JP3385889B2 - 強誘電体メモリ素子及びその製造方法 - Google Patents

強誘電体メモリ素子及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は強誘電体薄膜を用い
たキャパシタ、及びそれを用いたメモリ素子、及びCP
U不要電磁輻射防止用のキャパシタ、又は回路実装基板
用のオンチップコンデンサに係り、特に不揮発メモリに
最適な強誘電体メモリ素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
(1)従来の強誘電体薄膜キャパシタでは、例えば「強
誘電体薄膜メモリ」(サイエンスフォーラム刊,199
5年)227頁に記載されているように、Pt上部電極
/強誘電体層(PZT)/Pt下部電極の積層構造を持
っていた。 (2)また例えば特開平7−142600号公報に記載
された「薄膜の形成方法」では、BaTiO3の化合物
をPt薄膜上に形成し、Pt薄膜の結晶配向をそのまま
受け継ぐことにより、強誘電性薄膜の配向性を容易に制
御可能として、残留分極の大きさを制御可能としてい
た。 (3)また例えば特開平7−57535号公報に記載さ
れた「強誘電体薄膜製造方法」においては、基板上にペ
ロブスカイト型強誘電体組成の薄膜を形成し、その上に
ペロブスカイト型強誘電体組成の薄膜と固容可能なペロ
ブスカイト型酸化物組成の薄膜を形成し、強誘電体組成
の薄膜とペロブスカイト型酸化物組成の薄膜との2層か
らなる薄膜を熱処理し、固容結晶化することにより、ペ
ロブスカイト相以外の異相が形成されず、結晶粒径が均
一な強誘電体薄膜製造方法を得ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術(1)で
は、強誘電性に膜厚依存性があり、200nm以下の膜
厚において十分な特性が得られないという問題があっ
た。さらに、強誘電体薄膜キャパシタ特有の問題とし
て、分極反転を多数回繰り返すと分極特性が劣化し、書
き込みを行えなくなるという膜疲労(Fatigue)
現象があり、また長時間書き換えを行わず単一方向に分
極させておくと、刷り込み(Imprint)という現
象があった。また上記従来技術(2)及び(3)におい
ては、2種類の全く異なる組成のペロブスカイト型結晶
薄膜を成膜する必要があり、成膜装置が複雑化するとい
う問題があった。本発明の目的は、膜疲労及び刷り込み
の生じにくい長寿命の強誘電体メモリ素子及びその製造
方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は、強
誘電体薄膜キャパシタ上部電極としてPt電極を使用
し、さらにPt電極上部にPt乃至Ir乃至Ruを含有
する金属乃至金属酸化物電極を配置して上部保護電極と
成すことにより達成される。上部電極乃至上部保護電極
上に形成した絶縁層乃至配線層等を含み封止樹脂内に存
在する物質から発生する分解ガスは、上記電極粒界の酸
化物あるいは表面酸化層により吸収あるいは遮断するこ
とにより、該強誘電体の還元乃至分解乃至非晶質化等に
よる結晶構造劣化を防止し、上記残留分極値Prの低下
を防止することにより達成される。これにより、強誘電
体メモリ素子の少なくとも配線層及び保護層を製造後
に、またはそれに加えて封止樹脂を用いてパッケージに
封止後に、信頼性を検査するための加速試験として例え
ば85℃以上に加熱し、90分以上保持した後に室温に
降温後、該キャパシタ上部電極及び下部電極間へ1.0
V以上3.5V未満のバイアス電圧を印加し、バイアス
電圧を0Vとした時に該電極間に残存する残留分極値P
rが1E−6C/cm2以上あるような高品質な強誘電
体メモリ素子を得ることができる。
【0005】さらに、強誘電体薄膜キャパシタ上部電極
乃至上部保護電極の上部にSiO2乃至Si3N4より
なるバリア層を形成し、さらに上記バリア層に結合した
炭化水素化合物に含有される水素原子を2.5E17個
以下とすることにより、工程中に上記バリア層中から発
生する水素を減少させ、さらに上部電極上に形成した保
護層乃至配線層等を含み封止樹脂内に存在する物質から
発生する分解ガスを化学的に吸収あるいは物理的に遮断
することにより、該強誘電体の還元乃至分解乃至非晶質
化等による結晶構造劣化を防止し、上記残留分極値Pr
の低下を防止することにより達成される。
【0006】さらに、上記バリア層をスパッタリング法
乃至レーザアブレーション法により形成し、バリア層成
膜の際の成膜室雰囲気中に存在する水素分圧を減じ、さ
らにバリア層に含有される不純物水素を減ずることによ
り、製造プロセス中乃至製造後における強誘電体の還
元、分解、非晶質化等による結晶構造劣化を防止し、上
記残留分極値Prの低下を防止することにより達成され
る。
【0007】さらに、誘電体薄膜キャパシタの強誘電体
薄膜の製造工程として非晶質薄膜成膜工程及び酸素中熱
処理による結晶化工程を有し、上記結晶化工程の後イオ
ンエッチング法を用い上記強誘電体薄膜表面層を少なく
とも5nm削除した後、該強誘電体膜を大気にさらすこ
となく真空中に保持したまま上部電極成膜を行うことに
より、該強誘電体膜と上部電極界面の変性層を減じ、残
留分極値Prの低下を防止することにより達成される。
【0008】さらに、基板上の、少なくとも下部電極、
Pb(Zr,Ti)O3薄膜及び上部電極の積層構造よ
りなる強誘電体薄膜キャパシタにおいて、該下部電極と
該強誘電体薄膜の界面に、Pb過剰強誘電体層を配置
し、該Pb過剰強誘電体層の組成モル比がPb:Zr:
Ti:O=(1+y):(1−x):x:(3−z)
(0<y<0.3,0.3<x<0.7,−0.1<z
<0.1)0.3<y<0.5とすることにより、電極
界面における強誘電体中のPbが電極へ拡散あるいは電
極と反応する際に失われる量を、あらかじめ補償するこ
とにより達成される。
【0009】さらに、上記強誘電体薄膜キャパシタ製造
工程において、真空槽中で基板上に下部電極薄膜を形成
する下部電極形成工程の後、上記基板を大気にさらすこ
となく、強誘電体薄膜層を形成することにより達成され
る。
【0010】さらに、上記強誘電体薄膜キャパシタ製造
工程において、下部電極形成工程と強誘電体薄膜形成工
程の間に、酸素雰囲気中で紫外光を照射することによ
り、下部電極表面の有機汚染物を除去することにより、
達成される。
【0011】さらに、上記強誘電体薄膜キャパシタ製造
工程において、上記強誘電体薄膜を真空中で成膜する工
程を有し、上記成膜工程における基板温度を制御するこ
とにより、該強誘電体のPb組成を制御することにより
Pb過剰強誘電体層を形成することにより達成される。
【0012】さらに、上記強誘電体薄膜キャパシタ製造
工程において、上記強誘電体薄膜をスパッタリング法に
より製造する工程を有し、上記成膜工程におけるガス圧
力乃至、印加電力を制御することにより、該強誘電体の
Pb組成を制御することによりPb過剰強誘電体層を形
成することことにより達成される。
【0013】さらに、上記強誘電体薄膜キャパシタ製造
工程において、上記強誘電体薄膜をスパッタリング法に
より製造する工程を有し、上記成膜工程におけるターゲ
ットとして該強誘電体及び鉛酸化物のみの混合物焼結体
を用い、さらに上記ターゲットの平均結晶粒径が100
nm以上とすることにより達成される。
【0014】さらに、上記強誘電体薄膜キャパシタ製造
工程において、上記強誘電体薄膜をマルチカソード型ス
パッタリング法により製造する工程を有し、上記成膜工
程における第1のターゲットとして該強誘電体の焼結体
を用い、さらに第2のターゲットとして鉛酸化物の焼結
体を用い、上記成膜工程における印加電力をターゲット
毎に独立に変化させることにより、該強誘電体のPb組
成を制御し、Pb過剰強誘電体層を形成することにより
達成される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
用いて具体的に説明する。図1は本発明装置の一実施例
となる強誘電体メモリ素子の概要を示す断面図である。
Si基板1上の下地LSI層2、絶縁層3(300n
m)、接着層5(20nm)、下部電極6(200n
m)、強誘電体Pb(1+y)(Zr1−x、Tix)
O3層7(260nm)、上部電極8(10nm)の積
層構造よりなる強誘電体キャパシタを配置してある。キ
ャパシタ上には、層間絶縁層28及び配線層9を積層
し、キャパシタ電極6、8と下地LSI2中のトランジ
スタとの配線を行っている。さらに上部にはSiO2等
よりなる保護層29を成膜し、封止樹脂30でパッケー
ジングを行っている。このような形態に製造後に信頼性
を検査するための加速試験として、少なくとも85℃以
上に加熱し、90分以上保持し室温に降温した後に検査
を行う。本実施例はメモリ素子であるが、一枚のウエハ
中にメモリ素子チップ部分と検査のためのTEG(テス
ト用に設計したチップ)を混在してある。TEG中の上
部電極8と下部電極6よりそれぞれ検査用の電極に配線
しておき、検査できるようにしてある。この電極間に電
圧を印加し、例えば従来技術1に記載された方法で残留
分極値Prを測定し、1E−6C/cm2以上あること
を確認する。
【0016】図2は、本発明の他の実施例となる強誘電
体メモリ素子中の強誘電体キャパシタ中の上部保護電極
の概要を示す断面図である。図1に示した上部電極8の
上に上部保護電極22を成膜してある。上部電極8とし
てPt電極を使用し、上部保護電極22としてIr0.
1Pt0.9合金を使用している。上部保護電極22と
してはIr及びRu金属またはIrとRuの合金として
も良い。さらに上記合金にPtを含有していてもよく、
また上記電極の酸化物でも良い。これにより、上部保護
電極上22の上に形成した層間絶縁層28や保護層29
から工程中に放出される水素等が吸収され、強誘電体層
の還元、分解、非晶質化等による劣化を防止する。さら
に、樹脂封止工程中に発生する分解ガスを吸収あるいは
遮断することにより、強誘電体の結晶構造劣化を防止
し、上記残留分極値Prの低下を防止する。
【0017】図3は、本発明の他の実施例となる強誘電
体メモリ素子中の強誘電体キャパシタ及びバリア層の概
要の概要を示す断面図である。上部電極8または上部保
護電極22の上部にSiO2、Si3N4等よりなるバ
リア層23を形成してある。これにより、上部電極上に
形成した保護層29、層間絶縁層28等を含み封止樹脂
30内に存在する物質から発生する分解ガスを化学的に
吸収あるいは物理的に遮断することにより、強誘電体層
7の還元、分解、非晶質化等による結晶構造劣化を防止
し、残留分極値Prの低下を防止する。
【0018】図4は、本発明の他の実施例となる強誘電
体メモリ素子中の強誘電体キャパシタ部分中の劣化防止
層の概要を示す断面図である。下部電極6と強誘電体層
7の界面に下部劣化防止層20を、強誘電体層7と上部
電極8との界面に、上部劣化防止層21を配置してあ
る。劣化防止層としてはPb過剰強誘電体層(10n
m)を使用している。5は、絶縁層(SiO2)層3と
下部電極6の接着層である。ここでは、y=0.1、x
=0.5としたが、所望の分極特性等に応じ変化させる
ことができる。また疲労特性等を改善するために、複数
の微量成分を添加することもできる。また、本実施例で
は強誘電体層7と上部電極8の界面に上部劣化防止層2
1を設けたが、後行程のアニール温度等のプロセス条件
によっては、省略可能な場合もある。なお本実施例で
は、上部電極8及び下部電極6にPtを用いたが、Ir
またはRu、あるいはこれらの金属の合金、さらにこれ
ら合金あるいは単一成分の酸化物薄膜を用いても良い。
【0019】図5には、本発明の強誘電体薄膜キャパシ
タを製造するための成膜装置の一例を示す。基板搬入室
10より搬入した基板1は、基板交換室14を経て、高
真空雰囲気の中で成膜室(1)11、成膜室(2)1
2、成膜室(3)13の間を、基板交換用アーム17に
より搬送される。ここで成膜室(1)11にはマルチカ
ソード型を、成膜室(2)12及び(3)13にはシン
グルカソード型の高周波マグネトロンスパッタ方式を使
用している。
【0020】本実施例では、成膜室(2)12及び
(3)13において、それぞれTi層2及びPt下部電
極6を成膜し、さらに成膜室(1)においてPb過剰層
20、21及び強誘電体層7を成膜する。それぞれの成
膜室において成膜した後、膜表面を大気にさらすことな
く連続的に他の成膜室で薄膜を形成することにより、界
面汚染の少ない良質な成膜が達成される。
【0021】上記強誘電体層7の成膜工程において、第
1のターゲットとして強誘電体PZTの焼結体を用い、
さらに第2のターゲットとして鉛酸化物PbOの焼結体
を用い、印加電力をターゲット毎に独立に変化させるこ
とにより、成膜される強誘電体のPb組成を制御するこ
とが可能であり、界面において下部、上部劣化防止層2
0、21を形成できる。本実施例では、Pb過剰層の組
成をy=0.4としている。
【0022】なお、本実施例では強誘電体層7及び下
部、上部劣化防止層20、21の成膜に、マルチカソー
ド型スパッタリング装置を用いたが、シングルカソード
型でも可能である。その場合には、ターゲットとして、
強誘電体PZT及び鉛酸化物PbOのみの混合物焼結体
を用いればよい。
【0023】図6は、本実施例の成膜装置を用いて成膜
したPZT強誘電体層7のPb組成とスパッタリング投
入電力の関係を示す図である。このように印加電力を制
御することにより、強誘電体層7のPb組成を制御する
ことができる。同様に、基板温度またはガス圧力を制御
することにより、強誘電体層7のPb組成を制御するこ
ともできる。これらの方法により、界面に上部劣化防止
層21を形成することが可能である。
【0024】図7は、本発明の一実施例となる強誘電体
薄膜キャパシタの断面における組成分布をSIMSによ
り測定した例である。実線は本発明の上部劣化防止層2
1を設けた場合の組成分布であり、破線は無い場合であ
る。強誘電体層7の成膜後の高温熱処理行程において、
Pbが電極界面より電極へ拡散し、あるいは電極と反応
するためPbが失われるが、あらかじめ上部劣化防止層
21を設けることにより、失われるPbを補償すること
ができる。
【0025】また、上記ターゲットとして、平均結晶粒
径が100nm以上の多結晶ターゲットを用いることに
より、結晶配向性の良い強誘電体層7を得ることができ
る。
【0026】図8は,本発明の一実施例となる強誘電体
薄膜キャパシタのX線回折図である。本実施例の成膜方
法により,(111)配向性の高い,分極特性の良好な
強誘電体薄膜キャパシタを製作可能であることを示して
いる。
【0027】以上のように、本実施例では複数の成膜室
を連結し、各膜の表面を大気に晒すことなく、良質な強
誘電体薄膜キャパシタを製造可能である。なお、各膜の
成膜を別個の成膜装置で行う場合には、下部電極6形成
工程と強誘電体層7の形成工程の間に、酸素雰囲気中で
紫外光を照射することにより、下部電極6の表面に堆積
した有機汚染物を除去することにより、強誘電体層7の
特性を改善することが可能である。
【0028】
【発明の効果】本発明により工程中の劣化及びユーザ使
用時の劣化の少ない強誘電体キャパシタを実現し、超寿
命強誘電体メモリ素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例となる強誘電体メモリ素子中
の強誘電体キャパシタ部分の概要を示す断面図である。
【図2】本発明の他の実施例となる強誘電体メモリ素子
中の強誘電体キャパシタ中の上部保護電極の概要を示す
断面図である。
【図3】本発明の他の実施例となる強誘電体メモリ素子
中の強誘電体キャパシタ及びバリア層の概要の概要を示
す断面図である。
【図4】本発明の他の実施例となる強誘電体メモリ素子
中の強誘電体キャパシタ部分中の劣化防止層の概要を示
す断面図である。
【図5】本発明の強誘電体メモリ素子中の強誘電体キャ
パシタを製造するための成膜装置の例を示すブロック図
である。
【図6】PZT強誘電体のPb組成とスパッタリング投
入電力の関係の一例を示す図である。
【図7】本発明の一実施例となる強誘電体メモリ素子中
の強誘電体キャパシタの断面組成分布の測定例を示す図
である。
【図8】本発明の一実施例となる強誘電体メモリ素子中
の強誘電体キャパシタのX線回折図である。
【符号の説明】
1…Si基板, 2…下地LSI,3
…絶縁層, 5…接着層,6…下部
電極, 7…強誘電体層,8…上部電
極, 9…配線層,10…基板搬入
室, 11…成膜室(1),12…成膜室
(2), 13…成膜室(3),14…基板
交換室, 15…ゲートバルブ,16…平
板型カソード, 17…基板交換用アーム,2
0…下部劣化防止層, 21…上部劣化防止
層,22…上部保護電極, 23…バリア
層,28…層間絶縁膜, 29…保護層,
30…封止樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 久幸 東京都小平市上水本町五丁目20番1号株 式会社日立製作所半導体事業部内 (72)発明者 吉住 圭一 東京都小平市上水本町五丁目20番1号株 式会社日立製作所半導体事業部内 (72)発明者 山崎 正日登 東京都小平市上水本町五丁目20番1号株 式会社日立製作所半導体事業部内 (56)参考文献 特開 平7−111318(JP,A) 特開 平5−63205(JP,A) 特開 平6−200366(JP,A) 特開 平8−153707(JP,A) 特開 平7−321046(JP,A) 特開 平6−81138(JP,A) K.Hirata,et al,Pb (Zr,Ti)O3Thin−Film Preparation by Mu ltitarget Magnetro n Sputtering,Jpn. J.Appl.Phys.,日本,1992 年 9月30日,Vol.31 part 1,No.9B,p.3021−3024 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 27/105 H01L 21/822 H01L 21/8242 H01L 27/04 H01L 27/108

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも下部電極、強誘電体薄膜及び上
    部電極の積層構造よりなる強誘電体キャパシタ上に、少
    なくとも配線層及び絶縁層を備えた強誘電体メモリ素子
    であって、前記上部電極をPt電極となし、該Pt電極
    上部の全面を覆うようにPt乃至Ir乃至Ruを含有す
    金属または金属酸化物となした上部保護電極を配置し
    たことを特徴とする強誘電体メモリ素子。
  2. 【請求項2】前記強誘電体薄膜基本組成として少なく
    ともPb,Zr,Ti及びOを含み、組成モル比がP
    b:Zr:Ti:O=(1+y):(1−x):x:
    (3−z)(0<y<0.3、0.3<x<0.7、−0.
    1<z<0.1)と表されるペロブスカイト構造の強誘電
    であって、前記下部電極と前記強誘電体薄膜の界面
    に、該界面近傍以外の強誘電体薄膜の組成に比較して
    高濃度のPbを含むPb過剰強誘電体層を配置したこと
    を特徴とする請求項1に記載の強誘電体メモリ素子。
  3. 【請求項3】基板の上方に少なくとも下部電極、強誘電
    体薄膜及び上部電極を順次積層した積層構造よりなる強
    誘電体キャパシタを形成するキャパシタ形成工程と、前
    記上部電極の上部に上部保護電極を形成する工程を備
    え、前記キャパシタ形成工程が非晶質薄膜成膜工程及び
    酸素中熱処理による結晶化工程を有し、該結晶化工程の
    後イオンエッチング法を用いて前記強誘電体薄膜の表面
    層を少なくとも5nm削除し、該強誘電体薄膜を大気に
    さらすことなく真空中に保持したまま前記上部電極
    膜を行い、前記強誘電体薄膜と前記上部電極との界面変
    性層を減ずるようになしたことを特徴とする強誘電体メ
    モリ素子の製造方法。
JP34498296A 1996-12-25 1996-12-25 強誘電体メモリ素子及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3385889B2 (ja)

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