JP3060638B2 - レーザ肉盛方法 - Google Patents

レーザ肉盛方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルミニウム系母材表面
に付した肉盛用粉末にレーザ光を照射してこれを溶融し
固化して肉盛層を形成するレーザ肉盛方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム系材料は鉄に比較して軽量
化等を図れることから、各分野で使用されている。そし
て、アルミニウム系材料では、そのまま使用することが
好ましくない場合には、アルミニウム系母材の表面に肉
盛層を形成することが行われている。
【0003】かかる肉盛方法として、従来より、特公平
2−24637号公報、特公平2−58444号公報に
開示されている様に、アルミニウム系母材と、母材の少
なくとも一部の表面に肉盛される熱伝導性、耐摩耗性、
耐食性が良好な銅系肉盛層を形成する銅系肉盛用粉末
と、CO2 レーザとを用い、そして、母材表面に載せた
銅系肉盛用粉末にレーザ光を肉盛層の巾方向に適宜オシ
レートしつつ照射し、粉末をレーザ光で溶融し、固化し
て銅系肉盛層を形成するレーザ肉盛方法が知られてい
る。このレーザ肉盛方法では、エンドレス状に肉盛が行
われるので、肉盛層の始端部と終端部とが重なるもので
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記したレー
ザ肉盛方法では、肉盛層の始端部と終端部とが重なった
重なり部において、未溶着部や空孔などの欠陥が発生す
ることがある。そのため上記したレーザ肉盛方法では、
一層の高品質の肉盛層を得るには必ずしも充分ではな
い。
【0005】ここで、図9(A)は肉盛層の始端部を模
式的に示し、図9(B)は肉盛層の始端部と終端部とが
重なった重なり部を模式的に示す。図9(A)(B)に
おいて10は母材、11は肉盛層、12は未溶着部、1
3は空孔、14は凹部を示す。図9(B)に示す様に、
肉盛層11のうち始端部11aと終端部11bとが重な
る重なり部において、未溶着部12、空孔13が発生す
る頻度が高い。
【0006】本発明は上記した実情に鑑みなされたもの
であり、その目的は、アルミニウム系母材に肉盛した肉
盛層において、肉盛層の始端部と終端部とが重なった部
分における未溶着部や空孔などの欠陥を低減するのに有
利なレーザ肉盛方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者はアルミニウム
系母材にレーザ光で肉盛する方法について鋭意研究を重
ねた。そして、図1に示す様に、肉盛開始時において、
つまり肉盛層の始端部を形成するときに、母材1の表面
上に載せた肉盛用粉末2が溶融した初期溶融部分2aが
生成され、その初期溶融部分2aが母材1表面に自然に
押し出される押し出し表面域(図1において距離Lで示
される域)に、レーザ光を予め照射しておけば、肉盛層
の始端部と終端部とが重なった部分における未溶着部や
空孔などの欠陥を低減できるということを知見した。肉
盛層において未溶着部や空孔などの欠陥を低減できる理
由は、現在のところ必ずしも明確ではないが、アルミニ
ウム系母材の表面へのレーザ光照射によって、母材表面
でレーザ光が反射されるものの母材表面の酸化シリコン
(SiO2 )が増し、これにより初期溶融部分2aの濡
れ性が向上し、これに起因して肉盛層における未溶着部
や空孔などの欠陥が低減されるものと推察される。
【0008】即ち、本発明のレーザ肉盛方法は、シリコ
ンを含むアルミニウム系母材と、母材の少なくとも一部
の表面に肉盛される肉盛層を形成する肉盛用粉末と、レ
ーザ光を照射するレーザとを用い、母材表面に付した肉
盛用粉末にレーザ光を照射してこれを溶融し固化して
始端部と終端部とが重なった肉盛層を形成する肉盛方法
