JP3392380B2 - 二重葺き屋根構造 - Google Patents
二重葺き屋根構造Info
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- JP3392380B2 JP3392380B2 JP36765099A JP36765099A JP3392380B2 JP 3392380 B2 JP3392380 B2 JP 3392380B2 JP 36765099 A JP36765099 A JP 36765099A JP 36765099 A JP36765099 A JP 36765099A JP 3392380 B2 JP3392380 B2 JP 3392380B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、谷部、山部が交互
に連続する内側屋根上に外側屋根を敷設する二重葺き屋
根構造に関し、詳しくは平坦状の屋根面は勿論、ドーム
状、円錐形等の屋根面にも一定幅の内側外装材及びカバ
ー部材にて適用することができる二重葺き屋根構造に関
する。
に連続する内側屋根上に外側屋根を敷設する二重葺き屋
根構造に関し、詳しくは平坦状の屋根面は勿論、ドーム
状、円錐形等の屋根面にも一定幅の内側外装材及びカバ
ー部材にて適用することができる二重葺き屋根構造に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年建築物は、外観意匠の多様化によ
り、ドーム状や円錐形等の屋根、或いは部分的にドーム
状、円錐形等の屋根面を有する屋根が増加している。一
方、屋根の雨仕様性能の向上等のために、屋根を内側屋
根部、外側屋根部の2層で構築する二重葺きの屋根構造
が種々提案され、本出願人も特公平8−16378号公
報に記載される二重葺き屋根構造を提案している。この
先願は、内側屋根を構成する排水板をテーパ状に成形す
ることにより、前記ドーム状等の屋根に対応させる構成
である。
り、ドーム状や円錐形等の屋根、或いは部分的にドーム
状、円錐形等の屋根面を有する屋根が増加している。一
方、屋根の雨仕様性能の向上等のために、屋根を内側屋
根部、外側屋根部の2層で構築する二重葺きの屋根構造
が種々提案され、本出願人も特公平8−16378号公
報に記載される二重葺き屋根構造を提案している。この
先願は、内側屋根を構成する排水板をテーパ状に成形す
ることにより、前記ドーム状等の屋根に対応させる構成
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記先
願のように排水板をテーパ状に成形する方法では、従来
から知られているテーパ状の外装材(屋根板)の成形と
同様に以下のような問題があった。即ちテーパ状外装材
を成形するための成形機は種々提案されているが、その
大多数は左右の片方のみの側縁しか成形できず、しかも
成形用素材の進行方向に沿う側縁しか成形できないの
で、予めテーパ状に裁断された素材の一方の側縁を成形
し、完全に素材が成形機を通過した後で、他方の側縁が
進行方向と平行となるように別の成形機に臨ませて成形
する、という面倒な手順を採らねばならない。要する
に、他方の側縁が進行方向と平行となるように臨ませる
という作業と、その作業を行うためのスペース(素材の
進行方向の長さ)が必要である。このため、2つの成形
機を対向状に配置したとしても、通常の一定幅の屋根板
の成形のように両側縁を同時に加工するロール成形に対
して、倍の手間と倍に近い成形スペースが必要になると
いう問題があった。また、2つの成形機を縦列状に配置
する場合には素材の進行方向の長さを隔てて設置する必
要があるので、通常の一定幅の屋根板の成形に対して完
全に倍以上の成形スペースが必要となる。さらに、屋根
形状に応じたテーパ寸法に成形する必要があり、微小な
成形誤差等があると、屋根面に配設する保持部材等に取
付誤差が生じた場合と同様に、嵌合不良等が生じる場合
があった。
願のように排水板をテーパ状に成形する方法では、従来
から知られているテーパ状の外装材(屋根板)の成形と
同様に以下のような問題があった。即ちテーパ状外装材
を成形するための成形機は種々提案されているが、その
大多数は左右の片方のみの側縁しか成形できず、しかも
成形用素材の進行方向に沿う側縁しか成形できないの
で、予めテーパ状に裁断された素材の一方の側縁を成形
し、完全に素材が成形機を通過した後で、他方の側縁が
進行方向と平行となるように別の成形機に臨ませて成形
する、という面倒な手順を採らねばならない。要する
に、他方の側縁が進行方向と平行となるように臨ませる
という作業と、その作業を行うためのスペース(素材の
進行方向の長さ)が必要である。このため、2つの成形
機を対向状に配置したとしても、通常の一定幅の屋根板
の成形のように両側縁を同時に加工するロール成形に対
して、倍の手間と倍に近い成形スペースが必要になると
いう問題があった。また、2つの成形機を縦列状に配置
する場合には素材の進行方向の長さを隔てて設置する必
要があるので、通常の一定幅の屋根板の成形に対して完
全に倍以上の成形スペースが必要となる。さらに、屋根
形状に応じたテーパ寸法に成形する必要があり、微小な
成形誤差等があると、屋根面に配設する保持部材等に取
付誤差が生じた場合と同様に、嵌合不良等が生じる場合
があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記に鑑み提案
されたもので、谷部、山部が交互に連続する内側屋根上
に外側屋根を敷設する二重葺き屋根構造において、前記
内側屋根は、少なくとも1つの谷部と該谷部の両端を立
ち上げた側縁部とを備える内側外装材と、隣接する内側
外装材の側縁部間を覆う被覆部とその両端の側面部と前
記被覆部に設けた幅方向に変位可能な調整部とを備える
カバー部材とからなり、前記内側屋根の山部上に外側屋
根を敷設したことを特徴とする二重葺き屋根構造に関す
るものである。
されたもので、谷部、山部が交互に連続する内側屋根上
に外側屋根を敷設する二重葺き屋根構造において、前記
内側屋根は、少なくとも1つの谷部と該谷部の両端を立
ち上げた側縁部とを備える内側外装材と、隣接する内側
外装材の側縁部間を覆う被覆部とその両端の側面部と前
記被覆部に設けた幅方向に変位可能な調整部とを備える
カバー部材とからなり、前記内側屋根の山部上に外側屋
根を敷設したことを特徴とする二重葺き屋根構造に関す
るものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の二重葺き屋根構造の内側
屋根に用いる内側外装材1は、少なくとも1つ以上の谷
部(面板部)11と谷部11の両端を立ち上げた側縁部
12とを備える瓦棒、折板等の一定幅の平行材であり、
流れ方向にカバー部材2を用いる葺き型式であれば良
く、特にその他の構成については限定するものではな
い。例えばこの内側外装材1は、躯体等の屋根下地4に
固定されたタイトフレーム等の保持部材3に嵌合、係
合、挟着、ビス等の固着具による直止め等の公知の固定
手段で固定すれば良く、固定手段は二種以上を併用して
も良い。或いは躯体等の屋根下地4にビス等による直止
め等の公知の手段によって固定するようにしても良い。
屋根に用いる内側外装材1は、少なくとも1つ以上の谷
部(面板部)11と谷部11の両端を立ち上げた側縁部
12とを備える瓦棒、折板等の一定幅の平行材であり、
流れ方向にカバー部材2を用いる葺き型式であれば良
く、特にその他の構成については限定するものではな
い。例えばこの内側外装材1は、躯体等の屋根下地4に
固定されたタイトフレーム等の保持部材3に嵌合、係
合、挟着、ビス等の固着具による直止め等の公知の固定
手段で固定すれば良く、固定手段は二種以上を併用して
も良い。或いは躯体等の屋根下地4にビス等による直止
め等の公知の手段によって固定するようにしても良い。
【0006】本発明の二重葺き屋根構造の内側屋根に用
いるカバー部材2は、隣接する内側外装材1,1の側縁
部12,12間を覆う被覆部22とその両端の側面部2
1と前記被覆部22に設けた幅方向に変位可能な調整部
23とを備える一定幅の平行材であり、内側屋根として
の雨仕舞性能を備えているものであれば、特にその他の
構成については限定するものではない。例えばこのカバ
ー部材2は、内側外装材1或いは保持部材3に対して嵌
合、係合、防水シール等を用いたビス止め等の公知の取
付手段によって取り付ければ良く、取付手段は二種以上
を併用しても良い。さらに取付箇所は、側面部21のみ
に限定されるものではなく、例えば調整部23に段部等
を形成し、内側外装材1或いは保持部材3に対して公知
の取付手段により取り付けるようにしても良い。また、
