JP3388990B2 - 不飽和ポリエステル樹脂用の耐加水分解安定剤及び該耐加水分解安定剤による不飽和ポリエステル樹脂の耐加水分解安定化方法 - Google Patents

不飽和ポリエステル樹脂用の耐加水分解安定剤及び該耐加水分解安定剤による不飽和ポリエステル樹脂の耐加水分解安定化方法

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JP3388990B2 JP08736696A JP8736696A JP3388990B2 JP 3388990 B2 JP3388990 B2 JP 3388990B2 JP 08736696 A JP08736696 A JP 08736696A JP 8736696 A JP8736696 A JP 8736696A JP 3388990 B2 JP3388990 B2 JP 3388990B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は不飽和ポリエステル
樹脂用の耐加水分解安定剤及び不飽和ポリエステル樹脂
の耐加水分解安定化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】不飽和ポリエステル樹脂は、塗料、化粧
板、工業機材、住宅器材や船舶等のさまざまな方面にお
いて著しい発展を見せていて、更に、この不飽和ポリエ
ステル樹脂をガラス繊維で強化した強化プラスチックス
(FRP)は、その引っ張り強さ、衝撃強さが金属材料
のそれに勝とも劣らないほど強く、成型もハンドレイア
ップ、スプレイアップ、シールドモールディングコンパ
ウンド(SMC)プレスやバルクモールディングコンパ
ウンド(BMC)プレス等の多種多様な方法の利用が可
能であるという優れた素材である。
【0003】しかしながら、不飽和ポリエステル樹脂
は、エステル結合を分子内に数多く含有しているため、
高温や多湿等の過酷な条件下での長期にわたる使用で
は、エステル結合の湿気による加水分解のために分子量
が低下するばかりか、加水分解のために生じた酸性のカ
ルボキシル基が更にエステル結合の加水分解を促進する
ため、強度が低下したり、更に、強度が低下することに
より、樹脂硬化時に発生した歪みに樹脂自体が抗するこ
とができなくなり、クラックや更なる強度の低下を引き
起こすという問題のあることが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような物性の劣化
を防ぐため、不飽和ポリエステル樹脂の成型時にオキサ
ゾリンやエポキシ等を混合し、加水分解で生じたカルボ
キシル基をトラップし、更なる加水分解の進行を防止す
る試みがなされているが、これらオキサゾリンやエポキ
シ等は、反応性に乏しく、不飽和ポリエステルのカルボ
キシル基を十分にトラップできないため、加水分解安定
効果が著しく低い。
【0005】又、耐加水分解性を向上させようとして、
不飽和ポリエステル樹脂に対しオキサゾリンやエポキシ
等を多量に使用すると、それらが不飽和ポリエステル樹
脂に対する可塑効果を示し、不飽和ポリエステル樹脂の
物性を著しく低下させるため、その使用量には限度があ
るばかりか、その限度は著しく低い。
【0006】本発明は、上記のような従来技術の難点を
解消し、不飽和ポリエステル樹脂に高い耐加水分解性を
付与することのできる不飽和ポリエステル樹脂用の耐加
水分解安定剤、及び、この耐加水分解安定剤を使用した
不飽和ポリエステル樹脂の耐加水分解安定化方法を提供
することを目的としてなされた。
【0007】
【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するた
めに本発明が採用した不飽和ポリエステル樹脂用の耐加
水分解安定剤の構成は、式 R‐NCN‐R (1) (式中、R、Rは同一でも異なっていてもよく、
素数1乃至4の低級アルキル基、シクロヘキシル基、フ
ェニル基又は2,6‐ジイソプロピルフェニル基を表
す。)で表されるカルボジイミド化合物、又は、式 OCN‐R‐(NCN‐R)n‐NCO (2) (式中、R、Rは同一でも異なっていてもよく、
4,4’ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テ
トラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネート、2,4,6‐トリイソプロピルフェニ
ルジイソシアネート、4,4’‐ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、トリジンジイソシアネートからイソシア
ネートを除いた残基を、nは1〜50の整数を表す。)
で表されるカルボジイミド化合物、又は、式 R‐NCN‐R‐(NCN‐R)n‐NCN‐R (3) (式中、R、Rは同一でも異なっていてもよく、
4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、
テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、2,4,6‐トリイソプロピルフェ
ニルジイソシアネート、4,4’‐ジフェニルメタンジ
イソシアネート、トリジンジイソシアネートからイソシ
アネートを除いた残基を、R、Rは同一でも異なっ
ていてもよく、低級アルキル基、シクロヘキシル基、フ
ェニル基又は2,6‐ジイソプロピルフェニル基を、n
は1〜50の整数を表す。)で表されるカルボジイミド
化合物、又は、式 R‐X‐R‐(NCN‐R)n‐X‐R (4) (式中、R、Rは同一でも異なっていてもよく、
4,4’‐ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、
テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、2,4,6−トリイソプロピルフェ
ニルジイソシアネート、4,4’‐ジフェニルメタンジ
イソシアネート、トリジンジイソシアネートからイソシ
アネートを除いた残基を、R、Rは同一でも異なっ
ていてもよく、アルコール又はアミンから水酸基又はア
ミノ基を除いた残基を、Xはイソシアネートとアルコー
ル又はアミンが反応して形成された結合を、nは1〜5
0の整数を表す。)で表されるカルボジイミド化合物を
主成分とすることを特徴とするものであり、又、同様に
上記目的を達成するために本発明が採用した不飽和ポリ
エステル樹脂の耐加水分解安定化方法の構成は、 ‐NCN‐R (1) (式中、R 、R は同一でも異なっていてもよく、低
級アルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基又は2,
6‐ジイソプロピルフェニル基を表す。)で表されるカ
ルボジイミド化合物、又は、式 OCN‐R ‐(NCN‐R )n‐NCO (2) (式中、R 、R は同一でも異なっていてもよく、
4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、
テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、2,4,6‐トリイソプロピルフェ
ニルジイソシアネート、4,4’‐ジフェニルメタンジ
イソシアネート、トリジンジイソシアネートからイソシ
アネートを除いた残基を、nは1〜50の整数を表
す。)で表されるカルボジイミド化合物、又は、式 ‐NCN‐R ‐(NCN‐R )n‐NCN‐R (3) (式中、R 、R は同一でも異なっていてもよく、
4,4’‐ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、
テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、2,4,6‐トリイソプロピルフェ
ニルジイソシアネート、4,4’‐ジフェニルメタンジ
イソシアネート、トリジンジイソシアネートからイソシ
アネートを除いた残基を、R 、R は同一でも異なっ
ていてもよく、低級アルキル基、シクロヘキシル基、フ
ェニル基又は2,6‐ジイソプロピルフェニル基を、n
は1〜50の整数を表す。)で表されるカルボジイミド
化合物、又は、式 ‐X‐R ‐(NCN‐R )n‐X‐R (4) (式中、R 、R は同一でも異なっていてもよく、
4,4’‐ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、
テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、2,4,6‐トリイソプロピルフェ
ニルジイソシアネー ト、4,4’‐ジフェニルメタンジ
イソシアネート、トリジンジイソシアネートからイソシ
アネートを除いた残基を、R 、R は同一でも異なっ
ていてもよく、アルコール又はアミンから水酸基又はア
ミノ基を除いた残基を、Xはイソシアネートとアルコー
ル又はアミンが反応して形成された結合を、nは1〜5
0の整数を表す。)で表されるカルボジイミド化合物の
いずれか或いは複数種類を、不飽和ポリエステル樹脂に
混合することを特徴とする ものである。
【0008】
【発明の実施の態様】以下に本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明の不飽和ポリエステル樹脂用の耐加
水分解安定剤は、分子中にカルボジイミド結合を有する
カルボジイミド化合物を主成分とするが、このカルボジ
イミド化合物としては、まず、式 R1−NCN−R2 (1) で表されるものを挙げることができる。
【0010】上記式(1)中のR1、R2は、同一でも異
なっていてもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、
n−、sec−或いはter−ブチル基を含む低級アル
キル基、シクロヘキシル基、フェニル基又は2,6−ジ
イソプロピルフェニル基を表しており、このようなカル
