JP7438787B2 - ポリカルボジイミド化合物、エポキシ樹脂用硬化剤、及びエポキシ樹脂組成物 - Google Patents
ポリカルボジイミド化合物、エポキシ樹脂用硬化剤、及びエポキシ樹脂組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7438787B2 JP7438787B2 JP2020030778A JP2020030778A JP7438787B2 JP 7438787 B2 JP7438787 B2 JP 7438787B2 JP 2020030778 A JP2020030778 A JP 2020030778A JP 2020030778 A JP2020030778 A JP 2020030778A JP 7438787 B2 JP7438787 B2 JP 7438787B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- epoxy resin
- diisocyanate
- compound
- polycarbodiimide
- structural unit
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
Description
ここで、エポキシ樹脂をメチルエチルケトン(MEK)(2-ブタノン)に溶解させることが必要となることがあり、エポキシ樹脂との相溶性の観点から、硬化剤であるポリカルボジイミド化合物もMEKに溶解することが求められることがある。
しかしながら、芳香族ポリカルボジイミド化合物は、MEKに対する溶解性に劣り、エポキシ樹脂が均一に硬化し難かった。
しかしながら、脂肪族ポリカルボジイミド化合物は、MEKに対する溶解性が低く、また、脂肪族ポリカルボジイミド化合物をエポキシ樹脂の硬化剤として用いた場合、芳香族ポリカルボジイミド化合物と比べてエポキシ樹脂硬化物の耐熱性を向上させる効果が乏しかった。
[1]ジイソシアネート化合物由来の構造単位(A)を有するポリカルボジイミド化合物であって、前記構造単位(A)が、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)由来の構造単位(a1)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)由来の構造単位(a2)、及びヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)由来の構造単位(a3)からなる群より選択される少なくとも1種を含み、前記構造単位(A)の両末端が、分子量が250以下であり、且つ、イソシアネート基と反応性を有する基を1個有する有機化合物で封止されてなり、前記構造単位(A)におけるカルボジイミドの重合度nが、3.2以上10未満であり、前記有機化合物のモル数に対する、前記イソホロンジイソシアネート(IPDI)と前記ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)との合計モル数の比((IPDI+HDI)/有機化合物)である比Aが、3以下であり、前記4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)と前記イソホロンジイソシアネート(IPDI)と前記ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)との合計モル数に対する、前記4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)のモル数の比(HMDI/(HMDI+IPDI+HDI))を比Bとした場合において、前記比Bが1であるときは、前記有機化合物が飽和モノアルコールであり、前記比Bが0超1未満であるときは、前記有機化合物が、モノイソシアネート、飽和モノアルコール、及びモノアミンからなる群より選択される少なくとも1種であり、前記比Bが0であるときは、前記有機化合物がモノアルコールである、ポリカルボジイミド化合物。
[2]前記構造単位(A)は、前記4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、前記イソホロンジイソシアネート(IPDI)、及び前記ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)以外のジイソシアネート由来の構造単位(a4)を更に含む、上記[1]に記載のポリカルボジイミド化合物。
[3]前記ポリカルボジイミド化合物におけるカルボジイミド基濃度が11質量%以上である、上記[1]又は[2]に記載のポリカルボジイミド化合物。
[4]上記[1]~[3]のいずれかに記載のポリカルボジイミド化合物を含む、エポキシ樹脂用硬化剤。
[5]溶剤としてメチルエチルケトンをさらに含む、上記[4]に記載のエポキシ樹脂用硬化剤。
[6]上記[4]又は[5]に記載のエポキシ樹脂用硬化剤と、エポキシ樹脂とを含む、エポキシ樹脂組成物。
