JP3379513B2 - オルガノハロシランの製造方法 - Google Patents

オルガノハロシランの製造方法

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    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F7/00Compounds containing elements of Groups 4 or 14 of the Periodic Table
    • C07F7/02Silicon compounds
    • C07F7/08Compounds having one or more C—Si linkages
    • C07F7/12Organo silicon halides
    • C07F7/16Preparation thereof from silicon and halogenated hydrocarbons direct synthesis

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オルガノハロシラ
ンの製造方法に関し、更に詳しくは、有効シランの生産
速度を向上させた工業的な直接法によるオルガノハロシ
ランの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】アルキ
ルハロシランの合成法に関しては、米国特許第2,38
0,995号公報においてE.Rochowが銅触媒に
よる金属珪素とアルキルハライドとの直接法を開示して
以来、銅触媒の存在下で用いる種々の助触媒に関するも
の、反応装置に関するもの、反応時の添加物に関するも
のなど、数多くの研究者によって、その成果の向上が報
告されてきた。オルガノハロシランの工業的合成におい
ては、シリコーン樹脂に最も多用されるジオルガノジハ
ロシランの選択性、シランの生成速度及び金属珪素の有
効シランヘの高転換率が重要とされる。ジオルガノジハ
ロシランの選択性は、生成シラン中の重量比(あるいは
モル比)、及びT/D比により評価される。生成オルガ
ノハロシラン中に含まれる物質としては、ジオルガノジ
ハロシラン(D)、トリオルガノハロシラン(M)、オ
ルガノトリハロシラン(T)などが挙げられ、オルガノ
ヒドロジハロシラン(H)やオルガノハロジシラン類も
生成する。特に、この直接法によるオルガノハロシラン
類を原料とするシリコーンの製造業者において、高留分
と呼ばれるジシラン類は有効な製品への誘導が少なく、
殆どが残渣として廃棄されている。T/D比とは全生成
オルガノハロシラン中のオルガノトリハロシランとジオ
ルガノジハロシランの組成比であり、T/D比が小さい
ほど好ましい。一方、オルガノハロシランの生成速度
は、STY(Space Time Yield)値を
用いる。STY値は反応器内に保持される金属珪素重量
に対する単位時間当たりの生成粗ジオルガノハロシラン
の重量である。これら、生成ジオルガノハロシラン組成
の向上あるいはT/D比の低下及びSTY値を向上させ
るため、触媒、助触媒を中心とした種々の研究がなされ
てきた。
【0003】1959年1月24日付のソヴィエト出願
明細書第617,569号(発明者証第122,749
号)では金属珪素−銅合金にアンチモンを20〜40p
pm添加した反応が開示されている。このときジメチル
ジクロロシランの組成は40%から60%へ向上したこ
とが示されている。また、米国特許第4,500,72
4号公報においては、200〜3,000ppmの錫を
含有する銅/亜鉛/錫系触媒を用いることによりT/D
比が0.037に向上したことが示されている。更に、
特公平6−92421号公報においては、砒素濃度にし
て50ppm以上の砒化銅を用いた反応が開示されてい
る。これら錫、アンチモン、砒素助触媒は金属珪素−銅
からなる反応触体に添加することで反応活性を高め、従
って金属珪素の反応率を向上させ得ることが述べられて
いる。
【0004】1964年6月2日付のソヴィエト出願明
細書第903,369号(発明者証第178,817
号)では、亜鉛、ビスマス、リン(200ppm)、砒
素、錫、鉄から選択された助触媒を用いてジメチルジク
ロロシランの組成が前述の出願明細書第617,569
号(発明者証第122,749号)から72.1%まで
向上している。また、1969年11月20日付のソヴ
ィエト出願明細書第1,152,943号(発明者証第
237,892号)において、リン、銅、珪素、珪素合
金の形態で触体に対して2,500〜30,000pp
mのリンを添加することが示されており、ジメチルジク
ロロシラン組成は82.3%と改善されている。また、
米国特許第4,602,101号公報(特公平5−51
596号公報)においては、反応器内で元素状のリンが
発生するリン化合物を触体に対して25〜2,500p
pm添加することが示されている。この特許の場合にお
いては、ロシア特許に比べて反応成績が向上しているも
のの、発火性のある単体リンの使用など安全性や原材料
のコストアップなどの問題があり、これも商業規模の反
