JP3724354B2 - レーザビームによる肉盛り方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム系母材表面に、肉盛用金属材料を投入しつつレーザビームを照射し、前記肉盛用金属材料を溶融し固化して肉盛り層を形成するレーザビームによる肉盛り方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウム系材料は、鉄に比べて軽量化を図れることから、自動車部品、例えば、エンジンのシリンダヘッドの材料として用いられている。そして、アルミニウム系母材表面上における所望の部位の耐熱性や耐摩耗性を高める技術として、レーザビームにより肉盛層を形成するレーザ肉盛加工が知られている。
【0003】
アルミニウム系母材表面上にレーザ肉盛加工を施す場合には、機械加工が施された母材表面上に、シールドガスを吹き付け、肉盛用金属材料の粉末を投入しつつレーザビームを照射する。レーザビームの照射により前記粉末が溶融して固化することにより、肉盛層が形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のレーザ肉盛加工では、レーザビームの照射開始と、粉末の供給開始とが制御上同時に行われている。しかしながら、レーザ発振器には、レーザ出力値が、指示された出力制御値に達するまでに、必ず、応答遅れが生じる。このため、肉盛加工の開始時においては、投入された粉末が相対的に入熱不足の状態となる。この結果、粉末の溶融が不十分となり、肉盛層の始端部における溶着不良や剥離などの欠陥が発生し、検査工程でNG品として廃棄せざるを得ない虞がある。
【0005】
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、肉盛層の始端部における品質の安定化を図り得るレーザビームによる肉盛り方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、レーザ出力手段からのレーザビームを、アルミニウム系母材表面に肉盛用金属材料を投入しつつ照射し、前記肉盛用金属材料を溶融させて肉盛層を形成するレーザビームによる肉盛り方法において、
アルミニウム系母材表面における前記肉盛用金属材料が投入される被肉盛部の位置へのレーザビームの照射を開始してから、所定の遅延時間が経過するまではアルミニウム系母材表面においてレーザビームを反射し、前記所定の遅延時間が経過した後に、前記肉盛用金属材料を投入して、肉盛層の形成を開始してなり、
前記遅延時間は、前記レーザ出力手段のレーザ出力値が指示された出力制御値に達するまでの応答遅れに相当する時間以上であることを特徴とするレーザビームによる肉盛り方法である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、アルミニウム系母材における少なくとも前記被肉盛部の表面に、鏡面加工を施したことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記遅延時間は、0.2秒以上であることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、前記被肉盛部の表面を、中心線平均粗さRa0.3μm以下の面粗度に鏡面加工したことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、前記アルミニウム系母材はエンジンのシリンダヘッドにおけるバルブシート部を構成し、前記肉盛用金属材料は銅合金であることを特徴とする。
【0012】
【発明の効果】
上記のように構成した本発明は以下の効果を奏する。
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、遅延時間経過後には、肉盛用金属材料を溶融させるのに十分かつ安定した出力のレーザビームを、当該肉盛用金属材料に照射することができる。このため、投入された肉盛用金属材料が入熱不足の状態にならず、肉盛層の始端部における溶着不良や剥離などの欠陥の発生が抑制される。このとき、アルミニウム系母材表面は反射率が高いことから、遅延時間程度の微小時間であれば、アルミニウム系母材に熱エネルギーが大きく作用せず、そのため、母材への入熱が過大となって溶融させることはない。したがって、アルミニウム系母材に影響することなく肉盛用金属材料に適切な熱エネルギーを与えて、肉盛用金属材料とアルミニウム系母材とを相互に溶着させて良好な肉盛層、特に、始端部における品質の安定化を図った肉盛層を形成できる。
【0014】
さらに、遅延時間を、レーザ出力手段のレーザ出力値が指示された出力制御値に達するまでの応答遅れに相当する時間以上に設定したので、上記発明の効果が確実なものとなる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、アルミニウム系母材表面は反射率が高い、すなわちレーザ吸収率が比較的低いが、母材表面の被肉盛部に鏡面加工を施すことにより、レーザ吸収率がより一層低くなり、肉盛用金属材料を投入しないで被肉盛部にレーザビームを照射しても、そのほとんどが反射される。このようにアルミニウム系母材に熱エネルギーを与えないようにしたので、母材への入熱がより小さくなり、肉盛用金属材料の投入を開始しても、母材希釈によるクラック欠陥が肉盛層に発生することをより確実に防止できる。
