JP3391092B2 - 低温収縮性フィルム - Google Patents

低温収縮性フィルム

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JP3391092B2
JP3391092B2 JP10634194A JP10634194A JP3391092B2 JP 3391092 B2 JP3391092 B2 JP 3391092B2 JP 10634194 A JP10634194 A JP 10634194A JP 10634194 A JP10634194 A JP 10634194A JP 3391092 B2 JP3391092 B2 JP 3391092B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は包装材料の用途に供す
る、低温収縮性、腰硬さ等に優れたゴム変性スチレン系
樹脂組成物とブロック共重合体からなる樹脂を用いた少
なくとも一軸に延伸した低温収縮性フィルムに関するも
のである。 【0002】 【従来の技術および発明が解決しようとする課題】収縮
包装用材料としては、硬質PVCフィルムが多用されて
いる。しかし、PVC中に含有されている可塑剤に起因
する衛生上、品質上(水中で白化してしまう等)の問題
点に加えて、塩素を多量に含んでいるため、廃棄、焼却
時の公害上の問題があり、代替え材料が求められてい
る。代替え材料として、ポリスチレンとスチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体混合物が用いられているが低温
収縮性、収縮後の強度に乏しく、包装用材料としては非
常に限られた用途にしか用いられていないのが現状であ
る。 【0003】特殊なスチレン系樹脂とスチレン−ブタジ
エンブロック共重合体混合物を用いた低温収縮性フィル
ムが提案されているが(特開昭61−25819)、低
温収縮性は改良されているが、収縮後の強度は乏しく、
又、スチレン−ブタジエンブロック共重合体を多量に使
用することに起因するゲル状物質がフィルムの外観,印
刷性に悪影響を与えており、硬質PVCフィルムのよう
に汎用的に使用されるまでには至っていない。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者はかかる現状に
鑑み、鋭意検討した結果、スチレン系単量体と共重合可
能な第二,三の単量体として、アクリル酸エステル(メ
タクリル酸エステル)系単量体、メチルメタクリレート
を導入し、これらの単量体からなる重合体を連続相と
し、ゴム状弾性体を分散相とし、かつ分散相のゴム状弾
性体の粒子径を最適化したゴム変性スチレン系樹脂とテ
ルペン系樹脂とからなるゴム変性スチレン系樹脂組成物
(I)と少なくとも1個のビニル芳香族炭化水素重合体
ブロックと少なくとも1個の共役ジエンを主体とする重
合体ブロックを有し、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエ
ンとの重量比が20:80〜80:20であるブロック
共重合体(II)からなる樹脂であって、ゴム変性スチレ
ン系樹脂組成物(I)とブロック共重合体(II)の割合
が、 (I) 99〜91重量% (II) 1〜9 重量% である樹脂を用いて少なくとも一軸に延伸したフィルム
が低温収縮性,収縮後の強度,外観特性,印刷特性等に
優れていることを見出だし、本発明を完成するに至っ
た。 【0005】すなわち本発明は、ゴム状弾性を分散粒子
として含有するゴム変性スチレン系樹脂に於いて (ア)連続相が下記式(A)、 【0006】 【化4】 (式中、R1 は水素、又はメチル基であり、R2 は水
素、又は炭素数1〜5のアルキル基である。)下記式
(B)、及び 【0007】 【化5】 (式中、R3 は水素、又はメチル基であり、R4 は炭素
数1〜8のアルキル基である。但し、R3 がメチル基の
ときは、R4 は炭素数2〜8のアルキル基である。)下
記式(C) 【0008】 【化6】 で示される構成単位からなり、構成単位(A),
(B),(C)の割合が (A):20〜70 重量% (B):0.5〜20 重量% (C):29.5〜79.5 重量% (但し、(A)+(B)+(C)=100 重量%)で
あり、 【0009】(イ)分散相の分散粒子径が0.1〜1.