[7]前記ポリカルボジイミド化合物を0.1~10質量%含む、上記[6]に記載のエポキシ樹脂組成物。
本明細書において、「XX~YY」との記載は、「XX以上YY以下」を意味する。
本明細書において、好ましい数値範囲(例えば、含有量等の範囲)について、段階的に記載された下限値及び上限値は、それぞれ独立して組み合わせることができる。例えば、「好ましくは10~90、より好ましくは30~60」という記載から、「好ましい下限値(10)」と「より好ましい上限値(60)」とを組み合わせて、「10~60」とすることもできる。
本明細書において、例えば、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」と「メタクリル酸」の双方を示し、他の類似用語も同様である。
本発明のポリカルボジイミド化合物は、ジイソシアネート化合物由来の構造単位(A)を有する。
ジイソシアネート化合物由来の構造単位(A)は、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)由来の構造単位(a1)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)由来の構造単位(a2)、及びヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)由来の構造単位(a3)からなる群より選択される少なくとも1種の脂肪族ジイソシアネート化合物(以下、「所定の脂肪族ジイソシアネート化合物」ということもある)を含む。
他のジイソシアネート化合物としては、例えば、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4’-MDI)、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’-MDI)、2,4-トルエンジイソシアネート(2,4-TDI)2,6-トルエンジイソシアネート(2,6-TDI)等が挙げられる。これらは、1種単独でもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記構造単位(A)におけるカルボジイミドの重合度nは、ジイソシアネート化合物を重合して得られる両末端がイソシアネート基のポリカルボジイミド(ポリカルボジイミド化合物の前駆体)におけるカルボジイミド基の数を表す。例えば、3つのジイソシアネート化合物が重合して得られる、2つのカルボジイミド基を有するポリカルボジイミドの重合度nは、2である。
前記構造単位(A)におけるカルボジイミドの重合度nとしては、3.2以上10未満である限り、特に制限はないが、4~9であることが好ましく、6~9であることがより好ましく、8~9であることが特に好ましい。
カルボジイミドの重合度nが上記範囲であることにより、MEKに対する溶解度を維持しつつ、耐熱性が高いエポキシ樹脂硬化物を得ることができる。
有機化合物は、構造単位(A)の両末端を封止するものであり、イソシアネート基と反応性を有する基を1個有する。イソシアネート基と反応性を有する基としては、例えば、水酸基(OH基)、NH2基、イソシアネート基、などが挙げられる。即ち、有機化合物の分子内において反応部位(水酸基(OH基)、NH2基、イソシアネート基等)を2個以上有する化合物は、上記有機化合物に含まれない。
有機化合物の分子量としては、250以下である限り、特に制限はないが、30~150であることが好ましく、70~140であることがより好ましく、100~130であることが特に好ましい。
有機化合物の分子量が上記範囲であることにより、MEKに対する溶解度を維持しつつ、耐熱性が高いエポキシ樹脂硬化物を得ることができる。
なお、本明細書において、「飽和モノアルコール」は、イソシアネート基と反応性を有する基として1個の水酸基(OH基)を有し、多重結合(炭素-炭素多重結合(C=C、C≡C等)のみならず、炭素-酸素二重結合(C=O)をも含む)を有しないアルコールである。また、前記飽和モノアルコールは、置換アミノ基(-NHR、-NRR’)も有しない。
これらの中でも、MEKに対する溶解度を維持しつつ、耐熱性が高いエポキシ樹脂硬化物を得ることができる点で、イソブタノール、2-エチルヘキサノール、シクロヘキサノールが好ましい。
なお、本明細書において、「モノイソシアネート」は、イソシアネート基と反応性を有する基として1個のイソシアネート基を有する。また、「モノアミン」は、イソシアネート基と反応性を有する基として1個のNH2基を有する。
これらの中でも、MEKに対する溶解度を維持しつつ、耐熱性が高いエポキシ樹脂硬化物を得ることができる点で、シクロヘキシルイソシアネートが好ましい。
これらの中でも、MEKに対する溶解度を維持しつつ、耐熱性が高いエポキシ樹脂硬化物を得ることができる点で、イソブタノールが好ましい。
これらの中でも、MEKに対する溶解度を維持しつつ、耐熱性が高いエポキシ樹脂硬化物を得ることができる点で、シクロヘキシルアミンが好ましい。
