JP2923061B2 - メチルジクロロシランの収率増加方法 - Google Patents

メチルジクロロシランの収率増加方法

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JP2923061B2
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    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F7/00Compounds containing elements of Groups 4 or 14 of the Periodic Table
    • C07F7/02Silicon compounds
    • C07F7/08Compounds having one or more C—Si linkages
    • C07F7/12Organo silicon halides
    • C07F7/16Preparation thereof from silicon and halogenated hydrocarbons direct synthesis

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明はオルガノハロシラン類の調製に関
する。もっと詳しく言えば、本発明は、望ましいオルガ
ノクロロシラン類の収率、特にモノオルガノジクロロシ
ランと対応するジオルガノジクロロシランとを一緒にし
た収率に不利な影響を及ぼすことなしに、あるいは実質
的な量の望ましくない無機ハロシラン類及びオルガノト
リハロシラン類を生じさせることなしに、当該技術分野
において「直接法」と称される方法を使ってモノオルガ
ノジクロロシラン類の収率を上昇させ及び/又は所望さ
れないモノオルガノトリクロロシランの収率を低下させ
るための方法に関する。
【0002】種々の触媒の存在下でのハロゲン化アルキ
ル又はアリールと金属ケイ素との反応によるオルガノハ
ロシラン類の調製は、「直接法」として知られている。
ハロゲン部分は典型的には塩素であるが、臭素又はヨウ
素であることもできる。ケイ素を塩化水素と反応させる
ことによりハロシラン類を調製することは、1857年
のBuff及びWohler並びに1896年のCom
besの研究以来公知である。直接法をオルガノハロシ
ラン類の調製に応用することは、1940年代の半ばに
始まり、Rochowとその共同研究者らにより最初に
開示された。当該技術分野の文献にはゝこの直接法に対
する多数の改良が記載されている。
【0003】費用と出発物質の入手可能性とを含めた様
々な理由から、アルキルクロロシラン類、特にメチルク
ロロシラン類及びエチルクロロシラン類は、直接法によ
って最も頻繁に調製されるオルガノハロシランとなって
いる。従って本発明は、対応する塩化アルキルを使用す
るこの種のアルキルクロロシランに限られている。本発
明の好ましい態様は塩化メチルとケイ素との反応によっ
メチルクロロシラン類を調製することに主として向け
られている。
【0004】式MeClで表される塩化メチルと金属ケイ素
とを、従来技術の文献に記載された触媒及び反応条件を
使用して反応させる場合には、結果として得られる生成
物にはMeHSiCl2,Me2SiCl2,Me3SiCl ,MeSiCl3 ,Me2H
SiCl,HSiCl3及びSiCl4 が含まれる。これらの式のMe
はメチル基を表す。触媒及び反応条件の適切な選択によ
って、最終の生成物混合物中にしばしば90重量%以上の
ジメチルジクロロシランMe2SiCl2を主要成分として得る
ことが可能である。メチルジクロロシランMeHSiCl2は、
Me2SiCl2の収率を最高にするよう計画されるこれらの条
件下では、典型的には生成物の約1重量%を構成する。
反応生成物はまた、多くの場合に所望の生成物ではない
有意の濃度のメチルトリクロロシランMeSiCl3 を典型的
に含有する。
【0005】従来技術の文献には、直接法の生成物混合
物中のメチルジクロロシランの相対濃度を、この生成物
とジメチルジクロロシランとを一緒にした収率を実質上
低下させることなく、あるいは実質的量の望ましくない
生成物、詳しく言えばメチルトリクロロシラン及び炭素
を生成することなしに増加させることを可能にする教示
は見られない。炭素は、それがケイ素反応物上にたま
り、そして塩化メチルとケイ素との反応の速度を低下さ
せ又はそれを全部一斉に停止させることがあるので、殊
に望ましくない。
【0006】当該技術分野の文献は、最終生成物中のメ
