JP3389073B2 - レーザー印字用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
レーザー印字用エポキシ樹脂組成物Info
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Description
縁被覆表面に鮮明な印字を施すことのできるレーザー印
字用エポキシ樹脂組成物に関するものである。
被覆された電気・電子部品に特性や型番を明示するため
の印字を施す際、熱硬化性や紫外線硬化性のインクが用
いられてきたが、工程の合理化を目的としてより短時間
で印字できる方法が要求されている。
による印字システムがある。このレーザー印字システム
は文字やパターン状にレーザーを照射した部分が熱エネ
ルギーにより変色する、あるいは照射された部分が昇華
し表面粗化され、光の散乱によって文字やパターンが識
別できるというものである。この方法の印字時間は0.
01秒以下であり、従来の熱あるいは紫外線硬化型のイ
ンクが数分〜数10分を必要とするのに比べ大幅に短縮
される。しかし従来のエポキシ樹脂組成物の絶縁被覆に
レーザーを照射した場合、変色が起こらなかったり単に
被覆表面を粗化するのみではコントラストが弱く鮮明な
文字やパターンを印字できないことが多かった。このた
めエポキシ樹脂組成物中にレーザーの熱エネルギーによ
り変色する材料を含有させることが必要となる。
酸化鉄(III)を配合することによりレーザー照射で黄色
地の被覆表面に褐色の文字やパターンを印字できること
が見い出されている(特許第1667789号)。しか
し、水酸化鉄(III)は隠蔽力の強い黄色顔料でもあるた
め黄色や橙色のような色相にしか用いることができず用
途が制限される。そこでこのような色相による制限を受
けない材料として塩基性亜リン酸鉛やシュウ酸銅を用い
る方法が提案された(特開平2−136288号公報,
特開平3−52945号公報)。しかし、塩基性亜リン
酸鉛のような鉛系化合物は、昨今の環境負荷の軽減が強
く要求されていることから、敬遠される傾向にある。シ
ュウ酸銅のような銅系化合物はハロゲン系難燃剤を併用
したエポキシ樹脂組成物では印字後に生成する酸化物が
還元され、文字やパターンの黒さが低下するという短所
をもっている。いずれの材料も一長一短であった。
的特性及び他の諸特性を低下させることがなく、どのよ
うな色相にでも調色でき、鉛系化合物を用いずに耐久性
のある黒系色のレーザー印字を施すことのできるエポキ
シ樹脂組成物を提供することにある。
すことのできる銅系化合物(シュウ酸銅、塩基性炭酸銅
等)及びニッケル系化合物(ギ酸ニッケル、乳酸ニッケ
ル等)の両方を含有することを特徴とするレーザー印字
用エポキシ樹脂組成物に関するものである。以下に本発
明のエポキシ樹脂組成物に銅系化合物とニッケル系化合
物を併用する理由を述べる。
る銅系化合物は加熱により分解して酸化銅となり、青系
色から黒系色に変化する。また、ニッケル系化合物も加
熱により分解し酸化ニッケルになるため、緑系色から黒
系色に変化する。さらに銅系化合物、ニッケル系化合物
とも青系色から緑系色の色相ではあるが、隠蔽力が低い
ため樹脂中に配合しても水酸化鉄(III)のようにその組
成物の色相を制限するようなことはない。従って銅系化
合物やニッケル系化合物はそれぞれ単独で用いても、こ
れらを含有したエポキシ樹脂組成物に対し文字やパター
ン状にレーザーを照射すると樹脂表面がレーザーの熱エ
ネルギーにより加熱され、樹脂中に含有された銅系化合
物やニッケル系化合物が反応を起こし黒色となってかな
りの程度鮮明な印字ができる。
ゲン化エポキシ樹脂等のハロゲン化化合物が難燃剤とし
て含有されているエポキシ樹脂組成物中に銅系化合物を
配合した場合、レーザーの熱エネルギーにより分解した
銅系化合物の酸化が十分に進まず逆に徐々に還元され金
属銅が析出するようになる。これは、その際同時に分解
するハロゲン化化合物から非常に還元性の強いハロゲン
化水素が生成し、酸化銅を還元させるからである。銅化
合物はハロゲン化水素と反応しやすいため還元された金
属銅が錯体を形成していると考えられる。このため印字
された文字やパターンの黒色度合が低下する褪色現象を
起こす。
はどのような金属化合物に対しても働くが、金属により
ハロゲン化水素との反応性が異なるため耐久性に差が生
じる。レーザーの熱エネルギーにより分解・酸化し黒系
色に変化する鉛系以外の金属化合物で銅系化合物より耐
久性のあるものとしてニッケル系化合物が上げられる。
しかし、ニッケル系化合物は銅系化合物や鉛系化合物を
配合した組成物と比べると印字された文字やパターンの
初期の黒色度合が劣る。このためニッケル系化合物のみ
で初期の黒色度合を上げようとすると組成物中の配合量
を増やさなければならない。概してレーザー印字のため
に配合するこのような金属化合物はあまり配合量を増や