なお、本明細書において、「モノアルコール」は、イソシアネート基と反応性を有する基として1個の水酸基(OH基)を有する。
これらの中でも、MEKに対する溶解度を維持しつつ、耐熱性が高いエポキシ樹脂硬化物を得ることができる点で、2-エチルヘキサノールが好ましい。
本発明のポリカルボジイミド化合物におけるカルボジイミド基濃度としては、特に制限はないが、11質量%以上であることが好ましく、12~20質量%であることがより好ましく、13~19質量%であることが特に好ましい。
カルボジイミド基濃度が上記範囲であることにより、MEKに対する溶解度を維持しつつ、耐熱性が高いエポキシ樹脂硬化物を得ることができる。
本発明のポリカルボジイミド化合物は、下記式(1)で表される。
(式中、R1はイソシアネートと反応し得る官能基を有する有機化合物からイソシアネートと反応し得る官能基を除いた残基を表し、R2は所定のジイソシアネート化合物(HMDI、IPDI及びHDIの少なくとも1種の脂肪族ジイソシアネート化合物を含むジイソシアネート化合物)からイソシアネート基を除いた2価の残基を表す。Xは前記有機化合物と前記所定の脂肪族ジイソシアネート化合物との反応により形成される基を表す。nは3.2以上10未満の数を表す。複数のR1及びR2は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。)
上記式(1)中、R2は、所定のジイソシアネート化合物(HMDI、IPDI及びHDIの少なくとも1種の脂肪族ジイソシアネート化合物を含むジイソシアネート化合物)からイソシアネート基を除いた2価の残基を表す。ここで、脂肪族ジイソシアネート化合物には、脂環族ジイソシアネート化合物も含まれる。
脂肪族ジイソシアネート化合物の具体例としては、例えば、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、等が挙げられる。
これらの中でも、ポリカルボジイミド化合物の合成の容易さ、及び合成したポリカルボジイミド化合物の保存安定性の観点から、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)が好ましく、合成したポリカルボジイミド化合物の保存安定性の観点から4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)がより好ましい。
上記式(1)中、R1はイソシアネートと反応し得る官能基を有する有機化合物からイソシアネートと反応し得る官能基を除いた残基を表す。
前記式(1)中、nとしては、上述した重合度nと同様であり、nの好ましい範囲についても重合度nの好ましい範囲と同様である。
本発明のポリカルボジイミド化合物の製造方法は、下記工程(a)と工程(b)とを有することを特徴とする。
工程(a):ジイソシアネート化合物を触媒の存在下でカルボジイミド化反応させ、両末端にイソシアネート基を有するポリカルボジイミドを得る工程
工程(b):工程(a)で得られたポリカルボジイミドと、工程(a)で得られたポリカルボジイミドが両末端に有するイソシアネート基と反応し得る官能基を有する有機化合物とを反応させる工程
工程(a)では、ジイソシアネート化合物を触媒の存在下でカルボジイミド化反応させ、両末端にイソシアネート基を有するポリカルボジイミドを得る。
ジイソシアネート化合物としては、「ポリカルボジイミド化合物」の「構造単位(A)」の項で挙げた化合物を用いることができる。
カルボジイミド化反応で用いられる触媒としては、例えば、1-フェニル-2-ホスホレン-1-オキシド、3-メチル-1-フェニル-2-ホスホレン-1-オキシド、1-エチル-2-ホスホレン-1-オキシド、3-メチル-2-ホスホレン-1-オキシド及びこれらの3-ホスホレン異性体等のホスホレンオキシド等を挙げることができ、これらの中でも、反応性の観点から、3-メチル-1-フェニル-2-ホスホレン-1-オキシドが好ましい。
ポリカルボジイミド化合物の製造方法における上記触媒の使用量は、カルボジイミド化に用いられるジイソシアネート化合物100質量部に対して、通常0.01~2.0質量部である。
溶媒中で反応を行う場合、ジイソシアネート化合物の濃度は、5~55質量%が好ましく、5~20質量%がより好ましい。
工程(b)では、工程(a)で得られたポリカルボジイミドと、工程(a)で得られたポリカルボジイミドが両末端に有するイソシアネート基と反応し得る官能基を有する有機化合物とを反応させる。
上記有機化合物の使用量は、上記ポリカルボジイミドが両末端に有するイソシアネート基全量の官能基当量に対して、好ましくは1.0~1.5当量、より好ましくは1.05~1.3当量である。1.5当量以下とすることで、副反応を制御し、所望のポリカルボジイミド化合物を得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂用硬化剤は、本発明のポリカルボジイミド化合物を含み、必要に応じて、溶剤としてのメチルエチルケトン(MEK)、その他の硬化剤をさらに含む。
