JP2536382B2 - 耐熱性、耐衝撃性に優れた熱硬化性樹脂を与えうるポリオ−ル組成物 - Google Patents

耐熱性、耐衝撃性に優れた熱硬化性樹脂を与えうるポリオ−ル組成物

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JP2536382B2 JP5039697A JP3969793A JP2536382B2 JP 2536382 B2 JP2536382 B2 JP 2536382B2 JP 5039697 A JP5039697 A JP 5039697A JP 3969793 A JP3969793 A JP 3969793A JP 2536382 B2 JP2536382 B2 JP 2536382B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐熱性、耐衝撃性に優れ
た熱硬化性樹脂を与えうるポリオ−ル組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオ−ルまたはポリオ−ル組成物はポ
リイソシアネ−トとの反応によりポリウレタン樹脂を生
成する。このポリウレタン樹脂は、一般に可塑性及び耐
摩耗性、耐薬品性、接着性に優れた物性を有しているこ
とから、成形材料や構造用接着材料や塗料材料として広
く使用されており、特に、注型成形用樹脂として、金型
をおこすことなく、常圧、もしくは真空下で、注型成形
法によって短期間、低コストにて開発試作品を製作する
のに用いられている。
【0003】この方法で得られたポリウレタン樹脂成形
物は十分な剛性を有し、形状見本としては使えるものの
靱性が低いため構造設計の評価や実装試験には不十分で
ある。
【0004】このような従来のポリオ−ルまたはポリオ
−ル組成物を用いる場合には、高分子ポリエ−テルポリ
オ−ルの導入量を多くすればアイゾット衝撃値は高くな
るが剛性が低下し著しい変形を起こし易くなり、また、
高分子ポリエ−テルポリオ−ルの導入量を少なくすれば
剛性はよくなるがアイゾット衝撃値は低下する。
【0005】従来の技術としては、例えば、特願平成03
-246039記載のポリオ−ル組成物がある。従来の(剛性
が十分でかつアイゾット衝撃値が高いポリウレタン樹脂
を与えうる)ポリオ−ル組成物は、平均粒径が0.1〜10
μmのポリユリア系ゴム状物質とポリオ−ルよりなり、
この合計に対する該ポリユリア系ゴム状物質の含有量が
2〜35重量%である。
【0006】ポリウレタン樹脂の多くの用途では剛性、
靱性だけでなく、更に耐熱性を向上させたものの開発が
強く望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術は(ポリウ
レタン樹脂の耐熱性を向上させるためにはポリオ−ルと
して低分子量ポリオ−ルを主体に使用する)、ポリユリ
ア系ゴム状物質の粒子の分散安定性が悪くなる傾向にあ
り使いにくいという欠点があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は平均粒径が0.1
〜10μmのポリユリア系ゴム状物質とポリオ−ルを含有
し、この合計に対する該ポリユリア系ゴム状物質の含有
量が2〜35重量%であるポリオ−ル組成物において、ポ
リオ−ル中にビスヒドロキシアルキルテレフタレ−ト
(BHATとする)が0.1〜40重量%を占めることを特
徴とするポリオ−ル組成物である。
【0009】本発明におけるポリユリア系ゴム状物質と
は主鎖にユリア結合をもつゴム状物質を意味する。
【0010】ポリユリア系ゴム状物質とポリオ−ルの合
計に対するポリユリア系ゴム物質の組性割合は重量%で
2%以上35%以内の範囲内で、好ましくは5%以上15%以
内の範囲内で存在させることで、靱性と剛性のバランス
のとれた物性を与えることができ、2%未満では衝撃強
度が、又、35%を超えると剛性が不十分となる。又、ポ
リユリア系ゴム状物質の平均粒径が0.1μm以上10μm
以内の範囲内で、好ましくは0.25μm以上5μm以内の
範囲内で存在させることで、靱性と剛性のバランスのと
れた物性を与えることができ、平均粒径が0.1 μm未満