応器に適しているとは言い難い。また、F.Komit
skyら(Silicon for the Chem
ical Industry IV,Geirange
r,Norway(1998)p.217)は、リン化
銅のような形での添加も提案しているが、反応率が低
く、リンの有効利用及びリン濃度のコントロールの困難
さといった問題があった。また、米国特許第6,02
5,513号公報においては、意図的に硼素濃度を制御
する触体系を使用することで、合理的に生産性を向上さ
せる方法が開示されている。米国特許第5,059,7
06号公報においては、気相によりリン化合物を反応器
に導入することにより、選択性を向上させる方法が開示
されている。米国特許第6,005,130号公報で
は、オルガノモノホスフィンを導入することにより、選
択性を向上させる方法が開示された。
【0005】しかしながら、従来のリンを主たる元素と
した添加物の類は、活性と組成選択性とにおいて著しい
トレードオフ現象がみられるものである。特に、リン由
来の酸化物が粉体表面の流動性の悪化を招く等の指摘も
あり、従来のリン含有添加物は、商業規模の連続操業に
おいては、メリットを得にくいという特徴を有するもの
である。それら以外の添加剤としては、L.ROSC
H、W.KALCHAUERら(Silicon fo
r the Chemical Industry I
V,Sandefjord,Norway(199
6))は、モノメチルジクロロシランを導入することに
より、活性を向上させる方法を開示している。しかしな
がら、それは初期のみ有効であり、商業規模の連続操業
において持続的に効果を発揮するものとは言い難い。
【0006】本発明は、上記事情を鑑みてなされたもの
であり、有効シランの生産速度を向上させた、直接法に
よるオルガノハロシランの製造方法を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った
結果、従来とは全く異なる発想から全く独特の作用を有
する活性剤として、有機ダイホスフィン化合物などの分
子中にリン原子を2個以上含むポリ(オルガノ)ホスフ
ィノ化合物を使用することが、特に有効シランの生産速
度を向上させるために有効であることを知見した。
【0008】即ち、本発明は、従来の有効シラン組成を
向上させる添加物、金属リン、酸化リン、リン化銅、リ
ン化錫、リン化亜鉛、リン化アルミニウム、リン化アン
チモン、三塩化リン、トリメチルホスフィン、トリフェ
ニルホスフィンの如きリン化合物を助触媒として直接法
(Direct Method,Rochow法)を実
施した場合にみられる現実的欠点を解決するために、つ
まり、ジオルガノジハロシランの組成は増加させるが、
反応速度を減少させるために有効シランの生産性を低下
させるという短所を解決することを目的とすると同時
に、従来の活性を向上させる添加物又はモノメチルジク
ロロシランの如き化合物を活性剤として直接法を実施す
る場合には達成し得ない生産速度の向上を実機で実現す
るために鋭意努力し、下記一般式(2)で示されるポリ
(オルガノ)ホスフィノ化合物、特に下記一般式(3)
で示される有機ダイホスフィン化合物を添加する方法を
見出したものである。
【0009】具体的には、モノホスフィンではなく、式
(3)の有機ダイホスフィン化合物等の式(2)のポリ
(オルガノ)ホスフィノ化合物を反応系に添加すると
き、有効シランの組成を殆ど変化させることなく、大幅
に生産速度のみを増大させることを偶然発見したことに
基づくものである。
【0010】
【化3】 (式中、R1,R2,R3,R4は1価炭化水素基、Y2
2価有機基を示し、aは0又は1、bは1以上の整数で
ある。)
【0011】
【化4】 (式中、R1,R2,R3,R4は上記と同じ、cは0以上
の整数である。)
【0012】更に詳述すると、オルガノハロシランの工
業的製造は1904年Kippingによって発見され
て以来、直接法が発見されるまでの間、グリニャール法
によった。しかしながら、グリニャール法は、工程が複
雑であることや溶剤を大量に使用することからくる危険
性もあり、現在では特殊なシラン類、カーボンファンク
ショナルシランなどの製造に用いられているのみであ
る。その後のE.Rochowによる直接合成法の発見
(米国特許第2,380,995号公報)は、シリコー
ン工業を飛躍的に発展させたことで大変な意義を持つも
のであるが、一方で高温反応であるが故に、有機合成の
観点から更なる改良の道を拓くことを困難なものにし
た。しかし、本発明者らは、直接法が発見されるまでの
有機合成法の系譜を重視し、直接法に間接法(グリニャ
ール反応)の手法を組み合わせることで、更なる精密合
成への道を切り開くことに心血を注いできた。本発明者
らは、直接法の触媒の機能を設計する上での本質は、特
に金属触媒と珪素の表面相に作用する配位結合性原子の
数とその立体配座を原子サイズで分子修飾することであ
ると考えた。本発明は、これを現実のものにするため
に、特に、グリニャール法におけるクロスカップリング
反応(M.Kumada et a1.,J.Am.C
hem.Soc.,106,158(1984))に着