チルジクロロシランの相対収率を上昇させるための手段
として、塩化メチルと、塩化メチルを基準として5重量
%以上の水素とを組み合わせることを教示するが、ジメ
チルジクロロシランの収率は相当するより以上に低下
し、且つ、かなりの量の望ましくない有機のハロシラン
類が生成される。
【0007】従来技術の文献はまた、最終生成物中のメ
チルジクロロシランの相対収率を上昇させるための手段
として、塩化メチルと、塩化メチルを基準として5重量
%以上の塩化水素とを組み合わせることを教示するが、
ジメチルジクロロシランの収率は相当するより以上に低
下し、且つ、かなりの量の望ましくない無機のハロシラ
ン類が生成される。
【0008】直接法を使って得られるメチルトリクロロ
シランの収率を低下させながらジメチルジクロロシラン
の収率を増加させるための方法は、従来技術の文献に記
載される。
【0009】本発明の目的は、直接法におけるメチルジ
クロロシランの収率を、このシランとジメチルクロロシ
ランとジメチルジクロロシランとを一緒にした収率に実
質的な影響を及ぼすことなしに、あるいは過剰量のメチ
ルトリクロロシランを生成することなしにもしく過剰
量のSiCl4 やSiHCl3 などの無機クロロシラン類を生成す
ることなしに、上昇させるための方法を提供することで
ある。
【0010】本発明は、低濃度の水素及び塩化水素を、
金属ケイ素と反応してメチルクロロシラン類を生成する
塩化メチルと混合すると、実質的量の望ましくないメチ
ルトリクロロシラン、SiCl及び/又はSiHCl
を生成することなしに、あるいはメチルジクロロシラ
ン、ジメチルクロロシラン及びジメチルジクロロシラン
を一緒にした収率に不利な影響を及ぼすことなしに、メ
チルジクロロシランの収率が増加する、という発見に基
づいている。
【0011】本発明は、 250℃から約 350℃までの温度
で塩化メチルと塩化水素とを含んでなるガス状混合物を
金属ケイ素と適当な触媒とを含んでなる反応物と反応さ
せることによりメチルクロロシラン類を製造する間に得
られるメチルジクロロシランの収率を塩化メチルだけを
用いる場合と比べて増加させるための方法を改良する。
この改良には、塩化メチル及び塩化水素を上記の反応の
生成物中のメチルトリクロロシランの濃度を低下させる
のに十分な量の水素と均一混合することが含まれる。
【0012】1990年1月2日に出願された米国特許
出願第459630号明細書は、アルキルクロロシラン
類を調製するための直接法において少量の水素及び塩化
メチルを使うことを教示する。約1重量%未満の塩化水
素を塩化メチルと組み合わせると、反応生成物中のメチ
ルジクロロシランの濃度はこのシランとジメチルジクロ
ロシランとを一緒にした収率を実質的に低下させること
なしに実質的に上昇する。より高い塩化水素濃度では、
この方法は比較的高濃度のメチルトリクロロシラン、S
iCl4 及びSiHCl3 を生じさせ、そしてこれらは
全て通常は望ましくない副生物である。
【0013】発明者らは、直接法において水素、塩化水
素及び塩化メチルの混合物を使用することによって、両
方の変性剤の有益な効果をおのおのの不都合を低減しな
がら得ることができる、ということを発見した。
【0014】本発明の方法によれば、塩化メチルを基準
として0.02〜10重量%の、塩化水素と水素との混
合物を、塩化メチルと一緒に投入する。発明者らの行っ
た実験のデータは、塩化水素と水素との比は水素濃度が
塩化メチルの重量を基準として5%を超えない限りは重
要でない、ということを指示する。水素は典型的には、
水素と塩化水素との混合物の5重量%から約90重量%
までを構成する。
【0015】水素と塩化水素とを一緒にした濃度につい
ての範囲は、塩化メチルの好ましくは0.1%から約3
%までであり、そして水素はこの混合物の10重量%か
ら約60重量%までを構成する。
【0016】本発明の方法をバッチ又は半バッチ様式で
実施する場合には、塩化メチルを加える初めのうちはよ
り多くの塩化水素を存在させ、そして塩化メチルを加え
る終末の部分では塩化水素を減らし又はなくすことが望
ましいことを発明者らは見いだした。特別に好ましい態
様によれば、塩化水素は反応器へ加えられる塩化メチル
のうちの初めの50重量%〜約90重量%の間だけ存在
する。
【0017】塩化水素と水素とについての最適濃度範囲
及びこれらのガスの互いに関する相対濃度は、本発明の
方法を実施する際に使用される装置の種類及び反応条件
に少なくとも部分的に依存する。直接法を実施するのに
適当な装置には、固定床反応器、撹拌床反応器及び流動
