JP3379056B2 - 制振厚板の溶接方法 - Google Patents

制振厚板の溶接方法

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JP3379056B2 JP03743495A JP3743495A JP3379056B2 JP 3379056 B2 JP3379056 B2 JP 3379056B2 JP 03743495 A JP03743495 A JP 03743495A JP 3743495 A JP3743495 A JP 3743495A JP 3379056 B2 JP3379056 B2 JP 3379056B2
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博道 安波
忠彦 森
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、複数の鋼板の間に樹脂
が介在する樹脂系制振厚板の溶接方法に関するものであ
る。 【0002】 【従来の技術】近年、環境問題が注目されるようにな
り、防音、制振機能が求められる構造材料に複数の鋼板
の間に樹脂が介在する樹脂系制振厚板が適用されつつあ
る。この制振厚板を構造材料として用いるためには、溶
接を行う必要が生ずるが、制振厚板をそのままの状態で
溶接すると、溶接による熱影響で、樹脂が流動化した
り、熱分解によりガスが発生して溶接品質に悪影響を及
ぼすことが知られている。 【0003】溶接品質を悪化させない溶接技術として
は、溶接に先だって、溶接により熱影響を受ける領域の
樹脂をガスバーナー等の火炎により焼却除去する方法が
実施されている。しかし、この溶接方法では樹脂を除去
する領域の制御が困難であり、目標以上の領域を除去す
ることや、除去領域内に樹脂が残留することがしばしば
生じた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明においては、前
記従来の溶接方法における難点を解消し、溶接品質を損
なうことのない制振厚板の溶接方法を提供するものであ
る。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、複数の厚鋼板の間に樹脂が介在する樹脂系
制振厚板の端部をすみ肉溶接するに先だって、制振厚板
の溶接側端部の鋼板および樹脂を切削して開先を形成
し、この開先部に溶接で肉盛りして樹脂端部をシールし
た後、このシール端部をすみ肉溶接することを特徴とす
る制振厚板の溶接方法を要旨とする。 【0006】 【作用】本発明では、熱影響を受ける領域の樹脂を機械
的に切削して確実に除去した後に溶接する、すなわち
接による熱影響で流動化した樹脂、樹脂の熱分解により
発生したガスが外へ流出しないように、予め制振厚板の
樹脂端部を肉盛り溶接でシールした後に溶接するため、
樹脂に起因するピット、ブローホール、融合不良等の溶
接欠陥の発生を防止することができる。したがって、本
発明によって、従来溶接が課題となり適用できなかった
橋梁部材のような高級な溶接品質を必要とする構造物に
対しても制振厚板の適用が促進され、騒音、振動等の環
境問題の改善に寄与することができる。 【0007】本発明者等は、特に高級な溶接品質を必要
とする橋梁等の構造物に制振厚板の適用を目指し、前記
従来の溶接方法を適用した場合の難点解消を出発点とし
て、このような大サイズの構造物に制振厚板の溶接方法
として適性の高い溶接方法を検討し、本発明を開発する
に至った。本発明においては、溶接により熱影響を受け
る領域の樹脂を機械的に除去した後溶接する。すなわ
、溶接の熱影響で流動化した樹脂あるいは樹脂の熱分
解で発生したガスが溶接部に流出しないように、溶接に
より熱影響を受ける樹脂端部を予め肉盛り溶接でシール
した後、溶接することを要点とする。 【0008】樹脂を機械的に除去する場合、制振鋼板の
板厚が薄くなると鋼板を破る恐れがあり適用は困難であ
る。しかし、本発明で溶接対象とするのは、主として構
造材に用いる呼称厚3.0mm以上の厚鋼板と、この厚鋼
板間に介在させた厚み3mm以下の樹脂からなる制振厚板
であり、カッター等の機械的手段によって厚鋼板間の樹
脂を容易に切削除去することができる。 【0009】制振厚板の樹脂厚が薄い場合には、樹脂の
みを機械的に切削除去することが難しいため、鋼板も同
時に切削することになり、構造上の弱点になることが考
えられるが、使用するカッターの厚みを選択することに
よって鋼板の切削厚さを事前に把握できるので、構造設
計での対応が容易である。 【0010】制振厚板の溶接熱影響部の樹脂を除去して
も、溶接時間等の条件変化によっては熱影響部の範囲が
変わり、溶接時に樹脂あるいはガスが流出し、溶接に悪
影響を及ぼすことがあるが、突き合わせ溶接においては
通常、開先を形成して溶接するため、溶接時に樹脂が流
出しても、一層目の溶接がシールの役目を果たし、溶接
部に決定的な欠陥を生ずることはない。 【0011】しかし、すみ肉溶接においては、開先がな
く両側からの2パス溶接を行うことが一般的で、特に下
向き溶接の場合、1パス目の溶接熱で流動化した樹脂に
よって2パス目の溶接で溶接欠陥を生ずる懸念がある。
このような問題を解消するためには、溶接熱により流動
化した樹脂、樹脂の熱分解により発生したガスが溶接部
に流出しないよう予め溶接熱の影響をうける制振厚板の
樹脂端部をシールすることが有効である。 【0012】制振厚板の樹脂端面部をシールする方法と