では衝撃強度が、又、10μmを越えると剛性と衝撃強度
が不十分となる。
【0011】本発明のポリオ−ル組成物に用いられるポ
リオ−ル中のBHATの割合は重量%で0.1 %から40%
の範囲内で、好ましくは1%以上20%以内の範囲で存在
させることで、剛性、衝撃強度とともに耐熱性の優れた
物性を与えることができる。0.1%未満では耐熱性が不
十分となり、40%を越えるとポリユリア系ゴム状物質を
含むポリオ−ル組成物を分散安定性のよい状態で得るこ
とが困難となり、耐衝撃強度が不十分となる。
【0012】本発明におけるポリオ−ル組成物を製造す
る方法の好ましい一例としては、ポリオ−ルとポリイソ
シアネ−ト(ポリイソシアネ−トAとする)を混合攪拌
して、部分的に反応させた後、前記ポリイソシアネ−ト
と同じかまたは異なるポリイソシアネ−ト(ポリイソシ
アネ−トBとする)並びにゴム形成性ポリアミンを添加
し、攪拌しながら粒子状のポリユリア系ゴム状物質を形
成させる例を挙げることができる。
【0013】ここで、ポリオ−ルのヒドロキシル基を10
0モル%としたとき、ポリイソシアネ−トAの使用量
は、通常0.5〜40モル%、好ましくは10〜30モル%のイソ
シアネ−ト基を持つ量を用いる。
【0014】これは0.5〜40モル%の範囲ではポリユリ
ア系ゴム状物質を安定に得易いからである。そして、ポ
リオ−ルとポリイソシアネ−トAを部分的に反応させる
割合は、ポリイソシアネ−トAのイソシアネ−ト基のう
ち、通常10〜90%好ましくは20〜80%を反応させる(こ
れは10〜90%の範囲ではポリユリア系ゴム状物質の粒子
を安定に得やすいからである)。そのあと添加するゴム
形成性ポリアミンとポリイソシアネ−トBの添加量は前
記したポリイソシアネ−トAの未反応イソシアネ−ト基
とポリイソシアネ−トBのイソシアネ−ト基の合計に対
するゴム形成性ポリアミンの持つアミノ基の割合が通常
60〜150モル%好ましくは70〜130モル%に相当するよう
に設定する。これは前記アミノ基の割合で60〜150モル
%の範囲で用いると最終使用の段階で、高い剛性とアイ
ゾット衝撃強度及び耐熱性が得られる為である。
【0015】なお、ポリイソシアネ−トAの添加方法は
通常一括添加法が好ましく、又、ポリイソシアネ−トB
並びにゴム形成性ポリアミンの添加方法は一括添加の
他、回分添加、連続添加の方法もある。ポリオ−ルの添
加方法についてはその一部を反応初期から用い、残部を
回分添加、連続添加にすることも可能である。
【0016】本発明で使用されるポリオ−ルは、例えば
低分子ポリオ−ル、ポリエ−テルポリオ−ル、ポリエス
テルポリオ−ル、その他のポリオ−ルの如きアルコ−ル
性ヒドロキシ基を2ケ以上有する化合物である。
【0017】本発明において、ポリオ−ルの一成分とし
てビスヒドロキシエチルテレフタレ−ト(BHET)、
ビスヒドロキシプロピルテレフタレ−ト(BHPT)の
如きビスヒドロキシアルキルテレフタレ−ト(BHA
T)が必須成分であり、その他のポリオ−ルとしては、
例えば、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、
ジプロピレングリコ−ル、1、4-ブタンジオ−ル、1、6-ヘ
キサンジオ−ル、1、2、6-ヘキサントリオ−ル、ジグリセ
リン、ブチルビスヒドロキシエチルアミンの如き低分子
ポリオ−ル、ポリオキシエチレンジオ−ル、ポリオキシ
プロピレンジオ−ル、ポリオキシプロピレントリオ−
ル、ポリオキシテトラメチレンジオ−ル、ポリオキシエ
チレンポリオキシプロピレンブロックコポリマ−のジオ
−ル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンランダ
ムコポリマ−のジオ−ルの如きポリエ−テルポリオ−
ル、ポリテトラメチレンアジペ−トジオ−ル、ポリジエ
チレンアゼレ−トジオ−ル、ポリオキシトリメチルヘキ
サメチレンテレフタレ−トやポリオキシプロピレンイソ
フタレ−トのジオ−ル、ポリカプロラクトンジオ−ルの
如きポリエステルポリオ−ル、ポリオキシカルボニルオ
キシヘキサメチレンジオ−ル、ポリトリメチルヘキサメ