メチルエチルケトン(MEK)の含有量が上記範囲であることにより、耐熱性の高い成型物を作製することができる。
その他の硬化剤は、特に限定されないが、例えば、フェノール樹脂等のフェノール系硬化剤;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等のアミン系硬化剤;無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ピロメリット酸、無水ヘット酸、ドデセニル無水コハク酸等の酸無水物系硬化剤;ダイマー酸にジエチレントリアミンやトリエチレンテトラミンなどを反応させた液状ポリアミド樹脂等のポリアミド系硬化剤;などが挙げられる。これらは、1種単独でもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明のエポキシ樹脂用硬化剤と、エポキシ樹脂を含み、必要に応じて、その他の成分をさらに含む。
ポリカルボジイミド化合物の含有量が上記範囲であることにより、耐熱性の高い成型物を作製することができる。
本発明で用いるエポキシ樹脂は、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(例えば、三菱化学株式会社製jER828)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独でもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、硬化促進剤、顔料、充填剤、レベリング剤、界面活性剤、分散剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤、着色剤等のその他の成分を適宜配合することができる。
<ポリカルボジイミド化合物の合成>
4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)100g及びカルボジイミド化触媒としての3-メチル-1-フェニル-2-ホスホレン-1-オキシド1gを、還流管及び撹拌機付き0.3L容器に入れ、窒素気流下、185℃で10時間撹拌し、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートの重合体であるイソシアネート両末端ポリカルボジイミドを得た。
得られたイソシアネート両末端ポリカルボジイミドを120℃まで加熱し、これに有機化合物としての2-エチルヘキサノール(三菱ケミカル株式会社製、分子量130)を両末端イソシアネート基のmol量に対して1.1倍(12.1g)添加し、140℃まで加熱して撹拌しながら5時間反応させた。反応生成物について、赤外吸収スペクトル測定により波長2200~2300cm-1のイソシアネート基の吸収が消失したことを確認し、重合度nが8のポリカルボジイミド化合物を得た。
なお、ポリカルボジイミド化合物の重合度nは、以下のようにして求めた。前記イソシアネート末端ポリカルボジイミドに、既知濃度のジノルマルブチルアミンのトルエン溶液を混合して、前記末端イソシアネート基とジノルマルブチルアミンとを反応させた。残存するジノルマルブチルアミンを塩酸標準液で中和滴定し、電位差滴定法(使用装置:自動滴定装置「COM-900」、平沼産業株式会社製)によりイソシアネート基の残存量[質量%](末端イソシアネート基量)を算出したところ、3.78質量%であった。すなわち、このイソシアネート末端ポリカルボジイミドの重合度nは8.0であった。結果を表1に示す。
ここで、表1において、「A(mol比)」は、「有機化合物のモル数(仕込み量)に対する、イソホロンジイソシアネート(IPDI)とヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)との合計モル数(仕込み量)の比((IPDI+HDI)/有機化合物)である比A」を表し、「B(mol比)」は、「4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)とイソホロンジイソシアネート(IPDI)とヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)との合計モル数(仕込み量)に対する、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)のモル数(仕込み量)の比(HMDI/(HMDI+IPDI+HDI))である比B」を表し、後述する表2においても同様である。
上記実施例1において、表1に記載のモル比率でジイソシアネート化合物を使用し、カルボジイミド化工程の時間を調整することにより表1に記載の重合度であるイソシアネート両末端ポリカルボジイミドを得たこと、及び、2-エチルヘキサノールの代わりに表1に記載の有機化合物を使用したこと以外は、実施例1と同様に、ポリカルボジイミド化合物の合成を行った。結果を表1に示す。
なお、有機化合物の使用量は、残存イソシアネート基のmol量に対して1.1倍であり、製造元と分子量は以下の通りである。
