さくする。
このような第2実施例の複リンク式ピストンクランク機構30においても、上述した第1実施例の複リンク式ピストンクランク機構1と略同様の作用効果を奏することができる。
第2実施例において、軸受面21の表面粗さを大きくするにあたっては、アッパ側内周面35aと軸受メタル17の外周面17bの双方に機械加工を施すようにしてもよい。また、軸受面21の表面粗さを大きくするにあたって、軸受メタル17の外周面17bにのみ機械加工を施すようにしてもよい。
なお、軸受面21は、簡易的には、荷重F1、F2、F3によって総じて面圧が高くなるロアリンクアッパ15、33側の表面粗さを大きくし、荷重F1、F2、F3によって総じて面圧が低くなるロアリンクロア16、34側の表面粗さを小さくするだけでもよい。つまり、軸受面21は、荷重F2が作用する側(入力される側)であるロアリンクアッパ15、33側の表面粗さを荷重F2が作用しない側(入力されない側)であるロアリンクロア16、34側の表面粗さよりも大きくするだけでもよい。すなわち、軸受面21は、荷重F2の入力方向側の表面粗さを、荷重F2の入力方向とは逆方向側の表面粗さよりも大きくするだけでもよい。
換言すれば、ロアリンクアッパ15、33とロアリンクロア16、34のうち荷重F2が作用する側の部材であるロアリンクアッパ15、33のアッパ側軸受部18、35のアッパ側内周面18a、35aの表面粗さを、ロアリンクロア16、34のロア側軸受部19、36のロア側内周面19a、36aの表面粗さよりも大きくしてもよい。
あるいは、ロアリンクアッパ15、33のアッパ側軸受部18、35に保持される軸受メタル17の外周面17bの表面粗さを、ロアリンクロア16、34のロア側軸受部19、36に保持された軸受メタル17の外周面17bの表面粗さよりも大きくしてもよい。
あるいはまた、アッパ側内周面18a、35aの表面粗さをロア側内周面19a、36aの表面粗さよりも大きくするとともに、アッパ側軸受部18、35に保持される軸受メタル17の外周面17bの表面粗さをロア側軸受部19、36に保持された軸受メタル17の外周面17bの表面粗さよりも大きくしてもよい。
これらの場合でも、上述した3つの問題点を抑制しつつ、軸受メタル17の内転を抑制可能である。
1…複リンク式ピストンクランク機構
2…ピストン
3…ピストンピン
4…アッパリンク(第1リンク)
5…アッパピン(第1連結ピン)
6…クランクシャフト
6a…クランクピン
7…ロアリンク(第2リンク)
8…コントロールピン(第2連結ピン)
9…コントロールリンク(第3リンク)
10…コントロールシャフト
10a…偏心軸部
11…クランクピン軸受部
11a…内周面
12…アッパピン軸受部
13…コントロールピン軸受部
14…分割面
15…ロアリンクアッパ
16…ロアリンクロア
17…軸受メタル
17a…内周面
17b…外周面
18…アッパ側軸受部
18a…アッパ側内周面
19…ロア側軸受部
19a…ロア側内周面
21…軸受面

Claims (3)

  1. ピストンにピストンピンを介して一端が連結された第1リンクと、上記第1リンクの他端に第1連結ピンを介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに軸受メタルを介して連結された第2リンクと、一端が上記第2リンクに第2連結ピンを介して連結され、他端が機関本体側に支持された第3リンクと、を備え、
    上記第2リンクは、クランクピン軸受部を有し、
    上記軸受メタルは、上記クランクピン軸受部の内周面に保持され、
    上記クランクピン軸受部の内周面と上記軸受メタルの外周面のうちの少なくとも一方は、燃焼荷重に起因して上記クランクピンから入力される荷重が作用する側の表面粗さを、燃焼荷重に起因して上記クランクピンから入力される荷重が作用しない側の表面粗さよりも大きくすることを特徴とする内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構。
  2. 上記第2リンクは、上記クランクピン軸受部の中心軸を含む平面からなる合わせ面で第2リンクアッパと第2リンクロアの2つの部材に分割構成され、
    上記第2リンクアッパと上記第2リンクロアの2部材のうち燃焼荷重に起因して上記クランクピンから入力される荷重が作用する側の部材の上記クランクピン軸受部の内周面の表面粗さを、燃焼荷重に起因して上記クランクピンから入力される荷重が作用しない側の部材の上記クランクピン軸受部の内周面の表面粗さよりも大きくすることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構。
  3. 上記第2リンクは、上記クランクピン軸受部の中心軸を含む平面からなる合わせ面で第2リンクアッパと第2リンクロアの2つの部材に分割構成され、
    上記第2リンクアッパと上記第2リンクロアの2つに部材のうち燃焼荷重に起因して上記クランクピンから入力される荷重が作用する側の部材の上記クランクピン軸受部の内周面のうち、燃焼荷重に起因して上記クランクピンから入力される荷重の入力位置を含む所定範囲の表面粗さを大きくし、上記所定範囲以外の表面粗さを小さくし、
    上記第2リンクアッパと上記第2リンクロアの2つに部材のうち燃焼荷重に起因して上記クランクピンから入力される荷重が作用しない側の部材の上記クランクピン軸受部の内周面の表面粗さを小さくすることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構。
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