JP3380085B2 - 像形成物質除去方法及び像形成物質除去装置 - Google Patents

像形成物質除去方法及び像形成物質除去装置

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JP3380085B2
JP3380085B2 JP12591995A JP12591995A JP3380085B2 JP 3380085 B2 JP3380085 B2 JP 3380085B2 JP 12591995 A JP12591995 A JP 12591995A JP 12591995 A JP12591995 A JP 12591995A JP 3380085 B2 JP3380085 B2 JP 3380085B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、ファクシミ
リ、プリンター等の画像形成装置によって画像が形成さ
れた像保持体から、画像を形成する像形成物質を除去す
る像形成物質除去方法に係り、詳しくは、像保持体の表
面に処理液を補給し該表面と像形物質との付着力を低下
させる給液工程と、給液工程が施された像保持体表面の
像形成物質を加熱すると共に該表面に剥離部材を圧着さ
せ、その後に該剥離部材を該表面から離間させて該表面
から該像形成物質を除去する剥離工程とを有する像形成
物質除去方法に関するものである。
【0002】また、本発明は、コピー、ファクシミリ、
プリンター等の画像形成装置によって画像が形成された
像保持体から、画像を形成する像形成物質を除去する像
形成物質除去装置に係り、詳しくは、繊維質の表面に像
形成物質が安定付着している像保持体に処理液を供給す
る給液手段と、該表面から像形成物質を除去する剥離手
段とを備えた像形物質除去装置に関するものである。
【0003】
【従来の技術】像形成物質からなる画像を像保持体から
除去する像形成物質除去方法、及び像形成物質除去装置
について様々なものが知られている。例えば、像形成物
質としてのトナーが付着している像保持体をトナー樹脂
を溶かす溶液中に浸して、その状態で超音波振動を与
え、トナーを像保持体から除去するものが知られている
(特開平1-101576号、特開平1-101577号
参照)。また、像保持体に形成された像形成物質として
のトナーからなる像を除去するために、該像にトナー樹
脂を溶かす溶剤を塗布、噴霧等して、溶解したトナーを
洗浄、吸引等して除去するものも知られている(特開平
4-300395号参照)。しかしながら、これらのも
のに用いられる溶剤の多くは、発火性、毒性があり、再
処理工場等で除去作業が行われる場合はともかく、一般
のオフィスで使用することは困難である。
【0004】また、像形成物質を像保持体から除去する
方法及び装置として、あらかじめ像保持体に像形成物質
の除去を容易にする離型剤を塗布したイレーザブルペー
パに画像を形成し、該ペーパに剥離体を加熱圧着させて
像形成物質を除去するものがし知られている(特開平4
-64472号)。しかしながら、この方法及び装置で
は、普通紙に形成された画像を除去することはできな
い。
【0005】そこで、これらの弊害を解消するために、
先に本出願人は新たな像形成物質除去装置及び像形成物
質除去方法を提案した。この装置及び方法は、像保持体
の表面に給液手段により処理液を供給することにより該
表面と像形成物質とを付着性を低下させる。そして、像
保持体表面との付着力が低下した像形成物質に剥離部材
を圧着させ、その後に該剥離部材を該表面から離間させ
て該表面から該像形成物質を除去するものである(例え
ば、特願平4-255916号)。この装置及び方法を
用いれば、発火性、毒性を有する溶剤を用いる必要がな
いので、一般のオフィスで用いることもできるし、特殊
な処理を施した像保持体からのみならず、現在広く利用
されているコピー、ファクシミリ、プリンター等の画像
形成装置によって画像が形成された、普通紙からなる像
保持体から画像を形成する像形成物質を除去することが
できる。
【0006】しかしながら、この方法、及び装置により
像形成物質を物質の除去を行なっても、除去しようとす
る像がベタ画像である場合等に像形成物質の除去が不十
分となることがあった。そこで、さらに、本出願人は、
同一の像保持体に対して繰返し像形成物質の除去処理を
施す像形成物質除去方法、及び像形成物質除去装置を考
案した。この方法及び装置によれば、先行する剥離処理
で剥離されなかった像形成物質を、その後になされる剥
離処理で除去することができるので、良好な像形成物質
の除去を実現することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記像
形成物質除去方法及び装置で像形成物質除去の実験を行
ったところ、同一の像保持体に対して順次繰返し像形成
物質の剥離処理を行なった場合に、回を重ねるにつれて
像形成物質の除去がなされにくくなることあると判明し
た。また、像形成物質の剥離処理を繰り返すと、一旦除
去された像形成物質が像保持体に逆に付着してしまうこ
とがあることが確認された。
【0008】本発明は、以上の問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、同一の像保持体
に対して順次繰り返して像形成物資の剥離処理を行なう
際に生じる、像保持体から像形成物質が除去されにくく
なるという弊害と、像保持体から一旦除去さえた像形成
物質が該像保持体に再度付着してしまうという弊害とを
解消し、良好に像形成物質を除去することを可能とする
像形成物質除去方法及び像形成物質除去装置を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の像形成物質除去方法は、繊維質の表面に
像形成物質が安定に付着している像保持体に第1処理液
を供給し、該表面と該像形成物質との付着性を低下させ
る第1給液工程と、前記第1給液工程が施された像保持
体表面の像形成物質を加熱すると共に該表面に剥離部材
を圧着させ、その後に該剥離部材を該表面から離間させ
て該表面から該像形成物質を除去する第1剥離工程と、
第1剥離工程が施された像保持体の表面に、第2処理液
