JP3392620B2 - 冗長化アナログ出力装置 - Google Patents

冗長化アナログ出力装置

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JP3392620B2 JP04612296A JP4612296A JP3392620B2 JP 3392620 B2 JP3392620 B2 JP 3392620B2 JP 04612296 A JP04612296 A JP 04612296A JP 4612296 A JP4612296 A JP 4612296A JP 3392620 B2 JP3392620 B2 JP 3392620B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば鉄鋼、石油
化学、製紙業、ごみ処理などの一般産業プラントのプロ
セス制御システムに用いられる冗長化アナログ出力装置
に係わり、特に、信頼性を向上し得る冗長化アナログ出
力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、鉄鋼、石油化学、製紙業、ごみ
処理などの一般産業プラントのプロセス制御システムで
は、連続(ループ)制御に高い信頼性が要求されてお
り、これに伴って、連続ループ制御の入出力を実行する
ハードウエアも高信頼性の実現が待望されている。
【0003】この種のハードウエアは、高信頼性を確保
する観点から一般的に冗長化されており、例えば、ハー
ドウエアのうちのアナログ出力部(DC4〜20mA出
力信号)を示す冗長化アナログ出力装置が実現されてい
る。
【0004】図7はこの種の冗長化アナログ出力装置の
構成を示す模式図である。この冗長化アナログ出力装置
は、上位コントローラ1が伝送ライン2を介して2枚の
アナログ出力ボード3A,3Bの夫々の伝送制御部4
A,4Bに接続されている。なお、局としての各アナロ
グ出力ボード3A,3Bはマスタ側(常用側)とスレー
ブ側(待機側)とで互いに同一のハードウエア構成を有
するため、マスタ側の構成要素に“A”の添字を付け、
スレーブ側の構成要素に“B”の添字を付けて説明す
る。また、重複した説明を避けるため、主にマスタ側の
アナログ出力ボード(常用局)3Aを例に挙げて述べ
る。
【0005】アナログ出力ボード3Aでは、伝送制御部
4Aがバス5Aを介してマイクロプロセッサ6A、切替
制御部7A、NAND回路8A、D/A変換部9A及び
A/D変換部10Aに夫々接続されている。D/A変換
部9Aは、電流/電圧変換抵抗11A及び逆流防止ダイ
オード12Aを介して出力伝送ライン13に接続され、
出力伝送ライン13は操作弁などの対象プラント14に
接続されている。
【0006】電流/電圧変換抵抗11Aは、両端が差動
アンプ15Aを介してA/D変換部10Aに接続され、
D/A変換部9Aからの出力の有無を抽出可能としてい
る。切替制御部7Aは、NAND回路8Aを介して切替
トランジスタ16Aのベースに接続される一方、他のア
ナログ出力ボード3Bの切替制御部7Bに接続されてい
る。
【0007】NAND回路8Aは、他のアナログ出力ボ
ード3BのNAND回路8Bに対し、互いに出力端子と
一方の入力端子とが接続されており、且つ、この出力端
子を介して自己のアナログ出力ボード3Aにおける切替
トランジスタ16Aのベースに出力信号を送出可能とな
っている。
【0008】このように構成された冗長化アナログ出力
装置は次のように動作する。起動時において、図示しな
い主電源を投入すると、2枚のアナログ出力ボード3
A,3Bでは同時に電源が投入される。
【0009】電源投入時、2枚のアナログ出力ボード3
A,3Bは、夫々切替トランジスタ16A、16Bがオ
フ動作状態となる。ここで、両アナログ出力ボード3
A,3Bは、先にマスタ側のアナログ出力ボード3Aが
立上り、しかる後、スレーブ側のアナログ出力ボード
(待機局)3Bが立上るようにソフトウエアタイマ(図
示せず)が設定されている。なお、この種のソフトウエ
アタイマは、例えば予め通常時のマスタ側又はスレーブ
側を示すスロット情報を不揮発性メモリに記憶してお
き、電源立上り時に、スレーブ側と示されたマイクロプ
ロセッサ6Bが立上り動作時間を遅らせるようにして構
成可能である。
【0010】これにより、マスタ側のアナログ出力ボー
ド3Aでは、マイクロプロセッサ6Aが動作を開始する
と、このマイクロプロセッサ6Aが切替制御部7Aを介
してスレーブ側の切替制御部7Bのステータスを読出
す。このとき、スレーブ側のアナログ出力ボード3Bが
動作開始前のため、マスタ側のマイクロプロセッサ6A
は、スレーブ側のステータスをスタンバイ状態であると
認識し、マスタ側をオンライン(外部出力)状態とする
ため、切替制御部7Aにオンライン昇格コマンドを送出
する。
【0011】切替制御部7Aはこのオンライン昇格コマ
ンドを受けると、NAND回路8Aへのオンライン出力
信号を“H”レベルに設定する。NAND回路8Aは、
スレーブ側からの入力信号が“H”レベルのため、出力
を“L”レベルとして切替トランジスタ16Aのベース
に与える。
【0012】切替トランジスタ16Aは、“L”レベル
の出力をベースに受けると、オン状態からオフ状態にな
り、D/A変換部9Aからの電流出力を可能とする。し
かる後、マスタ側のアナログ出力ボード3Aでは、伝送
制御部4Aが上位コントローラ1から出力データを受信
し、この出力データをマイクロプロセッサ6Aが伝送制
御部4Aから読出してD/A変換部9Aに設定する。
【0013】これにより、D/A変換部9Aは、設定さ
れた出力データに比例して電流信号を出力し、この電流
信号は電流/電圧変換抵抗11A及び逆流防止ダイオー
ド12Aを通して対象プラント14に出力される。
【0014】一方、スレーブ側のアナログ出力ボード3
Bは、電源投入後、前述したようにマスタ側のアナログ
出力ボード3Aよりも遅れて立上がる。立上り後、スレ
ーブ側のアナログ出力ボード3Bでは、前述同様に、マ
イクロプロセッサ6Bが相手系の切替制御部7Aからス
テータスを読出す。このとき、マスタ側が既にオンライ
ン状態であるため、スレーブ側のマイクロプロセッサ6