被覆部22は、外側屋根を構成する部材(外側外装材5
や取付部材6)が取付可能であれば特にその形状を限定
するものではなく、例えば略平坦状、傾斜状、円弧状等
の公知の形状からなる。この被覆部22に形成する調整
部23は、幅方向に有効幅が変位(調整)可能であれば
特にその形状を限定するものではなく、例えば外側屋根
を構成する部材(外側外装材5や取付部材6)が取付可
能であれば凸状であっても良いし、或いは上方が開口す
る溝部であっても良い。具体的には例えば概略V字状、
U字状、W字状、円弧状、台形状等からなる。特にこの
調整部23を溝部とし、外側屋根を構成する外側外装材
5に下向き側縁部51を設けてこの溝部内或いは溝部上
に位置させた場合には外側屋根表面からの水の侵入に対
して排水路となり、別途排水部材を用いることなく排水
を行うことができ、部材の兼用化を図ることができる。
いるカバー部材2は、隣接する内側外装材1,1の側縁
部12,12間を覆う被覆部22とその両端の側面部2
1と前記被覆部22に設けた幅方向に変位可能な調整部
23とを備える一定幅の平行材であり、内側屋根として
の雨仕舞性能を備えているものであれば、特にその他の
構成については限定するものではない。例えばこのカバ
ー部材2は、内側外装材1或いは保持部材3に対して嵌
合、係合、防水シール等を用いたビス止め等の公知の取
付手段によって取り付ければ良く、取付手段は二種以上
を併用しても良い。さらに取付箇所は、側面部21のみ
に限定されるものではなく、例えば調整部23に段部等
を形成し、内側外装材1或いは保持部材3に対して公知
の取付手段により取り付けるようにしても良い。また、
被覆部22は、外側屋根を構成する部材(外側外装材5
や取付部材6)が取付可能であれば特にその形状を限定
するものではなく、例えば略平坦状、傾斜状、円弧状等
の公知の形状からなる。この被覆部22に形成する調整
部23は、幅方向に有効幅が変位(調整)可能であれば
特にその形状を限定するものではなく、例えば外側屋根
を構成する部材(外側外装材5や取付部材6)が取付可
能であれば凸状であっても良いし、或いは上方が開口す
る溝部であっても良い。具体的には例えば概略V字状、
U字状、W字状、円弧状、台形状等からなる。特にこの
調整部23を溝部とし、外側屋根を構成する外側外装材
5に下向き側縁部51を設けてこの溝部内或いは溝部上
に位置させた場合には外側屋根表面からの水の侵入に対
して排水路となり、別途排水部材を用いることなく排水
を行うことができ、部材の兼用化を図ることができる。
【0007】さらにこのカバー部材2の調整部23は、
幅方向に対して拡開(広がる)状に変位するものであっ
ても、縮閉(狭まる)状に変位するものであっても良
く、その変位方向は、使用状態、取付方法によって異な
る。例えば内側外装材1や保持部材3等に対して外方か
ら被保持部24等を被せる態様では配設後に内向きに弾
性力が働くように配設時には弾性に抗して拡開状に変位
させて配設することが望ましく、隣接する内側外装材
1,1の側縁部12,12間の目地部に対して嵌入(押
し込む)する態様では配設後に外向きに弾性力が働くよ
うに配設時には弾性に抗して縮閉状に変位させて配設す
ることが望ましい。また、特に拡開の幅が広い場合、外
れ防止のためにビス止め若しくはビス止めと併用した方
がよい。
幅方向に対して拡開(広がる)状に変位するものであっ
ても、縮閉(狭まる)状に変位するものであっても良
く、その変位方向は、使用状態、取付方法によって異な
る。例えば内側外装材1や保持部材3等に対して外方か
ら被保持部24等を被せる態様では配設後に内向きに弾
性力が働くように配設時には弾性に抗して拡開状に変位
させて配設することが望ましく、隣接する内側外装材
1,1の側縁部12,12間の目地部に対して嵌入(押
し込む)する態様では配設後に外向きに弾性力が働くよ
うに配設時には弾性に抗して縮閉状に変位させて配設す
ることが望ましい。また、特に拡開の幅が広い場合、外
れ防止のためにビス止め若しくはビス止めと併用した方
がよい。
【0008】これら内側外装材1及びカバー部材2は、
素材を特に限定するものではないが、代表的には概ね
0.4〜1.6mm程度の表面化粧鋼板、ラミネート鋼
板、メッキ鋼板、ステンレス鋼板、アルミ合金板、チタ
ン合金板、銅板等の公知の金属素材をロール成形その他
の手段で所定の形状に成形する。特に内側外装材1とし
ては、(カバー部材2を用いる場合は)面としての正負
圧強度等を確保するために約0.8〜1.6mm程度の
比較的厚い板厚が好ましい。これに対し、カバー部材2
は、調整部23における幅方向への変位が容易となる約
0.4〜0.6mm程度の比較的薄い板厚が好ましい。
さらに、内側外装材1及びカバー部材2の裏面には、結
露防止、防音、防火対策上の理由により、必要に応じて
ポリエチレンフォーム、グラスウールシート等の裏貼り
材を添装しても良い。
素材を特に限定するものではないが、代表的には概ね
0.4〜1.6mm程度の表面化粧鋼板、ラミネート鋼
板、メッキ鋼板、ステンレス鋼板、アルミ合金板、チタ
ン合金板、銅板等の公知の金属素材をロール成形その他
の手段で所定の形状に成形する。特に内側外装材1とし
ては、(カバー部材2を用いる場合は)面としての正負
圧強度等を確保するために約0.8〜1.6mm程度の
比較的厚い板厚が好ましい。これに対し、カバー部材2
は、調整部23における幅方向への変位が容易となる約
0.4〜0.6mm程度の比較的薄い板厚が好ましい。
さらに、内側外装材1及びカバー部材2の裏面には、結
露防止、防音、防火対策上の理由により、必要に応じて
ポリエチレンフォーム、グラスウールシート等の裏貼り
材を添装しても良い。
【0009】また、本発明の二重葺き屋根構造の外側屋
根は、後述する図示実施例のような屋根面が略平坦状に
形成される縦葺き外装材である外側外装材5を用いたも
のに限定するものではなく、その他の構成の縦葺き外装
材、或いは横葺き外装材、ルーフタイル、瓦等の公知の
外装材として用いられるものであればよい。また、この
外側外装材5は、内側外装材1やタイトフレーム等の保
持部材3などに直接或いは間接的に嵌合、係合、ビス等
の固着具による直止め等の公知の取付手段で取り付けし
ても良いし、内側屋根上に取付部材6を配し、この取付
部材6に嵌合、係合、挟着、ビス止め等の公知の取付手
段で取り付けしても良く、取付手段は二種以上を併用し
ても良い。或いはこの取付部材6に垂木、横桟等の支持
部材を配して外側外装材5を敷設するようにしても良
い。この外側外装材5は、素材を特に限定するものでは
なく、前記内側外装材1やカバー部材2と同様の素材を
用いても良いし、より強度の高い素材にて所定形状に成
型しても良い。さらに、外側外装材5の裏面には、断
熱、面板部の補強等の目的で、従前のこの種の外装構造
と同様に木毛セメント板、発泡ポリウレタン等の合成樹
脂製の下地材(バックアップ材)50や、金属等からな
る補強部材(フラットバー、ハット型等の支持部材)6
0を配しても良い。また、上記下地材50は、端部が内
側屋根の山部間に跨る(支持)板状のものでも、内側屋
根上に沿う形状からなるものでもよい。
根は、後述する図示実施例のような屋根面が略平坦状に
形成される縦葺き外装材である外側外装材5を用いたも
のに限定するものではなく、その他の構成の縦葺き外装
材、或いは横葺き外装材、ルーフタイル、瓦等の公知の
外装材として用いられるものであればよい。また、この
外側外装材5は、内側外装材1やタイトフレーム等の保
持部材3などに直接或いは間接的に嵌合、係合、ビス等
の固着具による直止め等の公知の取付手段で取り付けし
ても良いし、内側屋根上に取付部材6を配し、この取付
部材6に嵌合、係合、挟着、ビス止め等の公知の取付手
段で取り付けしても良く、取付手段は二種以上を併用し
ても良い。或いはこの取付部材6に垂木、横桟等の支持
部材を配して外側外装材5を敷設するようにしても良
い。この外側外装材5は、素材を特に限定するものでは
なく、前記内側外装材1やカバー部材2と同様の素材を
用いても良いし、より強度の高い素材にて所定形状に成
型しても良い。さらに、外側外装材5の裏面には、断
熱、面板部の補強等の目的で、従前のこの種の外装構造
と同様に木毛セメント板、発泡ポリウレタン等の合成樹
脂製の下地材(バックアップ材)50や、金属等からな
る補強部材(フラットバー、ハット型等の支持部材)6
0を配しても良い。また、上記下地材50は、端部が内
側屋根の山部間に跨る(支持)板状のものでも、内側屋
根上に沿う形状からなるものでもよい。
【0010】尚、外側外装材5として、略平坦状の平行
面材からなる外装材を用いる場合、隣接する外側外装材
5の側縁を離間状態(カバー無し)として「(上面視テ
ーパ状の)深目地」としても良いし、別途平行材からな
