JP4407805B2 - オルガノハロシランの製造方法 - Google Patents

オルガノハロシランの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、オルガノハロシランの工業的有利な製造方法に関する。
アルキルハロシランの合成法に関しては、特許文献1:米国特許第2,380,995号明細書においてE.Rochowが銅触媒による金属珪素とアルキルハライドとの直接法を開示して以来、銅触媒の存在下で用いる種々の助触媒に関するもの、反応装置に関するもの、反応時の添加物に関するものなど、数多くの研究者によって、その成果の向上が報告されてきた。オルガノハロシランの工業的合成においては、シリコーン樹脂にもっとも多用されるジオルガノジハロシランの選択性、シランの生成速度及び金属珪素の有効シランヘの高転換率が重要とされる。ジオルガノジハロシランの選択性は、生成シラン中の重量比(あるいはモル比)、及びT/D比により評価される。生成オルガノハロシラン中に含まれる物質としては、ジオルガノジハロシラン(D)、トリオルガノハロシラン(M)、オルガノトリハロシラン(T)などが挙げられ、オルガノヒドロジハロシラン(H)やオルガノハロジシラン類も生成する。特に、この直接法によるオルガノハロシラン類を原料とするシリコーンの製造業者において、高留分と呼ばれるジシラン類は有効な製品への誘導が少なく、ほとんどが残渣として廃棄されている。T/D比とは全生成オルガノハロシラン中のオルガノトリハロシランとジオルガノジハロシランの組成比であり、T/D比が小さいほど好ましい。一方、オルガノハロシランの生成速度は、STY(Space Time Yield)値を用いる。STY値は反応器内に保持される金属珪素重量に対する単位時間当たりの生成粗オルガノハロシランの重量である。これら、生成ジオルガノハロシラン組成の向上あるいはT/D比の低下及びSTY値を向上させるため、触媒、助触媒を中心とした種々の研究がなされてきた。
1959年1月24日付の特許文献2:ソヴィエト出願明細書第617,569号(発明者証第122,749号)では金属珪素−銅合金にアンチモンを20〜40ppm添加した反応が開示されている。このときジメチルジクロロシランの組成は40%から60%ヘ向上したことが示されている。また、特許文献3:米国特許第4,500,724号明細書においては、200〜3,000ppmの錫を含有する銅/亜鉛/錫系触媒を用いることにより、T/D比が0.037に向上したことが示されている。更に、特許文献4:特公平6−92421号公報においては、砒素濃度にして50ppm以上の砒化銅を用いた反応が開示されている。これら錫、アンチモン、砒素助触媒は金属珪素−銅からなる反応触体に添加することで反応活性を高め、従って金属珪素の反応率を向上させ得ることが述べられている。
1964年6月2日付の特許文献5:ソヴィエト出願明細書第903,369号(発明者証第178,817号)では、亜鉛、ビスマス、リン(200ppm)、砒素、錫、鉄から選択された助触媒を用いてジメチルジクロロシランの組成が前述の出願明細書第617,569号(発明者証第122,749号)から72.1%まで向上している。また、1969年11月20日付の特許文献6:ソヴィエト出願明細書第1,152,943号(発明者証第237,892号)において、リン、銅、珪素、珪素合金の形態で触体に対して2,500〜30,000ppmのリンを添加することが示されており、ジメチルジクロロシラン組成は82.3%と改善されている。また、特許文献7:米国特許第4,602,101号明細書(特公平5−51596号公報)においては、反応器内で元素状のリンが発生するリン化合物を触体に対して25〜2,500ppm添加することが示されている。この特許の場合においては、ロシア特許に比べて反応成績が向上しているものの、発火性のある単体リンの使用など、安全性や原材料のコストアップなどの問題があり、これも商業規模の反応器に適しているとは言い難い。また、非特許文献1:F.Komitskyら(Silicon for the Chemical Industry IV, Geiranger, Norway(1998)p.217)は、リン化銅のような形での添加も提案しているが、反応率が低く、リンの有効利用及びリン濃度のコントロールの困難さといった問題があった。また、特許文献8:米国特許第6,025,513号明細書においては、意図的に硼素濃度を制御する触体系を使用することで、合理的に生産性を向上させる方法が開示されている。また、特許文献9:米国特許第5,059,706号明細書において、気相によりリン化合物を反応器に導入することにより、選択性を向上させる方法が開示されている。また、特許文献10:米国特許第6,005,130号明細書では、オルガノモノホスフィンを導入することにより、選択性を向上させる方法が開示された。