Bは、相手系であるマスタ側のステータスをオンライン
状態であると認識し、切替制御部7Aにオンライン昇格
コマンドを送出しない。
【0015】これにより、スレーブ側の切替トランジス
タ16Bは、オン状態を継続する。この状態で、スレー
ブ側のアナログ出力ボード3Bでは、伝送制御部4Bが
上位コントローラ1から出力データを受信し、この出力
データをマイクロプロセッサ6Bが伝送制御部4Bから
読出してD/A変換部9Bに設定する。
【0016】D/A変換部9Bは、設定された出力デー
タに比例して電流信号を出力する。しかしながら、切替
トランジスタ16Bがオン状態となっているため、D/
A変換部9Bから出力された電流信号は、電流/電圧変
換抵抗11Bを介して切替トランジスタ16Bに流れる
ことにより、スレーブ側のアナログ出力ボード3B内で
自己消費されて、外部の対象プロセス14には出力され
ない。
【0017】次に、この構成における故障の自己診断方
法を説明する。いま、マスタ側及びスレーブ側のマイク
ロプロセッサ6A,6Bは、出力データをD/A変換部
9A,9Bに設定し、しかる後、A/D変換開始指令を
A/D変換部10A,10Bに与える。
【0018】マスタ側のアナログ出力ボード3Aでは、
D/A変換部9Aからの電流信号が電流/電圧変換抵抗
11A及び逆流防止ダイオード12Aを通して出力伝送
ライン13に出力され、スレーブ側のアナログ出力ボー
ド3Bでは、D/A変換部9Bからの電流信号が電流/
電圧変換抵抗11Bを通して切替トランジスタ16Bに
て自ボード3B内に吸込まれる。
【0019】また、マスタ側及びスレーブ側のアナログ
出力ボード3A,3Bでは、夫々D/A変換部9A,9
Bからの電流信号に対応して電流/電圧変換抵抗11
A,11Bの両端の電位差が差動アンプ15A,15B
を介してA/D変換部10A,10Bに入力される。A
/D変換部10A,10Bは、前述したA/D変換開始
指令により、A/D変換を開始しており、差動アンプ1
5A,15Bからの入力信号をA/D変換する。
【0020】各マイクロプロセッサ6A,6Bは、A/
D変換の終了後、A/D変換結果をA/D変換部10
A,10Bから読出し、このA/D変換結果と出力デー
タとを比較してその差が許容範囲内か否かを診断し、診
断結果に従って正常/異常を判定する。
【0021】しかる後、各マイクロプロセッサ6A,6
Bは、この正常/異常判定結果を上位コントローラ1に
向けて伝送制御部4A,4Bを介して伝送ライン2に送
出する。
【0022】上位コントローラ1は、送出された正常/
異常判定結果が“異常”を示すとき、送出元がマスタ側
のアナログ出力ボード3Aであれば、冗長化切替指令を
スレーブ側のアナログ出力ボード3Bに向けて伝送ライ
ン2に送出する。
【0023】スレーブ側のアナログ出力ボード3Bで
は、この冗長化切替指令を受けると、マイクロプロセッ
サ6Bがオンライン昇格コマンドを切替制御部7Bに与
えることにより、前述同様に、切替制御部7BがNAN
D回路8Bへのオンライン出力信号を“H”レベルに設
定し、NAND回路8Bが出力信号を“L”レベルにし
て切替トランジスタ16Bのベースに与え、切替トラン
ジスタ16Bをオフ状態としてD/A変換部9Bからの
電流出力を可能とし、マスタ側に切替わる。
【0024】一方、マスタ側のアナログ出力ボード3A
では、スレーブ側のアナログ出力ボード3Bがマスタ側
に切替わる過程にてNAND回路8Bが出力信号を
“L”レベルにしたことにより、この“L”レベルの出
力信号が自己のNAND回路8Aに入力され、自己のN
AND回路8Aが“H”レベルの出力を切替トランジス
タ16Aのベースに与え、切替トランジスタ16Aをオ
ン状態としてD/A変換部9Aからの電流信号を外部の
対象プロセス14には出力不可とし、スレーブ側に切替
わる。
【0025】なお、上位コントローラ1は、送出された
正常/異常判定結果が“異常”を示すときであって、送
出元がスレーブ側のアナログ出力ボード3Bであると
き、前述とは異なり、冗長化切替指令を送出せず、異常
通知を外部出力する。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら以上のよ
うな冗長化アナログ出力装置では、次のような問題があ
る。 (a)オンライン状態で動作中のマスタ側のアナログ出
力ボード3Aにおいて、切替トランジスタ16Aが短絡
故障しても検出不可であるという問題があり、外部の対
象プロセス14への電流信号の出力が消失(0mA)し
てしまう。 (b)スタンバイ状態で動作中のスレーブ側のアナログ
出力ボード3Bにおいて、切替トランジスタ16Bがオ
ープン故障しても検出不可であるという問題があり、外
部の対象プロセス14に電流信号が流出してしまい、外
部の対象プロセスに2倍の電流信号が出力されてしま
う。 (c)スタンバイ状態で動作中のスレーブ側のアナログ
出力ボード3Bにおいて、逆流防止ダイオード12Bが
短絡故障した場合、マスタ側のアナログ出力ボード3A
から出力される電流信号がスレーブ側のアナログ出力ボ
ード3Bの切替トランジスタ16Bに吸込まれてしまう
問題があり、外部の対象プラント14への電流信号の出
力が消失してしまう。
【0027】このように、以上のような冗長化アナログ
出力装置では、冗長化システムを構成しているにもかか
わらず、切替トランジスタ16A,16Bのオン故障、
オフ故障及び逆流防止ダイオード12Bの短絡故障の検
出が不可である問題があり、これに伴い、プラント制御
自体が不可となる場合がある。この場合、故障したアナ
ログ出力ボード3A,3Bの特定も不可であるため、プ
ラント制御の復帰まで多大な時間を要する問題がある。
まとめると、上述した諸問題により、信頼性を低下させ
てしまう問題がある。
【0028】本発明は上記実情を考慮してなされたもの
で、対象プラントに出力される電流信号の異常をいち早
く確実に検出することにより、信頼性を向上し得る冗長
化アナログ出力装置を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】請求項1に対応する発明
は、上位制御装置に接続され、前記上位制御装置から送