を供給する第2給液工程と、前記第2給液工程が施され
た像保持体表面に剥離部材を圧着させた後、該剥離部材
を該表面から離間させて該表面から像形成物質を除去す
る第2剥離工程と、前記第2給液工程が施された像保持
体表面面を加圧し、像形成物質を除去する際に生じた像
保持体表面のムケや液で濡れることにより生じた盛り上
がりを解消する圧接工程と、を有することを特徴とする
ものである。
【0010】また、請求項2の像形成物質除去装置は、
請求項1の像形成物質除去方法において、該第2給液工
程が施された後の該像保持体が含浸する水分量が予め定
められた水分量を下回ることがないように該像保持体に
対して第2処理液を供給する工程であることを特徴する
ものである。
【0011】また、請求項3の像形成物質除去方法は、
請求項1の像形成物質除去方法において、前記第2処理
液として、前記像保持体を着色させる処理液を用いるこ
とを特徴とするものである。
【0012】また、請求項4の像形成物質除去装置は、
繊維質の表面に像形成物質が安定に付着している像保持
体に第1処理液を供給し、該表面と該像形成物質との付
着性を低下させる第1給液手段と、前記第1給液工程が
施された像保持体表面の像形成物質を加熱すると共に該
表面に剥離部材を圧着させ、その後に該剥離部材を該表
面から離間させて該表面から該像形成物質を除去する第
1剥離手段と、第1剥離工程が施された像保持体の表面
に、第2処理液を供給する第2給液手段と、前記第2給
液工程が施された像保持体表面に剥離部材を圧着させた
後、該剥離部材を該表面から離間させて該表面から像形
成物質を除去する第2剥離手段と、前記第2給液工程が
施された像保持体表面を加圧し、像形成物質を除去する
際に生じた像保持体表面のムケや液で濡れることにより
生じた盛り上がりを解消する圧接手段と、を有すること
を特徴とするものである。
【0013】また、請求項5の像形成物質除去装置は、
繊維質の表面に像形成物質が安定付着している像保持体
の該表面に第1処理液を供給する第1給液手段と、前記
像保持体表面の像形成物質を加熱する加熱部材、及び該
表面に圧着しその後に該表面から離間する剥離部材を備
えた該表面から該像形成物質を除去する剥離手段と、前
記剥離手段により剥離処理が施された像保持体に対して
第2処理液を供給する第2給液手段と、前記第2給液手
段により給液処理が施された像保持体を前記剥離手段に
搬送する搬送手段と、前記第2給液工程が施された像保
持体表面を加圧し、像形成物質を除去する際に生じた像
保持体表面のムケや液で濡れることにより生じた盛り上
がりを解消する圧接手段と、を備えたことを特徴とする
ものである。
【0014】
【作用】上述の問題点の発生原因を解明するために、本
発明者らが、像形成物質が像保持体から除去されるプロ
セスからの考察と、従来の装置を用いて像保持体から像
形成物質を除去する実験とを重ねたところ、該問題点の
発生原因について一つの結論に到達した。以下、この発
生原因について説明する。
【0015】そもそも、従来の像形成物質除去装置にお
いて、像保持体から像形成物質が除去されるのは、給液
手段が像保持体に処理液を供給し、該像保持体に水分を
含浸させて該像保持体を形成する繊維を膨張させること
により、像保持体と像形成物質との接着力を低下させ
て、接着力が低下した像形成物質が剥離手段により剥離
されるためである。そうすると、像形成物質を良好に除
去するためには、像形成物質を除去する時点において、
像保持体と像形成物質との定着力を低下させるに必要な
量の水分が、すなわち、像保持体を形成する繊維を十分
に膨張させるに必要な量の水分が像形成物質に含浸され
ていなければならないことになる。なお、この像保持体
の繊維を十分に膨張させるために最低限必要な水分を含
浸させるために要する処理液の量をQsとする。
【0016】係る像形成物質の除去プロセスから、従来
の装置において像形成物質の剥離を繰り返すことにより
像形成物質の除去がなされにくくなるのは、像保持体が
含浸する処理液が不足して、該像保持体を形成する繊維
の膨張が不十分になることに起因するものではないかと
本発明者らは考察した。そこで、該考察を確認するため
に本発明者らは、像形成物質の良好な除去が実現されな
い像保持体であるところの、像形成物質の除去が一旦な
された後の像保持体が含浸している処理液の量を測定
し、該像保持体の繊維を膨張させるために必要な処理液
の量Qsと比較をする実験を行なった。なお、像保持体
が現に含浸している処理液の量をQpとする。その結
果、像保持体が現に含浸している処理液の量Qpは、像
保持体に像形成物質との定着力を低下させるに必要な処
理液の量、すなわち像保持体を形成する繊維を膨張させ
るに必要な処理液の量Qsよりも少ないことが判明し
た。つまり、像形成物質の除去が一旦なされた後の像保
持体は、像形成物質の接着力を低下させるに十分な量の
処理液を含浸しておらず、それゆえ良好な像形成物質の
除去がなされないのである。
【0017】また、剥離手段により除去された像形成物
質が像保持体に再度付着することについても、本発明者
は、先述の像形成物質除去のプロセスから、やはり、像
保持体が含浸する処理液の量Qpが不足することに起因
するのではないかと考察した。すなわち、像保持体が含
浸する処理液の量Qpが該像保持体を形成する繊維の膨
張をほとんど生じさせないほど少なくなると、像保持体
は像形成物質と接着されやすい状態になり、このことを
原因として除去された像形成物質が像保持体に再度付着
してしまうのではないかと考察した。
【0018】そこで、係る考察を確認するために、像保
持体が含浸する処理液の量Qpを変化させて該像保持体
への像形成物質の再付着が生じ始める処理液の含浸量を
特定し、従来の装置において画像形成物質の再付着が生
じる際の処理液の量と比較する実験を行なった。なお、
像保持体への像形成物質の再付着が生じ始める状態にお
ける、該像保持体の処理液の含浸量をQfとする。この
実験の結果、従来の像形成物質除去装置において像保持
体への像形成物質の再付着が生じるのは、該像保持体の
処理液の含浸量Qpが、画像保持体に像形成物質の再付
着が生じ始める状態における含浸量Qfよりも少ない場