しかしながら、従来のリンを主たる元素とした添加物の類は、活性と組成選択性とにおいて著しいトレードオフ現象がみられるものである。特に、リン由来の酸化物が粉体表面の流動性の悪化を招く等の指摘もあり、従来のリン含有添加物は、商業規模の連続操業においては、メリットが得にくいという特徴を有するものである。それら以外の添加剤としては、非特許文献2:L.ROSCH、W.KALCHAUERら(Silicon for the Chemical Industry IV, Sandefjord, Norway, 1996)は、モノメチルジクロロシランを導入することにより、活性を向上させる方法を開示している。しかしながら、それは初期のみ有効であり、商業規模の連続操業において持続的に効果を発揮するものとは言い難い。
上記の提案にみられるように、従来は触媒を構成する元素に着目した提案が多かった中で、近年全く新しい視点から触媒作用が改善されてきている。特許文献11:特開2000−254506号公報では、大きな歪みエネルギーを有し熱的に活性な金属銅粉末を使用することにより、また、特許文献12:特開2000−296334号公報では、鱗片状又はフレーク状の形態を有する銅粉末を使用することにより、工業的に有利なオルガノハロシランの製造方法が提供された。加えて、本発明者らにより、特許文献13:特開2001−122880号公報において、リン化青銅を添加することでトリオルガノハロシラン/ジオルガノジハロシラン(T/D)の比が小さい状態でオルガノハロシランを効率よく製造する方法が提供された。
更に、これらオルガノハロシランの合成反応は、流動床、撹拌流動床、固定床の中における気体−固体の不均一反応であり、触体や触媒の粉体としての挙動が、その反応成績に大きく関わってくる。とりわけ、工業的に過剰の銅触媒や助触媒を使用することから、触体中の粉体の凝集が起こり、流動性が悪化し、生産性の低下を招く場合があった。本発明者らは、これらの問題を解決するため、特許文献14:特開2002−241384号公報において、触媒の化学作用とその触媒粉末の粉体特性のいずれもが生産性改善に寄与する触媒システムを構築することを目的として、アトマイズ製法による触媒金属粉末あるいは触媒合金粉末を使用するオルガノハロシランの製造方法を提供した。
米国特許第2,380,995号明細書 ソヴィエト出願明細書第617,569号(発明者証第122,749号) 米国特許第4,500,724号明細書 特公平6−92421号公報 ソヴィエト出願明細書第903,369号(発明者証第178,817号) ソヴィエト出願明細書第1,152,943号(発明者証第237,892号 米国特許第4,602,101号明細書(特公平5−51596号公報) 米国特許第6,025,513号明細書 米国特許第5,059,706号明細書 米国特許第6,005,130号明細書 特開2000−254506号公報 特開2000−296334号公報 特開2001−122880号公報 特開2002−241384号公報 F.Komitskyら(Silicon for the Chemical Industry IV, Geiranger, Norway(1998)p.217) L.ROSCH、W.KALCHAUERら(Silicon for the Chemical Industry IV, Sandefjord, Norway, 1996)
本発明の目的は、オルガノハロシランの生産性が更に改善されたオルガノハロシランの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記のリン化青銅の触媒作用の研究とその粉体特性を両立させる研究とを発展的、複合的に展開させて鋭意研究を重ねてきた。その結果、本発明者らは、オルガノハロシランの生産性及び持続性を更に改善するためには、アトマイズ法により製造された0.2〜8質量%の錫及び4〜20質量%のリンを含む触媒合金粉末を使用することが有効であることを知見した。
更に詳述すると、従来の直接法(Direct Method, Rochow法)を実施した場合にみられる現実的欠点を解決するために、即ち、過剰の銅触媒や助触媒を使用することにより、触体中の粉体の凝集が起こり、流動性が悪化し、生産性の低下を招くという短所を解決するために、本発明者らは、触媒の化学作用とその触媒粉末及びそれを含む触体の流動性のいずれをも良好に満たす触媒システムを構築するため鋭意努力した結果、アトマイズ法により製造された0.2〜8質量%の錫及び4〜20質量%のリンを含む触媒合金粉末を有効量含む触体を使用するオルガノハロシランの製造方法を見出すに至った。
具体的には、電解法による樹脂状粉末、スタンピング法・粉砕法による角状粉末・片状粉末、熱処理法による粉末、化学還元粉によるフレーク状あるいは微結晶粉末ではなく、アトマイズ製法による0.2〜8質量%の錫及び4〜20質量%のリンを含む触媒合金粉末を添加するとき、有効シランの生産速度を向上させることを知見したことに基づくものである。本発明者らは、直接法の触媒の機能を設計する上で、触媒粉末の製造方法が触媒粉末及びそれを含む触体の粉体特性を大きく改善すると考えた。本発明は、これを現実のものとするために、特に、球状の粉末を多く含むアトマイズ製法による触媒粉末を直接法に応用したものである。