において、母材表面のうち、肉盛層の始端部を形成する
肉盛開始時において母材上の肉盛用粉末が溶融した初
期溶融部分が該母材表面に押し出される押し出し表面域
に、レーザ光を予め照射しておき、照射の後に母材上の
肉盛用粉末をレーザ光で溶融し固化する肉盛を開始し、
始端部と終端部とが重なった肉盛層を形成することを特
徴とするものである。
【0009】本発明方法で使用するシリコンを含むアル
ミニウム系母材の組成は、用途に応じて適宜選択でき、
熱処理型合金系、非熱処理型合金系、展伸材系、鋳物材
系を採用できる。例えば、アルミニウム−シリコン系の
母材の場合には、シリコン含有量は亜共晶組成域でも、
過共晶組成域でもよい。母材の表面粗さは、肉盛層の密
着強度、母材におけるレーザ光の反射率等に影響を与え
るが、例えば、Rz10〜45μ、特にRz13〜23
μとすることができる。
【0010】本発明方法で使用する肉盛用粉末は、母材
の少なくとも一部の表面に付され、レーザ光により溶融
し、固化し、肉盛層を形成するものである。肉盛用粉末
は例えば銅系合金を主成分として形成でき、例えば銅−
ニッケル−鉄ーホウ素ーシリコン系とすることができ
る。肉盛用粉末を構成する銅系合金の組成は、肉盛層に
要請される性質に応じて選択するが、例えば、ニッケル
が15〜25%、鉄が5〜10%、ホウ素が1〜2%、
シリコンが2.5〜3.5%、残部実質的に銅の組成に
できる。なお本発明方法では%は重量%を意味する。本
発明方法で使用する肉盛用粉末は金属粉末のみでも、あ
るいは、金属粉末と樹脂などのペースト等とを混合した
ものでも良い。肉盛用粉末の平均粒径は肉盛層の種類等
に応じて適宜選択するが、例えば50〜100μm程度
にすることができる。
【0011】本発明方法で使用するレーザは一般的にC
2 レーザ、YAGレーザを採用できる。レーザ光を肉
盛用粉末に照射する際には、所要巾の肉盛層を得るべ
く、レーザ光を肉盛層の巾方向に往復移動させるオシレ
ート処理を行うことが好ましい。オシレート処理は例え
ば70Hz程度以上で行うことができる。母材に付され
た肉盛用粉末にレーザ光を照射して肉盛を開始する初期
においては、開始当初に溶融した初期溶融部分が母材表
面に押し出されるものである。本発明方法では、初期溶
融部分が母材表面に押し出される押し出し表面域(図1
において距離Lで示す域)にレーザ光を予め照射してお
くことを特徴とする。そして、かかる押し出し表面域に
レーザ光を照射した後に、母材に付した肉盛用粉末をレ
ーザ光で溶融し固化する肉盛を開始する。
【0012】本発明方法では、押し出し表面域にレーザ
光を予め照射する際においても、レーザ光を肉盛層の巾
方向に往復移動させるオシレート処理を行うことが好ま
しい。オシレート処理によりレーザ照射面が複数回重な
る。この場合にもオシレート処理は例えば70Hz程度
以上で行うことができる。本発明方法では、肉盛の際及
び初期照射の際において、レーザ光の出力密度は一般的
に80〜5000W/mm2 程度、特に80〜2000
W/mm2 程度とすることができる。80W/mm2
りも小さいと、肉盛が容易でない。レーザ光は溶け込み
性を考慮し、レンズ系で直径を例えば0.5〜5.0m
m程度にした点光源として用いることができる。
【0013】粉末供給速度は粉末の種類にもよるが、一
般的に、10〜100グラム/分、特に20〜40グラ
ム/分とすることができる。レーザ加工速度は一般に5
00〜1500mm/分とすることができる。母材表面
に付する肉盛用粉末の厚さは、肉盛層の用途等に応じて
適宜選択できるが、銅系粉末の場合には、例えば0.2
〜5.0mm程度とすることができる。一般的に5.0
mmを越えると、通常のレーザ出力では肉盛が均一にで
きなくなる。
【0014】さて、レーザ光を初期照射する距離Lの大
きさの選択について検討する。即ち、レーザ出力密度に
ついては、レーザ出力密度が大きい程、加熱温度が高く