想の源泉を得たものである。本発明者らは、上記クロス
カップリング反応における金属を直接法における反応表
面固相と置き換えることにより、ポリ(オルガノ)ホス
フィノ化合物、特に有機ダイホスフィン化合物の特質を
直接法に応用することに挑戦した。
【0013】ポリ(オルガノ)ホスフィノ化合物、特に
有機ダイホスフィン化合物を直接法で使用する本発明
は、反応表面固相上で複数の特定方向から確率的に隣接
原子と相互作用することを見込んだ配位子化合物を使用
する方法であり、従来の改良法である金属原子集合体の
導入や低分子気相を導入する処方とは全く異なる発想で
ある。本発明者らは、この着想に基づき種々のポリ(オ
ルガノ)ホスフィノ化合物を体系的に鋭意検討した。そ
の結果、本発明者らは驚くべき発見をした。即ち、これ
らポリ(オルガノ)ホスフィノ化合物は、従来の活性剤
に比べて極微量の使用量により有効であり、とりわけ生
産速度を著しく向上させる効果を発揮し、しかも有効シ
ラン量の比率を減ずることがないという新知見を本発明
者らが見出すに至ったのである。
【0014】更に、本発明者らは、従来の工学的処方で
は反応性が低く定常使用が困難な珪素原料を使用した場
合においてさえ、本発明によるポリ(オルガノ)ホスフ
ィノ化合物、特に有機ダイホスフィン化合物を使用する
ことにより、並の品位の金属珪素を使用する場合の生産
性を凌ぐ活性を付与することができることを明らかにし
た。本発明者らは、オルガノハロシラン製造において、
珪石から珪素への製錬工程を含んだトータルシステムの
合理化を図る上で、ポリ(オルガノ)ホスフィノ化合物
の本発明に使われる添加法が、純度のグレードを落とし
た低コストの珪素原料を使いこなす方法の礎となると考
える。
【0015】強調すると、本発明は、式(2)のポリ
(オルガノ)ホスフィノ化合物を反応系に添加すると
き、有効シランの組成を殆ど変化させることなく、大幅
に生産速度を増大させることを発見したことに基づくも
のである。
【0016】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のオルガノハロシランの製造方法は、反応器内に
金属珪素粉末と銅触媒とを含む触体を仕込み、オルガノ
ハライドを含むガスを導入して、下記一般式(1) RnmSiX4-n-m (1) (式中、Rは炭素数1〜6の1価炭化水素基、Xはハロ
ゲン原子を示し、n,mはそれぞれ0〜3の整数で、n
+m=1〜3を満足する。)で示されるオルガノハロシ
ランを製造する方法において、金属珪素及び触媒成分か
らなる触体が、上記一般式(2)で示されるポリ(オル
ガノ)ホスフィノ化合物、特に上記一般式(3)で示さ
れる有機ダイホスフィン化合物を含むことを特徴とする
ものである。
【0017】ここで、金属珪素は、通常、珪素の純度が
97重量%以上、特に純度が98重量%以上のものを用
いることが好ましい。また、金属珪素は粉砕し、適当な
粒度を持った粉末として使用することが好ましく、反応
器として流動床反応器又は撹拌床反応器を用いる場合
は、金属珪素粉末に良好な流動性を持たせるため、金属
珪素粉末の粒子径は篩分による重量基準累積分布曲線の
50%に相当する粒径として5〜150μmの範囲とす
ることが好ましい。
【0018】銅触媒としては、銅粉末、スタンピング銅
などの単体銅(金属銅)、あるいは酸化第一銅、酸化第
二銅、塩化銅等のハロゲン化銅、酢酸銅などの銅化合物
など、種々の形態のものを用いることができる。また助
触媒として、亜鉛、錫、アンチモン、砒素などの種々の
促進剤を用いてもよい。これら助触媒は、単独で用いて
も銅との合金等の形態で用いてもよく、銅との合金とし
ては、Cu−Zn,Cu−Sn,Cu−Zn−Sn(又
はSb,As)などが例示される。また、単独で用いる
形態において、助触媒として具体的には、金属亜鉛、塩
化亜鉛、酸化亜鉛、酢酸亜鉛の如き亜鉛化合物、金属
錫、塩化錫、酸化錫の如き錫化合物、金属アンチモン、
塩化アンチモン、酸化アンチモンの如きアンチモン化合
物、金属アルミニウム、塩化アルミニウム、酸化アルミ
ニウムの如きアルミニウム化合物、金属リン、三塩化リ
ン、酸化リンの如き無機リン化合物、トリメチルホスフ
ィン、トリフェニルホスフィンの如きモノアルキルホス
フィンなどを例示することができる。これら銅触媒、助
触媒は、反応器中に単独で仕込んでもい。
【0019】銅触媒の配合量は、金属珪素粉末100部
(重量部、以下同じ)に対して銅量に換算して0.1〜
10部、特に2〜8部とすることが好ましい。また、助
触媒の配合量は、その種類、形態等に応じた公知の配合
量において適宜選定され、例えば、亜鉛の配合量は金属
珪素粉末100部に対して0.05〜1部、錫、アンチ
モン及び砒素の配合量は金属珪素粉末に対していずれか
一種あるいは合計で0.001〜0.05部、好ましく
は0.005〜0.01部とするのがよい。
【0020】一方、金属珪素と反応させて、上記式
(1)のオルガノハロシランを得るためのオルガノハラ
イドとしては、製造すべきオルガノハロシラン、即ち式
(1)のRの種類(ここで、Rの1価炭化水素基として