・イソブタノール(三菱ケミカル株式会社製、分子量74)
・メタノール(東京化成工業株式会社製、分子量32)
・シクロヘキサノール(東京化成工業株式会社製、分子量100)
・1-プロパノール(東京化成工業株式会社製、分子量60)
・1-ラウリルアルコール(東京化成工業株式会社製、分子量186)
<ポリカルボジイミド化合物の合成>
4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)100g、イソホロンジイソシアネート(IPDI)14.1g、有機化合物としてのシクロヘキシルイソシアネート(東京化成工業株式会社製、分子量125)15.9g、及びカルボジイミド化触媒としての3-メチル-1-フェニル-2-ホスホレン-1-オキシド1gを、還流管及び撹拌機付き0.3L容器に入れ、窒素気流下、60℃で2時間撹拌した後、185℃で18時間撹拌し、赤外吸収スペクトル測定により波長2200~2300cm-1のイソシアネート基の吸収が消失したことを確認し、4,4’-シクロヘキシルメタンジイソシアネートとイソホロンジイソシアネートがモル比で6:1で重合し、両末端がシクロヘキシルイソシアネートで封止された重合度nが6のカルボジイミド化合物を得た。結果を表1に示す。
上記実施例8において、表1に記載のジイソシアネート化合物及び有機化合物を原料として、表1に記載のモル比率で使用し、それぞれのカルボジイミド化合物を得たこと以外は、実施例8と同様に、ポリカルボジイミド化合物の合成を行った。結果を表1に示す。
なお、有機化合物の使用量は、残存イソシアネート基のmol量に対して1.1倍であり、製造元と分子量は以下の通りである。
・シクロヘキシルイソシアネート(東京化成工業株式会社製、分子量125)
・イソブタノール(三菱ケミカル株式会社製、分子量74)
・シクロヘキシルアミン(東京化成工業株式会社製、分子量99)
・2-エチルヘキサノール(三菱ケミカル株式会社製、分子量130)
・アクリル酸ヒドロキシブチル(東京化成工業株式会社製、分子量144)
上記実施例8において、表2に記載のジイソシアネート化合物及び有機化合物を原料として、表2に記載のモル比率で使用し、それぞれのカルボジイミド化合物を得たこと以外は、実施例8と同様に、ポリカルボジイミド化合物の合成を行った。結果を表2に示す。
なお、有機化合物の使用量は、残存イソシアネート基のmol量に対して1.1倍であり、製造元と分子量は以下の通りである。
・シクロヘキシルイソシアネート(東京化成工業株式会社製、分子量125)
・2-エチルヘキサノール(三菱ケミカル株式会社製、分子量130)
・メタノール(東京化成工業株式会社製、分子量32)
・1-オクタデカノール(東京化成工業株式会社製、分子量270)
・アクリル酸ヒドロキシブチル(東京化成工業株式会社製、分子量144)
・シクロヘキシルアミン(東京化成工業株式会社製、分子量99)
上記実施例1において、表2に記載のモル比率でジイソシアネート化合物を使用し、カルボジイミド化工程の時間を調整することにより表2に記載の重合度であるイソシアネート両末端ポリカルボジイミドを得たこと、及び、2-エチルヘキサノールの代わりに表2に記載の有機化合物を使用したこと以外は、実施例1と同様に、ポリカルボジイミド化合物の合成を行った。結果を表2に示す。
なお、有機化合物の使用量は、残存イソシアネート基のmol量に対して1.1倍であり、製造元と分子量は以下の通りである。
・メタノール(東京化成工業株式会社製、分子量32)
・シクロヘキシルイソシアネート(東京化成工業株式会社製、分子量125)
・シクロヘキシルアミン(東京化成工業株式会社製、分子量99)
・アクリル酸ヒドロキシブチル(東京化成工業株式会社製、分子144)
・1-オクタデカノール(東京化成工業株式会社製、分子量270)
・2-エチルヘキサノール(三菱ケミカル株式会社製、分子量130)
2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4’-MDI)54%と、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’-MDI)46%との混合物(東ソー株式会社製、モノメリックMDI;ミリオネート(登録商標)NM)100質量部、有機化合物としてイソブタノール(三菱ケミカル株式会社製、分子量74)7.24質量部、及びカルボジイミド化触媒としての3-メチル-1-フェニル-2-ホスホレン-1-オキシド0.6質量部を還流管及び撹拌機付き反応容器に入れ、窒素気流下100℃で2時間撹拌し、赤外吸収(IR)スペクトル測定による波長2270cm-1前後のイソシアネート基による吸収ピークがほぼ消失したことを確認して、重合度8のポリカルボジイミド化合物を得た。結果を表2に示す。
下記のようにして、ポリカルボジイミド化合物のカルボジイミド基濃度Y(質量%)の測定を行った。測定結果を表1及び表2に示す。
