JP3380701B2 - 多孔質袋体、これを用いた発熱体、脱酸素体、脱臭体、追熟体、乾燥材、除湿材及び匂い袋 - Google Patents

多孔質袋体、これを用いた発熱体、脱酸素体、脱臭体、追熟体、乾燥材、除湿材及び匂い袋

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JP3380701B2 JP35695296A JP35695296A JP3380701B2 JP 3380701 B2 JP3380701 B2 JP 3380701B2 JP 35695296 A JP35695296 A JP 35695296A JP 35695296 A JP35695296 A JP 35695296A JP 3380701 B2 JP3380701 B2 JP 3380701B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発熱組成物、脱酸素
剤、脱臭剤、追熟組成物、乾燥剤、吸湿剤又は香料など
の内容物を収納する多孔質袋体の改良、更にこの多孔質
袋体を用いた発熱体、脱酸素体、脱臭体、追熟体、乾燥
材、除湿材及び匂い袋に関し、その多孔質袋体における
周縁部をヒートシールする際の当該シール部の破断や裂
け更に貫通孔の発生を防止し、これによって、内容物の
漏れや過度の温度上昇を防止することにより、歩留りや
安全性更に信頼性を著しく向上させた多孔質袋体、これ
を用いた発熱体、脱酸素体、脱臭体、追熟体、乾燥材、
除湿材及び匂い袋に関する。
【0002】
【従来の技術】多孔質袋体は発熱体、脱酸素体、脱臭
体、追熟体、乾燥材、除湿材及び匂い袋などに用いられ
ているが、その用途に応じて通気性がコントロールされ
ている。
【0003】具体的には、例えば使い捨てカイロは鉄粉
の空気による酸化での発熱を利用して、安全で安価に人
体の局部を暖めるものである。この場合、通気性をコン
トロールして発熱温度を一定値に維持せしめるものであ
るが、この通気性の制御には数μm以下の孔径を数多く
もつプラスチックフィルムが使用されている。
【0004】ところで、この種、多孔質袋体は、補強用
通気層と多孔質膜を具備する2層以上の多孔質基材とヒ
ートシール層を有する1層以上の被覆材とを重ね合わ
せ、その周縁部を前記ヒートシール層でヒートシールし
て形成される。
【0005】前記多孔質膜としては微細な炭酸カルシウ
ム粉末の如き無機質微粉末(無機質充填剤)をポリオレフ
ィン系樹脂に混合した後、フィルム状ないしシート状に
成形し、次いで、これを延伸して、無機質微粉末の周辺
に微細孔を形成したものが挙げられる。
【0006】前記補強用通気層としては、一般に使用感
を良好にするために、風合いの良好な不織布や織布など
の布が挙げられるのであり、これを前記多孔質膜の片面
或いは両面に張り合わせて多孔質基材が形成される。こ
の不織布としては、例えばポリアミド、ポリエステル又
はレーヨン等で形成されたものが挙げられる。
【0007】一方、前記被覆材としてはヒートシール層
を有する1層以上のものが挙げられ、代表的にはポリオ
レフィン系樹脂等からなる非通気性のフィルムないしシ
ートが挙げられる。
【0008】具体例としては、被覆材、この場合、ポリ
オレフィン系樹脂等からなる非通気性のフィルムないし
シートの片面には、多孔質基材と同様の不織布又は織布
などの布を積層しても良いし、或いは粘着剤を塗布して
下着又は皮膚に直接貼着するように構成することも可能
である。
【0009】そして、一般に、前記の多孔質基材と被覆
材とを重ね合わせ、その間に発熱組成物や脱酸素剤等の
内容物を投入しながら、その周辺部を前記ヒートシール
層でヒートシールして、連続的に発熱体や脱酸素体等が
製造される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、発熱組成物等
の内容物を投入しながらヒートシールを行う場合には、
当該内容物がヒートシール部に付着して外観が悪くなっ
たり、更には夾雑物のためヒートシール部のシール強度
が低下して、いずれも品質上問題となる。このために内
容物の投入の瞬間は、当該内容物が直接基材に触れない
ように、内容物のシューターが上下運動して、当該内容
物がヒートシール部に触れないようガイドして投入し、
投入が終われば上部にもどるよう構成されている。
【0011】このように、内容物のシューターを上下運
動させることによって水平側及び垂直側のヒートシール
には夾雑物が原因でシール不良となることは起こらな
い。しかしながら、内容物を投入する際、シューターが
かなりの深部まで入るので垂直側のヒートシール部に対
して、当該ヒートシール部をヨコ方向に拡げて引張る方
向(図4のa、b)に力が働くことが往々にしてある。
その結果、多孔質基材側の垂直側のヒートシール部のき
わに小さな破断が発生することがある。
【0012】この破断は商品として極めて重大、且つ致
命的な欠陥となる。何とならば、消費者がこの欠陥商品
を使用した場合、内容物が漏れたり、破断箇所から過剰
の空気が流入して種々の問題が発生する。
【0013】即ち、この欠陥商品が例えば発熱組成物を
封入した発熱体である場合、これを皮膚に直接又は皮膚
に近い下着に張りつけて使用すると、前記破断箇所から
過剰の空気が集中的に入って局部的に異常発熱を起こ
たり、皮膚に火傷を起こしたり、発熱組成物が漏れて衣
服を汚損するなどの種々の弊害が発生する。
【0014】従って、従来からこの現象は「ヒートシー
ルきわのエッジ切れ」と称して、製造工程上で最も注意
を要する管理ポイントであった。
【0015】発明者らはこの「ヒートシールきわのエッ
ジ切れ」を確実に防止すべく、その原因を徹底的に追求
し、その防止策に鋭意検討を重ねて来た。
【0016】ところで、従来から発熱体の温度制御に
は、多孔質基材の通気度を所定の範囲に制御することが
極めて重要であることが知られている(特公平5ー11
985号公報参照)。この多孔質基材は補強用通気層と
多孔質膜を具備する2層以上の構造を有するものであ
