JPS612970A - エンジン用カムシヤフト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、エンジン用カムシャフトに係り、特にセラミ
ックスを用いて、ｉ１１摩耗性及び耐久性を向上せしめ
、且つ重量軽減を図ったエンジン用カムシャフトの構造
に関するものである。

自動車用エンジンの動弁系、特にカムとロッカーアーム
との摺動面の摩擦、摩耗の問題は、エンジンの耐久性に
おいて大きな問題である。従来、そのようなエンジン用
カムは鋳鉄製で、その摺動面をチル組織にしたり、また
は熱処理により硬度を上げる等の対策によって、その耐
摩耗性を向上させている。また、ロッカーアームも鋳鉄
製のものは、摺動面の窒化処理や硬質クロムメッキを行
ない、アルミ製のものは、耐摩耗性に優れた焼結合金チ
ップを採用する等して、その耐久性、信頼性の向−Ｌを
図っている。

しかしながら、近年における技術の進歩に伴って、自動
車等のエンジンには更に高い性能が要求のカムをシャフ
トに一体的に設けて、その軸方向に配列してなるカムシ
ャフトや、このカムシャフトに摺接するロッカーアーム
についても、それらの摺動面の耐ピツチング性、耐スカ
ツフ性等の耐摩耗性のより一層の改善が望まれている。

このため、かかるカムシャフトやロッカーアームに用い
る材料の検討が行なわれているが、特にカムシャフトの
カム部に耐摩耗性に優れた材料を用いる複合カムシャフ
トが注目されている。そして、かかる耐摩耗性材料とし
ては、通常、セラミックスを使用することが考えられる
が、そのようなセラミックス材料からなるカムを金属製
のシャンクスを使用することが考えられるが、そのよう
なセラミックス材料からなるカムを金属製のシャフト部
（軸部）に接合する場合において、セラミックス材料と
金属との特性が非常に異なるため、金属とセラミックス
を如何に一体的に連結して結合せしめるかが問題となる
のである。

一般に、金属と金属との接合の場合は、例えば焼結合金
製等のカムを鋳型中にセントし、鋳ぐるむことにより一
体化する方法、或いは焼結合金製等のカムに貫通孔を設
け、鋼管等の軸に圧入固定、または拡散接合、溶接、ろ
う付は等により連結せしめる方法等がある。しかるに、
セラミックス材料の場合には、鋳ぐるみ時に鋳造応力に
よる割れを生ずることから、鋳ぐるみ手法による接合は
困難であり、また上記金属の例の如くカム１！通孔への
金属軸部の圧入は、引張応力が発生し、セラミックスの
特性上好ましい使い方ではなく、更に拡散接合、溶接、
ろう付は等の手法は、セラミックスでは未だ一般的でな
く、現実に採用し得る手法ではない。また、セラミック
スは硬度が高く、結合した後の仕上げ加工は困難である
ところから、なるべく加工量を少なくする必要がある。

従って、セラミックス製のカムを有する複合カムシャフ
トを製作するに際しては、高い寸法精度で加工されたカ
ム部とシャフト部とを精度良く且つ（ｄ頼性の高い方法
で連結して、一体的に結合せしめることが、肝要となる
のである。

ここにおいて、本発明の目的は、上述のセラミックス材
料の特質を考慮した上で、そのようなセラミックス材料
からなるカム部と金属製シャフト部との間の強固な一体
的結合を図り得るカムシャフト構造を提供することにあ
り、またそれによって耐摩耗性に優れ、且つ大幅な重量
軽減を達成し得るカムシャフトを提供することにある。

そして、このような目的を達成するために、本発明は、
上述の如き複数のカムをシャフトに一体的に設けて、そ
の軸方向に配列してなるカムシャフトにおいて、該カム
の少なくとも一つをセラミックス製と為すと共に、該セ
ラミックス製カム部のシャフト軸方向の両端部に連結用
突起をそれぞれ形成せしめる一方、該カム部に連結され
る金属製シャフト部に連結穴部を設けて、該連結穴部に
前記カム部の連結用突起を嵌入せしめることにより、該
セラミックス製カム部と該金属製シャフト部とを一体的
に連結するようにしたのである。

また、このような本発明にあっては、前記セラミックス
製のカム部は、一般に、単一のカム若しくは複数のカム
をカムシャフトにおいて構成するように設けられること
となるが、かかるセラミックス製カム部の連結用突起が
、金Ｎ製シャフト部の連結穴部に対して、圧入若しくは
焼ばめ等によって嵌入、連結せしめられることによって
、それらカム部とシャフト部とが強固に結合されて、効
果的に一体化せしめられ得るのである。

さらに、かかるカム部の連結用突起は、通常、円形断面
若しくは正多角形断面の柱状形状とされる一方、シャフ
ト部の連結穴部がそのような連結用突起に略対応する断
面形状を有するようにされるのであるが、特にそれら連
結用突起と連結穴部とを、正多角形断面構造の凹凸嵌合
方式による連結構造とすることにより、それら両部材の
回り止め機能と位置決め機能とを同時に奏せしめ得る利
点が生ずる。