チレンヘキサメチレンジウレタンジオ−ル等が使用され
る。
【0018】本発明に用いられるポリオ−ルの一部とし
て、分子量が160〜35000の範囲にある如きポリオキシア
ルキレンポリオ−ルを使用するのが好ましい。この場
合、このようなポリオキシアルキレンポリオ−ルの使用
量はポリオ−ル中20〜90重量%の範囲が好ましい。これ
はこの範囲以外では分散安定性が低下する傾向があるた
めである。
【0019】本発明に用いられるポリオ−ルの一部とし
て、分子量3000以上のポリオキシアルキレンポリオ−ル
を使用することが衝撃強度の点から好ましい。この場
合、アイゾット衝撃強度20kgcm/cm以上のポリウレタン
樹脂を得ることも可能である。
【0020】本発明に用いられるポリオ−ルとしては、
耐熱性、衝撃強度の上から、特にジオ−ルとヒドロキシ
基3個以上を有するポリオ−ルを併用するのが好まし
い。
【0021】ポリイソシアネ−トA及びポリイソシアネ
−トBは同じであっても、異なってもよい。例えば、代
表的なものを挙げれば、2、4-トルエンジイソシアネ−
ト、2、6-トルエンジイソシアネ−ト、ジフェニルメタン
ジイソシアネ−ト(MDI)、トリフェニルメタントリ
イソシアネ−トの如き芳香族ポリイソシアネ−ト、メタ
キシレンジイソシアネ−ト、パラキシレンジイソシアネ
−トの如き芳香脂肪族ポリイソシアネ−ト、イソホロン
ジイソシアネ−ト、水添キシレンジイシアネ−ト、水添
ジフェニルメタンジイソシアネ−トの如き脂環式ポリイ
ソシアネ−ト、ヘキサンメチレンジイソシアネ−ト、リ
ジンエステルトリイソシアネ−トの如き脂肪族ポリイソ
シアネ−トおよび反応系でポリイソシアネ−トを発生す
る如き物質、例えばカルボジイミド変性液状化MDIの
如きカルボジイミド化合物、ジイソシアネ−ト二量体、
例えばトルエンジイソシアネ−ト二量体、ブロックされ
たイソシアネ−ト、例えばフェノ−ルでブロックされた
MDIがある他、さらに、上記に示したポリイソシアネ
−トとポリオ−ルまたはポリアミンとを末端に2ケ以上
のイソシアネ−トをもつ様に反応させて得られるプレポ
リマ−状ポリイソシアネ−トも当然使用できる。
【0022】ポリイソシアネ−トAとしては、反応性の
異なるイソシアネ−ト基を有するポリイソシアネ−トで
ある2、4-トルエンジイソシアネ−トまたはイソホロンジ
イソシアネ−トがポリユリア系ゴム状物質の粒子の分散
安定性をよくする上で特に好ましい。
【0023】本発明で使用されるゴム形成性ポリアミン
は前記ポリイソシアネ−トA及びポリイソシアネ−トB
と反応することによって、約0℃以下のガラス転移温度
を有するポリユリア系ゴム状物質を生成するポリアミン
を意味するものであって、例えば、ポリオキシプロピレ
ン系ポリアミン、ポリオキシテトラメチレン系ポリアミ
ンの如きポリオキシアルキレン系ポリアミン、ポリブタ
ジエン系ポリアミンなどがあり、なかでも1ケのアルキ
レン単位に占める炭素原子の数が2〜4である如きポリオ
キシアルキレン系ポリアミン、特にポリオキシプロピレ
ン系ジアミンを主体(通常60重量%以上)として使用す
るのが好ましい。
【0024】このようなポリオキシプロピレン系ポリア
ミンは、例えば、米国テキサコケミカル社製、商品名ジ
ェファ−ミン、広栄化学工業社製ビス(アミノプロピ
ル)ポリプロピレングリコ−ルエ−テルとして市販され
ている。ゴム形成性ポリアミンの分子量は、通常200〜3
50 00、好ましくは400〜6000が使用される。
【0025】本発明にあっては、ポリユリア系ゴム状物
質が架橋粒子であることが望ましく、ジアミンを主体と
して1分子中にアミノ基を3ケ以上有するポリアミンを少
量(例えばジアミンの0.02〜10重量%)使用するのが好
ましい。この場合、一分子中にアミノ基を3ケ以上有す
るポリアミンとしてはポリオキシアルキレン系ポリアミ
ンの他、他のポリアミン例えば1、3、6-トリスアミノメチ
ルヘキサン、ジプロピレントリアミンなどを用いること
ができる。なお、ポリユリア系ゴム状物質を架橋するに
は、一分子中にアミノ基を3ケ以上有するポリアミンを
使わずともイソシアネ−ト基を3ケ以上有するポリイソ
シアネ−トを少量(例えばジイソシアネ−トに対して0.
