JP4174655B2 - オルガノハロシランの製造方法 - Google Patents

オルガノハロシランの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オルガノハロシランの工業的製造法に関するものであり、特に有効シランの生産速度を向上させるために、ホスフィンカルコゲナイド化合物を添加剤として使用するオルガノハロシランの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
アルキルハロシランの合成方法に関しては、米国特許第2,380,995号公報においてE.Rochowが銅触媒による金属珪素とアルキルハライドとの直接法を開示して以来、銅触媒の存在下で用いる種々の助触媒に関するもの、反応装置に関するもの、反応時の添加物に関するもの等、数多くの研究者によって、その成果の向上が報告されてきた。オルガノハロシランの工業的合成においては、シリコーン樹脂にもっとも多用されるジオルガノジハロシランの選択性、シランの生成速度及び金属珪素の有効シランへの高転換率が重要とされる。
【0003】
ジオルガノジハロシランの選択性は、生成シラン中の重量比(或いはモル比)、及びT/D比により評価される。
【0004】
生成オルガノハロシラン中に含まれる物質としては、ジオルガノジハロシラン(D)、トリオルガノハロシラン(M)、オルガノトリハロシラン(T)等が挙げられ、オルガノヒドロジハロシラン(H)やオルガノハロジシラン類も生成する。特に、この直接法によるオルガノハロシラン類を原料とするシリコーンの製造業者において、高留分と呼ばれるジシラン類は有効な製品への誘導が少なく、ほとんどが残渣として廃棄されている。
【0005】
T/D比とは、全生成オルガノハロシラン中のオルガノトリハロシランとジオルガノジハロシランの組成比であり、T/D比は小さいほど好ましい。一方、オルガノハロシランの生成速度は、STY(Space Time Yield)値を用いる。STY値は、反応器内に保持される金属珪素重量に対する単位時間当たりの生成粗オルガノハロシランの重量である。これら、生成ジオルガノハロシランの組成の向上、或いはT/D比の低下及びSTY値を向上させるため、触媒、助触媒を中心とした種々の研究がなされてきた。
【0006】
1959年1月24日付のソヴィエト出願明細書第617,569号(発明者証第122,749号)では、金属珪素−銅合金にアンチモンを20〜40ppm添加した反応が開示されている。このとき、ジメチルジクロロシランの組成は、40〜60%へ向上したことが示されている。また、米国特許第4,500,724号公報においては、200〜3,000ppmの錫を含有する銅/亜鉛/錫系触媒を用いることにより、T/D比が0.037に向上したことが示されている。
【0007】
更に、特公平6−92421号公報においては、砒素濃度にして50ppm以上の砒化銅を用いた反応が開示されている。これらには、錫、アンチモン、砒素の助触媒は金属珪素−銅からなる反応触体に添加することで反応活性を高めることにより、金属珪素の反応率を向上させ得ることが述べられている。
【0008】
1964年6月2日付のソヴィエト出願明細書第903,369号(発明者証第178,817号)では、亜鉛、ビスマス、リン(200ppm)、砒素、錫、鉄から選択された助触媒を用いてジメチルジクロロシランの組成が、前述の出願明細書第617,569号(発明者証第122,749号)の組成40〜60%から72.1%まで向上している。また、1969年11月20日付けのソヴィエト出願明細書第1,152,943号(発明者証第237,892号)においてリン、銅、珪素、珪素合金の形態で、触媒に対して2,500〜30,000ppmのリンを添加することが示されており、ジメチルジクロロシランの組成は82.3%と改善されている。
【0009】
米国特許第4,602,101号公報(特公平5−51596号公報)においては、反応器内で元素状のリンが発生するリン化合物を触体に対して25〜2,500ppm添加することが示されている。この特許の場合においては、ロシア特許に比べて反応成績が向上しているものの、発火性のある単体リン使用等の安全性や原材料のコストアップ等の問題があり、これも商業規模の反応器に適しているとは言い難い。
【0010】
また、F.Komitsky(Silicon for the Chemical Industry IV,Geiranger,Norway(1998)P.217)らによって、リン化銅の様な形での添加も提案されているが、反応率が低い、リンの有効利用及びリン濃度におけるコントロールが困難である、といった問題があった。
【0011】
米国特許第6,025,513号公報においては、意図的に硼素濃度を制御する触体系を使用することで、合理的に生産性を向上させる方法が開示されている。また、米国特許第5,059,706号公報において、気相によりリン化合物を反応器に導入することにより、選択性を向上させる方法が開示されている。米国特許第6,005,130号公報では、オルガノモノホスフィンを導入することにより、選択性を向上させる方法が開示されている。
【0012】
しかしながら、従来のリンを主たる元素とした添加物の類は、活性と組成選択性とにおいて著しいトレードオフ現象がみられるものである。
【0013】