なるため、溶滴の粘性が低くなって押し出し距離が増す
ので、距離Lを長くする必要がある。粉末供給速度につ
いては、粉末供給速度が小さい程、粉末供給量が減るの
で、加熱速度が早まり、溶滴の粘性が低下し、溶滴の粘
性低下という観点からは、距離Lを長くする。しかし粉
末供給速度が小さい程、粉末供給量が少なくなるので、
溶滴量が減少し、溶滴量の減少という観点からは、距離
Lは短くて済む。従って実際的には、両観点から相殺さ
れて粉末供給速度は距離Lの長さにあまり影響しない。
ただし、レーザ出力密度が充分に高い場合には、粉末供
給速度が大きいと、溶滴量が多くなるので、距離Lを長
くする必要がある。レーザ加工速度については、レーザ
加工速度が速い程、一般に距離Lを長くする。
【0015】
【作用】アルミニウム系母材の表面に付した粉末が溶融
固化した肉盛層において、始端部と終端部とが重なった
部分での未溶着部や空孔などの欠陥は低減される。その
理由は、肉盛りに先立つレーザ光照射によって、母材表
面の酸化シリコン(SiO2 )が増し、肉盛用粉末の初
期溶融部分の濡れ性が向上するものと推察される。
【0016】
【実施例】以下、本発明のレーザ肉盛方法の一実施例を
図1〜図6を参照して説明する。この例では、アルミニ
ウム系母材1として、JIS AC2Bを用いる。この
母材1の規定組成は、銅が2.0〜4.0%、シリコン
が5.0〜7.0%、マグネシウムが0.5%以下、亜
鉛が1.0%以下、鉄が1.0%以下、マンガンが0.
5%以下、不可避の不純物、残部実質的に鉄である。母
材1の処理面1aの表面粗さはRz18μとされてい
る。母材1の処理面1aは孔1cを区画している。ここ
で孔1cの直径は30mm程度とされている。更に、母
材1の処理面1aは洗浄されて、油分がない様にされて
いる。また本例で使用する肉盛用粉末2の組成は、ニッ
ケルが18%、ボロンが1.5%、シリコンが3%、鉄
が8%、残部実質的に銅である。肉盛用粉末2の平均粒
径は60〜80μm程度である。
【0017】本実施例では、図4(A)に示すノズル3
には肉盛用粉末2が供給されている。また母材1は回転
加工テーブルに設置されて、孔1cの軸芯の回りで矢印
A1方向に回転可能とされている。そして本実施例で
は、図4(B)に示す様に、母材1の処理面1aの上方
にノズル3、CO2 レーザのヘッド4を配置する。この
ときCO2 レーザのヘッド4の光芯Pの真下に母材1の
照射開始点Mが位置する。図4(B)(C)(D)
(E)に示す様に、母材1の回転につれて照射開始点M
は順に矢印A1方向に移動する。
【0018】図4(B)に示す様に照射開始点Mがヘッ
ド4の真下に位置している状態で、CO2 レーザからレ
ーザ光をヘッド4を介して母材1の処理面1aに垂直に
照射させつつ、母材1を矢印A1方向に回転させて70
0〜900mm/分の速度で移動させる。この場合、ノ
ズル3から肉盛用粉末2を供給することはない。このよ
うにレーザ光を母材1の処理面1aに照射させる場合、
母材1の反射率は高いので、レーザ光の多くは反射され
るが、この段階では、母材1の処理層1aの表面がレー
ザ光で溶融することはあまり適切でないので、反射して
も特に支障はない。 そして、レーザ照射開始時刻から
時間Δtが経過して母材1の照射開始点Mが周長で距離
Lぶん移動した後に、ノズル3から粉末2の落下を開始
する。この様に本実施例では、レーザ照射開始時刻と粉
末供給開始時刻とに時間差Δtが設けられている。落下
した粉末2は母材1の処理面1aに連続的に載せられ
る。これにより、母材1に載せられた粉末2にレーザ光
が連続的に照射されるので、粉末2が溶融し、固化し、
厚み1.5〜2.5mmの肉盛層5が連続的に形成され
る。
【0019】図5は、母材1の処理面1aに粉末2を供
給している状態でレーザ光Kを矢印E方向にオシレート