信された出力データに比例して、同一の対象プラントに
向けて選択的に電流信号を外部伝送ラインに出力する電
流信号出力部を有した常用局及び待機局からなる冗長化
アナログ出力装置であって、前記常用局及び待機局は、
前記電流信号出力部と前記外部伝送ラインとの間に外部
出力抽出用抵抗が設けられ、且つこの外部出力抽出用抵
抗と前記電流信号出力部との間から電気的に分岐させて
スイッチング素子が接続され、このスイッチング素子と
直列に自己消費抽出用抵抗が設けられた構造を有し、前
記常用局としては、前記外部出力抽出用抵抗を介して抽
出される信号の値に基づいて外部出力に関する自己診断
を実行すると共に、前記自己消費用抽出抵抗を介して抽
出される信号の値に基づいて自己消費に関する自己診断
を実行し、前記抽出される信号の値と前記出力データと
の差が許容値を越えるとき、異常原因の指摘を含む出力
異常を前記上位制御装置に通知し、前記待機局として
は、前記自己消費用抽出抵抗を介して抽出される信号の
値に基づいて自己消費に関する自己診断を実行すると共
に、前記外部出力抽出用抵抗を介して抽出される信号の
値に基づいて外部出力に関する自己診断を実行し、前記
抽出される信号の値と前記出力データとの差が許容値を
越えるとき、異常原因の指摘を含む出力異常を前記上位
制御装置に通知する冗長化アナログ出力装置である。ま
た、請求項5に対応する発明は、請求項1に対応する発
明において、前記常用局及び待機局としては、前記電流
信号出力部と前記外部伝送ラインとの間に外部出力抽出
用抵抗及び逆流防止ダイオードが設けられ、前記スイッ
チング素子をNAND回路を介してオンオフ制御する切
替制御部が設けられた構造を有し、前記常用局として
は、前記外部出力に関する自己診断を実行し、前記抽出
される信号の値が前記出力データよりも許容差を越えて
低いとき、前記自己消費用抽出抵抗の両端電位差が出力
データに近い値であれば、前記切替制御部の故障による
スイッチング素子のオン動作又は前記スイッチング素子
の短絡故障が異常原因である旨の指摘を含む出力異常を
前記上位制御装置に通知し、前記自己消費用抽出抵抗の
両端電位差が約零値であれば、前記逆流防止ダイオード
のオープン故障、前記外部伝送ラインの断線故障又は漏
れ電流の増加による電流信号の低下が異常原因である旨
の指摘を含む出力異常を前記上位制御装置に通知し、前
記待機局としては、前記自己消費に関する自己診断を実
行し、前記自己消費用抽出抵抗を介して抽出される信号
の値が約零値であれば、前記切替制御部の故障によるス
イッチング素子のオン動作又は前記スイッチング素子の
オープン故障が異常原因である旨の指摘を含む出力異常
を前記上位制御装置に通知し、前記自己消費用抽出抵抗
の両端電位差が前記出力データの約2倍であれば、前記
逆流防止ダイオードの短絡故障が異常原因である旨の指
摘を含む出力異常を前記上位制御装置に通知する冗長化
アナログ出力装置である。
【0030】また、請求項2に対応する発明は、請求項
1に対応する冗長化アナログ出力装置において、前記待
機局としては、前記自己消費に関する自己診断の結果が
異常を示すとき、ソフトウエア処理により、自局の電流
信号出力部から送出される電流信号を零値とする冗長化
アナログ出力装置である。
【0031】さらに、請求項3に対応する発明は、請求
項1に対応する冗長化アナログ出力装置において、前記
電流信号出力部としては、複数の電流信号を異なる対象
プラントに向けて個別に出力するための複数の出力端子
を有し、前記各出力端子としては、夫々互いに異なる前
記外部出力抽出用抵抗、前記スイッチング素子及び前記
自己消費抽出用抵抗からなる電流ラインに接続され、前
記電流信号出力部から出力される各電流信号を個別に抽
出する構造を備えた冗長化アナログ出力装置である。
【0032】また、請求項4に対応する発明は、請求項
3に対応する冗長化アナログ出力装置において、前記待
機局としては、前記電流信号の出力整定の待ち時間中、
前記外部出力抽出用抵抗を介して信号を抽出し、この抽
出された信号の値が零値を越えて異常を示すとき、ソフ
トウエア処理により、自局の電流信号出力部のうちの該
当する出力端子から送出される電流信号を零値とする冗
長化アナログ出力装置である。
【0033】従って、請求項1,5に対応する発明は以
上のような手段を講じたことにより、常用局が外部出力
抽出用抵抗を介して抽出される信号の値及び自己消費用
抽出抵抗を介して抽出される信号の値に基づいて外部出
力に関する自己診断を実行し、待機局が自己消費用抽出
抵抗を介して抽出される信号の値及び外部出力抽出用抵
抗を介して抽出される信号の値に基づいて自己消費に関
する自己診断を実行するので、対象プラントに出力され
る電流信号の異常をいち早く確実に検出することによ
り、信頼性を向上させることができる。また、常用局及
び待機局は、自己診断の結果、抽出される信号の値と出
力データとの差が許容値を越えるとき、異常原因の指摘
を含む出力異常を上位制御装置に通知することができ
る。
【0034】また、請求項2に対応する発明は、請求項
1に対応する待機局が、自己消費に関する自己診断の結
果が異常を示すとき、ソフトウエア処理により、自局の
電流信号出力部から送出される電流信号を零値とするの
で、請求項1に対応する作用に加え、待機局における異
常によって外部に電流信号が流出する場合であっても、
その流出時間を大幅に短くでき、プラント制御への悪影
響を最小限に止めることができる。
【0035】さらに、請求項3に対応する発明は、請求
項1に対応する電流信号出力部としては、複数の電流信
号を異なる対象プラントに向けて個別に出力するための
複数の出力端子を有し、各出力端子としては、夫々互い
に異なる外部出力抽出用抵抗、スイッチング素子及び自
己消費抽出用抵抗からなる電流ラインに接続されること
により、電流信号出力部から出力される各電流信号を個
別に抽出するので、請求項1に対応する作用に加え、複
数の対象プラントを制御する場合であっても実施するこ
とができる。
【0036】また、請求項4に対応する発明は、請求項
3に対応する待機局が、電流信号の出力整定の待ち時間
中、外部出力抽出用抵抗を介して信号を抽出し、この抽
出された信号の値が零値を越えて異常を示すとき、ソフ
トウエア処理により、自局の電流信号出力部のうちの該
当する出力端子から送出される電流信号を零値とするの
で、請求項3に対応する作用に加え、出力整定の待ち時
間中に電流信号の出力の有無を検出することにより、本
来の診断性能を低下させずに、待機局から対象プラント
への電流信号流出事故をいち早く検出できると共に、検
出した場合に待機局の電流信号を零値に設定するので、
未然にプラント制御への悪影響を阻止することができ
る。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。 (第1の実施の形態)図1は本発明の第1の実施の形態
に係る冗長化アナログ出力装置の構成を示す模式図であ
り、図6と同一部分には同一符号を付してその詳しい説
明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0038】すなわち、本実施の形態装置は、対象プラ
ント14に出力される電流信号に対してその異常の迅速
かつ確実な検出を図るものであり、具体的には図1に示
すように、電流/電圧変換抵抗11A,11B及び差動
アンプ15A,15Bを省略し、マイクロプロセッサ6
A,6Bに代えてマイクロプロセッサ20A,20Bを
有し、また、D/A変換部(信号出力部)9A,9Bと
逆流防止ダイオード12A,12Bとの間に分岐部21
A,21Bを設け、この分岐部21A,21Bと逆流防
止ダイオード12A,12Bとの間に電気的に介在した
第1の電流/電圧変換抵抗22A,22Bと、この第1
の電流/電圧変換抵抗22A,22Bの両端の電位差を
増幅する第1の差動アンプ23A,23Bと、分岐部2
1A,21Bと切替トランジスタ16A,16Bのコレ
クタとの間に電気的に介在した第2の電流/電圧変換抵
抗24A,24Bと、この第2の電流/電圧変換抵抗2
4A,24Bの両端の電位差を増幅する第2の差動アン
プ25A,25Bと、バス5A,5Bを介してマイクロ
プロセッサ20A,20Bに制御され、第1及び第2の
差動アンプ23A,23B,25A,25Bの出力を選
択的にA/D変換部10A,10Bに与えるマルチプレ
クサ26A,26Bとを有してなるアナログ出力ボード
30A,30Bを備えている。
【0039】ここで、マイクロプロセッサ20A,20
Bは、前述した出力データの設定機能及びマスタ側/ス
レーブ側の切替機能に加え、第1の電流/電圧変換抵抗
22A,22B、第1の差動アンプ23A,23B、マ
ルチプレクサ26A,26B及びA/D変換部10A,
10Bを介して抽出される信号の値に基づいて外部出力
に関する自己診断を実行する機能と、第2の電流/電圧
変換抵抗24A,24B、第2の差動アンプ25A,2
5B、マルチプレクサ26A,26B及びA/D変換部
10A,10Bを介して抽出される信号の値に基づいて
自己消費に関する自己診断を実行する機能をもってい
る。
【0040】次に、以上のように構成された冗長化アナ
ログ出力装置の動作を図2のフローチャートを用いて説
明する。いま、図示しない主電源が投入されると(ST
1)、マスタ側及びスレーブ側のアナログ出力ボード3
0A,30Bにおいては、マイクロプロセッサ20A,
20Bがバス5A,5Bを介して不揮発性メモリ(図示
せず)内のスロット情報を読み取り、このスロット情報
に基づいてマスタ側かスレーブ側かを判定する(ST
2)。
【0041】ステップST2の判定が“スレーブ側”を
示すとき、マイクロプロセッサ20Bは、タイマを起動
すると共に(ST3)、タイムアップしたか否かを判定
して(ST4)この判定結果が“タイムアップした”旨
を示すまでステップST5に進むまでの立上り動作時間
を遅らせる。
【0042】一方、ステップST2の判定が“マスタ
側”を示すとき、マイクロプロセッサ20Aは、伝送制
御部4A内の情報を読出して上位コントローラ1から冗
長化切替指令を受けたか否かを判定する(ST5)。
【0043】次に、各マイクロプロセッサ20A,20
Bは、ステップST5の判定の結果、冗長化切替指令を
受けた場合にはオンライン昇格コマンドを切替制御部7
A,7Bに送出し(ST6)、切替制御部はこのオンラ
イン昇格コマンドを受けると、NAND回路へのオンラ
イン出力信号を“H”レベルに設定することにより(S
T7)、前述同様に、切替トランジスタをオフ状態とし
てD/A変換部からの電流出力を可能とし、次のステッ
プST8に進む。
【0044】また、ステップST5の判定結果が冗長化
切替指令を受けない旨を示すとき、マイクロプロセッサ
20A,20Bは、上位コントローラ1から送信された
出力データを伝送制御部4A,4Bから読出して(ST
9)その出力データをD/A変換部9A,9Bに設定す
る(ST9)。D/A変換部9A,9Bはその出力デー
タに比例して電流信号を出力する。この電流信号は、マ
スタ側の場合、第1の電流/電圧変換抵抗22A及び逆
流防止ダイオード12Aを通して出力伝送ライン13に
出力され、スレーブ側の場合、第2の電流/電圧変換抵
抗24B及び切替トランジスタ16Bを通してボード3
0B内で自己消費される。
【0045】ここで、各アナログ出力ボード30A,3
0Bにおいては、この電流信号の出力経路における整定
時間だけ待機した後(ST10)、夫々マイクロプロセ
ッサ20A,20Bが自ボード30A,30Bのオンラ
イン状態か否かを判定し(ST11)、“オンライン状
態”と判定した場合、第1の電流/電圧変換抵抗22A
から電流信号を抽出するために第1の差動アンプ23A
を選択する旨のチャンネル選択信号をマルチプレクサ2
6Aに与え(ST12)、“否”すなわちスタンバイ状
態と判定した場合、第2の電流/電圧変換抵抗24Bか
ら電流信号を抽出するために第2の差動アンプ25Bを
選択する旨のチャンネル選択信号をマルチプレクサ26
Bに与える(ST13)。
【0046】次に、各マイクロプロセッサ20A,20
Bは、電流信号の抽出経路における整定時間だけ待機し
た後(ST14)、A/D変換開始信号をA/D変換部
10A,10Bに送出する。A/D変換部10A,10
BはこのA/D変換開始信号により、A/D変換を開始
し(ST15)、A/D変換終了後、A/D変換結果が