なお、従来、広く知られている工業用リン青銅は大別すると次の3種に分けられる。
(1)普通の青銅をPで脱酸し、残存するPはほとんどないもの。
(2)Sn10%以下の青銅をPで脱酸し、少量のPを残存させたもの。
(3)Sn10%以上の青銅にPを0.3〜1.5%添加したもので、主として鋳物用で軸受けなどに使用される。
このように、従来の実用合金例では、Sn濃度がP濃度に対して桁違いに多く、これらを使用した場合、反応器中の元素濃度とその作用のバランスを保持することは極めて困難であった。
これに対し、本発明者らは、既存のリン青銅とは全く異なる組成、即ちSn濃度が0.2〜8質量%及びP濃度が4〜20質量%であるような触媒合金粉末を使用することを着想し、挑戦した。その結果、アトマイズ製法によるそれらの触媒合金粉末を使用することでオルガノハロシランの製造における生産性・持続性を改善することに成功したものである。
本発明における、アトマイズ製法による0.2〜8質量%の錫及び4〜20質量%のリンを含む触媒合金粉末を直接法で使用する方法は、球状粉末を極微量の有効量含む触体を形成し、触体内の粉体流動性を改善し、有効シランの生産速度及びその持続性を向上させる方法であり、従来の改良法である触媒の短寿命の作用による改善処方とは全く異なる発想である。本発明者らは、この着想に基づき種々のアトマイズ製法による触媒金属粉末を体系的に鋭意検討した結果として、金属銅、又は塩化銅、酸化銅、酢酸銅のような銅化合物触媒、並びに必要に応じて配合される金属亜鉛、亜鉛銅合金、塩化亜鉛、酸化亜鉛、酢酸亜鉛の如き亜鉛化合物、金属錫、鉛銅合金、塩化錫、酸化錫の如き錫化合物、金属アンチモン、塩化アンチモン、酸化アンチモンの如きアンチモン化合物、金属アルミニウム、塩化アルミニウム、酸化アルミニウムの如きアルミニウム化合物、金属リン、三塩化リン、酸化リンの如き無機リン化合物、トリメチルホスフィン、トリフェニルホスフィンの如きモノアルキルホスフィン、有機ダイホスフィン化合物の如きポリオルガノホスフィノ化合物のような助触媒の存在下で、金属珪素と有機ハライドとを反応させて有機ハロシランを合成するに際して、アトマイズ法により製造された0.2〜8質量%の錫及び4〜20質量%のリンを含む触媒合金粉末を極微量の有効量含む触体を使用すると、とりわけ生産速度を向上させる効果を発揮し、しかも有効シラン量の比率を減ずることがなく、かつ珪素の収率を高めることができるもので、強調すると、本発明は、アトマイズ法により製造された0.2〜8質量%の錫及び4〜20質量%のリンを含む触媒合金粉末を極微量の有効量含む触体を使用するとき、有効シランの組成をほとんど変化させることなく、大幅に生産速度を増大させることを発見したことに基づくものである。
従って、本発明は、下記のオルガノハロシランの製造方法を提供する。
[i]銅を含む触媒の存在下、金属珪素粒子とオルガノハライドとを反応させることにより下記一般式(I)
k(H)mSiX(4-k-m) (I)
(但し、式中Rは炭素数1〜12の一価炭化水素基であり、Xはハロゲン原子を示し、kは1〜3の整数、mは0〜2の整数、k+m=1〜3である。)
で示されるオルガノハロシラン類を製造する方法において、金属珪素並びに金属銅又は銅化合物と金属亜鉛、亜鉛化合物、金属錫、錫化合物、金属アンチモン、アンチモン化合物、金属アルミニウム、アルミニウム化合物、金属リン、リン化合物から選ばれる助触媒とを混合した触媒成分からなる触体が、更にアトマイズ法により製造された0.2〜8質量%の錫4〜20質量%のリン及び75〜95質量%の銅を含む銅合金粉末を触体中0.01〜5質量%含むことを特徴とするオルガノハロシランの製造方法。
ii]アトマイズ法により製造された前記触媒合金粉末が、ガスアトマイズ法、真空アトマイズ法、水アトマイズ法、遠心アトマイズ法、回転電極法、回転冷却流体法のいずれかのアトマイズ法により製造されたものであることを特徴とする[i記載のオルガノハロシランの製造方法。
iii
アトマイズ法により製造された前記触媒合金粉末が、1〜200μmの平均粒径を有することを特徴とする[i]又は[ii]記載のオルガノハロシランの製造方法。
iv
アトマイズ法により製造された前記触媒合金粉末のBET比表面積又は空気透過式比表面積が0.01〜1.0m2/gであることを特徴とする[i]乃至[iii]のいずれか1項記載のオルガノハロシランの製造方法。
本発明によれば、アトマイズ法により製造された0.2〜8質量%の錫及び4〜20質量%のリンを含む触媒合金粉末を有効量使用することにより、有効シランの選択性を低下させることなく、生産速度・持続性を大幅に向上させ、かつ珪素の収率を高めることができる。
