JP3383124B2 - 塗装後耐食性に優れた建材用溶融アルミめっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents
塗装後耐食性に優れた建材用溶融アルミめっき鋼板およびその製造方法Info
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- C23C28/30—Coatings combining at least one metallic layer and at least one inorganic non-metallic layer
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として建材として使
用される、加工時の耐疵付き性、成形加工性、塗装後耐
食性等に優れた溶融アルミめっき鋼板及びその製造法に
関するものである。
用される、加工時の耐疵付き性、成形加工性、塗装後耐
食性等に優れた溶融アルミめっき鋼板及びその製造法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶融アルミめっき鋼板は主としてアルミ
からなるアルミめっき層(以下、めっき層と言う)、及
び被めっき鋼板とアルミの反応物である金属間化合物か
らなる層(以下、合金層と言う)とを有する鋼板で、耐
熱性、耐食性に優れることが知られている。これらの特
長を生かして、自動車排気系素材、熱器具を主とする家
電製品として使用されてきた。また耐候性に非常に優
れ、美しい銀白色の外観を有する事から近年では屋根、
壁などの建材にもその用途が広がってきている。更にこ
れに有機塗膜を施した製品も商品化されている。これは
大きく2種類に分かれ、1つは下塗りと上塗りの2層を
持つ塗装鋼板(2コート2ベーク)である。これは各種
防錆顔料、体質顔料等を含有する着色鋼板である。もう
1つはアルミの地肌を生かした透明樹脂塗装を施した1
コート1ベークのものである。
からなるアルミめっき層(以下、めっき層と言う)、及
び被めっき鋼板とアルミの反応物である金属間化合物か
らなる層(以下、合金層と言う)とを有する鋼板で、耐
熱性、耐食性に優れることが知られている。これらの特
長を生かして、自動車排気系素材、熱器具を主とする家
電製品として使用されてきた。また耐候性に非常に優
れ、美しい銀白色の外観を有する事から近年では屋根、
壁などの建材にもその用途が広がってきている。更にこ
れに有機塗膜を施した製品も商品化されている。これは
大きく2種類に分かれ、1つは下塗りと上塗りの2層を
持つ塗装鋼板(2コート2ベーク)である。これは各種
防錆顔料、体質顔料等を含有する着色鋼板である。もう
1つはアルミの地肌を生かした透明樹脂塗装を施した1
コート1ベークのものである。
【0003】このような塗装溶融アルミめっき鋼板を建
材用に使用する場合、エッジ部よりの腐食(エッジクリ
ープ)という問題があった。これは前述した1コート1
ベーク、2コート2ベークの両者で問題になるもので、
一般に塗装アルミめっき鋼板は塗装亜鉛めっき鋼板と比
較して初期のエッジクリープが大きい。これはアルミめ
っき層中に存在するSi,Fe(金属間化合物として存
在)等が電気的に貴なため、この部分がカソードとなっ
てアルミがアノード溶解していくためにおこると思われ
る。長期間でのエッジクリープの進行は遅く、クリープ
幅は次第に塗装亜鉛めっき鋼板よりも小さくなるが、初
期においては目立つため改善が求められていた。これを
改善するものとして2コート2ベーク型の塗装鋼板の下
塗り塗料に体質顔料として炭酸カルシウムを配合する事
で、エッジクリープを防止しようとした発明が特公平1
−14866号公報に開示されている。
材用に使用する場合、エッジ部よりの腐食(エッジクリ
ープ)という問題があった。これは前述した1コート1
ベーク、2コート2ベークの両者で問題になるもので、
一般に塗装アルミめっき鋼板は塗装亜鉛めっき鋼板と比
較して初期のエッジクリープが大きい。これはアルミめ
っき層中に存在するSi,Fe(金属間化合物として存
在)等が電気的に貴なため、この部分がカソードとなっ
てアルミがアノード溶解していくためにおこると思われ
る。長期間でのエッジクリープの進行は遅く、クリープ
幅は次第に塗装亜鉛めっき鋼板よりも小さくなるが、初
期においては目立つため改善が求められていた。これを
改善するものとして2コート2ベーク型の塗装鋼板の下
塗り塗料に体質顔料として炭酸カルシウムを配合する事
で、エッジクリープを防止しようとした発明が特公平1
−14866号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
ような発明には次のような問題点があった。例えば炭酸
カルシウムを顔料として使用する事によるエッジクリー
プ抑制は2コート2ベーク型には適用できるが、透明で
なければならない1コート1ベーク型には適用できな
い。
ような発明には次のような問題点があった。例えば炭酸
カルシウムを顔料として使用する事によるエッジクリー
プ抑制は2コート2ベーク型には適用できるが、透明で
なければならない1コート1ベーク型には適用できな
い。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記のこれまで
の欠点を克服する加工性、塗装後耐食性に優れた建材用
溶融アルミめっき鋼板を提供するものである。本発明者