2μmであり、ゴム状弾性体の含有量が1〜20重量%
であるゴム変性スチレン系樹脂100重量部当たりテル
ペン系樹脂1〜15重量部からなるゴム変性スチレン系
樹脂組成物(I)と少なくとも1個のビニル芳香族炭化
水素重合体ブロックと少なくとも1個の共役ジエンを主
体とする重合体ブロックを有し、ビニル芳香族炭化水素
と共役ジエンとの重量比が20:80〜80:20であ
るブロック共重合体(II)からなる樹脂であって、ゴム
変性スチレン系樹脂組成物(I)とブロック共重合体
(II)の割合が (I) 99〜91重量% (II) 1〜9 重量% である樹脂より形成された少なくとも一軸に延伸した低
温収縮性フィルムを提供するものである。 【0010】以下、本発明を詳細に説明する。連続相を
形成する構成単位(B)の量は0.5〜20重量%の範
囲である。より好ましくは2〜17重量%の範囲であ
る。20重量%を越える場合は、耐熱性が低下する結
果、収縮前のフィルムが自然収縮を起し包装材料として
使用出来なくなる。又、0.5重量%未満の場合は、低
温収縮性が悪くなる。構成単位(C)の量は29.5〜
79.5重量%の範囲である。より好ましくは30〜7
0重量%である。この範囲以外ではゴム変性スチレン系
樹脂の透明性が低下し好ましくない。本発明に於ては、
連続相の屈折率は特に制約されるものではないが、分散
相を形成するゴム状弾性体の屈折率との差を0.01以
内に制御することが透明性の観点から好ましい。 【0011】構成単位(B)の量はゴム変性スチレン系
樹脂の樹脂物性設計値から決まるため、構成単位
(A),構成単位(C)で連続相の屈折率を制御するこ
とが必要である。本発明のゴム変性スチレン系樹脂の連
続相の重合度は特に限定されるものではないが、25℃
における10重量%トルエン溶液の粘度で15センチポ
イズ〜80センチポイズの領域で、より好ましくは20
センチポイズ〜70センチポイズの領域で設定すること
が出来る。本発明に於ては、構成単位(A)としては、
例えば次に示す構造のものが挙げられる。 【0012】 【化7】 本発明に於て、構成単位(B)としては、例えば次に示
す構造のものが挙げられる。 【0013】 【化8】 【0014】本発明の分散相としては、常温でゴム的性
質を示すものであればよく、例えば、ポリブタジエン
類,スチレン−ブタジエン共重合体類,スチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体類,イソプレン重合体類等が用
いられる。より好ましいものとしては、スチレン−ブタ
ジエン共重合体類,スチレン−ブタジエンブロック共重
合体類である。特に、スチレン含有量が10〜50重量
%のものが好ましい。又、ゴム状弾性体の分子量や分岐
等は限定されるものではない。 【0015】本発明の分散相の粒子径は0.1〜1.2
μmの範囲であることが必要である。より好ましくは、
0.2〜0.9μmである。分散粒子径が0.1μm未
満のときは強度補強効果が発現しないか又は、強度補強
効果が非常に小さい。一方、分散粒子径が0.9μmを
越える場合は、強度補強効果は大きいが透明性が悪くな
る。特に、収縮後の曇りが大きくなり好ましくない。本
発明で言う粒子径特に断らない限り、数平均粒子径を意
味する。 【0016】粒子径分布状態は特に制限はないが次の二
つのタイプが好ましい。一つは粒子径分布(重量平均粒
子径/数平均粒子径)が3.0以下である分布状態、他
は双山分布を有する分布状態である。この時、大小の粒
子径の各々の分布は3以下が好ましく、全平均粒子径は
本発明の構成要件である0.1〜1.2μmの範囲にあ
ることが必要である。 【0017】本発明のゴム変性スチレン系樹脂中のゴム
状弾性体の量は1〜20重量%である。好ましくは3〜
15重量%である。ゴム状弾性体の量が1重量%未満の
時は強度補強効果が発現しない。又、20重量%を越え
る場合は、透明性が低下、特に収縮後の曇りが大きくな
り好ましくない。 【0018】本発明で用いるテルペン系樹脂は、柑橘系
皮質から得られるd−リモネン、又は生松脂から得られ
るα−ピネンの異性化で得られるジペンテンと芳香族炭
化水素をフリーデルクラフツ型触媒(例えば、塩化アル
ミ、三フッ化硼素等)を用いてカチオン重合を行うこと
により得られる。そして、この重合体を水素添加するこ
とにより得られる樹脂も本発明でいうテルペン系樹脂で
ある。水素添加率には特に制約はない。芳香族炭化水素
としては、スチレン,α−メチルスチレン,ビニルトル