合に限られ、かつ、そのQpがQfよりも少ない像保持
体のほぼすべてに像形成物質の再付着が発生していた。
つまり、像形成物質の除去が一旦なされた後の像保持体
は処理液の含浸量が少なくなり、その含浸量Qpが該像
保持体への像形成物質の再付着が生じる含浸量Qfより
も少なくなることに起因して、像保持体への像形成物質
の再付着が生じることが確認された。
【0019】ここで、像保持体が含浸する処理液の量Q
pが不足するのは、先行する剥離動作の際に像保持体に
熱が加えられて、該像保持体から処理液が蒸発すること
に起因する。そうすると、上述の問題を解決するために
は、先行する剥離動作の際に像保持体に加わる熱を少な
くして該像保持体から蒸発する処理液を少なくすること
が有効であるようにも思われる。しかしながら、像保持
体に加わる熱を少なくすると該像保持体に付着している
像形成物質に対する加熱が不十分になり、該像形成物質
の軟化が不十分になることに起因して、かえって像形成
物質の剥離がなされくくなってしまうこともある。
【0020】また、像保持体に熱が加えられた状態にお
いて、剥離動作の際に像保持体から蒸発する処理液の量
を少なくして、その後に繰り返される剥離動作時に像保
持体が含浸する処理液の量を十分なものとすることは、
先述の問題点を解決するために有効であるとも思われ
る。しかしながら、装置の構成如何によっては像保持体
からの処理液の蒸発を防止することが困難なものもあ
る。また、ある程度の蒸発の防止ができる構造の装置で
あっても、蒸発防止のためには、そのための特別な材料
を用いることが必要になったり、装置構造を複雑にする
必要が生じたりして、大幅な製造コストの上昇を招いた
りしてしまうことがある。
【0021】そこで、請求項1乃至請求項3の像形成物
質除去方法及び請求項4の像形成物質除去装置では、先
行する剥離手段が像形成物質を除去する際に処理液が蒸
発することにより処理液の含浸量が少なくなった像保持
体に対して、引き続き行なわれる剥離動作に先立って新
たに処理液を供給し、引き続きなされる剥離動作時にお
いては、像保持体が十分な処理液を含浸した状態となる
ようにしている。
【0022】すなわち、請求項1乃至請求項3の像形成
物質除去方法においては、第1剥離工程が終了し、該工
程により加えられる熱で処理液の含浸量が少なくなった
像保持体に対して、第2給液工程で処理液を供給する。
よって、第2剥離工程時に処理液の量が不足することが
防止され、像保持体が含浸する処理液の量が十分な量と
なる。
【0023】さらに、請求項2の像形成物質除去方法に
おいては、該第2給液工程が施された後の該像保持体が
含浸する水分量が、予め定められた水分量を下回ること
がないように、像保持体に対して処理液が供給される。
よって、第2給液工程後の像保持体が含浸する処理液の
量が不足することが、より確実に防止される。
【0024】また、さらに請求項3の像形成物質除去方
法においては、第2給液工程において、像保持体を着色
させる処理液を像保持体に対して供給する。
【0025】また、請求項4の像形成物質除去装置にお
いては、加熱された像保持体に対して第2給液手段が第
2処理液を補給した後に、その像保持体にたいして第2
給液手段が十分な量の処理液を供給して、第2剥離手段
が像形成物質の剥離を行う。該像保持体を搬送手段が剥
離手段へと搬送し、十分な処理液を含浸した状態にある
像保持体から該剥離手段が像形成物質の除去を行う。
【0026】また、請求項5の像形成物質除去装置にお
いては、加熱部材により加熱された像保持体に対して第
2給液手段が第2処理液を補給した後に、該像保持体を
搬送手段が剥離手段へと搬送し、十分な処理液を含浸し
た状態にある像保持体から該剥離手段が像形成物質の剥
離を行う。 (以下、余白)
【0027】
【実施例】以下、本発明を、少なくとも一部がセルロー
ス繊維を主成分とした紙質層で構成され、且つ該紙質層
に、ポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂等か
ら構成される像形成物質としての熱可撓性インク(以下
単に「トナー」という)よりなる粗水性画像が形成され
ている像保持体としての用紙から、該トナーを剥離して
除去する像形成物質除去装置(以下「トナー除去装置」
という)に適用した実施例について説明する。
【0028】図1は本実施例に係るトナー除去装置の概
略構成図である。このトナー除去装置は、図示しない給
紙装置、用紙1のトナーの付着状態を不安定状態にする
処理液を付与する第1給液手段としての第1液付与装置
2、処理液が付与された用紙1の表面からトナーを剥離
して除去する剥離装置3、剥離処理が施された用紙1を
圧接することにより用紙1に生じた波打ちや紙ムケを補
修する圧接装置5、及び、剥離装置3によりトナーが剥
離された用紙1に対して再度処理液を付与する第2給液
手段として第2液付与装置6等を備えている。なお、剥
離装置3は、第1剥離手段、および第2剥離手段として
機能する。
【0029】上記第1液付与装置2は、処理液21が収
容された液容器22、液容器22の上方で用紙1を挾持
するように設けられた塗布ローラ23、押えローラ2
4、液容器22内の処理液21を塗布ローラ23に供給
するための汲み上げローラ25等で構成されている。そ
して、用紙1が塗布ローラ23と押えローラ24とに挾
持されながら搬送されことにより、用紙1に所定量の処
理液21が付与される。処理液21としては、水を用い
ることもできるが、0.5〜3パーセント程度の界面活
性剤の水溶液を用いることが望ましい。界面活性剤を用
いれば、処理液21の用紙1への浸透速度を速めること
ができる。界面活性剤としては、例えば、陰イオン系、
陽イオン系、両性系、非イオン系の界面活性剤、または
フッ素系のものをもちいることができる。また、塗布ロ
ーラ23の周面は、クロロプレン等のゴムからなり、押
えローラ24はステンレスからなる。この押えローラ2
4の周面に微少な溝を設けておけば、用紙1の塗布ロー
ラ24に接する側の面のみならず、押えローラ24が接
する面にも処理液21が塗布されるため、用紙1のカー
ルを防止することができる。
【0030】上記剥離装置3は、用紙搬送経路の上方で