らは溶融アルミめっき鋼板の諸特性に及ぼすめっき層及
び合金層の性質について種々実験を繰り返し、以下の知
見を得るに至った。すなわちアルミめっき浴にMnとC
rを複合添加すると、これらの元素はめっき層に均一に
分散するのではなく、合金層へ顕著に濃化していくこと
を見いだした。これは当該元素を複合添加したときに顕
著に観察される現象で、具体的にはめっき層中のこれら
元素の濃度は添加量の1/5〜1/10程度で、残りは
合金層中へ濃化する。これらの元素は合金層の上部、つ
まりめっき層と合金層界面に特に濃化する。かくなる組
成を有する溶融アルミめっき鋼板に塗装を施したものは
従来の鋼板に比べて、格段優れたエッジ部の耐食性を有
することを見いだした。この理由はまだ明確ではない
が、めっき層中のMn,Cr濃度はそれぞれ0.04
%、0.01%程度と小さいが、これが金属間化合物を
形成してFeの害を抑制する等、腐食抑制に対して何ら
かの影響を及ぼしているものと考えられる。
の欠点を克服する加工性、塗装後耐食性に優れた建材用
溶融アルミめっき鋼板を提供するものである。本発明者
らは溶融アルミめっき鋼板の諸特性に及ぼすめっき層及
び合金層の性質について種々実験を繰り返し、以下の知
見を得るに至った。すなわちアルミめっき浴にMnとC
rを複合添加すると、これらの元素はめっき層に均一に
分散するのではなく、合金層へ顕著に濃化していくこと
を見いだした。これは当該元素を複合添加したときに顕
著に観察される現象で、具体的にはめっき層中のこれら
元素の濃度は添加量の1/5〜1/10程度で、残りは
合金層中へ濃化する。これらの元素は合金層の上部、つ
まりめっき層と合金層界面に特に濃化する。かくなる組
成を有する溶融アルミめっき鋼板に塗装を施したものは
従来の鋼板に比べて、格段優れたエッジ部の耐食性を有
することを見いだした。この理由はまだ明確ではない
が、めっき層中のMn,Cr濃度はそれぞれ0.04
%、0.01%程度と小さいが、これが金属間化合物を
形成してFeの害を抑制する等、腐食抑制に対して何ら
かの影響を及ぼしているものと考えられる。
【0006】まためっき浴中のSn,Znはいずれもア
ルミめっき鋼板の耐食性を著しく阻害する元素である。
このためこれら不純物元素の和は一定量以下に制限する
必要がある。而して上記のめっき鋼板は、Mn,Cr,
Fe,Siを所定量添加したうえで不純物のSnとZn
の和を所定量に制限しためっき浴でめっきした後に、ク
ロメート処理と樹脂被覆を施す事で、或いは所定の厚み
の透明樹脂で被覆する事で、更には所定量のワックスを
含有した透明樹脂で塗装する事で製造することができ
る。
ルミめっき鋼板の耐食性を著しく阻害する元素である。
このためこれら不純物元素の和は一定量以下に制限する
必要がある。而して上記のめっき鋼板は、Mn,Cr,
Fe,Siを所定量添加したうえで不純物のSnとZn
の和を所定量に制限しためっき浴でめっきした後に、ク
ロメート処理と樹脂被覆を施す事で、或いは所定の厚み
の透明樹脂で被覆する事で、更には所定量のワックスを
含有した透明樹脂で塗装する事で製造することができ
る。
【0007】以下本発明を具体的に説明する。本発明に
よれば、鋼板表面に平均組成がFe:25〜50%、S
i:3〜18%、Mn:0.1〜5%、Cr:0.05
〜0.8%、残部が実質的にAlで、かつ厚みが5μm
以下であるような合金層と、その表面にSi:2〜12
%、Fe:1%以下、Mn:0.005〜0.3%、C
r:0.002〜0.05%、残部が実質的にAlから
なり、かつ不純物中のSnとZnの合計が1%以下であ
るようなめっき層を有し、更にクロメート皮膜と有機樹
脂塗装皮膜を有する塗装溶融アルミめっき鋼板が提供さ
れる。或いは上記溶融アルミめっき鋼板にクロメート皮
膜と厚み1〜15μmの透明樹脂塗装皮膜とを有する塗
装溶融アルミめっき鋼板が提供される。更には上記溶融
アルミめっき鋼板にクロメート皮膜と乾燥後の塗膜重量
比でワックスを0.1〜3%含有する厚み1〜15μm
の透明樹脂塗膜を有する塗装溶融アルミめっき鋼板が提
供される。またかかる溶融アルミめっき鋼板の製造法と
して、Si:3〜12%、Fe:0.5〜2.5%、M
n:0.05〜1.0%、Cr:0.02〜0.15
%、残部が実質的にAlからなり、かつ不純物中のZn
とSnの和が1%以下であるようなめっき浴でめっきし
た後にクロメート処理、塗装を施す製造法が提供され
る。
よれば、鋼板表面に平均組成がFe:25〜50%、S
i:3〜18%、Mn:0.1〜5%、Cr:0.05
〜0.8%、残部が実質的にAlで、かつ厚みが5μm
以下であるような合金層と、その表面にSi:2〜12
%、Fe:1%以下、Mn:0.005〜0.3%、C
r:0.002〜0.05%、残部が実質的にAlから
なり、かつ不純物中のSnとZnの合計が1%以下であ
るようなめっき層を有し、更にクロメート皮膜と有機樹
脂塗装皮膜を有する塗装溶融アルミめっき鋼板が提供さ
れる。或いは上記溶融アルミめっき鋼板にクロメート皮
膜と厚み1〜15μmの透明樹脂塗装皮膜とを有する塗
装溶融アルミめっき鋼板が提供される。更には上記溶融
アルミめっき鋼板にクロメート皮膜と乾燥後の塗膜重量
比でワックスを0.1〜3%含有する厚み1〜15μm
の透明樹脂塗膜を有する塗装溶融アルミめっき鋼板が提
供される。またかかる溶融アルミめっき鋼板の製造法と
して、Si:3〜12%、Fe:0.5〜2.5%、M
n:0.05〜1.0%、Cr:0.02〜0.15