エン等が好適に用いられている。 【0019】テルペン系樹脂の重合度は特に制約はない
が、重合度1000以下、好ましくは500以下、更に
好ましくは200以下である。重合度が高くなるとスチ
レン系樹脂との相溶性が低下し、可塑効果が低下する。
又、フィルムの収縮後の曇り防止効果が低減する。テル
ペン系樹脂としては、例えば、ヤスハラケミカル株式会
社のYSレジンTO−125、TO−115、TO−1
05、TO−85及びクリアロンM−115、M−10
5、P−85等を用いることができる。 【0020】テルペン系樹脂の含有量はゴム変性スチレ
ン系樹脂100重量部当たり1〜15重量部である。テ
ルペン系樹脂は可塑効果があり、フィルム生成時のゴム
変性スチレン系樹脂の粘度調整剤としての効果があり、
且つ、フィルムを収縮させた時、曇りが発生することを
抑制する効果がある。ゴム変性スチレン系樹脂中のゴム
状弾性体の量が少ない場合は、収縮後のフィルムの曇り
が少ないため、テルペン系樹脂の含有量も少なくてよ
い。ゴム状弾性体の量に応じてテルペン系樹脂の添加量
を決めることが望ましい。テルペン系樹脂の添加量が1
5重量%を越える場合は、曇り抑制効果が飽和し、又、
フィルムの剛性を低下させる。 【0021】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物に
有機ポリシロキサン、例えば、ポリジメチルシロキサ
ン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシ
ロキサン及び、これらの重合体の末端あるいは分子鎖中
にエポキシ基、水酸基、カルボキシル基、ビニル基、ア
ミノ基、アルコキシ基等を導入したものを添加すること
ができる。含有量はゴム変性スチレン系樹脂組成物10
0重量部当たり0.002〜0.3重量部が好ましい使
用量である。 【0022】本発明のスチレン系樹脂を得るには、ゴム
補強ポリスチレン(HIPS樹脂)の製造で多用されて
いる方法を用いることができる。すなわち、ゴム状弾性
体をスチレン系単量体及び/又はアクリル酸エステル
(メタクリル酸エステル)単量体及び/又はメチルメタ
クリレート及び/又は重合溶媒及び/又は重合開始剤及
び/又は重合度調整剤からなる原料溶液に溶解し、この
ゴム状弾性体が溶解した原料溶液を撹拌機付反応機に供
給し重合を行う。分散粒子の粒子径の制御は一般的に行
われている方法、撹拌羽根の撹拌数を変化させることに
より制御される。又、透明性を維持する方法として、一
般的な方法、例えば、重合途中に必要に応じて単量体を
添加するか、あるいは、連続的に追添加する等の方法が
用いられる。 【0023】ゴム状弾性体の含有量は、目標とする含有
量になるように原材料,重合率を調整することにより達
成することができる。また、高濃度のゴム状弾性体を含
むゴム変性スチレン系樹脂を上記方法で製造し、別に製
造したゴム状弾性体を含まないか、もしくはゴム状弾性
体含有量の少ないスチレン系重合体と混合することによ
っても達成できる。但し、本発明の構成要件を全て満た
すことは当然のことである。 【0024】この時、重合溶媒、例えばエチルベンゼ
ン、トルエン、キシレン等を用いることも可能である。
又、ポリスチレンの重合に常用されている有機過酸化物
を用いても、又、途中添加してもよい。重合方法はポリ
スチレンの製法で常用されている塊状重合法,溶液重合
が用いられる。回分式重合法、連続式重合法いずれの方
法も用いることができる。 【0025】本発明のスチレン系単量体としては、スチ
レン、α−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、
p−メチルスチレン等が使用できる。これらスチレン系
単量体単独又は混合して使用することもできる。アクリ
ル酸エステル(メタクリル酸エステル)単量体として、
ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、エチルア
クリレート等が使用できる。これらアクリル酸エステル
(メタクリル酸エステル)単量体単独又は混合して使用
できる。 【0026】分散粒子の粒子径の制御は一般的に行われ
ている方法、撹拌羽根の撹拌数を変化させることにより
制御される。又、透明性を維持する方法として、一般的
な方法、例えば、重合途中に必要に応じて単量体を添加
するか、あるいは、連続的に追添加する等の方法が用い
られる。反応機を出た重合溶液は回収系に導かれ、未反