特に、リン由来の酸化物が粉体表面の流動性の悪化を招く等の指摘もあり、従来のリン含有添加物は、商業規模の連続操業においては、メリットが得にくいという特徴を有するものである。
【0014】
それら以外の添加剤としては、L.ROSCH、W.KALCHAUER(Silicon for the Chemical Industry IV,Sandefjord,Norway,1996)らは、モノメチルジクロロシランを導入することにより、活性を向上させる方法を開示している。
【0015】
しかしながら、それは初期のみ有効であり、商業規模の連続操業において持続的に効果を発揮するものとは言い難い。また、従来の気相低分子化合物は蒸発温度が低く、熱的安定性に欠くために高温反応で緻密に反応を制御することは困難である。このような状況下にあって、従来とは全く異なる発想から、オルガノホスフィノ化合物類を活性剤として使用する工業的製造方法が開示された(米国特許第6,215,012号、米国特許第6,242,629号公報)。
【0016】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、有効シランの選択性を低下させることなく、生産速度を大幅に向上させ、珪素の利用率を高めることができるオルガノハロシランの製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、本発明をなすに至ったもので、銅触媒の存在下、金属珪素粒子とオルガノハライドとを反応させることにより、下記一般式(I)
1 n(H)mSiX(4-n-m) (I)
(式中、R1は1価炭化水素基、Xはハロゲン原子を示し、nは1〜3の整数、mは0〜2の整数で、n+mは1〜3の整数である。)
で表されるオルガノハロシランを製造する方法において、金属珪素及び触媒成分からなる触体が、下記一般式(II)
【化4】
Figure 0004174655
(式中、R2、R3は互いに同一又は異種の1価炭化水素基又はハロゲン原子、Yはカルコゲン原子として酸素原子を示す。)
で表される基を分子内に1個以上有するホスフィンカルコゲナイド化合物を金属珪素粉末100重量部に対して0.1〜25,000ppm含むことを特徴とするオルガノハロシランの製造方法を提供する。
【0018】
即ち、本発明は、金属珪素とオルガノハライドとを反応させてオルガノハロシランを合成するに際して、有効シランの生産速度を向上させることを目的として、上記ホスフィンカルコゲナイド化合物を有効量配合したものである。更に詳述すると、本発明は、従来の有効シラン組成を向上させる添加物、金属リン、酸化リン、リン化銅、リン化錫、リン化亜鉛、リン化アルミニウム、リン化アンチモン、三塩化リン、トリメチルホスフィン、トリフェニルホスフィンのようなリン化合物を助触媒として直接法(Direct Method,Rochow法)を実施した場合に見られる現実的な欠点を解決するために、つまりジオルガノジハロシランの組成は増加させるが、反応速度を減少させるために有効シランの生産性を低下させるという短所を解決することを目的とし、同時に、従来の活性を向上させる添加物又はメチルジクロロシランのような化合物を活性剤として直接法を実施する場合には達成し得ない生産速度の向上を、実機で実現するために鋭意努力した結果、オルガノホスフィン化合物類より更に安価で経済的に有利な上記ホスフィンカルコゲナイド化合物を添加する方法を見出すに至ったものである。
【0019】
本発明は、上記ホスフィンカルコゲナイド化合物を有効量添加することにより、銅触媒の形態にかかわらず、Rochow反応の反応速度を増大させながら、副反応を触媒しないことにより、主成分であるジオルガノジハロシランの収率を低下させることのない触体を形成し、有効シランの生産速度及びその持続性を向上させる方法であり、従来の改良法である触媒の短寿命の作用による改善処方とは全く異なる発想である。
【0020】
即ち、ホスフィンカルコゲナイド化合物を極少量添加することにより、主触媒である銅が攻撃され、その表面の酸化還元状態の平衡が移動し、Rochow反応の活性点形成反応を起こすために必要な銅ハライドが生成し、それ自身は副反応を触媒しないホスフィン化合物類になることを想定した。本発明者らは、この着想に基づき、種々のホスフィンカルコゲナイド化合物を体系的に鋭意検討した。その結果、金属珪素とオルガノハライドとを反応させてオルガノハロシランを合成するに際して、上記ホスフィンカルコゲナイド化合物を有効量含む触体を使用すると、とりわけ生産速度が向上する効果を発揮し、しかも有効シラン量の比率を減らすことなく、かつ珪素の収率を高めることができるという新知見を見い出すに至ったのである。
【0021】
つまり、本発明は、ホスフィンカルコゲナイド化合物を極少量の有効量含む触体を使用すると、有効シランの組成をほとんど変化させることなく、大幅に生産速度を増大させることを知見したことに基づくものである。
【0022】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のオルガノハロシランを製造する方法は、銅触媒の存在下、金属珪素粒子とオルガノハライドとを反応させることからなる、下記一般式(I)
1 n(H)mSiX(4-n-m) (I)
(式中、R1は1価炭化水素基、Xはハロゲン原子を示し、nは1〜3の整数、mは0〜2の整数で、n+mは1〜3の整数である。)
で表されるオルガノハロシランの製造方法である。
【0023】