03〜10重量%)用いる方法もある。
【0026】本発明におけるポリオ−ル組成物を製造す
る上記に示した以外の好ましい方法としては、ポリオ−
ルに対して、ポリイソシアネ−ト(ポリイソシアネ−ト
Cとする)、及びゴム形成性ポリアミンを添加し、攪拌
しながら粒子状のポリユリア系ゴム状物質を含むポリオ
−ル組成物を形成させる方法がある。
【0027】ここでゴム形成性ポリアミンはポリイソシ
アネ−トCのイソシアネ−ト基に対して、通常50〜200
%、好ましくは70〜170%に相当するアミノ基を有する
だけの量を使用する。これは50〜200%の範囲で得たポ
リオ−ル組成物を用いると最終使用の段階で高い剛性と
耐熱性を損なうことなく、高い衝撃強度が得られるため
である。なお、この場合、ポリイソシアネ−ト及びゴム
形成性ポリアミンの添加方法は一括添加の他、回分添
加、連続添加の方法もある。ポリオ−ルの添加方法とし
てはその一部を反応初期から用い、残部を回分添加、連
続添加することも可能である。ここでポリイソシアネ−
トCは前記ポリイソシアネ−トA及びポリイソシアネ−
トBとして例示したものと同様であり、ゴム形成性ポリ
アミン、ポリオ−ルも前記と同様である。
【0028】本発明においてポリイソシアネ−トAを部
分的に反応させる段階並びにポリイソシアネ−トBまた
はポリイソシアネ−トCをゴム形成性ポリアミンと反応
させる段階は通常20〜160℃、好ましくは30〜140℃で行
うことができ、大気圧下または加圧下さらには減圧下に
おいても行うことができる。この場合、触媒を用いなく
てもよいが反応を促進する為に触媒を加えることができ
る。触媒としては通常ジブチル錫ラウレ−ト、オクチル
酸錫如き有機金属系触媒、トリエチレンジアミン(DA
BCO)の如き第三級アミン触媒、1、8ージアゾビシクロ
[5、4、0]ウンデセン系誘導体如き特殊アミン触媒など
がある。触媒の使用量は、ポリオ−ル全量に基づいて、
通常0.001〜5重量%好ましくは0.01〜0.5重量%であ
る。
【0029】本発明にあっては、ポリユリア系ゴム状物
質を製造するにあたって、有機溶剤を添加する必要性が
ない。しかし、有機溶剤の使用を妨げるものではなく、
塗料用に使用するような場合に便利である。
【0030】本発明に用いるポリオ−ル添加時期はポリ
ユリア系ゴム状物質をつくるに先立って、その全部を用
いることは必要ではなくその一部を後添加することも可
能である。後添加の方法としてはポリオ−ル中でポリユ
リア系ゴム状物質が生成したあと残量の一部または全部
を添加するする方法や最終使用の段階で残った一部を添
加する方法がある。本発明のポリオ−ル組成物中のポリ
ユリア系ゴム状物質の割合は上記した種々のケ−スにお
いて使用したポリオ−ルの合計とポリユリア系ゴムとの
合計量に対するポリユリア系ゴム状物質の割合として算
出する。
【0031】本発明においてポリユリア系ゴム状物質の
平均粒径は体積平均値で表される。また、本発明におい
てポリユリア系ゴム状物質の量はポリユリア系ゴム状物
質を含むポリオ−ル組成物からポリユリア系ゴム状物質
を析出せしめる性質を持つ揮発性溶剤、例えばアセトン
を混合し、析出したポリユリア系ゴム状物質を分別ろ過
し、更に十分、この揮発性溶剤で洗浄後、その乾燥重量
を求める方法によって測定する。
【0032】本発明のポリオ−ル組成物は使用に際し
て、前記と同様のポリイソシアネ−トと又、必要に応じ
て、さらに芳香族ポリアミン等を混合して、塗料用、接
