JPH0726911A - カムシャフト - Google Patents

カムシャフト

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JPH0726911A
JPH0726911A JP6091921A JP9192194A JPH0726911A JP H0726911 A JPH0726911 A JP H0726911A JP 6091921 A JP6091921 A JP 6091921A JP 9192194 A JP9192194 A JP 9192194A JP H0726911 A JPH0726911 A JP H0726911A
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cam
camshaft
surface roughness
kgf
sliding
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JP6091921A
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Kaoru Murabe
馨 村部
Akira Yamakawa
晃 山川
Kenji Matsunuma
健二 松沼
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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    • F01L1/02Valve drive
    • F01L1/04Valve drive by means of cams, camshafts, cam discs, eccentrics or the like
    • F01L1/047Camshafts
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 摺動による摩擦損失を低減することによって
動力損失を低減できるカムシャフトを提供すること。 【構成】 セラミックス製カムピース2を備えた金属製
カムシャフト8、カムフォロア4及びカムジャーナル9
を備え、このカムピースの表面粗さが0.1μmRa以
下であり、かつ、ビッカース硬さが1000kgf/m
2以上であるカムシャフトである。更にカムピース2
の材料であるセラミックスの物性値が、縦弾性係数25
000kgf/mm2以上であり、かつ、ビッカース硬
さが1000kgf/mm2以上であることが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関などの動弁機構
において使用されるカムシャフトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年自動車工業分野においては、省資源
および地球環境保護の観点から、自動車走行燃費の低減
が急務となっている。この対策として車体重量の軽量化
や希薄燃焼化などエンジンの熱効率の向上と並んで、エ
ンジンなどの機械的損失の低減が課題となっている。エ
ンジンの機械的損失のうち動弁系における損失低減対策
としては、主として慣性重量低減を目的とした部品の軽
量化および、摺動により生じる摩擦トルクの低減が検討
されている。図1はエンジン動弁系機構を示したもので
あるが、この中でもエンジン性能面から、弁運動特性に
優れるOHC(オーバーヘッドカム)方式が主流となっ
ている。図2はOHC方式のうち直接駆動式動弁機構の
一例を示す縦断面図である。図2において、1はエンジ
ンのシリンダヘッド、2はカム、3はバルブリフタ、4
はカムフォロア、5は吸排気弁、6はバルブシート、7
は弁バネである。図2において示されているものにおい
ては、カム2によってバルブリフタを駆動しカム2の変
位を吸排気弁5に伝えるようにされている。
【0003】図2から明らかなようにカムおよびカムフ
ォロアは互いに相対する摺動面を有する部品であるが、
両者間は接触面圧が非常に高く、加えて特にアイドリン