すと電気絶縁性の低下を引き起こすため配合量が制限さ
れる。
て印字された文字やパターンの初期の黒色度合を上げ、
その銅系化合物の褪色現象を目立たなくするために耐久
性のあるニッケル系化合物を併用する手法を検討した。
その結果、この2つを併用することにより、難燃剤とし
てハロゲン化化合物が含有されていない場合はもちろん
のこと、ハロゲン化化合物が含有されてるエポキシ樹脂
組成物においても、電気的特性及び他の諸特性を低下さ
せることがなく、どのような色相にでも調色でき鉛系化
合物を用いずに耐久性のある黒系色のレーザー印字を施
すことができることがわかった。
は好ましくは銅系化合物/ニッケル系化合物=2/8〜
5/5である。これは銅系化合物/ニッケル系化合物>
5/5の組成物では褪色現象が目立ち易くなり、逆に銅
系化合物/ニッケル系化合物<2/8の組成物では初期
の黒色度合の低さが目立ち易くなるためである。また銅
系化合物及びニッケル系化合物の合計の配合量は組成物
全体に対して1〜20重量%であることが好ましい。こ
れは含有量が1重量%未満ではレーザーが照射されても
変色する度合が小さいため鮮明な印字とならず、逆に2
0重量%を越えると組成物の電気絶縁性が低下し電子部
品用絶縁材料としての本来の性能を満足しにくくなるた
めである。
ル系化合物の最大粒径は300μm以下であることが好
ましい。これは組成物中に銅系化合物及びニッケル系化
合物を混合分散させると300μmを越える最大粒径で
は電気・電子部品に被覆させた際、表面が斑点状となり
部品の商品価値を低下させるばかりでなく分散が不十分
となりやすく、レーザーが照射されたとき銅系化合物及
びニッケル系化合物が存在しない部分では変色が起こら
ず文字やパターンがとぎれて鮮明な印字ができなくなる
場合があるからである。なお、この最大粒径はマイクロ
トラック(日機装製)やコールターカウンター(日科機
製)等の一般的な粒度分布測定機によって測定できる重
量最大粒径である。このとき、測定対象物が水溶性であ
る場合は非水系で測定する必要がある。
ュウ酸銅、塩基性炭酸銅、酒石酸銅、水酸化銅、グルコ
ン酸銅等があるが、シュウ酸銅、塩基性炭酸銅、酒石酸
銅が好ましい。また、ニッケル系化合物は、ギ酸ニッケ
ル、乳酸ニッケル、炭酸ニッケル、水酸化ニッケル、次
亜リン酸ニッケルであるが、ギ酸ニッケル、乳酸ニッケ
ル、炭酸ニッケルが好ましい。
合には印字の鮮明さを上げるために銅系化合物及びニッ
ケル系化合物を含有するエポキシ樹脂組成物に、さらに
発色助剤としてケイ酸ジルコニウムや亜硫酸カルシウム
等を配合してもよい。これはケイ酸ジルコニウムや亜硫
酸カルシウム等が炭酸ガスレーザー光の波長である1
0.6μm近傍の光をよく吸収するため有効に熱エネル
ギーに変換でき、印字された部分の温度を上げて分解・
酸化反応を促進することができるためである。ただし配
合量としては組成物全体に対して1〜30重量%が好ま
しい。これ未満の配合量では発色助剤としての効果が認
められず、またこれを越える配合量では印字された文字
やパターンがにじみ、かえって鮮明さが失われるからで
ある。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂のようなジグリシジル
エーテル型エポキシ樹脂やフェノールノボラック型エポ
キシ樹脂のようなノボラック型エポキシ樹脂またハロゲ
ン化エポキシ樹脂等特に限定されるものではない。また
本発明に用いられる硬化剤及び硬化促進剤としても酸無
水物、アミン、イミダゾール等特に限定されるものでは
ない。必要により公知の無機充填剤例えばシリカ粉末、
炭酸カルシウム粉末、ケイ酸カルシウム粉末、タルク粉
末、水和アルミナ粉末等を配合してもよい。さらに、本
発明により得られるエポキシ樹脂組成物は銅系化合物及
びニッケル系化合物の色相により青系色から緑系色を呈
しているが、前述のように隠蔽力は低いため赤、青、
黄、白、黒色等の顔料を配合することにより様々な色相
に調色することができる。
の液状、粉体塗料等の粉状、成形材料等の顆粒状いずれ
の状態でもよい。また、製造方法としては例えば粉体塗
料の場合を上げると、所定の割合に秤量した原料成分を
ミキサーで十分混合した後、エキストルーダー、コニー
ダー、ロール等で溶融混練し粉砕機にて粉砕する方法等
がある。このようにして得られた粉体塗料を電気・電子
部品に外装する方法としては流動浸漬法、静電流動浸漬
法、ホットスプレー法、静電スプレー法等がある。注型
材料、成形材料の場合についても公知の技術で製造で
き、絶縁材料として使用できる。
る。下記原料に加え、表1に示したようなレーザー印字
のための発色剤及び発色助剤を所定量配合し、ミキサー
にてブレンド、エクストルーダーにて溶融混練した後に
粉砕機で粉砕することにより平均粒径60〜70μmの
エポキシ樹脂組成物の粉体塗料を調製した。この粉体塗