ボジイミド化合物は、例えばシクロヘキシルイソシアネ
ートや2,6−ジイソプロピルフェニルイソシアネート
等から、後述するカルボジイミド化反応により合成する
ことができる。
【0011】本発明の耐加水分解安定剤で使用するカル
ボジイミド化合物としては、更に、式 OCN−R3−(NCN−R4)n−NCO (2) で表されるものを挙げることができ、このカルボジイミ
ド化合物において、式中のR3、R4は同一でも異なって
いてもよく、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソ
シアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、2,4,6−トリイ
ソプロピルフェニルジイソシアネート、4,4’−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネ
ートからイソシアネートを除いた残基を、nは1〜50
の整数を表している。
【0012】上記式(2)で表されるカルボジイミド化
合物は、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシア
ネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート、2,4,6−トリイソプロ
ピルフェニルジイソシアネート、4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネートか
ら、やはり後述するカルボジイミド化反応により合成す
ることができる。
【0013】本発明では、上記式(2)で表される、末
端にイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物の
当該末端をモノイソシアネートで封止し、式、 R5−NCN−R3−(NCN−R4)n−NCN−R6 (3) で表される化合物としたものを使用することもできる。
【0014】上記式(3)中のR、Rは上記の通リ
であり、又、R、RはR、Rと同様に同一でも
異なっていてもよく、炭素数1乃至4の低級アルキル
基、シクロヘキシル基、フェニル基又は2,6‐ジイソ
プロピルフェニル基を、nは1〜50の整数を表わして
いる。
【0015】即ち、末端のイソシアネート基を封止する
モノイソシアネートとしては、メチルイソシアネート、
エチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、n
−、sec−或いはter−ブチルイソシアネートを含
む低級アルキルイソシアネート、シクロヘキシルイソシ
アネート、フェニルイソシアネート又は2,6−ジイソ
プロピルフェニル基イソシアネートを挙げることができ
るのである。
【0016】同様に、本発明では、上記式(2)で表さ
れる、末端にイソシアネート基を有するカルボジイミド
化合物の当該末端をアルコール又はアミンで封止し、、
式 R7−X−R3−(NCN−R4)n−X−R8 (4) で表される化合物としたものを使用することもできる。
【0017】上記式(4)中のR3、R4は上記の通りで
あり、又、R7、R8は同一でも異なっていてもよく、ア
ルコール又はアミンから水酸基又はアミノ基を除いた残
基を、Xはイソシアネートとアルコール又はアミンが反
応して形成された結合を、nは1〜50の整数を表して
いる。
【0018】尚、末端のイソシアネート基を封止するア
ルコールとしては、シクロヘキサノール、ポリエチレン
グリコールモノメチルエーテルを、又、末端のイソシア
ネート基を封止するアミンとしては、シクロヘキシルア
ミン、n−ブチルアミン、ジブチルアミンやジシクロヘ
キシルアミンを例示することができる。
【0019】而して、本発明で使用する上記のようなカ
ルボジイミド化合物(1)乃至(4)は、上記説明をし
た原料化合物から、カルボジイミド化触媒を使用した反
応により、合成することができる。
【0020】上記カルボジイミド化触媒としては、有機
リン系化合物が好適であり、特に活性の面でフォスフォ
レンオキシド類が好ましい。具体的には、3−メチル−
1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド、3
−メチル−1−エチル−2−フォスフォレン−1−オキ
シド、1,3−ジメチル−2−フォスフォレン−1−オ
キシド、1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキ
シド、1−エチル−2−フォスフォレン−1−オキシ
ド、1−メチル−2−フォスフォレン−1−オキシド及
びこれらの二重結合異性体を例示することができ、中で
も工業的に入手の容易な3−メチル−1−フェニル−2
−フォスフォレン−1−オキシドが特に好ましい。
【0021】前記カルボジイミド化は、従来より知られ
ている方法により行うことができ、例えば、原料(ジ)
イソシアネートを、それらに対し不活性な溶媒の存在下
又は不存在下で、窒素等の不活性気体の気流下又はバブ