平沼自動滴定装置COM-1700A(平沼産業株式会社製)を使用し、ポリカルボジイミド化合物B(g)に既知濃度のシュウ酸/ジオキサン溶液を規定量加え、テトラヒドロフラン中で十分に反応させた後、水酸化ナトリウム水溶液での電位差滴定により未反応のシュウ酸の量を求め、ポリカルボジイミド化合物中のカルボジイミド基と反応したシュウ酸のモル量bを算出した。この値からポリカルボジイミド化合物1g中に含まれるカルボジイミド基のモル量n=b/Bを算出し、さらに、下記式(Z)よりポリカルボジイミド化合物のカルボジイミド基濃度Y(質量%)を求めた。
Y=40×n×100・・・(Z)
得られた各ポリカルボジイミド化合物5gとメチルエチルケトン(MEK)(2-ブタノン)5gを室温で24時間撹拌することでポリカルボジイミドのMEK溶液を得た。その溶液の外観を確認し、下記評価基準によりMEK溶解度を評価した。評価結果を表1及び表2に示す。
〇:透明液体
×:白濁液体または2層分離した液体
<<エポキシ樹脂組成物(樹脂硬化物)の作製>>
エポキシ樹脂(jER828;三菱化学株式会社製)10質量部と、硬化剤としてフェノール樹脂(BRG556;昭和電工株式会社製)6.6質量部、MEK39.1gを加えて室温で24時間撹拌することで固形分30%の透明な溶液を得た。
その溶液に、ポリカルボジイミド化合物のMEK溶液1.66g及び硬化促進剤としての2-フェニル-1-ベンジル-1H-イミダゾール(1B2PZ、四国化成工業社製)0.166g加えて、室温で1時間撹拌することで、エポキシ樹脂溶液を得た。なおここで、ポリカルボジイミド化合物のMEK溶液を添加していないエポキシ樹脂溶液を比較対象のため作製した。
ここで、各評価点の基準は、比較対象としてのポリカルボジイミド化合物のMEK溶液を添加していないエポキシ樹脂溶液を使用して作製したエポキシ樹脂硬化物のガラス転移温度に対する温度である。
5:ガラス転移温度が10℃以上高い
4:ガラス転移温度が5℃以上10℃未満高い
3:ガラス転移温度が0℃以上5℃未満高い
2:ガラス転移温度が0℃超10℃未満低い
1:ガラス転移温度が10℃以上低い
比較例5から、脂肪族ジイソシアネートであるHMDI(4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート)をカルボジイミド化したHMDI系ポリカルボジイミド化合物は、重合度が10以上であると、MEKに溶解せず、エポキシ樹脂との相溶性が悪いことが分かった。
比較例6から、重合度が3超8未満、且つ、末端化合物の分子量が250超であると、MEKに溶解させることができるが、エポキシ樹脂と混合した際、エポキシ樹脂硬化物の耐熱性が著しく悪化する(ガラス転移温度が著しく低くなる)ことが分かった。
比較例14から、芳香族ジイソシアネートをカルボジイミド化した芳香族ポリカルボジイミド化合物は、MEKに溶解せず、エポキシ樹脂との相溶性が悪くなることが分かった。
Claims (7)
- ジイソシアネート化合物由来の構造単位(A)を有するポリカルボジイミド化合物であって、
前記構造単位(A)が、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)由来の構造単位(a1)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)由来の構造単位(a2)、及びヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)由来の構造単位(a3)からなる群より選択される少なくとも1種を含み、
前記構造単位(A)の両末端が、分子量が250以下であり、且つ、イソシアネート基と反応性を有する基を1個有する有機化合物で封止されてなり、
前記構造単位(A)におけるカルボジイミドの重合度nが、3.2以上10未満であり、
前記有機化合物のモル数に対する、前記イソホロンジイソシアネート(IPDI)と前記ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)との合計モル数の比((IPDI+HDI)/有機化合物)である比Aが、3以下であり、
前記4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)と前記イソホロンジイソシアネート(IPDI)と前記ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)との合計モル数に対する、前記4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)のモル数の比(HMDI/(HMDI+IPDI+HDI))を比Bとした場合において、
前記比Bが1であるときは、前記有機化合物が、2-エチルヘキサノール、イソブタノール、メタノール、シクロヘキサノール、1-プロパノール、及び1-ラウリルアルコールからなる群より選択される少なくとも1種であり、
前記比Bが0超1未満であるときは、前記有機化合物がイソブタノールであり、