応単量体,重合溶媒等を除去し、ペレット化される。 【0027】本発明で用いられるテルペン系樹脂はゴム
質重合体を溶解した原料溶液に溶解するか、あるいは、
重合途中に加熱溶融状態であるいは溶媒に溶解して添加
するか、あるいは、回収系を出た後、加熱溶融状態で添
加するか、あるいは、ゴム変性スチレン系樹脂とテルペ
ン系樹脂をブレンドし、押出機で溶融混練する方法で添
加することができる。又、ゴム変性スチレン系樹脂とテ
ルペン系樹脂を混合して、フィルム成形時に混合するこ
ともできる。 【0028】未反応単量体及び/又は重合溶媒を回収す
る前又は後の任意の段階でスチレン系樹脂に慣用されて
いる添加剤、例えば帯電防止剤、酸化防止剤、滑剤、可
塑剤、着色剤等を添加できる。 【0029】本発明のブロック共重合体(II)として
は、少なくとも1個のビニル芳香族炭化水素重合体ブロ
ックと少なくとも1個の共役ジエンを主体とする重合体
ブロックとを有するブロック共重合体である。ここで、
共役ジエンを主体を主体とする重合体ブロックとは、共
役ジエンの含有量が50重量%以上、好ましくは70重
量%以上、更に好ましくは90重量%以上の重合体ブロ
ックである。共役ジエンを主体とする重合体ブロック中
に共重合されているビニル芳香族炭化水素は重合体中に
均一に分布していても、又テーパー状に分布していても
よい。 【0030】ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水
素と共役ジエンとの重量比は30:70〜55:45、
好ましくは35:65〜50:50である。ビニル芳香
族炭化水素の含有量が30重量%未満の場合はゴム変性
スチレン系樹脂組成物と混合した時、透明性が著しく低
下する。又、55重量%を越える場合はゴム変性スチレ
ン系樹脂組成物と混合したシートの強度、得に耐折強度
が低く、透明性も低下するので好ましくない。 【0031】本発明で使用するブロック共重合体は下記
一般構造式で示される線状ブロック共重合体 (A−B)n A(B−A)n B(A−B)n (Aはビニル芳香族炭化水素重合体ブロックであり、B
は共役ジエンを主体とする重合体ブロックである。Aブ
ロックとBブロックの境界は必ずしも明瞭に区別される
必要はない。) あるいは、下記一般式で示されるラジアルブロック共重
合体である。 {(B−A)n m+2 X {(A−B)n m+2 X {(B−A)n m+2 X (A,Bは前記と同じであり、Xは例えば四塩化ケイ
素,四塩化スズ等のカップリング剤の残基又は多官能有
機リチウム化合物等の開始剤残基を示す。) 一般式〜におけるnは1ないし4であり、mは1な
いし3である。 【0032】本発明で使用するブロック共重合体に於い
て、ビニル芳香族炭化水素重合体ブロックの数平均分子
量は10000〜70000、好ましくは15000〜
60000である。共役ジエンを主体とする重合体ブロ
ックの数平均分子量は特に制限はないが500〜200
000、好ましくは1000〜100000である。 【0033】本発明で使用するブロック共重合体は基本
的には従来公知の方法で製造でき、例えば、特公昭36
−19286号公報,特公昭43−14979号公報,
特公昭48−2423号公報、特公昭48−4106号
公報、特公昭49−36957号公報等に記載された方
法が挙げられる。 【0034】本発明に於いて、ビニル芳香族炭化水素と
しては、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルス
チレン、p−t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン
等が使用できる。これら単独又は2種類以上混合して使
用してもよい。特に一般的なものとしては、スチレンが
挙げられる。 【0035】又、共役ジエンとしては、1対の共役二重
結合を有するジオレフィンであり、例えば、1,3−ブ
タジエン;2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレ
ン);2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン;1,3
−ペンタジエン;1,3−ヘキサジエン等が使用でき
る。これら単独又は2種類以上混合して使用してもよ
い。特に一般的なものとしては、1,3−ブタジエン、
イソプレンが挙げられる。 【0036】本発明のフィルムの基材樹脂はゴム変性ス
チレン系樹脂組成物(I)とブロック共重合体(II)を