り、前記多孔質膜は微細な炭酸カルシウム粉末の如き無
機質微粉末(無機質充填剤)をポリオレフィン系樹脂(樹
脂分100重量部に対し無機質充填剤200重量部以
上)に混合した後、フィルム状ないしシート状に成形
し、次いで、これを延伸して、無機質微粉末の周辺に微
細孔(孔径が数ミクロン程度以下)を形成したものであ
り、この微細孔(亀裂)の大きさをコントロールすること
によって、通気度が所定の範囲に制御される。
【0017】この工程から理解できることは、第1に無
機質充填剤を大量にポリオレフィン系樹脂に混合するか
ら、もとの樹脂に比べて引張り強度が極めて弱くなると
いうことである。
【0018】又、第2にこの延伸の方向は製造機械のフ
ィルムないしシートの進行方向と一致するから、進行方
向(タテ方向)に前述の微細孔(亀裂)が生じており、従
って、フィルムないしシートのヨコ方向の破断点強度、
降伏点強度は更に非常に弱く破断点伸度はタテ方向に比
べて非常に大きいのである。
【0019】例えば表1はA社品とB社品で製造されて
いる多孔質膜の引張り強度を示すものであり、A社及び
B社共に、タテ方向に比べて、ヨコ方向の破断点強度及
び降伏点強度のいずれも非常に弱く、しかも伸び易いこ
とが認められる。
【0020】
【表1】
【0021】更に、第3に多孔質膜は、この引張り強度
の弱さを防ぎ且つ皮膚感触をよくするために、ポリアミ
ド、ポリエステル、レーヨン等の不織布や織布などの布
を張り合せて、使用するのが普通であるが、元来、多孔
質膜は数ミクロン程度以下の多孔質のフィルムないしシ
ートで通気度を一定範囲に制御してあるから、その張り
合せに完全な融着や接着をして、通気性を遮断したり、
ばらつかせることはできないのである。
【0022】そこで、多孔質膜と不織布や織布などの布
とを張り合せるにあたり、エンボス処理や部分的融着、
或いはグラビア印刷による部分的な接着が行われている
が、このように部分的な融着や接着による張り合わせで
は、両者の接着強度が極めて弱く容易に剥離可能とな
る。
【0023】ところで、表2はA社製品とB社製品の2
種類の多孔質基材における不織布−多孔質膜間の接着強
度を示すものであるが、表2から通常の接着強度と比較
して弱いことが認められる。
【0024】
【表2】
【0025】特に、第4にシューターが下部に降りて、
多孔質膜を圧迫するのはヒートシールの直後で、ヒート
シール部の温度は100℃に近いから、引張り強度は常
温での測定値よりもはるかに低下する。
【0026】以上の第1から第4までの結果より、多孔
質膜の引張り強度がいかに弱く、しかも不織布等による
補強も弱いことが認められる。
【0027】ところで、図3〜図5は多孔質基材1(不
織布1aと多孔質膜1bとの積層フィルム)と被覆材2
がヒートシールされながら、例えば発熱組成物等の内容
物3が投入される状態を示す説明図である。
【0028】即ち、例えば図5に示すように、多孔質基
材1用のロールフィルム10と、被覆材2用のロールフ
ィルム20からそれぞれ多孔質基材1と被覆材2が繰り
出され、一定容量の発熱組成物等の内容物3が計量され
て、上下運動をするシューター4を通じて多孔質基材1
と被覆材2の間に投入され、この内容物3の周囲を封着
するように水平・垂直方向にダイロール5によってヒー
トシールされ、切断されて製袋される。
【0029】図4は図3の部分拡大図であり、イ−ロ−
ハ面は多孔質基材1と被覆材2及び垂直方向のヒートシ
ール部の水平断面図であり、従来、前記多孔質基材1
は、ポリアミド、ポリエステル又はレーヨン等で形成さ
れた不織布等の布(補強用通気層)1aと、高圧法低密度
ポリエチレン(LDPE)や直鎖状低密度ポリエチレン
(LLDPE)などのポリオレフィン系樹脂等で形成され
た多孔質膜1bとの積層フィルムからなり、一方、被覆
材2は、非通気性ポリエチレンフィルムからなる補強層
2aと、前記と同様のポリオレフィン系樹脂等で形成さ
れた非通気性のヒートシール層(非通気性のフィルムな
いしシート)2bからなる。
【0030】図4において、A面は多孔質基材1におけ
る多孔質膜1bの内側、B面は被覆材2におけるヒート
シール層2bの内側で、いずれも袋体の内側から見た状
態である。A面に規則的に並ぶ点は不織布等の布(補強
用通気層)1aと多孔質膜1bを融着するエンボス点で
ある。
【0031】今、シューター4が下に降りて、A面とB
面にそれぞれ矢印a・b方向の力が加わったときB面は
充分に強いので、A面の特にエンボス点とヒートシール
部の末端に力がかかり、まず不織布等の布1aが伸び
る。
【0032】そこで、前記の第3の理由で多孔質膜1b
と不織布等の布(補強用通気層)1aとの剥離が生じ、前
記の第2の理由で多孔質膜1bはヨコ方向に非常に伸
び、且つ降伏点強度が最も小さいから多孔質膜1bと不
織布等の布(補強用通気層)1aとの剥離は加速され、タ
テ方向の亀裂が連結しながら小孔ができ、破断線に成長
する。これらの様子は引張り試験をゆっくり行うと充分
に観察することができる。そして破断がサンプル幅15
m/mに達した後は不織布等の布(補強用通気層)1aと
多孔質膜1bの層間剥離が容易に進行する。
【0033】本発明者らは、これらの現象を逐次的に観
察することによって、不織布等の布(補強用通気層)1a
と多孔質膜1bとの接着強度が強ければ、多孔質膜1b
のヨコ方向の機械的強度も補強される結果、「ヒートシ
ールきわのエッジ切れ」の原因が除かれるに違いないと
の知見を得た。
【0034】しかしながら、ヒートシール部以外の部分
で不織布等の布1aと多孔質膜1bとの接着面積を増や
し、接着強度が増すと、剛性が出て感触は悪くなった
り、例えば発熱体として使用した場合には、多孔質基材
1の通気性に変動をきたして発熱体等の品質が極端に悪
くなる。
【0035】従って、ヒートシールする際に発生するヒ
ートシールきわの多孔質膜1bの破断を確実に防止する
と共に強固なシール性を維持し、使用中の内容物3の漏
れや低温やけど更に衣服の汚損等の発生を防止するに
は、ヒートシール時にヒートシール部のみ不織布等の布
(補強用通気層)1aと多孔質膜1bとの接着強度を増す