前記比Bが0であるときは、前記有機化合物がアクリル酸ヒドロキシブチルである、ポリカルボジイミド化合物。 - 前記構造単位(A)は、前記4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、前記イソホロンジイソシアネート(IPDI)、及び前記ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)以外のジイソシアネート由来の構造単位(a4)を更に含む、請求項1に記載のポリカルボジイミド化合物。
- 前記ポリカルボジイミド化合物におけるカルボジイミド基濃度が11質量%以上である、請求項1又は2に記載のポリカルボジイミド化合物。
- 請求項1~3のいずれか一項に記載のポリカルボジイミド化合物を含む、エポキシ樹脂用硬化剤。
- 溶剤としてメチルエチルケトンをさらに含む、請求項4に記載のエポキシ樹脂用硬化剤。
- 請求項4又は5に記載のエポキシ樹脂用硬化剤と、エポキシ樹脂とを含む、エポキシ樹脂組成物。
- 前記ポリカルボジイミド化合物を0.1~10質量%含む、請求項6に記載のエポキシ樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020030778A JP7438787B2 (ja) | 2020-02-26 | 2020-02-26 | ポリカルボジイミド化合物、エポキシ樹脂用硬化剤、及びエポキシ樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020030778A JP7438787B2 (ja) | 2020-02-26 | 2020-02-26 | ポリカルボジイミド化合物、エポキシ樹脂用硬化剤、及びエポキシ樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021134270A JP2021134270A (ja) | 2021-09-13 |
JP7438787B2 true JP7438787B2 (ja) | 2024-02-27 |
Family
ID=77660281
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020030778A Active JP7438787B2 (ja) | 2020-02-26 | 2020-02-26 | ポリカルボジイミド化合物、エポキシ樹脂用硬化剤、及びエポキシ樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7438787B2 (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004277569A (ja) | 2003-03-17 | 2004-10-07 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | 一液型樹脂組成物の製造方法 |
JP2005015734A (ja) | 2003-06-30 | 2005-01-20 | Mitsui Takeda Chemicals Inc | 二成分硬化型水性樹脂組成物およびその製造方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6023695B2 (ja) * | 1975-05-12 | 1985-06-08 | 日本ポリウレタン工業株式会社 | 部分ウレタン化脂環族カルボジイミドの製造方法 |
JP3393752B2 (ja) * | 1996-04-26 | 2003-04-07 | 日清紡績株式会社 | エステル基を有する樹脂用の耐加水分解安定剤及び該安定剤によるエステル基を有する樹脂の耐加水分解安定化方法 |
-
2020
- 2020-02-26 JP JP2020030778A patent/JP7438787B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004277569A (ja) | 2003-03-17 | 2004-10-07 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | 一液型樹脂組成物の製造方法 |
JP2005015734A (ja) | 2003-06-30 | 2005-01-20 | Mitsui Takeda Chemicals Inc | 二成分硬化型水性樹脂組成物およびその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2021134270A (ja) | 2021-09-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN107709390B (zh) | 碳化二亚胺类水性树脂交联剂 | |
CA2737833C (en) | Benzoxazine-based compositions containing isocyanate-based tougheners | |
