JPH0847787A - レーザ肉盛り方法 - Google Patents

レーザ肉盛り方法

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JPH0847787A
JPH0847787A JP6183669A JP18366994A JPH0847787A JP H0847787 A JPH0847787 A JP H0847787A JP 6183669 A JP6183669 A JP 6183669A JP 18366994 A JP18366994 A JP 18366994A JP H0847787 A JPH0847787 A JP H0847787A
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JP
Japan
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layer
cladding
laser
overlaying
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Pending
Application number
JP6183669A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidenobu Matsuyama
山 秀 信 松
Kimio Nishimura
村 公 男 西
Masaru Takenouchi
優 竹之内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 肉盛り層の重なり部にクラックや融合不良な
どの欠陥を発生させることなく肉盛りすることが可能な
レーザ肉盛り方法を提供する。 【構成】 先に形成された肉盛り層6の始端部6a上に
重ねて肉盛り層6bを形成するに際して、重なり部以前
の初層肉盛り時の加工速度よりも早い加工速度でレーザ
光Lを走査させて肉盛りを施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばアルミニウム合
金製の母材に耐熱性や耐蝕性、耐摩耗性などに優れた異
種合金をレーザ光の照射によって肉盛りし、アルミニウ
ム合金母材に耐熱性,耐蝕性,耐摩耗性などを付与する
のに利用されるレーザ肉盛り方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】肉盛り法は、構造用部材などの母材表面
に、アーク,レーザ光あるいは電子ビームなどの熱源に
より、異種金属からなる粉末状,帯状あるいはワイヤ状
の溶加材を溶接し、母材とは異なった性質を母材表面に
付与する方法であって、表面改質技術の一種として広く
利用されている。
【0003】上記レーザ肉盛り方法は、例えばアルミニ
ウム合金製自動車エンジンのシリンダヘッドの製造にお
いて、バルブシート部の耐熱性、耐摩耗性および耐蝕性
などの向上を図るために適用されており、例えば図2に
示すように、シリンダヘッド100のバルブシート相当
部にあらかじめ凹状の溝101を形成しておき、この溝
101に対して、ノズル102から肉盛り用合金粉末1
03を供給しながらレーザ光Lを照射することにより合
金粉末103を溶融し、肉盛り層104を形成してこれ
をバルブシートとしている。 なお、このとき、シリン
ダヘッド100をバルブ孔105の中心軸Aを中心に回
転させるか、あるいは、シリンダヘッド100を固定し
てレーザ光の発生源および合金粉末103供給用のノズ
ル102を溝101に沿って周方向に移動させるように
している。
【0004】このようなアルミニウム合金製エンジンの
シリンダヘッドにおけるバルブシートのレーザ肉盛りに
ついては、例えば特開昭62−150014号公報に記
載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たレーザ肉盛りにおいては、シリンダヘッド100を回
転させるか、レーザ源およびノズル102を周方向に移
動させるか、いずれにしてもエンドレス状に全周にわた
って肉盛りが行われることになるので、合金粉末103
の種類や肉盛り条件によっては、図3に示すように、肉
盛り層104の始端部104a(初層部)の上に肉盛り
層104の終端部104bが重なった重なり部において
クラックCが発生することがあり、このようなクラック
Cが発生した場合には、燃焼ガスの吹き抜けが生じると
