JP3007243B2 - レ形開先多層溶接における裏波溶接ビードの開先斜め側ルート止端部の折れ込み防止方法 - Google Patents
レ形開先多層溶接における裏波溶接ビードの開先斜め側ルート止端部の折れ込み防止方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鋼構造物溶接または円周
溶接の裏波溶接継手部において健全な溶接施工が要求さ
れる、建築物の柱と梁のような貫通母材に対して斜め側
開先をなす母材を溶接するレ形開先部の多層溶接方法に
関するものである。
溶接の裏波溶接継手部において健全な溶接施工が要求さ
れる、建築物の柱と梁のような貫通母材に対して斜め側
開先をなす母材を溶接するレ形開先部の多層溶接方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、鋼構造物の大型化とともに地球環
境問題の深刻化に伴って構造物に対する安全性の要求は
一段と厳しくなり、かつ非破壊検査機器の性能向上に基
づく検査技術の進歩に伴って、従来許容されていた微小
な溶接欠陥や類似の形態を示す疑似欠陥すら将来的には
問題となる可能性がある。日本溶接協会規格のレ形開先
多層溶接割れ試験方法(WES 1105−1985)
解説図9に示される溶接金属割れ状欠陥や、溶接学会誌
第44巻第7号601頁(1975)写真1に示される
初期割れは、レ形開先多層溶接を始めとして隅肉多層溶
接や目違いのあるV型突合せ溶接部等の継手部には軽微
なものも含めればかなりの頻度で発生が認められる。す
なわち図2は上記試験方法の解説図に準拠した溶接部の
顕微鏡組織のスケッチ図で、3は溶接金属、4は熱影響
部であり、そのうち5の部分が溶接金属の割れ状欠陥で
ある。
境問題の深刻化に伴って構造物に対する安全性の要求は
一段と厳しくなり、かつ非破壊検査機器の性能向上に基
づく検査技術の進歩に伴って、従来許容されていた微小
な溶接欠陥や類似の形態を示す疑似欠陥すら将来的には
問題となる可能性がある。日本溶接協会規格のレ形開先
多層溶接割れ試験方法(WES 1105−1985)
解説図9に示される溶接金属割れ状欠陥や、溶接学会誌
第44巻第7号601頁(1975)写真1に示される
初期割れは、レ形開先多層溶接を始めとして隅肉多層溶
接や目違いのあるV型突合せ溶接部等の継手部には軽微
なものも含めればかなりの頻度で発生が認められる。す
なわち図2は上記試験方法の解説図に準拠した溶接部の
顕微鏡組織のスケッチ図で、3は溶接金属、4は熱影響
部であり、そのうち5の部分が溶接金属の割れ状欠陥で
ある。
【0003】鋼構造物の大型化、地球環境問題の深刻化
に伴う構造物に対する安全性要求の厳格化から前記する
レ形開先多層溶接における裏波ビードのルート止端部近
傍における溶接金属割れ状の疑似欠陥は溶接欠陥ではな
いというものの、溶接欠陥と紛らわしくPL(製造物責
任)の導入時における対応の困難さを増すばかりでな
く、溶接棒の乾燥が不十分な場合の低温割れや異常に大
きな応力が構造物に付加された時の割れ発生及び疲労破
壊の起点になりはしないかとの懸念を有している。前記
する溶接金属割れ状欠陥は軽微かつ溶接欠陥ではないも
のの、他のトラブル発生時においてかかる趨勢のなかで
は、その対応の困難さが増大し将来的には解決されるべ
き課題の一つと考えられる。
に伴う構造物に対する安全性要求の厳格化から前記する
レ形開先多層溶接における裏波ビードのルート止端部近
傍における溶接金属割れ状の疑似欠陥は溶接欠陥ではな
いというものの、溶接欠陥と紛らわしくPL(製造物責
任)の導入時における対応の困難さを増すばかりでな
く、溶接棒の乾燥が不十分な場合の低温割れや異常に大
きな応力が構造物に付加された時の割れ発生及び疲労破
壊の起点になりはしないかとの懸念を有している。前記
する溶接金属割れ状欠陥は軽微かつ溶接欠陥ではないも
のの、他のトラブル発生時においてかかる趨勢のなかで
は、その対応の困難さが増大し将来的には解決されるべ
き課題の一つと考えられる。
【0004】本発明者等がかかる鋼構造物溶接または円
周溶接におけるレ形開先部の割れ状疑似欠陥について仔
細に調査したところ、この疑似欠陥は溶接割れではなく
第二層または第三層ビードの溶接金属凝固時の収縮応力
によって初層裏波溶接ビードの開先斜め側のルート止端
部が折れ込むことにより生ずる疑似欠陥であることを見
い出した。特に円周溶接で、たが締め現象により疑似欠
陥が助長されることも見い出された。その結果、レ形開
先多層溶接における初層裏波溶接のビード形状がかかる
疑似欠陥発生に極めて関係が深いことを知見するに至
り、先に特願平5−12246号および特願平5−16