処理しつつ照射し、かつ母材1を矢印A1方向へ移動さ
せ、肉盛層5を形成している状態を示す。図6に示す様
に、ヘツド内には凸レンズ30、反射ミラー31、ガル
バノモータ32、ガルバノモータ32で作動されるオシ
レートミラー33が装備されており、凸レンズ30を通
したレーザ光を反射ミラー31で反射させ、オシレート
ミラー33で往復移動させつつ、レーザ照射を行い、肉
盛層5を形成した。
【0020】本実施例では母材1と肉盛層5との境界域
には、両者が混融した合金層が形成されているものであ
る。この合金層の厚みが大きくなると、母材から肉盛層
へ進入するアルミニウムが増し、合金層の厚みが薄い
と、肉盛層が母材から剥離し易くなる。従って合金層の
厚みは一般的に5〜300μm程度が好ましい。なお本
実施例方法では、肉盛層5の形成後に肉盛層5に対して
適宜機械加工を行い、仕上処理する。
【0021】本実施例では、レーザ照射開始時刻と粉末
供給開始時刻とに時間差Δtが設けられている。本実施
例におけるレーザ光照射の際の条件は次の様である。 レーザ出力密度:2000W/mm2 程度 レーザ光の径:2mm オシレート処理の周波数:200Hz程度 オシレート巾:5.5mm程度 粉末供給速度:30グラム/分 レーザ加工速度:1000mm/分程度 アシストガス:アルゴン アシストガス流量:20リットル/分程度 母材1に載せた粉末2の平均積層厚さ:3.5mm程度 肉盛層5の巾:5.0mm程度 なお本実施例では母材1は実質的に360度回転させる
ので、肉盛層5は母材1の処理面1aを1周する様に形
成される。ここで、図2は肉盛層5の始端部5aが形成
された状態を示し、図3は肉盛層5が1周する様に形成
され、始端部5aと終端部5bとが重なりあった状態を
示す。図2、図3に示す様に、肉盛層5の始端部5aと
終端部5bとが重なり合った部分においては、未溶着部
や空孔などの欠陥は生成されていない。
【0022】上記した方法で形成した肉盛層5の始端部
と終端部とが重なり合っている部分の顕微鏡写真(倍率
10倍)を図10に示す。図10に示す様に、肉盛層5
においては未溶着部や空孔などの欠陥は生成されなかっ
たことが確認されている。ちなみに、比較例として、距
離Lぶんのレーザ光初期照射をせずに、前記した実施例
方法と同じ条件で肉盛層を形成した。比較例にかかる肉
盛層の始端部と終端部とが重なり合っている部分の顕微
鏡写真(倍率10倍)を図11に示す。図11に示す様
に、比較例にかかる肉盛層においては未溶着部や空孔な
どの欠陥が生成されていた。
【0023】本実施例方法によれば、試験を重ねた結
果、前記した条件の下では、距離Lの大きさが4〜10
mm、特に5〜8mm程度であることが適切であると確
認された。 (適用例)適用例を図7、図8に示す。この例は、自動
車の4気筒4バルブエンジンに使用されるシリンダヘッ
ドに適用したものであり、図7はバルブの軸線にそって
切断した断面を示し、図8はその要部の拡大図を示す。
ここで、50はアルミニウム系母材(JIS AC2
B)からなるシリンダヘッド、51は吸気または排気の
ポート、52は耐熱鋼製のバルブ、53はポート51を
区画するバルブシート部であり、図8に示す様にバルブ
シート部53にはリング状の肉盛層5が形成されてい
る。肉盛層5のうち、バルブ52の傘部52aが直接衝
突する面がバルブシート面5eとされている。この例で
は、図8に示す様に、肉盛層5とバルブシート部53と
の境界域には、両者が混融した合金層54が形成されて
いるものである。合金層54の厚みは一般的に5〜30
0μm程度とすることができる。この例では、前記した
レーザ初期照射の距離Lを5mmとし、バルブシート部
53に形成したほぼレール状の溝に粉末2を装填した
後、レーザ照射で粉末2を溶融し、固化して肉盛層5を
形成し、その後に、肉盛層5を含む溝の片側を機械加工
で切削して形成した。
【0024】ここで、バルブシート部53は、エンジン