マイクロプロセッサ20A,20Bにより読み出される
(ST16)。
【0047】マイクロプロセッサ20A,20Bは、こ
のA/D変換結果とステップST9にて設定した出力デ
ータとを比較して両者の差が許容値以内であるか否かを
判定し(ST17)、判定結果が許容差内を示す場合、
スレーブ側であれば伝送制御部4Bにアクセスして上位
コントローラ1から冗長化切替指令を受けたか否かを判
定し(ST18)、冗長化切替指令を受けた場合にはス
テップST6に戻り、冗長化切替指令を受けない場合に
はステップST8に戻る。
【0048】一方、ステップST17の判定結果が許容
値を越える旨を示す場合、該当するマイクロプロセッサ
20A,20Bは、出力異常を示す旨を伝送制御部4
A,4Bに設定し、伝送制御部4A,4Bは出力異常を
上位コントローラ1に通知する(ST19)。
【0049】ここで、出力異常の通知は、異常原因の指
摘を含むようにしてもよい。例えば、マスタ側のアナロ
グ出力ボード30Aにおいては、出力データとその抽出
結果とが許容差を越える場合、第1の電流/電圧変換抵
抗22Aの両端電位差のA/D変換結果(以下、第1の
A/D変換結果という)が出力データよりも大幅に低い
とき、第2の電流/電圧変換抵抗24Aの両端電位差の
A/D変換結果(以下、第2のA/D変換結果という)
を求め、この第2のA/D変換結果が出力データに近い
値であれば、出力データが外部出力されずに自己消費さ
れているので、切替制御部7Aの故障による切替トラン
ジスタ16Aのオン動作又は切替トランジスタ16Aの
短絡故障が異常原因であり、第2のA/D変換結果が約
0mAであれば、出力データが外部出力されず且つ自己
消費されてないので、逆流防止ダイオード12Aのオー
プン故障、出力伝送ライン13の断線故障又は漏れ電流
増加による(外部出力)電流信号の低下が異常原因であ
る。
【0050】ところで、スレーブ側のアナログ出力ボー
ド30Bにおいては、第2の電流/電圧変換抵抗24B
の両端電位差のA/D変換結果を求め、この第2のA/
D変換結果が約0mAであれば、出力データが自己消費
されずに外部出力されているので、切替制御部7Bの故
障による切替トランジスタ16Bのオフ動作又は切替ト
ランジスタ16Bのオープン故障が異常原因であり、第
2のA/D変換結果が出力データの約2倍であれば、2
倍の出力データが自己消費されている、すなわち、スレ
ーブ側の出力データの自己消費分に加え、マスタ側から
出力された電流信号が逆流防止ダイオード12Bを通っ
て切替トランジスタ16Bに流入しているので、逆流防
止ダイオード12Bの短絡故障が異常原因である。
【0051】このように本実施の形態の形態装置では異
常原因を特定することができる。次に、上位コントロー
ラ1は、マスタ側のアナログ出力ボード30Aから出力
異常が通知されると、冗長化切替指令をスレーブ側のア
ナログ出力ボード30Bに向けて伝送ライン2に送出す
る。
【0052】また、上位コントローラ1は、スレーブ側
のアナログ出力ボード30Bから出力異常が通知される
と、マスタ側における対象プロセス14の制御を継続さ
せる観点から切替動作をせずに、スレーブ側に出力異常
のある旨を外部出力する。
【0053】上述したように第1の実施の形態によれ
ば、マスタ側のアナログ出力ボード30Aが第1の電流
/電圧変換抵抗22Aを介して抽出される信号の値に基
づいて外部出力に関する自己診断を実行し、スレーブ側
のアナログ出力ボード30Bが第2の電流/電圧変換抵
抗22Bを介して抽出される信号の値に基づいて自己消
費に関する自己診断を実行することにより、従来検出不
可であった2枚に冗長化されたアナログ出力カード30
A,30Bの夫々の故障による対象プロセス14への電
流信号の異常をいち早く確実に検出することができるた
め、著しく信頼性を向上させることができる。
【0054】また、第1の実施の形態によれば、従来と
は異なり、異常原因を特定できるので、異常に対する迅
速な対応を期待することができる。 (第2の実施の形態)次に、本発明の第2の実施の形態
に係る冗長化アナログ出力装置について説明する。
【0055】図3はこの冗長化アナログ出力装置の動作
を説明するためのフローチャートであり、図2と同一部
分には同一符号を付してその詳しい説明は省略し、ここ
では異なる部分についてのみ述べる。
【0056】すなわち、本実施の形態装置は、第1の実
施の形態の変形構成であり、スレーブ側のアナログ出力
ボード30Bが故障したときに安全対策を講じるもので
あり、具体的には、スレーブ側にて出力データと第2の
A/D変換結果との差が許容値を越えた場合で且つ第2
のA/D変換結果が出力データよりも大幅に低いとき、
外部流出中と考えられる電流信号を零値にする観点から
マイクロプロセッサ20BがD/A変換部9Bの出力デ
ータを0mAに設定するように動作する構成となってい
る。
【0057】例えば、スレーブ側にて第2のA/D変換
結果が出力データよりも大幅に低いとき、D/A変換部
9Bの故障の可能性もあるが、実際上、切替トランジス
タ16Bのオープン故障の可能性が高いと判断できる。
この場合、スレーブ側の電流信号が外部に流出する可能
性が極めて高く、対象プラント14に重大な影響を与え
る可能性がある。
【0058】従って、本実施の形態装置では、スレーブ
側にて出力データと第2のA/D変換結果との差が許容
値を越えた場合(ST17)、スレーブ側か否かを判定
し(ST17−2)、スレーブ側であれば、マイクロプ
ロセッサ20Bがソフトウエア処理でD/A変換部9B
の出力データを0mAに設定するので(ST17−
3)、スレーブ側にて切替トランジスタ16Bのオープ
ン故障により、外部の対象プラント14に向けて電流信
号が流出した場合においても、その流出時間を大幅に短
くでき、プラント制御への影響を最小限に食い止めるこ
とができ、もって、安全性を向上させることができる。
【0059】なお、ステップST17−3の終了後、前
述同様に、ステップST19に進む。 (第3の実施の形態)次に、本発明の第3の実施の形態
に係る冗長化アナログ出力装置について説明する。図4
はこの冗長化アナログ出力装置の構成を示す模式図であ
