JP3386186B2 - 官能化ポリオレフィンの製造に好適なコンセントレートおよびこのコンセントレートを使用する官能化方法 - Google Patents

官能化ポリオレフィンの製造に好適なコンセントレートおよびこのコンセントレートを使用する官能化方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、炭素数2〜10のα−オレフィ
ンの単独重合体および共重合体の官能化に好適な濃縮
物、並びにこの濃縮物を使用する官能化方法に関する。
極性基、例えば、カルボキシル、ヒドロキシル、エステ
ルまたはアミノ基を高分子鎖に導入することによってオ
レフィン重合体の無極性を変性する各種の方法は、既知
である。前記方法は、オレフィン重合体をラジカル発生
剤の存在下で前記官能基の1個以上を含有することのほ
かに一般に少なくとも1個の二重結合を含む有機化合物
と反応させることからなる。極性化合物のグラフトをポ
リオレフィン鎖に沿って各種の部位で可能にすることの
ほかに、前記二重結合は、重合も受けやすく、ポリオレ
フィンに結合されるが部分的には結合されない極性化合
物の単独重合体鎖を形成する。前記グラフト反応は、官
能基を有するポリオレフィン鎖の形成、即ち、ポリオレ
フィンの官能化を生ずる。
【0002】金属コーティング、ポリオレフィンとポリ
アミド、ポリエステルなどの極性重合体との間の混合物
の相容化、ガラス補強ポリオレフィンの製造などの多く
の応用においては(前記応用は適量の前記官能化ポリオ
レフィンの使用を必要とする)、最善の性能は、極性基
が若干の長い懸垂重合体鎖の代わりにポリオレフィン鎖
に沿ってグラフトされた多くの別個の単位(単一の単量
体、またはオリゴマー鎖からなる)に存在する官能化ポ
リオレフィンによって与えられることが分っている。長
い懸垂重合体鎖を含まない官能化ポリオレフィンを製造
する最も簡単で効率的な方法は、遊離基発生開始剤の存
在下で高分子量単独重合体を生成できない無水マレイン
酸(または対応酸またはエステル)などの不飽和極性化
合物を使用する方法である。前記不飽和極性化合物は、
ここで非重合性極性ビニル単量体と称する。
【0003】前記官能化ポリオレフィンの各種の製法
は、技術上既知である。前記方法は、次の通り総括でき
る: A)溶液中でのグラフト:ポリオレフィン、極性単量体
および遊離基発生開始剤を通常130〜150℃の温度
で溶媒(例えば、キシレン、デカン、ジイソブチルケト
ン、クロロベンゼン)に溶解する。 B)固体状態でのグラフト:ポリオレフィン、極性単量
体および遊離基発生開始剤を室温で乾式混合し、次い
で、混合物を通常130℃を超える温度に加熱する。 C)溶融状態でのグラフト:180〜150℃の温度で
適当なミキサーまたは押出機中で操作して、極性単量体
および遊離基発生開始剤を、完全に溶融するまで予め加
熱されたポリオレフィンに加え、ポリオレフィンと混合
する。
【0004】方法(A)は、極性基の高度に均質な分布
を有する官能化ポリオレフィンを与えるが、かなりの量
の溶媒を使用し且つ再循環しなければならないという欠
点を提示する。更に、ポリオレフィン上にグラフトでき
る単量体、例えば、無水マレイン酸の量は少なく、通常
3重量%以下である。ポリオレフィンがポリプロピレン
である時には、この方法を使用するグラフトは、比較的
高い操作温度のためかなりの分解を伴う。ポリオレフィ
ンがポリエチレンである時には、望ましくない架橋が、
やはりかなり高いグラフト温度のため生ずる。
【0005】方法(B)の場合には、溶媒を使用するこ
とによって生ずる欠点は排除されるが、官能化ポリオレ
フィン中の極性基の分布が余り均質ではない。更に、方
法(B)は、前述の分解および/または架橋現象も受け
やすい。方法(C)の場合には、高温により、極性単量
体の部分揮発並びにオレフィン重合体の前記の二次分解
および/または架橋反応がしばしば生ずる。
【0006】ここに、非重合性極性ビニル単量体、好ま
しくは無水マレイン酸を炭素数2〜10のα−オレフィ
ンの単独重合体および共重合体にグラフトするのに好適
である新規な方法(該方法は前記単独重合体および共重
合体を適当に調製された濃縮物とブレンドし、このよう