786号を出願した。特願平5−12246号はレ形開
先多層溶接のルートギャップ、バタリング、溶接入熱を
制御するルート止端部の折れ込み防止方法であり、特願
平5−16786号はレ形開先多層溶接における初層裏
波溶接ビードの左右喉厚比、開先のコーナーカット量、
溶接入熱を制御するルート止端部の折れ込み防止方法
で、厳密な意味でビード形状は制御していなかった。
周溶接におけるレ形開先部の割れ状疑似欠陥について仔
細に調査したところ、この疑似欠陥は溶接割れではなく
第二層または第三層ビードの溶接金属凝固時の収縮応力
によって初層裏波溶接ビードの開先斜め側のルート止端
部が折れ込むことにより生ずる疑似欠陥であることを見
い出した。特に円周溶接で、たが締め現象により疑似欠
陥が助長されることも見い出された。その結果、レ形開
先多層溶接における初層裏波溶接のビード形状がかかる
疑似欠陥発生に極めて関係が深いことを知見するに至
り、先に特願平5−12246号および特願平5−16
786号を出願した。特願平5−12246号はレ形開
先多層溶接のルートギャップ、バタリング、溶接入熱を
制御するルート止端部の折れ込み防止方法であり、特願
平5−16786号はレ形開先多層溶接における初層裏
波溶接ビードの左右喉厚比、開先のコーナーカット量、
溶接入熱を制御するルート止端部の折れ込み防止方法
で、厳密な意味でビード形状は制御していなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】さらに、仔細に研究を
重ねた結果、レ形開先斜め側のルート止端部における初
層裏波溶接ビードおよび鋼材裏側で構成する角度がレ形
開先多層溶接における裏波ビードの開先斜め側ルート止
端部の折れ込みと深い関係を有することを突き止めるに
至った。特にレ形開先が柱と梁で構成される時よりも柱
とブレース(斜め材)で構成されるときには幾何学的に
極めて不利な条件であることも初めて見い出した。
重ねた結果、レ形開先斜め側のルート止端部における初
層裏波溶接ビードおよび鋼材裏側で構成する角度がレ形
開先多層溶接における裏波ビードの開先斜め側ルート止
端部の折れ込みと深い関係を有することを突き止めるに
至った。特にレ形開先が柱と梁で構成される時よりも柱
とブレース(斜め材)で構成されるときには幾何学的に
極めて不利な条件であることも初めて見い出した。
【0006】本発明はかかる前記した将来的な懸念及び
問題発生を解決すべく、レ形開先多層溶接における初層
裏波溶接のビード形状を改善して該裏波溶接ビードの開
先斜め側ルート止端部の折れ込みによる疑似欠陥発生を
防止する方法を提供することにより大型構造物の安全性
向上と信頼性向上とを同時に図り、立会検査等の対応を
円滑にして工期短縮による鋼構造物製造の非価格競争力
を強化するものである。
問題発生を解決すべく、レ形開先多層溶接における初層
裏波溶接のビード形状を改善して該裏波溶接ビードの開
先斜め側ルート止端部の折れ込みによる疑似欠陥発生を
防止する方法を提供することにより大型構造物の安全性
向上と信頼性向上とを同時に図り、立会検査等の対応を
円滑にして工期短縮による鋼構造物製造の非価格競争力
を強化するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するものであって、貫通母材に対して斜め側開先をなす
母材を溶接するレ形開先多層溶接において、レ形開先斜
め側のルート止端部における初層裏波溶接ビードの止端
仰角を120゜以上180゜未満とすることを特徴とす
るレ形開先多層溶接における裏波溶接ビードの開先斜め
側ルート止端部の折れ込み防止方法である。ここにおい
てレ形開先多層溶接において、初層裏波溶接ビードにお
ける左右喉厚比を60%以上にすることも特徴とする。
するものであって、貫通母材に対して斜め側開先をなす
母材を溶接するレ形開先多層溶接において、レ形開先斜
め側のルート止端部における初層裏波溶接ビードの止端
仰角を120゜以上180゜未満とすることを特徴とす
るレ形開先多層溶接における裏波溶接ビードの開先斜め
側ルート止端部の折れ込み防止方法である。ここにおい
てレ形開先多層溶接において、初層裏波溶接ビードにお
ける左右喉厚比を60%以上にすることも特徴とする。
【0008】
【作用】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の対象
とする溶接方法は被覆アーク溶接、セルフシールドアー
ク溶接、ガスシールドアーク(マグ、ミグ、ティグ)溶
接、潜弧(サブマージドアーク)溶接とし、積層数は2
層以上とする。開先形状は、本発明の対象とする裏波溶
接ビードのルート止端部近傍における疑似欠陥が発生し