着用、含浸用、コ−ティング用、発泡用、成形用、特に
注型用に使用するのに適している。又、いわゆるRIM
のような形で使うことも、もちろん可能である。本発明
のポリオ−ル組成物をポリウレタン樹脂用に使用するに
際して使われるポリイソシアネ−トは前記したポリイソ
シアネ−トA及びポリイソシアネ−トBとして例示した
ものと同様であり、芳香族ポリイソシアネ−ト、芳香脂
肪族ポリイソシアネ−ト、脂環式ポリイソシアネ−トが
特に好ましい。このようなケ−スで用いうる前記芳香族
ポリアミンとしては例えば、3、3’ジクロロー4、4’-ジア
ミノジフェニルメタン、テトラエチルメチレンジアニリ
ンなどがある。
【0033】本発明のポリオ−ル組成物とともに使用で
きる添加剤としては、例えばポリウレタン樹脂変性剤
(メルカプトエタノ−ル、アミノプロパノ−ル、ジメチ
ルアミノプロパノ−ル、水酸基を有するエポキシ樹脂等
の反応性物質)、硬化促進触媒、乳化剤、気泡安定剤と
しての表面活性剤、添加型難燃剤、反応型難燃剤、反応
遅延剤、着色剤、発泡剤、内部離型剤、老化防止剤、抗
酸化剤、可塑剤、殺菌剤およびカ−ボンブラック、酸化
亜鉛、酸化カルシウム、2酸化鉛、酸化チタン、ガラス
繊維、各種ウィスカ−、タルク、マイカ及びその他の充
填剤等の公知の添加剤が挙げられる。
【0034】これら添加剤の添加時期には特別の限定は
なく、本発明のポリオ−ル組成物を製造する際にポリユ
リア系ゴム物質をつくる前から添加してもよく、又、ポ
リオ−ル組成物ができた後、あるいはポリイソシアネ−
トと混合使用する際など適宣添加することができる。
【0035】本発明のポリオ−ル組成物はポリウレタン
樹脂以外の用途にも使用可能であり、このような用途と
しては多塩基酸と反応させるための飽和或いは不飽和ポ
リエステル樹脂の原料用、メラミン樹脂等のアミノ樹脂
に混合、変性する用途、アクリル酸のようなモノ不飽和
カルボン酸と反応エステル化することによる紫外線、電
子線等による硬化性樹脂の原料用などとしても使用で
き、樹脂硬化物に高い剛性、衝撃強度、耐熱性を付与さ
せるのに有効である。
【0036】本発明のポリオ−ル組成物からのポリウレ
タン樹脂の製造は普通低圧あるいは高圧の機械装置を用
いて原料を混合反応し、型に注入し型内で反応硬化させ
ることにより行われる。さらには、原料混合前後(特に
原料混合前)原料中の溶存空気あるいは混合時に混合時
に混入した空気などのガスを真空法により除去すること
によりポリウレタンの製造を行うことができる。
【0037】本発明のポリオ−ル組成物を使用して、ワ
ンショット法、セミプレポリマ−法、プレポリマ−法等
の公知の方法により、非発泡あるいは発泡のポリウレタ
ン樹脂を製造することができる。
【0038】
【実施例】以下に本発明のポリオ−ル組成物の製法とと
もにこれをポリウレタン注型物として用いた例を示す。
【0039】以下の記載における「部」とは特に断らな
い限り重量部を表す。また、NCOインデックスとはイ
ソシアネ−ト基当量を水酸基当量で除した値(-NCO基/
-OH基)を意味する。テストピ−スの注型に際しては、
液状化MDIとポリオ−ル組成物の総量に対してDABCO
0.05重量%を添加し、真空注型装置を使用した。
【0040】テストピ−ス注型品の引張り試験、曲げ試
験、アイゾット衝撃試験、熱変形温度試験はそれぞれJI
S K 7113、JIS K 7203、JIS K 7110(ノッチ先端半径0.