二つの支持ローラ31a、31bに所定の張力で張架さ
れた無端状の押えベルト32、及び、用紙搬送経路の下
方で二つの支持ローラ33a、33bに所定の張力で張
架され押えベルト32に対向するように設けられた無端
状の剥離部材としての剥離ベルト34を備えている。そ
して、この押えベルト32と剥離ベルト34とが用紙搬
送経路上の接触領域で接触するように配置されている。
ここで、押さえベルト32と剥離ベルト34とは、でき
る限り密着させ、用紙1から処理液21が蒸発しないよ
うにすることが望ましい。該蒸発を防止すれば、一旦除
去されたトナーが剥離ベルト34に再付着しにくくする
ことができる。
【0031】また、この押えベルト32、剥離ベルト3
4、支持ローラ31、及び支持ローラ32は、用紙1を
搬送する搬送手段としても用いられ、用紙1は一対の支
持ローラの一方のローラでそれぞれ駆動された押えベル
ト32、剥離ベルト34の間に挾持されながら、該ベル
トとの摩擦力で図1中右方向に搬送される。
【0032】上記剥離ベルト34は厚さが100ミクロ
ン程度であり、その少なくとも表面部は、用紙1上のト
ナーに対して用紙1とトナーとの間の付着力よりも大き
い接着力を有する接着材質で形成されている。例えば、
剥離ベルト34全体を酸化チタン入りポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド
等の高分子材料で形成する。また例えば、何らかの基体
ベルトの表面に上記接着材質を塗布したり、貼り付けた
りしたもの、または、ニッケル等の金属を用いてもよ
い。
【0033】また、上記押えベルト32は厚さが100
ミクロン程度であり、その少なくとも表面部は、トナー
に接着しない非接着材質で形成されている。例えば、押
えベルト34全体をシリコンゴム等で形成する。また例
えば、何らかの基体ベルト(ポリイミド、アルミ、ニッ
ケル等からなるベルト材)の表面にフッ素系界面活性
剤、シリコン系樹脂等の非接着材質を塗布したものを用
いてもよい。
【0034】また、押えベルト32と剥離ベルト34と
を、上記接触領域の少なくとも1ヶ所で圧接させるよう
に、支持ローラ33bと共に両ベルト32、34を挾み
込む位置に押圧ローラ35が取り付けられている。この
押圧ローラ35は、その表面が硬度10〜50度のシリ
コンゴムで構成されていて、加熱手段としてのハロゲン
ランプ等からなるヒータ36を内蔵している。また、こ
の押圧ローラ35は、その表面に設けられたサーミス
タ、温度制御用の制御回路等を用いて、該表面の温度が
90度〜130度となるように制御される。そして、こ
のヒータ36から発せられた熱は、押えベルト32を介
して用紙1に伝えられ、用紙1上のトナーを加熱して軟
化させ、トナーが用紙1から離れやすく剥離ベルト34
に接着しやすくしている。ここで、ヒータ36を押えベ
ルト32に接触する押圧ローラ35に内蔵させた理由
は、ヒータを剥離ベルト34に接触する支持ローラ33
bに内蔵した場合に比較して良好な剥離特性が得られる
ためである。
【0035】また、支持ローラ33bに巻き付いている
剥離ベルト34の表面に、剥離ベルト34に接着してい
るトナーを除去してクリーニングするクリーニング手段
としてのクリーニングローラ37が接触している。この
クリーニングローラ37としては、例えば表面にSUS
ループブラシが植設されたブラシローラを用いることが
できる。また、クリーニングローラ37としては、アル
ミ等の金属にニッケルメッキを施したものを用いること
もできる。このクリーニングローラ37に付着したトナ
ーは、該ローラに接触するように設けられた例えばステ
ンレスからなるクリーニングブレード38により掻き落
とされ、ケース39に蓄えられる。
【0036】また、押えベルト32と剥離ベルト34と
が接する接触領域近傍における、剥離ベルト34側には
板状ヒータ40が設けられている。板状ヒータ40は、
金属薄板にラバーヒータが付着されてなる。また、この
板状ヒータ40は、金属薄板に表面に設けられたサーミ
スタ、温度制御用の制御回路等を用いて、用紙1の搬送
速度が10〜50mm/secに対して、該金属薄板の
表面温度が90度〜130度となるように制御される。
そして、前記ヒータ36と同様に用紙1上のトナーを加
熱して該トナーを軟化させる。
【0037】上記圧接装置5は、先に剥離装置3の構成
部材として説明を行なった押えベルト32と、支持ロー
ラ51a、51bに所定の張力で張架され押えベルト3
2に対向されるように設けられた無端状の下押えベルト
52とからなり、この押えベルト32と下押えベルト5
2とが用紙搬送路上の接触領域において、接触するよう
に配設されている。また、押えベルト32と下押えベル
ト52との間に十分な圧力を生じさせるために、支持ロ
ーラ51aと共に両ベルト32、52を挾み込む位置
に、表面が硬度10〜50度程度のシリコンゴムからな
る圧接ローラ53が設けられている。この圧接装置5に
より用紙1に圧力が加えられることにより、剥離装置3
で該用紙の表面に生じた盛り上がりや紙ムケが修復され
る。また、剥離装置3と同様にこの圧接装置5において
も、用紙1から処理液が蒸発することを防止するために
押さえベルト32と下押さえベルト52とは、できる限
り密着させることが望ましい。
【0038】上記第2液付与手段6は、水又は必要に応
じて防腐剤、防塵剤が添加された水溶液である第2処理
液としての処理液61が収容された液容器62、処理液
61を用紙1に塗布する塗布ローラ63、液容器内の処
理液61を塗布ローラ63に汲み上げるための汲み上げ
ローラ65で構成される。そして、剥離装置3から搬送
されるトナー剥離処理が施された用紙1に対して、所定
量の処理液61が付与される。
【0039】以上のように構成されたトナー除去装置の
動作について、以下説明をする。まず、第1給液工程と
して、第1液付与装置2が用紙1の下面に処理液21を
供給し該面とトナーとの付着性を低下させる。第1液付
与装置2が用紙1に供給する処理液21の量は、用紙2
1をなす紙繊維を膨張させるために必要な量であるQs
以上でなければならない。量Qs以上の処理液21を用