は、アルキル基、アルケニル基、アリール基等が挙げら
れる)に応じて選定され、具体的には、塩化メチル、塩
化エチル、塩化プロピル、臭化メチル、臭化エチル、塩
化ベンゼン、臭化ベンゼンなどを例示することができ
る。この中で塩化メチル、塩化ベンゼンが好ましく、特
に工業的に最も有用なものは塩化メチルであり、これを
用いて製造されるジメチルジクロロシランは多くのシリ
コーン樹脂の原料として幅広い用途がある。オルガノハ
ライドは予め昇温し、ガス化した後、反応器へ送入す
る。この場合、オルガノハライドガスを単独で送入して
もよいし、不活性ガスと併せて触体が流動化する量とし
て算出され、用いる反応器の直径と空塔速度から適宜決
定される。
【0021】而して、本発明においては、上記金属珪素
粉末と銅触媒とを含む触体に、下記一般式(2)で示さ
れるポリ(オルガノ)ホスフィノ化合物、特に下記一般
式(3)で示される有機ダイホスフィン化合物を添加、
配合するものである。
【0022】
【化5】 (式中、R1,R2,R3,R4は1価炭化水素基、Y2
2価有機基を示し、aは0又は1、bは1以上の整数で
ある。)
【0023】
【化6】 (式中、R1,R2,R3,R4は上記と同じ、cは0以上
の整数である。)
【0024】ここで、R1〜R4の1価炭化水素基として
は、炭素数1〜12、特に1〜8のものであることが好
ましく、またR1〜R4は互いに同一でも異なっていても
よい。具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペン
チル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オ
クチル等のアルキル基、ビニル、アリル、プロペニル、
ブテニル、ヘキセニル等のアルケニル基、フェニル、キ
シリル、トリル等のアリール基、ベンジル、フェニルエ
チル等のアラルキル基などが挙げられる。好ましくはフ
ェニル基、メチル基、エチル基であり、特に好ましくは
フェニル基である。また、Y2は2価の有機基であり、
22がアルカン、アルケン、シクロアルカン、シクア
ルケンやこれらの金属化合物、芳香族化合物などとなる
官能基である。なお、上記金属化合物としては、フェロ
セン等のシクロアルケン金属化合物などを挙げることが
できる。Y2は好ましくは炭素数1〜20、特に1〜1
0のアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基など
が挙げられ、これらの基は、その水素原子の一部又は全
部が−COO基、−CO−O−CO−基(酸無水物基)
などで置換されていてもよく、またエーテル酸素原子、
カルボニル基などを含んでいてもよい。
【0025】また、aは0又は1、好ましくは1、bは
1以上、好ましくは1〜5の整数、特に好ましくは1又
は2であり、cは0以上の整数、好ましくは1〜10の
整数である。
【0026】式(2)のポリ(オルガノ)ホスフィノ化
合物で好ましいものは、ビス(ジフェニルホスフィノ)
メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタ
ン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、
1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,5
−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、1,6−ビ
ス(ジフェニルホスフィノ)ヘキサン、1,7−ビス
(ジフェニルホスフィノ)ヘプタン、1,8−ビス(ジ
フェニルホスフィノ)オクタン、1,9−ビス(ジフェ
ニルホスフィノ)ノナン、1,10−ビス(ジフェニル
ホスフィノ)デカン、2,2’−ビス(ジフェニルホス
フィノ)1,1’−ビナフチル、1,4−ビス(ジフェ
ニルホスフィノ)ブタン、2,3−ビス(ジフェニルホ
スフィノ)ブタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)エチレン、ビス(ジフェニルホスフィノエチレンエ
チル)フェニルホスフィン、1,1’−ビス(ジフェニ
ルホスフィノ)フェロセン、1,6−ビス(ジフェニル
ホスフィノ)ヘキサン、2,3−ビス(ジフェニルホス
フィノ)無水マレイン酸、1,2−ビス(ジフェニルホ
スフィノ)プロパン、ビス(2−ジフェニルホスフィノ
エチル)フェニルホスフィン、トリス[2−(ジフェニ
ルホスフィノ)エチル]ホスフィン、1,2−ビス(ジ
メチルホスフィノ)エタン等である。
【0027】オルガノハロシランの生産性を向上させる
には、珪素全量に対して、反応時間、スケール、金属珪
素の品位に応じて、ポリ(オルガノ)ホスフィノ化合物
を有効量使用するものであり、好ましくは1〜50,0
00ppm、更に好ましくは50〜10,000ppm
の添加量である。
【0028】触体の加熱又は触体への触媒活性付与工程
において、反応器の触体の流動化に用いる不活性ガス
は、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等が例示さ