いう問題点があり、このような問題点を解決することが
製品の品質を安定化させるための課題となっていた。
なお、早めに肉盛りを終了させて重なり部の生成を避
け、これによってクラックCの発生を防止するために
は、肉盛り終了のタイミングが極めて難しく、早すぎた
場合には肉盛り量が不足したり、始端部と終端部の溶融
が不完全となって融合不良が生じたりすることになる。
【0006】
【発明の目的】本発明は、従来のレーザ肉盛り方法にお
ける上記課題に着目してなされたものであって、肉盛り
層の重なり部にクラックや融合不良などの欠陥を発生さ
せることなく肉盛りすることが可能なレーザ肉盛り方法
を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるレーザ肉
盛り方法は、被肉盛り部に溶加材を供給しながらレーザ
光を照射して肉盛り層を形成するレーザ肉盛り方法にお
いて、先に形成された肉盛り層の上に重ねて肉盛り層を
形成するに際し、初層肉盛り時の加工速度よりも早い加
工速度で肉盛りする構成としたことを特徴としており、
本発明に係わるレーザ肉盛り方法の実施態様として請求
項2に係わるレーザ肉盛り方法は、先に形成された肉盛
り層の上に重ねて肉盛り層を形成するに際し、初層肉盛
り時の加工速度の1.6倍以上の加工速度で肉盛りする
構成とし、請求項3に係わるレーザ肉盛り方法は、初層
肉盛り時のレーザ出力と、重なり部の肉盛り時のレーザ
出力とが一定である構成とし、同じく実施態様として請
求項4に係わるレーザ肉盛り方法は、被肉盛り部がアル
ミニウム合金製シリンダヘッドのバルブシート成形部で
あって、溶加材が銅系合金粉末である構成としたことを
特徴としており、レーザ肉盛り方法におけるこのような
構成を前述した従来の課題を解決するための手段として
いる。
【0008】
【発明の作用】本発明に係わるレーザ肉盛り方法におい
ては、肉盛り層の上に重ねて肉盛りするに際して、重な
り部以前の初層肉盛り時の加工速度よりも早い加工速度
で肉盛りするようにしているので、最終凝固部の体積が
減少し、これに伴って凝固時の収縮応力が減少すること
から、重なり部のクラック発生が防止されることにな
る。
【0009】本発明の実施態様として請求項2に係わる
レーザ肉盛り方法においては、重なり部の肉盛りに際し
て、とくに重なり部以前の初層肉盛り時の加工速度の
1.6倍以上の加工速度で肉盛りするようにしているの
で、重なり部のクラック発生がより確実に防止されるこ
とになる。 同じく実施態様として請求項3に係わるレ
ーザ肉盛り方法においては、レーザ出力を重なり部以前
の初層肉盛り時と重なり部の肉盛り時とで一定のものと
しているので、肉盛りに必要なエネルギーが最後まで維
持され、融合不良などの欠陥が発生することがなく、肉
盛り部の品質が良好に維持されることになる。 さら
に、実施態様として請求項4に係わるレーザ肉盛り方法
においては、被肉盛り部がアルミニウム合金製シリンダ
ヘッドのバルブシート成形部であって、溶加材を銅系合
金粉末としたものであるから、アルミニウム合金製エン
ジンのバルブシート部が耐熱性,耐摩耗性などに優れ、
しかも欠陥の発生なく、吹き抜けなどの生じない良好な
品質のものとなる。
【0010】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。
【0011】JIS H 5202に規定されるアルミ
ニウム合金鋳物2種A(AC2A:Al−Cu−Si
系)からなるシリンダヘッド1のバルブシート成形部
に、図1(a)に示すように4.5mmRの凹状をなす
溝2を加工したのち、シリンダヘッド1をバルブ孔3の
中心軸Aを中心に回転させ、前記溝2中に溶加材供給ノ
ズル4から肉盛り用合金粉末5を供給すると同時にレー
ザ光Lを照射して、バルブシート成形部の全周にわたっ
て肉盛り層6を形成した。
【0012】このとき、肉盛り用合金粉末5としてCu
−10%Al−5%Ni−3%Fe−7%Co−1%T
iからなる銅系合金粉末を使用すると共に、その供給量
については50g/minとした。 レーザ光Lについ
ては、その出力を4.5kWとし、ビーム形状を5×
2.5mmとした。
【0013】そして、バルブシート成形部に肉盛り層6
の形成されていない初層の肉盛りにおけるレーザ光の加
工速度(走査速度)については、0.8m/minとす
ると共に、肉盛り層6の始端部に肉盛り金属の溶融プー
ルが重なったのちの加工速度を1.3m/min,1.