必要があるとの知見も得た。
【0036】本発明は、発熱組成物等の内容物を封入す
る多孔質袋体をヒートシール層でヒートシールして製造
するにあたり、前記ヒートシール層が活性点の性質が均
一なシングルサイト触媒によって重合或いは共重合され
たポリエチレンで形成されていることにより、発熱組成
物等の内容物を多孔質袋体内に投入して、ヒートシール
を行う際に発生する「ヒートシールきわのエッジ切
れ」、つまりシール層の破断を確実に防止すると共に強
固なシール性を維持し、使用中の内容物の漏れや低温や
けど更に衣服の汚損等の発生を防止し、安全で且つ信頼
性の極めて高い多孔質袋体、これを用いた発熱体、脱酸
素体、脱臭体、追熟体、乾燥材、除湿材及び匂い袋を提
供することを目的とする。
【0037】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ヒートシ
ールを行う際に発生する「ヒートシールきわのエッジ切
れ」、つまりシール層の破断を確実に防止すると共に強
固なシール性を維持し、使用中の内容物の漏れや低温や
けど更に衣服の汚損等の発生を防止し、安全で且つ信頼
性の極めて高い多孔質袋体について鋭意検討を重ねてき
た。
【0038】その結果、多孔質基材と被覆材とを重ね合
わせ、その周縁部をヒートシール層でヒートシールして
多孔質袋体を製造するにあたり、「ヒートシールきわの
エッジ切れ」を防止するには垂直側のヒートシール部で
の不織布等の布と多孔質膜との接着強度を強化すること
が必須の要件であり、この要件を確保するには、ヒート
シール層が重要な意義を有するとの知見を得た。
【0039】そこで、本発明者らは、前述のように、種
々のヒートシール層を介して垂直側のヒートシール実験
を鋭意検討したところ、最近発表された活性点の性質が
均一なシングルサイト触媒によって重合或いは共重合さ
れたポリエチレンからなる層を用いると、ヒートシール
の際、シューターが下に降りて、A面に矢印a方向の力
が加わり、多孔質膜と不織布等の布との剥離が発生する
前に、前記ヒートシール層が速やかに溶融し、しかもこ
の溶融樹脂は熱伝導性や流れ性更に不織布等の布との濡
れ性が良好であるので、当該溶融樹脂(ヒートシール層
の溶融樹脂)が多孔質膜の溶融箇所から不織布等の布中
に滲透して広義のアンカー効果を発現し、即ち、不織布
等の布に溶融樹脂が良くなじんで不織布等の布との結合
が強固になる結果、「ヒートシールきわのエッジ切れ」
が防止されるとの知見を得た。
【0040】又、本発明者らは、ヒートシール層とし
て、活性点の性質が均一なシングルサイト触媒によって
重合或いは共重合されたポリエチレンからなる層におい
て、以下の特性を有するものがヒートシールを行う際に
発生する「ヒートシールきわのエッジ切れ」を防止する
上で極めて有益であるとの知見も得た。
【0041】(1)シーラントの熱容量は小さく即ち密
度が小さいこと。 (2)融点についてはDSC融点ピークより低融点側に
融解領域があること。 (3)溶融粘度がある程度低く、即ちMFRがある程度
大きいこと。 (4)分子量分布がシャープで平均分子量より大きい分
子量分布が少ない。 (5)多孔質膜をつくるポリオレフィンとの相溶性があ
って、極性の少ない分子系であること。 (6)多孔質膜及び不織布等の布を構成する繊維との濡
れが良く、従って熱伝導性が良好で、結果的には不織布
等の布の繊維に対して溶融樹脂が滲透して広義のアンカ
ー効果を発現し、即ち不織布等の布に溶融樹脂が良くな
じんで、不織布等の布との結合が強固であること。
【0042】つまり、ヒートシールきわでエッジ切れが
起こらないようにするには、ヒートシールきわで不織布
等の布と多孔質膜の剥離が起こらず、多孔質膜が伸び
ず、部分的にタテ方向の亀裂が小孔に成長しないことで
ある。この場合には、ヒートシール部を切断して、内部
を観察すると、ヒートシールきわで溶融樹脂が不織布等
の布によく滲透して硬化し一体化していることが容易に
認められる。そしてヒートシール部をそれぞれ矢印a・
b方向に無理矢理に引張ると、不織布等の布の中で凝集
破壊が発生して、不織布等の布と多孔質膜の層間剥離は
発生しないとの知見も得た。
【0043】 即ち、本発明に係る多孔質袋体は、前記
知見に基づき完成されたものであって、前記目的を達成
するために、多孔質膜及び補強用通気層を具備する2層
以上の多孔質基材とヒートシール層を有する1層以上の
被覆材とを、前記多孔質膜及びヒートシール層が接する
ように重ね合わせ、その周縁部を前記ヒートシール層で
ヒートシールしてなる多孔質の袋体において、前記多孔
質膜が、無機質充填剤を含有する延伸多孔質膜であり、
前記多孔質基材が、50〜10,000g/m 2 ・24
hrの透湿度を有し、前記ヒートシール層が、活性点の
性質が均一なシングルサイト触媒によって重合又は共重
合されたポリエチレンで形成されていることを特徴とす
るものである。
【0044】本発明で用いられる多孔質基材としては、
補強用通気層と多孔質膜を具備する2層以上の積層され
たフィルム状ないしシート状のものからなり、従来よ
り、発熱体、脱酸素体、脱臭体、追熟体、乾燥材、除湿
材及び匂い袋にそれぞれ用いられているものが挙げられ
る。
【0045】前記補強用通気層としては多孔質膜に積層
されて当該多孔質膜の強度を向上する通気性のフィルム
ないしシートであれば特に限定されるものではないが、
具体的には、例えば天然繊維や人造繊維で形成された不
織布、織布、編み物又は織物などの布、紙、通気性の発
泡フィルムないしシート、合成樹脂製のパンチングフィ
ルムないしシート等が挙げられる。
【0046】前記人造繊維としては、例えばビスコース
・レーヨン、ベンベルグ、又はスフ等の再生繊維、ポリ
アミド、ポリエステル、アクリル、ビニロン、サラン、
ポリプロピレン等の合成繊維、アセテート、シノン等の
半合成繊維が挙げられる。
【0047】又、多孔質膜としては、各種、合成樹脂、
特に、従来から多用されている高圧法低密度ポリエチレ
ン(LDPE)や直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)