り、図1と同一部分には同一符号を付し、ほぼ同一部分
には“L ”の添字を付してその詳しい説明は省略し、こ
こでは異なる部分についてのみ述べる。
【0060】すなわち、本実施の形態装置は、第1の実
施の形態の変形構成であり、各アナログ出力ボード30
L ,30BL にてn個の対象プラントに向けてn個の
出力チャンネルをもつものであって、具体的には図4に
示すように、D/A変換部9A,9Bの機能を有してn
個の出力回路(出力端子)をもつD/A変換部9AL
9BL と、マルチプレクサの機能を有して2n個の入力
端子をもつマルチプレクサ26AL ,26BL とを備
え、マスタ側のアナログ出力ボード30AL において
は、D/A変換部9AL から並列して個別に出力される
n個の電流信号を夫々個別の第1の電流/電圧変換抵抗
22A及び逆流防止ダイオード12Aを介して各対象プ
ラント14に出力し、スレーブ側のアナログ出力ボード
30BL においては、D/A変換部9BL から並列して
個別に出力されるn個の電流信号を夫々個別の第2の電
流/電圧変換抵抗22B及び切替トランジスタ16Bを
介して自ボード30BL 内で消費する構成となってい
る。
【0061】また、n個の第1の電流/電圧変換抵抗2
2A,22Bは個別に第1の差動アンプ23A,23B
を介してマルチプレクサ26AL ,26BL に接続さ
れ、同様に、n個の第2の電流/電圧変換抵抗24A,
24Bは個別に第2の差動アンプ25A,25Bを介し
てマルチプレクサ26AL ,26BL に接続されてい
る。
【0062】さらに、本実施の形態装置は、図5及び図
6のフローチャートに示す手順で動作する。すなわち、
本実施の形態装置は、n個のチャンネルをもっているた
め、図2のフローチャートにおけるステップST8及び
ステップST9をN回(nチャンネル分)繰り返すよう
に、ステップST実行回数を“0”として初期化するS
T7−2と、ステップST実行回数を1回増加させるS
T7−3と、ステップST実行回数がN回になるまでス
テップST7−3に戻すためのST9−2とが挿入され
ている。
【0063】また、スレーブ側のアナログ出力ボード3
0BL にて、nチャンネル分のA/D変換が約0mAを
示すか否かを確認するように、オンライン状態か否か
(マスタ側か否か)を確認するST9−3と、“否”の
ときにステップST実行回数を“0”に初期化するST
9−4と、ステップST実行回数を1回増加させるST
9−5と、マルチプレクサを切替制御するST9−6
と、A/D変換を開始させるST9−7と、A/D変換
結果を読出すST9−8と、A/D変換結果がほぼ零値
かを確認するST9−9と、ステップST実行回数がN
回になるまでステップST9−5に戻すためのST9−
10とが挿入されている。
【0064】なお、ステップST9−9は、零値でない
ときには出力データを零にするためにステップST17
−3に進む処理である。また、ステップST9−10
は、ステップST実行回数がN回になるときにはステッ
プST10に進む処理である。
【0065】さらに、ステップST11乃至ステップS
T17をN回繰り返すように、ステップST実行回数を
“0”に初期化するST10−2と、ステップST実行
回数を1回増加させるST10−3と、ST17の判定
結果が許容値以内であるときにステップST実行回数が
N回になるまでステップST10−3に戻すためのST
17−Yとが挿入されている。なお、ステップST17
−Yは、ステップST実行回数がN回になるときにはス
テップST18に進む処理である。
【0066】このような冗長化アナログ出力装置は以下
のような動作を実行する。マスタ側のアナログ出力ボー
ド30AL では、図2を用いて1つのチャンネルの処理
として説明した動作を各チャンネルについて順次実行す
る。
【0067】一方、スレーブ側のアナログ出力ボード3
0BL では、同様に、図2又は図3を用いて1つのチャ
ンネルの処理として説明した動作を各チャンネルについ
て順次実行することに加え、待ち時間を利用した自己診
断処理を実行する。
【0068】次に、このスレーブ側における待ち時間中
の自己診断処理について述べる。一般に、D/A変換部
は出力の整定時間が数ミリ秒〜数10ミリ秒である。従
って、第1及び第2の実施の形態装置においても、第1
及び第2の差動アンプ23A,23B,25A,25B
からの入力電圧をA/D変換するまでに、この整定時間
に対応して待ち時間が発生する。
【0069】本実施の形態におけるスレーブ側のアナロ
グ出力ボード30BL は、この待ち時間中に次のような
処理を実行する。すなわち、スレーブ側のアナログ出力
ボード30BL においては、ステップST9−4乃至S
T9−10に示すように、nチャンネル分の出力データ
設定後の出力整定の待ち時間中、D/A変換部9BL
正常な場合には第1の電流/電圧変換抵抗22Bの両端
の電位差がゼロボルトであることを利用し、待ち時間無
しで各チャンネルの第1のA/D変換結果を読み取る。
【0070】このとき、ゼロボルトであるため、出力の
整定時間要素が全く無いことから、高速にA/D変換結
果を得ることができる。また、ステップST9−9に
て、第1のA/D変換結果が約0ボルトを示す場合は正
常と判定する。一方、第1のA/D変換結果が0ボルト
に対して許容値を越えた大きな値を示す場合は、電流信
号が外部出力されたと判定し、ステップST17−3に
進んでマイクロプロセッサ20BL が、該当チャンネル
における出力データを“0”とするようにD/A変換部
9BL の設定を変更する。
【0071】なお、全チャンネルが正常と判定された場
合、ステップST10以降の処理により、第2の電流/
電圧変換抵抗24Bの両端の電位差をA/D変換した第
2のA/D変換結果に基づく本来の自己診断処理を実行
する。
【0072】上述したように第3の実施の形態によれ
ば、スレーブ側のアナログ出力ボード30BL におい
て、出力整定の待ち時間中に電流信号の出力の有無を検
出することにより、本来の診断性能を低下させずに、ス
レーブ側から外部の対象プラント14への電流信号流出
事故をいち早く検出できると共に、検出した場合にスレ
ーブ側の電流信号を“0mA”に設定するので、未然に
プラント制御への影響を阻止することができる。
【0073】また、第3の実施の形態によれば、D/A
変換部9AL ,9BL としては、複数の電流信号を異な
る対象プラント14に向けて個別に出力するための複数
の出力端子を有し、各出力端子としては、夫々互いに異
なる第1の電流/電圧変換抵抗22A,22B、切替ト
ランジスタ16A,16B及び第2の電流/電圧変換抵
抗24A,24Bからなる電流ラインに接続されること
により、D/A変換部9AL ,9BL から出力される各
電流信号を個別に抽出するので、第1の実施の形態の効
果に加え、複数の対象プラントを制御する場合であって
も実施することができる。 (他の実施の形態)なお、上記各第1乃至第3の実施の
形態では、D/A変換部9A,9Bの出力とA/D変換
部10A,10Bの入力との差が許容値を越えると出力
異常を通知する場合を説明したが、これに限らず、許容
値を越える場合に、何回か再チェックする構成として
も、本発明を同様に実施して同様の効果を得ると共に、
自己診断機能の確実性を向上させることができる。
【0074】また、上記第1乃至第3の実施の形態で
は、ステップST18にて冗長化切替指令の有無を確認
する場合を説明したが、これに限らず、冗長化切替指令
を割込処理させることにより、ステップST18を省略
する構成としても、本発明を同様に実施して同様の効果
を得ることができる。
【0075】また、上記第3の実施の形態にて、スレー
ブ側で出力整定の待ち時間中、電流信号の出力の有無を
確認した場合を説明したが、これに限らず、第1又は第
2の実施の形態にて、スレーブ側で出力整定の待ち時間
中、電流信号の出力の有無を確認する構成を付加して
も、本発明を同様に実施して同様の効果を得ることがで
きる。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種
々変形して実施できる。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように請求項1,5の発明
によれば、常用局が外部出力抽出用抵抗を介して抽出さ
れる信号の値及び自己消費用抽出抵抗を介して抽出され
る信号の値に基づいて外部出力に関する自己診断を実行
し、待機局が自己消費用抽出抵抗を介して抽出される信
号の値及び外部出力抽出用抵抗を介して抽出される信号
の値に基づいて自己消費に関する自己診断を実行するの
で、対象プラントに出力される電流信号の異常をいち早
く確実に検出することにより、信頼性を向上できる冗長
化アナログ出力装置を提供できる。また、常用局及び待
機局は、自己診断の結果、抽出される信号の値と出力デ
ータとの差が許容値を越えるとき、異常原因の指摘を含
む出力異常を上位制御装置に通知することができる。
【0077】また、請求項2の発明によれば、請求項1
の待機局が、自己消費に関する自己診断の結果が異常を
示すとき、ソフトウエア処理により、自局の電流信号出
力部から送出される電流信号を零値とするので、請求項
1の効果に加え、待機局における異常によって外部に電
流信号が流出する場合であっても、その流出時間を大幅
に短くでき、プラント制御への悪影響を最小限に止める
ことができる冗長化アナログ出力装置を提供できる。
【0078】さらに、請求項3の発明によれば、請求項
1の電流信号出力部としては、複数の電流信号を異なる
対象プラントに向けて個別に出力するための複数の出力
端子を有し、各出力端子としては、夫々互いに異なる外
部出力抽出用抵抗、スイッチング素子及び自己消費抽出
用抵抗からなる電流ラインに接続されることにより、電
流信号出力部から出力される各電流信号を個別に抽出す
るので、請求項1の効果に加え、複数の対象プラントを
制御する場合であっても実施できる冗長化アナログ出力
装置を提供できる。
【0079】また、請求項4の発明によれば、請求項3
の待機局が、電流信号の出力整定の待ち時間中、外部出
力抽出用抵抗を介して信号を抽出し、この抽出された信
号の値が零値を越えて異常を示すとき、ソフトウエア処
理により、自局の電流信号出力部のうちの該当する出力
端子から送出される電流信号を零値とするので、請求項
3の効果に加え、出力整定の待ち時間中に電流信号の出
力の有無を検出することにより、本来の診断性能を低下
させずに、待機局から対象プラントへの電流信号流出事
故をいち早く検出できると共に、検出した場合に待機局
の電流信号を零値に設定するので、未然にプラント制御
への悪影響を阻止できる冗長化アナログ出力装置を提供
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る冗長化アナロ
グ出力装置の構成を示す模式図。
【図2】同実施の形態における動作を説明するためのフ
ローチャート。
【図3】本発明の第2の実施の形態における動作を説明
するためのフローチャート。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る冗長化アナロ
グ出力装置の構成を示す模式図。
【図5】同実施の形態における動作を説明するためのフ
ローチャート。
【図6】同実施の形態における動作を説明するためのフ
ローチャート。
【図7】従来の冗長化アナログ出力装置の構成を示す模
式図。
【符号の説明】
1…上位コントローラ、 2…伝送ライン、 3A,3B…アナログ出力ボード、 4A,4B…伝送制御部、 5A,5B…バス、 7A,7B…切替制御部、 8A,8B…NAND回路、 9A,9B,9AL ,9BL …D/A変換部、 10A,10B…A/D変換部、 12A,12B…逆流防止ダイオード、 13…出力伝送ライン、 14…対象プラント、 16A,16B…切替トランジスタ、 20A,20B…マイクロプロセッサ、 21A,21B…分岐部、 22A,22B…第1の電流/電圧変換抵抗、 23A,23B…第1の差動アンプ、 24A,24B…第2の電流/電圧変換抵抗、 25A,25B…第2の差動アンプ、 26A,26B,26AL ,26BL …マルチプレク
サ、 30A,30B,30AL ,30BL …アナログ出力ボ
ード。