床反応器が含められる。これらの反応器のいずれも連続
又はバッチ様式で運転することができる。
【0018】1964年5月12日発行のDotson
の米国特許第3133109号明細書に記載された反応
器又はMaasらの米国特許第4218387号明細書
に記載された反応器を利用することは、本発明の範囲内
である。
【0019】流動物質の粒度は、直接法のために典型的
に使用される範囲内にあるべきである。Dotsonの
米国特許第3133109号明細書は、20〜200μ
mの粒度範囲を開示する。反応器の容量に応じて、本発
明の方法については1〜200μmの範囲が好ましい。
【0020】直接法のために使用される温度範囲は、典
型的には250℃から約350℃までである。所望のメ
チルクロロシラン類の収率を最高にするためには、26
0℃から約380℃までの範囲内の温度が好ましい。
【0021】本発明の方法を使用してジメチルジクロロ
シランとジメチルクロロシランとを一緒にした収率を高
くすることがメチルトリクロロシランの濃度の低下と一
緒に達成されるのは、1)ケイ素と反応する塩化メチル
と水素と塩化水素との混合物、そして2)この反応中に
メチルトリクロロシランが生成するのを抑制する触媒組
成物の存在、のためと信じられる。
【0022】本発明の方法で使用するのに適した触媒に
は、スズ及び亜鉛のうちの少なくとも一方と一緒の銅又
は銅化合物が含められるが、触媒はこれらには限定され
ない。スズ及び亜鉛は、金属の形態又はこれらの金属の
化合物の形態であることができる。
【0023】アルキルハロシラン類を調製するための直
接法に関係する技術文献は、直接法で使用するのに適し
た様々な触媒及び促進剤を開示する。Wardらの米国
特許第4500724号明細書は、銅及び酸化銅、スズ
又はスズ含有化合物そして亜鉛又は亜鉛含有化合物を含
んでなる、オルガノハロシラン類の製造のための触媒を
開示する。この米国特許明細書の教示によれば、ケイ素
/塩化メチル反応生成物中のメチルトリクロロシランの
濃度は、反応のための触媒として、特定比率の銅、スズ
及び亜鉛を使って低下させられる。
【0024】1986年7月22日発行のHalmらの
米国特許第4602101号明細書は、250〜350
℃の温度でのハロゲン化アルキルと冶金グレードのケイ
素との反応の間に生成物の選択度を制御し且つケイ素の
転化率を上昇させるための触媒を開示する。この反応の
ための触媒は、銅又は銅化合物とスズ又はスズ化合物と
の組み合わせである。反応物はまた、リン又はリン含有
化合物を反応促進剤として含有する。リン又はリン化合
物の濃度は初期反応物100万重量部当り25〜250
0重量部(ppm)であり、銅の濃度は反応物の初期重
量を基準として0.2〜10重量%であり、そしてスズ
の濃度は5〜200ppmである。Halmらの上述の
米国特許明細書に開示されたリン、銅及びスズの濃度範
囲は、本発明の反応混合物にも当てはまる。亜鉛を触媒
として使用する場合には、好ましくは、それは初期の反
応物を基準として10〜10,000ppmの濃度で存
在する。ケイ素はまた、アルミニウム及び/又は鉄をそ
れぞれ最高で1重量%まで含有することもできる。
【0025】スズ及び/又は亜鉛と組み合わせた銅と共
に用いることのできるそのほかの適当な触媒及び促進剤
は、亜鉛、カルシウム、バリウム、チタン、ジルコニウ
ム、カドミウム、鉛、ビスマス、ヒ素、ニッケル、アン
チモン、銀及びコバルトから選ばれる少なくとも1種の
元素を含有する。これらの促進剤のいずれも、元素の形
で、あるいは化合物として、あるいは当該元素を含有す
る合金として使用することができる。
【0026】好ましい触媒/促進剤組成物には次に掲げ
るものが含まれるが、これらには限定されない。 1.(a)銅又は銅化合物と(b)亜鉛又は亜鉛化合
物。 2.(a)銅又は銅化合物と、(b)亜鉛又は亜鉛化合
物と、そして(c)スズ又はスズ化合物。 3.(a)銅又は銅化合物と、(b)スズ又はスズ化合
物と、そして(c)任意的にヒ素又はヒ素化合物。 4.(a)混合物、合金又は化合物の形の銅と、(b)
スズ、スズ化合物、亜鉛及び亜鉛化合物からなる群より
選択される少なくとも一つと、そして(c)リン、リン
化合物、金属−リン合金及び金属リン化物からなる群よ
り選択される少なくとも一つ。 5.(a)銅又は銅化合物と、(b)スズ又はスズ化合
物と、(c)ヒ素又はヒ素化合物と、そして(d)リン
又はリン化合物。 6.(a)ケイ素の鉄だけとの合金又はケイ素の鉄とア
ルミニウムとの合金であって、鉄及びアルミニウムの濃
度が初期のケイ素の重量を基準として1重量%未満であ