%、残部が実質的にAlからなり、かつ不純物中のZn
とSnの和が1%以下であるようなめっき浴でめっきし
た後にクロメート処理、塗装を施す製造法が提供され
る。
【0008】以下本発明の限定理由について説明する。
まずめっき層の組成及び製造法の浴組成に関して説明す
る。 Si:溶融アルミめっき鋼板には前述したようにアルミ
めっき層に加えて非常に硬くて脆い合金層が生成し、こ
の層はめっき密着性を阻害する。この影響を少なくする
ために通常めっき浴中にSiを10%程度添加して、合
金層の厚みを抑制している。本発明においても同様の目
的でSiを添加する。この目的のためにはめっき浴中の
Si量は最低限3%は必要で、この時のめっき層中のS
i量は2%以上になる。一方Siを添加し過ぎるとめっ
き層中に粗大な初晶Siが生成して耐食性に悪影響を与
えるため上限を12%とする。この時のめっき層中Si
量も12%程度である。
まずめっき層の組成及び製造法の浴組成に関して説明す
る。 Si:溶融アルミめっき鋼板には前述したようにアルミ
めっき層に加えて非常に硬くて脆い合金層が生成し、こ
の層はめっき密着性を阻害する。この影響を少なくする
ために通常めっき浴中にSiを10%程度添加して、合
金層の厚みを抑制している。本発明においても同様の目
的でSiを添加する。この目的のためにはめっき浴中の
Si量は最低限3%は必要で、この時のめっき層中のS
i量は2%以上になる。一方Siを添加し過ぎるとめっ
き層中に粗大な初晶Siが生成して耐食性に悪影響を与
えるため上限を12%とする。この時のめっき層中Si
量も12%程度である。
【0009】Fe:Feはめっき原板あるいは浴中機器
より溶出してくるもので、本発明において特に積極的に
添加しようとするものではない。通常めっき層中にも
0.3〜0.8%程度含有されている。Feは耐食性に
悪影響を与えるため少ない方が好ましく、めっき層中上
限値を1%とする。本来的には少なければ少ないほど好
ましいが、前述したように不可避的に混入してくる元素
で完全に除去する事は困難である。また浴中においても
不可避的元素で、除去することは不可能に近い。無理に
低減すると浴中機器を溶損しやすくなるため、浴中の下
限値を0.5%とする。耐食性阻害あるいはドロス起因
の外観汚れがでることから浴中の上限値を2.5%とす
る。
より溶出してくるもので、本発明において特に積極的に
添加しようとするものではない。通常めっき層中にも
0.3〜0.8%程度含有されている。Feは耐食性に
悪影響を与えるため少ない方が好ましく、めっき層中上
限値を1%とする。本来的には少なければ少ないほど好
ましいが、前述したように不可避的に混入してくる元素
で完全に除去する事は困難である。また浴中においても
不可避的元素で、除去することは不可能に近い。無理に
低減すると浴中機器を溶損しやすくなるため、浴中の下
限値を0.5%とする。耐食性阻害あるいはドロス起因
の外観汚れがでることから浴中の上限値を2.5%とす
る。
【0010】Mn:この元素は本発明において特に重要
である。合金層に濃化して耐食性、耐熱性等に著しい効
果のある元素で、その効果を発揮するためにはめっき浴
に最低0.05%は必要である。このめっき浴でめっき
した場合、めっき層には0.005%は含有されるため
この濃度をめっき層中下限値とする。一方Mnのめっき
浴中の溶解度は、通常のめっき温度である650℃にお
いて約0.6%である。A1−Mn二元系状態図ではM
nの溶解度は約1%とされているが、Siを約10%含
有する浴においては溶解度が下がるものと思われる。M
nを0.6%以上溶かすには浴温を上げる必要があり、
そうすると合金層が厚く成長しやすくなってめっき密着
性が劣化するという問題を生じる。このため浴中Mn濃
度の上限は1%とする。この浴でめっきを行うときのめ
っき層中Mn濃度は最大0.3%程度であり、これをも
ってめっき層中Mnの上限とする。
である。合金層に濃化して耐食性、耐熱性等に著しい効
果のある元素で、その効果を発揮するためにはめっき浴
に最低0.05%は必要である。このめっき浴でめっき
した場合、めっき層には0.005%は含有されるため
この濃度をめっき層中下限値とする。一方Mnのめっき
浴中の溶解度は、通常のめっき温度である650℃にお
いて約0.6%である。A1−Mn二元系状態図ではM
nの溶解度は約1%とされているが、Siを約10%含
有する浴においては溶解度が下がるものと思われる。M
nを0.6%以上溶かすには浴温を上げる必要があり、
そうすると合金層が厚く成長しやすくなってめっき密着
性が劣化するという問題を生じる。このため浴中Mn濃
度の上限は1%とする。この浴でめっきを行うときのめ
っき層中Mn濃度は最大0.3%程度であり、これをも
ってめっき層中Mnの上限とする。
【0011】Cr:Mnと並んでやはり本発明に重要な
元素である。Crは特に耐食性への影響が大きく、また
Mnを合金層に濃化させる効果を有する。耐食性向上効
果を期待するためにはめっき層中に0.002%以上必
要である。このためには浴中に0.02%以上の添加が
必要である。CrもMnと同様にめっき浴への溶解度が
低く、650℃で約0.1%で、これ以上溶解させよう
とするとやはり浴温を上げなければならない。すると合
金層が厚く成長するため、0.15%を浴中Cr量上限
値とする。このときのめっき層中Cr量は0.05%程
度であるため、この値をめっき層中Cr量の上限とす
る。Al−Cr二元状態図ではAl中Cr溶解度は0.
4%であるが、Mnと同様の理由で溶解度は下がってい
ると思われる。
元素である。Crは特に耐食性への影響が大きく、また
Mnを合金層に濃化させる効果を有する。耐食性向上効
果を期待するためにはめっき層中に0.002%以上必
要である。このためには浴中に0.02%以上の添加が
必要である。CrもMnと同様にめっき浴への溶解度が
低く、650℃で約0.1%で、これ以上溶解させよう
とするとやはり浴温を上げなければならない。すると合
金層が厚く成長するため、0.15%を浴中Cr量上限
値とする。このときのめっき層中Cr量は0.05%程
度であるため、この値をめっき層中Cr量の上限とす
る。Al−Cr二元状態図ではAl中Cr溶解度は0.
4%であるが、Mnと同様の理由で溶解度は下がってい
ると思われる。
【0012】CrとMnを複合添加した際に両元素が合
金層に濃化する理由については現在のところまだ不明確
ではあるが、Cr−Mn−Fe(−Al−Si)系の安
定な金属間化合物を生成するためにFe濃度の高い原板
側にCr,Mnが移動していく事が考えられる。 Zn,Sn:これらは全てAlの耐食性を大きく阻害
し、白錆発生を早める元素である。このためこれらの元
素の和をめっき層中、浴中共に1%以下に限定する。
金層に濃化する理由については現在のところまだ不明確
ではあるが、Cr−Mn−Fe(−Al−Si)系の安
定な金属間化合物を生成するためにFe濃度の高い原板
側にCr,Mnが移動していく事が考えられる。 Zn,Sn:これらは全てAlの耐食性を大きく阻害
し、白錆発生を早める元素である。このためこれらの元
素の和をめっき層中、浴中共に1%以下に限定する。
【0013】次に合金層組成の限定理由を説明する。
Si:前述したように合金層成長抑制の目的からめっき
浴中にSi:3〜12%を添加している。このときの合
金層中のSi濃度は3〜18%である。故に合金層中S
iはこの範囲内に限定する。 Fe:合金層は主としてめっき浴のAlと原板のFeの
反応により生成する。このときの合金層中のFe濃度は
25〜50%になる。従って合金層中Feはこの範囲内
に限定する。 Mn:浴中に添加されたMnは前述したようにCrの効
果で合金層に濃化する。この効果により耐食性、耐酸化
性、密着性等の諸性能が大幅に向上する。これらの効果
が現れるには最低0.1%のMnが必要である。一方や
はり前述したように浴中Mn濃度には上限があるために
合金層中Mn濃度も上限を持つ。これが5%である。
浴中にSi:3〜12%を添加している。このときの合
金層中のSi濃度は3〜18%である。故に合金層中S
iはこの範囲内に限定する。 Fe:合金層は主としてめっき浴のAlと原板のFeの
反応により生成する。このときの合金層中のFe濃度は
25〜50%になる。従って合金層中Feはこの範囲内
に限定する。 Mn:浴中に添加されたMnは前述したようにCrの効
果で合金層に濃化する。この効果により耐食性、耐酸化
性、密着性等の諸性能が大幅に向上する。これらの効果
が現れるには最低0.1%のMnが必要である。一方や
はり前述したように浴中Mn濃度には上限があるために
合金層中Mn濃度も上限を持つ。これが5%である。
【0014】Cr:Mnと同様Crも合金層に濃化す
る。Crも耐食性に効果があると思われ、その効果は
0.05%以上で効力を発揮する。Crの上限値もめっ
き浴に添加できるCr量に依存し、0.8%である。 合金層厚みについては、厚すぎるとめっき密着性を阻害
するため上限を5μmとする。合金層はめっき密着性を
阻害するため薄い方が好ましいために特に下限は設けな
い。通常の操業条件では合金層厚みは2〜3μmであ
る。
る。Crも耐食性に効果があると思われ、その効果は
0.05%以上で効力を発揮する。Crの上限値もめっ
き浴に添加できるCr量に依存し、0.8%である。 合金層厚みについては、厚すぎるとめっき密着性を阻害
するため上限を5μmとする。合金層はめっき密着性を
阻害するため薄い方が好ましいために特に下限は設けな
い。通常の操業条件では合金層厚みは2〜3μmであ
る。
【0015】次に塗膜の限定理由について説明する。本
発明において樹脂塗膜の種類はとくにこれを問わない。
通常は防錆顔料等を含有する下塗り塗膜と、その上に着
色顔料を含有する上塗り塗膜を施すが、下塗り塗料とし
てはエポキシ系、アクリル系、ポリエステル系、フェノ
キシ系、ウレタン系等、また上塗り塗料としてはアクリ
ル系、ポリウレタン系、アルキッド系、ウレタン系、シ
リコンポリエステル系、シリコンアクリル系、フッ素系
等が使用可能である。防錆顔料としてもクロム酸ストロ
ンチウムやクロム酸カルシウム、クロム酸亜鉛等使用可
能である。またクロメートの膜厚についても特に限定し
ないが、通常は5〜40mg程度の範囲で安定した防錆
能を有する。またクロメートの種類についても、耐食性
のためシリカ、白色化のため燐酸等の成分設計は可能で
ある。
発明において樹脂塗膜の種類はとくにこれを問わない。
通常は防錆顔料等を含有する下塗り塗膜と、その上に着
色顔料を含有する上塗り塗膜を施すが、下塗り塗料とし
てはエポキシ系、アクリル系、ポリエステル系、フェノ
キシ系、ウレタン系等、また上塗り塗料としてはアクリ
ル系、ポリウレタン系、アルキッド系、ウレタン系、シ
リコンポリエステル系、シリコンアクリル系、フッ素系
等が使用可能である。防錆顔料としてもクロム酸ストロ
ンチウムやクロム酸カルシウム、クロム酸亜鉛等使用可
能である。またクロメートの膜厚についても特に限定し
ないが、通常は5〜40mg程度の範囲で安定した防錆
能を有する。またクロメートの種類についても、耐食性
のためシリカ、白色化のため燐酸等の成分設計は可能で
ある。
【0016】次に透明樹脂塗膜を付与する目的である
が、一般に塗装アルミめっき鋼板はロール成形等の加工
法で曲げ加工を施し、各種製品形状に成形されている。
しかしこの際アルミめっき層がピックアップされ、成形
加工機に付着して該鋼板の耐食性や表面品位を損なうお
それがある。これを防止するために樹脂塗装が行われ
る。また溶融アルミめっき鋼板はめっき層が軟らかいた
めに、複雑な形状やロール成形加工後更にプレス加工を
行うような苛酷な加工が要求される際にはめっき層の疵
付きとそれによる疵部からの赤錆発生は避けられないも
のである。このような疵付きと疵部の赤錆は一般的にロ
ール成形加工よりも摩擦の大きいプレス加工で顕著であ
る。これを防止するためにはワックスを添加した透明樹
脂塗装が効果的である。
が、一般に塗装アルミめっき鋼板はロール成形等の加工
法で曲げ加工を施し、各種製品形状に成形されている。
しかしこの際アルミめっき層がピックアップされ、成形
加工機に付着して該鋼板の耐食性や表面品位を損なうお
それがある。これを防止するために樹脂塗装が行われ
る。また溶融アルミめっき鋼板はめっき層が軟らかいた
めに、複雑な形状やロール成形加工後更にプレス加工を
行うような苛酷な加工が要求される際にはめっき層の疵
付きとそれによる疵部からの赤錆発生は避けられないも
のである。このような疵付きと疵部の赤錆は一般的にロ
ール成形加工よりも摩擦の大きいプレス加工で顕著であ
る。これを防止するためにはワックスを添加した透明樹
脂塗装が効果的である。
【0017】透明塗膜の膜厚については、膜厚が1μm
以下の時には塗膜は充分に溶融アルミめっき鋼板上を被
覆していない。従ってこの時のピックアップ抑制効果、
疵付き抑制効果がない。また塗膜を厚くすると上記の効
果は大きくなるが、その効果は膜厚15μmで飽和す
る。そこでこれを膜厚の上限とする。塗膜の種類につい
ては特に限定するものではないが、通常透明塗膜として
よく使用されるアクリル系、ポリエステル系は勿論、ア
ルキッド系、シリコン変性系、ウレタン系、フッソ系等
各種塗料が使用できる。本発明において特に高い耐疵付
き性、プレス性を得たい場合には透明塗膜中へのワック
ス添加が有効である。添加量が乾燥重量で0.1%以上
で効果が得られる。一方3%以上では効果が飽和する。
ワックスの種類も特に限定しないが、ポリエチレン系、
オレフィン系、ポリプロピレン系等各種が使用可能であ
る。
以下の時には塗膜は充分に溶融アルミめっき鋼板上を被
覆していない。従ってこの時のピックアップ抑制効果、
疵付き抑制効果がない。また塗膜を厚くすると上記の効
果は大きくなるが、その効果は膜厚15μmで飽和す
る。そこでこれを膜厚の上限とする。塗膜の種類につい
ては特に限定するものではないが、通常透明塗膜として
よく使用されるアクリル系、ポリエステル系は勿論、ア
ルキッド系、シリコン変性系、ウレタン系、フッソ系等
各種塗料が使用できる。本発明において特に高い耐疵付
き性、プレス性を得たい場合には透明塗膜中へのワック
ス添加が有効である。添加量が乾燥重量で0.1%以上
で効果が得られる。一方3%以上では効果が飽和する。
ワックスの種類も特に限定しないが、ポリエチレン系、
オレフィン系、ポリプロピレン系等各種が使用可能であ
る。
【0018】本発明による塗装アルミめっき鋼板は優れ
た耐食性、特に高いエッジクリープ抑制効果を有する。
その理由は前述したように、めっき層中のMn,Crが
何らかの影響を及ぼしていると考えられる。また透明樹
脂塗装アルミめっき鋼板は耐疵付き性、潤滑性、プレス
性にも優れ、また疵がついた場合にも疵部からの腐食も
抑制される。本発明品は外観を美麗にするためにゼロス
パングル処理を行う事もできる。まためっき厚みも規定
しないが、通常の建材用溶融アルミめっき鋼板の付着量
である両面150〜300g/m2 程度が望ましい。本
発明のめっき原板としても特に限定するものではない。
通常のAl−k鋼で充分な性能を発揮するが、特に厳し
い加工を要する場合にはTi−IF鋼の適用が望まし
い。また特に高い耐久性を要し、端面よりの錆を防止し
たい場合にはステンレス系の材料を使用する事も本発明
の主旨を損なうものではない。
た耐食性、特に高いエッジクリープ抑制効果を有する。
その理由は前述したように、めっき層中のMn,Crが
何らかの影響を及ぼしていると考えられる。また透明樹
脂塗装アルミめっき鋼板は耐疵付き性、潤滑性、プレス
性にも優れ、また疵がついた場合にも疵部からの腐食も
抑制される。本発明品は外観を美麗にするためにゼロス
パングル処理を行う事もできる。まためっき厚みも規定
しないが、通常の建材用溶融アルミめっき鋼板の付着量
である両面150〜300g/m2 程度が望ましい。本
発明のめっき原板としても特に限定するものではない。
通常のAl−k鋼で充分な性能を発揮するが、特に厳し
い加工を要する場合にはTi−IF鋼の適用が望まし
い。また特に高い耐久性を要し、端面よりの錆を防止し
たい場合にはステンレス系の材料を使用する事も本発明
の主旨を損なうものではない。
【0019】
【実施例】次に本発明を実施例でもって更に詳しく説明
する。 実施例1 通常の熱延、冷延工程を経た板厚0.8mmの表1に示
すような数種類の鋼成分の鋼をめっき原板として使用
し、無酸化炉−還元炉タイプのラインで溶融アルミめっ
きを行った。めっき後ガスワイピング法でめっき付着量
を両面約200g/m2 に調整し、冷却後巻取った。こ
の際めっき浴成分としてSi,Mn,Crを添加してめ
っきを行い、良好な外観のめっきが可能であった。こう
して得られた溶融アルミめっき鋼板に対して、Cr
O3 :30g/l、H 3 PO4 :10g/l、Si
O2 :10g/lの液を使用してロール塗布を行い、1
00℃で乾燥させ、付着量15mg/m2 のクロメート
処理を施した。次にエポキシ系またはアクリル系樹脂に
クロム酸ストロンチウムの防錆顔料を乾燥重量比で20
%添加した下塗り塗料を乾燥膜厚で10μm塗装して板
温200℃で60秒焼付けをし、その上にシリコンポリ
エステル系またはフッソ系塗料を乾燥膜厚で20μm塗
装して板温240℃で60秒焼付けた。幾つかの条件で
製造後評価に供した。そのときの評価方法を下記に示
す。また製造条件と評価結果を表2及び表3にまとめ
る。浴中にMnとCrが複合して添加されると耐食性、
密着性ともに良好になっている。Mn或いはCrが少な
すぎると耐食性が不十分であり、Mn或いはCrが多す
ぎると浴温を上げる必要があるために合金層が成長して
密着性が阻害される。ZnとSnの合計が多すぎても耐
食性を阻害する。
する。 実施例1 通常の熱延、冷延工程を経た板厚0.8mmの表1に示
すような数種類の鋼成分の鋼をめっき原板として使用
し、無酸化炉−還元炉タイプのラインで溶融アルミめっ
きを行った。めっき後ガスワイピング法でめっき付着量
を両面約200g/m2 に調整し、冷却後巻取った。こ
の際めっき浴成分としてSi,Mn,Crを添加してめ
っきを行い、良好な外観のめっきが可能であった。こう
して得られた溶融アルミめっき鋼板に対して、Cr
O3 :30g/l、H 3 PO4 :10g/l、Si
O2 :10g/lの液を使用してロール塗布を行い、1
00℃で乾燥させ、付着量15mg/m2 のクロメート
処理を施した。次にエポキシ系またはアクリル系樹脂に
クロム酸ストロンチウムの防錆顔料を乾燥重量比で20
%添加した下塗り塗料を乾燥膜厚で10μm塗装して板
温200℃で60秒焼付けをし、その上にシリコンポリ
エステル系またはフッソ系塗料を乾燥膜厚で20μm塗
装して板温240℃で60秒焼付けた。幾つかの条件で
製造後評価に供した。そのときの評価方法を下記に示
す。また製造条件と評価結果を表2及び表3にまとめ
る。浴中にMnとCrが複合して添加されると耐食性、
密着性ともに良好になっている。Mn或いはCrが少な
すぎると耐食性が不十分であり、Mn或いはCrが多す
ぎると浴温を上げる必要があるために合金層が成長して
密着性が阻害される。ZnとSnの合計が多すぎても耐
食性を阻害する。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】(1)めっき層、合金層組成分析方法
めっき層:3%NaOH+1%AlCl3 ・4H2 O
中で電解剥離によりめっき層のみを剥離してめっき層組
成分析液として、各元素の定量分析を行った。 合 金 層:上記の電解剥離後、化成ソーダで合金層
を剥離して合金層組成分析液を得、各元素の定量分析を
行った。
中で電解剥離によりめっき層のみを剥離してめっき層組
成分析液として、各元素の定量分析を行った。 合 金 層:上記の電解剥離後、化成ソーダで合金層
を剥離して合金層組成分析液を得、各元素の定量分析を
行った。
【0024】(2)耐食性試験:下記の2種の試験を行
った。 屋外暴露試験 寸法50×200mmの試料を南向き30°に傾斜さ
せ、重工業地帯で2年間の屋外暴露試験を行い、端面か
らの腐食進行幅(エッジクリープ幅)を測定した。 塩水噴霧試験 寸法70×150mmの試料に対してJIS Z237
1に準拠した塩水噴霧試験を30日行い、端面からの腐
食進行幅(エッジクリープ幅)を測定した。
った。 屋外暴露試験 寸法50×200mmの試料を南向き30°に傾斜さ
せ、重工業地帯で2年間の屋外暴露試験を行い、端面か
らの腐食進行幅(エッジクリープ幅)を測定した。 塩水噴霧試験 寸法70×150mmの試料に対してJIS Z237
1に準拠した塩水噴霧試験を30日行い、端面からの腐
食進行幅(エッジクリープ幅)を測定した。
【0025】(3)めっき密着性:下記2種の試験を行
った。 リバースベンド試験 図1に示すような形状に試片の衝撃曲げを行い、曲げ部
のめっき剥離状況を観察して、評点をつけた。評点の基
準を下記に示す。 評 点 基 準 1 異常無し 2 めっき層に亀裂発生 3 点状めっき剥離あり 4 箔状めっき剥離あり 5 全面めっき剥離 カップ絞り試験 ブランク径:50mm 絞り深さ:10mm ダイス肩半径:2mm ポンチ径:33mm 上記条件で絞り加工を行い、側面部のめっき剥離状況を
観察した。評点の基準はのリバースベンド試験と同一
である。
った。 リバースベンド試験 図1に示すような形状に試片の衝撃曲げを行い、曲げ部
のめっき剥離状況を観察して、評点をつけた。評点の基
準を下記に示す。 評 点 基 準 1 異常無し 2 めっき層に亀裂発生 3 点状めっき剥離あり 4 箔状めっき剥離あり 5 全面めっき剥離 カップ絞り試験 ブランク径:50mm 絞り深さ:10mm ダイス肩半径:2mm ポンチ径:33mm 上記条件で絞り加工を行い、側面部のめっき剥離状況を
観察した。評点の基準はのリバースベンド試験と同一
である。
【0026】実施例2
実施例1の表2及び表3に示す本発明例3と比較例1の
溶融アルミめっき鋼板を塗装原板として使用した。その
浴成分、めっき層、合金層成分を表4に示す。めっき原
板:表1のA(Al−k鋼) この溶融アルミめっき鋼板に対して、実施例1と同一条
件でクロメート処理を施した。次に川上塗料(株)製ア
クリル系透明樹脂塗料(コイルコート289)を塗布
し、200℃で焼付乾燥した。この際塗料膜厚を0.5
〜20μmに調整した。またその中に0.05〜3%の
粉末状ポリエチレンワックスを添加したものも塗布し、
同じく200℃で焼付乾燥した。塗料膜厚は同じく0.
5〜20μmとした。これら一連の試料を製造後評価に
供した。評価項目は耐食性と成形性及び耐疵付き性で、
耐食性については実施例1と同一方法を使用した。その
他の評価方法を下記に示す。また製造条件と評価結果を
表5及び表6にまとめる。特に厳しい成形性を要求され
ない場合には塗膜へワックスを添加する必要がなく、こ
の場合限界絞り比の値はそう大きくない。膜厚が薄すぎ
ると充分な成形性、耐疵付き性が得られない。またM
n,Crを添加していないめっき成分では耐食性が不十
分である。
溶融アルミめっき鋼板を塗装原板として使用した。その
浴成分、めっき層、合金層成分を表4に示す。めっき原
板:表1のA(Al−k鋼) この溶融アルミめっき鋼板に対して、実施例1と同一条
件でクロメート処理を施した。次に川上塗料(株)製ア
クリル系透明樹脂塗料(コイルコート289)を塗布
し、200℃で焼付乾燥した。この際塗料膜厚を0.5
〜20μmに調整した。またその中に0.05〜3%の
粉末状ポリエチレンワックスを添加したものも塗布し、
同じく200℃で焼付乾燥した。塗料膜厚は同じく0.
5〜20μmとした。これら一連の試料を製造後評価に
供した。評価項目は耐食性と成形性及び耐疵付き性で、
耐食性については実施例1と同一方法を使用した。その
他の評価方法を下記に示す。また製造条件と評価結果を
表5及び表6にまとめる。特に厳しい成形性を要求され
ない場合には塗膜へワックスを添加する必要がなく、こ
の場合限界絞り比の値はそう大きくない。膜厚が薄すぎ
ると充分な成形性、耐疵付き性が得られない。またM
n,Crを添加していないめっき成分では耐食性が不十
分である。
【0027】前述したように厳しい加工を要求される用
途には塗膜中へのワックス添加が有効で、少ない膜厚で
優れた成形性と耐疵付き性を獲得できる。但しワックス
が少なすぎると成形性、耐疵付き性への寄与は少ない。
またMn,Crを添加していないめっきでは充分な耐食
性が得られないのも前述した通りである。本発明例3
8、成形性(限界絞り値)は1.8であるが、ワックス
添加の目的は優れた成形性であり、この値ではやや不十
分である。
途には塗膜中へのワックス添加が有効で、少ない膜厚で
優れた成形性と耐疵付き性を獲得できる。但しワックス
が少なすぎると成形性、耐疵付き性への寄与は少ない。
またMn,Crを添加していないめっきでは充分な耐食
性が得られないのも前述した通りである。本発明例3
8、成形性(限界絞り値)は1.8であるが、ワックス
添加の目的は優れた成形性であり、この値ではやや不十
分である。
【0028】
【表4】
【0029】
【表5】
【0030】
【表6】
【0031】(1)成形性試験
万能成形性試験機を使用して、しわ押さえ圧500k
g、ポンチ直径50mmでブランク径を変えて絞り試験
を行い、試片の割れ発生の無い最大ブランク径を求め、
そのブランク径のポンチ径に対する比を限界絞り比とし
てこれを評価した。 (2)耐疵付き性試験 バウデン動摩擦係数測定装置を使用して、直径10mm
の鋼球に荷重1kgをかけて同一箇所を100回測定を
繰り返した。100回目の測定値で耐疵付き性を評価し
た。尚100回以前にカジリを生じてそれ以上測定でき
なくなった試料は×で表した。
g、ポンチ直径50mmでブランク径を変えて絞り試験
を行い、試片の割れ発生の無い最大ブランク径を求め、
そのブランク径のポンチ径に対する比を限界絞り比とし
てこれを評価した。 (2)耐疵付き性試験 バウデン動摩擦係数測定装置を使用して、直径10mm
の鋼球に荷重1kgをかけて同一箇所を100回測定を
繰り返した。100回目の測定値で耐疵付き性を評価し
た。尚100回以前にカジリを生じてそれ以上測定でき
なくなった試料は×で表した。
【0032】
【発明の効果】本発明によって得られた塗装溶融アルミ
めっき鋼板は優れた加工性、塗装後耐食性を有する。特
に通常の溶融アルミめっき鋼板では問題となる初期のエ
ッジクリープが発生しにくい事が顕著な特徴である。ま
たアルミの優れた耐候性、美しい銀白色外観を有し、プ
レス成形性、耐疵付き性にも優れることから総合して極
めて有望な建材用鋼板であると考えられる。
めっき鋼板は優れた加工性、塗装後耐食性を有する。特
に通常の溶融アルミめっき鋼板では問題となる初期のエ
ッジクリープが発生しにくい事が顕著な特徴である。ま
たアルミの優れた耐候性、美しい銀白色外観を有し、プ
レス成形性、耐疵付き性にも優れることから総合して極
めて有望な建材用鋼板であると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】めっき密着性評価法であるリバースベンド法の
成形形状、手順の説明図である。
成形形状、手順の説明図である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平5−287492(JP,A)
特開 平6−330274(JP,A)
特開 平6−256970(JP,A)
特開 平2−88754(JP,A)
特開 平8−319548(JP,A)
特開 平8−311629(JP,A)
特開 平8−319549(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C23C 2/00 - 2/40
Claims (4)
- 【請求項1】 鋼板の表面に、その平均組成が重量%で
Fe:25〜50%、Si:3〜18%、Mn:0.1
〜5%、Cr:0.05〜0.8%、残部が実質的にA
lからなり、かつ厚みが5μm以下である金属間化合物
被覆層を有し、前記金属間化合物被覆層の表面に、重量