この場合、上記一般式(I)において、R1の1価炭化水素基としては、炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基、アリール基等が挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。nは2が好ましく、mは0が好ましく、n+m=2であることが好ましい。Xのハロゲン原子としては、塩素、臭素、フッ素が挙げられ、この中で塩素が好ましい。
【0024】
ここで、金属珪素は、通常、珪素の純度が97重量%以上のものを用いることが好ましく、特に98重量%以上のものが好ましい。また、金属珪素は粉砕し、適当な粒度を持った粉末として使用することが好ましく、反応器として流動層反応器又は撹拌型反応器を用いる場合は、金属珪素粉末に良好な流動性を持たせるため、金属珪素粉末の粒子径は、篩分による重量基準累積分布曲線の50%に相当する粒径として5〜150μmの範囲とすることが好ましい。
【0025】
また、金属珪素と反応させてオルガノハロシランを得るためのオルガノハライドとしては、炭素数1〜6のオルガノハライドが好ましく、塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、臭化メチル、臭化エチル、塩化ベンゼン、臭化ベンゼン等を挙げることができる。この中で工業的に特に好ましいのは塩化メチル、塩化ベンゼンであり、最も有用なものは塩化メチルである。これを用いて製造されるジメチルジクロロシランに代表されるオルガノハロシランは多くのシリコーン樹脂の原料として幅広い用途がある。
【0026】
銅触媒としては、銅粉末、スタンピング銅等の単体銅或いは酸化第一銅、酸化第二銅、ハロゲン化銅等の銅化合物等種々の形態のものを用いることができる。また助触媒として、亜鉛、錫、アンチモン、アルミニウム、リン、砒素から選ばれる少なくとも1種の促進剤を用いることが好ましい。これらは単独で用いても銅との合金として用いてもよい。この場合、助触媒としては、金属亜鉛、亜鉛銅合金、塩化亜鉛、酸化亜鉛、酢酸亜鉛のような亜鉛化合物、金属錫、錫銅合金、塩化錫、酸化錫のような錫化合物、金属アンチモン、塩化アンチモン、酸化アンチモンのようなアンチモン化合物、金属アルミニウム、塩化アルミニウム、酸化アルミニウムのようなアルミニウム化合物、金属リン、三塩化リン、酸化リンのような無機リン化合物、トリメチルホスフィン、トリフェニルホスフィンのようなモノアルキルホスフィンといった有機リン化合物等の助触媒が挙げられ、また銅触媒と助触媒との組合せとして、上記のようにCu−Zn、Cu−Sn、Cu−Zn−Sn(或いはSb、As)等の銅合金を用いてもよい。この中で、金属亜鉛、亜鉛化合物、金属錫、錫化合物、金属アンチモン、アンチモン化合物、金属アルミニウム、アルミニウム化合物、金属リン、リン化合物(但し、ホスホニウム化合物を除く)が好ましい。
【0027】
上記銅触媒は、反応器中に単独で仕込んでもよい。上記銅触媒の配合量は、有効量であるが、より具体的には、銅触媒の配合量は、金属珪素粉末100部(重量部、以下同じ)に対して銅量に換算して0.1〜10部、特に2〜8部とすることが好ましい。また、各助触媒の配合量は有効量でよく、好ましくは金属珪素粉末100部に対して0.0001〜3部、特に0.001〜1部である。とりわけ亜鉛の配合量は、金属珪素粉末100部に対して0.01〜2部、特に0.05〜1部、錫、アンチモン及び砒素の配合量は、金属珪素粉末100部に対して、いずれか1種類或いは合計で0.001〜0.05部、特に好ましくは0.005〜0.01部とするのがよい。アルミニウムの配合量は金属珪素粉末100部に対して0.001〜1部、特に0.005〜0.5部、リンの配合量は0.001〜2部、特に0.005〜1部とすることが好ましい。なお、亜鉛化合物等の化合物の場合は、それぞれの金属に換算して上記量となるように添加することが好ましい。これらは2種以上併用してもよい。
【0028】
本発明においては、上記金属珪素及び触媒成分、必要に応じて上記助触媒を添加してなる触体が、下記一般式(II)
【化5】
Figure 0004174655
(式中、R2、R3は互いに同一又は異種の1価炭化水素基又はハロゲン原子、Yはカルコゲン原子を示す。)
で表される基を分子内に1個以上有するホスフィンカルコゲナイド化合物を有効量含むことを特徴とする。
【0029】
ここで、R2、R3の1価炭化水素基としては、炭素数1〜10、特に1〜8のアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基等が挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ベンジル基が好ましい。ハロゲン原子としては、塩素、臭素、フッ素が挙げられ、この中で塩素が好ましい。Yのカルコゲン原子としては、酸素、硫黄、セレン、テルルが挙げられるが、酸素である
なお、上記一般式(II)で表される基を分子内に1個以上有するホスフィンカルコゲナイド化合物は、2種類以上を含有することが好ましい。
【0030】
ホスフィンカルコゲナイド化合物としては、下記一般式(III)、(IV)で表されるホスフィンカルコゲナイド化合物が好ましい。
【0031】
【化6】
Figure 0004174655
(式中、R4、R5、R6は互いに同一又は異種の1価炭化水素基又はハロゲン原子を示し、Yは上記と同じ。)
【0032】