る外側カバー材7を配しても良い。尤もこの場合、テー
パ状の目地部分に平行材の外側カバー材7を配するた
め、隙間が形成されてしまう。或いは前記カバー部材2
の調整部23と同様に幅方向に変位可能な調整部72を
有する外側カバー材7を配しても良い。この場合にはテ
ーパ状の目地部分に対し、テーパ状に変形させた外側カ
バー材7を配するため、隙間が形成されないものとな
る。尚、このような外側カバー材7を用いる場合、外側
屋根面が略平坦状となるような外側カバー材7を用いる
ことが多いが、特にこれに限定されるものではなく、突
出状となる外側カバー材を用いても良い。
面材からなる外装材を用いる場合、隣接する外側外装材
5の側縁を離間状態(カバー無し)として「(上面視テ
ーパ状の)深目地」としても良いし、別途平行材からな
る外側カバー材7を配しても良い。尤もこの場合、テー
パ状の目地部分に平行材の外側カバー材7を配するた
め、隙間が形成されてしまう。或いは前記カバー部材2
の調整部23と同様に幅方向に変位可能な調整部72を
有する外側カバー材7を配しても良い。この場合にはテ
ーパ状の目地部分に対し、テーパ状に変形させた外側カ
バー材7を配するため、隙間が形成されないものとな
る。尚、このような外側カバー材7を用いる場合、外側
屋根面が略平坦状となるような外側カバー材7を用いる
ことが多いが、特にこれに限定されるものではなく、突
出状となる外側カバー材を用いても良い。
【0011】図1の二重葺き屋根構造に用いられた内側
外装材1は、図2に示すように略平坦状の谷部(面板
部)11の両側縁に、断面略く字状の嵌合部121を有
する傾斜状の上向き側縁部12,12を備え、嵌合部1
21の上端には傾斜部分122、略水平な載置部分12
3を形成してなる折板屋根板であり、その施工(接続)
状態において隣り合う上向き側縁部12,12で山部が
形成される構成である。そして、この内側外装材1は、
カバー部材2と同様に軒棟方向に連続する同一断面を有
する部材である。尚、図示しないが、嵌合部121とし
ては、上向き側縁部12の傾斜と略直交する角度で、外
側に狭窄部分を有して膨出する構成を採用してもよい。
外装材1は、図2に示すように略平坦状の谷部(面板
部)11の両側縁に、断面略く字状の嵌合部121を有
する傾斜状の上向き側縁部12,12を備え、嵌合部1
21の上端には傾斜部分122、略水平な載置部分12
3を形成してなる折板屋根板であり、その施工(接続)
状態において隣り合う上向き側縁部12,12で山部が
形成される構成である。そして、この内側外装材1は、
カバー部材2と同様に軒棟方向に連続する同一断面を有
する部材である。尚、図示しないが、嵌合部121とし
ては、上向き側縁部12の傾斜と略直交する角度で、外
側に狭窄部分を有して膨出する構成を採用してもよい。
【0012】図1の二重葺き屋根構造に用いられたカバ
ー部材2は、図2に示すように略平坦状の被覆部22の
略中央に、左右の側壁231と略平坦状の底部232と
からなる略U字状の形状構成を有する溝部状の調整部2
3が形成されている。また、被覆部22の左右側縁に
は、下方に向って幅広となるように傾斜する側面部2
1,21を形成し、該側面部21の下端には、側面部2
1の内側に折返し状に屈曲する被保持部24を形成した
構成であり、この被保持部24は内側外装材1の嵌合部
121の裏面に弾性的に嵌合保持される。尚、調整部
(溝部)23の底部232は、側面部21の下端よりも
下方に位置し、即ち調整部(溝部)23の深さは側面部
21の長さよりも深い構成である。
ー部材2は、図2に示すように略平坦状の被覆部22の
略中央に、左右の側壁231と略平坦状の底部232と
からなる略U字状の形状構成を有する溝部状の調整部2
3が形成されている。また、被覆部22の左右側縁に
は、下方に向って幅広となるように傾斜する側面部2
1,21を形成し、該側面部21の下端には、側面部2
1の内側に折返し状に屈曲する被保持部24を形成した
構成であり、この被保持部24は内側外装材1の嵌合部
121の裏面に弾性的に嵌合保持される。尚、調整部
(溝部)23の底部232は、側面部21の下端よりも
下方に位置し、即ち調整部(溝部)23の深さは側面部
21の長さよりも深い構成である。
【0013】図1の二重葺き屋根構造にて前記内側外装
材1を受支する保持部材3は、図2に示すように従来公
知の吊子やタイトフレームと称される部材であるが、中
央が分割された左右で一対をなす複数部材からなる。こ
の保持部材3は、内側外装材1の大きさ、所要強度によ
り通常0.6乃至3.2mm程度のステンレス鋼板やメ
ッキ鋼板等をプレス加工する等して成型されるが、アル
ミニウム押出形材を用いることもある。図示実施例の保
持部材3は、比較的厚肉の短幅材を折曲して成形される
下部フレーム材3Aと、上部フレーム材3Bとを一体状
に組合せ、さらに左右で一対をなす構成である。下部フ
レーム材3Aは、上面部32の左右に垂直脚部33及び
傾斜脚部34を形成し、その下端に屋根下地4に固定す
るための固定部35を形成してなる。このフレーム材3
Aの上面部32に適宜固着手段で固定される上部フレー
ム材3Bは、外側下方に凹状の被嵌合部37を有し、外
側上方に前記内側外装材1の傾斜部分122を支持する
第一受部分38を有し、さらに上縁が前記内側外装材1
の載置部分123の裏面を支持する第二受部分39であ
る。この保持部材3の被嵌合部37は、前記内側外装材
1の嵌合部121と弾性的に嵌合するが、この嵌合部1
21を介して前記カバー部材2の被保持部24とも弾性
的に嵌合している(即ちこの場合、嵌合部121はカバ
ー部材保持部126を兼ね、被嵌合部37も間接的にカ
バー部材保持部を兼ねている。)。また、図示しない
が、カバー部材2の調整部23の侵入を阻害しない位
置、例えば下端等に左右の保持部材3を一体に連結する
と共に配設間隔を規制する補強兼間隔規制部材を設ける
ようにしても良い。尚、従来公知の単体で山部を保持す
る構成でも良いが、その場合、略中央部にカバー部材2
の調整部23が収納可能な凹部を設ける必要がある。
材1を受支する保持部材3は、図2に示すように従来公
知の吊子やタイトフレームと称される部材であるが、中
央が分割された左右で一対をなす複数部材からなる。こ
の保持部材3は、内側外装材1の大きさ、所要強度によ
り通常0.6乃至3.2mm程度のステンレス鋼板やメ
ッキ鋼板等をプレス加工する等して成型されるが、アル
ミニウム押出形材を用いることもある。図示実施例の保
持部材3は、比較的厚肉の短幅材を折曲して成形される
下部フレーム材3Aと、上部フレーム材3Bとを一体状
に組合せ、さらに左右で一対をなす構成である。下部フ
レーム材3Aは、上面部32の左右に垂直脚部33及び
傾斜脚部34を形成し、その下端に屋根下地4に固定す
るための固定部35を形成してなる。このフレーム材3
Aの上面部32に適宜固着手段で固定される上部フレー
ム材3Bは、外側下方に凹状の被嵌合部37を有し、外
側上方に前記内側外装材1の傾斜部分122を支持する
第一受部分38を有し、さらに上縁が前記内側外装材1
の載置部分123の裏面を支持する第二受部分39であ
る。この保持部材3の被嵌合部37は、前記内側外装材
1の嵌合部121と弾性的に嵌合するが、この嵌合部1
21を介して前記カバー部材2の被保持部24とも弾性
的に嵌合している(即ちこの場合、嵌合部121はカバ
ー部材保持部126を兼ね、被嵌合部37も間接的にカ
バー部材保持部を兼ねている。)。また、図示しない
が、カバー部材2の調整部23の侵入を阻害しない位
置、例えば下端等に左右の保持部材3を一体に連結する
と共に配設間隔を規制する補強兼間隔規制部材を設ける
ようにしても良い。尚、従来公知の単体で山部を保持す
る構成でも良いが、その場合、略中央部にカバー部材2
の調整部23が収納可能な凹部を設ける必要がある。
【0014】前記保持部材3を固定する屋根下地4は、
梁や母屋、胴縁等の鉄骨躯体が一般的であるが、これに
限定されるものではない。例えば木毛セメント板、木片
セメント板、軽量気泡コンクリート板等の下地材を前記
鉄骨躯体上に敷設する構成でも良いし、コンクリート造
の躯体上に鉄骨や木材の小屋組をする構成もあるし、下
地調整されたコンクリート面に直接保持部材3を取り付
けても良い。したがって、本発明における施工対象とな
る屋根下地4は、釘、ビス、アンカー、溶接、接着剤等
の固着手段によって前記保持部材3が取付可能な全ての
建築躯体をいい、前記躯体上に建築の所望性能上要求さ
れるボード等を介在させた全ての下地を含むものであ
る。
梁や母屋、胴縁等の鉄骨躯体が一般的であるが、これに
限定されるものではない。例えば木毛セメント板、木片
セメント板、軽量気泡コンクリート板等の下地材を前記