リング下、上記触媒を全イソシアネートに対し0.1〜
10重量%(経済的理由を無視すれば、触媒量を増加さ
せることももちろん可能である)、好ましくは0.5〜
5重量%加え、120〜200℃の反応温度範囲内で加
熱及び撹拌することにより、脱二酸化炭素を伴う縮合反
応を進めればよい。
【0022】上記反応の反応時間は、反応温度、触媒種
や量等により変化するが、上記式(1)で表される化合
物を得るための反応の終了は、赤外線吸収スペクトルに
おいて、2258cm-1に観察されるイソシアネート基
の吸収が消失することにより確認することができ、又、
上記式(2)乃至(4)で表される化合物については、
赤外線吸収スペクトルや滴定法により重合度を計算し、
更に必要に応じ、計算された末端イソシアネート基に対
して当量の末端封止剤を加えればよい。
【0023】尚、上記式(3)及び(4)で表される化
合物については、使用する末端封止剤が低分子量のもの
である場合は、原料であるジイソシアネートに末端封止
剤を加えて重合させ、反応の終了を赤外線吸収スペクト
ルにおけるイソシアネート基の吸収が消失することによ
り確認しても良いが、上記のように先にカルボジイミド
化合物を合成し、このカルボジイミド化合物に対し末端
封止剤を加えた方が、重合度の管理が困難ではあるもの
の、反応時間を短縮することができ、好都合である。
【0024】又、上記式(2)乃至(4)における平均
重合度を表すnは、1乃至50の整数を表すものであ
り、それらのカルボジイミド化合物が平均重合度50を
大きく超えるまでに重合すると、合成に時間がかかるば
かりか、粘度が上昇し、そのために不飽和ポリエステル
樹脂への混合が困難となってしまう点から好ましくな
い。
【0025】本発明の不飽和ポリエステル樹脂用の耐加
水分解安定剤は、以上のようなカルボジイミドを主成分
とするが、実際の使用には、上記カルボジイミドを単一
成分として使用しても、或いは適宜の助剤を併用しても
よい。
【0026】又、本発明の不飽和ポリエステル樹脂用の
耐加水分解安定化方法は、上記カルボジイミドを主成分
とする耐加水分解安定剤を、不飽和ポリエステル樹脂に
混合するものであるが、その混合方法にも特に制限はな
く、適宜の方法を採用することができる。
【0027】尚、本発明の不飽和ポリエステル樹脂用の
耐加水分解安定剤の添加割合としては、不飽和ポリエス
テル樹脂に対して0.01〜20重量%、好ましくは
0.5〜10重量%という範囲を例示することができ、
本発明の不飽和ポリエステル樹脂用の耐加水分解安定剤
の添加割合が0.1重量%未満では、その添加効果が発
揮されず、逆に20重量%を超えると、樹脂の硬化が妨
げられ、望ましい硬化物が得られなくなってしまう。
【0028】勿論、本発明の不飽和ポリエステル樹脂用
の耐加水分解安定剤は、その主成分であるカルボジイミ
ド化合物が異なるものを、複数種類併用しても良い。
【0029】尚、本発明の不飽和ポリエステル樹脂用の
耐加水分解安定剤の主たる成分であるカルボジイミド化
合物として、分子内のカルボジイミド基の数の多いもの
を使用すれば、更に耐加水分解性を向上させることがで
きる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。
【0031】表1乃至表3に示す組成及び条件で、カル
ボジイミド化合物1乃至110を合成した。尚、表1乃
至表3中の省略表示は、以下のような意味を有してい
る。 イソシアネートについて CHI:シクロヘキシルイソシアネート DII:2,6ージイソプロピルフェニルイソシアネー
ト HMDI:4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイノシ
アネート IPDI:イソホロンジイソシアネート TMXDI:テトラメチルキシリレンジイソシアネート TIDI:2,4,6−トリイソプロピルペニルジイソ
シアネート MDI:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート TODI:トリジンジイソシアネート 封止剤について CHI:シクロヘキシルイソシアネート n−Bu:n−ブチルイソシアネート DII:2,6ージイソプロピルフェニルイソシアネー
ト Ph:フェニルイソシアネート CHA:シクロヘキシルアミン CHOH:シクロヘキサノール PEG8:ポリエチレングリコールモノメチルエーテル
(エチレン基数=8) n−BuA:n−ブチルアミン DBA:ジブチルアミン DCA:ジシクロヘキシルアミン
【0032】又、触媒は3−メチル−1−フェニル−2
−フォスフォレン−1−オキシドであり、反応条件の欄
の数字は、反応温度(℃)−反応時間(時間)を表して
いる。
【0033】その他の欄において、モノカルボジイミド
は蒸留により単離したため、沸点を記載してあり、ポリ
カルボジイミド化合物19〜22、37〜42、89〜
94、97〜105における「Perclene/SP」の表示