紙1に供給すれば、用紙21と該用紙に付着したトナー
との付着力を有効に低下させることができる。なお、紙
繊維を膨張させるために必要な処理液の量Qsは、用紙
1の種類、大きさ等により左右されるので、トナー除去
処理を施す用紙1に応じて適宜定められる。
【0040】上記第1給液工程が施された用紙1に対し
ては、続いて、第1剥離工程が施される。第1剥離工程
は、用紙1の表面に付着するトナーを加熱すると共に、
該表面に剥離部材としての剥離ベルト34を圧接させ、
その後に剥離ベルト34を該表面から離間させて、トナ
ーを除去する工程である。以下、係る第1剥離工程につ
いて説明をする。第1剥離工程においては、処理液21
が供給された用紙1を、その下面が剥離ベルト34に接
した状態で剥離ベルト34が搬送し、搬送中に板状ヒー
タ40が用紙1の下面に付着したトナーを加熱する。そ
して、支持ローラ33bと押圧ローラ36とが、用紙1
と剥離ベルト34とを加圧挾持することで、用紙1の下
面に剥離ベルト34を圧着する。この加圧挾持された用
紙1は、剥離ベルト34が支持ローラ33bに沿って下
方に移動することで、剥離ベルト34から分離される。
そして、この分離時に、それまで用紙1の下面に付着し
ていたトナーが剥離ベルト34へと付着し、用紙1の下
面から分離される。なお、用紙1の下面に付着したトナ
ーは板状ヒータ40により加熱されるのみならず、押圧
ローラ35の内部に設けられたヒータ36によっても加
熱される。
【0041】上記第1剥離工程が施された用紙1は、押
えベルト32により第2給液手段としての第2液付与装
置6へと搬送され、第2液付与装置6により第2給液工
程が施される。第2給液工程は、汲み上げローラ65が
第2処理液61を塗布ローラ63へと汲み上げ、この塗
布ローラ63が第2処理液61を用紙1へと供給する工
程である。また、第2液付与工程は、第1剥離工程での
トナー加熱に伴い水分が蒸発した用紙1へに対して水分
を補うことにより、後に説明を加える第2剥離工程にお
いて用紙1からのトナーの除去が良好になされなくなる
ことと、用紙1から剥離されたトナーが用紙1に再度付
着することとを目的とする工程である。従って、この目
的を達成するために、第2給液工程が完了し第2剥離工
程を控えた時点における用紙1が含浸する現像液の量Q
pは、用紙1を形成する紙繊維を膨張させるために最低
限必要な処理液の量Qs以上でなければならなし、ま
た、用紙1へのトナーの再付着が生じ始める状態におけ
る用紙1が含浸する水分の含浸量Qf以上でなければな
らない。そこで、第2剥離工程が施される時点における
用紙1が含浸する水分の量Qpが、Qs以上且つQfと
なるように、第2給液工程で用紙1に供給される第2処
理液61の量を定めることが必要である。ここで、第2
給液工程で用紙1に供給される第2処理液61の量をQ
tとする。なお、Qtを定める具体的な方法について
は、後に説明を加える。
【0042】上記第2給液工程を経た用紙1は、押えベ
ルト32により圧接装置5へと搬送され、圧接装置5に
おいて圧接工程が施される。圧接工程は、支持ローラ5
1aと圧接ローラ53とが、用紙1、押えベルト32、
及び下押えベルト52を加圧挾持することで、用紙1の
下面を下押えベルト52へと圧接させる工程である。こ
の圧接により、トナーを剥離する際に生じた用紙1の紙
ムケ、用紙1が濡れることにより生じた盛り上がり等が
解消される。
【0043】上記圧接工程を経た用紙1は、搬送手段と
しての押えベルト32により、剥離装置3へと再び搬送
され、剥離装置2により第2剥離工程が施される。この
第2剥離工程において用紙1になされる処理は、先述の
第1剥離工程の処理と同様であるので説明を省略する。
なお、圧接装置5から剥離装置3へと用紙1を搬送する
際における押えベルト32の回転方向は、それまでとは
逆方向となる。
【0044】上記第2剥離処理工程を経た用紙1は、再
び圧接装置5へと搬送されて第2圧接工程が施される。
第2圧接工程において用紙1に施される処理は、先述の
圧接工程と同じであるので説明は省略する。
【0045】以上の各工程、すなわち、第1給液工程、
第1剥離工程、第2給液工程、圧接工程、搬送工程、第
2剥離工程、及び第2圧接工程を経た用紙1は、その
後、図示を省略する排紙装置へと搬送され、所定の水分
含有量になるまで乾燥しながら仕上げられ、装置外へと
排出される。
【0046】本実施例によれば、用紙1に形成されてい
るトナー画像に対して、第1剥離工程と第2剥離工程と
で繰り返し剥離処理が行われる。よって、第1剥離工程
で剥離できなかったトナー画像も、第2剥離工程で剥離
されることになり、良好なトナー画像の除去が実現され
る。また、用紙1への圧接処理も圧接工程と第2圧接工
程とで繰り返し行われるので、用紙1の紙ムケの解消等
の効果が、圧接処理を一度しか行わない場合と比較して
顕著となる。また、本実施例によれば、第1剥離工程を
経た後であって第2剥離工程が施される前の用紙1に対
して、第2給液工程において処理液が補給される。この
ため、第1剥離工程においてトナーが加熱されることに
伴い用紙1から水分が蒸発して用紙1が含浸する水分の
量が不十分となることに起因して、第2剥離工程におい
てトナー像の除去がなされにくくなったり、一度剥離さ
れたトナーが用紙1に対して再付着したりすることが防
止される。
【0047】なお、以上の説明においては、第1剥離工
程の後に用紙1に対して第2給液工程を施し、圧接工程
を経た後に第2剥離工程を施している。しかし、第2給
液工程は必ずしもこのタイミングで施さなければならな
いものではなく、第2剥離工程時に用紙1に十分な水分
を含浸させることができるタイミングあれば構わない。
例えば、圧接工程が終了し第2剥離工程が施される直前
の用紙1に第2給液工程を施し、用紙1に水分を補給し
ても良い。 (以下、余白)
【0048】また、以上の説明においては、剥離工程、
圧接工程をそれぞれ2回繰り返したが、それ以上、例え
ば、4回、5回と繰り返しても構わない。繰り返しの回
数を増やすことにより、用紙1からのトナーの除去はさ
らに良好となる。一方、繰り返し回数を増やすと処理に
要する時間は長くなるので、除去しようとするトナー像