にして得られたブレンドを押し出すことからなる)が見
出された。それゆえ、本発明は、少なくとも表面上を且
つ所望により細孔内を、 A) 濃縮物の全重量に対して0.05〜30重量%、
好ましくは0.2〜10重量%の1種以上の非単独重合
性ビニル単量体、 B)(A)に対して0.5〜30モル%、好ましくは
0.5〜5モル%の、70℃以下の温度で活性ではない
遊離基発生開始剤、および所望により C)濃縮物の全重量に対して0.1〜5重量%のコーテ
ィング物質を含む添加剤のブレンドで被覆されたオレフ
ィン重合体粒子の形の濃縮物を提供する。
【0007】前記濃縮物は、 1)50〜70℃、好ましくは50℃以上〜60℃未満
の温度で粒子形のオレフィン重合体、1種以上の非重合
性極性ビニル単量体および70℃以下の温度で活性では
ない遊離基発生開始剤をブレンドし、所望により 2)コーティング物質を工程(1)と同時または工程
(1)後に加えることを特徴とする方法を使用すること
によって調製する。工程(1)のブレンディングの場合
には、任意の固型物用ミキサー、例えば、低rpm または
高rpm のいずれかで操作するミキサーを使用できる。成
分(A)、(B)および(C)は、前記割合でミキサー
に導入する。高rpm ミキサーを使用する時には(例え
ば、ターボミキサー)、ブレンディング操作時に生ずる
熱は、一般に、50〜70℃の温度に達する。
【0008】しかしながら、適当に加熱されたミキサー
を使用しても操作できる。ポリオレフィン中の非重合性
極性ビニル単量体のより良い分布を得るために、第一段
階を室温で行い(例えば、低rpm で混合)、次いで、前
記値に達するまでブレンディング温度を増大することが
有利であることもある。工程(1)で無水マレイン酸を
非重合性極性ビニル単量体として使用する時には、前記
無水マレイン酸は溶融し、オレフィン重合体粒子の表面
上および場合によって前記粒子の細孔内に均一に分布
し、ラジカル開始剤と均質にブレンドする。
【0009】それゆえ、官能化プロセスの終了時に、極
性単量体が無水マレイン酸である時には、極性単量体の
分布および前記応用における官能化ポリオレフィンの良
好な性能に関して最適の結果が得られる。また、室温で
液体であるか50〜70℃の範囲外の融点を有する他の
非重合性極性ビニル単量体を無水マレイン酸と併用する
か、無水マレイン酸の代わりに使用することも可能であ
る。それゆえ、有利に使用できる非重合性極性ビニル単
量体の例は、不飽和環式無水物およびそれらの脂肪族ジ
エステル、および二酸誘導体である。特に、無水マレイ
ン酸のほかに、C1 〜C10線状および分枝ジアルキルマ
レエート、C1 〜C10線状および分枝ジアルキルフマレ
ート、無水イタコン酸、C1 〜C10線状および分枝イタ
コン酸ジアルキルエステル、マレイン酸、フマル酸、イ
タコン酸およびそれらの混合物から選ばれる単量体が使
用できる。
【0010】前記のように、段階(1)で達する温度に
おいては、ラジカル開始剤は活性ではなく、即ち、基本
的には重合体鎖に沿って基を形成するためにポリオレフ
ィン重合体と反応できない。工程(1)後、または同時
に、目的が重合体粒子を被覆することである物質、例え
ば、パラフィンロウ、油およびエポキシ樹脂を加えるこ
ともできる。コーティング物質を工程(1)後に加える
ことが好ましい。前記物質は、本発明の濃縮物により良
い経時安定性を与え且つ官能化工程で極性ビニル単量体
用希釈剤として作用し、前記工程での前記単量体の蒸発
を妨げる。
【0011】前記物質の具体例は、ロルによって市販さ
れているオイル(OIL)OB55パラフィン油;ウィトコ
・ケミカルによって市販されているW835石油パラフ
ィンロウ;ワセリン油;シェル・ケミカル・カンパニー
によって市販されているエピコート(EPIKOTE)882エ
ポキシ樹脂である。
【0012】ビニル単量体およびラジカル発生剤が70
℃以下の温度で液体ではない時には、これら添加剤のポ
リオレフィンへの接着は、前記コーティング物質によっ
て保証される。次いで、このようにして調製した濃縮物
は、好ましくは乾式操作し且つ前記ミキサーを使用し
て、官能化すべきポリオレフィンと混合する。濃縮物に