【化7】
Figure 0004174655
(式中、R7、R8、R9、R10は互いに同一又は異種の1価炭化水素基又はハロゲン原子、Zは2価炭化水素基、αは0以上の整数、βは1以上の整数を示す。)
【0033】
4〜R10は互いに同一又は異種の炭素数1〜10、特に1〜8の1価炭化水素基を示し、上記R2、R3と同様の基が挙げられる。特にメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、ベンジル基が好ましい。
【0034】
Zは2価炭化水素基であり、炭素数1〜20、特に1〜10のアルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基等が挙げられる。この中では、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、デシレン基が好ましい。
【0035】
αは0以上の整数、βは1以上の整数を示し、特にαは0〜1、βは1〜5の整数が好ましい。
【0036】
ホスフィンカルコゲナイド化合物の好ましい例としては、トリ−n−オクチルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイド、オクチル(フェニル)−N,N’−ジイソブチルカルバモイルメチルホスフィンオキサイド、ジフェニルホスフィニルハイドロキノン、トリフェニルホスフィンサルファイド、ビス(ジクロロホスホリル)メタン、1,2−ビス(ジエチルホスフィノ)エタンオキサイド、ビス(ジメチルアミノ)ホスホリルクロライド、ビス(ジメチルアミノ)チオホスホリルクロライド、3−ビス(ジメチルホスフィノ)プロパンオキサイド、シス−1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エチレンジオキサイド、テトラエチルエチレンジホスホネート、テトラエチルメチレンジホスホネート、テトラエチルプロピレンジホスホネート、テトラメチルホスフィンジサルファイド、テトラメチルメチレンジホスホネート、テトラフェニルジホスフィンジサルファイド、テトラ−i−プロピルメチレンジホスホネート、テトラ−n−プロピルメチレンジホスホネート、テトラ−i−プロピルプロピレンジホスホネート、トリアリルホスフィンオキサイド、トリ−n−アミルホスフェート、トリベンジルホスフィンオキサイド、トリ−n−ブチルホスフィンオキサイド、トリ−n−ブチルホスフィンサルファイド、トリ−t−ブチルホスフィンサルファイド、トリシクロヘキシルホスフィンオキサイド、トリシクロヘキシルホスフィンサルファイド、トリシクロヘキシルホスファイド、トリエチルホスフィンオキサイド、トリエチルホスフィンサルファイド、トリメチルホスフィンオキサイド、トリメチルホスフィンサルファイド、トリメチルホスホロチオネート、トリフェニルホスフィンサルファイド、トリフェニルホスホラニル−2−プロパノン、トリ−n−プロピルホスフィンオキサイド、トリス(2−クロロエチル)ホスフェート、トリス(p−ジメチルアミノフェニル)ホスフィンオキサイド、トリス(o−メトキシフェニル)ホスフィンオキサイド、トリフェニルセレナイド等が挙げられる。
【0037】
オルガノハロシランの生産性を向上させるには、珪素全量に対して、反応時間、スケール、金属珪素の品位に応じてホスフィンカルコゲナイド化合物の有効量を使用するもので、具体的にホスフィンカルコゲナイド化合物の配合量は、金属珪素粉末100部に対して0.1〜25,000ppmが好ましく、特に好ましくは1〜5,000ppmである。
【0038】
なお、触体には、本発明の目的を損なわない範囲で、触体の凝集を防ぐためにシリカ、珪藻土、マイカ、タルク、アルミナ、酸化チタン、カーボン等の凝集防止剤を併用することも任意である。更に、組成や活性を制御するために、水素、塩化水素ガス、ヒドロシラン類、クロロシラン類等を供給することは任意とされる。
【0039】
本発明のオルガノハロシランの製造方法は、上記ホスフィンカルコゲナイド化合物を使用する以外は公知の方法を採用し得る。即ち、本発明では、約230〜600℃、好ましくは約250〜600℃の温度範囲でオルガノハライド、金属珪素、銅或いは銅化合物に必要によりZn、Sn、Sb、Al、P或いはそれらの化合物等の助触媒を添加した触体をRochow反応させるに際して、上記ホスフィンカルコゲナイド化合物を用いることにより、ジオルガノジハロシランの生産速度(空時速度STY)が大幅に向上されたオルガノハロシランの製造方法が提供される。
【0040】
本発明の方法は、固定床反応器、撹拌床反応器、並びに流動層反応器で実施できるが、工学的には連続的な流動層反応器が用いられる。
【0041】
オルガノハライドは予め昇温し、ガス化した後、反応器へ送入する。この場合、オルガノハライドガスを単独で送入してもよいし、不活性ガスとあわせてもよく、触体が流動化する量として算出され、用いる反応器の直径と空塔速度から適宜決定される。
【0042】
触体の加熱又は触体への触媒活性付与工程において、反応器の触体の流動化に用いる不活性ガスは、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等が例示されるが、経済性の点から、窒素ガスを用いることが好ましい。これらの工程における不活性ガスの流速は、触体の流動化開始速度以上であればよいが、特に流動化開始速度の5倍程度が好ましい。不活性ガスの流速をこの範囲より小さくすると、触体の均一な流動化が困難となり、一方、不活性ガスの流速をこの範囲より大きくすると、金属珪素粉の飛散が増加し、また、不活性ガスのロスや熱のロスが増加するため不利になる場合がある。また、不活性ガスとオルガノハライドを循環使用することがより好ましい。