混合することにより得られる。基材樹脂中のブロック共
重合体の量は1〜9重量%、好ましくは1〜8重量%更
に好ましくは1〜7重量%である。ブロック共重合体の
量が1重量%未満の場合は強度補強効果、特に収縮後の
強度が出ず好ましくない。9重量%を越えるとフィルム
の剛性が低下する。又、ブロック共重合体に起因するゲ
ル状物質が多発しフィルム外観を悪化させる。 【0037】本発明のフィルムの基材樹脂はゴム変性ス
チレン系樹脂組成物(I)とブロック共重合体(II)を
混合して得られるが、混合する方法は公知の方法、例え
ば押出機、カレンダーロール、バンバリーミキサー等に
よる混合、又はフィルムを成形する段階で溶融混練する
方法等を用いることができる。 【0038】本発明にかかわる一軸延伸フィルムを作成
するには、前述の基材樹脂を溶融押出して、Tダイ,サ
ーキュラーダイ等、又はバッチ方法の場合は圧縮成形法
等で行えば良く、好ましくはサーキュラーダイ等で連続
的に押出し、一度急冷した原反を作成し、これを再加熱
し、バブル法、又はテンター法で連続的に延伸する。こ
の際の延伸倍率は3〜15倍、好ましくは3〜7倍であ
る。延伸温度は110〜50℃、好ましくは100〜6
0℃である。この温度はテンター等の延伸の場合は延伸
の開始点及び終了点間での変形が大きく行われている場
所での平均温度を表すものとする。 【0039】 【実施例】以下、実施例で詳しく説明するが、これらに
よって限定されるものではない。 【0040】(ゴム変性スチレン系樹脂組成物1)撹拌
機を備えた反応機を2基を直列連結し、その後に二段ベ
ント付き押出機を配置した重合装置を用いてゴム変性ス
チレン系樹脂を製造する。スチレン47.5重量部、ブ
チルアクリレート10.0重量部、メチルメタクリレー
ト33.2重量部、ゴム状弾性体としてB−Sタイプ
(B:ブタジエンブロック,S:スチレンブロック)で
スチレン含有量が38重量%であるゴム状弾性体6.5
重量部、エチルベンゼン2.8重量部、1,1ビス(t
−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.01重量部か
らなる原料溶液を反応機に供給し、重合を行う。得られ
たゴム変性スチレン系樹脂100重量部とテルペン系樹
脂(クリアロンM115)5重量部をブレンドし、単軸
押出機で造粒する。得られたゴム変性スチレン系樹脂組
成物の物性を表1に示す。 【0041】(ゴム変性スチレン系樹脂組成物2)テル
ペン系樹脂を添加しない以外、ゴム変性スチレン系樹脂
組成物1と同様に操作し、ゴム変性スチレン系樹脂組成
物2を得る。物性を表1に示す。 (ゴム変性スチレン系樹脂組成物3)テルペン系樹脂の
添加量が10重量部である以外、ゴム変性スチレン系樹
脂組成物1と同様に操作し、ゴム変性スチレン系樹脂組
成物3を得る。物性を表1に示す。 【0042】(ゴム変性スチレン系樹脂組成物4、5、
6、7)反応機の撹拌数を変化させる以外、ゴム変性ス
チレン系樹脂組成物1と同様に操作し、ゴム変性スチレ
ン系樹脂組成物4、5、6、7を得る。但し、ゴム変性
スチレン系樹脂組成物7のテルペン系樹脂添加量は10
重量部である。物性を表1に示す。 【0043】(ゴム変性スチレン系樹脂組成物8)スチ
レン50.8重量部、ブチルアクリレート10.7重量
部、メチルメタクリレート35.5重量部、エチルベン
ゼン3.0重量部、1,1ビス(t−ブチルパーオキ
シ)シクロヘキサン0.01重量部である原料溶液を供
給し、テルペン系樹脂を添加しない以外、ゴム変性スチ
レン系樹脂組成物1と同様に操作し、ゴム変性スチレン
系樹脂組成物8を得る。物性を表1に示す。 【0044】(ゴム変性スチレン系樹脂組成物9)スチ
レン75.3重量部、ブチルアクリレート12.6重量
部、ゴム変性スチレン系樹脂組成物1で用いたゴム状弾
性体6.5重量部、エチルベンゼン5.6重量部、1,
1ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.0
1重量部である以外、ゴム変性スチレン系樹脂組成物3
と同様に操作し、ゴム変性スチレン系樹脂組成物9を得
る。物性を表1に示す。 【0045】(ゴム変性スチレン系樹脂組成物10)ス
チレン53.3重量部、ブチルアクリレート0.0重量
部、メチルメタクリレート37.4重量部である以外、
ゴム変性スチレン系樹脂組成物9と同様に操作し、ゴム
変性スチレン系樹脂組成物10を得る。物性を表1に示