しては色々な方法が考えられるが、凹状(V,Y,U字
状等を含む)に切削後、溶接で肉盛りする方法が施工
性、経済性の面から優れている。この場合、すみ肉溶接
時の溶接熱によって、シール性が損なわれない程度に肉
盛り量を確保する必要がある。端面からの肉盛りの深さ
は、通常、3〜10mm程度あれば十分である。 【0013】この肉盛り溶接部に余盛部があリ、端面よ
り突出している場合には、施工性を損なわないように、
カッター、グラインダー等で除去し、溶接側の端面を平
坦に仕上げることが望ましい。なお、溶接熱の影響をう
ける領域の樹脂端部を肉盛り溶接でシールする場合、前
記したような方法で、予め溶接熱の影響を受ける領域の
樹脂を除去して置いてもよいが、除去して置かなくても
溶接に悪影響を及ぼすことはない。 【0014】 【実施例】次に本発明の実施例を図1〜図3に基づいて
説明する。この実施例は、制振厚板の溶接側の端部を切
削してV字型の開先部を形成し、この開先部に肉盛り溶
接して制振厚板の樹脂の端面部をシールした後、この制
振厚板をすみ肉溶接した場合のものである。この実施例
使用した制振厚板1は、呼称厚み12.0mmの、幅3
00mmの厚鋼板1a,1b間に、厚み0.3mm、幅30
0mmで流動化温度が200℃の粘弾性樹脂2を介在させ
たものである。 【0015】この実施例では、図1に示すように、制振
厚板1の溶接側の端部全範囲に一般的な切削加工で深さ
6mmのV字型の開先部1vを形成し、図2に示すよう
に、この開先部に肉盛り溶接して制振厚板の樹脂の端部
を肉盛部11でシールした後、この肉盛部11の余盛部
12を一般的な切削加工して図2に示すように平坦にし
た後、図3に示すように、この制振厚板1を厚さ12.
0mmの厚鋼板13にすみ肉溶接した。溶接条件を表1に
示す。 【0016】 【表1】【0017】この溶接により得られた溶接部14を破断
して、溶接欠陥の有無を検査した結果、肉盛り溶接によ
るシール溶接部11には軽微なブローホールの発生が認
められたが、シール機能が損なわれることはなく、樹脂
の流出、樹脂の熱分解によるガス発生を防止でき、すみ
肉溶接部14には全く溶接欠陥は認められず、極めて健
全なすみ肉溶接ができたことが確認できた。 【0018】一方、制振厚板の端部の樹脂を切削除去せ
ずそのまま、上記実施例と同様の溶接条件で厚鋼板にす
み肉溶接溶接した場合には、融合不良に加え、ピット、
ブローホールの発生が顕著で、致命的な溶接欠陥が発生
した。また、制振厚板の端部の樹脂を溶接線から30mm
領域で切削除去し、そのまま、上記実施例と同様の溶接
条件で厚鋼板にすみ肉溶接溶接した場合には、軽微なブ
ローホールの発生が認められた。 【0019】本発明は、上記の実施例に限定されるもの
ではない。本発明では、前記請求項を満足する範囲内
で、溶接対象(材質、サイズ、形状等)、溶接条件等に
応じて、例えば樹脂を切削除去する領域、樹脂の端面の
肉盛り溶接によるシール領域、切削手段、切削加工手
順、突き合わせ溶接手段、肉盛溶接手段、すみ肉溶接手
段等を変更するものである。 【0020】 【発明の効果】本発明においては、熱影響を受ける領域
の樹脂を機械切削で確実に除去した後に溶接する。すな
わち溶接による熱影響で流動化した樹脂が外へ流出しな
いように、予め制振厚板の樹脂端面部をシールした後に
溶接するため、樹脂に起因するピット、ブローホール、
融合不良等の溶接欠陥の発生を防止することができる。
したがって、本発明によって、従来溶接が課題となり適
用できなかった橋梁部材のような高級な溶接品質を必要
とする構造物に対しても制振厚板の適用が促進され、騒
音、振動等の環境問題の改善に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施例おいて端部に開先を形成し肉
盛り溶接した溶接前の制振厚板の縦断面概要説明図。 【図2】本発明の実施例おいて端部に開先を形成して
肉盛り溶接した後、余盛部を切削加工して平坦に仕上げ
た、溶接前の制振厚板の縦断面概要説明図。 【図3】本発明の実施例おいて厚鋼板にすみ肉溶接さ
れた制振厚板の縦断面概要説明図。 【符号の説明】 1,11 :制振厚板 1a,1b:厚鋼板 1o :開先 1v :V字型開先 2 :樹脂 11 :肉盛溶接部 12 :余肉部 13 :厚鋼板 14 :すみ肉溶接部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B32B 15/08 B32B 15/08 D (72)発明者 井田 清実 千葉県君津市南子安5−11−8 (56)参考文献 特開 平6−87079(JP,A) 実開 昭59−6068(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 9/23 B23K 9/02 B23K 9/04 B23K 31/00 B23K 33/00 B32B 15/08

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 複数の厚鋼板の間に樹脂が介在する樹脂
    系制振厚板の端部をすみ肉溶接するに先だって、制振厚
    板の溶接側端部の鋼板および樹脂を切削して開先を形成
    し、この開先部に溶接で肉盛りして樹脂端部をシールし
    た後、このシール端部をすみ肉溶接することを特徴とす
    る制振厚板の溶接方法。
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