【0016】
請求項3に記載のように、遅延時間を0.2秒以上にすれば、請求項1に係る発明の効果が顕著に現れる。
【0017】
請求項4に記載のように、被肉盛部の表面を、中心線平均粗さRa0.3μm以下の面粗度に鏡面加工すれば、請求項2に係る発明の効果が顕著に現れる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、溶着不良や剥離などの欠陥、母材希釈によるクラック欠陥の発生を抑制して、アルミニウム系母材合金により軽量化したシリンダヘッドのバルブシート部に、耐熱性および耐摩耗性の高い銅合金からなる高品質な肉盛層を形成できる。このため、エンジン稼働時において、シート面を構成する肉盛層の熱がシリンダヘッド本体側に伝達しやすくなり、バルブシート部やバルブの熱負荷が軽減されて耐久性の向上および、エンジンの出力性能の向上が期待できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0020】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るレーザビームによる肉盛り方法を実施するレーザ肉盛加工装置の概略構成図である。
【0021】
レーザ肉盛加工装置10は、アルミニウム合金からなる母材11を支持する支持台12と、レーザビーム14を発振するレーザ発振器13(レーザ出力手段に相当する)と、レーザ発振器13からのレーザビーム14を母材表面11aに向けて反射集光する光学系15と、母材表面11a上の被肉盛部11bに向けて肉盛用金属材料の粉末16を投入する供給ノズル17と、供給ノズル17を囲繞する中空形状を有すると共にシールドガス18を吹き付けるシールドガス供給管19と、を備える。
【0022】
供給ノズル17は図示しない粉末供給手段に接続され、シールドガス供給管19は図示しないシールドガス供給手段に接続されている。レーザ発振器13、粉末供給手段およびシールドガス供給手段の作動は、図示しないコントローラにより制御される。
【0023】
アルミニウム系母材11は、所定の機械加工が予め施されている。レーザは、例えば、CO2レーザを採用する。レーザビーム14は、線状の連続波であり、オシレート(振動)されない。肉盛用金属材料の粉末16には、熱伝導性、耐摩耗性および耐食性に優れた銅系肉盛層20を形成する、例えば、銅合金粉末が用いられる。
【0024】
レーザ肉盛加工時には、アルミニウム系母材表面11aに、銅合金粉末16を供給ノズル17から投入しつつ、レーザ発振器13から発振して光学系15で反射集光されたレーザビーム14を照射する。レーザビーム14の照射により、被肉盛部11bおよび銅合金粉末16がともに溶融して相互に溶着し、肉盛層20が形成される。
【0025】
図2は、レーザの応答遅れの説明に供する図である。図2において、レーザ出力制御値Lcは二点鎖線で示され、実際の出力である実レーザ出力値Lは実線で示される。
【0026】
レーザ発振器13の立ち上がり初期においては、レーザの出力には、指示された出力制御値に対して追従遅れが生じる。つまり、レーザ発振器13は、レーザ出力制御値Lcに対してタイムラグが生じることなく出力することは物理的に不可能である。したがって、図2に示すように、レーザビーム14の照射開始時においては、実レーザ出力値Lがレーザ出力制御値Lcに達するまでに、必ず、応答遅れdが生じる。この応答遅れdに相当する時間(秒)は、レーザ発振器13の特性値の一つである。
【0027】
本実施形態では、応答遅れdに起因した肉盛層20の始端部における品質低下を改善すべく、レーザビーム14の照射と銅合金粉末16の供給とのタイミングを次のように制御している。
【0028】
図3は、レーザビーム14の照射と銅合金粉末16の供給とのタイミングの説明に供する図である。図3においても、レーザ出力制御値Lcは二点鎖線で示され、実レーザ出力値Lは実線で示される。また、実際の粉末供給量である実粉末供給量Pは破線で示される。
【0029】
図示するように、時間t0において、まず、アルミニウム系母材11の被肉盛部11bへのレーザビーム14の照射を開始する。次いで、レーザ発振器13の応答遅れdに相当する時間である遅延時間td(秒)が経過した時間t1において、供給ノズル17から銅合金粉末16の供給を所定流量で開始する。
【0030】
かかる制御によれば、遅延時間tdが経過した時間t1においては、銅合金粉末16を溶融させるのに十分かつ安定した出力のレーザビーム14を、当該銅合金粉末16に照射することができる。このため、投入された銅合金粉末16が入熱不足の状態にならず、肉盛層20の始端部における溶着不良や剥離などの欠陥の発生が抑制される。このとき、アルミニウム系母材表面11aは反射率が高いことから、遅延時間td程度の微小時間であれば、アルミニウム系母材11に熱エネルギーが大きく作用せず、そのため、母材11への入熱が過大となって溶融させることはない。したがって、アルミニウム系母材11に影響することなく銅合金粉末16に適切な熱エネルギーを与えて、銅合金粉末16とアルミニウム系母材11とを相互に溶着させて良好な肉盛層20、特に、始端部における品質の安定化を図った肉盛層20を形成できる。