グ時などエンジンが低回転域での運転条件で潤滑油膜が
十分形成されない条件で摺動されるため、動弁系が作動
することによって発生する摩擦損失のエンジンの全摩擦
損失に対する割合は無視し得ない。また、このように十
分な潤滑状態でないことから、摩耗、スカッフィング、
ピッチングなどカム部の損傷の発生が大きな問題となっ
ている。近年、自動車エンジンは吸排気効率の向上を目
的として、マルチバルブ化および可変バルブタイミング
機構の採用が行われているが、バネ荷重の増加、並びに
シリンダ内の狭いスペースにこれらの機構を収納するた
めにカム幅を十分に確保できず、カム−カムフォロア間
の接触応力が上昇する。このため、摺動面間に形成され
る油膜厚さが減少し、摩擦トルクおよびカムの損傷の点
で問題となっている。この問題に対して、例えば「トラ
イボロジスト」第31巻第11号(1991)頁855
〜859にあるようにカムフォロアを軸を中心にして自
由に回転可能なローラー型にて、摺動状態を転がり摩擦
主体にすることにより摩擦および摩耗を低減できること
が示されている。また特開昭59−34409号の第1
頁右欄13行〜第2頁左上欄1行に記載されているよう
にカムを高強度、軽量材料であるセラミックス材料を用
いることによって慣性重量の低減、および耐摩耗性の付
与を試みている例がある。しかし一方は機構の複雑化に
伴うコストの上昇が懸念され、他方ではセラミックス部
材が相手金属製部材との機械的なじみが十分に取れない
ために、セラミックス部材による相手金属製部材に対す
るアブレージョンが高まるため、相手部材の摩耗が激し
くなり損傷を来す問題があった。
【0004】この問題に対し特開平5−340212に
はその第2頁に記載のようにアジャスティングシムをセ
ラミックス化し、母材と組成が異なり、かつ低硬度のセ
ラミックス表面層を設けることにより、摺動初期での表
面層の摩耗による馴染み効果により、カム軸駆動電力が
低減されることが開示されている。アジャスティングシ
ムはカムに対してオフセットして備えられるため、回転
可能となっている。そのためアジャスティングシムの摺
動面に対して一部分が選択的に摩耗することは少ない。
一方カムはノーズ部において最大負荷がかかり、選択的
に損傷されやすい。このためアジャスティングシムと比
較すると、ノーズ部における表面粗さが使用中に劣化す
る懸念がある。また、カムシャフトのジャーナル部9
は、図3に示すようにカムシャフト8を回転可能に支持
する軸受を形成している。このため、該ジャーナル部9
は、カム−カムフォロア間の摺動ほど過酷ではないもの
のヘルツ弾性接触下におかれるため、一般的に言っても
高接触応力下の摺動であり、加えて滑り軸受であるため
苛酷な摺動部を形成しているものと考えられる。しか
し、カムシャフトのジャーナル部の摩擦・摩耗の低減に
ついてはこれまで十分検討されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は摺動による摩
擦損失を低減し、大幅な動力損失の低減を可能とし、更
に摺動によるカムおよびフォロアの損傷を防止する。以
上述べた従来の課題を解決しうるカムシャフトを提供し
ようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の構成は、特許請求の範囲に記載のとおりのカ
ムシャフトである。その要点を述べると、本発明のカム
シャフトはカムピースがセラミックスからなり、好まし
くはカムフォロアおよびジャーナルピースもセラミック
スからなる。これらセラミックス部材が金属基材料から
なる軸に備えられ、摺動面の表面粗さを0.1μmRa
以下とすることを特徴とする。また、好ましくはセラミ
ックス材料として縦弾性率25000kgf/mm2
上、ビッカース硬さ1000kgf/mm2以上の材料
を用いることを特徴とする。
【0007】すなわち本願発明カムシャフトは相手部材
と摺動するカムピース及びジャーナルピースを構成する
材料としては上記範囲のものであればモノリシックセラ
ミックス焼結体でもよく、又繊維、ウィスカー、ナノ粒