以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発
明の幾つかの実施例を図面に基づいて詳細に説明するこ
ととする。

まず、第１図は、本発明の一実施例に係る自動車用エン
ジンのカムシャフトの外観を示す側面図であり、第２図
はそのようなカムシャフトにおけるセラミックス製カム
部と金属製シャフト部との結合状態を示す要部切欠説明
図である。

そして、それらの図において、ｌ、４及び３は、それぞ
れシャフト部を構成する金属製の端部軸受は部及び中間
軸受は部であり、窒化ケイ素等のセラミックスからなる
カム部２がそれらの間に位置せしめられて、一体的に連
結されている。より具体的には、セラミックス製のカム
部２は、排気カム２ａ、中間軸部２Ｃ１吸気カム２ｂを
１気筒分として、一体的に形成されてなるものであり、
またそのシャフト軸方向の両端部に円柱状の連結用突起
２ｄ、２ｄをそれぞれ有し、更にそれら突起２ｄの周面
の所定位置に、回り止め兼位置決め用のノックボール穴
２ｅが設けられている。

一方、金属製の端部軸受は部１．４及び各気筒間に位置
する中間軸受は部３には、それぞれ前記カム端部突起２
ｄを圧入若しくは焼きばめ等によって嵌入せしめ得る、
円形断面の連結穴１ａ、４ａ、３ａが設けられており、
またかかる連結穴１ａ、４ａ、３ａの内面には、回り止
め兼位置決め用ノックボール５を嵌合させる、シャフト
軸方向のノックボール溝１ｂ、４ｂ、３ｂがそれぞれ設
けられている。

なお、かかるノックボール嵌合用の溝３ｂは、本実施例
の４気筒エンジンのカムシャツ］・にあっては、第３図
に示される如く、軸受は部３の連結穴３ａ内面に、その
円周上の４等分位置でシャフト軸方向に４ケ所設けられ
ている。このノックボール溝３ｂを選択してカム部２の
ノックボール穴２ｅと組み合わせることにより、カム部
２がシャフト軸回りに４つの異なる位置に配置され得る
のである。そして、このような吸排カム１気筒分（２ａ
、２ｂ）の、一体化されたセラミックス製のカム部２は
、その両端部に設けられた連結用の突起２ｄが、金属製
端部軸受は部１．４及び中間軸受は部３の連結穴１ａ、
４ａ、３ａに、それぞれ圧入若しくは焼きばめ等によっ
て嵌入せしめられることにより、それらシャフト部を構
成する端部軸受は部１．４及び中間軸受は部３に対して
一体的に強固に連結せしめられるのである。また、この
連結に際して、ノックボール５は、カム部２の連結用突
起２ｄ周面のノックボール穴２ｅと、端部軸受は部１．
４及び中間軸受は部３の連結穴１ａ、４ａ、ｂ ３ｂに係合して、それらシャフト部である端部軸受は部
１．４及び中間軸受は部３に対するカム部２の関係位置
を相対的に正しい位置に確実に位置決めし、またそれら
の間の相対的な回転を阻止せしめるのである。

また、上記実施例にあっては、吸排カム２ｂ。

２ａと中間の軸部２Ｃを一体的に１気筒分としてセラミ
ックス化しているが、エンジン構造により、第４図に示
される如く、吸排カム（２ｂ、２ａ）と軸受は部（３）
とを一体的に１気筒分としてセラミックス化し、各気筒
間に位置する中間軸部（２ｃに相当する部分）をそれら
カムとは別体に金属にて構成して、それらを結合した構
造も採用することが可能である。更に、第５図に示され
る如く、排気カム２ａ、吸気カム２ｂ（排気、吸気共通
の場合もある）をそれぞれ単体で所定のセラミックス材
料にて作成し、それら連結用突起２ｄを介して金属製の
軸部２Ｃ，軸受は部１，４．３のそれぞれの連結穴内に
嵌入せしめて一体的に強固に結合せしめるようにしても
何等差支えないのである。

また、セラミックス製のカム部２の軸受は部（１，４，
３）に対する回止めや位置決めのために、上側にあって
は、ノックボール５による手段が採用されているが、そ
れはあくまでも４気筒エンジンのカムシャフトの一例で
あって、その他、多気筒化の場合にあっては、そのよう
なノックボール溝３ｂの数を増加すれば良く、例えば軸
受は部３の連結穴３ａの内周６等分位置にノックボール
溝３ｂを６箇所設ければ、６気筒用エンジンのカムシャ
フトの結合構成が可能となる。

さらに、第６図および第７図に示されているように、カ
ム部２のシャフト軸方向の両端部に設けられる連結用突
起２ｄ、２ｄの形状を、それぞれ４気筒用ならば正方形
柱状に、また６気筒用ならば正六角形柱状にして、回止
め機能と同時に、位置決め機能をも奏せしめ得る構成を
採用することも可能である。

