JP3671075B2 - 像保持体の再生方法及びその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンター、FAX、印刷機等の画像形成装置によって熱可撓性の像形成物質からなる疎水性画像が形成された像保持体から該疎水性画像を剥離して除去する像保持体の再生方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近のOA化により、像保持体であるプリンター用紙や複写用紙が大量に使用されるようになってきた。そのために、森林の伐採による地球環境の悪化の問題まで引き起こすようになってしまった。従来、この問題に対しては、一度使用した用紙上のインキ等をとり、漬して再びすいて、古紙といわれる紙に再生するしか方法がなかった。しかし、最近、一度使用した紙の上の文字画像をクリーニングにより取り去って再生し、複写あるいはプリンティングに再利用する方法が開発された。
【0003】
例えば、溶剤を使用するものとして、特開平1−101576号公報や特開平1−101577号公報には、像形成物質のトナーが付着された像保持体をトナー樹脂の可溶性溶剤中に浸漬させて、超音波振動を印加し、溶剤に溶解したトナーを像保持体表面より遊離させる像保持体の再生方法が開示されている。しかしながら、これらの方法では、有機溶剤を使用することにより、公害、発火性及び毒性等の問題があり、一般のオフィス、家庭などでの使用に難点がある。
【0004】
また、溶剤を使用しないものとして、例えば特開平1−297294号公報には、像保持体として、プラスチック、金属、液浸透性の悪い紙あるいはセラミック等で形成されたものを使用し、該像支持体上に形成された画像を熱溶融性剥離体を介在させて加熱し、画像を像保持体から剥ぎとるクリーニング方法が開示されている。しかしながら、表面に離型処理を施した特別な用紙(イレーザブルペーパー)を用いなければならず、現在、大量に使用されている一般的な複写用紙、プリンティング紙等に適用できない難点がある。
【0005】
また、上記再生方法に用いる像保持体として、例えば、特開平4−67043号公報には、シート状像支持体の表面、特に片面のみに離型処理を施し、かつ、離型処理した像保持体に印を付け、普通紙と区別したものが開示されている。しかしながら、このような像保持体を用いる場合には、次のような不具合がある。すなわち、表面に離型性処理を施した特別な用紙となり、現在、大量に使用されている一般的な複写用紙、プリンティング紙とはならず、適用には難点がある。従って、一般的な複写用紙等と混合してコピーするには困難性が伴う。更に、資源再利用という観点からは、両面コピー、すなわち一枚の複写用紙の表・裏両面コピーが重要であり、今後、主流となるものと考えられる。このような状況下では、片面に離型剤を塗布した再生紙の利用には難点が伴う。更に、離型剤上の画像となり、当然定着性が悪く使用に難点が伴う。
【0006】
また、本出願人は、像支持体として、少なくとも一部がセルロース繊維を主成分とした紙質層で構成され、かつ該紙質層に熱可撓性の像形成物質であるインキ(トナー)よりなる疎水性画像を形成している像保持体に、水を含む液を含浸させ、その状態で疎水性画像を紙質層から剥離する像保持体の再生方法及びその装置を提案した(特開平6−289754号公報、特開平7−13383号公報参照)。この方法及び装置は、普通に用いられている像支持体である紙の上に形成された熱可撓性の像形成物質からなる疎水性画像をも剥離して除去し、像保持体を再生できる点や、有機溶剤等を用いた場合に比較して安全性に問題がないなどの点で優れている。
【0007】
更に、本出願人は、その後の検討により、像支持体が必ずしも紙等のセルロース繊維を主成分としたものではなくとも、疎水性画像が形成される側の表面近傍に水を含む液で膨潤する層(例えばエチレングリコールポリマーやアクリル酸ポリマーを主成分にしたもの)を有する像支持体であれば、前記特開平7−13383号公報に係る方法は有効であることを見いだし、その技術に関する像保持体、並びに像保持体の再生方法及びその装置もすでに提案している。
【0008】
しかしながら、前記特開平6−289754号公報及び特開平7−13383号公報で提案した方法及び装置は、像保持体から疎水性画像を剥離除去するために、比較的低濃度の界面活性剤を含む液を像保持体全体に含浸させるため、該液を多量に使用している。このように液を多量に使用することにより、次のような不具合が生じるおそれがある。
(1)再利用できる像支持体として仕上げるためには、付与した液を乾燥する必要があり、従って、像保持体を再生するための熱エネルギーが大きくなってしまい、高速での処理が不可能になったり、消費電力が大きくなったりする。
(2)像支持体としての一般の紙に多量の液を付与する場合には、紙の腰が弱くなってしまうことがあった。そのために、疎水性画像を除去するための像保持体の再生装置内での搬送が難しくなったり、仕上がった再生像支持体のサイズ変化が大きくなったり、ときには紙が破れるという不具合が生じるおそれがあった。
(3)像保持体に付与する液の量に応じて必要な容器を再生装置内に確保することが必要となるため、再生装置が大型化してしまう場合がある。
(4)多量の液を像保持体に付与すると、疎水性画像を剥離除去した後の像支持体の乾燥仕上げを行ったとき、多量に液の成分(水)が蒸発してくるので、再生装置の周りの液成分の濃度(湿度)が異常に上昇したり、再生装置内に液成分(水)が凝結して電気回路等のトラブルが発生したりするおそれがある。
(5)乾燥仕上げが不十分であると、再生した像支持体には、「カール」や「波打ち」現象が発生し、再複写などの再利用時の「ジャム」発生の原因となるおそれがある。
【0009】
そこで、上記(1)乃至(5)の不具合を解消するために、本出願人は鋭意工夫を重ね、高濃度の界面活性剤を含む液を像保持体に付与した後、水を含む低濃度の液を像保持体に付与して、熱可撓性の像形成物質からなる疎水性画像を像保持体から剥離除去する像保持体の再生方法及びその装置を提案した(特願平6−42050号参照)。この方法及び装置によれば、像保持体への液付与量が少量となり、前記特開平6−289754号公報及び特開平7−13383号公報で提案した方法及び装置における多量の液の使用による種々の不具合を解消できる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、像支持体上の疎水性画像を最も効率的に剥離除去するためには、疎水性画像と像支持体との接触境界面のみに液が浸透するするのが望ましい。しかしながら、前記特願平6−42050号で提案した方法及び装置では、最初に高濃度の界面活性剤を含む液を像保持体に付与するため、高濃度の液が毛細管作用により像保持体の表面から内部に一気に浸透することになる。その結果、いかに少量の液(例えば0.01〜1.0g/A4)を付与するといっても、該液の浸透深さが深いものとなり、画像の剥離除去に必要な最低量以上の液を消費してしまうことになる。従って、液消費の面で非効率である。
【0011】
また、前記特願平6−42050号で提案した方法及び装置では、高濃度の界面活性剤を含んだ液を像保持体に付与(第1工程)したとき、該液中の高濃度の界面活性剤の一部が像保持体の表面に残存する。そして、この界面活性剤が像保持体の表面に残存した状態で、低濃度の界面活性剤を含んだ液を該像保持体に付与(第2工程)するため、該像保持体上の残存界面活性剤が該第2工程で付与する低濃度の液に溶解混入するおそれがある。特に、上記像保持体上の残存界面活性剤が上記第2工程で付与する低濃度の液に溶けやすい場合は、該像保持体上の残存界面活性剤が該第2工程の低濃度の液に溶解混入することになり、該低濃度の液中の界面活性剤の濃度が高くなって所定の濃度範囲からずれてしまうため、該低濃度の液を画像の剥離除去処理に繰り返し使用することが困難となるという不具合がある。
【0012】
一方、上記像保持体上の残存界面活性剤が上記第2工程で付与する低濃度の液に溶けにくい場合は、像保持体上に多量の界面活性剤が残存するため、疎水性画像が剥離除去された再生像支持体を再使用(例えば再複写)すると、その再使用で形成された疎水性画像と像支持体表面との間の接触境界面に前記残存界面活性剤が介在することにより、疎水性画像の定着性が悪くなるという難点がある。特に、同一の像保持体に対して再生処理を繰り返すと、その再生処理の度に上記第1の工程で付与された高濃度の液中の界面活性剤が像保持体の表面に残っていくため、再使用時の画像の定着性が次第に悪くなっていくおそれがある。更に、上記像保持体上の残存界面活性剤が上記第2工程で付与する低濃度の液に溶けにくい場合であっても、該残存界面活性剤が存在している状態の像保持体の疎水性画像面に上記低濃度の液を付与すると、該残存界面活性剤は徐々にではあるが該低濃度の液に溶解することになり、該低濃度の液中の界面活性剤の濃度が上昇して所定の濃度範囲からはずれ、該低濃度の液の繰り返し使用が困難となるおそれがある。