鉄骨躯体上に敷設する構成でも良いし、コンクリート造
の躯体上に鉄骨や木材の小屋組をする構成もあるし、下
地調整されたコンクリート面に直接保持部材3を取り付
けても良い。したがって、本発明における施工対象とな
る屋根下地4は、釘、ビス、アンカー、溶接、接着剤等
の固着手段によって前記保持部材3が取付可能な全ての
建築躯体をいい、前記躯体上に建築の所望性能上要求さ
れるボード等を介在させた全ての下地を含むものであ
る。
【0015】図1の二重葺き屋根構造にて内側屋根の山
部上に配される取付部材6は、嵌合、ビス止め、ボルト
締め等によって一体に取り付けられ、外側屋根を構成す
る外側外装材5を嵌合、係合、挟着、ビス止め等の公知
の方法によって保持するものである。この取付部材6
は、素材を特に限定するものではなく、例えば前記保持
部材3(3A、3B)と同様の素材を用いても良く、よ
り軽量の素材にて所定形状に成型しても良い。また、図
示実施例のように左右が別体に構成されていても良い
し、幅方向の広さが変位する内側屋根に対して取り付け
られるものであれば単一部材であっても、上下が別体に
構成されていても良い。図示実施例の左右別体の取付部
材6(6A)は、カバー部材2の被覆部22に密接状に
載置される横片64と、該横片64の内側に一段低く設
けられ、外側外装材5の側縁部51の先端511とビス
止めされる固着部65と、外側外装材5の面板部52の
裏面を支承する支承部66とからなり、固着部65から
カバー部材2の被覆部22、内側外装材1の載置部分1
23、保持部材3の第二受部分39にビスを打ち込んで
一体に取り付けられ、内側屋根と外側屋根とを連結して
いる。
部上に配される取付部材6は、嵌合、ビス止め、ボルト
締め等によって一体に取り付けられ、外側屋根を構成す
る外側外装材5を嵌合、係合、挟着、ビス止め等の公知
の方法によって保持するものである。この取付部材6
は、素材を特に限定するものではなく、例えば前記保持
部材3(3A、3B)と同様の素材を用いても良く、よ
り軽量の素材にて所定形状に成型しても良い。また、図
示実施例のように左右が別体に構成されていても良い
し、幅方向の広さが変位する内側屋根に対して取り付け
られるものであれば単一部材であっても、上下が別体に
構成されていても良い。図示実施例の左右別体の取付部
材6(6A)は、カバー部材2の被覆部22に密接状に
載置される横片64と、該横片64の内側に一段低く設
けられ、外側外装材5の側縁部51の先端511とビス
止めされる固着部65と、外側外装材5の面板部52の
裏面を支承する支承部66とからなり、固着部65から
カバー部材2の被覆部22、内側外装材1の載置部分1
23、保持部材3の第二受部分39にビスを打ち込んで
一体に取り付けられ、内側屋根と外側屋根とを連結して
いる。
【0016】図1の二重葺き屋根構造に用いられた外側
外装材5は、図2に示すように裏面に下地材50が配さ
れた略平坦状の面板部52の両側縁に、略鉛直状に垂下
する下向きの側縁部51,51を備え、この側縁部51
の先端511を外方側へ略水平状に折曲した折板屋根板
であり、その施工(接続)状態において略平坦状に形成
される構成である。
外装材5は、図2に示すように裏面に下地材50が配さ
れた略平坦状の面板部52の両側縁に、略鉛直状に垂下
する下向きの側縁部51,51を備え、この側縁部51
の先端511を外方側へ略水平状に折曲した折板屋根板
であり、その施工(接続)状態において略平坦状に形成
される構成である。
【0017】前記各部材を用いて図1の二重葺き屋根構
造を施工するには、概ね以下の手順で行われる。 (内側屋根の施工)まず、梁や母屋、胴縁等の鉄骨下地
である屋根下地4上に、前記保持部材3の下部フレーム
材3Aを軒棟方向に適宜間隔で取り付けるのであるが、
ここではドーム、円錐等の屋根形状を有する屋根面を対
象としているため、左右一対の配設間隔(左右方向の間
隔)が棟側では狭く、軒側では広く、即ち棟から軒に向
かって次第に拡開するように略テーパ状に取り付ける。
この保持部材3の屋根面に対する配設間隔は、コンピュ
ータ解析により容易に設定される。続いて内側外装材1
を取り付ける。内側外装材1は、前述のように嵌合部1
21を保持部材の被嵌合部37に弾性嵌合させると共
に、傾斜部分122を第一受部分38に、載置部分12
3を第二受部分39に支持させる。この状態では、隣接
する内側外装材1,1の側縁部12,12間は、保持部
材3の配設間隔と同様に棟から軒に向かって次第に拡開
する略テーパ状である。その後、カバー部材2を取り付
ける。カバー部材2の調整部23は、前述のように幅方
向の有効幅が調整可能であって略テーパ状に変形可能で
あるから、略テーパ状に離間する内側外装材1,1の側
縁部12,12に対し、軒棟方向に亘って同様に内側外
装材1の嵌合部121の裏面に被保持部24を弾性嵌合
させて弾性的に保持させることができる。取り付けられ
たカバー部材2の変形状況は、図3に示すとおりであ
り、図3(a)は図1(a)の、図3(b)は図1
(b)の拡大断面図である。図3(a),(b)の各上
段に示されるように上方からカバー部材2を下方へ押圧
すると、カバー部材2の左右の側面部21の下端がそれ
ぞれ外装材1の傾斜部分122や載置部分123に当接
しながら下降し、幅方向の外方への応力が作用される。
その際、保持部材3の配設間隔は棟から軒に向かって次
第に拡開する略テーパ状に配設されているので、棟側の
図3(a)よりも軒側の図3(b)の方が広く、カバー
部材2を下方へ押圧するために要する力(図面では白抜
き矢印で示した)も、カバー部材2の幅方向の外方への
応力(図面では斜線矢印で示した)も強いものであり、
幅方向の変形量も大きくなる。図示実施例のカバー部材
2では、この応力に対する変形としては、主に被覆部
22に対する側面部21の拡開(傾斜)、被覆部22
及び底部232に対する側壁231の拡開(傾斜)の2
通りの弾性変形が考えられる。側壁231と側面部21
とは同程度の長さであるが、側壁231の拡開(傾斜)
は上端及び下端における角度変形に分担されるので、側
壁231の方が拡開(傾斜)し易く、の変形よりも
の変形が優先的に成される。即ち調整部23の幅方向の
変形が優先的に成され、側面部21の変形を抑制して嵌
合不良を防止することができる。例えば調整部23の側
壁231の方が側面部21よりも明らかに長い場合に
は、側壁231の方が側面部21よりもより少ない角度
変形で大きな幅方向の変位をもたらすことができ、より
確実に溝部23内で変形させることができる。このよう
に図示実施例では、単にカバー部材2を上方から押圧す
るだけで自動的に調整部23が幅方向に変位して内側外
装材1及び保持部材3への弾性的保持が成されるのであ
って、通常の平坦状の屋根面に対する弾性嵌合式外装構
造の敷設施工と同様に作業することができ、極めて施工
性が優れている。尚、カバー部材2の配設に先立って、
調整部23を棟から軒に向かって次第に拡開する略テー
パ状に予め適当に(所定幅より少な目に)変形させてお
いても良いが、当初(成形時)は調整部を棟から軒に亘
って最棟側の保持部材3の配設間隔に応じた一定形状に
しておき、前述のように配設に際して軒側を弾性的に拡
開する方が、配設後に内向きの弾性力(図面では黒塗り
矢印で示した)が働くため、被保持部24の嵌合保持力
が大きくなる。
造を施工するには、概ね以下の手順で行われる。 (内側屋根の施工)まず、梁や母屋、胴縁等の鉄骨下地
である屋根下地4上に、前記保持部材3の下部フレーム
材3Aを軒棟方向に適宜間隔で取り付けるのであるが、
ここではドーム、円錐等の屋根形状を有する屋根面を対
象としているため、左右一対の配設間隔(左右方向の間
隔)が棟側では狭く、軒側では広く、即ち棟から軒に向
かって次第に拡開するように略テーパ状に取り付ける。
この保持部材3の屋根面に対する配設間隔は、コンピュ
ータ解析により容易に設定される。続いて内側外装材1
を取り付ける。内側外装材1は、前述のように嵌合部1
21を保持部材の被嵌合部37に弾性嵌合させると共
に、傾斜部分122を第一受部分38に、載置部分12
3を第二受部分39に支持させる。この状態では、隣接
する内側外装材1,1の側縁部12,12間は、保持部
材3の配設間隔と同様に棟から軒に向かって次第に拡開
する略テーパ状である。その後、カバー部材2を取り付
ける。カバー部材2の調整部23は、前述のように幅方
向の有効幅が調整可能であって略テーパ状に変形可能で
あるから、略テーパ状に離間する内側外装材1,1の側
縁部12,12に対し、軒棟方向に亘って同様に内側外
装材1の嵌合部121の裏面に被保持部24を弾性嵌合
させて弾性的に保持させることができる。取り付けられ
たカバー部材2の変形状況は、図3に示すとおりであ
り、図3(a)は図1(a)の、図3(b)は図1