5m/min,2.0m/minにそれぞれ上昇させ、
それぞれの場合における肉盛り層6のクラックの発生状
況を0.8m/min、すなわち加工速度を変化させな
い場合と比較すると共に、クラック発生におよぼす加工
速度の影響を調査した。 なお、クラック発生の有無に
ついては、X線透過試験によって確認した。
【0014】この結果は、表1に示すとおりで、肉盛り
層6の重なり部を加工速度を変えることなく肉盛りした
従来方法の場合には、クラックの発生が認められたのに
対し、肉盛り層6の重なり部に、重なり部以前の初層肉
盛り時よりも速い加工速度、とくに初層肉盛り時の加工
速度の1.6倍以上にスピードアップされた加工速度で
肉盛りを施すことによってクラック発生のない健全な肉
盛り層6が形成されることが確認された。
【0015】
【表1】
【0016】これは、図1(b)に示すように、肉盛り
層6の始端部6aの上に重ねて形成される終端部6bに
おける最終凝固部Pの体積が減少し、これによって肉盛
り金属の凝固時の収縮応力が減少することによるものと
考えられる。
【0017】なお、上記実施例では、溶加材として合金
粉末5を使用した例を示したが、本発明に係わるレーザ
肉盛り方法においては粉末状の溶加材のみならず、帯
状,板状、あるいはワイヤ状の溶加材をも使用すること
ができる。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わるレ
ーザ肉盛り方法においては、肉盛り層の上に重ねて肉盛
りするに際して、重なり部以前の初層肉盛り時の加工速
度よりも早い加工速度で肉盛りするようにしていること
から、最終凝固部の容量が減少し、凝固時の収縮応力が
小さなものとなり、肉盛り層の重なり部におけるクラッ
ク発生を有効に防止することができるという優れた効果
がもたらされる。 また、実施態様としての請求項2に
係わるレーザ肉盛り方法においては、とくに初層肉盛り
時の加工速度の1.6倍以上の加工速度で肉盛りするよ
うにしているので、重なり部のクラック発生をより確実
に防止することができる。 さらに、同じく実施態様と
して請求項3に係わるレーザ肉盛り方法においては、初
層肉盛り時と重なり部の肉盛り時とでレーザ出力を一定
にしているので、肉盛りに必要なエネルギーが最後まで
維持され、融合不良などの欠陥が発生することがなく、
肉盛り部の品質が良好なものとなる。 加えて、実施態
様としての請求項4に係わるレーザ肉盛り方法において
は、被肉盛り部がアルミニウム合金製シリンダヘッドの
バルブシート成形部であって、溶加材を銅系合金粉末と
したものであるから、アルミニウム合金製エンジンのバ
ルブシート部を耐熱性,耐蝕性,耐摩耗性などに優れ、
しかも欠陥の発生のない良好な品質のものとすることが
できるという優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) 本発明に係わるレーザ肉盛り方法の要
領を説明するシリンダヘッドのバルブシート部分の斜視
図である。 (b) 図1(a)に示したバルブシート部分の肉盛り
層の形状を示す縦断面図である。
【図2】従来のバルブシート部分のレーザ肉盛り要領を
説明する斜視図である。
【図3】図2に示したバルブシート部分の肉盛り層の状
態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダヘッド 2 溝(被肉盛り部) 5 肉盛り用合金粉末(溶加材) 6 肉盛り層 6a 始端部(先に形成された肉盛り層) L レーザ光

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被肉盛り部に溶加材を供給しながらレー
    ザ光を照射して肉盛り層を形成するレーザ肉盛り方法に
    おいて、先に形成された肉盛り層の上に重ねて肉盛り層
    を形成するに際し、初層肉盛り時の加工速度よりも早い
    加工速度で肉盛りすることを特徴とするレーザ肉盛り方
    法。
  2. 【請求項2】 先に形成された肉盛り層の上に重ねて肉
    盛り層を形成するに際し、初層肉盛り時の加工速度の
    1.6倍以上の加工速度で肉盛りすることを特徴とする
    請求項1記載のレーザ肉盛り方法。
  3. 【請求項3】 初層肉盛り時のレーザ出力と、重なり部
    の肉盛り時のレーザ出力とが一定であることを特徴とす
    る請求項1あるいは請求項2記載のレーザ肉盛り方法。
  4. 【請求項4】 被肉盛り部がアルミニウム合金製シリン
    ダヘッドのバルブシート成形部であって、溶加材が銅系
    合金粉末であることを特徴とする請求項1ないし請求項
    3のいずれかに記載のレーザ肉盛り方法。
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