などのポリオレフィン系樹脂等で形成された多孔質のフ
ィルムないしシートが挙げられるのであり、具体的に
は、従来から発熱体等の分野で用いられているポリオレ
フィン系樹脂等で形成された多孔質のフィルムないしシ
ートが挙げられる。
【0048】本発明で用いられる多孔質基材において
は、前記の補強用通気層と多孔質膜を部分的に熱接着或
いは熱融着した2層タイプの積層フィルムないしシー
ト、多孔質膜の両面に補強用通気層を部分的に熱接着或
いは熱融着した3層タイプの積層フィルムないしシート
等、2層以上の積層フィルムないしシートが挙げられ
る。
【0049】この多孔質基材は通気性(透湿性)を有す
る必要があり、その透湿度は、リッシー法(Lyssy
法L80−4000H型)で50〜10,000g/m
・24hrの範囲とする。
【0050】この透湿度が50g/m・24hr未満
では発熱量、脱酸素・脱臭効果、追熱・除湿効果或いは
香料の蒸散効果が少なくなり、用途に応じた所要の効果
が得られない虞が有る。一方、10,000g/m
24hrを超えると発熱温度が高くなって安全性に問題
が生じたり、発熱時間が短くなったり、脱酸素・脱臭効
果、追熱・除湿効果或いは香料の蒸散効果が短くなって
長期間にわたる有効性が望めなくなったり、内容物が漏
れる虞が生じる。従って、多孔質基材の透湿度が100
〜7,500g/m・24hrの範囲内にすることに
よって、安全で十分な効果を長時間にわたって得られる
ので、特に好ましい。
【0051】 ところで、リッシー法(Lyssy法)
とは世界各国の工業規格に準拠した方法であり、例えば
JIS Z0208では、温度40℃、相対湿度差90
%RHに保つように定められているので、本装置では、
100%相対湿度の状態にある下部チャンバーと、高感
度の湿度センサーを設置した上部チャンバーの境界面に
測定サンプルが挿入され、湿度センサーのある上部チャ
ンバーの相対湿度を10%RH(100%−90%)に
保つようにし、これを中心にして、約±1%の幅(ΔR
H)即ち約9%から約11%に湿度が増加するのに必要
な時間(数秒)を測定し、予め透過度既知の標準サンプ
ルを用いて同じ条件で行ったキャリブレーションの結果
と比較することにより透過度を求める方法である。
【0052】そして、本発明においては、前記多孔質基
材と、ヒートシール層を有する1層以上の被覆材とを重
ね合わせ、その周縁部を前記ヒートシール層でヒートシ
ールしてなる多孔質の袋体において、前記多孔質基材
が、50〜10,000g/m ・24hrの透湿度を
有し、しかもヒートシール層が活性点の性質が均一なシ
ングルサイト触媒によって重合或いは共重合されたポリ
エチレンで形成されている点、に特徴とする。
【0053】即ち、本発明において、被覆材としては、
活性点の性質が均一なシングルサイト触媒によって重合
或いは共重合されたポリエチレンで形成されたヒートシ
ール層のみからなる1層タイプのもの、或いはこの種、
ヒートシール層と補強層を具備する2層以上からなる積
層タイプのものが挙げられる。
【0054】つまり、本発明においては、ヒートシール
層が活性点の性質が均一なシングルサイト触媒によって
重合或いは共重合されたポリエチレンで形成されている
ことを特徴とするものであり、このシングルサイト触媒
が、特にメタロセン触媒であり、しかもヒートシール層
がメタロセン触媒によって重合或いは共重合されたポリ
エチレン、或いはヒートシール層がメタロセン触媒によ
って重合或いはα−オレフィンと共重合されたポリエチ
レンで形成されているものが、前記(1)〜(6)の特性を
有するポリエチレン製のヒートシール層が得られ、ヒー
トシールを行う際に発生する「ヒートシールきわのエッ
ジ切れ」を防止し得るので望ましい。
【0055】この種、シングルサイト触媒によって重合
或いは共重合されたポリエチレン製のヒートシール層に
おいて、当該ポリエチレンのMFR(メルトフローレー
ト)が0.5g/10分以上で20g/10分未満であ
るものが望ましく、MFRが、0.5g/10分未満と
小さ過ぎると溶融粘度が大き過ぎて不織布等の補強用通
気層への滲透性が悪く、所望の接着強度が得られず、ヒ
ートシールを行う際の「ヒートシールきわのエッジ切
れ」が発生する虞れが有る一方、20g/10分を超え
ると強度が弱くなるので、いずれも望ましくなく、従っ
て、特にポリエチレンのMFR(メルトフローレート)
が3g/10分以上で15g/10分未満であるものが
一層望ましい。
【0056】又、本発明においては、メタロセン触媒に
よって重合或いは共重合されたポリエチレンの密度が
0.95g/cm3以下、特に0.93g/cm3以下の
もの、更には0.88〜0.93g/cm3の範囲のも
のが望ましく、密度が0.95g/cm3を超えるとヒ
ートシール強度が弱く補強用通気層と多孔質膜との接着
強度が弱くなってヒートシールの際に補強用通気層と多
孔質膜とが剥離して、ヒートシールを行う際の「ヒート
シールきわのエッジ切れ」が発生する虞れが有るので望
ましくない。
【0057】更に、本発明においては、シングルサイト
触媒によって重合或いは共重合されたポリエチレンのD
SC融点が125℃以下であることが望ましく、DSC
融点が125℃を超えるとヒートシール強度が弱く補強
用通気層と多孔質膜との接着強度が弱くなる結果、ヒー
トシールの際に補強用通気層と多孔質膜とが剥離して、
ヒートシールを行う際の「ヒートシールきわのエッジ切
れ」が発生する虞れが有るので望ましくない。
【0058】以上のことより、ヒートシール層として活
性点の性質が均一なシングルサイト触媒によって重合或
いは共重合されたポリエチレンで形成されているものを
使用するにあたり、このポリエチレンのMFR(メルト
フローレート)が0.5g/10分以上で20g/10
分未満、好ましくはポリエチレンのMFR(メルトフロ
ーレート)が3g/10分以上で15g/10分未満で
あり、又、このポリエチレンの密度が0.95g/cm
3以下、特に0.93g/cm3以下のもの、更には0.