EP2217650B1 (en) | Curable benzoxazine-based compositions, their preparation and cured products thereof | |
US20230159693A1 (en) | Curable compositions containing isocyanate-based tougheners | |
US11932774B2 (en) | Waterborne isocyanate-free polyurethane epoxy hybrid coatings | |
EP0508313A2 (en) | High performance polyurethane coating compositions and processes for making same | |
CN111094374B (zh) | 聚碳化二亚胺化合物及热固化性树脂组合物 | |
Dural et al. | Improving the mechanical, thermal and surface properties of polyaspartic ester bio-based polyurea coatings by incorporating silica and titania | |
JPH044325B2 (ja) | ||
JP7438787B2 (ja) | ポリカルボジイミド化合物、エポキシ樹脂用硬化剤、及びエポキシ樹脂組成物 | |
CA2082599C (en) | Modified polyalkoxy epoxy resins, a process for preparing them, and their use | |
CN112552487A (zh) | 环氧树脂固化剂、环氧树脂组合物及其固化物 | |
JP3772385B2 (ja) | 二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物及びその製造方法 | |
US8710170B2 (en) | Polyureas made from aminocrotonates and enaminones | |
US9238617B2 (en) | Polyureas made from aminocrotonates | |
CN112552485A (zh) | 环氧树脂组合物的固化方法 | |
JP4918976B2 (ja) | ウレタン変性エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 | |
RU2084467C1 (ru) | Уретансодержащие простые полиэфиры с концевыми первичными аминогруппами в качестве отвердителей эпоксидиановых смол и эпоксидная композиция на их основе (варианты) | |
KR20240111882A (ko) | 다관능성 아민 경화제 및 이를 포함하는 에폭시 수지 조성물 | |
JP2024075042A (ja) | ポリウレタン接着剤用ポリオール組成物、ポリウレタン接着剤用プレポリマー及びポリウレタン接着剤、並びにそれらの製造方法 | |
Baraiya et al. | Novel epoxy based polyamides | |
JP2000248042A (ja) | 硬化性樹脂組成物及びその増粘方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20221208 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20230831 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20230905 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20231106 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20231128 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20240117 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20240130 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20240214 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7438787 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |