JP3387160B2 - 差動制限トルク制御装置 - Google Patents

差動制限トルク制御装置

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JP3387160B2 JP19211493A JP19211493A JP3387160B2 JP 3387160 B2 JP3387160 B2 JP 3387160B2 JP 19211493 A JP19211493 A JP 19211493A JP 19211493 A JP19211493 A JP 19211493A JP 3387160 B2 JP3387160 B2 JP 3387160B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、横加速度情報に基づき
左右駆動輪間の差動制限トルクを電子制御する差動制限
トルク制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、横加速度情報に基づき左右駆動輪
間の差動制限トルクを電子制御する差動制限トルク制御
装置としては、例えば、特開昭62−265030号公
報に記載のものが知られている。 【0003】上記従来出典には、横加速度センサからの
センサ信号を横加速度情報とし、例えば、高横加速度で
あるほど差動制限トルクを強める横加速度対応制御によ
り、高μ路加速旋回時等に応答性と安定性を高める技術
が示されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の差動制限トルク制御装置で、横加速度センサからの
センサ信号をそのまま制御用横加速度値とした場合、横
加速度センサが故障し、センサ信号が急変した場合、差
動制限トルクが急増あるいは急減し、車両挙動が不安定
となってしまう。 【0005】すなわち、差動制限トルクが急増あるいは
急減した場合、一方の車輪から他方の車輪へとトルクが
伝達され、左右輪で大きなトルク差が生じることにな
る。この左右輪トルク差は、そのまま左右輪車両重心回
りのヨーモーメントとなり、車両挙動を不安定にさせ
る。このように、差動制限トルクの急変がヨーモーメン
トに直接効いて車両挙動に影響を与える差動制限トルク
制御では、センサ故障時の車両挙動対策が重要な解決課
題となる。 【0006】そこで、この問題を解決するべく、横加速
度センサを2個設け、横加速度センサの1個が故障して
も両センサ信号の平均値を用いることで横加速度対応制
御への影響を少なくする案があるが、この場合には、故
障したセンサ信号が一気に急増あるいは急減すると、そ
の平均値の時間的変化量も車両挙動の安定を保つ限界を
超えることがあり、確実なフェールセーフとはならない
し、加えて、横加速度センサを2個設ける必要があるこ
とでコスト増を招く。 【0007】本発明は、上記のような問題に着目してな
されたもので、その目的とするところは、横加速度情報
に基づき左右駆動輪間の差動制限トルクを電子制御する
差動制限トルク制御装置において、コスト的に有利で横
加速度応答を確保しながら確実なフェールセーフ機能の
達成を図ることにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の差動制限トルク制御装置では、図1のクレーム
対応図に示すように、左右駆動輪間に設けられ、外部か
らの制御指令に応じた差動制限トルクを付与する差動制
限トルク付与手段aと、車体に作用する横加速度を検出
する横加速度センサbと、横加速度の時間的変化量とし
て車両挙動が不安定にならない変化量リミッタ値を設定
し、横加速度センサ信号が変化量リミッタ値未満の時に
はセンサ信号の変化に追従する制御用横加速度値を演算
し、横加速度センサ信号が変化量リミッタ値以上の時に
は変化量リミッタ値までの変化に規制して制御用横加速
度値を演算する制御用横加速度値演算手段cと、制御用
横加速度値に応じて旋回性能を高める目標差動制限トル
クを設定する目標差動制限トルク設定手段dと、前記目
標差動制限トルクが得られる制御指令を前記差動制限ト
ルク付与手段aに出力する差動制限トルク制御手段eと
を備えていることを特徴とする。 【0009】 【作用】車体に作用する横加速度を検出する横加速度セ
ンサbからのセンサ信号から制御用横加速度値を演算す
るにあたっては、制御用横加速度値演算手段cにおい
て、予め設定されている横加速度の時間的変化量として
車両挙動が不安定にならない変化量リミッタ値が基準と
され、横加速度センサ信号が変化量リミッタ値未満の時
にはセンサ信号の変化に追従する制御用横加速度値が演
算され、横加速度センサ信号が変化量リミッタ値以上の
時には変化量リミッタ値までの変化に規制して制御用横
加速度値が演算される。 【0010】そして、目標差動制限トルク設定手段dに
おいて、制御用横加速度値演算手段cからの制御用横加
速度値に応じて旋回性能を高める目標差動制限トルクが
設定され、差動制限トルク制御手段eにおいて、目標差
動制限トルクが得られる制御指令が差動制限トルク付与
手段aに出力され、左右駆動輪間に付与される差動制限
トルクが外部からの指令により制御される。 【0011】したがって、横加速度センサbの正常時に
は、横加速度センサ信号の変化に追従する制御用横加速
度値により差動制限トルクが制御されることで、横加速
度センサ正常時には制御で要求される横加速度応答が確
保される。 【0012】一方、横加速度センサbの故障時には、横
加速度センサ信号の急変に対し、その変化度合が変化量
リミッタ値までに規制された制御用横加速度値により差
動制限トルクが制御されることで、横加速度センサbの
故障に伴って車両挙動が不安定になるのが防止される。 【0013】 【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。 【0014】まず、構成を説明する。 【0015】図2は本発明実施例の差動制限トルク制御
装置が適用された後輪駆動車の全体システム図である。 【0016】図2において、1はエンジン、2はトラン
スミッション、3はプロペラシャフト、4は電制リミテ
ッドスリップディファレンシャル(以下、電制LSDと
略称する)、5,6は後輪、7,8は前輪である。 【0017】前記電制LSD4には、油圧ユニット9か
ら付与されるクラッチ制御圧に応じて左右後輪5,6間
に差動制限トルクを発生させる差動制限クラッチ10が
内蔵されている。 【0018】前記油圧ユニット9は、油圧源11とLS
D制御バルブ12とを有して構成されている。尚、油圧
ユニット9及び差動制限クラッチ10は、差動制限トル
ク付与手段aに相当する。 【0019】前記LSD制御バルブ12は、アクティブ
LSDコントローラ13からの制御電流ILSD により制
御作動をし、差動制限クラッチ10へのクラッチ制御圧
を作り出す。 【0020】前記アクティブLSDコントローラ13に
は、左前輪回転センサ14からの左前輪回転数VwFLと、
右前輪回転センサ15からの右前輪回転数VwFRと、左後
輪回転センサ16からの左後輪回転数VwRLと、右後輪回
転センサ17からの右後輪回転数VwRRと、横加速度セン
サ18(横加速度センサaに相当)からの横加速度セン
サ電圧VYGと、前後加速度センサ19からの前後加速度
センサ電圧VXGと、スロットル開度センサ20からのス
ロットルセンサ電圧Vθと、ブレーキスイッチ21から
のスイッチ信号BSと、ABSコントローラ22からのA
BS作動信号ASなどが入力される。 【0021】次に、作用を説明する。 【0022】[差動制限トルク制御作動処理]図3はア
クティブLSDコントローラ13で10msecの制御周期で
行なわれる差動制限トルク制御作動処理の流れを示すフ
ローチャートであり、以下、各ステップについて説明す
る。 【0023】ステップ30では、左前輪回転数VwFLと右
前輪回転数VwFRと左後輪回転数VwRLと右後輪回転数VwRR
と横加速度センサ電圧VYGとスロットルセンサ電圧Vθ
が入力される。 【0024】ステップ31では、左右輪回転速度差ΔV
と車速Vcar とが下記の式により演算される。 【0025】ΔV=|VwRR−VwRL| Vcar =max(VwFR,VwFL) ステップ32では、左右輪回転速度差対応トルクT1
が、左右輪回転速度差ΔVと車速Vcar に基づいて下記
の式により演算される。 【0026】T1 =f1 (ΔV,Vcar ) T1 =K1・ΔV (Vcar <20km/h) T1 =K2・ΔV (Vcar ≧20km/h) ここで、K1,K2 は、図4に示すように、K1 >K2
関係にあり、低車速側で大きなゲインK1 により左右輪
回転速度差対応トルクT1 が与えられる。 【0027】ステップ33では、横加速度センサ電圧V
YGにより横加速度YG が計算され、スロットルセンサ電
圧Vθによりスロットル開度θが計算される。 【0028】ここで、横加速度YG は、図5(イ) に示す
ように、横加速度センサ電圧VYGの大きさにより、2.
5V=0Gを境にして左旋回(2.5V以下)と右旋回
(2.5V以上)の横加速度YG が計算される。また、
スロットル開度θは、図5(ロ)に示すように、横加速度
センサ電圧VYGの大きさにより、0.5V=0°,2.
5V=45°,4.5V=90°というように計算され
る。 【0029】ステップ34では、メモリに記憶されてい
る1制御周期前の横加速度YG(i)が読み出される。 【0030】ステップ35では、横加速度変化量ΔYG
が下記の式で計算される。 【0031】ΔYG =YG −YG(i) ステップ36では、横加速度絶対値|YG |が設定横加
速度YGO以上かどうかが判断され、|YG |≧YGOの時
には、ステップ37〜ステップ39へ進み、|YG |<
GOの時には、ステップ40〜ステップ42へ進む。 【0032】ここで、設定横加速度YGOは、車両挙動へ
の影響度合いを考慮して設定されるもので、例えば、Y
GO=0.4Gで与えられる。 【0033】ステップ37では、横加速度変化量ΔYG
が正、つまり、横加速度が時間的に増加傾向にあるかど
うかが判断される。 【0034】ステップ38では、ステップ37でΔYG
>0と判断された時、今回の横加速度YG(i+1)が下記の
式で演算される。 【0035】 YG(i+1)=YG(i)+min(|ΔYG |,ΔYGmax2 ) ステップ39では、ステップ37でΔYG ≦0と判断さ
れた時、今回の横加速度YG(i+1)が下記の式で演算され
る。 【0036】 YG(i+1)=YG(i)−min(|ΔYG |,ΔYGmax2 ) このステップ38とステップ39において、ΔYGmax2
は変化量リミッタ値であり、ΔYGmax2 =0.01G/
10msecに設定されていて、変化量絶対値|ΔYG|が
0.01G/10msecより小さければ変化量絶対値|ΔY
G |が採用され、変化量絶対値|ΔYG |が0.01G
/10msec以上であれば変化量リミッタ値ΔYGmax2 が採
用される(制御用横加速度値演算手段cに相当)。 【0037】ステップ40では、横加速度変化量ΔYG
が正、つまり、横加速度が時間的に増加傾向にあるかど
うかが判断される。 【0038】ステップ41では、ステップ40でΔYG
>0と判断された時、今回の横加速度YG(i+1)が下記の
式で演算される。 【0039】 YG(i+1)=YG(i)+min(|ΔYG |,ΔYGmax1 ) ステップ42では、ステップ40でΔYG ≦0と判断さ
れた時、今回の横加速度YG(i+1)が下記の式で演算され
る。 【0040】 YG(i+1)=YG(i)−min(|ΔYG |,ΔYGmax1 ) このステップ41とステップ42において、ΔYGmax1
は変化量リミッタ値であり、ΔYGmax1 =0.05G/
10msecに設定されていて、変化量絶対値|ΔYG|が
0.05G/10msecより小さければ変化量絶対値|ΔY
G |が採用され、変化量絶対値|ΔYG |が0.05G
/10msec以上であれば変化量リミッタ値ΔYGmax1 が採
用される(制御用横加速度値演算手段cに相当)。 【0041】ステップ43では、スロットル開度θと今
回の横加速度YG(i+1)によりスロットル開度対応トルク
2 が演算により求められる(目標差動制限トルク設定
手段dに相当)。 【0042】ここで、スロットル開度対応トルクT2
は、図6(ロ) に示すように、横加速度YG(i+1)に応じて
ゲインKaが計算され、さらに、図6(イ) に示すよう
に、ゲインKaに決まる比例特性とスロットル開度によ
り計算される。尚、ゲインKaは、横加速度YG(i+1)が
0.4Gまでは一定値で、0.4Gを超えると横加速度
G(i+1)に比例して増す値で与えられる。 【0043】ステップ44では、差動制限トルクTが左
右輪回転速度差対応トルクT1 とスロットル開度対応ト
ルクT2 とのセレクトハイにより設定される。 【0044】ステップ45では、ステップ44で設定さ
れた差動制限トルクTがこれに相当する電流値iに変換
される。 【0045】この変換は、油圧ユニット9のi−P特
性,差動制限クラッチ10のP−T特性の予め与えられ
たテーブルデータを用いて行なわれる。 【0046】ステップ46では、電流値iによる制御電
流ILSD が出力される。 【0047】ここで、制御電流ILSD はディザーをかけ
たディザー電流により出力されるもので、例えば、ILS
D =i±Δi,f0 (Δi=100A,f0 =100H
z)とされる。 【0048】尚、ステップ44〜ステップ46は、差動
制限トルク制御手段eに相当する。 【0049】ステップ47では、タイマiがインクリメ
ント(i=i+1)とされる。 【0050】[横加速度センサ正常時]横加速度センサ
18が正常時で、横加速度絶対値|YG |が設定横加速
度YGO以上あって、横加速度変化量ΔYG が変化量リミ
ッタ値ΔYGmax2 (=0.01G/10msec)より小さい
時には、図3のフローチャートのステップ38におい
て、今回の横加速度YG(i+1)がYG(i+1)=YG(i)+|Δ
G |により演算され、図3のフローチャートのステッ
プ39において、今回の横加速度YG(i+1)がYG(i+1)=
G(i)−|ΔYG |により演算される。 【0051】また、横加速度センサ18が正常時で、横
加速度絶対値|YG |が設定横加速度YGO未満あって、
横加速度変化量ΔYG が変化量リミッタ値ΔYGmax1
(=0.05G/10msec)より小さい時には、図3のフ
ローチャートのステップ41において、今回の横加速度
G(i+1)がYG(i+1)=YG(i)+|ΔYG |により演算さ
れ、図3のフローチャートのステップ42において、今
回の横加速度YG(i+1)がYG(i+1)=YG(i)−|ΔYG
により演算される。 【0052】つまり、ほぼΔYG <ΔYGmax1 ,ΔY
Gmax2 が維持される横加速度センサ18の正常時には、
実際に車両に作用する横加速度に変化にそのまま追従す
る高応答の値で制御に用いる横加速度YG(i+1)が設定さ
れることになり、ステップ43でスロットル開度θとこ
の横加速度YG(i+1)によりスロットル開度対応トルクT
2が演算され、ステップ44で差動制限トルクT=T2
とされた場合、ステップ45及びステップ46では差動
制限トルクTが得られるスロットル開度対応の差動制限
トルク制御が行なわれる。 【0053】特に、横加速度絶対値|YG |が設定横加
速度YGO(=0.4G)未満で横加速度の急変による車
両挙動の変化が小さくなる旋回時には、変化量リミッタ
値ΔYGmax1 がΔYGmax1 =0.05G/10msecと大き
な値で与えられることで、変化量リミッタ値ΔYGmax1
がΔYGmax1 =0.01G/10msecで与えられる|YG
|≧0.4Gの時に比べ、より制御応答性が高く確保さ
れる。 【0054】したがって、図6の制御特性に示すよう
に、スロットル開度に比例して差動制限量を増加すると
共に、その増加度合は横加速度YG(i+1)が大きいほど大
きくするという制御により、下記の1),2)の狙った効果
が横加速度変化量ΔYG が小さい時に応答よく発揮され
る。 【0055】1)加速初期のオーバステアの確保(低スロ
ットル開度時のトルク小)。 【0056】2)アクセルコントロールに対するレスポン
スの向上(横加速度対応ゲインによるスロットル開度比
例トルク)。 【0057】[横加速度センサ故障時]横加速度センサ
18が故障時で、横加速度絶対値|YG |が設定横加速
度YGO以上あって、横加速度変化量ΔYG が変化量リミ
ッタ値ΔYGmax2 (=0.01G/10msec)以上である
時には、図3のフローチャートのステップ38におい
て、今回の横加速度YG(i+1)がYG(i+1)=YG(i)+ΔY
Gmax2 により演算され、図3のフローチャートのステッ
プ39において、今回の横加速度YG(i+1)がYG(i+1)=
G(i)−ΔYGmax2 により演算される。 【0058】また、横加速度センサ18が故障時で、横
加速度絶対値|YG |が設定横加速度YGO未満あって、
横加速度変化量ΔYG が変化量リミッタ値ΔYGmax1
(=0.05G/10msec)以上である時には、図3のフ
ローチャートのステップ41において、今回の横加速度
G(i+1)がYG(i+1)=YG(i)+ΔYGmax1 により演算さ
れ、図3のフローチャートのステップ42において、今
回の横加速度YG(i+1)がYG(i+1)=YG(i)−ΔYGmax1
により演算される。 【0059】つまり、センサ故障により横加速度センサ
18による横加速度センサ電圧VYGに基づく横加速度変
化量ΔYG が変化量リミッタ値ΔYGmax1 あるいはΔY
Gmax2以上となっても、制御に用いる横加速度YG(i+1)
の変化量は変化量リミッタ値ΔYGmax1 あるいはΔY
Gmax2 により規制され、横加速度YG(i+1)はこの変化量
リミッタ値ΔYGmax1 あるいはΔYGmax2 の幅を超えな
い範囲での増加あるいは減少が確保される。 【0060】例えば、横加速度センサ18の0.5G→
1.0G急変故障時の動作について図7に基づいて説明
する。図7において、1点鎖線は対策後特性であり、実
線は対策前特性である。 【0061】まず、対策前特性では、横加速度YG が故
障発生時に0.5Gから1.0Gへと急変し、スロット
ル開度対応トルクT2 も同様に、例えば、60kgm から
120kgm へと急変し、車両に加わるヨーレイトψ’の
特性もリアディファレンシャルの急激な直結で旋回外輪
側の駆動トルクが増して左右輪にトルク差を生じ、強オ
ーバステア特性となって、車両挙動を不安定にする。 【0062】これに対し、対策後特性では、横加速度Y
G が故障発生時に0.5Gから1.0Gへと0.01G
/10msecの勾配にて徐々に変化し、スロットル開度対応
トルクT2 も同様に、例えば、60kgm から120kgm
へと徐々に変化し、車両に加わるヨーレイトψ’の特性
もリアディファレンシャルの緩やかな差動制限トルク増
で、緩やかなオーバステア特性となって、車両挙動の安
定を保つ。 【0063】例えば、横加速度センサ18の1.0G→
0G急変故障時の動作について図8に基づいて説明す
る。図8において、1点鎖線は対策後特性であり、実線
は対策前特性である。 【0064】まず、対策前特性では、横加速度YG が故
障発生時に1.0Gから0Gへと急変し、スロットル開
度対応トルクT2 も同様に、例えば、120kgm から0
kgm へと急変し、車両に加わるヨーレイトψ’の特性も
リアディファレンシャルの急激な解放で旋回外輪側の駆
動トルクが急減して左右輪にトルク差を生じ、強アンダ
ーステア特性となり、ドライバーはコースアウトしない
ように切り増し操舵をしなければならない。 【0065】これに対し、対策後特性では、横加速度Y
G が故障発生時に1.0Gから0Gへと0.01G/10
msecの勾配にて徐々に変化し、スロットル開度対応トル
クT2も同様に、例えば、120kgm から0kgm へと徐
々に変化し、車両に加わるヨーレイトψ’の特性もリア
ディファレンシャルの緩やかな差動制限トルク減で、緩
やかなアンダーステア特性となって、車両挙動の安定を
保つ。 【0066】次に、効果を説明する。 【0067】(1)横加速度情報に基づき左右後輪5,
6間の差動制限トルクを電子制御する差動制限トルク制
御装置において、車両挙動が不安定にならない横加速度
の変化量リミッタ値ΔYGmaxを設定し、横加速度センサ
電圧VYGの横加速度変化量ΔYG が変化量リミッタ値Δ
Gmax未満の時には横加速度センサ電圧VYGの変化に追
従する制御用の横加速度YG(i+1)を演算し、横加速度セ
ンサ電圧VYGの横加速度変化量ΔYG が変化量リミッタ
値ΔYGmax以上の時には変化量リミッタ値ΔYGm axまで
の変化に規制して制御用の横加速度YG(i+1)を演算し、
横加速度を入力情報とするスロットル開度対応の差動制
限トルク制御を行なう装置としたため、コスト的に有利
で横加速度応答を確保しながら確実なフェールセーフ機
能の達成を図ることができる。 【0068】(2)変化量リミッタ値として、|YG
≧YGOの時には、ΔYGmax2 の値として、車両の不安定
挙動に至らない0.01G/10msecに設定し、|YG
<YGOの時には、ΔYGmax1 の値として、制御応答上必
要な0.05G/10msecに設定したため、スロットル開
度対応差動制限トルク制御において、横加速度の発生が
小さい時には制御応答性が重視された応答性と安定性の
両立を図ることができ、横加速度の発生が大きい時には
車両挙動の安定性の重視された応答性と安定性の両立を
図ることができる。 【0069】以上、実施例を図面により説明してきた
が、具体的な構成は実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加等があ
っても本発明に含まれる。 【0070】例えば、実施例では、油圧式の多板クラッ
チにより差動制限トルクを付与する例を示したが、外部
からの制御指令により可変に差動制限トルクを制御でき
るものであれば電磁クラッチなどであっても良い。 【0071】実施例では、後輪駆動車への適用例を示し
たが、前輪駆動車にも適用することができる。 【0072】実施例では横加速度情報を用いる制御とし
て横加速度によりゲインを決めるスロットル開度対応差
動制限制御の例を示したが、横加速度によりゲインを決
めるアクセル踏み込み速度対応差動制限制御や横加速度
の大きさにより直接差動制限トルクを与える横加速度対
応差動制限制御にも適用することができる。 【0073】 【発明の効果】以上説明してきたように本発明にあって
は、横加速度情報に基づき左右駆動輪間の差動制限トル
クを電子制御する差動制限トルク制御装置において、横
加速度の時間的変化量として車両挙動が不安定にならな
い変化量リミッタ値を設定し、横加速度センサ電圧が変
化量リミッタ値未満の時にはセンサ信号の変化に追従す
る制御用横加速度値を演算し、横加速度センサ電圧が変
化量リミッタ値以上の時には変化量リミッタ値までの変
化に規制して制御用横加速度値を演算する制御用横加速
度値演算手段を設け、この制御用横加速度値を制御情報
として横加速度対応の差動制限トルク制御を行なう装置
としたため、コスト的に有利で横加速度応答を確保しな
がら確実なフェールセーフ機能の達成を図ることができ
るという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の差動制限トルク制御装置を示すクレー
ム対応図である。 【図2】実施例の差動制限トルク制御装置が適用された
後輪駆動車の全体システム図である。 【図3】実施例装置のアクティブLSDコントローラで
行なわれる差動制限トルク制御作動処理の流れを示すフ
ローチャートである。 【図4】実施例装置での左右回転速度差対応差動制限ト
ルク特性図である。 【図5】図5(イ) は横加速度センサ電圧に対する横加速
度特性図であり、図5(ロ) はスロットルセンサ電圧に対
するスロットル開度特性図である。 【図6】図6(イ) はスロットル開度に対するスロットル
対応トルク特性図であり、図6(ロ) は横加速度に対する
ゲイン特性図である。 【図7】横加速度センサの0.5G→1.0G急変故障
時の動作を示すタイムチャートである。 【図8】横加速度センサの1.0G→0G急変故障時の
動作を示すタイムチャートである。 【符号の説明】 a 差動制限トルク付与手段 b 横加速度センサ c 制御用横加速度値演算手段 d 目標差動制限トルク設定手段 e 差動制限トルク制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 17/34 - 17/35 B60K 23/04 B60K 41/00 F16H 48/30 F16H 61/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 左右駆動輪間に設けられ、外部からの制
    御指令に応じた差動制限トルクを付与する差動制限トル
    ク付与手段と、 車体に作用する横加速度を検出する横加速度センサと、 横加速度の時間的変化量として車両挙動が不安定になら
    ない変化量リミッタ値を設定し、横加速度センサ信号が
    変化量リミッタ値未満の時にはセンサ信号の変化に追従
    する制御用横加速度値を演算し、横加速度センサ信号が
    変化量リミッタ値以上の時には変化量リミッタ値までの
    変化に規制して制御用横加速度値を演算する制御用横加
    速度値演算手段と、 制御用横加速度値に応じて旋回性能を高める目標差動制
    限トルクを設定する目標差動制限トルク設定手段と、 前記目標差動制限トルクが得られる制御指令を前記差動
    制限トルク付与手段に出力する差動制限トルク制御手段
    と、 を備えていることを特徴とする差動制限トルク制御装
    置。
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