88〜0.93g/cm3の範囲のものが望ましく、し
かもポリエチレンのDSC融点が125℃以下であるこ
とが望ましのであり、このような条件のヒートシール層
と、補強用通気層と多孔質膜からなる多孔質基材とをヒ
ートシールすると、ヒートシール部においてこれらの三
者が一体的に融着する結果、従来のようにEVA、EM
MA、LOPE等をヒートシール層に使用した場合に比
較して、ヒートシール強さが強く、ホットタック性も良
好で且つ「ヒートシールきわのエッジ切れ」が全く起こ
らないことが認められた。
【0059】ところで、メタロセン触媒は1980年に
ハンブルグ大学のカミンスキー教授により高活性なポリ
エチレン用触媒として発見された触媒であり、ジルコノ
センジクロリドに代表されるメタロセン化合物からなる
主触媒とメチルアルモキサンに代表される助触媒とから
なる。
【0060】本発明で用いられる被覆材においては、前
記のヒートシール層と補強層とが部分的に或いは全面的
に熱接着又は熱融着された2層以上のタイプの積層フィ
ルムないしシート等が挙げられるが、前記補強層として
はヒートシール層に積層されて当該ヒートシール層の強
度を向上するフィルム状ないしシート状のものであれば
特に限定されるものではないが、具体的には、例えば前
述の補強用通気層と同様のものの他、非通気性のフィル
ムないしシートが挙げられる。
【0061】本発明において、前記の多孔質基材及び被
覆材の厚さとしては、用途によって大きく異なり、特に
限定されるものではないが、使用中や取扱中に破損しな
い程度の強度を有することを要する。具体的には、例え
ば10〜5000μmの範囲とするのが望ましい。
【0062】多孔質基材及び被覆材の厚さが10μm未
満の場合には、必要な機械的強度が得られなくなる上、
膜厚を均一にすることが困難になる虞れがあるので好ま
しくなく、一方、多孔質基材及び被覆材の厚さが500
0μmを超える場合にはスポンジ等の発泡体であっても
柔軟性が低下したり、多孔質袋体全体の厚さが厚くなり
過ぎて取扱性や使用感が悪くなるので好ましくない。
【0063】従って、特に多孔質基材及び被覆材の厚さ
を12〜2500μmの範囲、更に好ましくは15〜1
000μmの範囲とすることによって、所要の機械的強
度が得られると共に、所要の柔軟性が得られる結果、取
扱性や使用感が良好になるので望ましい。
【0064】本発明に係る多孔質袋体は、前述の構造を
有し、発熱組成物等の内容物を封入する多孔質袋体をヒ
ートシール層でヒートシールして製造するにあたり、前
記ヒートシール層が活性点の性質が均一なシングルサイ
ト触媒によって重合或いは共重合されたポリエチレンで
形成されていることにより、発熱組成物等の内容物を多
孔質袋体内に投入して、ヒートシールを行う際に発生す
る「ヒートシールきわのエッジ切れ」、つまりシール層
の破断を確実に防止すると共に強固なシール性を維持
し、使用中の内容物の漏れや低温やけど更に衣服の汚損
等の発生を防止し得る多孔質袋体が従来と同様の方法で
得られるのであり、しかも、この多孔質袋体を用いた発
熱体、脱酸素体、脱臭体、追熟体、乾燥材、除湿材及び
匂い袋は極めて、安全で且つ信頼性の極めて高いのであ
る。
【0065】即ち、本発明に係る発熱体としては、前記
目的を達成するために、本発明に係る多孔質袋体を用
い、この多孔質袋体内には空気中の酸素と反応して発熱
する発熱組成物が封入されていることを特徴とする。
【0066】この場合、本発明で用いられる発熱組成物
としては空気中の酸素と反応して発熱する物質からな
り、具体的には、例えば使い捨てカイロや温熱シップ剤
等に用いられるものが挙げられるのであり、発熱物質で
ある金属粉、特に鉄粉を主とする従来公知のものが挙げ
られるのであり、又、本発明に係る発熱体は、従来と同
様の装置や方法によって製造される。
【0067】又、本発明に係る脱酸素体としては、前記
目的を達成するために、本発明に係る多孔質袋体を用
い、この多孔質袋体内には空気中の酸素と反応する脱酸
素剤が封入されていることを特徴とする。
【0068】本発明で用いられる脱酸素剤としては、空
気中の酸素と反応する還元性の物質を主成分とする組成
物からなり、具体的には、例えば各種食品の包装容器内
に入れられて当該包装容器内の酸素を吸収する還元性の
物質等が挙げられるのであり、具体的には、例えば還元
物質である金属粉、例えば鉄粉、或いは金属塩、例えば
塩化第一鉄、又はL−アスコルビン酸等の還元性有機化
合物、更にこれらの還元性物質の混合物を主とする従来
公知のものが挙げられるのであり、又、本発明に係る脱
酸素体は、従来と同様の装置や方法によって製造され
る。
【0069】更に、本発明に係る脱臭体としては、前記
目的を達成するために、本発明に係る多孔質袋体を用
い、この多孔質袋体内には悪臭物質を吸着する脱臭剤が
封入されていることを特徴とする。
【0070】本発明で用いられる脱臭剤としては、空気
中の悪臭物質を吸着したり、空気中の悪臭物質を酸化し
て無臭化する物質が挙げられるのであり、具体的には、
例えば活性炭やゼオライト更に脱臭作用を発現するセラ
ミックス等のほか、酸化銀や過酸化銀等の悪臭物質を酸
化して無臭化する物質等、従来公知のものが挙げられる
のであり、又、本発明に係る脱臭体は、従来と同様の装
置や方法によって製造される。
【0071】本発明に係る追熟体としては、前記目的を
達成するために、本発明に係る多孔質袋体を用い、この
多孔質袋体内には空気中の酸素と反応してエチレンガス
を発生する追熟組成物が封入されていることを特徴とす
る。
【0072】本発明で用いられる追熟組成物としては、
空気中の酸素と反応してエチレンガスを発生するものが
挙げられるのであり、具体的には、例えば特公平6ー3
9413号公報、特開平8ー103212号公報に記載
されている追熟組成物が挙げられるのであり、又、本発
明に係る追熟体は、従来と同様の装置や方法によって製
造される。
【0073】又、本発明に係る乾燥材としては、前記目
的を達成するために、本発明に係る多孔質袋体を用い、
この多孔質袋体内には湿気を吸収する乾燥剤が封入され
ていることを特徴とする。
【0074】本発明で用いられる乾燥剤としては、食品
が湿気るのを防止したり、食品の乾燥に用いられるもの
であれば特に限定されるものではなく、具体的には、例
えばシリカゲル、生石灰や塩化マグネシウム等の潮解性
の物質等、従来公知のものが挙げられるのであり、又、
本発明に係る乾燥材は、従来と同様の装置や方法によっ
て製造される。
【0075】更に、本発明に係る除湿材としては、前記
目的を達成するために、本発明に係る多孔質袋体を用
い、この多孔質袋体内には空気中の水分を吸収する吸湿
剤が封入されていることを特徴とする。
【0076】本発明で用いられる除湿剤としては、タン
ス等の家具、押し入れ、下駄箱などの内部に置いてこれ