使用するものと同じであるか異なることができる官能化
すべきポリオレフィンは、粉末、フレークまたはペレッ
ト形であることができる。官能化は、得られたブレンド
の押出によって生ずる。しかしながら、本発明の濃縮物
は、溶融重合体を加工している際(即ち、最終製品を製
造している時に)有利に添加することもできる。この場
合には、官能化工程は、その場で行う。また、特に濃縮
物中の極性ビニル単量体の量が0.05〜5重量%であ
る時に、純粋な状態で、即ち、加工時に追加の重合体を
導入せずに濃縮物を押し出すこともできる。この場合に
は、濃縮物に存在するオレフィン重合体の官能化が得ら
れる。
【0013】官能化工程は、溶融状態の重合体粉末また
は粒子の押出および混合に好適な既知の装置を使用して
行うことができる。押出は、好ましくは180〜250
℃の温度で行う。官能化工程で、重合体マトリックスに
既に分散され且つそれゆえ容易には蒸発できない非重合
性極性ビニル単量体は、均一に分布された単一の単量体
単位としてポリオレフィン鎖に沿ってグラフトする。こ
れらの条件下ではグラフト反応が非常に効率的であるの
で、ラジカル開始剤の量を前記反応に必要とされる最小
量とすることが可能であり、これにより重合体マトリッ
クス中での二次分解、分枝および/または架橋反応が激
減する。
【0014】本発明の方法によって得られるグラフト生
成物は、前記の最適の接着性および相容性のほかに、改
善された機械的性能およびほとんど存在しない黄色の色
合いも示す。特に、本発明によれば、金属への最適の接
着性を示し且つガラス繊維(または他の鉱物充填剤、例
えば、タルク、炭酸カルシウム、シリカおよび雲母)で
補強でき、従って良好な機械的特性が付与された製品を
与える官能化ポリオレフィン複合材料が得られる。更
に、濃縮物および/または本発明の濃縮物によって官能
化されたオレフィン重合体は、最適の機械的特性および
耐衝撃性が付与された、ポリアミド、ポリエステル、ポ
リカーボネートなどの極性重合体との複合材料を製造す
るのに有用である。本発明の濃縮物の製造に使用するオ
レフィン重合体は、微粒子、即ち、粉末、フレークおよ
び球状または回転楕円面状粒子の形態であり、好ましく
は良好から優秀な表面積(例えば、20〜300 m2
g)および多孔度(例えば、全容積の7〜50%の細孔
容積)を有する。
【0015】一般に、前記オレフィン重合体は、式 R
−CH=CH2 〔式中、Rは水素原子、または炭素数1
〜8のアルキル基、またはアリール基(特にフェニル)
である〕のオレフィンの単独重合体および共重合体、ま
たはそれらの混合物から選ばれる。特に、前記単独重合
体および共重合体としては、 1)アイソタクチック、または大部分アイソタクチック
ポリプロピレン、 2)HDPE、LLDPEまたはLDPEポリエチレン
(HDPEおよびLLDPEが好ましい)、 3)好ましくはプロピレン98〜80重量%を含有する
プロピレンとエチレンおよび/または他のα−オレフィ
ン、例えば、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテ
ン、および4−メチル−1−ペンテンとの結晶性共重合
体、 4)エチレン/α−オレフィンエラストマー共重合体お
よび小割合のジエンを含有するエチレン/α−オレフィ
ン−ジエン三元共重合体(α−オレフィンは好ましくは
プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、4−メチル−1−ペンテン、および3−メチル−1
−ブテンから選ばれる。前記エラストマー共重合体に最
も普通に存在するジエンとしては、ブタジエン、エチレ
ン−ノルボルネン、および1,4−ヘキサジエンがあ
る)、 5)逐次重合によって得られ、プロピレン(A)の単独
重合体画分または前記項目(3)の共重合体の1つ、お
よび前記項目(4)のエラストマー共重合体からなる共
重合体画分(B)を含む異相(heterophasic)重合体が
挙げられる。
【0016】前記重合体は、通常のまたは高収率チーグ
ラー−ナッタ触媒、またはシリカまたはアルミナに担持
されたクロム化合物をベースとする触媒、またはラジカ
ル開始剤の存在下で高圧または低圧で、気相中、懸濁液