の種類に応じて、繰り返し回数を適宜選択すれば良い。
なお、剥離動作、及び押圧動作を2回以上繰り返す場合
は、第2圧接工程の後に、用紙1を剥離装置3へと搬送
して、剥離装置3で用紙1に対して先述の第1剥離工
程、及び第2剥離工程と同様の第3剥離工程を施す。こ
の場合、第2剥離工程が終了した後、第3剥離工程に入
る前のいずれかのタイミングで、第2液付与装置6を用
いて用紙1に水分を補給しなければならない。
【0049】先述のように、第1剥離工程に先立つ第1
給液工程においては、用紙1に対して、用紙1の紙繊維
が膨張するに十分な量Qs以上の量の水分が供給され
る。しかしながら、第2剥離処理を施す時点においては
板状ヒータ40とヒータ36とによる加熱等により用紙
1から水分が蒸発して、用紙1が含浸する水分の量が不
足することがある。すなわち、第2給液工程において水
分を用紙1に補給する必要が生じることがある。この場
合、第2剥離工程が施される時点における用紙1が含浸
する水分の量QpがQs以上且つQf以上となるよう
に、第2給液工程で用紙1に供給される第2処理液61
の量Qtを定めることが必要である。ここで、Qsは用
紙1を形成する紙繊維を膨張させるために最低限必要な
処理液の量であり、また、Qfは用紙1へのトナーの再
付着が生じ始める状態における用紙1が含浸する水分の
含浸量であることを確認しておく。Qtをこのように定
めれば、第2剥離工程において用紙1から良好にトナー
の剥離が行われるし、また第2剥離工程において用紙1
に対してトナーが再付着することが防止される。以下、
第2給液工程において用紙1に供給される処理液の量Q
tを定める方法について説明をする。
【0050】なお、剥離工程を2回以上繰り返して行う
場合においても、各剥離工程の施される時点における用
紙1が含浸する処理液の量Qpは、Qs以上且つQf以
上でなければならない。よって、着目する剥離工程に先
立ってなされる給液工程おいて用紙1に供給される処理
液の量Qtもまた、該剥離工程が施される時点における
用紙1が含浸する処理液の量がQpがQs以上且つQf
以上となるように定めなければならない。そこで、以
下、剥離工程が5回繰り返される場合を例にして、各隔
離工程がなされる前に用紙1に補給するべき処理液の量
Qtを定める方法について説明する。
【0051】以下の説明において、第1液付与装置2で
給液処理が施された後に剥離装置3での剥離工程、圧接
装置5での圧接工程を経て、剥離装置2へ再び搬送され
た用紙1に残存する処理液の割合をαとする。このα
は、第2液付与装置6による給液はないものとして定め
られるものである。また、αは剥離工程における加熱温
度、用紙1の搬送速度、用紙1に対する押えベルト32
の密着度等に依存する値であり装置ごとに異なる。そこ
で、以下αの値が、0.7であるとして説明をする。す
なわち、第1給液工程で量Qの処理液が供給された用紙
1が、再び第1液付与装置2に搬送された時点におい
て、0.7Qの処理液を含浸するものとして説明をす
る。
【0052】また、以下の説明において、用紙1を形成
する紙繊維を膨張させるために最低限必要な用紙1の処
理液の量Qsが0.6グラムであり、また、用紙1への
トナーの再付着が生じ始める状態における用紙1が含浸
する処理液の含浸量Qfが0.4グラムである場合を例
とする。
【0053】表1は、第1液付与装置2を用いて用紙1
に処理液を供給した後、用紙1への給液処理を特に行わ
ずに剥離処理を5回繰り返した場合の、各剥離処理を行
う時点における用紙1が含浸する処理液の量Qpを示す
表であり、第2液付与装置を用いる処理との比較対象と
して示すものである。また、第1液付与装置で、用紙1
に供給される処理液の量がQが1.0グラムの場合を示
している。この表から読み取れるように剥離処理の回数
が2回以降においては、用紙1が含浸する処理液の量Q
pが、用紙1の紙繊維を膨張させるために必要な処理液
の量Qs(0.6グラム)を下回っている。よって、2
回め以降の剥離処理では、用紙1からの良好なトナー画
像の除去は期待できない。同じくこの表から読み取れる
用に、剥離処理の回数が3回以降においては、用紙1が
含浸する処理液の量Qpが、用紙1へのトナーの再付着
が生じ始める用紙1の処理液の含浸量Qf(0.4グラ
ム)を下回っている。よって、3回め以降の剥離処理に
おいては、用紙1から剥離されたトナーが再度用紙1に
付着することがある。
【表1】
【0054】そこで、このような弊害を処理途中におけ
る用紙1への処理液の補給なしに解消するためには、第
1剥離工程に先立ち用紙1に対して供給される処理液の
量Qを増やす必要がある。表2は、Qを2.0グラムと
した場合の、5回繰り返される各剥離工程を行う時点に
おける用紙1が含浸する処理液の量を示す表である。こ
の表から読み取れるように、用紙1が含浸する処理液の
量Qpは、何れの剥離工程時においても、Qf(0.4
グラム)以上であるので、剥離されたトナーが用紙1に
再付着することはない。もっとも、5回めの剥離工程に
おいてはQpがQs(0.6グラム)以下であるので、
用紙1からの良好なトナー剥離がなされないこともあ
る。
【表2】
【0055】以上のように、第1液付与装置2を用いて
用紙1に処理液を供給した後に用紙1への給液処理を施
すことなく良好なトナー画像除去を行おうすると、1枚
の用紙を処理するために2.0グラムの処理液が必要に
なることがわかる。
【0056】次に、本実施例における用紙1への処理液
の供給方法である、第2液付与装置6を用いた処理液の
供給方法について説明をする。この給液方法において
も、剥離工程の繰り返し回数を5回、剥離装置3に再度
搬送された用紙1に残存する処理液の割合αを0.7、
用紙1の紙繊維を十分に膨張させるために必要な処理液
の含浸量Qsを0.6グラム、用紙1にトナーの再付着
が生じ始める処理液の含浸量Qfを0.4グラムである
とことを前提として説明をする。
【0057】この方法では、用紙1が含浸する処理液の
量Qpが、用紙1へのトナーの再付着が生じ始める時点
における含浸量Qfを下回ることがないように、第2液
付与装置を用いて用紙1にたいして処理液の補給を行
う。以下、具体的に示す。第1剥離工程に先立つ第1給