25mm)、JIS K 7207(荷重18.5kg/cm2)にて行なった。
【0041】本発明のポリユリア系ゴム状物質の粒径
は、ポリオ−ル組成物をイソプロピルアルコ−ルで1000
倍に希釈し、その希釈溶液を走差電子顕微鏡の試料台の
上に滴下させ、溶剤を揮発させた後、約5000倍の倍率で
ポリユリア系ゴム状物質のゴム粒径を測定し、体積平均
値を求めた。
【0042】また、ポリユリア系ゴム状物質の含有量
は、ポリオ−ル組成物をアセトンで希釈して、ポリユリ
ア系ゴム状物質を析出させ、それを分別ろ過し、ろ紙に
残ったポリユリア系ゴム状物質をアセトンで十分洗浄さ
せた後、乾燥させて秤量することにより、ポリユリア系
ゴム状物質の含有量を算出した。 実施例1(実験番号1〜4) 温度制御のできる加熱器と攪拌機を備えた密閉式ガラス
製容器に、イソホロンジイソシアネ−ト(ポリイソシア
ネ−トA)5.6部、水酸価160のポリオキシプロピレント
リオ−ル70部、ジブチル錫ジラウレ−ト0.004部を投入
し、35℃に反応温度を制御しながら、イソシアネ−ト基
の反応率が50%になるまで反応させた。上記反応溶液に
分子量2000のポリオキシプロピレンジアミン121部、分
子量400のポリオキシプロピレントリアミン6.4部を投入
し、35℃に反応温度を制御しながら、約30分間攪拌し反
応させた。
【0043】次に、水酸価280のポリオキシプロピレン
ジオ−ル119部、表1記載の量の水酸価560のポリオキシ
プロピレントリオ−ルを投入し、120℃に昇温してから
均一溶液になるように約5 分間攪拌した。次に、NCO28%
のカルボジイミド変性液状化MDI(ポリイソシアネ−
トB)を19.5部添加し、約30分間攪拌の後にジプロピレ
ングリコ−ル318部、120℃に昇温し液状化したBHET
を表1記載の量(ポリオ−ルの合計量を一定とした)を
添加、攪拌混合することによって平均粒径約1.4μmポ
リユリア系ゴム状物質14重量%、および表2記載の量の
BHETを含むポリオ−ル組成物を生成せしめた。
【0044】上記ポリオ−ル組成物とNCO28%のカルボジ
イミド変性液状化MDIの比が、NCOインデックス1.
05になるように調整して、テストピ−スの注型を行っ
た。
【0045】
【表1】
【0046】上記のテストピ−スの特性結果を表2に示
す。
【0047】
【表2】
【0048】なお実験番号4の場合は得られたポリオ−
ル組成物を常温に戻すとBHETが析出し、このポリオ
−ル組成物から得られるポリウレタン樹脂は硬化不良を
起こし、正常な成形物を得ることができなかった。
【0049】以上の結果から、BHATを含む本発明の
ポリオ−ル組成物から得られるポリウレタン樹脂は、引
張り強度、曲げ強度、曲げ弾性率をさして犠牲にするこ
となく、衝撃強度を十分に高い値を維持しつつ、しかも
熱変形温度を著しく高めることがわかる。 実施例2(実験番号1〜3) 温度制御のできる加熱器と攪拌機を備えた密閉式ガラス
製容器に、表3記載の量のイソホロンジイソシアネ−ト
(ポリイソシアネ−トA)、水酸価160のポリオキシプ
ロピレントリオ−ル、ジブチル錫ジラウレ−トを投入
し、35℃に反応温度を制御しながら、イソシアネ−ト基
の反応率が約50%になるまで反応させた。上記反応溶液
に表3記載の量の分子量2000のポリオキシプロピレンジ
アミン、分子量400のポリオキシプロピレントリアミン
を投入し、35℃に反応温度を制御しながら、約30分間攪
拌し反応させた(実験番号2と3の各原料の使用割合は表
3からわかる如く一定とした)。
【0050】次に、水酸価280のポリオキシプロピレン
ジオ−ル119部、水酸価560のポリオキシプロピレントリ
オ−ル432部を投入し、120℃に昇温してから均一溶液に
なるように約5分間攪拌した。次に、表3記載の量のNCO2
8%のカルボジイミド変性液状化MDI(ポリイソシアネ
−トB)を添加し、約30分間攪拌の後にジプロピレング
リコ−ル318部、120℃に昇温し液状化したBHET121
部を添加、攪拌混合することによって、表4記載のポリ
ユリア系ゴム状物質を含むポリオ−ル組成物を生成せし
めた。
【0051】上記ポリオ−ル組成物とNCO28%のカルボジ
イミド変性液状化MDIの比が、NCOインデックス1.05
