JP3772385B2 - 二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機ポリイソシアネート化合物とN−2−ヒドロキシアルキルオキサゾリジン(以下、ヒドロキシオキサゾリジンと略記)との反応物を含むことで、硬化剤と混合して硬化させる際に熱硬化型については混合初期粘度の上昇を抑え、可使時間を延長させ、常温硬化型については混合初期粘度の上昇を抑え、可使時間を延長させ、且つ強度発現を速くできることを特徴とする二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
硬化性ウレタン樹脂は、あらゆる分野に使用されている。例えばウレタンプレポリマーをポリアミン、ポリオールの単独或いは併用物を架橋剤として硬化させる二液反応型の硬化性ウレタンには熱養生する熱硬化タイプと常温で硬化させる常温硬化タイプの2種類があり、熱硬化タイプのウレタン樹脂は製鉄、製紙用の送りロール、印刷用の転写ロール、運搬機器のソリッドタイヤ等の成形用に広く用いられている。同様にポリイソシアネート化合物と活性水素を含むポリマー溶液の組み合わせで熱硬化性塗料として自動車、家電機器、工業材料等に使用されているのは公知である。また常温硬化タイプは前述の用途、成形、注入封止、塗料及び塗布材料等多岐に亘って使用されている。
【0003】
これら二液反応型の硬化性ウレタン樹脂は、使用に際して特例を除くと可使時間と硬化時間のバランスが重要である。有機ポリイソシアネート化合物と活性水素化合物を混合し、注形、注入、塗布等に必要な適度の作業時間、即ち可使時間を採ることが要求される。次いで注形、注入、塗布等の作業を終えた後には出来るだけ速く硬化する事が要求される。通常硬化を速くしようとすれば可使時間も短くする必要があり、可使時間を長くしようとすれば硬化時間もそれにつれて長くなるという一定の性質を有している。このように可使時間或いは硬化時間のいずれか片方の時間を調節することは出来るが、最も好ましいとされる可使時間が長くて硬化時間が変わらないか、或いは短縮できる、即ち作業時間が十分にあって、強度出現の変わらないか、速いものの設計をする事は非常に難しい。
【0004】
特に常温硬化タイプのものには屋外の自然環境下で使用する用途も多く、これら硬化性ウレタンの反応性は夏期の高温下では反応が速く可使時間が短くなり、冬期の低温下では反応性が遅く可使時間は延びるが同時に硬化時間も長くなり強度発現にも時間が掛かると言う性質を有し、オールシーズンにおいて可使時間を長く、硬化時間を短くと言う好ましいバランスを保つことは特に難しい。
【0005】
また、ポリオール類と有機ポリイソシアネートとの反応により得られるウレタンプレポリマー中にポリオールと反応していない未反応有機ポリイソシアネート量が多いと硬化剤と混合した時初期粘度が上がり作業性が悪くなる。例えば、注型ウレタンの場合は小さい型内に注ぐのが困難となり完全な成形品が得られ難い。常温硬化タイプの塗料、塗り床材、屋根防水材等の塗布用においては初期粘度が上昇しやすいと塗布作業がやりずらく、且つ表面仕上がり性に欠けるものとなり易い。
【0006】
ポリオール類と有機ポリイソシアネートとのプレポリマー化反応に於いてイソシアネート基当量数/ヒドロキシ基当量数が、2.0以下で得られるウレタンプレポリマー中にポリオールと反応していない未反応の遊離有機ポリイソシアネートが存在する。これは反応性の異なるポリオール類、イソシアネート類の組み合わせで残存遊離有機ポリイソシアネート量は、異なるが0.3〜7%位残存し、硬化剤と組み合わせたとき色々な面で災いとなる。一般に未反応のイソシアネート単量体は人体に対する毒性も強く、そのために法規制面からも厳しくその濃度に規制が掛けられている。例えば労働安全衛生法による表示と取扱いの規制、日本産業衛生学会による許容濃度の規制等がある。本発明の手段を用いる事により毒性を少なく強いては規制の対象から外れる事も可能になる。
【0007】
【発明の解決しようとする課題】
本発明は、前述したような欠点を改良、即ち、混合初期粘度の上昇を抑え、可使時間を延長でき、且つ強度発現を速められる二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物を提供することである。
【0008】