液工程において、第1液付与装置2を用いて用紙1に対
してQsと同量の0.6グラムの処理液を供給する。こ
の用紙1に剥離処理、圧接処理が施されると、用紙1に
残存する処理液量は、0.6α(α=0.7)グラム、
すなわち、0.42グラムとなる。この値は、Qf
(0.4グラム)以上であるので、第2剥離工程の前に
第2液付与装置を用いた給液処理は行わない。すなわ
ち、0.42グラムの処理液を含浸する用紙1に対し
て、第2剥離工程を施す。
【0058】次に、この用紙に剥離装置3により第2給
液処理が施されると、用紙1に残存する処理液量は、
0.42α(α=0.7)グラム、すなわち、0.29
グラムとなる。この値は、Qf(0.4グラム)以下で
あるので、第3剥離工程の前に第2液付与装置を用いて
給液処理を行い、Qpの値がQfの値を下回らないよう
にする。ここで、第2液付与装置を用いて用紙1に供給
する処理液の量は、0.2グラムとする。すなわち、第
2給液工程が終了した時点で用紙1が含浸する処理液の
量である0.42グラムに新たに供給した0.2グラム
の処理液を加えた0.62グラムの処理液を含浸した用
紙1に対して、第3剥離工程が施されることになる。
【0059】また、第4剥離工程、第5剥離工程が施さ
れる前においても、各剥離工程を施す時点において用紙
1が含浸する処理液量がQfを下回ることがないよう
に、そのつど0.2グラムづつの処理液を補給する。表
3に、各剥離工程が施される時点における用紙1が含浸
する処理液の量Qpと、それまでに供給された処理液の
量である処理液の総消費量とを示す。この表から読み取
れるように、QpはQfを下回ることがないので、各剥
離工程において用紙1へのトナーの再付着が生じること
がない。以上説明した給液方法によれば、用紙1の含浸
する処理液量が予め定めた量を下回ることを避けるため
に、必要な限度で用紙1に対して処理液の補給が行われ
るので、処理液の消費量を抑えることができる。
【表3】
【0060】なお、以上の説明においては、用紙1が含
浸する処理液量がQfを下回ることがないように第2液
付与装置を用いて用紙1への処理液を補給を行ったが、
Qsを下回ることがないように用紙1への処理液の補給
を行ってもよい。係る給液方法を用いれば、紙繊維が膨
張した状態にある用紙1に対して各剥離処理が施される
ことになるので、より良好なトナー画像の除去が行われ
る。
【0061】また、以上の説明においては、第2給液装
置6で用いられる処理液61として、水、または必要に
応じて防腐剤、防塵剤を添加して水溶液を用いる旨示し
たが、処理液61として用紙1を着色させる処理液を用
いてもよい。係る処理液は、水に、食用、インクジェッ
トプリンタ用、捺染用等の染料を添加することにより形
成することができる。この染料を添加した処理液を用い
れば、用紙がトナー除去処理を施したものであのか、該
処理を施したことがないものであるのかを簡単に判別す
ることができる。また、トナー除去処理を繰り返すこと
により用紙への着色が濃くなるので、着色の程度からお
およその剥離処理回数を判別することができる。
【0062】なお、添加する染料の量は、用紙1への着
色がその後の使用の障害とならない程度とすることが望
ましい。また、第2給液装置で用いられる処理液61に
代えて、第1給液装置2で用いられる処理液21に染料
を添加することもできる。しかしながら、第1給液装置
は用紙1の両面に処理液を塗布するため、処理液21に
染料を添加すると用紙1の両面が着色されることにな
る。また、この実施例においては、第2給液装置が用紙
1に対して供給する処理液の量が、第1給液装置が用紙
1に対して供給する処理液の量よりも少ないため、用紙
1への着色程度の調整が容易である。従って、第2給液
装置6で用いられる処理液61に染料を添加することが
望ましい。
【0063】また、以上説明した実施例において、支持
ローラ31aと支持ローラ33aとが接する位置から、
押圧ローラ35と支持ローラ33bとが接する位置まで
の距離A、すなわち、剥離装置3中で用紙1が搬送され
る距離A(図1参照)は、用紙1搬送方向の長さLと等
しく設定されている。
【0064】また、押圧ローラ35と支持ローラ33b
とが接する位置から、支持ローラ31bと支持ローラ5
1bとが接する位置までの距離Bは、上記Lよりも短く
設定されている。よって、用紙1の長さ方向全域に圧接
処理を施すために、各圧接工程において圧接装置6は、
N=L/B回の処理を繰り返す。例えば、Bが(1/
3)Lであれば、3回の処理を繰り返すことになる。
【0065】なお、以上の実施例においては第1剥離手
段および第2剥離手段として同一の剥離装置3を用いた
が、剥離手段を二個設けて一方を第1剥離手段として、
他方を第2剥離手段として用いてもよい。また、以上の
実施例においては、第1給液手段として第1液付与装置
2を、第2給液手段として第2液付与装置6を用いた
が、第1給液手段および第2給液手段として同一の液付
与装置を用いてもよい。
【0066】
【発明の効果】請求項1乃至請求項3の発明によれば、
第2給液工程において像保持体に対して新たに給液処理
がなされるので、第2剥離工程においては該像保持体が
含浸する処理液の量が十分な量となる。このため、像保
持体が含浸する処理液の量が不十分であることを原因と
する像保持体から像形成物質が除去されにくくなるとい
う弊害と、像保持体に対して除去さえた像形成物質が像
保持体に再度付着してしまうという弊害とが解消され
る。従って、像保持体に付着した像形成物質を良好に除
去する像形成物質除去方法を提供することができる。
【0067】特に、特請求項2の発明によれば、第2給
液工程後の像保持体が含浸する処理液の量が予め定めた
量を下回ることがないように該像保持体に処理液が補給
されるので、該像保持体が含浸する処理液の量が不足す
ることがない。このため、処理液が不足することによ
り、像保持体から像形成物質が除去されにくくなった
り、像保持体に対して除去さえた像形成物質が像保持体
に再度付着したりすることを防止することが可能であ
る。
【0068】また、特に請求項3の発明によれば、第2
給液工程においては、像保持体を着色させる処理液を像
