JP4359529B2 - バルブシートのレーザ肉盛方法 - Google Patents

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本発明は、シリンダヘッドのバルブシートに金属粉末を供給しつつ、該金属粉末にレーザを照射することにより溶融及び固化させて肉盛りをするバルブシートのレーザ肉盛方法に関する。
シリンダヘッドのバルブシート部はバルブに対して繰り返し接触することから、耐摩耗性が要求されており、アルミニウム合金製のシリンダヘッドにおけるバルブシート部に焼結リング(バルブシート材)を圧入することが行われている。また、レーザを照射して金属粉末を溶融及び固化させながら環状に移動して肉盛りを行う冶金的工程であるレーザ肉盛方法が行われている。このような方法は、レーザクラッドとも呼ばれている。
レーザ肉盛方法としては、アルミニウム系母材であるシリンダヘッドの表面に対してレーザを適当に予備照射をした後に金属粉末を溶融及び固化させることにより濡れ性を向上させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法では、肉盛層の始端部と終端部との重なり合うオーバラップ部に未溶着部やブローホール等の欠陥が生じることを相当に防止できる。
また、肉盛りの始端部において、金属粉末の供給量を徐々に増加しながら該金属粉末を溶融及び固化させることにより、始端部における母材に対する肉盛層の傾斜を8〜27°という比較的緩やかな角度に設定する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この方法においても前記欠陥が生じることを相当に防止できる。
8〜27°という傾斜角度の根拠は、肉盛層の傾斜角度を8°未満とすると肉盛層が薄すぎて母材であるシリンダヘッドが過度に溶融して凝固時にクラックが発生することとなり、27°以上とすると未溶着部が発生するという理由から傾斜角度が設定されている。
特許3060638号公報 特許3409631号公報
ところで、前記特許文献1に記載された方法では、始端部における肉盛層の傾斜角度が急であるため、溶融状態の終端部を重ね合わせる際に該終端部が始端部に対して付着しにくく、始端部と終端部との境界が未溶着部となってクラックが発生するおそれがある。また、母材に対してレーザを直接的に照射することから、母材に与える熱影響が大きく、熱歪みによってクラックが発生するおそれがある。
一方、前記特許文献2に記載された方法では、肉盛層の傾斜が8〜27°という比較的緩やかな角度に設定されており、未溶着部の発生が抑制される。しかしながら、この方法では未溶着部の発生を完全に防止するには至ってなく、未溶着部の発生を一層抑制するためにはこの傾斜をより緩やかで8°未満の角度に設定することが望まれている。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、バルブシートに金属粉末を供給しつつ該金属粉末にレーザを照射して溶融及び固化させ、レーザの照射部を環状に移動しながら肉盛りをする際、肉盛り始端部と肉盛り終端部との重ね合わせ部に未溶着部やクラック等の欠陥が発生することを一層抑制することが可能なバルブシートのレーザ肉盛方法を提供することを目的とする。
本発明に係るバルブシートのレーザ肉盛方法は、シリンダヘッドのバルブシートに、金属粉末を供給しつつ、該金属粉末にレーザを照射することにより溶融及び固化させて肉盛りをするバルブシートのレーザ肉盛方法において、肉盛りの開始時に前記金属粉末の供給量を徐々に増加させるとともに、前記レーザの出力を前記供給量に応じて段階的に増加させながら前記レーザの照射部を環状に移動させて、肉盛り始端部の前記シリンダヘッドに対する肉盛層の傾斜角度を2〜5°の範囲にし、所定時間経過後に前記金属粉末の供給量及び前記レーザの出力を一定に保ち、前記バルブシートの肉盛り終端部を前記肉盛り始端部に重ね合わせることを特徴とする。