%でSi:2〜12%、Fe:1%以下、Mn:0.0
05〜0.3%、Cr:0.002〜0.05%、残部
が実質的にAlからなり、かつ不純物中のZn,Sn含
有量が合計で1%以下である被覆層を有し、その表面に
クロメート処理皮膜と更にその上に有機樹脂塗膜を有す
る事を特徴とする塗装後耐食性に優れた建材用塗装溶融
アルミめっき鋼板。 - 【請求項2】 有機樹脂塗膜が透明で、厚みが1〜15
μmであることを特徴とする請求項1記載の加工性、塗
装後耐食性に優れた建材用塗装溶融アルミめっき鋼板。 - 【請求項3】 乾燥後の塗膜重量比でワックスを0.1
〜3%含有する透明樹脂塗膜を有する事を特徴とする請
求項2記載の加工性、塗装後耐食性に優れた建材用塗装
溶融アルミめっき鋼板。 - 【請求項4】 鋼板に、Si:3〜12%、Fe:0.
5〜2.5%、Mn:0.05〜1.0%、Cr:0.
02〜0.15%、残部が実質的にAlよりなり、かつ
不純物中のZn,Sn含有量が合計で1%以下であるよ
うなめっき浴で溶融アルミめっきし、続いてクロメート
処理、樹脂塗装する事を特徴とする塗装後耐食性に優れ
た建材用塗装溶融アルミめっき鋼板の製造方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12624795A JP3383124B2 (ja) | 1995-05-25 | 1995-05-25 | 塗装後耐食性に優れた建材用溶融アルミめっき鋼板およびその製造方法 |
US08/649,363 US5789089A (en) | 1995-05-18 | 1996-05-17 | Hot-dipped aluminum coated steel sheet having excellent corrosion resistance and heat resistance, and production method thereof |
DE69603782T DE69603782T2 (de) | 1995-05-18 | 1996-05-17 | Aluminiumbeschichtetes Stahlband mit sehr guter Korrosions- und Wärmebeständigkeit und zugehöriges Herstellungsverfahren |
EP96107911A EP0743373B1 (en) | 1995-05-18 | 1996-05-17 | Hot-dipped aluminum coated steel sheet having excellent corrosion resistance and heat resistance, and production method thereof |
KR1019960016812A KR0176301B1 (ko) | 1995-05-18 | 1996-05-18 | 우수한 내식성과 내열성을 가지는 용융 알루미늄 코팅 강판과 그의 제조 방법 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12624795A JP3383124B2 (ja) | 1995-05-25 | 1995-05-25 | 塗装後耐食性に優れた建材用溶融アルミめっき鋼板およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08319550A JPH08319550A (ja) | 1996-12-03 |
JP3383124B2 true JP3383124B2 (ja) | 2003-03-04 |
Family
ID=14930451
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12624795A Expired - Fee Related JP3383124B2 (ja) | 1995-05-18 | 1995-05-25 | 塗装後耐食性に優れた建材用溶融アルミめっき鋼板およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3383124B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2790010B1 (fr) * | 1999-02-18 | 2001-04-06 | Lorraine Laminage | Procede d'aluminiage d'acier permettant d'obtenir une couche d'alliage interfaciale de faible epaisseur |
EP3561140A4 (en) * | 2016-12-21 | 2019-12-25 | Posco | ALUMINUM PLATED STEEL SHEET WITH HIGH MANGANESE HOT DIP PROVIDED WITH EXCELLENT SACRIFICIAL ELECTRODE PROTECTION AND EXCELLENT FOLDING ABILITY AND MANUFACTURING METHOD THEREOF |
-
1995
- 1995-05-25 JP JP12624795A patent/JP3383124B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08319550A (ja) | 1996-12-03 |
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