れるが、経済性の点から、窒素ガスを用いることが好ま
しい。これらの工程における不活性ガスの流速は触体の
流動化開始速度以上であればよいが、特に流動化開始速
度の5倍程度が好ましい。不活性ガスの流速をこの範囲
より小さくすると触体の均一な流動化が困難となり、一
方、不活性ガスの流速をこの範囲より大きくすると、金
属珪素粉の飛散が増加し、また不活性ガスのロスや熱の
ロスが増加するため不利である。また、不活性ガスとオ
ルガノハライドを循環使用することがより好ましい。
【0029】上述のようにして触体への触媒活性付与を
行った後、反応器にアルキルハライドを導入し、オルガ
ノハライドと金属珪素とを気−固接触反応させることに
よりオルガノハロシランを得ることができる。
【0030】なお、本発明において、反応は230〜6
00℃、特に250〜500℃の温度範囲で行うことが
好ましい。また、反応器としては、流動床反応器、撹拌
床反応器、固定床反応器などを用いることができ、工業
的には連続的な流動床反応器が好ましい。
【0031】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。なお、下記の例において部は重量部を示
す。
【0032】[比較例1]直径75mm、高さ900m
mのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉
を100部、金属銅粉よりなる触媒混合物4部を仕込ん
だ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4
Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を310
℃まで上げ、反応を継続した。6時間後反応を停止し
た。この実験を6回繰り返し行った。使用した金属珪素
中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン
生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を
表1に示す。
【0033】[実施例1]直径75mm、高さ900m
mのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉
を100部、金属銅粉よりなる触媒混合物4部、ビス
(ジフェニルホスフィノ)メタン(DPPM)0.2部
を仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを
14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度
を310℃まで上げ、反応を継続した。6時間後反応を
停止した。この実験を3回繰り返し行った。金属珪素中
の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生
産速度の平均値、有効シラン量の累積組成の平均値を表
1に示す。
【0034】[実施例2]直径75mm、高さ900m
mのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉
を100部、酸化銅粉よりなる触媒混合物5部、ビス
(ジフェニルホスフィノ)メタン(DPPM)0.2部
を仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを
14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度
を320℃まで上げ、反応を継続した。6時間後反応を
停止した。この実験を3回繰り返し行った。金属珪素中
の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生
産速度の平均値、有効シラン量の累積組成の平均値を表
1に示す。
【0035】[実施例3]直径75mm、高さ900m
mのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉
を100部、金属銅粉よりなる触媒混合物4部、1,2
−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン(DPPE)
0.2部を仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混
合ガスを流速14.4Nl/minで反応器に導入し、
反応器内温度を310℃まで上げ、反応を継続した。6
時間後反応を停止した。この実験を3回繰り返し行っ
た。金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時
までのシラン生産速度の平均値、有効シラン量の累積組
成の平均値を表1に示す。
【0036】[実施例4]直径75mm、高さ900m
mのカーボンスチール製の流動層反応器に金属珪素粉を
100部、酸化銅粉よりなる触媒混合物5部、1,2−
ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン(DPPE)0.