【0013】
本発明の目的は、疎水性画像の剥離除去処理に使用する液及びその中に含まれる界面活性剤の消費量を低減して像保持体の再生装置システム全体のコスト低減を図るとともに、該液を繰り返し使用しても界面活性剤の濃度を所定範囲に維持することができ、且つ、再利用時に画像の良好な定着性を得ることができる像保持体の再生方法及びその装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
記目的を達成するために、請求項1の発明は、熱可撓性の像形成物質からなる疎水性画像が形成されている像保持体に、界面活性剤を含む液を複数回に分けて付与する液付与工程と、該液を付与した像保持体の表面から該疎水性画像を剥離して除去する剥離工程とを有する像保持体の再生方法において、該液付与工程で、該像保持体に、0.01〜5重量%の低濃度の界面活性剤を含む液を付与した後、より高濃度の界面活性剤を含む液を付与することを特徴とするものである。
【0016】
また、請求項2の発明は、熱可撓性の像形成物質からなる疎水性画像が形成されている像保持体に、界面活性剤を含む液を複数回に分けて付与する液付与手段と、該液を付与した像保持体の表面から該疎水性画像を剥離して除去する剥離手段とを有する像保持体の再生装置において、該液付与手段を、該像保持体に、0.01〜5重量%の低濃度の界面活性剤を含む液を付与した後、より高濃度の界面活性剤を含む液を付与するように構成したことを特徴とするものである。
【0017】
また、請求項3の発明は、請求項2の像保持体の再生装置において、上記界面活性剤として、コハク酸系界面活性剤及び/又は含フッ素系界面活性剤を用いたことを特徴とするものである。
【0018】
また、請求項4の発明は、上記像保持体の表面及び裏面の両面から疎水性画像を剥離して除去する請求項2の像保持体の再生装置において、上記液付与手段を、該像保持体の両面に、低濃度の界面活性剤を含む液を表裏同時に付与した後、高濃度の界面活性剤を含む液を表裏同時に付与するように構成したことを特徴とするものである。
【0019】
また、請求項5の発明は、熱可撓性の像形成物質からなる疎水性画像が形成されている像保持体に、界面活性剤を含む液を複数回に分けて付与する液付与手段と、該液を付与した像保持体の表面から該疎水性画像を剥離して除去する剥離手段とを有する像保持体の再生装置において、液付与手段を、像保持体に低濃度の界面活性剤を含む液を複数回付与した後、高濃度の界面活性剤を含む液を複数回付与するように構成したことを特徴とするものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
まず、熱可撓性の像形成物質からなる疎水性画像が形成されている像保持体に、界面活性剤を含む液を複数回に分けて付与する液付与工程と、該液を付与した像保持体の表面から該疎水性画像を剥離して除去する剥離工程とを有し、該像保持体に、低濃度の界面活性剤を含む液を付与した後、高濃度の界面活性剤を含む液を付与することを特徴とする像保持体の再生方法の実施の形態について説明する。
【0023】
本再生方法で再生することができる像支持体は、必ずしも全てが紙質層で構成される必要はなく、少なくとも剥離除去しようとする熱可撓性の像形成物質からなる疎水性画像を有する表面近傍がセルロース繊維を主成分とする一般の複写あるいは記録用の用紙、プラスチックフィルム、該プラスチックフィルムの少なくとも画像形成面に紙質層を積層したものであればよい。これらの像支持体の中でも、本発明には、厚みが20〜200μm程度の市販の紙が廉価である点、かつ、入手が容易である点で好ましい。また、疎水性画像が形成されている側の表面近傍に水を含む液で膨潤する層を有するものであれば良く、例えばエチレングリコールポリマーやアクリル酸ポリマー等を主成分としたものでも良い。
【0024】
また、本再生方法で上記像保持体から剥離除去することができる疎水性画像を構成する熱可撓性の像形成物質としては例えばトナーが挙げられ、また、このトナーの成分樹脂としては、ポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン−ブチルアクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエステル、エポキシ樹脂、スチレン−メタクリル共重合体、スチレン−アクリル共重合体などが挙げられる。
【0025】
本再生方法では、上記像保持体に水及び界面活性剤を含む液を複数回に分けて付与する。このように熱可撓性の像形成物質からなる疎水性画像が形成されている像保持体に、界面活性剤を含む液を複数回に分けて付与することにより、該液を1回だけ付与する場合に比して、該画像の剥離・除去のために付与する液量が少なくなるので、シワや伸びなどを発生させることなく且つ少ない熱エネルギーで乾燥して再使用可能な状態に像保持体を再生することができる。
【0026】
一般に、前述の紙等の像支持体は水を含む液で湿ると、いわゆる腰が弱くなる。このとき、像支持体の紙質層に保持されている疎水性の熱可撓性のトナーと紙質層との接着性は非常に弱いものとなっている。すなわち、セルロース繊維を主成分とした紙質層は、該繊維の絡み合いで、紙質層の表面は無数の凹凸状になっており、更に紙質層内部も無数の微小空隙が存在している。このような状態の紙質層上に疎水性の画像が担持された場合、セルロース繊維の絡み合いによる凹凸や微小空隙よりもPPC複写プロセスで定着された画像の方が大きいため、セルロース繊維と該画像との接触部位には多数の空間が存在することになる。
【0027】
このような疎水性の画像を担持した像保持体に、上記少なくとも水を含む液(以下「液」という)を塗布、浸漬、吹き付け等により付与すると、該液は、セルロース繊維及びその空隙、空間部を毛細管現象で浸透し、画像とセルロース繊維との界面部にまで、液が浸透する。この結果、画像とセルロース繊維との接着力を低下させる作用、及び、セルロース繊維が液を吸収すると、いわゆる膨潤現象によりセルロース繊維は変形して画像との接触部分の空間が増大して、セルロース繊維と画像との接触面積が減少し、接着力が低下する作用などにより、セルロース繊維と画像との接着性は非常に弱いものとなる。
【0028】
ここで、上記像保持体を液で十分に短時間で湿らすためには、液と像支持体表面との間のぬれ性が重要となる。また、像保持体から疎水性画像を剥離除去するためには、該画像を構成する像形成物質と像支持体との間の接触界面部にも十分に浸透させる必要がある。従って、前述の毛細管現象を促進させて像保持体に液を速やかに浸透させるために、前記液には界面活性剤を含有させることが望ましい。
【0029】
一般に、界面活性剤の分子は親水性基と疎水性基(親油性基)とから構成され、像保持体の表面は、疎水性の熱可撓性像形成物質の付着部分と親水性のセルロース繊維が露出している部分とから構成されているから、図1に示すように、像形成物質Aの周囲には界面活性剤の疎水基Cが吸着し、また、セルロース繊維DのOH基等には界面活性剤の親水基Bが吸着する。このような吸着現象が生ずる結果、像形成物質Aとセルロース繊維Dとの界面にも十分に界面活性剤が浸透することになり、像形成物質Aとセルロース繊維Dとの接着力が弱くなり、像形成物質Aのみが像保持体から剥離除去されやすくなる。
【0030】
上記液としては、エタノール、メタノール、グリセリンなどの有機溶剤も考えられるが、人体に対する安全性や燃え難く火災の心配がないという点や最も一般的に用いられる像支持体である紙をよく膨潤させることができる点で、水を主体とした液を用いることが好ましい。しかしながら、該液の一成分である界面活性剤の中には水に難溶性ものもあり、このような界面活性剤を高濃度に溶解させるためには、火災性、毒性などの観点から水と不揮発性有機溶剤との混合溶媒として使用するのが好ましい。このような不揮発性有機溶剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールのエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等の複素環式化合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。特に好ましい不揮発性有機溶剤としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール等の多価アルコール類が挙げられる。また、これらの不揮発性有機溶剤は水との混合溶媒として高濃度の界面活性剤を含有した液に使用するのが好ましい。ここで、低濃度の界面活性剤を付与した像保持体上の疎水性画像面に、該高濃度の界面活性剤を含有した液を更に付与する場合には、疎水性画像を剥離除去した像支持体に不揮発性の液が残存すると考えられるが、本再生方法においては、低濃度の液を付与した後、高濃度の液を付与するため、該高濃度の液は極微量の付与量となり、本再生方法で再生した再生像支持体に対していわゆる湿潤剤的な作用しかなく、該像支持体を直ちに複写等の画像形成に用いてもその画像にはなんら影響を与えない。