るものと、(b)銅又は少なくとも1種の銅化合物と、
そして(c)任意的に、スズ、スズ化合物、亜鉛、亜鉛
化合物、元素のリン、金属リン化物及び金属−リン合金
からなる群より選択される少なくとも一つ。 7.(a)黄銅として存在している銅及び亜鉛の混合物
と、(b)塩化第一銅と、(c)スズ又は少なくとも1
種のスズ化合物と、そして(d)金属−リン合金。
【0027】上記の金属−リン合金又はリン化物の金属
分は、好ましくはアルミニウム、カルシウム、銅又は亜
鉛である。濃度範囲がこの明細書に開示されていない促
進剤は、数ppm程度の少量で典型的に使用される。こ
れらの促進剤のうちの一部のものは、初期反応物を基準
にして最高で10重量%までの量を不利な影響を及ぼす
ことなしに使用することができる。
【0028】最良の結果を得るためには、ケイ素の純度
は100%よりわずかに低くて少なくとも95%である
べきである。冶金グレードのケイ素が好ましい。最高の
結果を得るためには、ケイ素は粒状形態である。
【0029】以下に掲げる例は、本発明の好ましい態様
を反応物、触媒、促進剤の種類と濃度、プロセス条件及
び装置に関して説明するものであって、特許請求の範囲
に明示された本発明を限定するものと解釈すべきでな
い。特別な指示がない限りは、例中の部数及び百分率は
全て重量によるものである。
【0030】これらの例においては、次に述べる一般手
順を使用した。すなわち、ケイ素と塩化メチルとの又は
塩化メチル/塩化水素/水素混合物との反応を、Dot
sonの米国特許第3133109号明細書に記載され
たタイプの流動床反応器で行った。反応器を加熱するの
に用いた砂浴の温度は315℃であって、反応時間に相
当する各加熱時間は連続して44時間であった。
【0031】アルミニウム(0.22%)、カルシウム
(0.046%)及び鉄(0.34%)を含有している
冶金グレードのケイ素(米国オハイオ州ベバリ(Bev
erly)のGlobe Metallurgical
Inc.)を使用した。使用した水素及び塩化水素
は、米国オハイオ州デイトン(Dayton)のMat
heson Gas Productsより入手した最
低純度99.999%のものであった。塩化メチルと水
素は、較正した流量計を使って個々に計測した。水素を
使用する時には、反応器へ入れる前にガス流を一緒にし
そしてスタティックミキサーを通過させて適切な混合を
確実にした。
【0032】反応物として使用するものを、次に掲げる
成分を適当な容器で均一になるまで混合して調製した。
それらの成分とは、すなわち、ケイ素が100部、塩化
第一銅が6.48部、黄銅(銅及び亜鉛の1/1重量比
合金)が600ppm、スズが30ppm、そしてリン
を13.5重量%含有している銅−リン合金が2000
ppmであった。結果として得られたこれらの成分の混
合物を2〜3分間勢いよく振盪して混合した。次いでこ
の混合物を反応器へ入れ、続いて反応器を密閉しそして
315℃の砂浴に配置した。この時点で、窒素の流れに
反応器を通過させた。砂浴は連続的に流動させて反応器
内の一定温度を維持した。
【0033】反応器の温度が約315℃に達したら、窒
素を流動媒体としてのガス状塩化メチルの流れと取り替
えた。塩化メチルの流れは44時間続けさせた。水素を
加える時には、塩化メチルを加える全期間を通して塩化
メチルと混合した。
【0034】反応器から出てくる生成物は、予め秤量し
たコールドトラップで凝縮させて集めた。トラップで集
められた液体を次いで冷却された壜へ移し、それから前
もって冷却された注射器を使ってガスクロマトグラフの
試料室へ注入した。このガスクロマトグラフを使用して
反応生成物の種類と濃度を測定した。以下の例で報告さ
れる生成物濃度は、同一の条件下で行った2回の実験の
平均を表す。
【0035】例 1 この例(対照例)は、水素及び塩化水素を存在させない
で得られる生成物分布の典型となる。
【0036】水素又は塩化水素を加えずに行った2回の
実験から得られた生成物分布を測定して、結果を平均し
た。平均値は、次のとおりであった。
【0037】残りの物質は他のメチルクロロシラン類の
混合物であった。検出できる量のHSiCl又はSi
Clは存在しなかった。
【0038】例 2 この例(対照例)は、塩化メチルに1.0重量%の塩化
水素を加えると、メチルジクロロシランの濃度が上昇す
るのと一緒に高濃度の望ましくないメチルトリクロロシ
ランが生成されることを証明する。先に説明した手順
を、1.0重量%の塩化水素を塩化メチルと混合したこ
とを除いて反復した。2回の実験から得られた反応生成
物の平均濃度は下記のとおりであった。