らの内部の湿気を除去するものであれば特に限定される
ものではなく、具体的には、例えば塩化カルシウムなど
の潮解性の物質等、従来公知のものが挙げられるのであ
り、又、本発明に係る除湿材は、従来と同様の装置や方
法によって製造される。
【0077】本発明に係る匂い袋としては、前記目的を
達成するために、本発明に係る多孔質袋体を用い、この
多孔質袋体内には蒸散性の香料が封入されていることを
特徴とする。
【0078】本発明で用いられる香料としては、蒸散し
て芳香を発するものであれば特に限定されるものではな
く、具体的には、例えば植物性香料や動物性香料などの
天然香料、テルペン系合成香料、芳香族系合成香料又は
脂肪族系合成香料等の合成香料等、従来公知の白檀、麝
香、きゃら等が挙げられるのであり、又、本発明に係る
匂い袋は、従来と同様の装置や方法によって製造され
る。
【0079】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されもので
はない。
【0080】実施例1 図1及び図5に示すように、多孔質基材1としては、坪
量40gのナイロンスパンボンド長繊維製の不織布(補
強用通気層)1aと厚さ30μmのポリエチレン製の多
孔質膜1bとを30%面積比の小孔通気部を残して軽い
熱融着を行って張り合せると共に、前記不織布(補強用
通気層)1a側から1mm間隔のエンボス加工を施して
部分的に熱融着することによって得られた積層フィルム
を用いた。
【0081】一方、図1及び図5に示すように、被覆材
2としては、メタロセン触媒により製造された厚さ20
μmのポリエチレン共重合体製のヒートシール層(MF
R11g/10分、密度0.905g/cm3、DSC
融点102℃)2bと、厚さ60μmで、しかも非通気
性の直鎖状低密度ポリエチレン製フイルムで形成された
補強層2aとを積層した積層フィルムを用いた。
【0082】図1及び図5に示すように、前記多孔質基
材1用のロールフィルム10と前記被覆材2用のロール
フィルム20とをそれぞれ繰り出すにあたり、それぞれ
4.0m/分の速度で2本の熱ダイロールの間に供給
し、しかも多孔質基材1側はダイロール5、5のヒート
シール部の温度が141±0.5℃、被覆材2側のダイ
ロール5のヒートシール部の温度は160±0.5℃、
ダイロール・ヒートシール部間の圧力は6.5kg/c
2で、前記の多孔質膜1b面とヒートシール層2b面
を重ね合せて当該フィルムを垂直方向に走行させて発熱
組成物3aの外周囲をヒートシールHした。
【0083】この場合、ダイロール5、5のヒートシー
ル部の形状は製袋の垂直方向13.5cm、水平方向
9.5cm、袋1つのシール巾は垂直方向6mm、水平
方向8mmである。図5に示すように、二つのダイロー
ル5、5の上方には、上下運動をするシューター4が設
けられ、このシューター4が下部に達したときに当該シ
ューター4から50gの発熱組成物3aが投入されて、
ヒートシールを行いながら製袋し、発熱体を製造した。
【0084】この袋体の長辺(13.5cm)側[垂直
側]のシール強度を測るために15m/m巾のサンプル
をとり、これを室温下で、500mm/分の引張り速度
で多孔質基材1と被覆材2とのT剥離試験を行った。そ
の試験結果を表3に示す。尚、図1において、6は粘着
剤層である。
【0085】
【表3】
【0086】実施例2 図2に示すように、ヒートシール層2bとして、実施例
1のものに代えて、MFR4g/10分、密度0.91
5、DSC融点108℃の物性を有し、且つメタロセン
触媒により製造されたエチレン・α・オレフィン共重合
体製のヒートシール層(厚さ20μm)2bを用い、
又、被覆材2として、厚さ60μmで、非通気性の直鎖
状低密度ポリエチレン製フイルムで形成された補強層2
cを介して前記ヒートシール層2bと、坪量40gのナ
イロンスパンボンド長繊維製の補強層2aを積層したも
のを用いた以外は、実施例1と同様に製袋し、発熱体を
製造した。
【0087】又、実施例1と同様に、袋体の長辺(1
3.5cm)側[垂直側]のシール強度を測るために1
5m/m巾のサンプルをとり、これを室温下で、500
mm/分の引張り速度で多孔質基材1と被覆材2とのT
剥離試験を行った。その試験結果を表3に示す。
【0088】実施例3 ヒートシール層2bとして、実施例2のものに代えて、
MFR1.5g/10分、密度0.92、DSC融点1
15℃の物性を有し、且つメタロセン触媒により製造さ
れたエチレン・α・オレフィン共重合体製のヒートシー
ル層(厚さ20μm)2bを用いた以外は、実施例2と
同様に製袋し、図2に示す発熱体11を製造した。
【0089】又、実施例1と同様に、袋体の長辺(1
3.5cm)側[垂直側]のシール強度を測るために1
5m/m巾のサンプルをとり、これを室温下で、500
mm/分の引張り速度で多孔質基材1と被覆材2とのT
剥離試験を行った。その試験結果を表3に示す。
【0090】実施例4 ヒートシール層2bとして、実施例2のものに代えて、
MFR2g/10分、密度0.925、DSC融点12
0℃の物性を有し、且つメタロセン触媒により製造され
たエチレン・α・オレフィン共重合体製のヒートシール
層(厚さ20μm)2bを用いた以外は、実施例2と同
様に製袋し、図2に示す発熱体11を製造した。
【0091】又、実施例1と同様に、袋体の長辺(1
3.5cm)側[垂直側]のシール強度を測るために1
5m/m巾のサンプルをとり、これを室温下で、500
mm/分の引張り速度で多孔質基材1と被覆材2とのT
剥離試験を行った。その試験結果を表3に示す。
【0092】ところで、実施例1〜4のサンプルをそれ
ぞれピール剥離した後、そのヒートシール箇所を肉眼で
観察したところ、そのヒートシール箇所はいずれも不織
布内での凝集破壊を示し、多孔質基材1と被覆材2とが
一体的に接合していることが認められた。
【0093】比較例 ヒートシール層2bとして、実施例1のものに代えて、
従来のヒートシール層2bとして最もヒートシール性が
優れていると解されているエチレンーメチルメタアクリ
レート製のヒートシール層(厚さ29μm)2bを用い
た以外は、実施例1と同様に製袋し、発熱体11を製造
した。
【0094】又、実施例1と同様に、袋体の長辺(1
3.5cm)側[垂直側]のシール強度を測るために1
5m/m巾のサンプルをとり、これを室温下で、500
mm/分の引張り速度で多孔質基材1と被覆材2とのT
剥離試験を行った。その試験結果を表3に示す。
【0095】ところで、比較例のサンプルをピール剥離
した後、そのヒートシール箇所を肉眼で観察したとこ
ろ、多孔質膜1bとヒートシール層2bとの間で層間剥
離を示しており、多孔質基材1と被覆材2とが一体的に
接合していないことが認められた。
【0096】ところで、実施例1〜4において、発熱体
11を製造するにあたり、走行速度4.0m/分を5.