このように、肉盛りの開始時に前記金属粉末の供給量を徐々に増加させるとともに、前記レーザの出力を増加させることにより、始端部における傾斜角度を2〜5°の範囲にすることができ始端部が薄くなる。従って、始端部と終端部との重ね合わせ部に未溶着部やクラック等の欠陥が発生することを抑制することができる。また、レーザの出力を段階的に増加させているので、レーザの出力をリアルタイム的に変更させる場合に比べて簡便な手順で肉盛り処理を行うことができる。
この場合、前記シリンダヘッドはアルミニウム合金からなり、前記金属粉末は銅合金からなり、前記レーザは800〜950[nm]の波長を有する半導体レーザであるとよい。半導体レーザを用いることにより、応答性よく出力を変更することができるため、効率よくバルブシートの肉盛り処理を行うことができる。また、レーザの波長が800〜950[nm]であるので、半導体レーザのエネルギが銅合金に吸収されやすい。
銅合金は半導体レーザのエネルギを吸収しやすいため溶融しやすく、エネルギ効率が高い。従って半導体レーザは低出力で足り、シリンダヘッドに対する熱影響を低減できる。しかも銅合金による溶融池は大きくなり肉盛層の厚肉化が可能である。
さらに、銅合金は熱伝導性及び耐摩耗性に優れており、シリンダヘッドのバルブシートに好適である。これにより、母材のシリンダヘッドを軽量なアルミニウム合金製とすることができ、エンジンの軽量化を図ることができる。
ところで、アルミニウムと銅との拡散層の厚みが50[μm]以下となると未溶着によるブローホールの発生が多くなり、400[μm]以上となると、アルミニウムと銅との合金か割れが発生しやすくなる。上記形態では、前記シリンダヘッドと前記肉盛層との間に形成される拡散層の厚みが50〜400[μm]であってもよい。これにより、特に始端部の近傍における合金化割れ及び未溶着を防止し、結果としてクラック等の欠陥の発生を防止することができる。
本発明に係るバルブシートのレーザ肉盛方法では、バルブシートに金属粉末を供給しながらレーザを照射して金属粉末を溶融及び固化させて環状に移動しながら肉盛りをする際、肉盛りの開始時に金属粉末の供給量を徐々に増加させるとともに、レーザの出力を供給量に応じて増加させる。これにより、肉盛り始端部における傾斜角度を緩やかにすることができ、始端部と終端部との重ね合わせ部に未溶着部やクラック等の欠陥が発生することを抑制することができる。
以下、本発明に係るバルブシートのレーザ肉盛方法について実施の形態を挙げ、添付の図1〜図6を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係るバルブシートのレーザ肉盛方法で用いられるレーザクラッド装置10は、ワークであるシリンダヘッド12における給排気用バルブ孔14(図2参照)の周囲のバルブシート16に対して、銅合金粉末(金属粉末)18を供給しながら半導体レーザ20を照射して銅合金粉末18を溶融及び固化させて環状に移動しながら肉盛りをする装置である。
シリンダヘッド12は4気筒型のエンジン用であり、各気筒当たり4つのバルブシート16が設けられている。また、バルブシート16には、肉盛り用のU字溝が周囲に沿って設けられている。シリンダヘッド12はアルミ合金製であり軽量である。銅合金粉末18は、銅及びニッケルをベースとする合金の粉末であり、アトマイズ粉末となっている。
レーザクラッド装置10は、シリンダヘッド12を水平二軸方向に移動して位置決めを行うとともに所定のバルブシート16を中心として回転させるテーブル22と、該テーブル22の制御を行うテーブルコントローラ24と、バルブシート16に対して銅合金粉末18を供給するフィード機構26と、該フィード機構26を制御するフィードコントローラ28とを有する。フィード機構26の収納部26aには銅合金粉末18が投入されており、フィードコントローラ28の作用下にノズル29を介して銅合金粉末18をバルブシート16の周囲の一部に供給可能である。この銅合金粉末18の供給量Sは、フィードコントローラ28により調整可能である。