本発明のオルガノハロシランの製造方法は、金属珪素粒子とオルガノハライドとを反応させることにより下記一般式(I)
k(H)mSiX(4-k-m) (I)
で示されるオルガノハロシラン類を製造するものである。
この場合、本発明の方法は、固定床反応器、撹拌床反応器、並びに流動床反応器で実施できるが、工学的には連続的な流動床反応器を用いることが好ましい。
ここで、金属珪素は、通常、珪素の純度が97質量%以上、特に純度が98質量%以上のものを用いることが好ましい。また、金属珪素は粉砕し、適当な粒度を持った粉末として使用することが好ましく、反応器として流動床反応器又は撹拌床反応器を用いる場合は、金属珪素粉末に良好な流動性を持たせるため、金属珪素粉末の粒径は篩分による重量基準累積分布曲線の50%に相当する粒径として5〜150μmの範囲とすることが好ましい。
金属珪素粒子と反応させてオルガノハロシランを得るためのオルガノハライドとしては、特に下記一般式(II)
RX (II)
で示されるものを使用する。ここで、Rは一価炭化水素基であり、例えばフェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等のアルキル基などの炭素数1〜12、特に1〜6のものが好適である。また、Xは塩素、臭素等のハロゲン原子である。具体的には、塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、臭化メチル、臭化エチル、塩化ベンゼン、臭化ベンゼンなどを例示することができ、塩化メチル、塩化ベンゼンが好ましく、工業的に最も有用なものは塩化メチルであり、これを用いて製造されるジメチルジクロロシランは多くのシリコーン樹脂の原料として幅広い用途がある。オルガノハライドは予め昇温し、ガス化した後、反応器へ送入する。この場合、オルガノハライドガスを単独で送入してもよいし、不活性ガスとあわせて触体が流動化する量として算出され、用いる反応器の直径と空塔速度から適宜決定される。
金属珪素粒子とオルガノハロシランとの反応に際しては、銅を含む触媒(銅触媒)が添加される。銅触媒としては、銅粉末、スタンピング銅などの単体銅あるいは酸化第一銅、酸化第二銅、塩化銅等のハロゲン化銅、酢酸銅などの銅化合物など種々の形態のものを用いることができる。また、助触媒として、亜鉛、錫、アンチモン、砒素などの種々の促進剤を用いてもよく、これらは単独で用いても銅との合金として用いてもよい。例示すると、Cu−Zn,Cu−Sn,Cu−Zn−Sn(又はSb,As)などの銅合金が挙げられる。また、助触媒として、金属亜鉛、塩化亜鉛、酸化亜鉛、酢酸亜鉛の如き亜鉛化合物、金属錫、塩化錫、酸化錫の如き錫化合物、金属アンチモン、塩化アンチモン、酸化アンチモンの如きアンチモン化合物、金属アルミニウム、塩化アルミニウム、酸化アルミニウムの如きアルミニウム化合物、金属リン、三塩化リン、酸化リンの如き無機リン化合物、トリメチルホスフィン、トリフェニルホスフィンの如きモノアルキルホスフィン、有機ダイホスフィン化合物の如きポリオルガノホスフィノ化合物などが挙げられる。これらの触媒は、反応器中に単独で仕込んでもよい。
上記銅触媒の配合量は、金属珪素粉末100部(質量部、以下同じ)に対して銅量に換算して0.1〜10部、特に2〜8部とすることが好ましい。また、助触媒の配合量は有効量であり、その種類に応じて選定され、例えば亜鉛の配合量は金属珪素粉末100部に対して0.05〜1部、錫、アンチモン及び砒素の配合量は金属珪素粉末に対してどちらか一種あるいは合計で0.001〜0.05部、好ましくは0.005〜0.01部とするのがよい。
本発明においては、上記金属珪素及び銅を含む触媒成分からなる触体に、更にアトマイズ法により製造された0.2〜8質量%の錫及び4〜20質量%のリンを含む触媒合金粉末を有効量添加して金属珪素とオルガノハロシランとの反応を行う。
この場合、アトマイズ法により製造された触媒合金粉末で好ましいものは、銅合金粉末、真鍮粉末、青銅粉末、あるいは銅、亜鉛、錫、リン、ニッケル、コバルト、鉄、マンガン、クロム、タングステン、モリブデン、硼素、珪素、炭素の元素の中から2つ以上の元素を含む触媒合金粉末等である。これらの中で特に好ましくは、錫及びリンを含む銅合金である。
この触媒合金粉末において、錫の含有量は、上述したように0.2〜8質量%、特に0.3〜7質量%であり、リンの含有量が4〜20質量%、特に6〜18質量%である。また、錫とリンの合計量は5〜25質量%、特に6〜20質量%であることが好ましい。残部は銅等の錫、リン以外の上に挙げた元素であり、中でも好ましくは銅であり、銅が75〜95質量%、特に80〜94質量%であることが好ましい。
錫、リンの含有量が上記範囲外であると、副生成物の比率が上昇し、生産速度の保持が不十分となることがある。