2部を仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガ
スを流速14.4Nl/minで反応器に導入し、反応
器内温度を320℃まで上げ、反応を継続した。6時間
後反応を停止した。この実験を3回繰り返し行った。金
属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までの
シラン生産速度の平均値、有効シラン量の累積組成の平
均値を表1に示す。
【0037】[実施例5]直径75mm、高さ900m
mのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉
を100部、金属銅粉よりなる触媒混合物4部、1,3
−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(DPPP)
0.2部を仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混
合ガスを流速14.4Nl/minで反応器に導入し、
反応器内温度を310℃まで上げ、反応を継続した。6
時間後反応を停止した。この実験を3回繰り返し行っ
た。金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時
までのシラン生産速度の平均値、有効シラン量の累積組
成の平均値を表1に示す。
【0038】[実施例6]直径75mm、高さ900m
mのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉
を100部、酸化銅粉よりなる触媒混合物5部、1,3
−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(DPPP)
0.2部を仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混
合ガスを流速14.4Nl/minで反応器に導入し、
反応器内温度を320℃まで上げ、反応を継続した。6
時間後反応を停止した。この実験を3回繰り返し行っ
た。金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時
までのシラン生産速度の平均値、有効シラン量の累積組
成の平均値を表1に示す。
【0039】[実施例7]直径75mm、高さ900m
mのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉
を100部、金属銅粉よりなる触媒混合物4部、1,4
−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(DPPB)
0.2部を仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混
合ガスを流速14.4Nl/minで反応器に導入し、
反応器内温度を310℃まで上げ、反応を継続した。6
時間後反応を停止した。この実験を3回繰り返し行っ
た。金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時
までのシラン生産速度の平均値、有効シラン量の累積組
成の平均値を表1に示す。
【0040】[実施例8]直径75mm、高さ900m
mのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉
を100部、金属銅粉よりなる触媒混合物4部、1,5
−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン(DPPP
e)0.2部を仕込んだ。その後、塩化メチルを流速1
4.4Nl/mimで反応器に導入し、反応器内温度を
310℃まで上げ、反応を継続した。6時間後反応を停
止した。この実験を3回繰り返し行った。金属珪素中の
不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産
速度の平均値、有効シラン量の累積組成の平均値を表1
に示す。
【0041】[実施例9]直径75mm、高さ900m
mのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉
を100部、金属銅粉よりなる触媒混合物4部、1,1
0−ビス(ジフェニルホスフィノ)デカン(DPPD)
0.2部を仕込んだ。その後、塩化メチルを流速14.
4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を31
0℃まで上げ、反応を継続した。6時間後反応を停止し
た。この実験を3回繰り返し行った。金属珪素中の不純
物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度
の平均値、有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示
す。
【0042】[実施例10]直径75mm、高さ900
mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素
粉を100部、酸化銅粉よりなる触媒混合物5部、1,
10−ビス(ジフェニルホスフィノ)デカン(DPP
D)0.2部を仕込んだ。その後、塩化メチルを流速1
4.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を
320℃まで上げ、反応を継続した。6時間後反応を停
止した。この実験を3回繰り返し行った。金属珪素中の
不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産
速度の平均値、有効シラン量の累積組成の平均値を表1
に示す。
【0043】[実施例11]直径75mm、高さ900
mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素
粉を100部、金属銅粉よりなる触媒混合物4部、ビス
(ジフェニルホスフィノ)メタン(DPPM)0.02
部を仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガス
を14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温
度を310℃まで上げ、反応を継続した。6時間後反応
を停止した。この実験を3回繰り返し行った。金属珪素
中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン
生産速度の平均値、有効シラン量の累積組成の平均値を
表1に示す。
【0044】[実施例12]直径75mm、高さ900
mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素
粉を100部、金属銅粉よりなる触媒混合物4部、1,
3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(DPP
P)0.02部を仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素
との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入
し、反応器内温度を310℃まで上げ、反応を継続し
た。6時間後反応を停止した。この実験を3回繰り返し
行った。金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終
了時までのシラン生産速度の平均値、有効シラン量の累
積組成の平均値を表1に示す。
【0045】[実施例13]直径75mm、高さ900
mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素
粉を100部、金属銅粉よりなる触媒混合物4部、1,
10−ビス(ジフェニルホスフィノ)デカン(DPP
D)0.02部を仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素