また、レーザクラッド装置10は、バルブシート16に対して半導体レーザ20を照射するレーザ発振機構部30と、該レーザ発振機構部30を制御するレーザコントローラ32と、バルブシート16の拡大撮影を行うカメラ34と、該カメラ34により撮像された画像を表示するモニタ36とを有する。カメラ34は、例えば、CCD式又はMOS式の撮像部を有するカメラである。さらに、レーザクラッド装置10は、テーブルコントローラ24、フィードコントローラ28、レーザコントローラ32及びカメラ34を統合的に制御するメインコントローラ40を有する。
レーザ発振機構部30は、例えば、モジュール式でGaaAlbAs型(a,bは固相比)のレーザ発振部を有し、半導体のPN接合部から半導体レーザ20を発生する装置であり、半導体レーザ20の波長は、半導体の成分により800〜950[nm]の範囲の所定値となるように設定されている。また、レーザ発振機構部30は、レーザコントローラ32の作用下に半導体レーザ20の出力W(図4参照)を調整可能であって、具体的には、PN接合部に印加する制御電圧を変更することにより半導体レーザ20の出力Wを調整する。半導体レーザ20の出力Wは、印加電圧を変更することにより瞬時に変化し、応答遅れや出力Wの変化時のオーバシュート等がなく、印加電圧に対して極めて高い応答性を有する。従って、半導体レーザ20の出力Wは、徐々に変化させることが可能であるとともに、段階的に変化させることも可能である。
レーザ発振機構部30は、バルブシート16に対してシールドガスとして不活性ガス(アルゴンガス等)を吹きつけることができる。レーザ発振機構部30はテーブル22に対する高さ調整が可能である。
次に、このように構成されるレーザクラッド装置10を用いてバルブシート16に肉盛りを行う方法について説明する。
先ず、所定の手順によりテーブル22上にシリンダヘッド12を取り付け、テーブルコントローラ24の作用下に所定のバルブシート16が回転中心位置に配置されるように水平位置決めを行う。
次に、図2に示すように、バルブシート16の周囲の一部に対してフィード機構26のノズル29から銅合金粉末18を供給するとともにレーザ発振機構部30から半導体レーザ20を照射し、テーブル22を回転させる。テーブル22、フィード機構26及びレーザ発振機構部30は、テーブルコントローラ24、フィードコントローラ28及びレーザコントローラ32により制御され、それぞれメインコントローラ40の作用下に同期し、同時に動作を開始する。また、シールドガスの噴出も同時に開始する。
このとき、図3に示すように、銅合金粉末18の供給量Sは、開始時t0においては16[g/min]であり、その後、2[sec]まで時間比例的に30[g/min]まで増大させ、2[sec]以降は30[g/min]の供給を維持する。
また、半導体レーザ20の出力Wは、開始時t0においては1.2[kW]であり、その後、2[sec]まで時間比例的に2.0[kW]まで増大させ、2[sec]以降は2.0[kW]を維持する。
出力Wの設定方法は、例えば、所定時間毎の供給量Sをタイマを用いて測定し、該供給量Sに合わせて出力Wを設定するとよい。
テーブル22は、バルブシート16の周速度が6〜16[mm/sec]の一定速度となるように回転される。テーブル22の回転速度は、バルブシート16の大きさに合わせて調整するとよい。
このとき、肉盛りの始端部Pでは銅合金粉末18の供給量Sは少ないため、図4に示すように、始端部Pにおける肉盛層42の厚みを充分に薄くすることができる。また、供給量Sは次第に増加するように設定されていることから、肉盛層42の厚みは次第に厚くなる。供給量S及び出力Wを上記の数値のとおり設定することにより、母材であるシリンダヘッド12に対する肉盛層42の傾斜角度θは2〜5°(図4中、傾斜角度θは模擬的に大きい角度で図示している)に形成される。