【発明を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究の結果、ウレタンプレポリマー、ヒドロキシオキサゾリジンと有機ポリイソシアネートとの反応物を用いることでこれらの課題を解決しうることを見い出し本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、(I)分子末端にイソシアネート基を2個以上有するウレタンプレポリマー、(II)ウレタンプレポリマー(I)の反応における未反応有機ポリイソシアネートとN−2−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンとの反応から得られ、該ポリイソシアネートの未反応イソシアネート基の半数以上を反応した反応化合物からなることを特徴とする二液硬化型組成物用ポリウレタン樹脂組成物、この二液硬化型組成物用ポリウレタン樹脂組成物、及び(III)ポリオール及び/又はポリアミンからなることを特徴とする二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物、分子内に1級または2級の水酸基を2個以上有するポリオール類と有機ポリイソシアネートとの反応により得られる分子末端にイソシアネート基を2個以上有するウレタンプレポリマー(I)を得る反応工程と、ウレタンプレポリマー(I)の合成反応でポリオールと反応しなかった未反応有機ポリイソシアネートとN−2−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンとを反応して前記有機ポリイソシアネートの未反応イソシアネート基の半数以上を反応したことを特徴とする二液硬化型組成物用ポリウレタン樹脂組成物の製造方法、熱硬化型については混合初期粘度の上昇を抑え、可使時間を延長させ、常温硬化型においては混合初期粘度の上昇を抑え、可使時間を延長させ、且つ強度発現を速くでき、強いては毒性を減じ、安全性を向上させる事が出来る二液硬化型組成物用ポリウレタン樹脂組成物を提供するものである。
【0010】
以下に本発明を更に説明する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の分子末端にイソシアネート基を2個以上有するウレタンプレポリマー(I)とは、好ましくは分子内に1級または2級の水酸基を2個以上有するポリオール類と有機ポリイソシアネートとの反応により得られるものである。そのNCO/OH当量比は、好ましくは1.6以上、特にに好ましくは1.8〜4.0である。残存NCO%は、好ましくは1〜15重量%である。末端イソシアネート基数は、好ましくは2〜3である。
【0012】
本発明に用いる分子内に1級または2級の水酸基を2個以上有するポリオール類とは、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1.4ブタンジオール、トリメチロールプロパン等の単鎖ポリオール類、これら単鎖ポリオール類とアルキレンオキサイド類(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等)を単独または併用で重合させたポリアルキレンエーテルポリオール類あるいは二塩基酸と単鎖グリコールのエステル化反応によって得られるポリエステルポリオール類、ひまし油、ポリブタジエンポリオール、ポリオール型キシレンホルムアルデヒド樹脂の単体または混合物のポリオール類が挙げられる。このポリオールは、好ましくは数平均分子量500〜16000で、好ましくはポリエーテルポリオールである。さらに好ましくは、ポリエーテルジオール及び/又はポリエーテルトリオールである。その他、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール等のウレタン用ポリオールも使用できる。
【0013】
これらポリオール類と反応させる有機ポリイソシアネートとは、分子中に2個以上の遊離イソシアネート基を有する、例えば2,4/2,6=80/20異性体比のトリレンジイソシアネート(80/20TDI)、65/35TDI、2,4-100TDI、ジフェニルメタン4,4’−ジイソシアネート(ピュアーまたはモノメリックMDI)、ポリメリックMDI、クルードMDI、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トランスーシクロヘキサ1,4-ジイソシアネート(CHDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、m−キシレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、p−フェニレンジイソシアネート(PPDI)、4.4’−ジフェニルメタントリイソシアネート(デスモジュールRI)等の単体若しくは混合物が使用できる。
【0014】
(II)の有機ポリイソシアネート化合物とは、前述の有機ポリイソシアネートのみならず、有機ポリイソシアネートとポリオールを反応してなるイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーでもよい。好ましくはウレタンプレポリマー(I)に残存するフリーの有機ポリイソシアネートである。
【0015】
N−2−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンは、未反応有機ポリイソシアネート基の半数以上をブロックするのが好ましく、例えば2−イソプロピル3−(2−ヒドロキシエチル)−1,3オキサゾリジン、2−ペンチル−3−オキサゾリジンエタノール、2−(1−メチルブチル)−3−オキサゾリジンエタノル等が挙げられ、これらの単体若しくは混合体が用いる事が出来る。