(b)の拡大断面図である。図3(a),(b)の各上
段に示されるように上方からカバー部材2を下方へ押圧
すると、カバー部材2の左右の側面部21の下端がそれ
ぞれ外装材1の傾斜部分122や載置部分123に当接
しながら下降し、幅方向の外方への応力が作用される。
その際、保持部材3の配設間隔は棟から軒に向かって次
第に拡開する略テーパ状に配設されているので、棟側の
図3(a)よりも軒側の図3(b)の方が広く、カバー
部材2を下方へ押圧するために要する力(図面では白抜
き矢印で示した)も、カバー部材2の幅方向の外方への
応力(図面では斜線矢印で示した)も強いものであり、
幅方向の変形量も大きくなる。図示実施例のカバー部材
2では、この応力に対する変形としては、主に被覆部
22に対する側面部21の拡開(傾斜)、被覆部22
及び底部232に対する側壁231の拡開(傾斜)の2
通りの弾性変形が考えられる。側壁231と側面部21
とは同程度の長さであるが、側壁231の拡開(傾斜)
は上端及び下端における角度変形に分担されるので、側
壁231の方が拡開(傾斜)し易く、の変形よりも
の変形が優先的に成される。即ち調整部23の幅方向の
変形が優先的に成され、側面部21の変形を抑制して嵌
合不良を防止することができる。例えば調整部23の側
壁231の方が側面部21よりも明らかに長い場合に
は、側壁231の方が側面部21よりもより少ない角度
変形で大きな幅方向の変位をもたらすことができ、より
確実に溝部23内で変形させることができる。このよう
に図示実施例では、単にカバー部材2を上方から押圧す
るだけで自動的に調整部23が幅方向に変位して内側外
装材1及び保持部材3への弾性的保持が成されるのであ
って、通常の平坦状の屋根面に対する弾性嵌合式外装構
造の敷設施工と同様に作業することができ、極めて施工
性が優れている。尚、カバー部材2の配設に先立って、
調整部23を棟から軒に向かって次第に拡開する略テー
パ状に予め適当に(所定幅より少な目に)変形させてお
いても良いが、当初(成形時)は調整部を棟から軒に亘
って最棟側の保持部材3の配設間隔に応じた一定形状に
しておき、前述のように配設に際して軒側を弾性的に拡
開する方が、配設後に内向きの弾性力(図面では黒塗り
矢印で示した)が働くため、被保持部24の嵌合保持力
が大きくなる。
【0018】(外側屋根の施工)こうして施工された内
側屋根の山部上に、取付部材6(6A)を臨ませ、横片
64からビスをカバー部材2の被覆部22、内側外装材
1の載置部分123、保持部材3の第二受部分39に打
ち込んで取り付ける。最後にその側縁部51が調整部2
3上(内)に位置するように外側外装材5,5を配し、
取付部材6の支承部66に外側外装材5の面板部52を
支承させ、取付部材6の固着部65に外側外装材5の先
端511をビス止め固定する。尚、外側外装材5の配設
に際して面板部52の裏面に下地材50を配する。
側屋根の山部上に、取付部材6(6A)を臨ませ、横片
64からビスをカバー部材2の被覆部22、内側外装材
1の載置部分123、保持部材3の第二受部分39に打
ち込んで取り付ける。最後にその側縁部51が調整部2
3上(内)に位置するように外側外装材5,5を配し、
取付部材6の支承部66に外側外装材5の面板部52を
支承させ、取付部材6の固着部65に外側外装材5の先
端511をビス止め固定する。尚、外側外装材5の配設
に際して面板部52の裏面に下地材50を配する。
【0019】こうして施工される本発明の二重葺き屋根
構造は、軒棟方向に同一断面を有する内側外装材1及び
カバー部材2を用いるので、従来の外装材やカバー部材
をテーパ状に加工する場合に比べて成形加工が極めて容
易である。また従来は、ドーム、円錐等の屋根形状の微
細な変化に応じて外装材やカバー部材のテーパ寸法を変
更する必要があって極めて面倒であったが、本発明では
そのような必要がないので、極めて多くの屋根形状に対
してその形状の意匠性を損なうことなく対応することが
できる。
構造は、軒棟方向に同一断面を有する内側外装材1及び
カバー部材2を用いるので、従来の外装材やカバー部材
をテーパ状に加工する場合に比べて成形加工が極めて容
易である。また従来は、ドーム、円錐等の屋根形状の微
細な変化に応じて外装材やカバー部材のテーパ寸法を変
更する必要があって極めて面倒であったが、本発明では
そのような必要がないので、極めて多くの屋根形状に対
してその形状の意匠性を損なうことなく対応することが
できる。
【0020】また、本発明の二重葺き屋根構造は、ドー
ム、円錐等の屋根形状に限定されるものではなく、通常
の平坦状の屋根面にも適用することができ、その場合、
前記左右一対の保持部材3は軒棟方向に一定間隔で配設
するが、仮にこの配設時に取付誤差が生じたとしても、
或いはカバー部材2の成型誤差があったとしても調整部
23の変位にてその誤差を吸収することができ、嵌合不
良等が生じることがない。
ム、円錐等の屋根形状に限定されるものではなく、通常
の平坦状の屋根面にも適用することができ、その場合、
前記左右一対の保持部材3は軒棟方向に一定間隔で配設
するが、仮にこの配設時に取付誤差が生じたとしても、
或いはカバー部材2の成型誤差があったとしても調整部
23の変位にてその誤差を吸収することができ、嵌合不
良等が生じることがない。
【0021】さらに図示実施例では、調整部23を上方
が開口する溝部とし、外側屋根を構成する外側外装材
5,5の側縁部51をこの溝部(調整部23)上に配置
させたので、外側屋根から侵入水を確実に溝部(調整部
23)に導いて流下させることができ、別途に樋部材を
配設する必要とがなく、部材数が減少する。そのため、
部材管理が容易であり、施工性に優れ、コストは低く、
内側屋根に作用する荷重は低くなる。尚、外側外装材5
の側縁部51の下端511(取付部材6の固着部65)
は溝部(調整部23)内、即ち取付部材6のビス止め部
分(横片64)よりも一段低く(下方に)位置するの
で、より確実に外側屋根からの浸入水を溝部(調整部2
3)内に導くことができる。このような態様における外
側外装材5の側縁部51は、略鉛直状に限定されるもの
ではなく、傾斜状等どのような形状でも良い。
が開口する溝部とし、外側屋根を構成する外側外装材
5,5の側縁部51をこの溝部(調整部23)上に配置
させたので、外側屋根から侵入水を確実に溝部(調整部
23)に導いて流下させることができ、別途に樋部材を
配設する必要とがなく、部材数が減少する。そのため、
部材管理が容易であり、施工性に優れ、コストは低く、
内側屋根に作用する荷重は低くなる。尚、外側外装材5
の側縁部51の下端511(取付部材6の固着部65)
は溝部(調整部23)内、即ち取付部材6のビス止め部
分(横片64)よりも一段低く(下方に)位置するの
で、より確実に外側屋根からの浸入水を溝部(調整部2
3)内に導くことができる。このような態様における外
側外装材5の側縁部51は、略鉛直状に限定されるもの
ではなく、傾斜状等どのような形状でも良い。
【0022】図4の二重葺き屋根構造は、固定片30の
前後に受片31,31が直立する断面略U字状の受部材
3Cを一体化させた保持部材3を用いる点、外側外装材
5を取付部材6に係合保持させる点、上下別体の取付部
材6(6B、6C)を用いる点、で前記図1の構造とは
異なるが、それ以外の構成は前記図1の例とほぼ同様で
あるから、図面に同一符号を付して説明を省略する。こ
の例に用いられた保持部材3の受部材3Cは、受片31
の外側下方に凹状の被嵌合部311を有し、外側上方に
前記内側外装材1の傾斜部分122を支持する第一受部
分312を有し、さらに上縁が前記内側外装材1の載置
部分123の裏面を支持する第二受部分313である。
また、第二受部分313には受片31と直交するように
固定用受部分315が延設されている。この例に用いら
れた外側外装材5は、側縁部51の下端に外方側へ折り
返し状に折上げられた係合部512を形成してなる構成
である。この例に用いられた取付部材6は、略中央に上
向きの接続ボルト61が取り付けられており、カバー部
材2の被覆部22に載置される略平坦状の下部材6B
と、ハット型のピース材である上部材6Cとからなり、
下部材6Aの略中央に取り付けられた接続ボルト61を
上部材6Cに設けた挿通孔に貫挿させ、ナット62で締
め付けて一体化させる構成である。この取付部材6によ
る外側外装材5の保持は、外側外装材5の側縁部51の
係合部512に上部材6Cの下縁(係合片63)を係合
させて保持させている。尚、この取付部材6を構成する
上部材6Cは前述のようにピース材であるが、幅が異な
る複数種類を用いる必要がある。このように、幅方向の
広さが変位する内側屋根に対して取り付けられるもので
あれば必ずしも左右別体でなくても良い。さらにこの例
では、隣接する外側外装材5の側縁の目地部分に、平行
材からなる外側カバー材7、及びそれを固定するための
外側カバー材用取付材70が配設されている。この外側
カバー材用取付材70は断面略U字状の側縁の上端を下
方に折下げて取付部を形成したピース材であり、前記上
部材6Cと共にナット62で一体化させる構成である。
外側カバー材7は、平面部の側縁を下方に折下げて途中
に、前記取付部と弾性的に係合するく字状の被保持部分
を形成した断面略ハット状の部材であり、目地部分が広
い部分のみに配設されている。
前後に受片31,31が直立する断面略U字状の受部材
3Cを一体化させた保持部材3を用いる点、外側外装材
5を取付部材6に係合保持させる点、上下別体の取付部
材6(6B、6C)を用いる点、で前記図1の構造とは
異なるが、それ以外の構成は前記図1の例とほぼ同様で
あるから、図面に同一符号を付して説明を省略する。こ
の例に用いられた保持部材3の受部材3Cは、受片31
の外側下方に凹状の被嵌合部311を有し、外側上方に
前記内側外装材1の傾斜部分122を支持する第一受部
分312を有し、さらに上縁が前記内側外装材1の載置
部分123の裏面を支持する第二受部分313である。
また、第二受部分313には受片31と直交するように
固定用受部分315が延設されている。この例に用いら
れた外側外装材5は、側縁部51の下端に外方側へ折り
返し状に折上げられた係合部512を形成してなる構成
である。この例に用いられた取付部材6は、略中央に上
向きの接続ボルト61が取り付けられており、カバー部
材2の被覆部22に載置される略平坦状の下部材6B
と、ハット型のピース材である上部材6Cとからなり、
下部材6Aの略中央に取り付けられた接続ボルト61を
上部材6Cに設けた挿通孔に貫挿させ、ナット62で締
め付けて一体化させる構成である。この取付部材6によ
る外側外装材5の保持は、外側外装材5の側縁部51の
係合部512に上部材6Cの下縁(係合片63)を係合
させて保持させている。尚、この取付部材6を構成する
上部材6Cは前述のようにピース材であるが、幅が異な
る複数種類を用いる必要がある。このように、幅方向の
広さが変位する内側屋根に対して取り付けられるもので
あれば必ずしも左右別体でなくても良い。さらにこの例
では、隣接する外側外装材5の側縁の目地部分に、平行
材からなる外側カバー材7、及びそれを固定するための
外側カバー材用取付材70が配設されている。この外側
カバー材用取付材70は断面略U字状の側縁の上端を下
方に折下げて取付部を形成したピース材であり、前記上
部材6Cと共にナット62で一体化させる構成である。
外側カバー材7は、平面部の側縁を下方に折下げて途中
に、前記取付部と弾性的に係合するく字状の被保持部分
を形成した断面略ハット状の部材であり、目地部分が広
い部分のみに配設されている。
【0023】図5に示す二重葺き屋根構造は、カバー部
材2の取り付けはビス止めのみとする代わりに取付部材
6(6D)の取り付けをビス止めと係合との併用で行っ
た例であり、さらに調整部23は曲面234で形成され
る溝部であって、その深さは明らかに側面部21の長さ
以上である。上記以外の構成は前記図1の例とほぼ同様
であるから図面に同一符号を付して説明を省略する。こ
の屋根構造では、調整部23の深さが側面部21の長さ
以上であり、前記図1の例と比較してもこの調整部23
の曲面234の方が明らかに長いため、より少ない角度
変形で大きな幅方向の変位をもたらすことができ、より
確実に調整部23内で変形させることができる。
材2の取り付けはビス止めのみとする代わりに取付部材
6(6D)の取り付けをビス止めと係合との併用で行っ
た例であり、さらに調整部23は曲面234で形成され
る溝部であって、その深さは明らかに側面部21の長さ
以上である。上記以外の構成は前記図1の例とほぼ同様
であるから図面に同一符号を付して説明を省略する。こ
の屋根構造では、調整部23の深さが側面部21の長さ
以上であり、前記図1の例と比較してもこの調整部23
の曲面234の方が明らかに長いため、より少ない角度
変形で大きな幅方向の変位をもたらすことができ、より
確実に調整部23内で変形させることができる。
【0024】図6に示す二重葺き屋根構造は、カバー部
材2も取付部材6(6A)もビス止めのみで一連に行っ
た例であり、それ以外の構成は前記図5の例とほぼ同様
であるから図面に同一符号を付して説明を省略する。前
述の図1の例では弾性的に嵌合させるカバー部材2であ
ったために調整部23を最棟側の幅寸法にて一定幅とな
るように成形し、取り付けに際して軒側の幅寸法が大き
くなるように拡開しながら弾性嵌合させたが、これら図
5及び図6の例では、カバー部材2の取り付けがビス止
めのみで行われるので、調整部23を最軒側の幅寸法に
て一定幅となるように成形し、取り付けに際して棟側の
幅寸法が小さくなるように縮閉しながらビス等にて仮止
めし、その後、取付部材6のビス止めにて一連に取り付
けるようにしても良い。
材2も取付部材6(6A)もビス止めのみで一連に行っ
た例であり、それ以外の構成は前記図5の例とほぼ同様
であるから図面に同一符号を付して説明を省略する。前
述の図1の例では弾性的に嵌合させるカバー部材2であ
ったために調整部23を最棟側の幅寸法にて一定幅とな
るように成形し、取り付けに際して軒側の幅寸法が大き
くなるように拡開しながら弾性嵌合させたが、これら図
5及び図6の例では、カバー部材2の取り付けがビス止
めのみで行われるので、調整部23を最軒側の幅寸法に
て一定幅となるように成形し、取り付けに際して棟側の
幅寸法が小さくなるように縮閉しながらビス等にて仮止
めし、その後、取付部材6のビス止めにて一連に取り付
けるようにしても良い。
【0025】図7に示す二重葺き屋根構造は、外側外装
材5を取付部材6に係合保持させる点で前記図1の構造
とは異なるが、それ以外の構成は前記図1の例とほぼ同
様であるから、図面に同一符号を付して説明を省略す
る。この例に用いられる取付部材6(6E)は、横片6
4の内側に鉛直状に垂下する係合片67を有し、外側外
装材5の側縁部の下端を内側へ折り返した係合部513
と弾性的に係合する構成である。
材5を取付部材6に係合保持させる点で前記図1の構造
とは異なるが、それ以外の構成は前記図1の例とほぼ同
様であるから、図面に同一符号を付して説明を省略す
る。この例に用いられる取付部材6(6E)は、横片6
4の内側に鉛直状に垂下する係合片67を有し、外側外
装材5の側縁部の下端を内側へ折り返した係合部513
と弾性的に係合する構成である。
【0026】図8に示す二重葺き屋根構造は、取付部材
を用いない例であり、カバー部材2の調整部23の側壁
231のやや下方に段差233が設けられ、この段差2
33にて外側外装材5の傾斜状の側縁部51に形成され
た断面略く字状の係合部511を弾性的に係合させて保
持する構成である。また、保持部材3を構成する上部フ
レーム材3Bに代えて断面略C字状のより簡易な構成の
上部フレーム材3Dを用いた。上記以外の構成は前記図
1の例とほぼ同様であるから、図面に同一符号を付して
説明を省略する。この例では、内側屋根と外側外装材5
とで構成されるので、部材数が極めて少なく、前記従来
の二重葺き屋根構造に比べて部材管理、コスト、荷重等
の面でより一層優位である。特に取付部材及び下地材、
外側カバー材を用いないので、部材管理、施工性、コス
ト、荷重面での効果がより一層優れたものとなる。ま
た、カバー部材2の調整部(溝部)23の段差233
は、適宜形状の保持部分を形成した上部フレーム材に係
合させるようにしても良い。その場合、カバー部材2
は、ビス止めに加えて被保持部24及び段差233によ
る弾性嵌合により内側外装材1及び保持部材3に取り付
けられることになるが、特に段差233での係合は、調
整部(溝部)23の形状保持に貢献し、外側外装材5に
負荷重が生じた際の安定性が向上する。
を用いない例であり、カバー部材2の調整部23の側壁
231のやや下方に段差233が設けられ、この段差2
33にて外側外装材5の傾斜状の側縁部51に形成され
た断面略く字状の係合部511を弾性的に係合させて保
持する構成である。また、保持部材3を構成する上部フ
レーム材3Bに代えて断面略C字状のより簡易な構成の
上部フレーム材3Dを用いた。上記以外の構成は前記図
1の例とほぼ同様であるから、図面に同一符号を付して
説明を省略する。この例では、内側屋根と外側外装材5
とで構成されるので、部材数が極めて少なく、前記従来
の二重葺き屋根構造に比べて部材管理、コスト、荷重等
の面でより一層優位である。特に取付部材及び下地材、
外側カバー材を用いないので、部材管理、施工性、コス
ト、荷重面での効果がより一層優れたものとなる。ま