子などで強化されたセラミックス系材料でもよい。モノ
リシックセラミックス焼結体にはアルミナ、ジルコニ
ア、ムライト、スピネル等の酸化物、窒化ケイ素、窒化
アルミニウム、窒化チタンなどの窒化物、炭化ケイ素や
炭化チタンなどの炭化物、窒化ホウ素や炭化ホウ素等の
ホウ化物、ケイ化チタン等のケイ化物などがある。複合
材料としては、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊
維、チラノ繊維などで強化されたアルミナ、窒化ケイ素
又は結晶化ガラスなどの長繊維強化複合材料、炭化ケイ
素ウィスカー等で強化したアルミナまたは窒化ケイ素な
どのウィスカー強化複合材料、窒化チタンや炭化ケイ素
のミクロンあるいはナノ粒子などで強化された窒化ケイ
素又はアルミナなどの粒子分散強化複合材料を挙げるこ
とができる。
【0008】
【作用】本願発明カムシャフトを用いた場合、カム軸駆
動トルク、即ちカム−カムフォロア間および軸受部での
摩擦損失が大幅に低減し内燃機関の動力損失を低減する
ことが可能であり、また同時にカムの摺動による自身お
よびフォロアに対する損傷、即ちカムおよびフォロアの
スカッフィング摩耗などが顕著に改善することが可能で
あるとの知見に至ったものである。自動車エンジンなど
の内燃機関の動弁系機構においては、通常潤滑油による
潤滑下におかれることから、理想としては潤滑油膜の形
成により摺動面間の固体接触が生じない流体潤滑状態で
の使用が望まれる。本願発明者らは鋼と鋳鉄の組合せに
対して相対する摺動面の表面粗さの2乗平均である合成
面粗度と、摺動条件により決定される最小油膜厚さとの
比である膜厚比と摩擦係数の間に図4に示す関係を見出
した。なお、膜厚比は以下の式で計算される。
【0009】
【数1】
【0010】ここで最小油膜厚さは図5のローラーチッ
プ型の摩擦試験でのローラー11の径をR、速度パラメ
ータをU、材料パラメータをG、荷重パラメータをWと
すると、最小油膜厚さ=2.65×R×U0.7×G0.54
/W0.13で与えられるものであり、合成面粗度はチップ
面粗度(Ra)をR1、ローラー面粗度(Ra)をR2
すると、合成面粗度=(R1 2+R2 20.5で与えられる
ものである。膜厚比が1以下の領域は境界潤滑領域であ
り、3以上の領域は完全流体潤滑となり摩擦の低い状態
となる。1〜3は境界潤滑と流体潤滑の中間の状態であ
る混合潤滑流体とされる。自動車用エンジンの機械損失
に占める動弁系での損失はアイドリング状態で最も多
く、全体の20〜25%となる。図4においてエンジン
のアイドリング状態に相当するのは膜厚比0.1〜1程
度の境界潤滑領域である。従って摩擦損失を低減するに
は潤滑状態をより流体潤滑に近い状態、すなわち膜厚比
を大きくすることにより可能となることを見出した。
【0011】鋳鉄カム−鋼アジャスティングシムの組合
せについて、摺動面を鏡面研磨したものについてカム軸
駆動トルクを測定したところ5%の低減効果が認められ
たが、連続運転による耐久試験を実施したところ時間の
経過に伴いカム軸駆動トルクが上昇する問題が生じた。
摺動後のカム及びカムフォロアの表面を観察したところ
特にカムノーズ部の面粗度が劣化しており、一部焼き付
きも認められた。カムノーズ部は油膜厚さが小さくなる
部分であることから、接触部の微小突起間の固体接触の
繰返しにより面粗度が劣化し、結果的に初期と比較して
膜厚比が低下しカム軸駆動トルクが増加したものと考え
られた。更に詳細に検討した結果、セラミックスカムピ
ースのビッカース硬さが1000kgf/mm2未満で
は、カムフォロア側からの攻撃による摩耗によってカム
ピースの特にノーズ部において面粗度が大きくなり、場
合によっては局部的な摩耗を生じカムフォロアとのクリ
アランスが変化するためより一層摺動摩擦抵抗が増大す
ることを見出した。このような状態が継続することによ
り、ついには焼き付きおよびカムのスカッフィング損傷
を引き起こす危険性が認められた。従ってビッカース硬
さは1000kgf/mm2以上の材料を利用するのが
好ましい。
【0012】また、特に問題となるアイドリング状態を