フロントページの続き (72)発明者 河野 実千代 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東 芝府中工場内 (56)参考文献 特開 平5−199570(JP,A) 特開 昭58−168102(JP,A) 特開 平4−315298(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05B 9/00 - 9/05 G05B 23/00 - 23/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上位制御装置に接続され、前記上位制御
    装置から送信された出力データに比例して、同一の対象
    プラントに向けて選択的に電流信号を外部伝送ラインに
    出力する電流信号出力部を有した常用局及び待機局から
    なる冗長化アナログ出力装置であって、 前記常用局及び待機局は、前記電流信号出力部と前記外
    部伝送ラインとの間に外部出力抽出用抵抗が設けられ、
    且つこの外部出力抽出用抵抗と前記電流信号出力部との
    間から電気的に分岐させてスイッチング素子が接続さ
    れ、このスイッチング素子と直列に自己消費抽出用抵抗
    が設けられた構造を有し、 前記常用局は、前記外部出力抽出用抵抗を介して抽出さ
    れる信号の値に基づいて外部出力に関する自己診断を実
    すると共に、前記自己消費用抽出抵抗を介して抽出さ
    れる信号の値に基づいて自己消費に関する自己診断を実
    行し、前記抽出される信号の値と前記出力データとの差
    が許容値を越えるとき、異常原因の指摘を含む出力異常
    を前記上位制御装置に通知し、 前記待機局は、前記自己消費用抽出抵抗を介して抽出さ
    れる信号の値に基づいて自己消費に関する自己診断を実
    すると共に、前記外部出力抽出用抵抗を介して抽出さ
    れる信号の値に基づいて外部出力に関する自己診断を実
    行し、前記抽出される信号の値と前記出力データとの差
    が許容値を越えるとき、異常原因の指摘を含む出力異常
    を前記上位制御装置に通知することを特徴とする冗長化
    アナログ出力装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の冗長化アナログ出力装
    置において、 前記待機局は、前記自己消費に関する自己診断の結果が
    異常を示すとき、ソフトウエア処理により、自局の電流
    信号出力部から送出される電流信号を零値とすることを
    特徴とする冗長化アナログ出力装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の冗長化アナログ出力装
    置において、 前記電流信号出力部は、複数の電流信号を異なる対象プ
    ラントに向けて個別に出力するための複数の出力端子を
    有し、 前記各出力端子は、夫々互いに異なる前記外部出力抽出
    用抵抗、前記スイッチング素子及び前記自己消費抽出用
    抵抗からなる電流ラインに接続され、 前記電流信号出力部から出力される各電流信号を個別に
    抽出する構造を備えたことを特徴とする冗長化アナログ
    出力装置。
  4. 【請求項4】 請求項に記載の冗長化アナログ出力装
    置において、 前記待機局は、前記電流信号の出力整定の待ち時間中、
    前記外部出力抽出用抵抗を介して信号を抽出し、この抽
    出された信号の値が零値を越えて異常を示すとき、ソフ
    トウエア処理により、自局の電流信号出力部のうちの該
    当する出力端子から送出される電流信号を零値とするこ
    とを特徴とする冗長化アナログ出力装置。
  5. 【請求項5】 上位制御装置に接続され、前記上位制御
    装置から送信された出力データに比例して、同一の対象
    プラントに向けて選択的に電流信号を外部伝送ラインに
    出力する電流信号出力部を有した常用局及び待機局から
    なる冗長化アナログ出力装置であって、 前記常用局及び待機局は、前記電流信号出力部と前記外
    部伝送ラインとの間に外部出力抽出用抵抗及び逆流防止
    ダイオードが設けられ、且つこの外部出力抽出用抵抗と
    前記電流信号出力部との間から電気的に分岐させてスイ
    ッチング素子が接続され、このスイッチング素子と直列
    に自己消費抽出用抵抗が設けられ、前記スイッチング素
    子をNAND回路を介してオンオフ制御する切替制御部
    が設けられた構造を有し、 前記常用局は、前記外部出力抽出用抵抗を介して抽出さ
    れる信号の値に基づいて外部出力に関する自己診断を実
    行し、前記抽出される信号の値が前記出力データよりも
    許容差を越えて低いとき、前記自己消費用抽出抵抗の両
    端電位差が出力データに近い値であれば、前記切替制御
    部の故障によるスイッチング素子のオン動作又は前記ス
    イッチング素子の短絡故障が異常原因である旨の指摘を
    含む出力異常を前記上位制御装置に通知し、前記自己消
    費用抽出抵抗の両端電位差が約零値であれば、前記逆流
    防止ダイオードのオープン故障、前記外部伝送ラインの
    断線故障又は漏れ電流の増加による電流信号の低下が異
    常原因である旨の指摘を含む出力異常を前記上位制御装
    置に通知し、 前記待機局は、前記自己消費用抽出抵抗を介して抽出さ
    れる信号の値に基づいて自己消費に関する自己診断を実
    行し、前記自己消費用抽出抵抗を介して抽出される信号
    の値が約零値であれば、前記切替制御部の故障によるス
    イッチング素子のオン動作又は前記スイッチング素子の
    オープン故障が異常原因である旨の指摘を含む出力異常
    を前記上位制御装置に通知し、前記自己消費用抽出抵抗
    の両端電位差が前記出力データの約2倍であれば、前記
    逆流防止ダイオードの短絡故障が異常原因である旨の指
    摘を含む出力異常を前記上位制御装置に通知することを
    特徴とする冗長化アナログ出力装置。
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