との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入
し、反応器内温度を310℃まで上げ、反応を継続し
た。6時間後反応を停止した。この実験を3回繰り返し
行った。金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終
了時までのシラン生産速度の平均値、有効シラン量の累
積組成の平均値を表1に示す。
【0046】[比較例2]直径75mm、高さ900m
mのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉
を100部、金属銅粉よりなる触媒混合物4部、リン化
銅0.2部を仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との
混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反
応器内温度を310℃まで上げ、反応を継続した。6時
間後反応を停止した。この実験を3回繰り返し行った。
金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時まで
のシラン生産速度の平均値、有効シラン量の累積組成の
平均値を表1に示す。
【0047】[比較例3]直径75mm、高さ900m
mのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉
を100部、金属銅粉よりなる触媒混合物4部を仕込ん
だ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4
Nl/minで反応器に導入した。また、トリクロロホ
スフィンの0.1mol/lトルエン溶液を窒素ガスで
バブリングさせ、気化したトリクロロホスフィンを窒素
と同伴することにより反応器内に導入した。反応器内温
度を310℃まで上げ、反応を継続した。6時間後反応
を停止した。この実験を3回繰り返し行った。金属珪素
中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン
生産速度の平均値、有効シラン量の累積組成の平均値を
表1に示す。
【0048】[比較例4]直径75mm、高さ900m
mのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉
を100部、金属銅粉よりなる触媒混合物4部を仕込ん
だ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4
Nl/minで反応器に導入した。また、トリメチルホ
スフィンの0.1mol/lトルエン溶液を窒素ガスで
バブリングさせ、気化したトリメチルホスフィンを窒素
と同伴することにより反応器内に導入した。反応器内温
度を310℃まで上げ、反応を継続した。6時間後反応
を停止した。この実験を3回繰り返し行った。金属珪素
中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン
生産速度の平均値、有効シラン量の累積組成の平均値を
表1に示す。
【0049】[比較例5]直径75mm、高さ900m
mのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉
を100部、金属銅粉よりなる触媒混合物4部を仕込ん
だ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4
Nl/minで反応器に導入した。また、モノメチルジ
クロロシラン(MH)の0.1mol/lトルエン溶液
を窒素ガスでバブリングさせ、気化したモノメチルジク
ロロシランを窒素と同伴することにより反応器内に導入
した。反応器内温度を310℃まで上げ、反応を継続し
た。6時間後反応を停止した。この実験を3回繰り返し
行った。金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終
了時までのシラン生産速度の平均値、有効シラン量の累
積組成の平均値を表1に示す。
【0050】
【表1】 (a)添加物の珪素に対する濃度を示す。 (b),(d)比較例1は6回の実験の平均値であり、
実施例1〜9、比較例2〜5は3回の実験の平均値であ
る。 (c)各実施例の生産速度データの平均値(D)に対し
て、比較例1で行った6回の実験の生産速度データの平
均値(m)とその標準偏差σより、以下の式で算出した
統計量である。 標準化変換量=(D−m)/σ (e)各々の添加物の0.1mol/lトルエン溶液を
塩化メチルと窒素ガスと同伴することにより反応器内に
導入した。
【0051】表1にみられるように、ポリ(オルガノ)
ホスフィノ化合物を添加した場合は、有効シラン組成を
殆ど減ずることなく、生産速度を上昇させる結果を得
た。それは、統計量として一般的な標準化変換量を比較
することにより明確なものとなった。即ち、比較例では
生産速度の標準化変換量が1σ以下あるいは負の値をと
ることに比べて、本発明による実施例においては3σを
超えるデータが多数あり、このことは本発明の効果の有
意性と著しい作用を裏付けるものである。
【0052】[比較例6]直径75mm、高さ900m
mのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉
(Fe0.29%、Al0.07%、Ca0.06%)
を100部、金属銅粉よりなる触媒混合物4部を仕込ん
だ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4
Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を310
℃まで上げ、反応を継続した。6時間後反応を停止し
た。この実験を3回繰り返し行った。反応開始から反応
終了時までのシラン生産速度の平均値、有効シラン量の
累積組成の平均値を表2に示す。
【0053】[実施例14]直径75mm、高さ900
mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素
粉(Fe0.29%、Al0.07%、Ca0.06
%)を100部、金属銅粉よりなる触媒混合物4部、
1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(DP
PP)0.2部を仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素
との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入
し、反応器内温度を310℃まで上げ、反応を継続し
た。6時間後反応を停止した。この実験を3回繰り返し
行った。反応開始から反応終了時までのシラン生産速度
の平均値、有効シラン量の累積組成の平均値を表2に示
す。
【0054】
【表2】 (a)添加物の珪素に対する濃度を示す。 (b),(d)比較例6、実施例14は各々3回の実験
の平均値である。 (c)実施例14の生産速度データの平均値(D)に対
して、比較例6で行った3回の実験の生産速度データの
平均値(m)とその標準偏差σより、以下の式で算出し
た統計量である。 標準化変換量=(D−m)/σ
【0055】比較例6で使用した上記不純物組成のよう
な金属珪素は、比較例1と比べてわかるように活性が著
しく低いことが示される。しかしながら、本発明に基づ
く実施例14によれば、標準条件で極めて低活性な珪素
原料においてさえ、更に著しい高生産性を得ることがで
きた。標準化変換量を比較するとその作用が桁違いのも
のであることが明らかである。
【0056】[比較例7]直径75mm、高さ900m
mのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉
を100部、金属銅紛よりなる触媒混合物4部を仕込ん
だ。その後、塩化ベンゼンと窒素との混合ガスを14.