す。 【0046】(ブロック共重合体1〜4)ポリマー構
造、スチレン含有量を表2に示したようなスチレン−ブ
タジエンブロック共重合体をn−ブチルリチウムを触媒
として重合する。 【0047】実施例1〜7、比較例1〜9 表3に示した割合でゴム変性スチレン系樹脂組成物とブ
ロック共重合体をペレットブレンドした後、押出機でT
ダイより250μmの原反を作成する。比較例9以外は
80℃で、比較例9は100℃で5倍にテンターで横一
軸に低温延伸し、約40μmの延伸フィルムを得た。 【0048】物性を表4−1,4−2に示す。ここで引
っ張り破断強度、伸びはASTM D 882−67に
準じて測定したもので、延伸方向での値を示す。引張弾
性率は、ASTM D 882−67に準じて測定。2
%伸びでの値を100%に換算して測定したもの。HA
ZE値は、ASTM D 1003−52に準じて測
定。80℃収縮率は、熱風中5分間加熱後の線収縮率で
収縮した長さをもとの寸法で割った値の百分率(%);
この場合は延伸方向。収縮応力は、各温度でシリコン浴
中で測定した10秒後の応力値をグラフにプロットして
その曲線のピーク値で表す。 【0049】包装後のクラック性は、屋外の直射日光中
に放置した包装後のサンプル(n=5)の首部,胴体部
のクラック発生の有無を調査したものであり、この場合 ◎:2週間後にも全くどの部分にも発生が認められな
い。 △:2週間後までの間にn=1〜3の首部又は胴体部に
1ケ所認められる。 ×:2週間後までの間にn=1〜4の首部又は胴体部に
2〜3ケ所認められる。 【0050】引裂強度はガラス瓶に収縮フィルムを張り
付け、擦り合わせた時の裂ける状態を観察し使用の可否
をきめる。 ◎:実使用に耐え得るレベル △:実使用に耐え難いレベル フィルム外観はゲル状物質の存在量で判定,美観,印刷
特性等に問題があるか無いかで判定。 ◎:実使用に耐え得るレベル ×:実使用に耐え難いレベル 【0051】 【表1】【0052】 【表2】 【0053】 【表3】【0054】 【表4】 【0055】 【表5】【0056】 【発明の効果】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物
とブロック共重合体から得られた横一軸延伸低温収縮性
フィルムは低温で成形でき、強度,透明性,外観特性に
優れていることが理解できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/00 - 5/24 C08L 1/00 - 101/16

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ゴム状弾性体を分散粒子として含有する
    ゴム変性スチレン系樹脂に於いて (ア)連続相が下記式(A)、 【化1】 (式中、R1 は水素、又はメチル基であり、R2 は水
    素、又は炭素数1〜5のアルキル基である。)下記式
    (B)、及び 【化2】 (式中、R3 は水素、又はメチル基であり、R4 は炭素
    数1〜8のアルキル基である。但し、R3 がメチル基の
    ときは、R4 は炭素数2〜8のアルキル基である。)下
    記式(C) 【化3】 で示される構成単位からなり、構成単位(A)、
    (B)、(C)の割合が (A):20〜70重量% (B):0.5〜20重量% (C):29.5〜79.5重量% (但し、(A)+(B)+(C)=100重量%)であ
    り、 (イ)分散相の分散粒子径が0.1〜1.2μmであ
    り、ゴム状弾性体の含有量が1〜20重量%であるゴム
    変性スチレン系樹脂100重量部当たりテルペン系樹脂
    1〜15重量部からなるゴム変性スチレン系樹脂組成物
    (I)と少なくとも1個のビニル芳香族炭化水素重合体
    ブロックと少なくとも1個の共役ジエンを主体とする重
    合体ブロックを有し、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエ
    ンとの重量比が20:80〜80:20であるブロック
    共重合体(II)からなる樹脂であって、ゴム変性スチレ
    ン系樹脂組成物(I)とブロック共重合体(II)の割合
    が (I) 99〜91重量% (II) 1〜9 重量% である樹脂より形成された少なくとも一軸に延伸した低
    温収縮性フィルム。
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