含むエンジンの低回転領域ではカム−カムフォロア間の
接触面圧が上昇するためカムピース及びカムフォロアに
弾性変形が生じる。そのためヤング率の低い材質を使用
した場合変形量が増大するため摺動対の面粗度が増大し
た場合と同様に接触面積が増大するため、摺動摩擦抵抗
が増加する。以上の状況を鑑みて検討を行った結果、カ
ムシャフトのカムピースをセラミックスとなし、更に好
ましくはジャーナルピースをセラミックスとすることに
よりカム軸駆動トルクの低減が可能であることを見出し
た。なおジャーナルピースの面粗度は0.1μmRa以
下とする。カムシャフトの摺動部分にセラミックス製部
材を使用することにより、カムシャフト自体の重量を低
減することが可能となる。このため弁バネ荷重、並びに
ジャーナル軸受部の負荷を低減することが可能となり、
摺動摩擦抵抗を低減することが可能となる。また摺動対
の一方をセラミックスとすることにより、従来の金属同
士の摺動対と比較して摩擦係数を低減することが可能と
なる。これは金属同士と比較してセラミックス−金属の
組み合わせでは一般に物質間の結合状態が異なるため、
固体摩擦時の表面の活性度か低く、相互作用による凝着
性が低いためと考えられる。
【0013】本願発明の好ましい態様によればカムシャ
フトに備えられるセラミックスは、摺動面のビッカース
硬さが1000kgf/mm2以上、かつ縦弾性係数が
25000kgf/mm2以上であることから、鋳鉄カ
ム−鋼カムフォロアの組合せで生じていた、材料因子に
起因する摩擦抵抗の増大を抑制することが可能となる。
又、セラミックスの有する硬さの効果により、セラミッ
クス側摺動面の表面粗さは初期の状態を保つことが可能
となり初期に設定した摩擦抵抗から劣化せず維持するこ
とが可能となる。セラミックスと金属の摺動対について
は、セラミックス摺動部材の金属摺動部材に対する攻撃
性が問題となる。特に本願発明カムシャフトは膜厚比を
制御することにより低摩擦を実現するため、アイドリン
グ状態等の膜厚比の低い状態で、特に潤滑油が劣化、減
少により本来の油膜厚さより薄くなる場合セラミックス
部材が金属製部材を攻撃することにより面粗度の増大を
起こし、その結果摺動摩擦抵抗が増加する危険性があ
る。これに対し本願発明カムシャフトではカムピース及
びジャーナルピースの面粗度を0.1μmRa以下にす
ることにより、固体間の接触が存在する境界潤滑領域で
も相手部材の表面粗さを劣化させないことを見出した。
【0014】更に好ましくはセラミックス部材の表面粗
さを0.05μmRaにすることにより更に相手攻撃性
を低減することが可能となる。本願発明カムシャフトの
カムピースとカムフォロアの組み合わせについて、相対
する摺動面の表面粗さが合成面粗度で0.1μmRa以
下にすることにより、従来の動弁系機構と比較して摺動
摩擦抵抗を低減することが可能となる。これは動弁系の
摩擦において最も問題となるアイドリング状態において
膜厚比を増加させることにより、摺動面での固体間接触
を低減することができ結果として優れた摩擦損失低減効
果を示したものと考えられる。更に好ましくは摺動対間
の合成面粗度を0.05μm以下にすることにより更に
優れた摩擦損失低減効果を示す。これは図4に示した膜
厚比−摩擦係数の特性曲線において膜厚比を増加させる
ことに相当し、その結果流体潤滑の割合が増加するため
と考えられる。
【0015】エンジンの高効率化に伴いシリンダヘッド
内の機構が複雑化し、その機構を限られたスペースに組
み込む必要があることから、結果としてカム幅が十分に
確保できなくなっている。このためカムの単位幅当たり
の焼付荷重が小さい鋳鉄のような金属系の材料をカムを
用いると、バネ荷重を下げる必要があり、結果としてサ
ージング発生回転数が低下するなど、エンジンの効率が
落ちることとなる。これに対して単位幅当たりの接触荷
重が20kgf/mmで使用されるカムシャフトであれ
ば、バネ荷重も従来のとおりであるため、高回転領域ま
で使用可能なエンジンを供することが可能となる。エン
ジンの高回転領域では弁バネのサージング現象が発生す