ここで、上記触媒合金粉末は、アトマイズ法により製造されたものである。アトマイズ法とは、溶融した金属、合金類を急冷することにより微細粉末を製造する方法であり、上記触媒合金粉末を製造するアトマイズ法としては、ガスアトマイズ法、真空アトマイズ法、水アトマイズ法、遠心アトマイズ法、回転電極法、回転冷却流体法等のいずれかが好ましい。
また、アトマイズ法により製造された触媒合金粉末としては、BET比表面積又は空気透過式比表面積が0.01〜1.0m2/g、好ましくは0.01〜0.5m2/g、特に0.03〜0.35m2/gであるものが好適に用いられる。更に、上記触媒合金粉末のレーザー回折式粒度分布測定による平均粒径は1〜200μm、より好ましくは3〜100μm、更に好ましくは10〜70μmであることが、反応性の点から好ましい。
オルガノハロシランの生産性を向上させるには珪素全量に対して、反応時間、スケール、金属珪素の品位に応じて、アトマイズ法により製造された触媒合金粉末の有効量を使用するものであり、好ましくは触体中0.01〜5質量%、更に好ましくは0.05〜3質量%の添加量である。
触体の加熱又は触体への活性付与工程において、反応器内の触体の流動化に用いる不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガスなどが例示されるが、経済性の点から窒素ガスを用いることが望ましい。これらの工程における不活性ガスの流速は、触体の流動化開始速度以上であればよいが、特に流動化開始速度の5倍程度が好ましい。不活性ガスの流速をこの範囲より小さくすると、触体の均一な流動化が困難となり、一方、不活性ガスの流速をこの範囲より大きくすると、金属珪素粉末の飛散が増加し、また不活性ガスのロスや熱のロスが増加するため不利である。なお、不活性ガスは循環使用することがより好ましい。
上述のように触体を反応温度まで昇温又は触媒活性付与を行った後、反応器にオルガノハライドを導入し、オルガノハライドと珪素とを気−固接触反応させることによりオルガノハロシランを得ることができる。この場合、この気−固接触反応の条件などは従来のロコー(Rochow)法と同様でよく、例えば反応温度は250〜600℃、特に350〜500℃とすることができる。
本発明によれば、上記方法により、下記一般式(I)
k(H)mSiX(4-k-m) (I)
で示されるオルガノハロシランを得ることができる。ここで、Rは上記した通りであり、kは1〜3の整数、mは0〜2、特に0又は1の整数であり、k+mは1〜3であるが、需要バランスより好ましくは平均値として、mはほぼ0、kはほぼ1〜2である。この場合、本発明によれば、シリコーンの原料として最も有用なk=2、m=0のジオルガノジハロシラン(D)の割合が多いものが得られ、その量は通常50〜95%、m=0のオルガノトリハロシラン(T)の生成量は少なく、特に例えば塩化第二鉄のようなルイス酸と接触しないなど理想的反応条件では、T/D比は通常0.3以下、特に0.1以下とすることができる。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において、特にことわらない限り、%は質量%、部は質量部を示す。また、下記の例において、平均粒径はレーザー回折法による粒度分布測定法により、BET比表面積は窒素吸着による多点プロットによる方法で測定した。
更に、有効シラン量の累積組成の平均値は、ガスクロマトグラフィーにより分析を行った。
また、下記例において、触媒合金粉末は、具体的にガスアトマイズ法により製造した。
[実施例1]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、金属銅粉4部、亜鉛0.2部、錫0.1部よりなる触媒混合物、アトマイズ法により製造され、組成がCu91.6%、Sn0.35%、P8.05%である合金粉末を0.5部仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を310℃まで上げ、反応を継続した。また、塔内混合物の量が一定となるよう、塔下部より金属珪素粉と触媒混合物を供給した。36時間後反応を停止した。この実験を2回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
[実施例2]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、酸化銅粉5部、亜鉛0.2部、錫0.1部よりなる触媒混合物、アトマイズ法により製造され、組成がCu91.6%、Sn0.35%、P8.05%である合金粉末を0.4部仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を320℃まで上げ、反応を継続した。また、塔内混合物の量が一定となるよう、塔下部より金属珪素粉と触媒混合物を供給した。36時間後反応を停止した。この実験を2回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