【0031】
アルミニウム系母材表面11aは、遅延時間tdの間は、銅合金粉末16が存在しない状態でレーザビーム14の照射を直接受けることになる。
【0032】
鉄系母材にあっては、その表面の粗度が粗く、反射率が低い、すなわちレーザ吸収率が高いことから、先にレーザビームの照射を開始し、これに遅れて肉盛用金属粉末を投入すると、肉盛開始時には鉄系母材への入熱が過大なる。これにより、母材の溶融量が増大し過ぎて肉盛用金属が希釈され、当該肉盛用金属が硬くて脆い材質に変化してしまい、形成された肉盛層にクラックなどの欠陥(「母材希釈によるクラック欠陥」という)が発生する原因となる。
【0033】
一方、アルミニウム系母材表面11aは、レーザビーム14を90%程度反射し、反射率が高い、すなわちレーザ吸収率が比較的低いことから、母材11への入熱が過大とならず、母材希釈によるクラック欠陥が肉盛層20に発生することを抑制できる。このように、銅合金粉末16の投入を遅延させても、アルミニウム系母材11への熱影響はなく、母材表面11aの改質は生じない。
【0034】
レーザ発振器13の応答遅れ時間tdは、レーザ発振器13の性能により多少増減するが、計測したところ、約0.2秒であった。
【0035】
図4は、レーザビーム14の照射開始から銅合金粉末16の投入開始までの遅延時間tdと欠陥発生率との関係を説明するための図である。欠陥発生率は、(不良品であるワークの個数/全ワークの個数)×100(%)で定義され、1個のワークには複数個の肉盛層20が形成され、いずれかの肉盛層20の始端部において溶着不良や剥離などの欠陥が生じた場合には、そのワークを不良品であるとした。
【0036】
CO2レーザのレーザ出力3.5〜3.9kw、銅合金粉末16の供給量0.65〜0.80g/秒、加工速度0.8m/分、被肉盛部11bの面粗度が中心線平均粗さRa0.3以下の条件にて、レーザビーム14の照射開始から銅合金粉末16の投入開始までの遅延時間tdを種々変化させて、レーザ肉盛加工を実施した。なお、レーザ出力は、プラスマイナス5%程度のふれがある。
【0037】
図示するように、レーザビーム14の照射と銅合金粉末16の投入とを同時に開始すると(td=0)、欠陥発生率が90%にも達した。銅合金粉末16の投入開始をレーザビーム14の照射開始から遅延させることにより、欠陥発生率が徐々に低くなった。そして、遅延時間tdを0.2秒より大きくすると、肉盛層20の始端部において溶着不良欠陥が発生しないことを実験的に確認した。
【0038】
遅延時間tdがある所定の値よりも大きくなると、アルミニウム系母材11であっても入熱が過大な状態となり、母材希釈によるクラック欠陥が肉盛層20に発生し得る。このため、遅延時間tdを必要以上に大きくすることは妥当ではなく、母材希釈によるクラック欠陥を発生させないという限度において、最大の遅延時間tdが定まる。
【0039】
肉盛層20の始端部における溶着不良や剥離などの欠陥を防止するために必要な遅延時間td近傍で、母材希釈によるクラック欠陥が発生する場合には、レーザ出力や粉末供給量の制御パラメータであるスロープ角度を変更することによって、母材希釈が発生しないようにチューニングできる。
【0040】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態は、第1の実施の形態に加えてさらに、アルミニウム系母材11に与え得る熱影響を確実に抑制する手段を講じたものである。
【0041】
つまり、第2の実施の形態では、アルミニウム系母材11における少なくとも被肉盛部11bに鏡面加工を施してある。鏡面加工のための具体的な加工法は、特に限定されず、鏡面研削、ラッピング、ポリッシングなど適宜の加工法を採用できる。
【0042】
上述したようにアルミニウム系母材表面11aは反射率が高い、すなわちレーザ吸収率が比較的低いが、被肉盛部11bに鏡面加工を施すことにより、レーザ吸収率がより一層低くなり、銅合金粉末16を投入しないで被肉盛部11bにレーザビーム14を照射しても、そのほとんどが反射される。このようにアルミニウム系母材11に熱エネルギーを与えないようにしたので、母材11への入熱がより小さくなり、銅合金粉末16の投入を開始しても、母材希釈によるクラック欠陥が肉盛層20に発生することをより確実に防止できる。
【0043】
図5は、アルミニウム系母材11の面粗度と欠陥発生率との関係を説明するための図である。欠陥発生率は、(不良品であるワークの個数/全ワークの個数)×100(%)で定義され、1個のワークには複数個の肉盛層20が形成され、いずれかの肉盛層20の始端部において母材希釈によるクラック欠陥が生じた場合には、そのワークを不良品であるとした。