【0031】
また、本再生方法で用いる液の他の成分としては、表1に示すような水溶性ポリマー化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。この水溶性ポリマー化合物は前述のように剥離部材への疎水性画像の粘着性を与えることができるとともに、像保持体から疎水性画像を剥離除去した後の再生像支持体の剛性を向上させることができる等、再生像支持体の仕上がり品質を向上させることができるという効果がある。この水溶性ポリマー化合物を含む液及び像支持体中の水溶性ポリマー化合物の濃度は、好ましくは0.1〜20重量%、更に好ましくは0.5〜5重量%である。水溶性ポリマー化合物の濃度があまりに高すぎると粘度が高くなり、紙への浸透が遅くなるので好ましくない。
なお、上記水溶性ポリマー化合物は製紙工業では紙のサイズ剤等に使用されているものであり、従って、これらを使用したとしても像支持体としての紙の表面を傷めることはなく、むしろ紙の表面を改良する作用がある。
【0032】
また、本再生方法で用いる液に含有させる界面活性剤としては、非常に多くの種類のものを使用可能である。界面活性剤は、一般に、親油基と親水基との組合せによりその分子が構成され、表2に親油基、表3に親水基の例を示す。しかしながら、界面活性剤の親油基及び親水基は、これらのものに限定されるものではない。また、分子構造の面からみると、脂肪酸誘導体、硝酸エステル、スルホン酸型、リン酸エステル型などの陰イオン(アニオン)界面活性剤、四級アンモニウム塩、複素環アミン、アミン誘導体などの陽イオン(カチオン)界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、などが挙げられる。これらの代表的な界面活性剤を表4〜表9に示すが、本再生方法で使用される界面活性剤は、これらのものに限定されるものではない。また、これらの界面活性剤は1種類、あるいは2種類以上の混合物として使用してもよい。特に炭化水素系界面活性剤と含フッ素系界面活性剤の混合物は界面活性効果が相乗的に発現するため有効である。(以下、余白)
【表1】
Figure 0003671075
【表2】
Figure 0003671075
【表3】
Figure 0003671075
【表4】
Figure 0003671075
【0033】
【表5】
Figure 0003671075
【0034】
【表6】
Figure 0003671075
【0035】
【表7】
非イオン界面活性剤
1).エ−テル型
アルキル及びアルキルアリルポリオキシエチレンエーテル
アルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポリオキシエチレンエーテル
ポリオキシプロピレンを親油基とするブロックポリマー
ポリオキシエチレンポリオキシプロピルアルキルエーテル
2).エーテルエステル型
グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル
ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル
ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル
3).エステル型
ポリエチレングリコール脂肪酸エステル
グリセリンエステル
ポリグリセリンエステル
ソルビタンエステル
プロピレングリコールエステル
ショ糖エステル
4).含窒素型
脂肪酸アルカノールアミド
ポリオキシエチレン脂肪酸アミド
ポリオキシエチレンアルキルアミン
アミンオキシド
【0036】
【表8】
フッ素系界面活性剤
種類:フッ素系界面活性剤も通常の界面活性剤と同様、次の4種がある。
▲1▼アニオンタイプ、▲2▼ノニオンタイプ、▲3▼カチオンタイプ、▲4▼両性タイプ
代表的なフッ素系界面活性剤
Figure 0003671075
【0037】
【表9】
Figure 0003671075
【0038】
また、本再生方法においては、上記液を像保持体に付与した状態で、像保持体上の疎水性画像と剥離部材とを接触させ、その後離間させることにより、像保持体から疎水性画像を剥離除去し、再使用できるように再生する。この剥離部材と疎水性画像との接触は、良好な剥離除去性を得るために加圧・加熱下で行うことが望ましい。また、剥離部材の疎水性画像と接する側を構成する材料は、該像保持体上の疎水性画像に対して接着性を有する必要があり、更に加熱する場合には耐熱性を有する必要がある。
【0039】
上記剥離部材の材料としては、イソプレンゴム、ネオプレンゴム、クロロプレンゴム、シリコンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴムなどの合成ゴム、天然のゴム、ビスフェノール、エヒクロルヒドリン縮合物などのエポキシ樹脂、アルキド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、ブチル尿素ホルムアルデヒド樹脂、ブチル化メラニンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂などのアミノ樹脂、テルペンフェノール樹脂、フェノールエーテル樹脂、フェノール樹脂などのフェノール系熱硬化樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ビニル共重合体ポリビニルビチラール、ポリビニルホルマール、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのビニル系共重合体、ポリブチルアクリレート、ポリメタクリル酸、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリイミド,6,6−ナイロン、6−ナイロンなどのポリアミド、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、芳香族ポリエステルなどのポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリパラバラン酸、ポリエーテルニトリル、アラミド、などの熱可塑性あるいは熱硬化性の合成樹脂、ニッケル、鉄、アルミニウムなどの金属及びその酸化物、Ni鋼、ステンレス鋼、Fe−Ni合金、Co−Al合金、モネル、インコネル、ジュラルミン等の金属合金、等を挙げることができる。
【0040】
前記の熱可撓性あるいは熱硬化性の合成樹脂は単独で用いても混合して用いてもよく、酸化チタン粒子、シリカ粒子、カーボン粒子などの添料を含有させることもできる。セラミック材料等がその例として挙げられる。また、これらの材料は単独でも使用が可能であるが、耐久性向上又は剥離特性等の特性を向上するために積層したり、アロイ化したり、グラスファイバー、ウィスカー、カーボン、シリカ、酸化チタンなどの他の添加剤を加えるなどにより複合して用いることもできる。
【0041】
ここで、最適な剥離部材の材料は、剥離しようとする疎水性画像を構成する像形成物質の種類、疎水性が像の剥離除去プロセス条件等により選定されるべきであるが、剥離部材を繰り返し使用することが再生コストを下げるなど種々の点で有利である。このように繰り返し使用する場合には、比較的高い耐熱性や表面の安定性が要求される。画像の除去特性及び耐久性から好ましい剥離部材の材料の例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリパラバラン酸、ポリエーテルニトリル、アラミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ステンレススチール、ニッケル、アルマイトが挙げられる。
【0042】