【0043】
上述のようにして触体への触媒活性付与を行った後、反応器にオルガノハライドを導入し、オルガノハライドと金属珪素とを気−固接触反応させることにより、オルガノハロシランを得ることができる。
【0044】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記例中の部は重量部を示す。
【0045】
[比較例1]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、金属銅粉よりなる触媒混合物4部を仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を310℃まで上げ、反応を継続した。また、塔内混合物の量が一定となるよう、塔下部より金属珪素粉と触媒混合物を供給した。6時間後反応を停止した。この実験を6回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
【0046】
[比較例2]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、酸化銅粉よりなる触媒混合物5部を仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を320℃まで上げ、反応を継続した。また、塔内混合物の量が一定となるよう、塔下部より金属珪素粉と触媒混合物を供給した。6時間後反応を停止した。この実験を2回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
【0047】
[実施例1]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、金属銅粉よりなる触媒混合物4部、トリフェニルホスフィンオキサイド[(C653P=O]を0.12部仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を310℃まで上げ、反応を継続した。また、塔内混合物の量が一定となるよう、塔下部より金属珪素粉と触媒混合物を供給した。6時間後反応を停止した。この実験を2回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
【0048】
[実施例2]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、酸化銅粉よりなる触媒混合物5部を仕込んだ。トリフェニルホスフィンオキサイド[(C653P=O]を0.12部仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を320℃まで上げ、反応を継続した。また、塔内混合物の量が一定となるよう、塔下部より金属珪素粉と触媒混合物を供給した。6時間後反応を停止した。この実験を2回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
【0049】
[実施例3]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、金属銅粉よりなる触媒混合物4部、トリフェニルホスフィンオキサイド[(C653P=O]を0.04部仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を310℃まで上げ、反応を継続した。また、塔内混合物の量が一定となるよう、塔下部より金属珪素粉と触媒混合物を供給した。10時間後反応を停止した。この実験を2回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
【0050】
[実施例4]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、酸化銅粉よりなる触媒混合物5部を仕込んだ。トリフェニルホスフィンオキサイド[(C653P=O]を0.04部仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を320℃まで上げ、反応を継続した。また、塔内混合物の量が一定となるよう、塔下部より金属珪素粉と触媒混合物を供給した。10時間後反応を停止した。この実験を2回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
【0051】
[実施例5]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、金属銅粉よりなる触媒混合物4部、シス−1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エチレンジオキサイド[((C652P=O)2−C24]を0.2部仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を310℃まで上げ、反応を継続した。また、塔内混合物の量が一定となるよう、塔下部より金属珪素粉と触媒混合物を供給した。6時間後反応を停止した。この実験を2回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