[実施例3]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、金属銅粉4部、亜鉛0.2部、錫0.1部よりなる触媒混合物、アトマイズ法により製造された組成がCu91.59%、Sn0.46%、P7.95%である合金粉末を0.5部仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を310℃まで上げ、反応を継続した。また、塔内混合物の量が一定となるよう、塔下部より金属珪素粉と触媒混合物を供給した。36時間後反応を停止した。この実験を2回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
[実施例4]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、酸化銅粉5部、亜鉛0.2部、錫0.1部よりなる触媒混合物、アトマイズ法により製造された組成がCu91.59%、Sn0.46%、P7.95%である合金粉末を0.4部仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を320℃まで上げ、反応を継続した。また、塔内混合物の量が一定となるよう、塔下部より金属珪素粉と触媒混合物を供給した。36時間後反応を停止した。この実験を2回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
[実施例5]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、金属銅粉4部、亜鉛0.2部、錫0.1部よりなる触媒混合物、アトマイズ法により製造され、組成がCu91.09%、Sn0.58%、P8.33%である合金粉末を0.5部仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を310℃まで上げ、反応を継続した。また、塔内混合物の量が一定となるよう、塔下部より金属珪素粉と触媒混合物を供給した。36時間後反応を停止した。この実験を2回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
[実施例6]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、酸化銅粉5部、亜鉛0.2部、錫0.1部よりなる触媒混合物、アトマイズ法により製造され、組成がCu91.09%、Sn0.58%、P8.33%である合金粉末を0.4部仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を320℃まで上げ、反応を継続した。また、塔内混合物の量が一定となるよう、塔下部より金属珪素粉と触媒混合物を供給した。36時間後反応を停止した。この実験を2回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
[実施例7]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、金属銅粉4部、亜鉛0.2部、錫0.1部よりなる触媒混合物、アトマイズ法により製造され、組成がCu90.71%、Sn0.70%、P8.59%である合金粉末を0.5部仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を310℃まで上げ、反応を継続した。また、塔内混合物の量が一定となるよう、塔下部より金属珪素粉と触媒混合物を供給した。36時間後反応を停止した。この実験を2回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
[実施例8]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、酸化銅粉5部、亜鉛0.2部、錫0.1部よりなる触媒混合物、アトマイズ法により製造され、組成がCu90.71%、Sn0.70%、P8.59%である合金粉末を0.4部仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を320℃まで上げ、反応を継続した。また、塔内混合物の量が一定となるよう、塔下部より金属珪素粉と触媒混合物を供給した。36時間後反応を停止した。この実験を2回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
[実施例9]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、金属銅粉4部、亜鉛0.2部、錫0.1部よりなる触媒混合物、アトマイズ法により製造され、組成がCu85.86%、Sn5.78%、P8.36%である合金粉末を0.05部仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を310℃まで上げ、反応を継続した。また、塔内混合物の量が一定となるよう、塔下部より金属珪素粉と触媒混合物を供給した。36時間後反応を停止した。この実験を2回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