また、像保持体上の疎水性画像を直接剥離部材と接触させるのではなく、像支持体に水溶性ポリマーを保持させることにより、像支持体/疎水性画像/水溶性ポリマー/剥離部材のように接触させて、水溶性ポリマーの粘着力により、疎水性画像を剥離除去することもできる。
また、剥離部材は、シート状、ブロック状、ドラムあるいはローラー状のいずれの形状に形成されたものを用いても、本発明は実施可能である。
(以下、余白)
【0043】
以上のように熱可撓性の像形成物質からなる疎水性画像を形成している像保持体に、界面活性剤を含む液を付与し、該液を含浸した状態で、該疎水性画像を像保持体から剥離除去するが、特に本再生方法においては、前述のように該液の付与を2工程以上の複数の付与工程で行い、且つ、該複数の液付与を、低濃度の界面活性剤を含む液を付与した後、高濃度の界面活性剤を含む液を付与するように行うことを特徴としている。
【0044】
ここで、上記低濃度の界面活性剤を含む液及び上記高濃度の界面活性剤を含む液は、同一組成のものであっても、あるいは異なる組成のものであっても良い。両液についてそれぞれ同一組成のものを使用した場合は、低濃度の界面活性剤を含む液が高濃度の界面活性剤を含む液に混合しても高濃度の界面活性剤を含む液の組成がほとんど変化しないと考えられる。
【0045】
また、上記低濃度の界面活性剤を含む液としては、界面活性剤を0〜10重量%の濃度、好ましくは0.01〜5重量%の濃度で含有する水溶液が好ましい。この低濃度の液を、像保持体の疎水性画像面に0.05〜2g/A4(A4サイズ当たりの付与量)、好ましくは0.1〜1.0g/A4付与する。
また、上記高濃度の界面活性剤を含む液としては、界面活性剤を10〜100重量%の濃度、好ましくは20〜50重量%の濃度で含有する水溶液を用いることが好ましく、該界面活性剤が水に難溶性であれば水と不揮発性有機溶媒との混合溶媒を用いることが好ましい。この高濃度の液を、像保持体の疎水性画像面に0.01〜1g/A4、好ましくは0.01〜0.5g/A4付与する。
【0046】
例えば、液に含有させる界面活性剤として、水に対して難溶性(溶解度として10重量%以下)であるが有機溶媒と水との混合溶媒には高濃度に溶解(溶解度として10重量%以上)する界面活性剤を使用する場合、熱可撓性の像形成物質からなる疎水性画像が形成されている像保持体の画像面に、低濃度の界面活性剤を含む水溶液からなる液を付与し、次いで、該低濃度の水溶液からなる液を付与した面に、水及び不揮発性有機溶媒を溶媒として用いた高濃度の界面活性剤を含む液を付与する。一般に界面活性剤は水によく溶解するものが多いが、水に溶解しにくいものも多く存在している。特に、後述のように疎水性画像を像保持体から剥離除去して像保持体を再生する再生方法に好ましい液の一つの成分であるコハク酸系界面活性剤や含フッ素系界面活性剤等は水に難溶である。このような水に対して難溶性を示す界面活性剤を高濃度の液に使用するためには、水と有機溶媒との混合溶媒を使用するのが好ましい。このように有機溶媒を水に混合する場合、火災性、毒性などの観点から揮発性の有機溶媒を使用せずに、水と不揮発性の有機溶媒との併用が好ましい。更に、火災性、毒性などの観点から有機溶媒リッチで使用せずに、水をメインの溶媒として使用するのが好ましい。
【0047】
本再生方法において、まず上記低濃度の界面活性剤を含む液を像保持体に付与すると、大部分の液は像保持体の内部に浸透するが、一部は像保持体の表面に残留する。このとき液に含まれる界面活性剤の濃度が低濃度であり、前記像保持体に浸透した部分の界面活性剤は極微量であるので、最初に高濃度の界面活性剤を含む液を付与する場合に比して、像保持体内部に浸透した界面活性剤の量が少なくなり、界面活性剤の使用量を少なくすることができる。次に、高濃度の界面活性剤を含む液を上記低濃度の液を付与した面に付与すると、疎水性画像と像支持体との界面への浸透の程度が不十分であった低濃度の液に対して該高濃度の液が分散して広がっていき、該界面に液が十分に浸透する。その結果、疎水性画像と像支持体との接着力が弱まり、像保持体上の疎水性画像が見かけ上該高濃度の液に溶け込むような力を受けて該像支持体の表面から浮き上がる。このような該界面への液の浸透及び疎水性画像の浮き上がりにより、疎水性画像の像保持体からの剥離除去が容易になる。
【0048】
上記再生方法において、特に前記低濃度の液に含まれる界面活性剤が前記高濃度の液の溶媒に易溶である場合、該高濃度の液を付与したとき、像保持体上に極微量に残留している該低濃度の液の界面活性剤の一部は、該高濃度の液の溶媒に溶解するが、該高濃度の液への溶解性は悪いものとなる。結局、該低濃度の液に含まれる界面活性剤が該高濃度の液の溶媒に難溶性であるような挙動を示す。また、像保持体上に極微量に残留している低濃度の液の界面活性剤の他の一部及び該高濃度の液は、像保持体の内部に浸透する。この像保持体に浸透しようとする低濃度の液に含まれる界面活性剤も、前述と同様に高濃度の液の溶媒に難溶性であるような挙動を示すことから、該低濃度の液中の界面活性剤の像保持体内部への浸透もわずかとなるが、像支持体と疎水性画像との界面には液が浸透することとなり、界面活性剤の消費量が更に減少するとともに、像保持体から疎水性画像の剥離除去が更に容易になる。
【0049】
一方、前記低濃度の液に含まれる界面活性剤が前記高濃度の液の溶媒に難溶である場合、該高濃度の液を付与したとき、像保持体上の残留界面活性剤の高濃度の液への溶解は極微量であり、該溶解した界面活性剤は、高濃度の液の濃度変化に対してほとんど寄与しない。また、像保持体上の残存界面活性剤が高濃度の液に溶解しずらいため該高濃度の液は像保持体内部にあまり浸透しなくなるが、画像剥離除去には十分な量の界面活性剤が疎水性画像と像支持体との界面に浸透する結果、界面活性剤の消費量が少なく、且つ、画像剥離除去を容易に行うことができる。また、低濃度の液に含まれる界面活性剤が高濃度の液の溶媒に難溶であるため該高濃度の液が多量に浸透しなくなるとともに、その結果、高濃度の液が像保持体上にあまり蓄積されない。また、該低濃度の液を像保持体の疎水性画像面に付与した後、直ちに高濃度の液をローラ塗布などで付与し、そのローラなどによって像保持体上の液を削りとられて薄くすることにより、更に該高濃度の液を像保持体上に蓄積しにくくすることができる。このように高濃度の液の蓄積量の減少により、像保持体の疎水性画像面に残存する界面活性剤は微量となり、この状態の像保持体から疎水性画像を剥離除去した後、再び画像形成を行う場合に、熱可撓性の像形成物質からなる疎水性画像の像支持体への定着性は強いものとなる。このように再生像支持体で良好な定着性が得られるので、画像形成−剥離除去−画像形成−剥離除去−というように像保持体を繰り返し再生して画像形成に使用することができる。
【0050】
なお、上記再生方法に使用する液に含まれる界面活性剤として好ましいものに、溶媒としての水に難溶性の界面活性剤または水に難溶性の挙動を示す界面活性剤が挙げられるが、特に好ましいものとして、含フッ素系界面活性剤や像保持体への浸透性が優れているコハク酸系界面活性剤等がある。特に含フッ素系界面活性剤は水に難溶であり、前述の液付与時の界面活性剤の挙動を示す。また、含フッ素系界面活性剤が像保持体の疎水性画像の表面及び表面近傍に極微量であるが付与されると、一般に該界面活性剤が液付与(塗布)・乾燥過程で分子構造成分のフッ素部分成分が付与層の表面に現れてくると言われている。また、該フッ素部分成分が表面に現れるとテフロンに見られるように表面が滑らかになる。その結果として、含フッ素系界面活性剤を含む液を付与し、画像剥離除去処理を行って再生した像支持体の表面は滑らかになり、むしろ像支持体の表面サイズ剤的作用を促進することになる。しかも、画像剥離除去性と疎水性画像の像支持体への定着性とのバランスを図った液中の界面活性剤の濃度であれば、像保持体での画像の保持性、加筆性などは損なわれない。また、含フッ素系界面活性剤を利用すると、像保持体から疎水性画像を剥離部材側に転写除去(剥離除去)するときに、一旦剥離部材側に転写した疎水性画像が再び像支持体表面に再転写(逆転写)する現象も起こらない。
【0051】
また、上記再生方法においては、同一組成の低濃度の液を複数回にわたり同一像保持体の疎水性画像面に付与した後、該低濃度の液が付与された面に、同一組成の高濃度の液を複数回にわたり付与しても良い。このようにそれぞれ同一組成の低濃度の液又は高濃度の液を像保持体に複数回に分けて付与する場合には、低濃度の液又は高濃度の液をそれぞれ1回の付与する場合に比して、像保持体からの疎水性画像の剥離除去に必要な液の付与量が低減されるという効果がある。このような効果が得られるのは、次のような作用によるものと考えられる。すなわち、最初に付与された液により像保持体にある程度膨潤が発生するため、該像保持体上の疎水性画像に亀裂が生じたり、該像支持体と疎水性画像との間に微少な隙間が生じたりする。このような亀裂や隙間により、次に付与された液が効率的に疎水性画像と該疎水性画像の像支持体との接触部位へ浸透しやすくなることが寄与しているものと考えられる。また、最初の液の付与によって像支持体の表面及び疎水性画像の表面が液に濡れやすい状態になり、該液が像保持体の比較的浅い部分に均一に浸透することにより、少量の液付与で疎水性画像の像保持体からの良好な剥離除去が行われるものと考えられる。