は、反応をパークレン溶媒(原料イソシアネートの20
%)で行い、得られたスラリーをスプレイドライ(S
P)で乾燥させたことを、ポリカルボジイミド化合物4
9、50、57、58、65、66、82及び83にお
ける「重合後に末端封止」の記載は、カルボジイミド化
合物を所定の長さまで重合し、それに末端封止剤を13
0℃、3時間で反応させたことを示している。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】実施例1 日立化成工業(株)製の不飽和ポリエステル樹脂(商品
名:ポリセット5595PT−L)100gに、本発明
の不飽和ポリエステル樹脂用の耐加水分解安定剤として
のカルボジイミド化合物1乃至110の1gと、硬化剤
としてMEKP(メチルエチルケトンパーオキサイド)
とBPO(過酸化ベンゾイル)を1gを加え、メカニカ
ル撹拌機によりすばやく混合し、短冊状の型に注入し、
25℃で30分硬化させ、ゲル化後、50℃で20時間
キュアしたものを試験サンプルとした。
【0038】実施例2 本発明の不飽和ポリエステル樹脂用の耐加水分解安定剤
としてのカルボジイミド化合物1乃至110を2gとし
た以外は、実施例1と同様にして、試験サンプルを得
た。
【0039】実施例3 武田薬品工業(株)製の不飽和ポリエステル樹脂(商品
名:ポリマール6316)100gに、本発明の不飽和
ポリエステル樹脂用の耐加水分解安定剤としてのカルボ
ジイミド化合物1乃至110の1gと、硬化剤としてB
PO(過酸化ベンゾイル)を1gを加え、メカニカル撹
拌機によりすばやく混合し、短冊状の型に注入し、25
℃で30分硬化させ、ゲル化後、80℃で10時間キュ
アしたものを試験サンプルとした。
【0040】実施例4 本発明の不飽和ポリエステル樹脂用の耐加水分解安定剤
としてのカルボジイミド化合物1乃至110を2gとし
た以外は、実施例3と同様にして、試験サンプルを得
た。
【0041】比較例 本発明の不飽和ポリエステル樹脂用の耐加水分解安定剤
としてのカルボジイミド化合物を加えず、同様に試験片
を作製した。
【0042】評価 得られた試験片を95℃の水中に浸漬し、100時間後
の外観の膨れ及びクラックの発生を目視で確認したとこ
ろ、本発明の不飽和ポリエステル樹脂用の耐加水分解安
定剤としてのカルボジイミド化合物を添加したものは全
て膨れが無く、比較例による試験片にはすべて膨れがあ
った。
【0043】
【発明の効果】このように、本発明の不飽和ポリエステ
ル樹脂用の耐加水分解安定剤は、不飽和ポリエステル樹
脂に対し高い耐加水分解性を付与することができ、又、
この耐加水分解安定剤を使用する本発明の不飽和ポリエ
ステル樹脂の耐加水分解安定化方法は、簡便に実施をす
ることができ、共に優れたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山根 武 東京都足立区西新井栄町1−18−1 日 清紡績株式会社東京研究センター内 (56)参考文献 特開 平8−59303(JP,A) 特開 平8−27092(JP,A) 特開 平6−192206(JP,A) 特開 平5−178953(JP,A) 特開 平5−4957(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/06 - 67/07

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 R‐NCN‐R (1) (式中、R、Rは同一でも異なっていてもよく、
    素数1乃至4の低級アルキル基、シクロヘキシル基、フ
    ェニル基又は2,6‐ジイソプロピルフェニル基を表
    す。)で表されるカルボジイミド化合物を主成分とする
    ことを特徴とする不飽和ポリエステル樹脂用の耐加水分
    解安定剤。
  2. 【請求項2】 式 OCN‐R‐(NCN‐R)n‐NCO (2) (式中、R、Rは同一でも異なっていてもよく、
    4,4’‐ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、
    テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロン
    ジイソシアネート、2,4,6‐トリイソプロピルフェ
    ニルジイソシアネート、4,4’‐ジフェニルメタンジ
    イソシアネート、トリジンジイソシアネートからイソシ
    アネートを除いた残基を、nは1〜50の整数を表
    す。)で表されるカルボジイミド化合物を主成分とする
    ことを特徴とする不飽和ポリエステル樹脂用の耐加水分
    解安定剤。
  3. 【請求項3】 式 R‐NCN‐R‐(NCN‐R)n‐NCN‐R (3) (式中、R、Rは同一でも異なっていてもよく、
    4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、
    テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロン
    ジイソシアネート、2,4,6−トリイソプロピルフェ
    ニルジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジ
    イソシアネート、トリジンジイソシアネートからイソシ
    アネートを除いた残基を、R、Rは同一でも異なっ
    ていてもよく、炭素数1乃至4の低級アルキル基、シク
    ロヘキシル基、フェニル基又は2,6‐ジイソプロピル
    フェニル基を、nは1〜50の整数を表す。)で表され
    るカルボジイミド化合物を主成分とすることを特徴とす
    る不飽和ポリエステル樹脂用の耐加水分解安定剤。
  4. 【請求項4】 式 R‐X‐R‐(NCN‐R)n‐X‐R (4) (式中、R、Rは同一でも異なっていてもよく、
    4,4’‐ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、
    テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロン
    ジイソシアネート、2,4,6‐トリイソプロピルフェ
    ニルジイソシアネート、4,4’‐ジフェニルメタンジ
    イソシアネート、トリジンジイソシアネートからイソシ
    アネートを除いた残基を、R、Rは同一でも異なっ
    ていてもよく、アルコール又はアミンから水酸基又はア
    ミノ基を除いた残基を、Xはイソシアネートとアルコー
    ル又はアミンが反応して形成された結合を、nは1〜5
    0の整数を表す。)で表されるカルボジイミド化合物を
    主成分とすることを特徴とする不飽和ポリエステル樹脂
    用の耐加水分解安定剤。
  5. 【請求項5】 式 R‐NCN‐R (1) (式中、R、Rは同一でも異なっていてもよく、低
    級アルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基又は2,
    6‐ジイソプロピルフェニル基を表す。)で表されるカ
    ルボジイミド化合物、又は、式 OCN‐R‐(NCN‐R)n‐NCO (2) (式中、R、Rは同一でも異なっていてもよく、
    4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、
    テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロン
    ジイソシアネート、2,4,6‐トリイソプロピルフェ
    ニルジイソシアネート、4,4’‐ジフェニルメタンジ
    イソシアネート、トリジンジイソシアネートからイソシ
    アネートを除いた残基を、nは1〜50の整数を表
    す。)で表されるカルボジイミド化合物、又は、式 R‐NCN‐R‐(NCN‐R)n‐NCN‐R (3) (式中、R、Rは同一でも異なっていてもよく、
    4,4’‐ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、
    テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロン
    ジイソシアネート、2,4,6‐トリイソプロピルフェ
    ニルジイソシアネート、4,4’‐ジフェニルメタンジ
    イソシアネート、トリジンジイソシアネートからイソシ
    アネートを除いた残基を、R、Rは同一でも異なっ
    ていてもよく、低級アルキル基、シクロヘキシル基、フ
    ェニル基又は2,6‐ジイソプロピルフェニル基を、n
    は1〜50の整数を表す。)で表されるカルボジイミド
    化合物、又は、式 R‐X‐R‐(NCN‐R)n‐X‐R (4) (式中、R、Rは同一でも異なっていてもよく、
    4,4’‐ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、
    テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロン
    ジイソシアネート、2,4,6‐トリイソプロピルフェ
    ニルジイソシアネート、4,4’‐ジフェニルメタンジ
    イソシアネート、トリジンジイソシアネートからイソシ
    アネートを除いた残基を、R、Rは同一でも異なっ
    ていてもよく、アルコール又はアミンから水酸基又はア
    ミノ基を除いた残基を、Xはイソシアネートとアルコー
    ル又はアミンが反応して形成された結合を、nは1〜5
    0の整数を表す。)で表されるカルボジイミド化合物の
    いずれか或いは複数種類を、不飽和ポリエステル樹脂に
    混合することを特徴とする不飽和ポリエステル樹脂の耐
    加水分解安定化方法。
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