始端部Pでは銅合金粉末18の供給量Sが少ないが、半導体レーザ20の出力Wもそれに応じた小さい値となっていることから、母材のシリンダヘッド12に対する熱影響を低減し、クラック等の欠陥の発生を抑制できる。また、半導体レーザ20は印加電圧に対する応答性がよいことから、図3に示す出力Wを正確に再現することができる。一方、CO2レーザ又はYAGレーザ等は応答性に劣り、2[sec]程度で出力Wを所定値まで変化させるとともにその後の出力Wを一定に保つという出力調整が困難である。
また、図5に示すように、銅のエネルギ吸収率Eは、レーザの波長Hの対数に対して反比例的に変化し、発振波長Hが1.0[μm]以上ではエネルギ吸収率Eが非常に低い。ところで、一般的にCO2レーザの波長は約11[μm]であり、YAGレーザの波長は約1.1[μm]であり、それぞれエネルギ吸収率Eが低い。上記のように半導体レーザ20の波長は、図5中の縦線LDで代表的に示すように、800〜950[nm]に設定されていることからエネルギ吸収率Eが高いため、銅合金粉末18は半導体レーザ20のエネルギを吸収しやすく、溶融しやすいことが了解される。従って半導体レーザ20は1.2〜2.0[kW]程度の低出力で足り、シリンダヘッド12に対する熱影響を低減できる。しかも銅合金粉末18による溶融池は大きくなり肉盛層42の厚肉化が可能であり、例えば、5[mm]の厚さを形成することができる。銅合金粉末18は溶融しやすいため、バルブシート16上に残存粉として残ることがなく、このような残存粉の巻き込みによるブローホールの発生を防止できる。
次に、バルブシート16に対する肉盛りを続行しテーブル22を回転させる。これにより、銅合金粉末18の供給位置及び半導体レーザ20の照射部がバルブシート16の周囲に沿って相対的且つ環状に移動し、銅合金粉末18の溶融池が環状に移動することになる。
テーブル22を1回転させたときに、溶融池は当初の始端部Pに達する。この際、始端部Pにおける肉盛層42の傾斜角度θは2〜5°という充分に緩やかな角度となっており、しかも始端部Pには銅合金粉末18の残存粉がないため、溶融池と始端部Pとの間にブローホールが生じない。従って、この重ね合わせ部(オーバラップ部とも呼ばれる)における肉盛層42にブローホール及び該ブローホールに起因するクラック等の欠陥が発生することを抑制できる。
この後、始端側における肉盛層42が所定の一定厚さとなる位置まで肉盛りを続けた後に銅合金粉末18の供給と半導体レーザ20とを停止させ、バルブシート16に対する肉盛りを終了する。なお、終了時には、供給量Sと出力Wとを徐々に減少させ、終端部Qにおける肉盛層42が徐々に薄くなるようにして肉盛りを終了させてもよい。
さらにこの後、肉盛りの処理が行われていない他のバルブシート16に対しても同様の肉盛り処理を順次行う。
ところで、図4中、アルミニウムと銅との拡散層50の厚みが50[μm]以下となると未溶着によるブローホールの発生が多くなり、400[μm]以上となると、アルミニウムと銅との合金化割れが発生しやすくなる。本実施の形態に係るバルブシートのレーザ肉盛方法では、供給量Sに合わせて出力Wを調整することから、母材であるシリンダヘッド12の溶融量が適正量となって、拡散層50の厚さを50〜400[μm]とすることができる。これにより、特に始端部Pの近傍における合金化割れ及び未溶着を防止し、結果としてクラック等の欠陥の発生を防止することができる。
なお、上記の説明では、半導体レーザ20の出力Wは、図3に示したように時間比例的に増加させるものとして説明したが、例えば、図6に示すように段階的に増加させるようにしてもよい。すなわち、開始時t0から0.3[sec]までは1.2[kW]、0.3〜0.5[sec]までは1.4[kW]、0.5〜0.7[sec]までは1.6[kW]、0.7〜0.9[sec]までは1.8[kW]とし、0.9[sec]以降は2.0[kW]の一定値としてもよい。この場合、0.5[sec]以内の時間間隔で3〜10段階程度に分けて出力Wを増加させるとよい。また、最終的に出力Wを一定とする時間t1は0.5〜3.0[sec]に設定するとよい。出力Wを段階的に変更することにより、レーザコントローラ32は印加電圧のリアルタイム的な制御が不要となり、簡便な手順で肉盛り処理を行うことができる。