料の硬化物に炭酸ガスレーザーマーカー(ウシオ電機製
ユニマーク610AGH,エネルギー6J)を用いマス
クを通してレーザー光を照射し、硬化物表面に文字やパ
ターンを印字した。このときの硬化物表面の外観、及び
印字部の初期の黒色度、耐久性、鮮明さを目視により
●,○,△,× の4段階で判定した。●は非常に高い
レベル、○は良いレベル、△は通常のレベル、×は少し
劣るレベルを示している。また硬化物の電気絶縁性を評
価するため煮沸2時間後の体積抵抗率(耐湿性)を J
IS−K6911 に準拠して測定した。それらの結果
を表1の下欄にまとめた。
成物を絶縁被覆材として用いると、電気的特性及び他の
特性を低下させることなくレーザーの照射により樹脂表
面に鮮明でかつ耐久性のある黒色系印字を施すことがで
きる。これによって従来より電気・電子部品の電気的特
性が維持でき、文字やパターンのコントラストが強く耐
久性もある品質の良いレーザー印字が可能となる。
Claims (5)
- 【請求項1】 レーザー照射による発色剤として銅系化
合物及びニッケル系化合物を含有し、前記ニッケル系化
合物が、ギ酸ニッケル、乳酸ニッケル、水酸化ニッケ
ル、炭酸ニッケル、あるいは次亜リン酸ニッケルである
ことを特徴とするレーザー印字用エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項2】 上記銅系化合物及びニッケル系化合物の
併用比率が銅系化合物/ニッケル系化合物=2/8〜5
/5であり、かつその合計の配合量が組成物全体に対し
て1〜20重量%であることを特徴とする請求項1記載
のエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項3】 上記銅系化合物及びニッケル系化合物の
最大粒径が300μm以下であることを特徴とする請求
項1または2記載のエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項4】 銅系化合物が、シュウ酸銅、塩基性炭酸
銅、水酸化銅、グルコン酸銅、酒石酸銅である請求項
1,2または3記載のエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項5】 発色助剤としてケイ酸ジルコニウム及び
又は亜硫酸カルシウムを組成物全体に対して1〜30重
量%含有させることを特徴とする請求項1、2、3また
は4記載のエポキシ樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25385097A JP3389073B2 (ja) | 1997-09-18 | 1997-09-18 | レーザー印字用エポキシ樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25385097A JP3389073B2 (ja) | 1997-09-18 | 1997-09-18 | レーザー印字用エポキシ樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1192632A JPH1192632A (ja) | 1999-04-06 |
JP3389073B2 true JP3389073B2 (ja) | 2003-03-24 |
Family
ID=17257009
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25385097A Expired - Lifetime JP3389073B2 (ja) | 1997-09-18 | 1997-09-18 | レーザー印字用エポキシ樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3389073B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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GB0511096D0 (en) * | 2005-05-31 | 2005-07-06 | Sherwood Technology Ltd | Laser imaging |
CN114456585B (zh) * | 2021-12-31 | 2024-03-01 | 江苏金发科技新材料有限公司 | 一种长期耐热聚酰胺组合物及其制备方法 |
-
1997
- 1997-09-18 JP JP25385097A patent/JP3389073B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH1192632A (ja) | 1999-04-06 |
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