になるように調整して、テストピ−スの注型を行った。
【0052】
【表3】
【0053】上記のポリオ−ル組成物から得られるウレ
タン樹脂の特性を表4に示す。
【0054】
【表4】
【0055】なお、実験番号3の場合はポリオ−ル組成
物のポリユリア系ゴム状物質の分散が不安定で、安定し
たポリオ−ル組成物を得ることができなかった。
【0056】以上の結果からポリュリア系ゴム状物質を
含まないポリオール組成物の注型品は衝撃強度が低いの
に対して、ポリュリア系ゴム状物質、及びBHATを含
む本発明ポリオール組成物を用いた場合は引張り強度、
曲げ強度、曲げ弾性率、熱変形温度とも十分高い値を維
持しながらアイゾット衝撃値が著しく高い成形物が得ら
れることがわかる。
【0057】
【0058】
【0059】実施例 温度制御のできる加熱器と攪拌機を備えた密閉式ガラス
製容器に、分子量2000のポリオキシプロピレンジアミン
15部、分子量400のポリオキシプロピレントリアミン0.8
部、水酸価280のポリオキシプロピレンジオール15部、
水酸価560のポリオキシプロピレントリオール70部、水
酸価33のポリオキシプロピレントリオール87部、ジプロ
ピレングリコール98部、120℃に昇温し液状化したBH
ET70部を投入し、120℃に昇温してから均一溶液にな
るように約10分間攪拌した。
【0060】次に均一溶液中のアミノ基に対して、イソ
シアネ−ト基に対するアミノ基の割合が約143%に相当
する量のNCO28%のカルボジイミド変性液状化MDI
(イソシアネ−トC)2.1 部をガラス容器に投入し、さ
らに80℃で約10分間攪拌することで、平均粒径約1.4μ
mポリユリア系ゴム状物質5重量%、および20重量%の
BHETを含むポリオ−ル組成物を生成せしめた。
【0061】上記ポリオ−ル組成物とNCO28%のカルボジ
イミド変性液状化MDIの比が、NCOインデックス1.07にな
るように調整して、テストピ−スの注型を行った。
【0062】この注型品の引張り強度は710kg/cm2、曲
げ強度は800kg/cm2、曲げ弾性率は21000kg/cm2、アイゾ
ット衝撃値は12kgcm/cm、熱変形温度は100℃であった。
【0063】
【発明の効果】本発明のポリオ−ル組成物から得られる
ポリウレタン樹脂は、耐熱性が著しく優れており、且つ
引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率、衝撃強度も十分大き
な値を有しているという効果がある。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が0.1〜10μmのポリユリア系
    ゴム状物質とポリオ−ルを含有し、この合計に対する該
    ポリユリア系ゴム状物質の含有量が2〜35重量%である
    ポリオ−ル組成物において、ポリオ−ル中にビスヒドロ
    キシアルキルテレフタレ−ト(BHATとする)が0.1
    〜40重量%を占めることを特徴とするポリオ−ル組成
    物。
  2. 【請求項2】 ポリオ−ルとポリイソシアネ−ト(ポリ
    イソシアネ−トAとする)を混合攪拌して、部分的に反
    応させた後、前記ポリイソシアネ−トと同じまたは異な
    るポリイソシアネ−ト(ポリイソシアネ−トBとする)
    並びにゴム形成性ポリアミンを添加し、攪拌しながら粒
    子状のポリユリア系ゴム状物質を形成させてなる請求項
    1記載のポリオ−ル組成物。
  3. 【請求項3】 ポリオ−ルに対して、ポリイソシアネ−
    ト(ポリイソシアネ−トCとする)、及びゴム形成性ポ
    リアミンを添加し、攪拌しながら粒子状のポリユリア系
    ゴム状物質を形成させてなる請求項1記載のポリオ−ル
    組成物。
  4. 【請求項4】 ポリオ−ルの20〜90重量%が1ケのアル
    キレン単位に占める炭素原子の数が2〜4であり、且つ分
    子量が160〜35000の範囲にある如きポリオキシアルキレ
    ンポリオ−ルである請求項1〜3記載のポリオ−ル組成
    物。
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