【0052】
また、最初に付与する液によって像支持体及び疎水性画像への液の濡れ性を高めておくことにより液の付与量を低減できるため、最初に付与する液で充分に前記効果が得られれば、次に付与する液の表面張力は比較的高く、濡れ性が低い場合でも充分な浸透力が得られる。従って、低濃度の液の付与の後、高濃度の液を付与するような本再生方法においては、高濃度の液の付与量が低減され、その結果として像保持体表面の残存界面活性剤量は少なくなる。このように残存界面活性剤量が少ないことにより、再生された像支持体の筆記性の劣化、再複写や再記録時の疎水性画像の画質の劣化、疎水性画像の像支持体への定着性の低下、画像形成装置としての複写装置への悪影響などの種々の問題点を解消することができる。また、高濃度の液の付与については、その濡れ性が低い方が、紙のような不均一な像保持体に浸透するときに均一且つ浅い浸透をするため、前述と同様な作用により、同一濡れ性を示す液を付与する場合に比較して、より少量の液の付与で像保持体からの疎水性画像の良好な剥離除去が可能となる。
【0053】
また、上記再生方法により、表面及び裏面の両面に熱可撓性の像形成物質からなる疎水性画像を形成した像保持体を処理する場合には、該像保持体の両面に同時に前記低濃度の界面活性剤を含む液を付与した後、該低濃度の液を付与した両面に更に高濃度の界面活性剤を含む液を付与する。このような両面への液付与により疎水性画像を該像保持体の両面から剥離除去しやすい状態にし、前記剥離部材などを用いて該像保持体の両面から疎水性画像を剥離除去する。
【0054】
次に、上記再生方法を実現することができる像保持体の再生装置について説明する。
図2は同再生装置の一構成例を示す正面図である。図2において、熱可撓性の像形成物質としてのトナーからなる疎水性画像が形成されている像保持体を給紙トレイ201から給紙ローラ202によりガイド板203を通して液付与手段としての液付与部に搬送する。液付与部では、まず液容器204内の低濃度の界面活性剤を含んだ液(以下「低濃度液」という)205を塗布ローラ206と搬送ローラ207とによって像保持体の疎水性画像形成面に付与し、次いで液容器208内の高濃度の界面活性剤を含んだ液(以下「高濃度液」という)209を、低濃度液205が付与された面に塗布ローラ210と搬送ローラ211により付与し、剥離手段としての剥離部に導く。剥離部では、剥離ローラ212上の剥離部材に接触している像保持体を加熱手段としての加熱ローラ213で加熱圧接した後、分離爪214で剥離部材と像支持体とが分離される。像保持体から分離した剥離ローラ212上の剥離部材は、表面に転写されているトナーがクリーニング部材215でクリーニングされ、再び疎水性画像の剥離除去処理に使用される。上記クリーニング部材215で剥離部材表面から除去されたトナーはトナー容器216内に収容される。一方、分離爪214で分離された像支持体はもはや表面に疎水性画像はなく、再複写及び再記録が可能な状態になっている。この再複写・再記録が可能な像支持体は、搬送ローラ217によって乾燥手段としての乾燥ベルト218上に導かれて乾燥される。乾燥された像支持体は搬送ローラ217によって排紙トレイ219上に排紙されて再複写・再記録可能な像支持体が得られる。
なお、上記再生装置においては、剥離ローラ212に隣接して剥離ローラ212上のトナーを再転写可能な少なくとも1個のヒートローラを設け、該ヒートローラの少なくとも1個に該ローラ上に再転写されたトナーを掻き取ることができるブレードを設け、該ブレードでトナーを掻き取ることにより剥離ローラ212をクリーニングしても良い。
【0055】
図3は再生装置の他の概略構成例を示す正面図である。図3において、トナーからなる疎水性画像が形成されている像保持体を給紙トレイ301から給紙ローラ302によりガイド板303を通して液付与部に搬送する。液付与部では、まず液容器304内の低濃度液305を汲み上げローラ306で塗布ローラ307表面に汲み上げ、塗布ローラ307と搬送ローラ308により像保持体の疎水性画像形成面に付与し、次いで液容器309内の高濃度液310を汲み上げローラ311で塗布ローラ312表面に汲み上げ、低濃度液305が付与された面に塗布ローラ312と搬送ローラ313により付与し、剥離部に導く。剥離部では、高濃度液310を付与した像保持体を、一体化ローラ314,315によって2つのベルト状の剥離部材(以下「剥離ベルト」という)316,317で密着挟持して一体化した後、連続接触状態で千鳥状に配設した複数個のローラ318と複数個の回転体319とにより加熱加圧して、像保持体から疎水性画像を剥離ベルト317に転写して除去する(本例では、疎水性画像が剥離ベルト317に接触している)。ここで、上記剥離ベルト316,317及び像保持体の一体化物を加熱する場合、上記複数個のローラ318及び/又は複数個の回転体319を加熱体としても良いし、またヒータボックス320,321で熱雰囲気加熱を行っても良い。上記一体化物は剥離ベルト316,317が巻き付けられた分離ローラ322,323及び分離爪324,325によって、像支持体と各剥離ベルト316,317とに分離される。像支持体から分離した剥離ベルト317は、表面に転写されているトナーがクリーニング部材326でクリーニングされ、再び疎水性画像の剥離除去処理に使用される。上記クリーニング部材326で剥離ベルト317表面から除去されたトナーはトナー容器327内に収容される。一方、剥離ベルト316,317から分離された像支持体はもはや表面に疎水性画像はなく、再複写及び再記録が可能な状態になっている。この再複写・再記録が可能な像支持体は、搬送ローラ対328によって乾燥手段としての乾燥ベルト329上に導かれて乾燥される。乾燥された像支持体は搬送ローラ330によって排紙トレイ331上に排紙されて再複写・再記録可能な像支持体が得られる。
【0056】
図4は再生装置の更に他の構成例を示す正面図である。本再生装置は、像保持体の表面及び裏面の両面からトナーからなる疎水性画像を剥離除去できるように構成されている。図4において、トナーからなる疎水性画像が形成されている像保持体を給紙トレイ401から給紙ローラ402により給送し、ガイド板403を通して搬送の向きを水平方向から鉛直方向(上方)に変えながら搬送ローラ対404で液付与部に搬送する。液付与部では、まず低濃度液用の液付与ユニット405で像保持体の左右両面から低濃度液を付与する。この液付与ユニット405では、液容器406a,b内の低濃度液407をそれぞれ汲み上げローラ408a,bで塗布ローラ409a,b表面に汲み上げ、この1組の塗布ローラ409a,bにより像保持体の両面に同時に付与する。次いで高濃度液用の液付与ユニット410で像保持体の左右両面から高濃度液を付与する。この液付与ユニット410では、液容器411a,b内の高濃度液412をそれぞれ汲み上げローラ413a,bで塗布ローラ414a,b表面に汲み上げ、この1組の塗布ローラ414a,bにより像保持体の両面に同時に付与する。なお、本図では、低濃度液407用の液容器406a,b及び高濃度液412用の液容器411a,bはそれぞれ独立しているように図示してあるが、実際は液容器406a,b同士、及び液容器411a,b同士はそれぞれ図示しない連通管で繋がっており、液容器406a,b内の低濃度液407同士、及び液容器411a,b内の高濃度液412同士は、それぞれ常に同一濃度になるようにしてある。
【0057】