る。これは弁バネが高回転で共振を起こし、カムフォロ
アがカムに対して高速で衝突する。このため高回転域で
の使用に対するカムシャフトの破壊、および寿命に対す
る信頼性が問題となる。従ってエンジン回転の危険領域
(通常6000rpm以上)まで高い信頼性を有するカ
ムを得るには、高速衝撃に強い材料を用いることが好ま
しい。そこでサージングに耐えうる材料を鋭意検討した
ところ、JIS R1601に準拠した3点曲げ強度が
120kgf/mm2以上の本発明のセラミックス材料
であれば、この衝撃にも耐えうることが判った。
【0016】このような材料は結晶相の平均粒径を10
μm以下に微粒化することや、平均結晶粒径がマトリッ
クス構成相の平均結晶粒径以下の第2相をマトリックス
の粒界や粒内に分散、あるいはこれらの複合により得ら
れる。好ましくはマトリックスを構成する結晶相の平均
粒径が30μmあたりの線密度で35個以上である。な
お、ここでの線密度とは任意の観察面での任意の30μ
mの線分が通過する結晶粒の個数である。複合化の際結
晶粒の微細化を図ることによって衝撃応力によって発生
する亀裂が単位長さだけ進展するのに必要な結晶粒数及
び粒界数が大幅に増加するため衝撃応力が緩和され、結
果として破壊に要する当初のエネルギが大きくなるもの
と考えられる。又、第2相を分散することによりクラッ
クのピン留めあるいはディフラクションを起こすことに
より、破壊に対する抵抗を高めることができるものと考
えられる。カムピースの材料として更に好ましくは15
0kgf/mm2以上の強度を有する材料を用いること
によりサージングに対する信頼性を更に高めることが可
能となる。この材料は結晶粒の微細化、およびナノサイ
ズの粒子による析出強化により得られるものである。こ
のため衝撃に対する抵抗が更に高まり、過回転に対する
信頼性が高まるものと考えられる。
【0017】
【実施例】以下実施例によって本発明を具体的に説明す
る。 実施例1 各種セラミックス製チップと鋳鉄製ローラーの組合せで
図5に示すローラーチップ型の摩擦試験を実施した。こ
れはチップ10、ローラー11および試料保持具12を
備えている。評価に用いた材料の特性を表1に示す。試
験は摺動条件及び表面粗度を変化させることにより膜厚
比をパラメータとし、そのときの摩擦係数を測定した。
膜厚比は前述通り式(1)により計算される値である。
結果は図6に示す。図中でNo.6はチップが鋳鉄、No.
2はジルコニア、No.1はアルミナ、No.4は炭化ケイ
素ウィスカーで分散強化された窒化ケイ素、No.5は炭
化ケイ素の80nmの粒子で分散強化された窒化ケイ
素、No.3は市販の窒化ケイ素である。いずれの材料に
ついても膜厚比の増加に伴い、摩擦係数が低下する現象
が認められた。又、その際の摩擦係数は鋳鉄>ジルコニ
ア>アルミナ>炭化ケイ素ウィスカー分散強化窒化ケイ
素>炭化ケイ素ナノ粒子分散強化窒化ケイ素>窒化ケイ
素の順になっており、これらセラミックス系の材料を使
用することにより鋳鉄に比べ摺動部で発生する摩擦抵抗
を低減できることが判った。
【0018】
【表1】
【0019】次に表面粗さを0.1μmRaとしたCr
−Mo鋼のローラーに対し、表1に示した材質の表面粗
さを変化させたチップを用いてローラーチップ型摩擦試
験を行い、試験後のCr−Mo鋼製ローラーの面粗度を
測定した。試験は300rpm、油潤滑下で5分間摺動
した。結果は表2に示す。チップ側の面粗度を0.1μ
mRa以下にすることにより、Cr−Mo鋼製ローラー
の表面粗さが試験前の0.1μmRaと比較して、本発
明品では同等の水準もしくはそれ以下となっていること
から、相手材に対する攻撃性を低減しうることが判っ
た。
【0020】
【表2】
【0021】実施例2 表1に示した材質のカムピースと鋳鉄製軸を用いて図7
に示すカムシャフトを作製した。これらのカムシャフト
のカムピース及びジャーナルピースとカムフォロア及び
軸受との接触面を種々の条件で表面仕上げをし、表3〜
表5に示す合成面粗度とした。このようにして作製した
カムシャフトを図8に示す市販の2000cc自動車用
ガソリンエンジンから流用した直接駆動式OHC動弁機
構(シリンダヘッド)を取り付けたモータリング装置に
より、機関換算回転数毎分500,1500,3000
回転で回転させてカム軸駆動トルクを測定した。従来の
鋳鉄製カムピースおよびジャーナルピースを用いたカム
シャフトについても同様の測定を行い、下記式(2)よ
り表3〜表5に示すセラミックスを用いたカムシャフト
のカム軸駆動トルク低減率を算出した。 カム軸トルク低減率=〔1−{(各種セラミックス使用
カムシャフトのカム軸トルク)/(従来の鋳鉄製カムシ
ャフトのカム軸トルク)}〕×100(%) 以上の結果を表3〜表5に示す。表3〜表5の結果より
明らかなように本発明カムシャフトを使用することによ
り、鋳鉄品に比べ摺動摩擦抵抗低減による大幅なカム軸
トルクの低減効果が認められた。
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】
【表5】
【0025】また実施例中窒化ケイ素についてジャーナ
ルピースもセラミックスとしたカムシャフトを作製し、
図8に示すモータリング装置に組み込み500rpmで
運転した時の、従来鋳鉄品に対するトルク低減率を測定
した。結果は表6に示すようにカムピースのみセラミッ
クスを用いたカムシャフトと比較してジャーナルピース
もセラミックスとすることにより更にトルク低減率が向
上した。
【0026】
【表6】
【0027】実施例3 実施例2で使用した各種カムシャフトのうち表1のNo.
3に示す窒化ケイ素製カムを備えたカムシャフトを実施
例2と同じモータリング装置を使用して回転数1500
rpmで200時間連続稼動した。試験に際し摺動面の
表面粗さを合成面粗度で0.05μmRaとし、実施例
2、表4の比較例とした鋳鉄カム、摺動面の合成面粗度
0.5μmRaのときのカム軸駆動トルクに対する低減
率を測定した。なお測定に際しては摺動対の初期馴染み
を得る目的で慣らし運転を実施した。
【0028】結果は図9に示すように従来鋳鉄品は時間
の経過に伴いトルク低減率が低下するが、それに対し本
願実施例においては試験時間全体に渡ってトルク低減率
に変化はほとんどなく、本発明カムシャフトによる動弁
系の摩擦損失低減効果は長時間に渡り効果のあることが
判った。すなわち本発明品では初期の良好なトルク低減
状態が長時間持続し、初期に設定した面粗度の効果を持
続させることができる。試験終了後の摺動面を観察した
ところ、従来鋳鉄品では特にカムノースの面が荒れてお
り、この荒れのため膜厚比の低下を招き、カム軸駆動ト
ルクが増加したものと考えられる。
【0029】実施例4 動弁系の弁バネのバネ係数を変化させることにより、カ
ムの最大リフト時の接触荷重を変化させ、その際の動弁
系の焼付性を検討した。試験は図8に示す装置からトル
ク計を取り除き、回転数を1000rpmとし、接触荷
重を変化させた。使用したカムシャフトはカムピースの
みセラミックスとしたものであり、相対する摺動面の面
粗度は合成面粗度で0.05μmRaとした。なお接触
荷重はバネ荷重をカム幅で除した線荷重とした。結果は
表7に示すように、本願カムシャフトを用いることによ
り鋳鉄品と比較して優れた耐焼付性を示した。
【0030】
【表7】
【0031】実施例5 表1及び表8に示す材質を用いたカムシャフトについて
過回転試験を実施した。なお表8の窒化ケイ素焼結体の
うちNo.3−1が表1のNo.3としたものと同一材質で
ある(したがってNo.3−2,No.3−3は結晶粒径が
さらに小さく高強度なものである。過回転試験は実施例
2〜4と同様のモータリング装置を使用し、回転数は3
000rpmより500rpmずつ上昇させた。なおそ
の際各回転数で120秒ずつ保持した。カムシャフトは
カムピースのみセラミックスを備え、相対する摺動面間
の面粗度を合成面粗度で0.05μmRaとした。結果
は表9に示すように、従来の鋳鉄製カムシャフトは機関
回転数6500rpmで異常振動が発生し焼付現象が見
られたのに対し、JIS R1601に準拠した3点曲
げ強度で120kgf/mm2以上を有する材質につい