【0016】
これらのヒドロキシオキサゾリジン化合物は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド、ペンチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、オクチルアルデヒド、ベンツアルデヒド等のアルデヒドとジ(ヒドロキシアルキル)アミンとの縮合反応により得られるものである。
【0017】
ウレタンプレポリマー(I)の硬化剤として用いるポリオール類、またはアミノ基を有するポリアミン類は、前述のウレタンプレポリマー(I)作成に用いられるポリオール類であり、ポリアミン類としては、例えば3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(以下、MOCAと記す)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン,ジエチルトルエンジアミン(商品名エタキュアー100:エチル.コーポレーション製)、またMOCAと称されているオルソクロロアニリンとホルムアルデヒドの縮合物と可塑剤またはポリエーテルポリオール類の混合液体(商品名イハラキュアミンML−150、ML−520、ML−530:いずれもイハラケミカル工業製、或いはビスアミンSL−5707:和歌山精化工業製)等の公知慣用の芳香族ポリアミン類が用いられる。そしてこれらの単独または混合物を用いることができる。
【0018】
本発明のウレタンプレポリマー(I)において、ポリオールと反応していない未反応有機ポリイソシアネート基の半数以上をヒドロキシオキサゾリジンで付加反応させ化合物(II)とする。予めウレタンプレポリマー(I)中の未反応有機ポリイソシアネート量、及び未反応有機ポリイソシアネート基にヒドロキシオキサゾリジンが付加反応したウレタンプレポリマー(I)の未反応有機ポリイソシアネート量はガスクロマトグラフィーで定量する事が出来る。未反応有機ポリイソシアネート基の半数をヒドロキシオキサゾリジンでブロックさせる場合ポリオール類と反応して分子末端にイソシアネート基を有するポリマー鎖にもヒドロキシオキサゾリジンが僅か付加するために理論量より多くヒドロキシオキサゾリジンを添加する必要がある。その過剰量についてはポリオール類、イソシアネート類の反応性が異なる為一定ではない。
【0019】
ウレタンプレポリマー(I)をポリオール類、またはアミノ基を有するポリアミン類、或いはこれらの混合物を硬化剤として用いる時のイソシアネート基当量数とポリオールの水酸基、アミノ基の活性水素基当量数、即ち、NCO/H+当量比は0.5〜2.0の範囲が良く、特に0.7〜1.5の範囲が好ましい。
【0020】
本発明のウレタン樹脂組成物は、用途により必要に応じて、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルアジペート(DOA)、塩素化パラフィン、燐酸エステルのような一次可塑剤、或いは難燃性可塑剤等や炭酸カルシウム、クレー、タルク、チタン白、ベンガラ等の無機充填または顔料、或いはトルエン、キシレン、酢酸エチル、ターペン等の溶剤が単独または併用で減粘、増量の目的でウレタンプレポリマー(I)、若しくは硬化剤のいずれかに前もって加えられているか、或いは二液を混合するときに直接添加しても良い。これら減粘剤、増量剤をウレタンプレポリマー(I)に添加するときはイソシアネート基とイソシアネート基をブロックしているヒドロキシオキサゾリジン誘導体に水分が作用すると変質するため公知の方法で脱水、乾燥を施した後使用することが重要である。
【0021】
またウレタンプレポリマー(I)、もしくは(I)(II)の混合物と硬化剤とを混合するときに直接、減粘剤、増量剤を第3成分として添加する場合に於いても前述の様に脱水、乾燥をして用いることが望ましい。このように難しい操作を無くそうとすれば脱水、乾燥を施した減粘剤、増量剤を硬化剤に前もって添加していることが好ましい。
【0022】
また、このウレタンプレポリマー(I)もしくは(I)(II)の混合物とを硬化剤と組み合わせて硬化させるときウレタン化反応を促進させるために公知慣用のアミン系、有機金属化合物等のウレタン化触媒を用いる事が出来る。予め硬化剤側に加えられているか、或いはウレタンプレポリマー(I)と硬化剤を混合するときに直接添加し、可使時間、硬化時間の調節用に用いるが、本発明の可使時間、硬化時間のバランスを調節するには到らない。
【0023】