そして、液付与ユニット410で高濃度液が付与された像保持体は、再び搬送の向きを水平方向に変えながら搬送ローラ対415によって剥離部に導かれる。剥離部では、高濃度液412を両面に付与した像保持体を、一体化ローラ416,417によって2つの剥離ベルト418,419で密着挟持して一体化した後、連続接触状態で千鳥状に配設した複数個のローラ420と複数個の回転体421とにより加熱加圧して、像保持体から表裏両面の疎水性画像を剥離ベルト418,419に転写して除去する。ここで、上記剥離ベルト418,419及び像保持体の一体化物を加熱する場合、上記複数個のローラ420及び/又は複数個の回転体421を加熱体としても良いし、またヒータボックス422,423で熱雰囲気加熱を行っても良い。上記一体化物は剥離ベルト418,419が巻き付けられた分離ローラ424,425及び分離爪426,427によって、像支持体と各剥離ベルト418,419とに分離される。像支持体から分離した剥離ベルト418,419は、表面に転写されているトナーがクリーニング部材428,429でクリーニングされ、再び疎水性画像の剥離除去処理に使用される。上記クリーニング部材で剥離ベルト418,419表面から除去されたトナーはそれぞれトナー容器430,431内に収容される。一方、剥離ベルト418,419から分離された像支持体はもはや表面に疎水性画像はなく、再複写及び再記録が可能な状態になっている。この再複写・再記録が可能な像支持体は、搬送ローラ対432によって乾燥ベルト433上に導かれて乾燥される。乾燥された像支持体は搬送ローラ434によって排紙トレイ435上に排紙されて再複写・再記録可能な像支持体が得られる。
【0058】
図5は再生装置に採用することができる液付与装置の他の構成例を示す正面図である。図5において、トナーからなる疎水性画像が形成されている像保持体を矢印501の方向から搬送ガイド板502を通して低濃度液用の液付与ユニット503に搬送する。この液付与ユニット503は必要に応じて複数種類(本図の例では3種類)の塗布ローラによって複数回液付与できるように構成されている。まず、液容器504内の低濃度液505を汲み上げローラ506で塗布ローラ507表面に汲み上げ、塗布ローラ507と搬送ローラ508により像保持体の疎水性画像形成面に付与する。そして、搬送ガイド板509を通して搬送されてきた像保持体に、汲み上げローラ509で汲み上げられた低濃度液505を塗布ローラ511と搬送ローラ512とにより必要に応じて付与する。更に、搬送ガイド板513を通して搬送されてきた像保持体に、汲み上げローラ514で汲み上げられた低濃度液505を塗布ローラ515と搬送ローラ516とにより必要に応じて付与する。このように低濃度液505が付与された像保持体は、搬送ガイド板517を通して高濃度液用の液付与ユニット518に搬送する。
【0059】
この液付与ユニット518も前記低濃度用の液付与ユニット503と同様に、必要に応じて複数種類(本図の例では3種類)の塗布ローラによって複数回液付与できるように構成されている。まず、液容器519内の高濃度液520を汲み上げローラ521で塗布ローラ522表面に汲み上げ、塗布ローラ522と搬送ローラ523により前記低濃度液が付与された表面に付与する。そして、搬送ガイド板524を通して搬送されてきた像保持体に、汲み上げローラ525で汲み上げられた高濃度液520を塗布ローラ526と搬送ローラ527とにより必要に応じて付与する。更に、搬送ガイド板528を通して搬送されてきた像保持体に、汲み上げローラ529で汲み上げられた低濃度液520を塗布ローラ530と搬送ローラ531とにより必要に応じて付与する。このように高濃度液520が付与された像保持体は、搬送ガイド板532を通して矢印533方向に搬送され剥離部への導かれる。
【0060】
上記構成の液付与装置において、上記低濃度液用の3つの汲み上げローラ506,510,514は一つの液容器504内の低濃度液505に浸漬され、上記高濃度液用の3つの汲み上げローラ521,525,529は一つの液容器519内の高濃度液520に浸漬されている。そして、低濃度液505及び高濃度液520をそれぞれ像保持体の疎水性画像面に所定量コンスタントに付与し続けるためには、各液容器504,519内のそれぞれの液量を一定に保つ必要がある。従って、低濃度液用の液付与ユニット503では、低濃度液の補充液534を充填した補充容器535からポンプなどの液供給機構536で液容器504内に補充液534を必要に応じて供給し、液容器504内の液量が一定になるようにしている。また、高濃度液用の液付与ユニット518では、高濃度液の補充液537を充填した補充容器538からポンプなどの液供給機構539で液容器519内に補充液537を必要に応じて供給し、液容器519内の液量が一定になるようにしている。
【0061】
図6は再生装置に採用することができる液付与装置の更に他の構成例を示す正面図である。この液付与装置は像保持体の表面及び裏面の両面から液を付与できるように構成されている。図6において、まず低濃度液用の液付与ユニット603で像保持体の左右両面から低濃度液を同時に付与する。この液付与ユニット603では、液容器604a,b内の低濃度液605をそれぞれ汲み上げローラ606a,bで塗布ローラ607a,b表面に汲み上げ、この1組の塗布ローラ607a,bにより、搬送ローラ608で搬送されてきた像保持体の両面に同時に付与する。次いで高濃度液用の液付与ユニット609で像保持体の左右両面から高濃度液を付与する。この液付与ユニット609では、液容器610a,b内の高濃度液611をそれぞれ汲み上げローラ612a,bで塗布ローラ613a,b表面に汲み上げ、この1組の塗布ローラ613a,bにより像保持体の両面に同時に付与する。その後、搬送ローラ614により矢印615の方向に搬送して剥離部に導く。
(以下、余白)
【0062】
なお、上記搬送ガイド板602は塗布ローラ607a,b、613a,b及び搬送ローラ608、614と接触する部分に開口が形成されており、搬送されてくる像保持体と各ローラとが接触でき、像保持体の表裏両面同時に液605,611を付与できるようになっている。
【0063】
また、本図では低濃度液605用の液容器604a,b及び高濃度液611用の液容器610a,bはそれぞれ独立しているように図示してあるが、実際は液容器604a,b同士、及び液容器610a,b同士はそれぞれ図示しない連通管で繋がっており、液容器604a,b内の低濃度液605同士、及び液容器610a,b内の高濃度液611同士は、それぞれ常に同一濃度になるようにしてある。
【0064】
また、低濃度液605及び高濃度液611をそれぞれ像保持体の疎水性画像面に所定量コンスタントに付与し続けるためには、各液容器604,610内のそれぞれの液量を一定に保つ必要がある。従って、低濃度液用の液付与ユニット603では、低濃度液の補充液616を充填した補充容器617からポンプなどの液供給機構618で液容器604内に補充液616を必要に応じて供給し、液容器604内の液量が一定になるようにしている。また、高濃度液用の液付与ユニット609では、高濃度液の補充液619を充填した補充容器620からポンプなどの液供給機構621で液容器610内に補充液619を必要に応じて供給し、液容器610内の液量が一定になるようにしている。
【0065】
また、上記両面処理可能な装置において、剥離除去処理の前に像保持体の画像面が両面であるか片面であるかを検知し、その検知結果に基づいて、片面の像保持体であればその画像面のみに液を付与し、両面の像保持体であれば表裏両面の画像面に液を付与するように上記液付与ユニットを制御しても良い。この構成の場合は、画像のない面に液を付与しないため、更に液の無駄使いを防止することができる。
【0066】
【実施例】
〔実施例1〜4〕
通常のPPC複写機(リコー社製,商品名:RICOPY FT2200)にて熱可撓性のトナーからなる疎水性画像を片面に形成した像保持体としての用紙の複写画像面に、低濃度の界面活性剤を含んだ画像除去促進液(低濃度液)として2重量%のエアロゾルOT−100界面活性剤(三井サイテック社製,商品名;AOTと呼ぶこともある)と2.9重量%のイソプロパノールとを含んだ水溶液を表10に示すような量で付与し、次いで高濃度の界面活性剤を含んだ画像除去促進液(高濃度液)として34重量%のエアロゾルOT−100界面活性剤と22重量%のエチレングリコールと17重量%のイソプロパノールとを含んだ水溶液を実施例1〜4においては同一条件で付与した。その結果、低濃度液の付与量と高濃度液の付与量とは反比例することが見い出された。すなわち、低濃度液を多量に付与し、次いで高濃度液を付与すると、該高濃度液の付与量は少量でよいことが見いだされた。ここで、低濃度液を多量に付与したとしても、界面活性剤の濃度は低濃度であるため、該界面活性剤の消費量はわずかである。更に、本実施例1〜4では、上記低濃度液及び高濃度液に含まれる界面活性剤として、共にエアロゾルOT−100を使用しているため、低濃度液の付与に続いて高濃度液の付与を行った結果としての全エアロゾルOT−100の全消費量も少なくてすみ、画像剥離除去処理に必要な界面活性剤の量が少量で良いことが見いだされた。
【0067】