保持体に対して供給するので、像保持体が着色されてい
るか否かで、該像保持体が剥離処理を施したものである
かを容易に識別することができる。
【0069】また、請求項4の発明によれば、第1剥離
手段により像形成物質の除去がなされた像保持体に対し
て第2給液手段が処理液の補給を行い、その後、第2剥
離手段が再び像形成物質の除去を行う。よって、再び像
形成物質の除去が行われる時点において、像保持体は十
分な処理液を含浸した状態にある。このため、像保持体
が含浸する処理液の量が不十分であることを原因とする
像保持体から像形成物質が除去されにくくなるという弊
害と、像保持体に対して除去された像形成物質が像保持
体に再度付着してしまうという弊害とが解消され、像保
持体に付着した像形成物質を良好に除去する像形成物質
除去装置を提供することができる。
【0070】また、請求項5の発明によれば、剥離手段
により像形成物質の除去がなされた像保持体に対して第
2給液手段が処理液の補給を行い、その後、該剥離手段
が再び像形成物質の除去を行う。よって、再び像形成物
質の除去が行われる時点において、像保持体は十分な処
理液を含浸した状態にある。このため、像形成物質の除
去がされにくくなるという弊害と、除去された像形成物
質が像保持体に再度付着してしまうという弊害とが解消
され、像保持体に付着した像形成物質を良好に除去する
像形成物質除去装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例に係るトナー除去装置を示す概略構成
図。
【符号の説明】
1 用紙(像保持体) 2 第1液付与装置(第1給液手段) 21 処理液 22 液容器 23 塗布ローラ 24 押えローラ 25 汲み上げローラ 3 剥離装置(第1剥離手段、第2剥離手段) 31 支持ローラ 32 押えベルト 33 支持ローラ 34 剥離ベルト(剥離部材) 35 押圧ローラ 36 ヒータ 37 クリーニングローラ 38 クリーニングブレード 39 ケース 40 板状ヒータ 5 圧接装置 51 支持ローラ 52 下押えベルト 53 圧接ローラ 6 第2液付与装置(第2給液手段) 61 処理液 62 液容器 63 塗布ローラ 65 汲み上げローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川久保 俊夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 平7−110643(JP,A) 特開 平7−84397(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 21/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維質の表面に像形成物質が安定に付着し
    ている像保持体に第1処理液を供給し、該表面と該像形
    成物質との付着性を低下させる第1給液工程と、 前記第1給液工程が施された像保持体表面の像形成物質
    を加熱すると共に該表面に剥離部材を圧着させ、その後
    に該剥離部材を該表面から離間させて該表面から該像形
    成物質を除去する第1剥離工程と、 第1剥離工程が施された像保持体の表面に、第2処理液
    を供給する第2給液工程と、 前記第2給液工程が施された像保持体表面に剥離部材を
    圧着させた後、該剥離部材を該表面から離間させて該表
    面から像形成物質を除去する第2剥離工程と、前記第2給液工程が施された像保持体表面面を加圧し、
    像形成物質を除去する際に生じた像保持体表面のムケや
    液で濡れることにより生じた盛り上がりを解消する圧接
    工程と を有することを特徴とする像形成物質除去方法。
  2. 【請求項2】前記第2給液工程が、 該第2給液工程が施された後の該像保持体が含浸する水
    分量が、予め定められた水分量を下回ることがないよう
    に、該像保持体に対して第2処理液を供給する工程であ
    ることを特徴する請求項1の像形成物質除去方法。
  3. 【請求項3】前記第2処理液として、前記像保持体を着
    色させる処理液を用いることを特徴とする請求項1の像
    形成物質除去方法。
  4. 【請求項4】繊維質の表面に像形成物質が安定に付着し
    ている像保持体に第1処理液を供給し、該表面と該像形
    成物質との付着性を低下させる第1給液手段と、 前記第1給液工程が施された像保持体表面の像形成物質
    を加熱すると共に該表面に剥離部材を圧着させ、その後
    に該剥離部材を該表面から離間させて該表面から該像形
    成物質を除去する第1剥離手段と、 第1剥離工程が施された像保持体の表面に、第2処理液
    を供給する第2給液手段と、 前記第2給液工程が施された像保持体表面に剥離部材を
    圧着させた後、該剥離部材を該表面から離間させて該表
    面から像形成物質を除去する第2剥離手段と、前記第2給液工程が施された像保持体表面を加圧し、像
    形成物質を除去する際に生じた像保持体表面のムケや液
    で濡れることにより生じた盛り上がりを解消する圧接手
    段と、 を有することを特徴とする像形成物質除去装置。
  5. 【請求項5】繊維質の表面に像形成物質が安定付着して
    いる像保持体の該表面に第1処理液を供給する第1給液
    手段と、 前記像保持体表面の像形成物質を加熱する加熱部材、及
    び該表面に圧着しその後に該表面から離間する剥離部材
    を備えた該表面から該像形成物質を除去する剥離手段
    と、 前記剥離手段により剥離処理が施された像保持体に対し
    て第2処理液を供給する第2給液手段と、 前記第2給液手段により給液処理が施された像保持体を
    前記剥離手段に搬送する搬送手段と、前記第2給液工程が施された像保持体表面を加圧し、像
    形成物質を除去する際に生じた像保持体表面のムケや液
    で濡れることにより生じた盛り上がりを解消する圧接手
    段と、 を有することを特徴とする像形成物質除去装置。
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