【0039】例 3 この例は、塩化水素/塩化メチル混合物をケイ素と反応
させて製造されるメチルトリクロロシランの濃度を低下
させるのに水素が効果のあることを証明する。先に説明
した手順を、0.5重量%の水素及び1.0重量%の塩
化水素を塩化メチルと混合したことを除いて繰り返し
た。最終生成物中の4種の主要なメチルクロロシランの
平均濃度は下記のとおりであった。
【0040】水素が存在すると、メチルジクロロシラン
の収率が例2と比べて10%増加した。更に重要なこと
には、メチルトリクロロシランの量がほとんど三分の一
に減少した。
【0041】例 4 この例は、種々の割合の塩化水素、水素及び塩化メチル
をケイ素を含有している反応物と反応させて得られた主
要なメチルクロロシラン類の収率を明らかにする。
【0042】先に説明した一般手順を、表1に掲げられ
た重量百分率の塩化水素及び水素を塩化メチルと組み合
わせたことを除いて繰り返した。これらの百分率は塩化
メチルの重量を基準としている。一つの事例において
は、塩化メチルを加える44時間のうちの最初の22時
間の間だけ塩化水素を加えた。
【0043】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07F 7/16 C07B 61/00 300 // C07B 61/00 300 B01J 23/82 X (56)参考文献 特開 昭62−120391(JP,A) 特公 昭26−6913(JP,B1) 英国特許出願公開1089726(GB,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07F 7/12 C07F 7/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 250℃から350℃までの温度で塩化
    メチル及び塩化水素を含んでなるガス状混合物と金属ケ
    イ素及び適当な触媒を含んでなる反応物とを反応させて
    メチルクロロシラン類を製造する間に得られる有用生成
    の収率を増加させるための方法であって、塩化メチル
    を、塩化メチルの重量を基準にそれぞれ0.01〜5重
    量%をなす塩化水素と水素の混合物0.02〜10重量
    %と混合し、かつ前記混合は銅又は銅化合物と共に、
    スズ、スズ化合物、亜鉛及び亜鉛化合物から選ばれる
    少なくとも1種とを含む触媒の存在下に行なうことを特
    徴とするメチルクロロシラン類の製造方法。
  2. 【請求項2】 塩化メチルとケイ素の間の反応を260
    〜330℃の温度で行なう請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記塩化水素と前記水素とを一緒にした
    重量が塩化メチル重量の0.1〜3%を構成し、且つ水
    素が水素と塩化水素とを一緒にした重量の10〜60%
    を構成し、そして前記反応物が、次の群〜、すなわ
    ち、 銅又は銅化合物と亜鉛又は亜鉛化合物、 銅又は銅化合物とスズ又はスズ化合物、 銅又は銅化合物と、亜鉛又は亜鉛化合物と、そして
    スズ又はスズ化合物、 銅又は銅化合物と、スズ又はスズ化合物と、そして
    ヒ素又はヒ素化合物、 混合物、合金又は化合物の形の銅と、スズ、スズ化
    合物、亜鉛及び亜鉛化合物からなる群より選択される少
    なくとも一つと、そしてリン、リン化合物、金属−リン
    合金及び金属リン化物からなる群より選択される少なく
    とも一つ、 銅又は銅化合物と、スズ又はスズ化合物と、ヒ素又
    はヒ素化合物と、そしてリン又はリン化合物、 銅又は少なくとも1種の銅化合物と、そしてケイ素
    の鉄だけとの合金又はケイ素、鉄及びアルミニウムの合
    金、 銅又は少なくとも1種の銅化合物と、ケイ素の鉄だ
    けとの合金又はケイ素、鉄及びアルミニウムの合金と、
    そしてスズ、スズ化合物、亜鉛、亜鉛化合物、元素のリ
    ン、金属リン化物及び金属−リン合金からなる群より選
    択される少なくとも一つ、並びに、 黄銅として存在している銅及び亜鉛の混合物と、塩
    化第一銅と、スズ又は少なくとも1種のスズ化合物と、
    そして金属−リン合金、 からなる群より選択される触媒/反応促進剤の組み合わ
    せを含み、いずれの鉄及びアルミニウムの濃度もケイ素
    の初期重量を基準として1重量%を超えない、請求項2
    記載の方法。
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