このよにして得られる本発明の二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物は前述したように熱硬化型については混合初期粘度の上昇を抑えることと、可使時間を延長させ、常温硬化型については混合初期粘度の上昇を抑えることと、可使時間を延長させ、且つ強度発現を速くでき、取扱い上もより安全になる二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物を提供することができる。
【0024】
本発明の用途は、熱硬化性塗料として自動車、家電機器、工業材料等に、また常温硬化タイプは前述の用途に加え、成形、注入封止、塗料及び土木建築材料等多岐に亘って使用する事が出来る。
【0025】
【作用】
本発明の組成物を用いる際に、熱硬化型が常温硬化型に比べ硬化時間が短縮されない理由は、化合物(II)に含まれるヒドロキシオキサゾリジンとイソシアネート基の反応物が、常温硬化型の場合には可使時間が長く、且つ大気中で硬化させているため水分とも触れヒドロキシオキサゾリジン反応物が加水分解して2級アミノ基を生じ、それが他のイソシアネート基と反応する架橋剤となるためと考えられる。
【0026】
逆に熱硬化型のものは、可使時間が比較的短く、硬化養生も直ちに熱処理を行うことから養生中に水分と触れる機会がなくヒドロキシオキサゾリジン反応物が加水分解をしないためと考えられる。
【0027】
【実施例】
以下本発明を実施例及び比較例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、例中の「部」、「%」は断りのない限り重量部を表す。
【0028】
実施例1〜4、比較例1〜2
I.<ウレタンプレポリマー(I)の製造>
2Lフラスコに分子量1000(水酸基価:112.2KOHmg/g)のポリプロピレンエーテルグリコール(大日本インキ化学工業製、ハイプロックスDP−1000)1000部に、80/20トリレンジイソシアネート348部を加え、窒素気流中、80℃にて6時間反応を続けた。得られたウレタンプレポリマー(I)の遊離のイソシアネート量は、6.23%、粘度は25℃において18000cpsであった。ガスクロマトグラフィーによる、このウレタンプレポリマー中の未反応80/20トリレンジイソシアネート量は、ガスクロマトグラフィーによる定量分析で行い、その結果は2.10%であった。
【0029】
II.<ヒドロキシオキサゾリジンとの反応物の製造>
ついで、このプレポリマー300部に表−1に示す種類と量のヒドロキシオキサゾリジンを加え、窒素気流中、よりマイルドに反応させるために50℃で6時間反応を続け、ヒドロキシオキサゾリジンが持つ活性水素基とフリーのイソシアネート基とのウレタン化反応を行い、最終的なウレタン組成物を得た。減じた未反応80/20TDI量は、ガスクロマトグラフィ−による定量分析で行った。ウレタンプレポリマ−の性状値は表−1に示す通りであった。
【0030】
【表1】
【0031】
<熱硬化型注型ウレタンの製造>
300ccフラスコに上述表−1のウレタンプレポリマー200部を秤量し、80℃にて熱硬化型注型用ウレタンの代表的な架橋剤である120℃に溶解したMOCA、35.7部を加え、公知の攪拌脱泡方法により均質に攪拌混合した後、初期混合粘度、可使時間を測定した。又別に混合物を厚みが2mmになるようガラス板間と厚みが10mmになるアルミシャ−レに素早く注型し、100℃の乾燥器中にて硬化養生させ、硬度出現性を観察した。この結果は表−2に示した。
硬化後の物性を表−3に示した。
【0032】
【表2】
【0033】
[試験方法]
初期混合粘度:80℃の表-1ウレタンプレポリマーに架橋剤である120 ℃に溶解したMOCAを所定量加えて混合した後、BM型粘度計(東京計器製)で計測した。混合3分後の粘度(CPS)を云う。
【0034】
可使時間:80℃の表-1のウレタンプレポリマ−に架橋剤である120 ℃に溶解したMOCAを所定量加えて混合した後、BM型粘度計 で計測した。10万CPSに到達するまでの時間(秒)を云う。
【0035】
硬度出現性:上述の操作で表-1のウレタンプレポリマーとMOCAを混合し た後、アルミシャ−レに注型し、直ちに100℃乾燥器に入れ後、 JISK6301(加硫ゴム物理試験方法)に規定の硬度計を使用 して計測し、硬度90度に達するまでの時間を云う。
【0036】
<熱硬化型ウレタンの物性>
表−2で得られた比較例、実施例の注型物を100℃で10時間乾燥器中で養生した後、JISK6301(加硫ゴム物理試験方法)に規定の硬度計による硬さ試験と3号ダンベルにて引張試験を行った。
【0037】
【表3】
【0038】
実施例7〜10、比較例3〜4 (ウレタン屋根用塗膜防水材の製造)
I.<ウレタンプレポリマー(I−2)の製造>
2Lフラスコに分子量2000のポリプロピレンエ−テルグリコ−ル(大日本インキ化学工業製、ハイプロックスDP−2000)500部、分子量3000のポリプロピレンエーテルトリオール(大日本インキ化学工業製、ハイプロックスTG−3000)500部、に2,4/2,6=80/20異性体比のトリレンジイソシアネート174部を加え、80℃にて6時間反応を続けた。得られたウレタンプレポリマーの粘度は、25℃において8700cpsで遊離のイソシアネート量は、3.5%、未反応の80/20TDI量は1.5%であった。