また、上記実施例1〜4に対する比較例1として、実施例1〜4と同一の熱可撓性のトナーからなる疎水性画像を片面に形成した像保持体としての用紙の複写画像面に、高濃度の界面活性剤を含んだ画像除去促進液(高濃度液)のみを実施例1〜4と同一条件で付与したところ、表10に示すように該高濃度液の付与量は実施例1〜4の場合に比較して多量であることが見いだされた。
(以下、余白)
【0068】
【表10】
Figure 0003671075
【0069】
〔実施例5〜8〕
通常のPPC複写機(リコー社製,商品名:RICOPY FT2200)にて熱可撓性のトナーからなる疎水性画像を片面に形成した像保持体としての用紙の複写画像面に、低濃度の界面活性剤を含んだ画像除去促進液(低濃度液)として2重量%のエアロゾルOT−100界面活性剤(三井サイテック社製,商品名)と2.9重量%のイソプロパノールとを含んだ水溶液を表11に示すような量で付与し、次いで高濃度の界面活性剤を含んだ画像除去促進液(高濃度液)として34重量%のエアロゾルOT−100界面活性剤と22重量%のエチレングリコールと17重量%のイソプロパノールとを含んだ水溶液を実施例5〜8においては同一条件で付与した。その後、該用紙をポリエーテルエーテルケトンからなる剥離部材で密着挟持した一体化物を千鳥状に連続接触状態に配設して98°Cに加熱してある複数個のローラ及び複数個の回転体間を搬送することにより、該用紙から疎水性の複写画像の剥離除去を行った。その結果、表11の画像の剥離性の欄に示すように、上記用紙の表面から疎水性の複写画像はきれいに剥離され、紙破れも起こらず、また紙のシワ、伸び、カールなども発生せず、無地のしかも紙面を傷めることなく再複写・再記録可能な用紙が得られた。更に、上記画像除去促進液中の界面活性剤の消費量も最も少ない状態で最も優れた剥離性を示した。また、以上の剥離除去処理及び再使用を10回繰り返したが、繰り返しを行わなかった用紙(新しい未使用の用紙)と同じ複写品質の複写画像が得られた。
【0070】
また、上記実施例5〜8に対する比較例2として、実施例5〜8と同一の熱可撓性のトナーからなる疎水性画像を片面に形成した像保持体としての用紙の複写画像面に、実施例5〜8と同一の高濃度の界面活性剤を含んだ画像除去促進液(高濃度液)のみを実施例5〜8と同一条件で付与した後、実施例5〜8と同様に該用紙から疎水性の複写画像の剥離除去を行ったところ、複写画像はきれいに剥離除去されず、再複写・再記録するには困難な状態であった。また、界面活性剤の消費量も多かった。
【0071】
また、上記実施例5〜8に対する比較例3として、上記比較例2において上記高濃度の界面活性剤を含んだ画像除去促進液(高濃度液)の代わりに、実施例5〜8と同一の低濃度の界面活性剤を含んだ画像除去促進液(低濃度液)を使用した以外は、全て上記比較例2と同一条件で剥離除去処理を行ったところ、用紙から疎水性の複写画像はほとんど剥離除去されなかった。
【0072】
【表11】
Figure 0003671075
【0079】
〔実施例15〜17〕
通常のPPC複写機(リコー社製,商品名:RICOPY FT2200)にて熱可撓性のトナーからなる疎水性画像を片面に形成した像保持体としての用紙の複写画像面に、低濃度の界面活性剤を含んだ画像除去促進液(低濃度液)として2重量%のエアロゾルOT−100界面活性剤(三井サイテック社製,商品名)と2重量%のS113フッ素系界面活性剤(旭硝子社製,商品名)との混合物の水溶液を表14に示すような量で付与し、次いで高濃度の界面活性剤を含んだ画像除去促進液(高濃度液)として40重量%のエアロゾルOT−100界面活性剤と5重量%のS145フッ素系界面活性剤(旭硝子社製,商品名)と2重量%のAA界面活性剤(ミヨシ油脂社製)との混合物と40重量%のイソプロパノールとを含んだ水溶液を実施例15〜17においては同一条件で付与した。その後、上記実施例5〜8と全く同じ条件で用紙から疎水性の複写画像を剥離除去する処理を行ったところ、表14の画像の剥離性の欄に示すように、上記用紙の表面から疎水性の複写画像はきれいに剥離され、紙破れも起こらず、また紙のシワ、伸び、カールなども発生せず、無地のしかも紙面を傷めることなく再複写・再記録可能な用紙が得られた。更に、上記画像除去促進液中の界面活性剤の消費量も最も少ない状態で最も優れた剥離性を示した。また、以上の剥離除去処理及び再使用を10回繰り返したが、繰り返しを行わなかった用紙(新しい未使用の用紙)と同じ複写品質の複写画像が得られた。
【0080】
また、上記実施例15〜17に対する比較例6として、実施例15〜17と同一の熱可撓性のトナーからなる疎水性画像を片面に形成した像保持体としての用紙の複写画像面に、実施例15〜17と同一の高濃度の界面活性剤を含んだ画像除去促進液(高濃度液)のみを実施例15〜17と同一条件で付与した後、実施例15〜17と同様に該用紙から疎水性の複写画像の剥離除去を行ったところ、複写画像はきれいに剥離除去されず、再複写・再記録するには困難な状態であった。また、界面活性剤の消費量も多かった。
【0081】
【表14】
Figure 0003671075
【0082】
〔実施例18,19〕
通常のPPC複写機(リコー社製,商品名:RICOPY FT2200)にて熱可撓性のトナーからなる疎水性画像を片面に形成した像保持体としての用紙の複写画像面に、低濃度の界面活性剤を含んだ画像除去促進液(低濃度液)として2重量%のエアロゾルOT−100界面活性剤(三井サイテック社製,商品名)と2重量%のS113フッ素系界面活性剤(旭硝子社製,商品名)との混合物の水溶液を表15に示すような量で付与し、次いで高濃度の界面活性剤を含んだ画像除去促進液(高濃度液)として40重量%のエアロゾルOT−100界面活性剤と50重量%のエチレングリコールとを含んだ水溶液を実施例18,19においては同一条件で付与した。その後、上記実施例5〜8と全く同じ条件で用紙から疎水性の複写画像を剥離除去する処理を行ったところ、表15の画像の剥離性の欄に示すように、上記用紙の表面から疎水性の複写画像はきれいに剥離され、紙破れも起こらず、また紙のシワ、伸び、カールなども発生せず、無地のしかも紙面を傷めることなく再複写・再記録可能な用紙が得られた。更に、上記画像除去促進液中の界面活性剤の消費量も最も少ない状態で最も優れた剥離性を示した。
【0083】
また、上記実施例18,19に対する比較例7として、実施例18,19と同一の熱可撓性のトナーからなる疎水性画像を片面に形成した像保持体としての用紙の複写画像面に、実施例18,19と同一の高濃度の界面活性剤を含んだ画像除去促進液(高濃度液)のみを実施例18,19と同一条件で付与した後、実施例18,19と同様に該用紙から疎水性の複写画像の剥離除去を行ったところ、複写画像はきれいに剥離除去されず、再複写・再記録するには困難な状態であった。また、界面活性剤の消費量も多かった。
(以下、余白)
【0084】
【表15】
Figure 0003671075
【0087】
〔実施例22〕
通常のPPC複写機(リコー社製,商品名:RICOPY FT2200)にて熱可撓性のトナーからなる疎水性画像を表裏両面に形成した像保持体としての用紙の複写画像面(両面)に、低濃度の界面活性剤を含んだ画像除去促進液(低濃度液)として2重量%のエアロゾルOT−100界面活性剤(三井サイテック社製,商品名)と2重量%のS113フッ素系界面活性剤(旭硝子社製,商品名)との混合物の水溶液を0.4g/A4付与し、次いで高濃度の界面活性剤を含んだ画像除去促進液(高濃度液)として40重量%のエアロゾルOT−100界面活性剤(三井サイテック社製,商品名)と50重量%のエチレングリコールとを含んだ水溶液を0.5g/A4付与し、前記用紙の表裏両面から疎水性の複写画像の同時剥離除去を行った。その結果、該用紙の表裏両面から疎水性の複写画像はきれいに剥離され、紙破れも起こらず、また紙のシワ、伸び、カールなども発生せず、無地のしかも紙面を傷めることなく表裏両面ともに再複写・再記録可能な用紙が得られた。更に、上記画像除去促進液中の界面活性剤の消費量も最も少ない状態で最も優れた剥離性を示した。また、以上の剥離除去処理及び再使用を5回繰り返したが、繰り返しを行わなかった用紙(新しい未使用の用紙)と同じ複写品質の複写画像が得られた。
【0088】
【発明の効果】
請求項1乃至5の発明によれば、熱可撓性の像形成物質からなる疎水性画像が形成されている像保持体への液付与において、まず低濃度の界面活性剤を含む液を付与し、次いで高濃度の界面活性剤を含む液を付与することにより、該液を像支持体と疎水性画像との界面に浸透させる。この界面への液の浸透の際に像保持体の内部にも上記液が浸透するが、その内部に浸透した液の界面活性剤の濃度が低濃度であるため、最初に高濃度の界面活性剤を含む液を付与する場合に比して該像保持体内部に浸透する界面活性剤の量を極微量とすることができる。