てはサージングによる破壊回転数が向上しており、とり
わけ150kgf/mm2であるカムピースを備えたカ
ムシャフトの破壊発生回転数は9500rpmと大きく
向上した。
【0032】
【表8】
【0033】
【表9】
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本願発明はエンジン
などの内燃機関の動弁系の動力損失の大幅な低減および
耐摩耗性の改善を可能とし、内燃機関の燃費、出力及び
耐久性及び危険回転域での信頼性を向上することが可能
なカムシャフトを提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンの各動弁系機構の説明図、
【図2】直動式動弁系機構の縦断面図、
【図3】シリンダヘッド機構の斜視図、
【図4】膜厚比と摩擦係数の関係(鋳鉄−鋼)を示すグ
ラフ、
【図5】ローラーチップ型摩擦試験装置の説明図、
【図6】摩擦試験結果を示すグラフ、
【図7】カムシャフトの説明図、
【図8】モータリング試験装置概念図、
【図9】耐久試験結果を示すグラフ。
【符号の説明】
1 シリンダヘッド 2 カムピース 3 バルブリフタ 4 カムフォロア 5 吸排気弁 6 バルブシート 7 弁バネ 8 金属製カムシャフト 9 ジャーナルピース 10 チップ 11 ローラー 12 試料保持具

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス製カムピースを備えた金属
    製カムシャフト、カムフォロアおよびカムジャーナルを
    備え、このカムピースの表面粗さが0.1μmRa以下
    であり、かつビッカース硬さが1000kgf/mm2
    以上であることを特徴とするカムシャフト。
  2. 【請求項2】 カムピースを構成するセラミックスの物
    性値が縦弾性係数25000kgf/mm2以上であ
    り、かつビッカース硬さが1000kgf/mm2であ
    ることを特徴とする請求項1に記載のカムシャフト。
  3. 【請求項3】 カムピース−カムフォロア間の接触面圧
    が線荷重で20kgf/mm以上で使用されることを特
    徴とする請求項1または2に記載のカムシャフト。
  4. 【請求項4】 カムピースとカムフォロアの組合せにお
    いて、相対する摺動面の合成面粗さが0.1μmRa以
    下であることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに
    記載のカムシャフト。
  5. 【請求項5】 カムシャフトを構成するセラミックスが
    JIS R1601に準拠した3点曲げ試験で、強度が
    120kgf/mm2以上であることを特徴とする請求
    項1ないし4の何れかに記載のカムシャフト。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載のセラミックスの3点曲
    げ強度が150kgf/mm2以上であることを特徴と
    する請求項1ないし5の何れかに記載のカムシャフト。
  7. 【請求項7】 セラミックスが窒化ケイ素をマトリック
    スとすることを特徴とする請求項1ないし6の何れかに
    記載のカムシャフト。
  8. 【請求項8】 ジャーナルピースがセラミックスである
    ことを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載のカ
    ムシャフト。
JP6091921A 1993-05-13 1994-04-28 カムシャフト Pending JPH0726911A (ja)

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DE69400146T DE69400146D1 (de) 1993-05-13 1994-05-11 Nockenwelle

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