【0039】
II.<ヒドロキシオキサゾリジンとの反応物の製造>
このプレポリマー300部に表−4に示すヒドロキシオキサゾリジンを加え、窒素気流中、よりマイルドに反応させるために50℃で6時間反応を続け、ヒドロキシオキサゾリジンが持つ活性水素基とイソシアネート基とのウレタン化反応を行い、最終的なウレタンプレポリマーを得た。ウレタンプレポリマーの性状値は表−4示す通りであった。
【0040】
【表4】
【0041】
<硬化剤の製造>
分子量3200のポリプロピレンエーテルグリコール(大日本インキ化学工業製、パンデックスOD−Xー825)40部にMOCA6部を加熱溶解させた上にジオクチルフタレート35部、炭酸カルシウム(日東粉化製、NS−200)109部、顔料のクロムオキサイドグリーン5部、24%オクチル酸鉛溶液4部、安定剤1部の合計200部をペイント用三本ロールで混練し、グリーン色で粘度14000cpsの硬化剤を得た。
【0042】
<硬化塗膜の製造>
表4で得られたウレタンプレポリマー50部と硬化剤100部をビーカーにとり、均一に攪拌混合した。この混合物によって初期粘度、可使時間、硬化後の物性測定した。物性測定には離型剤処理した水平な板の上に厚さ2mmになるよう平滑に塗布し、常温で7日間硬化養生させた後、JISK6301(加硫ゴム物理試験方法)に規定の硬度計による硬さ試験と3号ダンベルにて引張試験、B型引き裂き強度を測定した。 表−5に性状、表−6に物性を記述した。
【0043】
【表5】
【0044】
[試験方法]
初期混合粘度:25℃の表4のウレタンプレポリマーに所定量の硬化剤を加 え混合した後、BM型粘度計で計測した。混合3分後の粘度(CPS)を云う。
【0045】
可使時間:25℃の表4のウレタンプレポリマーに所定量の硬化剤を加え混 合した後、BM型粘度計で計測した。10万CPSに到達するまでの時間(秒)を云う。
【0046】
硬度出現性:上述の操作で表4に示すウレタンプレポリマーに所定量の硬化剤を加え混合した後、アルミシャーレに注型し25℃の室内に放置して、JISK6301(加硫ゴム物理試験方法)に規定の硬度計を使用 して計測し、硬度30度に達するまでの時間を云う。
【0047】
【表6】
表−6 ウレタン塗膜防水材の硬化物性
【0048】
上記、比較例1、2と1−1、2−1、実施例1〜5と1−1〜5−1が示す通り熱硬化型二液ウレタンについては、実施例が比較例に比べ初期粘度が低く、可使時間も延びている。また強度出現性の目安とした硬度出現性も比較例に比べ遅れていない。最終硬化物の物性も比較例に比べ優れるものであった。
【0049】
同様にウレタン屋根用塗膜防水材において比較例と実施例を比べると前述の熱硬化型に付して強度出現性も速くなっている。
【0050】
【発明の効果】
本発明は、プレポリマーと硬化剤を混合して硬化させる際に、熱硬化型については混合初期粘度の上昇を抑えることができ、可使時間を延長させることができる。常温硬化型については混合初期粘度の上昇を抑え、可使時間を延長でき、且つ強度発現を速くできる二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物を提供することができる。
Claims (3)
- (I)分子末端にイソシアネート基を2個以上有するウレタンプレポリマー、
(II)ウレタンプレポリマー(I)の反応における未反応有機ポリイソシアネートとN−2−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンとの反応から得られ、該ポリイソシアネートの未反応イソシアネート基の半数以上を反応した反応化合物、
からなることを特徴とする二液硬化型組成物用ポリウレタン樹脂組成物。 - 請求項1記載の二液硬化型組成物用ポリウレタン樹脂組成物、
及び(III)ポリオール及び/又はポリアミン
からなることを特徴とする二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物。 - 分子内に1級または2級の水酸基を2個以上有するポリオール類と有機ポリイソシアネートとの反応により得られる分子末端にイソシアネート基を2個以上有するウレタンプレポリマー(I)を得る反応工程と、ウレタンプレポリマー(I)の合成反応でポリオールと反応しなかった未反応有機ポリイソシアネートとN−2−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンとを反応して該ポリイソシアネートの未反応イソシアネート基の半数以上を反応したことを特徴とする二液硬化型組成物用ポリウレタン樹脂組成物の製造方法。
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