2m/分に上昇させて、40分間運転を行い製袋品を全
数のエッジ切れテスト及びシール巾の異常検査を行った
ところ、全実施例の全数共に「シールきわのエッジ切
れ」及びシール巾の減少等の異常は全く認められなかっ
た。
【0097】一方、比較例について、各実施例と同様
に、走行速度4.0m/分を5.2m/分に上昇させ
て、40分間運転を行い製袋品を全数のエッジ切れテス
ト及びシール巾の異常検査を行ったところ、「シールき
わのエッジ切れ」が5%あり、又、11%にシール巾の
減少が生じていることが認められた。
【0098】
【発明の効果】本発明に係る多孔質袋体は、前記構成を
有し、発熱組成物等の内容物を封入する多孔質袋体のヒ
ートシール層が、活性点の性質が均一なシングルサイト
触媒によって重合或いは共重合されたポリエチレンで形
成されているから、発熱組成物等の内容物を多孔質袋体
内に投入して、ヒートシールを行う際に発生する「ヒー
トシールきわのエッジ切れ」、つまりシール層の破断や
裂け更に貫通孔の発生を確実に防止し得ると共に、強固
なシール性を維持し、しかも歩留りが著しく向上するう
え、使用中の内容物の漏れや低温やけど更に衣服の汚損
等の発生を防止し得る結果、安全で且つ信頼性の極めて
高い効果を有するのである。
【0099】本発明に係る発熱体は、本発明に係る多孔
質袋体を用い、この多孔質袋体内には空気中の酸素と反
応して発熱する発熱組成物が封入されているから、発熱
組成物を多孔質袋体内に投入して、ヒートシールを行う
際に発生する「ヒートシールきわのエッジ切れ」、つま
りシール層の破断や裂け更に貫通孔の発生を確実に防止
し得ると共に、強固なシール性を維持し、しかも歩留り
が著しく向上するうえ、使用中の発熱組成物の漏れや低
温やけど更に衣服の汚損等の発生を防止し得る結果、商
品価値を向上したり、安全で且つ信頼性の極めて高い効
果を有するのである。
【0100】又、本発明に係る脱酸素体としては、本発
明に係る多孔質袋体を用い、この多孔質袋体内には空気
中の酸素と反応する脱酸素剤が封入されているから、脱
酸素剤を多孔質袋体内に投入して、ヒートシールを行う
際に発生する「ヒートシールきわのエッジ切れ」、つま
りシール層の破断や裂け更に貫通孔の発生を確実に防止
し得ると共に、強固なシール性を維持し、しかも歩留り
が著しく向上するうえ、使用中の脱酸素剤の漏れを防止
し、食品などの汚損等の発生を防止し得る結果、商品価
値を向上したり、安全で且つ信頼性の極めて高い効果を
有するのである。
【0101】更に、本発明に係る脱臭体としては、本発
明に係る多孔質袋体を用い、この多孔質袋体内には悪臭
物質を吸着する脱臭剤が封入されているから、脱臭剤を
多孔質袋体内に投入して、ヒートシールを行う際に発生
する「ヒートシールきわのエッジ切れ」、つまりシール
層の破断や裂け更に貫通孔の発生を確実に防止し得ると
共に、強固なシール性を維持し、しかも歩留りが著しく
向上するうえ、使用中の脱臭剤の漏れや冷蔵庫などの内
部の汚損等の発生を防止し得る結果、商品価値を向上し
たり、安全で且つ信頼性の極めて高い効果を有するので
ある。
【0102】本発明に係る追熟体としては、本発明に係
る多孔質袋体を用い、この多孔質袋体内には空気中の酸
素と反応してエチレンガスを発生する追熟組成物が封入
されているから、追熟組成物を多孔質袋体内に投入し
て、ヒートシールを行う際に発生する「ヒートシールき
わのエッジ切れ」、つまりシール層の破断や裂け更に貫
通孔の発生を確実に防止し得ると共に、強固なシール性
を維持し、しかも歩留りが著しく向上するうえ、使用中
の追熟組成物の漏れや青果物の汚損等の発生を防止し得
る結果、商品価値を向上したり、安全で且つ信頼性の極
めて高い効果を有するのである。
【0103】又、本発明に係る乾燥材としては、本発明
に係る多孔質袋体を用い、この多孔質袋体内には湿気を
吸収する乾燥剤が封入されているから、乾燥剤を多孔質
袋体内に投入して、ヒートシールを行う際に発生する
「ヒートシールきわのエッジ切れ」、つまりシール層の
破断や裂け更に貫通孔の発生を確実に防止し得ると共
に、強固なシール性を維持し、しかも歩留りが著しく向
上するうえ、使用中の乾燥剤の漏れや食品などの汚損等
の発生を防止し得る結果、商品価値を向上したり、安全
で且つ信頼性の極めて高い効果を有するのである。
【0104】更に、本発明に係る除湿材としては、本発
明に係る多孔質袋体を用い、この多孔質袋体内には空気
中の水分を吸収する吸湿剤が封入されているから、吸湿
剤を多孔質袋体内に投入して、ヒートシールを行う際に
発生する「ヒートシールきわのエッジ切れ」、つまりシ
ール層の破断や裂け更に貫通孔の発生を確実に防止し得
ると共に、強固なシール性を維持し、しかも歩留りが著
しく向上するうえ、使用中の吸湿剤の漏れやタンス等の
家具、押し入れ、下駄箱などの内部の汚損等の発生を防
止し得る結果、商品価値を向上したり、安全で且つ信頼
性の極めて高い効果を有するのである。
【0105】本発明に係る匂い袋としては、本発明に係
る多孔質袋体を用い、この多孔質袋体内には蒸散性の香
料が封入されているから、香料を多孔質袋体内に投入し
て、ヒートシールを行う際に発生する「ヒートシールき
わのエッジ切れ」、つまりシール層の破断や裂け更に貫
通孔の発生を確実に防止し得ると共に、強固なシール性
を維持し、しかも歩留りが著しく向上するうえ、使用中
の香料の漏れや衣服の汚損等の発生を防止し得る結果、
商品価値を向上したり、安全で且つ信頼性の極めて高い
効果を有するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る多孔質袋体を用いて得ら
れた本発明の発熱体の断面図である。