中または溶液中での既知の方法によって得ることができ
る。
【0017】好ましいオレフィン重合体は、粒子の容積
7%以上、特に20%以上という、細孔容積分率を
有する球状形のものである。細孔の容積は、EP−A−
0395083号公報に詳述される水銀吸収試験の方法
により評価される。
【0018】20%以上の細孔容積分率を有する粒子
は、公開欧州特許出願EP−A第0395083号明細
書の例2、3および4に記載の種類の高収率チーグラー
−ナッタ触媒を使用することによって得ることができ
る。また、重合体粒子細孔の40%よりも多くが1μm
よりも大きい直径を有することが好ましい。単一重合体
粒子の寸法は、広範囲、例えば、0.1〜10mmを有す
ることができる。
【0019】本発明の濃縮物の添加で官能化すべきポリ
オレフィンは、好ましくは、前記単独重合体および共重
合体から選ばれるが、それらの形態特性、表面積および
多孔度は、特に限定されるものではない。70℃以下の
温度で活性ではない遊離基発生開始剤を、本発明の濃縮
物の調製に使用できるが、好ましいものは、半分解温度
90〜240℃を有する開始剤、特に過酸化物およびア
ゾ誘導体である。半分解時間は、好ましくは1〜60分
である。有利に使用できる遊離基発生開始剤の典型例
は、過酸化ベンゾイル、過酸化ジ−t−イソブチル、過
酸化ジクミル、過安息香酸t−ブチル、2,5−ジメチ
ル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、
2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキ
シ)ヘキシン−3、またはアゾビスイソブチロニトリル
である。
【0020】官能化すべきポリオレフィンに加える濃縮
物の量は、明らかに、最終生成物に望まれるグラフト非
重合性極性ビニル単量体の量に依存する。通常、非重合
性極性ビニル単量体の前記量は、ポリオレフィンと非重
合性極性ビニル単量体との合計重量に対して0.03〜
5重量%である。例として、前記水準の官能化を得るた
めに使用すべき濃縮物の量は、ポリオレフィンと濃縮物
との合計重量に対して0.1〜30重量%、好ましくは
0.5〜30重量%で変化する。勿論、所望のグラフト
非重合性極性ビニル単量体の濃度および濃縮物に存在す
る非重合性極性ビニル単量体の量に応じて、幾つかの応
用の場合には、より多い量の前記濃縮物を使用すること
も可能である。
【0021】下記例は、本発明を例示するために示し、
限定するものではない。例1、2、3および6は、本発
明に従って官能化され且つ金属(炭素鋼)への最適の接
着性が付与されたポリオレフィンの製造を例示する。例
5は、ガラス繊維で補強された複合体に関する。例7お
よび8は、ポリアミドをベースとし且つ本発明に従って
官能化された異相プロピレン/エチレン共重合体によっ
て耐衝撃性にされた複合材料の製造を例示する。比較例
4は、オレフィン重合体を本発明の方法とは異なる方法
によって官能化する時には金属への接着性がはるかに低
いことを示す。
【0022】例1 本発明の濃縮物を、下記材料および混合法を使用して調
製する: a)全容積の20%に等しい細孔容積(水銀吸収試験に
よって測定)、突き固め見掛け密度=0.38g/c
m3 、キシレン中不溶分率=96重量%、およびメルト
インデックスMI/L(ASTM D1238−82)
=20g/10分を有するバルテック(VALTEC)702
6/XOSポリプロピレン単独重合体(ハイモント・イ
タリアS.r.l によって市販)回転楕円面状粒子; b)無水マレイン酸; c)アクゾ・ヘミーによって市販されているトリゴノッ
クス(Trigonox)C過安息香酸t−ブチル; d)エチレン含量=3.4〜4.2重量%、溶融温度
(DSCによって測定)=146℃、メルトインデック
スMI/L=9g/10分を有するプロピレン/エチレ
ンランダム共重合体; e)エチレン含量=56重量%、100℃での粘度ムー
ニーML1+4=40を有する、25℃のキシレンに完
全に可溶性のエチレン/プロピレンエラストマー。 温度が攪拌のため60℃に達するまで内容物を窒素流中
で攪拌下に維持しながら、温度の連続監視用浸漬プロー
ブを備えたGENERAL/MEC GTM 110ターボミキサー(2
000rpm)に窒素流中でポリプロピレン単独重合体のバ
ルテック7026/XOS 94重量部、過酸化物1重
量部、および無水マレイン酸5重量部を導入する。次い
で、前記攪拌を中断し、内容物を冷却し、このようにし
て無水マレイン酸/過酸化物濃縮物を得る。
【0023】本発明の官能化ポリオレフィンは、下記方
法に従って調製する。上で調製された濃縮物3重量部
を、プロピレン/エチレンランダム共重合体87重量部
およびエチレン/プロピレンエラストマー10重量部を
押し出すことによって得られたペレット混合物97重量
部と乾式混合する(室温)。このようにして得られる乾
燥ブレンドをブラベンダー・データ・プロセッサー・プ
ラスチコーダー押出機PLD651に200℃で導入
し、ペレット化する。下記材料を使用して、得られた製
品(ポリプロピレン接着剤=PPA)を使用して金属表
面を被覆して腐食から保護する: (a)サンダー仕上炭素鋼板 (b)TIBによって生産されている12−04プロド
ジン(Prododin)下塗液体二成分エポキシプライマー (c)エチレン含量=8重量%、25℃のキシレン中の
抽出物14%、およびMI/L=0.8g/10分を有
する異相プロピレン/エチレン共重合体。 鋼板を80℃に加熱し、エポキシプライマー約80μm
で被覆する。次いで、板を190〜200℃に加熱し、
200℃でフラットフィルムダイを備えたブラベンダー
PLD651押出機を使用して上で得られた400μm
厚のPPAフィルムで被覆する。次いで、また200℃
で同じ方法を使用して、約2000μm厚の異相プロピ
レン/エチレン共重合体フィルムを施す。得られた製品
をローラーでプレスして各種の層を互いにシールし且つ
気泡を回避する。DIN30670法(剥離角90°)
に従う23℃および120℃での接着試験を上で得られ
た試料について行う。下記結果が、それぞれ得られた:
>30N/mm(ストリップは分離しなかったが、降伏し
た)および10N/mm。
【0024】例2 使用するペレット混合物がプロピレン/エチレンランダ
ム共重合体67重量部およびエチレン−プロピレンエラ
ストマー30重量部を押し出すことによって得られる以
外は、例1の成分および方法と同じである。23℃およ
び120℃での接着試験は、それぞれ下記結果を生じ
た:>25N/mmおよび9N/mm。
【0025】例3 使用する過酸化物がトリゴノックス101−50Dpd
2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキ
シ)ヘキサンであり且つエチレン/プロピレンエラスト
マーの代わりにエチレン23重量%および25℃のキシ
レン中の抽出分25重量%を含有し且つMI/L=10
g/10分を有する異相エチレン/プロピレン共重合体
を使用する以外は、例1の成分および方法と同じであ
る。更に、この試験で使用したペレット混合物(97重
量%)は、例1と同じランダム共重合体48.5重量部
および前記異相共重合体48.5重量部を押し出すこと
によって得られた。23℃および120℃での接着試験
結果は、それぞれ>30N/mm(ストリップは降伏し
た)および8N/mmである。
【0026】例4(比較例) ターボミキサー中での成分のブレンディングを25℃を
超えずに行う以外は、例1の成分および方法と同じであ
る。23℃および120℃での接着試験は、非常に低い
値、即ち、1N/mm未満を生じた。
【0027】例5 60℃で高速ミキサー中で得られた以外は例1と同じ成
分の濃縮物0.5重量部をCP713ガラス繊維30重
量部およびアイソタクチック指数96.5%およびMI
/L=11g/10分を有するポリプロピレン単独重合
体69.5重量部と混合する。次いで、混合物を一軸ス
クリューバンデラ(Bandera)19押出機中で250℃に
おいて押し出す。得られた製品は、下記の物性および機
械的特性について分析した:破壊時引張強さ(ASTM
D638)=70.7MPa 、1820KPa でのHDT
(ASTM D648)=146℃、−20℃でのノッ
チ付アイゾット衝撃(ASTM D256)=74.4
J/m、曲げクリープ(ASTM D2990)=1.
8%(支持体間の距離4cm、120℃で8時間、圧力1
00kg/cm2 )。
【0028】例6 バルテック7026/XOS 92重量部、無水マレイ
ン酸5重量部、およびトリゴノックス101−50Dp
d 2重量部を使用する以外は、濃縮物を例1の方法に
従って調製する。温度が60℃に達する時に、W835
パラフィンロウ1重量部を加え、ブレンディングを若干
の時間(分)続け、次いで、混合を中断し、混合物を冷
却させる。このようにして調製された濃縮物3.6重量
部を2個の供給口を備えた二軸スクリューベルストルフ
(Berstorff )押出機中でMIE=3.6g/10分
(ASTM D1238)を有するBP製のリジデック
ス(Rigidex)HD6070HDPE 96.4重量部と
押出機中で直接混合する。スクリューの最初に配置され
た第一供給口において、HDPEを供給し、約15スク
リュー直径の距離に配置された第二供給口において、濃
縮物を導入し、溶融ポリエチレンと直接接触する。スク
リューの速度は250rpm であり、溶融重合体の温度は
240℃である。ペレット形の接着剤ポリエチレンが得
られる。下記材料を使用して、前記接着剤ポリエチレン
を使用して金属表面を被覆して腐食から保護する: (a)サンダー仕上炭素鋼板; (b)ベネジアニによって生産されているOLE二成分
液体エポキシプライマー; (c)接着剤ポリエチレン; (d)MIE=0.3g/10分を有するネステ製のH
DPE NCPE6060ポリエチレン。 鋼板を70〜80℃に加熱し、エポキシプライマー約4
0μmで被覆する。次いで、板を200℃に加熱し、上
で得られた接着剤ポリエチレンの300μm厚のフィル
ムで被覆する。接着剤で被覆された板を約225℃に加
熱し、次いで、同じ押出機を使用して250℃で得られ
た800μm厚のHDPE NCPE6060の溶融ス
トリップの3層を前記板上に付着する。被覆された鋼板
は、ローラーを使用することによって圧縮して各種の層
をシールし且つ気泡を回避する。前記方法を使用して、
接着試験をこのようにして得られた試料について23℃
および100℃で行い、下記結果を得る:それぞれ23
N/mmおよび6N/mm。
【0029】例7 異相プロピレン/エチレン共重合体(エチレン含量:2
2重量%、メルトインデックスMI/L=0.7g/1
0分)94重量部と無水マレイン酸5重量部と2,5−
ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキ
サン1重量部とを含有する濃縮物を例1の方法に従って
調製する。その後、前記濃縮物6重量部および前記異相
共重合体24重量部をブス(BUSS)−70押出機の頭部
分に配置された第一ホッパーに導入する一方、破壊強さ
=47MPa 、0℃でのノッチ付アイゾット衝撃=45J
/mを有するラジシ製のPA6ラジロン(RADILON)6ポ
リアミド70重量部を押出機の中央に配置された第二ホ
ッパーに導入する。押出機の温度は第一ホッパーと第二
ホッパーとの間で200℃、第二ホッパーと出口との間
で250℃である。 破壊強さ=42MPa および0℃でのノッチ付アイゾット
衝撃=280J/mを有する複合材料が得られる。
【0030】例8 例7で得られた濃縮物6重量部、異相プロピレン/エチ
レン共重合体(エチレン含量:22重量%、メルトイン
デックスMI/L=0.7g/10分)24重量部およ
びPA6ラジロン6ポリアミド70重量部を例7で使用
した押出機の第一ホッパーに導入し、そこで混合し、2
50℃で押し出す。破壊強さ=43MPaおよび0℃での
ノッチ付アイゾット衝撃=320J/mを有する複合材
料が得られる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08K 5/14 C08K 5/14 5/23 5/23 (72)発明者 ジアン、ルイジ、リゴーシ イタリー国フェララ、ビア、ポンポー サ、42 (56)参考文献 特開 平3−17142(JP,A) 欧州特許出願公開459208(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/00 - 23/36 C08F 8/00 - 8/50 C08J 5/00 - 7/18 EUROPAT(QUESTEL) WPI/L(QUESTEL)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面のみ、または表面および細孔内の両方
    を添加剤混合物で被覆されたオレフィン重合体粒子から
    実質的になる、官能化ポリオレフィンの製造に好適な濃
    縮物であって、 オレフィン重合体が、式R−CH=CH2 (式中、Rは
    水素原子、または炭素数1〜8のアルキル基、またはア
    リール基である)のオレフィンの単独重合体または共重
    合体、またはそれらの混合物であり、添加剤混合物が、 A) 濃縮物の全重量に対して0.05〜30重量%