[実施例10]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、酸化銅粉5部、亜鉛0.2部、錫0.1部よりなる触媒混合物、アトマイズ法により製造され、組成がCu85.86%、Sn5.78%、P8.36%である合金粉末を0.04部仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を320℃まで上げ、反応を継続した。また、塔内混合物の量が一定となるよう、塔下部より金属珪素粉と触媒混合物を供給した。36時間後反応を停止した。この実験を2回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
[実施例11]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、金属銅粉4部、亜鉛0.2部、錫0.1部よりなる触媒混合物、アトマイズ法により製造され、組成がCu86.53%、Sn6.17%、P7.3%である合金粉末を0.05部仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を310℃まで上げ、反応を継続した。また、塔内混合物の量が一定となるよう、塔下部より金属珪素粉と触媒混合物を供給した。36時間後反応を停止した。この実験を2回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
[実施例12]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、酸化銅粉5部、亜鉛0.2部、錫0.1部よりなる触媒混合物、アトマイズ法により製造され、組成がCu86.53%、Sn6.17%、P7.3%である合金粉末を0.04部仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を320℃まで上げ、反応を継続した。また、塔内混合物の量が一定となるよう、塔下部より金属珪素粉と触媒混合物を供給した。36時間後反応を停止した。この実験を2回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
[実施例13]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、金属銅粉4部、亜鉛0.2部、錫0.1部よりなる触媒混合物、アトマイズ法により製造され、組成がCu84.24%、Sn0.92%、P14.84%である合金粉末を0.25部仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を310℃まで上げ、反応を継続した。また、塔内混合物の量が一定となるよう、塔下部より金属珪素粉と触媒混合物を供給した。36時間後反応を停止した。この実験を2回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
[実施例14]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、酸化銅粉5部、亜鉛0.2部、錫0.1部よりなる触媒混合物、アトマイズ法により製造され、組成がCu84.24%、Sn0.92%、P14.84%である合金粉末を0.20部仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を320℃まで上げ、反応を継続した。また、塔内混合物の量が一定となるよう、塔下部より金属珪素粉と触媒混合物を供給した。36時間後反応を停止した。この実験を2回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
[比較例1]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、金属銅粉4部、亜鉛0.2部、錫0.1部よりなる触媒混合物を仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を310℃まで上げ、反応を継続した。また、塔内混合物の量が一定となるよう、塔下部より金属珪素粉と触媒混合物を供給した。36時間後反応を停止した。この実験を4回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