【図2】図2は、他の実施例に係る発熱体の断面図であ
る。
【図3】図3は、本発明に係る発熱体の製造工程を示す
説明図である。
【図4】図4は、内容物を多孔質袋体内に投入して、ヒ
ートシールを行う際の「ヒートシールきわのエッジ切
れ」の発生原因を説明する説明図である。
【図5】図5は、本発明に係る発熱体の製造工程を示す
概略図である。
【符号の説明】
1 多孔質基材 1a 不織布(補強用通気層) 1b 多孔質膜 2 被覆材 2a 補強層 2b ヒートシール層 2c 補強層 3 内容物 3a 発熱組成物 4 シューター 5 ダイロール 6 粘着剤層 10 多孔質基材用のロールフィルム 20 被覆材用のロールフィルム H ヒートシール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−265545(JP,A) 特開 平10−86913(JP,A) 特開 昭63−178948(JP,A) 特開 平7−124192(JP,A) 実開 平6−75437(JP,U) 特表 平8−504884(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 27/32 A61F 7/08 B65D 30/00 - 33/38 B65D 65/40

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質膜及び補強用通気層を具備する2
    層以上の多孔質基材とヒートシール層を有する1層以上
    の被覆材とを、前記多孔質膜及びヒートシール層が接す
    るように重ね合わせ、その周縁部を前記ヒートシール層
    でヒートシールしてなる多孔質の袋体において、前記多
    孔質膜が、無機質充填剤を含有する延伸多孔質膜であ
    り、前記多孔質基材が、50〜10,000g/m2
    24hrの透湿度を有し、前記ヒートシール層が、活性
    点の性質が均一なシングルサイト触媒によって重合又は
    共重合されたポリエチレンで形成されていることを特徴
    とする多孔質袋体。
  2. 【請求項2】 多孔質膜がポリオレフィン系樹脂で形成
    されている請求項1に記載の多孔質袋体。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィン系樹脂がポリエチレンで
    ある請求項2に記載の多孔質袋体。
  4. 【請求項4】 補強用通気層が織布、不織布、紙、又は
    パンチングフィルム・シートである請求項1〜3のいず
    れか1項に記載の多孔質袋体。
  5. 【請求項5】 シングルサイト触媒がメタロセン触媒で
    ある請求項1〜4のいずれか1項に記載の多孔質袋体。
  6. 【請求項6】 ヒートシール層がメタロセン触媒によっ
    て重合又はα−オレフィンと共重合されたポリエチレン
    で形成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の
    多孔質袋体。
  7. 【請求項7】 被覆材がヒートシール層と補強層を具
    備する2層以上からなる請求項1〜6のいずれか1項
    記載の多孔質袋体。
  8. 【請求項8】 補強層が織布、不織布、紙、パンチング
    フィルム・シート又は非通気性のフィルムもしくはシー
    トである請求項に記載の多孔質袋体。
  9. 【請求項9】 シングルサイト触媒によって重合又は
    重合されたポリエチレンのMFR(メルトフローレー
    ト)が0.5g/10分以上で20g/10分未満であ
    る請求項1〜8のいずれか1項に記載の多孔質袋体。
  10. 【請求項10】 シングルサイト触媒によって重合又は
    共重合されたポリエチレンの密度が0.95g/cm3
    以下である請求項1〜9のいずれか1項に記載の多孔質
    袋体。
  11. 【請求項11】 シングルサイト触媒によって重合又は
    共重合されたポリエチレンのDSC融点が125℃以下
    である請求項1〜10のいずれか1項に記載の多孔質袋
    体。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1項に記載
    された多孔質袋体内に空気中の酸素と反応して発熱する
    発熱組成物が封入されていることを特徴とする発熱体。
  13. 【請求項13】 請求項1〜11のいずれか1項に記載
    された多孔質袋体内に空気中の酸素と反応する脱酸素剤
    が封入されていることを特徴とする脱酸素体。
  14. 【請求項14】 請求項1〜11のいずれか1項に記載
    された多孔質袋体内に悪臭物質を吸収する脱臭剤が封入
    されていることを特徴とする脱臭体。
  15. 【請求項15】 請求項1〜11のいずれか1項に記載
    された多孔質袋体内に空気中の酸素と反応してエチレン
    ガスを発生する追熟組成物が封入されていることを特徴
    とする追熟体。
  16. 【請求項16】 請求項1〜11のいずれか1項に記載
    された多孔質袋体内に湿気を吸収する乾燥剤が封入され
    ていることを特徴とする乾燥材。
  17. 【請求項17】 請求項1〜11のいずれか1項に記載
    された多孔質袋体内に空気中の水分を吸収する吸湿剤が
    封入されていることを特徴とする除湿材。
  18. 【請求項18】 請求項1〜11のいずれか1項に記載
    された多孔質袋体内蒸散性の香料が封入されているこ
    とを特徴とする匂い袋。
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