た、カバー部材2の調整部(溝部)23の段差233
は、適宜形状の保持部分を形成した上部フレーム材に係
合させるようにしても良い。その場合、カバー部材2
は、ビス止めに加えて被保持部24及び段差233によ
る弾性嵌合により内側外装材1及び保持部材3に取り付
けられることになるが、特に段差233での係合は、調
整部(溝部)23の形状保持に貢献し、外側外装材5に
負荷重が生じた際の安定性が向上する。
【0027】図9に示す二重葺き屋根構造は、テーパ状
の目地部分にカバー部材2の調整部23と同様に幅方向
に変位可能な調整部72を有する外側カバー材7を配し
た例であり、それ以外の構成は前記図7の例とほぼ同様
であるから図面に同一符号を付して説明を省略する。こ
の例に用いられる外側カバー材7は、断面V字溝状の調
整部72の上端に目地部分への落ち込みを防止する規制
部73が設けられ、目地部分への挿入部分となる左右の
垂下片74,74にはそれぞれ外方へく字状に折曲した
内側係合部741が形成され、取付部材6の係合片67
に係合させた外側外装材5の係合部513の裏面に内側
から弾性的に係合している。この外側カバー部材7の調
整部72の幅方向の変位は、図10(c)に示すように
予め敷設した際の最大幅よりも広く成形しておき、例え
ば軒側から棟側に向かって連続的に縮閉するように敷設
すればよい。尚、図10(b)は図9(b)の比較的軒
側位置における配設形状、図10(a)は図9(a)の
比較的棟側位置における配設形状を示し、矢印は配設時
に変形に要する応力を示す。
の目地部分にカバー部材2の調整部23と同様に幅方向
に変位可能な調整部72を有する外側カバー材7を配し
た例であり、それ以外の構成は前記図7の例とほぼ同様
であるから図面に同一符号を付して説明を省略する。こ
の例に用いられる外側カバー材7は、断面V字溝状の調
整部72の上端に目地部分への落ち込みを防止する規制
部73が設けられ、目地部分への挿入部分となる左右の
垂下片74,74にはそれぞれ外方へく字状に折曲した
内側係合部741が形成され、取付部材6の係合片67
に係合させた外側外装材5の係合部513の裏面に内側
から弾性的に係合している。この外側カバー部材7の調
整部72の幅方向の変位は、図10(c)に示すように
予め敷設した際の最大幅よりも広く成形しておき、例え
ば軒側から棟側に向かって連続的に縮閉するように敷設
すればよい。尚、図10(b)は図9(b)の比較的軒
側位置における配設形状、図10(a)は図9(a)の
比較的棟側位置における配設形状を示し、矢印は配設時
に変形に要する応力を示す。
【0028】図11に示す二重葺き屋根構造は、外側屋
根が、太陽電池80を一体に形成した外装材、即ち太陽
エネルギー変換装置である外側外装材8からなる例であ
る。そして、ビス止めにて取り付けられた取付部材6
(6F)の内側に、カバー部材2の調整部23内に臨む
ように設けられた被係合部68に、外側外装材(太陽エ
ネルギー変換装置)8の下向き側縁部81の途中に設け
た内側へく字状に屈曲する係合部811を係合させ、さ
らに外側カバー材7を被保持部分71が係合部811の
裏面に係合するように取り付けた。上記以外の構成は前
記図8の例とほぼ同様であるから図面に同一符号を付し
て説明を省略する。
根が、太陽電池80を一体に形成した外装材、即ち太陽
エネルギー変換装置である外側外装材8からなる例であ
る。そして、ビス止めにて取り付けられた取付部材6
(6F)の内側に、カバー部材2の調整部23内に臨む
ように設けられた被係合部68に、外側外装材(太陽エ
ネルギー変換装置)8の下向き側縁部81の途中に設け
た内側へく字状に屈曲する係合部811を係合させ、さ
らに外側カバー材7を被保持部分71が係合部811の
裏面に係合するように取り付けた。上記以外の構成は前
記図8の例とほぼ同様であるから図面に同一符号を付し
て説明を省略する。
【0029】図12(a)に示す二重葺き屋根構造は、
片半のみではあるが、外側屋根が、面板部92の左右側
縁(下向き側縁部91)を下方に折下げられた横葺き外
装材である外側外装材9からなる例である。尚、この例
に用いた取付部材(6G)は、図12(c)に示すよう
に横片64の上方に支持片69を設けた構成であって、
図12(b)に示すような横向きの補強部材であってハ
ット型の支持部材60が支持片69を覆うように取り付
けられている。そして、その支持部材60に直交するよ
うに垂木90が取り付け、図示しない吊子等にて外側外
装材(横葺き外装材)9が取り付けられ、その下向き側
縁部91をカバー部材2の調整部(溝部)23上(内)
に位置させている。したがって、通常は横葺き外装材の
横方向の接続部分に継手捨板を配設して横葺き屋根構造
を形成しているが、内側屋根を構成するカバー部材2の
調整部23を溝部として形成することにより、外側屋根
を構成する外側外装材(横葺き外装材)9,9間から侵
入する雨水の排出作用を果たすので、別途に継手捨板を
配設する必要とがなく、部材数が減少する。
片半のみではあるが、外側屋根が、面板部92の左右側
縁(下向き側縁部91)を下方に折下げられた横葺き外
装材である外側外装材9からなる例である。尚、この例
に用いた取付部材(6G)は、図12(c)に示すよう
に横片64の上方に支持片69を設けた構成であって、
図12(b)に示すような横向きの補強部材であってハ
ット型の支持部材60が支持片69を覆うように取り付
けられている。そして、その支持部材60に直交するよ
うに垂木90が取り付け、図示しない吊子等にて外側外
装材(横葺き外装材)9が取り付けられ、その下向き側
縁部91をカバー部材2の調整部(溝部)23上(内)
に位置させている。したがって、通常は横葺き外装材の
横方向の接続部分に継手捨板を配設して横葺き屋根構造
を形成しているが、内側屋根を構成するカバー部材2の
調整部23を溝部として形成することにより、外側屋根
を構成する外側外装材(横葺き外装材)9,9間から侵
入する雨水の排出作用を果たすので、別途に継手捨板を
配設する必要とがなく、部材数が減少する。
【0030】図13は、カバー部材2の各部位の形状バ
リエーションを示す部分実施例であり、同図(a)は側
面部21の実施例、同図(b)は調整部23を除く被覆
部22の左半を示す実施例、同図(c)は溝部として形
成する調整部23の実施例である。尚、同図(b)にて
本発明における被覆部22を一点鎖線にて明確にした
が、側面部21との境界は作用面で分けられるに過ぎ
ず、本来的に明確ではない。また、同図(c)にて符号
236は前記[0006]にて説明した調整部23内の
段部であり、この段部236を図示しない保持部材3の
嵌合部分等に取り付けるようにしても良い。このように
本発明の二重葺き屋根構造におけるカバー部材2は、特
許請求の範囲に記載の構成を変更しない限りどのように
でも実施することができる。
リエーションを示す部分実施例であり、同図(a)は側
面部21の実施例、同図(b)は調整部23を除く被覆
部22の左半を示す実施例、同図(c)は溝部として形
成する調整部23の実施例である。尚、同図(b)にて
本発明における被覆部22を一点鎖線にて明確にした
が、側面部21との境界は作用面で分けられるに過ぎ
ず、本来的に明確ではない。また、同図(c)にて符号
236は前記[0006]にて説明した調整部23内の
段部であり、この段部236を図示しない保持部材3の
嵌合部分等に取り付けるようにしても良い。このように
本発明の二重葺き屋根構造におけるカバー部材2は、特
許請求の範囲に記載の構成を変更しない限りどのように
でも実施することができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明の二重葺き屋
根構造は、内側屋根のカバー部材に幅方向に変位可能な
調整部を設けたので、調整部の変位でカバー部材全体の
有効幅を調整することができ、予め屋根形状に応じてカ
バー部材及び内側外装材をテーパ状に形成することな
く、ドーム、円錐等の屋根形状を損なわずに追従、対応
させることができる。また、屋根面に配設する保持部材
等に取付誤差が生じてもカバー部材の調整部で吸収する
ことができ、嵌合不良等が生じることがない。さらに、
カバー部材及び内側外装材は軒棟方向に亘って同一断面
を有する形状であるため、従前の長手方向に長尺な平行
材からなる外装材、カバー等での施工を行うことがで
き、テーパ状外装材やテーパ状カバー部材を成形する加
工時間、加工場所(成形スペース)等を必要とすること
がない。そのため、内側外装材及びカバー部材の製造に
際して特殊な成形を必要としないので、新規に設備投資
をすることなく従前と同様な設備で製造することがで
き、製造コストの上昇を招くことがない。
根構造は、内側屋根のカバー部材に幅方向に変位可能な