[比較例2]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、酸化銅粉5部、亜鉛0.2部、錫0.1部よりなる触媒混合物を仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を320℃まで上げ、反応を継続した。また、塔内混合物の量が一定となるよう、塔下部より金属珪素粉と触媒混合物を供給した。36時間後反応を停止した。この実験を2回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
[比較例3]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、金属銅粉4部、亜鉛0.2部、錫0.1部よりなる触媒混合物、リン青銅(Sn7.53%、P0.35%)を粉砕して得られた粉末0.5部を仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を310℃まで上げ、反応を継続した。また、塔内混合物の量が一定となるよう、塔下部より金属珪素粉と触媒混合物を供給した。15時間後反応を停止した。この実験を2回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
[比較例4]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、酸化銅粉5部、亜鉛0.2部、錫0.1部よりなる触媒混合物、リン青銅(Sn15.40%、P0.60%)を粉砕して得られた粉末0.4部を仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を320℃まで上げ、反応を継続した。また、塔内混合物の量が一定となるよう、塔下部より金属珪素粉と触媒混合物を供給した。15時間後反応を停止した。この実験を2回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
Figure 0004407805

a)添加物の珪素に対する濃度を示す。
b)、c)比較例1は4回の実験の平均値であり、比較例2〜4、実施例1〜14は2回の実験の平均値である。
1)アトマイズ法により製造され、組成がCu91.6%、Sn0.35%、P8.05%である合金粉末を使用した。平均粒径29μm
2)アトマイズ法により製造され、組成がCu91.59%、Sn0.46%、P7.95%である合金粉末を使用した。平均粒径22μm
3)アトマイズ法により製造され、組成がCu91.09%、Sn0.58%、P8.33%である合金粉末を使用した。平均粒径33μm
4)アトマイズ法により製造され、組成がCu90.71%、Sn0.70%、P8.59%である合金粉末を使用した。平均粒径31μm
5)アトマイズ法により製造され、組成がCu85.86%、Sn5.78%、P8.36%である合金粉末を使用した。平均粒径38μm
6)アトマイズ法により製造され、組成がCu86.53%、Sn6.17%、P7.3%である合金粉末を使用した。平均粒径47μm
7)アトマイズ法により製造され、組成がCu84.24%、Sn0.92%、P14.84%である合金粉末を使用した。平均粒径44μm
8)平均粒径55μm
9)平均粒径71μm

Claims (4)

  1. 銅を含む触媒の存在下、金属珪素粒子とオルガノハライドとを反応させることにより下記一般式(I)
    k(H)mSiX(4-k-m) (I)
    (但し、式中Rは炭素数1〜12の一価炭化水素基であり、Xはハロゲン原子を示し、kは1〜3の整数、mは0〜2の整数、k+m=1〜3である。)
    で示されるオルガノハロシラン類を製造する方法において、金属珪素並びに金属銅又は銅化合物と金属亜鉛、亜鉛化合物、金属錫、錫化合物、金属アンチモン、アンチモン化合物、金属アルミニウム、アルミニウム化合物、金属リン、リン化合物から選ばれる助触媒とを混合した触媒成分からなる触体が、更にアトマイズ法により製造された0.2〜8質量%の錫4〜20質量%のリン及び75〜95質量%の銅を含む銅合金粉末を触体中0.01〜5質量%含むことを特徴とするオルガノハロシランの製造方法。
  2. アトマイズ法により製造された前記触媒合金粉末が、ガスアトマイズ法、真空アトマイズ法、水アトマイズ法、遠心アトマイズ法、回転電極法、回転冷却流体法のいずれかのアトマイズ法により製造されたものであることを特徴とする請求項1記載のオルガノハロシランの製造方法。
  3. アトマイズ法により製造された前記触媒合金粉末が、1〜200μmの平均粒径を有することを特徴とする請求項1又は2記載のオルガノハロシランの製造方法。
  4. アトマイズ法により製造された前記触媒合金粉末のBET比表面積又は空気透過式比表面積が0.01〜1.0m 2 /gであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のオルガノハロシランの製造方法。
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