4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を51
0℃まで上げ、反応を継続した。6時間後反応を停止し
た。この実験を3回繰り返し行った。金属珪素中の不純
物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度
の平均値、有効シラン量の累積組成の平均値を表3に示
す。
【0057】[実施例15]直径75mm、高さ900
mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素
粉を100部、金属銅粉よりなる触媒混合物4部、1,
3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(DPP
P)0.2部を仕込んだ。その後、塩化ベンゼンと窒素
との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入
し、反応器内温度を510℃まで上げ、反応を継続し
た。6時間後反応を停止した。この実験を3回繰り返し
行った。金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終
了時までのシラン生産速度の平均値、有効シラン量の累
積組成の平均値を表3に示す。
【0058】
【表3】 (a)添加物の珪素に対する濃度を示す。 (b),(d)比較例7、実施例15は各々3回の実験
の平均値である。 (c)実施例15の生産速度データの平均値(D)に対
して、比較例7で行った3回の実験の生産速度データの
平均値(m)とその標準偏差σより、以下の式で算出し
た統計量である。 標準化変換量=(D−m)/σ
【0059】表3にみられるように、ポリ(オルガノ)
ホスフィノ化合物を添加した場合は、フェニルクロロシ
ランにおいても生産速度を上昇させる結果を得た。それ
は、統計量として一般的な標準化変換量を比較すること
により明確なものとなった。即ち、比較例7の生産速度
に比して、本発明による実施例15における生産速度の
標準化変換量は3σを超えている。このことは本発明の
有意性と著しい効果を裏付けるものである。
【0060】[比較例8]直径75mm、高さ900m
mのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉
(Fe0.45%、Al0.18%、Ca7.3%)を
100部、金属銅粉よりなる触媒混合物4部を仕込ん
だ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4
Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を310
℃まで上げ、反応を継続した。6時間後反応を停止し
た。この実験を3回繰り返し行った。反応開始から反応
終了時までのシラン生産速度の平均値、有効シラン量の
累積組成の平均値を表4に示す。
【0061】[実施例16]直径75mm、高さ900
mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素
粉(Fe0.45%、Al0.18%、Ca7.3%)
を100部、金属銅粉よりなる触媒混合物4部、1,3
−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(DPPP)
0.2部を仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混
合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反応
器内温度を310℃まで上げ、反応を継続した。6時間
後反応を停止した。この実験を3回繰り返し行った。反
応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値、
有効シラン量の累積組成の平均値を表4に示す。
【0062】
【表4】 (a)添加物の珪素に対する濃度を示す。 (b),(d)比較例8、実施例16は各々3回の実験
の平均値である。 (c)実施例16の生産速度データの平均値(D)に対
して、比較例8で行った3回の実験の生産速度データの
平均値(m)とその標準偏差σより、以下の式で算出し
た統計量である。 標準化変換量=(D−m)/σ
【0063】比較例8で使用した上記不純物組成のよう
な金属珪素は、比較例1と比べてわかるように活性が著
しく低いことが示される。しかしながら、本発明に基づ
く実施例16によれば、標準条件で極めて低活性な珪素
原料においても、高生産性を実現することができた。標
準化変換量を比較するとその作用が極めて著しいのもの
であることが明らかである。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、有効シランの選択性を
低下させることなく、生産速度を大幅に向上させてオル
ガノハロシランを製造することができる。従来の標準的
処方では、反応性が低く定常使用が困難なほど活性の得
にくい珪素原料を使用した場合においてさえ、本発明に
よるポリ(オルガノ)ホスフィノ化合物、特に有機ダイ
ホスフィン化合物を使用することにより、並の品位の金
属珪素を使用する場合の生産性を凌ぐ活性を付与するこ
とができる。更にまた、純度のグレードを落とした低コ
ストの珪素原料も使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷藤 陽一 東京都千代田区大手町二丁目6番1号 信越化学工業株式会社内 (72)発明者 犬飼 鉄也 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越 化学工業株式会社 群馬事業所内 (72)発明者 藤岡 一俊 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (56)参考文献 特開2000−154192(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 7/16

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応器内に金属珪素粉末と銅触媒とを含
    む触体を仕込み、オルガノハライドを含むガスを導入し
    て、下記一般式(1) RnmSiX4-n-m (1) (式中、Rは炭素数1〜6の1価炭化水素基、Xはハロ
    ゲン原子を示し、n,mはそれぞれ0〜3の整数で、n
    +m=1〜3を満足する。)で示されるオルガノハロシ
    ランを製造する方法において、金属珪素及び触媒成分か
    らなる触体が、下記一般式(2) 【化1】 (式中、R1,R2,R3,R4は1価炭化水素基、Y2
    2価有機基を示し、aは0又は1、bは1以上の整数で
    ある。)で示されるポリ(オルガノ)ホスフィノ化合物
    を含むことを特徴とするオルガノハロシランの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 ポリ(オルガノ)ホスフィノ化合物が、
    下記一般式(3) 【化2】 (式中、R1,R2,R3,R4は上記と同じ、cは0以上
    の整数である。)で示される有機ダイホスフィン化合物
    である請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 オルガノハライドが、塩化メチル又は塩
    化ベンゼンである請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 反応温度が230〜600℃である請求
    項1,2又は3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 反応を流動床反応器、撹拌床反応器、又
    は固定床反応器を用いて行う請求項1乃至4のいずれか
    1項記載の製造方法。
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