【0052】
[実施例6]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、酸化銅粉よりなる触媒混合物5部、シス−1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エチレンジオキサイド[((C652P=O)2−C24]を0.2部仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を320℃まで上げ、反応を継続した。また、塔内混合物の量が一定となるよう、塔下部より金属珪素粉と触媒混合物を供給した。6時間後反応を停止した。この実験を2回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
【0053】
[実施例7]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、金属銅粉よりなる触媒混合物4部、シス−1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エチレンジオキサイド[((C652P=O)2−C24]を0.05部仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を310℃まで上げ、反応を継続した。また、塔内混合物の量が一定となるよう、塔下部より金属珪素粉と触媒混合物を供給した。10時間後反応を停止した。この実験を2回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
【0054】
[実施例8]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、酸化銅粉よりなる触媒混合物5部、シス−1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エチレンジオキサイド[((C652P=O)2−C24]を0.05部仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を320℃まで上げ、反応を継続した。また、塔内混合物の量が一定となるよう、塔下部より金属珪素粉と触媒混合物を供給した。10時間後反応を停止した。この実験を2回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
【0055】
[実施例9]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、金属銅粉よりなる触媒混合物4部、トリベンジルホスフィンオキサイド[(C65CH23P=O]を0.15部仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を310℃まで上げ、反応を継続した。また、塔内混合物の量が一定となるよう、塔下部より金属珪素粉と触媒混合物を供給した。6時間後反応を停止した。この実験を2回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
【0056】
[実施例10]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、酸化銅粉よりなる触媒混合物5部、トリベンジルホスフィンオキサイド[(C65CH23P=O]を0.15部仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を320℃まで上げ、反応を継続した。また、塔内混合物の量が一定となるよう、塔下部より金属珪素粉と触媒混合物を供給した。6時間後反応を停止した。この実験を2回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
【0057】
[実施例11]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、金属銅粉よりなる触媒混合物4部、トリ−n−プロピルホスフィンオキサイド[(n−C373P=O]を0.12部仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を310℃まで上げ、反応を継続した。また、塔内混合物の量が一定となるよう、塔下部より金属珪素粉と触媒混合物を供給した。10時間後反応を停止した。この実験を2回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
【0058】
[実施例12]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、酸化銅粉よりなる触媒混合物5部、トリ−n−プロピルホスフィンオキサイド[(n−C373P=O]を0.12部仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を320℃まで上げ、反応を継続した。また、塔内混合物の量が一定となるよう、塔下部より金属珪素粉と触媒混合物を供給した。10時間後反応を停止した。この実験を2回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
【0059】