調整部を設けたので、調整部の変位でカバー部材全体の
有効幅を調整することができ、予め屋根形状に応じてカ
バー部材及び内側外装材をテーパ状に形成することな
く、ドーム、円錐等の屋根形状を損なわずに追従、対応
させることができる。また、屋根面に配設する保持部材
等に取付誤差が生じてもカバー部材の調整部で吸収する
ことができ、嵌合不良等が生じることがない。さらに、
カバー部材及び内側外装材は軒棟方向に亘って同一断面
を有する形状であるため、従前の長手方向に長尺な平行
材からなる外装材、カバー等での施工を行うことがで
き、テーパ状外装材やテーパ状カバー部材を成形する加
工時間、加工場所(成形スペース)等を必要とすること
がない。そのため、内側外装材及びカバー部材の製造に
際して特殊な成形を必要としないので、新規に設備投資
をすることなく従前と同様な設備で製造することがで
き、製造コストの上昇を招くことがない。
【0032】特に調整部を上方が開口する溝部とし、そ
の溝部の深さを側面部の長さと同等若しくはそれ以上と
した場合には、より一層確実に調整部(溝部内)で変形
させることができ、より幅広い変位に対応することがで
き、より曲率の高い屋根形状に適用することができる。
の溝部の深さを側面部の長さと同等若しくはそれ以上と
した場合には、より一層確実に調整部(溝部内)で変形
させることができ、より幅広い変位に対応することがで
き、より曲率の高い屋根形状に適用することができる。
【0033】また、外側屋根を構成する外側外装材とし
ては、折板屋根板、縦葺き外装材、太陽エネルギー変換
装置、横葺き外装材など種々のものを用いることができ
る。したがって、各種の仕様態様に適用することができ
る。
ては、折板屋根板、縦葺き外装材、太陽エネルギー変換
装置、横葺き外装材など種々のものを用いることができ
る。したがって、各種の仕様態様に適用することができ
る。
【0034】また、外側外装材の側縁部の下端を溝部と
して形成した調整部内に位置させた場合には、内側屋根
の山部に取付部材等をビス止めした場合などにも侵入水
が固着部にまわることがなく、外側屋根からの侵入水を
確実に調整部に流下させることができる。
して形成した調整部内に位置させた場合には、内側屋根
の山部に取付部材等をビス止めした場合などにも侵入水
が固着部にまわることがなく、外側屋根からの侵入水を
確実に調整部に流下させることができる。
【図1】本発明の二重葺き屋根構造の一実施例を示す断
面図であり、ドーム、円錐等の屋根形状の屋根面に対し
て配設した場合の(a)棟側、(b)軒側の断面図であ
る。
面図であり、ドーム、円錐等の屋根形状の屋根面に対し
て配設した場合の(a)棟側、(b)軒側の断面図であ
る。
【図2】図1の二重葺き屋根構造を構成する各部材を示
す分解断面図である。
す分解断面図である。
【図3】(a)図2(a)の位置におけるカバー部材の
取り付け施工時の変形状況を示す拡大断面図、(b)図
2(b)の位置におけるカバー部材の取り付け施工時の
変形状況を示す拡大断面図である。
取り付け施工時の変形状況を示す拡大断面図、(b)図
2(b)の位置におけるカバー部材の取り付け施工時の
変形状況を示す拡大断面図である。
【図4】本発明の二重葺き屋根構造の他の一実施例を示
す断面図であり、ドーム、円錐等の屋根形状の屋根面に
対して配設した場合の(a)棟側、(b)軒側の断面図
である。
す断面図であり、ドーム、円錐等の屋根形状の屋根面に
対して配設した場合の(a)棟側、(b)軒側の断面図
である。
【図5】本発明の二重葺き屋根構造の他の一実施例を示
す断面図である。
す断面図である。
【図6】本発明の二重葺き屋根構造の他の一実施例を示
す断面図である。
す断面図である。
【図7】本発明の二重葺き屋根構造の他の一実施例を示
す断面図である。
す断面図である。
【図8】本発明の二重葺き屋根構造の他の一実施例を示
す断面図である。
す断面図である。
【図9】本発明の二重葺き屋根構造の他の一実施例を示
す断面図であり、ドーム、円錐等の屋根形状の屋根面に
対して配設した場合の(a)棟側、(b)軒側の断面図
である。
す断面図であり、ドーム、円錐等の屋根形状の屋根面に
対して配設した場合の(a)棟側、(b)軒側の断面図
である。
【図10】図9における(a)棟側、(b)軒側での外
側カバー材の配設形状、及び(c)配設前(成形時)の
形状を示す断面図である。
側カバー材の配設形状、及び(c)配設前(成形時)の
形状を示す断面図である。
【図11】本発明の二重葺き屋根構造の他の一実施例を
示す断面図である。
示す断面図である。
【図12】(a)本発明の二重葺き屋根構造の他の一実
施例(片半)、用いた(b)支持部材、(c)取付部材
を示す断面図である。
施例(片半)、用いた(b)支持部材、(c)取付部材
を示す断面図である。
【図13】本発明の二重葺き屋根構造に用いるカバー部
材の(a)側面部、(b)調整部を除く被覆部の左半、
(c)調整部の形状バリエーションを示す断面図であ
る。
材の(a)側面部、(b)調整部を除く被覆部の左半、
(c)調整部の形状バリエーションを示す断面図であ
る。
1 内側外装材
11 谷部
12 側面部
126 カバー部材保持部
2 カバー部材
21 側縁部
22 被覆部
23 調整部
24 被保持部
3 保持部材
4 屋根下地
5 外側外装材
51 側縁部
6 取付部材
7 外側カバー材
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 実開 平7−21862(JP,U)
特公 平8−16378(JP,B2)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
E04D 3/00
E04D 3/24
E04D 3/366 101
Claims (4)
- 【請求項1】 谷部、山部が交互に連続する内側屋根上
に外側屋根を敷設する二重葺き屋根構造において、 前記内側屋根は、少なくとも1つの谷部と該谷部の両端
を立ち上げた側縁部とを備える内側外装材と、隣接する
内側外装材の側縁部間を覆う被覆部とその両端の側面部
と前記被覆部に設けた幅方向に変位可能な調整部とを備
えるカバー部材とからなり、 前記内側屋根の山部上に外側屋根を敷設したことを特徴
とする二重葺き屋根構造。 - 【請求項2】 調整部は、上方が開口する溝部であっ
て、該溝部の深さは、側面部の長さと同等若しくはそれ
以上であることを特徴とする請求項1に記載の二重葺き
屋根構造。 - 【請求項3】 内側外装材は0.8mm以上、カバー部
材は0.6mm以下の板厚からなることを特徴とする請
求項1又は2に記載の二重葺き屋根構造。 - 【請求項4】 外側屋根は、内側屋根の山部に配された
取付部材上に敷設されていることを特徴とする請求項1
乃至3に記載の二重葺き屋根構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36765099A JP3392380B2 (ja) | 1999-12-24 | 1999-12-24 | 二重葺き屋根構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36765099A JP3392380B2 (ja) | 1999-12-24 | 1999-12-24 | 二重葺き屋根構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001182226A JP2001182226A (ja) | 2001-07-03 |
JP3392380B2 true JP3392380B2 (ja) | 2003-03-31 |
Family
ID=18489853
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36765099A Expired - Fee Related JP3392380B2 (ja) | 1999-12-24 | 1999-12-24 | 二重葺き屋根構造 |
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Country | Link |
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-
1999
- 1999-12-24 JP JP36765099A patent/JP3392380B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JP2001182226A (ja) | 2001-07-03 |
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