【0044】
CO2レーザのレーザ出力3.5〜3.9kw、銅合金粉末16の供給量0.65〜0.80g/秒、加工速度0.8m/分、レーザビーム14の照射開始から銅合金粉末16の投入開始までの遅延時間tdを0.2秒〜0.6秒の条件にて、アルミニウム系母材表面11aの面粗度を種々変化させて、レーザ肉盛加工を実施した。
【0045】
図示するように、アルミニウム系母材表面11aの中心線平均粗さRaを1.0μmから小さくするにつれて、欠陥発生率が徐々に低くなる。そして、中心線平均粗さRaを0.3μm以下にすると、肉盛層20の始端部において母材希釈によるクラック欠陥が発生しないことを実験的に確認した。中心線平均粗さRaが0.3μm以下を満たしている場合、十点平均粗さRzは、7.3μm以下であることを実験により確認した。
【0046】
図6は、本発明を適用して肉盛層20を形成した自動車用エンジンのシリンダヘッド30におけるバルブシート部31を示す断面図である。
【0047】
図示するように、シリンダヘッド30における例えば吸気ポート32の燃焼室側に開口する開口端33は、吸気バルブ34によって開閉される。吸気バルブ34の傘部34aは、バルブシート部31におけるシート面31aに密接可能である。
【0048】
バルブシート部31は、エンジン稼働中に、バルブ34が繰り返し当接したり、高温にさらされたりするなど、苛酷な条件下にある。このため、シリンダヘッド30を軽量化などの観点からアルミニウム合金とした場合には、摩耗や溶損が発生する虞がある。そこで、耐熱性および耐摩耗性の高い銅合金粉末16による肉盛層20を形成することにより、上記した問題が解消される。シート面31aは、本発明を適用してバルブシート部31に肉盛層20を形成し、その後、機械加工を施すことにより形成されている。
【0049】
耐熱性や耐摩耗性に優れた金属材料を肉盛りする技術は、バルブシート部に形成した凹部に鋳鉄や鉄系焼結材からなるバルブシート材を圧入する従来の技術に比べて、アルミニウム系母材11からなるシリンダヘッド30と、シート面31aとなる肉盛層20との間の密着度が高く、両者間の熱伝導性がきわめて良好になる。このため、バルブシート部31やバルブ34の熱負荷が低減され、これらの耐久性が向上し、さらには、エンジンの出力性能の向上が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係るレーザビームによる肉盛り方法を実施するレーザ肉盛加工装置の概略構成図である。
【図2】 レーザの応答遅れの説明に供する図である。
【図3】 レーザビームの照射と銅合金粉末の供給とのタイミングの説明に供する図である。
【図4】 レーザビームの照射開始から銅合金粉末の投入開始までの遅延時間と欠陥発生率との関係を説明するための図である。
【図5】 アルミニウム系母材の面粗度と欠陥発生率との関係を説明するための図である。
【図6】 本発明を適用して肉盛層を形成した自動車用エンジンのシリンダヘッドにおけるバルブシート部を示す断面図である。
【符号の説明】
10…レーザ肉盛加工装置
11…アルミニウム系母材
11a…母材表面
11b…被肉盛部
13…レーザ発振器(レーザ出力手段)
14…レーザビーム
16…銅合金(肉盛用金属材料)の粉末
20…肉盛層
30…エンジンのシリンダヘッド
31…バルブシート部
31a…シート面
d…応答遅れ
td…遅延時間
L…実レーザ出力値(レーザ出力値)
Lc…レーザ出力制御値(指示された出力制御値)
Claims (5)
- レーザ出力手段からのレーザビームを、アルミニウム系母材表面に肉盛用金属材料を投入しつつ照射し、前記肉盛用金属材料を溶融させて肉盛層を形成するレーザビームによる肉盛り方法において、
アルミニウム系母材表面における前記肉盛用金属材料が投入される被肉盛部の位置へのレーザビームの照射を開始してから、所定の遅延時間が経過するまではアルミニウム系母材表面においてレーザビームを反射し、前記所定の遅延時間が経過した後に、前記肉盛用金属材料を投入して、肉盛層の形成を開始してなり、
前記遅延時間は、前記レーザ出力手段のレーザ出力値が指示された出力制御値に達するまでの応答遅れに相当する時間以上であることを特徴とするレーザビームによる肉盛り方法。 - アルミニウム系母材における少なくとも前記被肉盛部の表面に、鏡面加工を施したことを特徴とする請求項1に記載のレーザビームによる肉盛り方法。
- 前記遅延時間は、0.2秒以上であることを特徴とする請求項1に記載のレーザビームによる肉盛り方法。
- 前記被肉盛部の表面を、中心線平均粗さRa0.3μm以下の面粗度に鏡面加工したことを特徴とする請求項2に記載のレーザビームによる肉盛り方法。
- 前記アルミニウム系母材はエンジンのシリンダヘッドにおけるバルブシート部を構成し、前記肉盛用金属材料は銅合金であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のレーザビームによる肉盛り方法。
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