[比較例3]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、金属銅粉よりなる触媒混合物4部、リン化銅0.2部を仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入し、反応器内温度を310℃まで上げ、反応を継続した。6時間後反応を停止した。この実験を3回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
【0060】
[比較例4]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、金属銅粉よりなる触媒混合物4部を仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入した。また、三塩化リンの0.1Mトルエン溶液に窒素ガスでバブリングさせ、気化した三塩化リンを窒素と同伴することにより反応器内に導入した。反応器内温度を310℃まで上げ、反応を継続した。6時間後反応を停止した。この実験を3回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
【0061】
[比較例5]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、金属銅粉よりなる触媒混合物4部を仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入した。また、トリメチルホスフィンの0.1Mトルエン溶液に窒素ガスでバブリングさせ、気化したトリメチルホスフィンを窒素と同伴することにより反応器内に導入した。反応器内温度を310℃まで上げ、反応を継続した。6時間後反応を停止した。この実験を3回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
【0062】
[比較例6]
直径75mm、高さ900mmのカーボンスチール製の流動層反応器に、金属珪素粉を100部、金属銅粉よりなる触媒混合物4部を仕込んだ。その後、塩化メチルと窒素との混合ガスを14.4Nl/minで反応器に導入した。また、モノメチルジクロロシランの0.1Mトルエン溶液に窒素ガスでバブリングさせ、気化したモノメチルジクロロシランを窒素と同伴することにより反応器内に導入した。反応器内温度を310℃まで上げ、反応を継続した。6時間後反応を停止した。この実験を3回繰り返し行った。使用した金属珪素中の不純物濃度、反応開始から反応終了時までのシラン生産速度の平均値と有効シラン量の累積組成の平均値を表1に示す。
【0063】
【表1】
Figure 0004174655
a)添加物の珪素に対する濃度を示す。
b)、c)比較例1は6回の実験の平均値であり、実施例1〜12及び比較例2は2回の実験の平均値であり、比較例3〜6は3回の実験の平均値である。
d)各々の添加物の0.1Mトルエン溶液を塩化メチルと窒素ガスと同伴することにより反応器内に導入した。
【0064】
【発明の効果】
オルガノハロシランの工業的製造方法において、ホスフィンカルコゲナイド化合物を有効量含む触体を使用することにより、有効シランの選択性を低下させることなく、生産速度を大幅に向上させ、かつ珪素の利用率を高めることができる。

Claims (4)

  1. 銅触媒の存在下、金属珪素粒子とオルガノハライドとを反応させることにより下記一般式(I)
    1 n(H)mSiX(4-n-m) (I)
    (式中、R1は1価炭化水素基、Xはハロゲン原子を示し、nは1〜3の整数、mは0〜2の整数で、n+mは1〜3の整数である。)
    で表されるオルガノハロシランを製造する方法において、金属珪素及び触媒成分からなる触体が、下記一般式(II)
    Figure 0004174655
    (式中、R2、R3は互いに同一又は異種の1価炭化水素基又はハロゲン原子、Yはカルコゲン原子として酸素原子を示す。)
    で表される基を分子内に1個以上有するホスフィンカルコゲナイド化合物を金属珪素粉末100重量部に対して0.1〜25,000ppm含むことを特徴とするオルガノハロシランの製造方法。
  2. ホスフィンカルコゲナイド化合物が、下記一般式(III)
    Figure 0004174655
    (式中、R4、R5、R6は互いに同一又は異種の1価炭化水素基又はハロゲン原子を示し、Yは上記と同じ。)
    で表されるホスフィンカルコゲナイド化合物である請求項1記載のオルガノハロシランの製造方法。
  3. ホスフィンカルコゲナイド化合物が、下記一般式(IV)
    Figure 0004174655
    (式中、R7、R8、R9、R10は互いに同一又は異種の1価炭化水素基又はハロゲン原子、Zは2価炭化水素基、αは0以上の整数、βは1以上の整数を示す。)
    で表されるホスフィンカルコゲナイド化合物である請求項1記載のオルガノハロシランの製造方法。
  4. 触体が金属亜鉛、亜鉛化合物、金属錫、錫化合物、金属アンチモン、アンチモン化合物、金属アルミニウム、アルミニウム化合物、金属リン、リン化合物(但し、ホスホニウム化合物を除く)から選ばれる助触媒の1種又は2種以上を含有する請求項1〜3のいずれか1項記載のオルガノハロシランの製造方法。
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