    の、無水マレイン酸、C1〜C10線状および分枝ジアル
    キルマレエート、C1 〜C10線状および分枝ジアルキル
    フマレート、無水イタコン酸、C1 〜C10線状および分
    枝イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸、フマル
    酸、ならびにイタコン酸から選ばれる、1種以上の非単
    独重合性ビニル単量体、および B)(A)に対して0.05〜30モル%の、70℃以
    下の温度で活性ではない過酸化物およびアゾ誘導体、 を含んでなる、オレフィン重合体粒子を含むことを特徴
    とする、官能化ポリオレフィンの製造に好適な濃縮物。
  2. 【請求項2】オレフィン重合体が、水銀吸収試験により
    決定される7%以上の細孔容積分率を有する球状粒子形
    態である、請求項1に記載の濃縮物。
  3. 【請求項3】オレフィン重合体が、アイソタクチックま
    たは主としてアイソタクチックのポリプロピレン;プロ
    ピレン80〜98重量%を含有する、プロピレンと、エ
    チレン、他のα−オレフィン、もしくはエチレンおよび
    他のα−オレフィンとの結晶性共重合体;高密度ポリエ
    チレン(HDPE);線状低密度ポリエチレン(LLD
    PE);および低密度ポリエチレン(LDPE)からな
    る群から選ばれる、請求項2に記載の濃縮物。
  4. 【請求項4】遊離基発生開始剤が、過酸化ベンゾイル、
    過酸化ジ−t−ブチル、過酸化ジクミル、過安息香酸t
    −ブチル、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチ
    ルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−
    ビス(t−ブチルペルオキシ)3−ヘキシン、およびア
    ゾビスイソブチロニトリルからなる群から選ばれる、請
    求項1に記載の濃縮物。
  5. 【請求項5】粒子形のオレフィン重合体(但し、オレフ
    ィン重合体が、式R−CH=CH2(式中、Rは水素原
    子、または炭素数1〜8のアルキル基、またはアリール
    基である)のオレフィンの単独重合体または共重合体、
    またはそれらの混合物である)と、 A) 濃縮物の全重量に対して0.05〜30重量%
    の、無水マレイン酸、C1〜C10線状および分枝ジアル
    キルマレエート、C1 〜C10線状および分枝ジアルキル
    フマレート、無水イタコン酸、C1 〜C10線状および分
    枝イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸、フマル
    酸、ならびにイタコン酸から選ばれる、1種以上の非単
    独重合性ビニル単量体、および B)(A)に対して0.05〜30モル%の、70℃以
    下の温度で活性ではない過酸化物およびアゾ誘導体、 とを50〜70℃の温度で混合する工程を含んでなる、
    請求項1に記載の濃縮物の製造方法。
  6. 【請求項6】炭素数2〜10のα−オレフィンの単独重
    合体および共重合体を請求項1に記載の濃縮物と混合
    し、このようにして得られたブレンドを押し出すこと
    含んでなる、炭素数2〜10のα−オレフィンの単独重
    合体および共重合体の官能化方法。
  7. 【請求項7】濃縮物を、官能化すべきポリオレフィン
    に、ポリオレフィンと濃縮物の合計重量に対して0.1
    〜30重量%の量で加える、請求項に記載の方法。
  8. 【請求項8】請求項に記載の方法に従って得られ且つ
    グラフト極性ビニル単量体0.03〜5重量%を含有す
    る、官能化ポリオレフィン。
  9. 【請求項9】− アイソタクチックまたは主としてアイ
    ソタクチックのポリプロピレン、 − プロピレン98〜80重量%を含有する、プロピレ
    ンと、エチレン、他のα−オレフィン、もしくはエチレ
    ンおよび他のα−オレフィンとの結晶性共重合体、 − 高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリ
    エチレン(LLDPE)、または低密度ポリエチレン
    (LDPE)からなる群から選ばれ、グラフト極性ビニ
    ル単量体0.03〜5重量%を含有する、請求項に記
    載の官能化ポリオレフィン。
  10. 【請求項10】濃縮物の全重量に対して0.1〜5重量
    %のコーティング物質をさらに含んでなる、請求項1に
    記載の濃縮物。
  11. 【請求項11】混合工程の間またはその後にコーティン
    グ物質を添加することをさらに含んでなる、請求項
    記載の方法。
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