なお、このとき、突起２ｄを嵌入せしめるために、金属
製の端部軸受は部１．４や中間軸受は部３などに設けら
れる連結穴１ａ、４ａや３ａの形状（断面）も、該突起
２ｄの断面形状にほぼ対応するように加工されることと
なる。そして、このようにして構成されるカムシャフト
にあっては、ノンクボールおよびボール嵌合に必要な穴
（２ｅ）オヨびｍ　（１ｂ、４　ｂ、３　ｂ）　がＷ略
されｆｉる他、多角形状を利用して回止め１位置決めを
確実に行うことが可能である。

また、本発明において、カム部２、換言すれば第５図に
示される如き、単一のカム２ａ若しくは２ｂを構成する
、或いは第２図および第４図に示される如き、吸排カム
２ｂ、２ａを含んで、一単位の複数のカムを構成するカ
ム部を一体的に形成するセラミックス材料としては、通
常用いられるもの、例えば窒化ケイ素、炭化ケイ素、ジ
ルコニア、アルミナ等があり、それら公知のセラミック
ス材料の中から、目的に応じて適宜に選択されることと
なる。

その他、本発明には、上記例示の具体例以外にも当業者
の知識に基づいて、種々なる変更、修正。

改良等を加え得るものであって、それら実施形態ものに
ついて一々列挙はしないが、いずれも本発明の趣旨を逸
脱しない限りにおいて、本発明の範喝に属するものであ
ること、言うまでもないところである。

このように、本発明に従うセラミックスを用いたカムシ
ャフトは、摺動面を有するカム部にセラミックス材料が
用いられているため、耐摩耗性に優れるとともに、エン
ジン重量軽減対策の一環としてのカムシャフト重量の大
幅な低減を達成することができるのである。例えば、４
気筒、ｚＩｌクラスのエンジン用カムシャフトの場合に
あっては、従来の鋳鉄製のものに対して、本発明に従っ
てそのカム部をセラミックス材料である窒化ケイ素層と
することにより、その重量を約４０％（０，８５ｋｇ）
軽減することができた。

また、上記例示の具体例におけるカムシャフト構成にあ
っては、吸排カムの組合せにて１気筒分をユニット化し
ているところから、そのユニットを気筒数に応じて連結
、構成することにより、所要のカムシャフトを容易に提
供可能であり、気筒数が増加する場合等において、その
開発工数５部品コスト面等でその特徴を有利に発揮し得
るのである。

さらに、セラミックス製のカム部並びにシャフト部とし
ての金属製端部軸受は部或いは中間軸部はそれぞれ基本
となるユニットが複数個結合されて、１本のカムシャフ
ト構成するものであるところから、基本となる共通ユニ
ットとして高精度に加工しておけば、これを連結、接合
した後の完成品における仕上げ加工も簡単にすることが
できる等、本発明の具体化によって数多くの利益が享受
され得るのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に従うエンジン用カムシャフトの一例
を示す側面図であり、第２図は第１図に例示のカムシャ
フトにおけるセラミックス製カム部と金属シャフト部等
との連結状態の一例を示す一部切欠要部説明図であり、
第３図は第２図における■−■断面図であり、第４図お
よび第５図はそれぞれセラミックス製カム部と金属製シ
ャフト部との他の異なる連結形態を示す第２図に対応す
る図であり、第６図および第７図はそれぞれセラミック
ス製カム部の端部に設けられる連結用突起の異なる例を
示す斜視図である。 ■、４：金属製端部軸受は部 ２：セラミックス製カム部 ３：中間軸受は部　５：ノソクボール ｌａ、４ａ、３ａ：連結穴 ｌｂ、４ｂ、３ｂ：ノソクボール溝 ２ａ：排気カム　　２ｂ：吸気カム ２ｃ：中間軸部　　２ｄ：連結用突起 ２ｅ：ノ・ツクボール穴

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）複数のカムをシャフトに一体的に設けて、その軸
   方向に配列してなるカムシャフトにおいて、該カムの少
   なくとも一つをセラミックス製と為すと共に、該セラミ
   ックス製カム部のシャフト軸方向の両端部に連結用突起
   をそれぞれ形成せしめる一方、該カム部に連結される金
   属製シャフト部に連結穴部を設けて、該連結穴部に前記
   カム部の連結用突起を嵌入せしめることにより、該セラ
   ミックス製カム部と該金属製シャフト部とを一体的に連
   結したことを特徴とするエンジン用カムシャフト。
2. （２）前記カム部の連結用突起が円形断面若しくは正多
   角形断面の柱状形状を有する一方、前記シャフト部の連
   結穴部が該連結用突起に略対応する断面形状を有する特
   許請求の範囲第１項記載のエンジン用カムシャフト。
3. （３）前記連結用突起の前記連結穴部に対する嵌入が、
   圧入若しくは焼ばめにて行なわれる特許請求の範囲第１
   項又は第２項記載のエンジン用カムシャフト。
4. （４）前記セラミックス製カム部が、単一のカム若しく
   は複数のカムを構成する特許請求の範囲第１項乃至第３
   項の何れかに記載のエンジン用カムシャフト。