また、上記像保持体に付与した低濃度の液中の界面活性剤の一部は像保持体上に残留するが、この残留量も極微量とすることができる。
また、上記低濃度の液中の界面活性剤は、高濃度の界面活性剤を含む液の溶媒に対して難溶性を示すものであったり、易溶性を示すものであったりする。ところが、該低濃度の液中の界面活性剤が、高濃度の界面活性剤を含む液の溶媒に対してたとえ易溶性を示すものであっても、濃度差の関係から難溶的挙動を示すので、該高濃度の界面活性剤を含む液の像保持体内部へ浸透する量がわずかになる。
このように像保持体内部に浸透する界面活性剤及び像保持体上に残留する界面活性剤の量を極微量とすることができるので、最初に高濃度の界面活性剤を含む液を付与する場合に比して界面活性剤の消費量を低減し、像保持体の再生装置システム全体のコスト低減を図ることができるという効果がある。
【0089】
更に、上記低濃度の液中の界面活性剤が、高濃度の界面活性剤を含む液の溶媒に対して難溶性又は難溶的挙動を示すので、上記像保持体上に残留した上記低濃度の液の界面活性剤が上記高濃度の液に溶解する量が極く微量となる。従って、該低濃度の液中の界面活性剤が該高濃度の界面活性剤を含む液の溶媒に対して難溶性でない場合に比して、該溶解した界面活性剤の該高濃度の液への濃度変化に対する寄与はほとんどなく、該高濃度の液を繰り返し使用しても該液中の界面活性剤の濃度を所定範囲内に維持することができるという効果がある。
【0090】
また更に、上記低濃度の液中の界面活性剤が、高濃度の界面活性剤を含む液の溶媒に対して難溶性又は難溶的挙動を示すので、該低濃度の界面活性剤を含む液を付与した後、直ちに該高濃度の界面活性剤を含む液を付与した場合に、該高濃度の界面活性剤が像保持体上にあまり蓄積しなくなり、像保持体上に残留する界面活性剤の量が微量となる。従って、再生した像支持体を画像形成に再使用する際の画像の定着性の悪化を防止できるという効果がある。
【0091】
また更に、上記低濃度の界面活性剤を含む液を付与した面に、高濃度の界面活性剤を含む液を付与すると、該像保持体上の疎水性画像が該高濃度の界面活性剤を含む液に溶け込む力を受けるとともに、該疎水性画像と該像支持体との界面に該高濃度の界面活性剤を含む液を充分な量だけ浸透させることができ、液を1回だけ付与する場合に比して、該疎水性画像の剥離・除去を容易に行うことができるという効果がある。
【0092】
特に、請求項3の発明によれば、請求項2の像保持体の再生装置において上記界面活性剤として用いるコハク酸系界面活性剤又は含フッ素系界面活性剤が水に対して難溶性を示すので、上記液の溶媒として水を用いても前述のように上記高濃度の液中の界面活性剤の濃度を所定範囲内に維持できるとともに、再生した像支持体を画像形成に再使用する際の画像の定着性の悪化を防止できるという効果がある。特に含フッ素系界面活性剤を用いた場合には、フッ素部分成分が像支持体の表面に現れるため、再生した像支持体の表面を滑らかにでき、剥離処理において一度剥離した像形成物質が再び像支持体に逆転写しないという効果がある。
【0093】
また特に、請求項4の発明によれば、上記像保持体の表面及び裏面の両面から疎水性画像を剥離して除去する請求項2の像保持体の再生装置において、該像保持体の両面に、低濃度の界面活性剤を含む液を表裏同時に付与した後、高濃度の界面活性剤を含む液を表裏同時に付与することにより、像保持体の両面から像保持体内部に浸透する界面活性剤及び像保持体の両面に残留する界面活性剤の量を極微量とすることができるので、片面に対する液付与処理に比して液の消費が多くなる傾向がある両面に対する液付与処理においても、像保持体の再生装置システム全体のコスト低減を図ることができるという効果がある。
【0094】
また特に、請求項5の発明によれば、像保持体に低濃度の界面活性剤を含む液を複数回付与した後、高濃度の界面活性剤を含む液を複数回付与することにより、各界面活性剤を含む液の複数回付与のうち最初の液付与で、像保持体をある程度膨潤させて像支持体と疎水性画像との界面に微小な隙間を発生させるため、該界面に液が浸透しやくする。従って、低濃度の液及び高濃度の液をそれぞれ1回ずつ付与する場合に比して、該界面に液を浸透させて疎水性画像を像保持体から剥離・除去するために必要な像保持体に対する液付与量を低減することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】界面活性剤のトナーへの吸着状態を説明したモデル図。
【図2】本発明の一実施の態様に係る像保持体の再生装置の概略構成を示す正面図。
【図3】他の実施の態様に係る像保持体の再生装置の概略構成を示す正面図。
【図4】更に他の実施の態様に係る像保持体の再生装置の概略構成を示す正面図。
【図5】変形例に係る液付与装置の概略構成を示す正面図。
【図6】他の変形例に係る液付与装置の概略構成を示す正面図。
【符号の説明】
A 像形成物質
B 界面活性剤の親水基
C 界面活性剤の疎水基
D セルロース繊維
204,208 液容器
205 低濃度液
206,210 塗布ローラ
207,211 搬送ローラ
209 高濃度液
212 剥離ローラ
304,309 液容器
305 低濃度液
306,311 汲み上げローラ
307,312 塗布ローラ
308,313 搬送ローラ
310 高濃度液
314,315 一体化ローラ
316,317 剥離ベルト
318 ローラ
319 回転体
405,410 液付与ユニット
406a,b,411a,b 液容器
407 低濃度液
408a,b,413a,b 汲み上げローラ
409a,b,414a,b 塗布ローラ
412 高濃度液
416,417 一体化ローラ
418,419 剥離ベルト
420 ローラ
421 回転体
503,518 液付与ユニット
504,519 液容器
505 低濃度液
506,510,514,521,525,529 汲み上げローラ
507,511,515,522,526,530 塗布ローラ
508,512,516,523,527,531 搬送ローラ
520 高濃度液
534 低濃度液の補充液
535,538 補充容器
536,539 液供給機構
537 高濃度液の補充液
603,609 液付与ユニット
604a,b,610a,b 液容器
605 低濃度液
606a,b,612a,b 汲み上げローラ
607a,b,613a,b 塗布ローラ
611 高濃度液

Claims (5)

  1. 熱可撓性の像形成物質からなる疎水性画像が形成されている像保持体に、界面活性剤を含む液を複数回に分けて付与する液付与工程と、該液を付与した像保持体の表面から該疎水性画像を剥離して除去する剥離工程とを有する像保持体の再生方法において、
    該液付与工程で、該像保持体に、0.01〜5重量%の低濃度の界面活性剤を含む液を付与した後、より高濃度の界面活性剤を含む液を付与することを特徴とする像保持体の再生方法。
  2. 熱可撓性の像形成物質からなる疎水性画像が形成されている像保持体に、界面活性剤を含む液を複数回に分けて付与する液付与手段と、該液を付与した像保持体の表面から該疎水性画像を剥離して除去する剥離手段とを有する像保持体の再生装置において、
    該液付与手段を、該像保持体に、0.01〜5重量%の低濃度の界面活性剤を含む液を付与した後、より高濃度の界面活性剤を含む液を付与するように構成したことを特徴とする像保持体の再生装置。
  3. 請求項2の像保持体の再生装置において、
    上記界面活性剤として、コハク酸系界面活性剤及び/又は含フッ素系界面活性剤を用いたことを特徴とする像保持体の再生装置。
  4. 上記像保持体の表面及び裏面の両面から疎水性画像を剥離して除去する請求項2の像保持体の再生装置において、
    上記液付与手段を、該像保持体の両面に、低濃度の界面活性剤を含む液を表裏同時に付与した後、高濃度の界面活性剤を含む液を表裏同時に付与するように構成したことを特徴とする像保持体の再生装置。
  5. 熱可撓性の像形成物質からなる疎水性画像が形成されている像保持体に、界面活性剤を含む液を複数回に分けて付与する液付与手段と、該液を付与した像保持体の表面から該疎水性画像を剥離して除去する剥離手段とを有する像保持体の再生装置において、
    液付与手段を、像保持体に低濃度の界面活性剤を含む液を複数回付与した後、高濃度の界面活性剤を含む液を複数回付与するように構成したことを特徴とする像保持体の再生装置
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