上述したように、本実施の形態に係るバルブシートのレーザ肉盛方法によれば、銅合金粉末18の供給量Sを徐々に増加させるとともに、供給量Sに対応して半導体レーザ20の出力Wを徐々に増大させることにより、母材であるシリンダヘッド12の溶融量増大によるクラックの発生を防止でき、母材に対する肉盛層42の傾斜角度θを緩やかな角度(つまり、2〜5°)に形成することができる。これにより、始端部Pに対して溶融状態の終端部Qを重ね合わせる際に該終端部Qが始端部Pに対して付着しやすく、未溶着部がなくなり、クラックやブローホール等の欠陥が発生することを抑制できる。
また、銅合金粉末18は発振波長Hが800〜950[nm]である半導体レーザ20のエネルギを吸収しやすく、銅合金粉末18は迅速に溶融される。従って、銅合金粉末18に対してエネルギが吸収されにくいCO2レーザやYAGレーザを用いた場合と比較して、母材に対する熱影響を低減することができる。
半導体レーザ20は、印加電圧の調整により出力Wの調整を迅速且つ簡便に行うことができ、銅合金粉末18の供給量Sに応じて出力Wを適切に増大させることができる。また、出力Wを調整することにより肉盛層42の肉厚調整が容易であり、設計自由度が高い。
これに対して、CO2レーザやYAGレーザを照射する場合で銅合金粉末18の量が少ないときには、銅合金粉末18に対するエネルギ吸収率Eが低いために母材が過度に溶融し、クラックが発生する原因となりうる。また、出力Wの迅速な調整が困難であり、傾斜角度θを2〜5°に形成することができない。
本発明に係るバルブシートのレーザ肉盛方法は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採りうることはもちろんである。
レーザクラッド装置の機能ブロック図である。 バルブシートに半導体レーザを照射しながら肉盛りを行う工程を示す模式図である。 半導体レーザの出力及び銅合金粉末の供給量のタイムチャートである。 バルブシート上に形成された肉盛層の模式断面図である。 光の波長に対する銅のエネルギ吸収率を示すグラフである。 変形例に係る半導体レーザの出力及び銅合金粉末の供給量のタイムチャートである。
符号の説明
10…レーザクラッド装置 12…シリンダヘッド
16…バルブシート 18…銅合金粉末
20…半導体レーザ 22…テーブル
24…テーブルコントローラ 26…フィード機構
28…フィードコントローラ 30…レーザ発振機構部
32…レーザコントローラ 40…メインコントローラ
42…肉盛層 50…拡散層
P…始端部 S…供給量
W…出力

Claims (3)

  1. シリンダヘッドのバルブシートに、金属粉末を供給しつつ、該金属粉末にレーザを照射することにより溶融及び固化させて肉盛りをするバルブシートのレーザ肉盛方法において、
    肉盛りの開始時に前記金属粉末の供給量を徐々に増加させるとともに、前記レーザの出力を前記供給量に応じて段階的に増加させながら前記レーザの照射部を環状に移動させて、肉盛り始端部の前記シリンダヘッドに対する肉盛層の傾斜角度を2〜5°の範囲にし、
    所定時間経過後に前記金属粉末の供給量及び前記レーザの出力を一定に保ち、前記バルブシートの肉盛り終端部を前記肉盛り始端部に重ね合わせることを特徴とするバルブシートのレーザ肉盛方法。
  2. 請求項1記載のバルブシートのレーザ肉盛方法において、
    前記シリンダヘッドはアルミニウム合金からなり、前記金属粉末は銅合金からなり、前記レーザは800〜950[nm]の波長を有する半導体レーザであることを特徴とするバルブシートのレーザ肉盛方法。
  3. 請求項2記載のバルブシートのレーザ肉盛方法において、
    前記シリンダヘッドと前記肉盛層との間に形成される拡散層の厚みが50〜400[μm]であることを特徴とするバルブシートのレーザ肉盛方法。
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