の駆動中にバルブ52の傘部52aが繰り返し衝突する
とともに、燃焼室における爆発によって過酷な熱に晒さ
れるため、使用環境条件は極めて厳しいものである。こ
の点、本適用例の様にバルブシート部53に肉盛層5を
形成すれば、バルブシート部53の耐熱性、耐摩耗性、
耐腐食性を高めることができ、バルブシート部53を良
好な状態に維持できる。特に、肉盛層5は銅を主成分と
しているので、熱伝達率が高く、しかも肉盛層5とバル
ブシート部53との境界域には合金層54が形成されて
いるので、肉盛層5がはく離することもなく、肉盛層5
が受けた熱は効率良く母材1に伝達され、従ってエンジ
ン駆動中におけるバルブシート部53の到達温度を低く
することができる。
【0025】
【発明の効果】本発明のレーザ肉盛方法は、シリコンを
含むアルミニウム系母材の表面のうち、肉盛開始時にお
いて、つまり肉盛層の始端部を形成するときにおいて、
母材に付した肉盛用粉末が溶融した初期溶融部分が母材
表面に押し出される押し出し表面域に、レーザ光を予め
照射しておき、照射の後に母材上の肉盛用粉末をレーザ
光で溶融し固化する肉盛を開始し、始端部と終端部とが
重なった肉盛層を形成することを特徴とするものであ
る。本発明のレーザ肉盛方法によれば、肉盛層の始端部
と終端部とが重なる部分における未溶着部や空孔などの
欠陥を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】肉盛開始時において母材上の肉盛用粉末が溶融
した初期溶融部分が母材表面に押し出される状態を模式
的に示す構成図である。
【図2】母材に形成した肉盛層の始端部を模式的に示す
構成図である。
【図3】母材に形成した肉盛層の始端部と終端部との重
なり部を模式的に示す構成図である。
【図4】レーザ肉盛方法の各工程を模式的に示す構成図
である。
【図5】レーザ肉盛方法で肉盛している状態の斜視図で
ある。
【図6】レーザ光の照射状況を模式的に示す構成図であ
る。
【図7】自動車のシリンダヘッドのバルブの軸線にそっ
て切断した断面図である。
【図8】肉盛層付近の拡大断面図である。
【図9】従来のレーザ肉盛方法で形成した肉盛層を模式
的に示す構成図である。
【図10】実施例方法で肉盛した肉盛層の金属組織を示
す顕微鏡写真である。
【図11】従来方法で肉盛した肉盛層の金属組織を示す
顕微鏡写真である。
【符号の説明】
図中、1は母材、2は粉末、3はノズル、5は肉盛層を
示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−32481(JP,A) 特開 昭62−16894(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 26/00 - 26/42 B23K 9/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリコンを含むアルミニウム系母材と、該
    母材の少なくとも一部の表面に肉盛される肉盛層を形成
    する肉盛用粉末と、レーザ光を照射するレーザとを用
    い、該母材表面に付した該肉盛用粉末にレーザ光を照射
    してこれを溶融し固化して、始端部と終端部とが重なっ
    肉盛層を形成する肉盛方法において、 該母材表面のうち、該肉盛層の始端部を形成する肉盛開
    始時において該母材上の該肉盛用粉末が溶融した初期
    溶融部分が該母材表面に押し出される押し出し表面域
    に、レーザ光を予め照射しておき、照射の後に該母材上
    の該肉盛用粉末をレーザ光で溶融し固化する肉盛を開始
    し、該始端部と該終端部とが重なった肉盛層を形成する
    ことを特徴とするレーザ肉盛方法。
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