易い貫通母材に対して斜め側開先をなす母材を溶接する
レ形開先とする。
とする溶接方法は被覆アーク溶接、セルフシールドアー
ク溶接、ガスシールドアーク(マグ、ミグ、ティグ)溶
接、潜弧(サブマージドアーク)溶接とし、積層数は2
層以上とする。開先形状は、本発明の対象とする裏波溶
接ビードのルート止端部近傍における疑似欠陥が発生し
易い貫通母材に対して斜め側開先をなす母材を溶接する
レ形開先とする。
【0009】本発明においてはレ形開先斜め側のルート
止端部における初層裏波溶接ビードの止端仰角を120
°以上180°未満とする。すなわち図1はこれを示す
溶接部分の断面図で(a)図は柱と梁との接合の場合、
(b)図は柱と斜め材(ブレース)との接合の場合を示
している。図中1は柱、2は梁、21は斜め材、61は
初層ビードであって、θが止端仰角である。
止端部における初層裏波溶接ビードの止端仰角を120
°以上180°未満とする。すなわち図1はこれを示す
溶接部分の断面図で(a)図は柱と梁との接合の場合、
(b)図は柱と斜め材(ブレース)との接合の場合を示
している。図中1は柱、2は梁、21は斜め材、61は
初層ビードであって、θが止端仰角である。
【0010】鋼構造物溶接または円周溶接におけるレ形
開先多層溶接では、初層裏波溶接ビードの止端仰角が1
20゜未満では第二層または第三層の溶接金属の凝固に
際して発生する収縮応力が初層裏波ビードに付加される
に際して、形状効果が働かずに凝固金属側に裏波ビード
が折れ込んで疑似欠陥が発生する。このためレ形開先斜
め側のルート止端部における初層裏波溶接ビードの止端
仰角を120゜以上とし、一方180゜以上ではルート
止端部がアンダーカット状の溶接欠陥となるため180
゜未満とする。なお上記止端仰角の制御は裏波溶接ビー
ドの研削、溶接姿勢の制御(上向き溶接)、溶接棒の選
択(濡れ性、表面張力)のいずれでもよい。
開先多層溶接では、初層裏波溶接ビードの止端仰角が1
20゜未満では第二層または第三層の溶接金属の凝固に
際して発生する収縮応力が初層裏波ビードに付加される
に際して、形状効果が働かずに凝固金属側に裏波ビード
が折れ込んで疑似欠陥が発生する。このためレ形開先斜
め側のルート止端部における初層裏波溶接ビードの止端
仰角を120゜以上とし、一方180゜以上ではルート
止端部がアンダーカット状の溶接欠陥となるため180
゜未満とする。なお上記止端仰角の制御は裏波溶接ビー
ドの研削、溶接姿勢の制御(上向き溶接)、溶接棒の選
択(濡れ性、表面張力)のいずれでもよい。
【0011】ここにおいて初層裏波溶接ビードにおける
左右喉厚比を60%とするとさらに好ましい。すなわち
図3はこれを示す溶接部分の断面図で1,2は母材、6
1,62はそれぞれ初層、第二層のビードである。この
図の各点a,b,c,dにおいて右側喉厚abと左側喉
厚cdとの比が左右喉厚比となる。
左右喉厚比を60%とするとさらに好ましい。すなわち
図3はこれを示す溶接部分の断面図で1,2は母材、6
1,62はそれぞれ初層、第二層のビードである。この
図の各点a,b,c,dにおいて右側喉厚abと左側喉
厚cdとの比が左右喉厚比となる。
【0012】鋼構造物溶接または円周溶接におけるレ形
開先多層溶接では、初層裏波溶接ビードの左右喉厚比が
60%未満では、第二層または第三層ビードの溶接時に
溶接入熱が初層ビードに伝達され更に初層溶接部の融合
境界線(FL)を通じて母材側に熱伝達するに際して熱
流動がアンバランスになる。このため初層ビードにおけ
る喉厚の小さい右側喉厚部が左側喉厚部に比べてより高
温となると共に、引き続いて第二層または第三層の溶接
金属の凝固に際して発生する収縮応力が狭い断面積でか
つ著しく低い高温強度となる右側喉厚部に付加される。
その結果、図4に示すように初層裏波ビード余盛側に隣
接する溶接熱影響部(HAZ)71Aが折れ込んで疑似
欠陥が発生するため、初層ビードの左右喉厚比を60%
以上とする。すなわち図4はレ形開先の溶接において折
れ込み発生を説明する溶接部分の断面図で、(a)は初
層溶接後、(b)は第二層溶接後を示す。図において7
1A、71Bは初層熱影響部、72は第二層熱影響部
で、8は折れ込みによる溶接割れ状疑似欠陥である。な
お、前述したごとく円周溶接においてはたが締め現象に
より折れ込みによる疑似欠陥が助長されるため初層ビー
ドの左右喉厚比を70%以上とすることが好ましい。
開先多層溶接では、初層裏波溶接ビードの左右喉厚比が
60%未満では、第二層または第三層ビードの溶接時に
溶接入熱が初層ビードに伝達され更に初層溶接部の融合
境界線(FL)を通じて母材側に熱伝達するに際して熱
流動がアンバランスになる。このため初層ビードにおけ
る喉厚の小さい右側喉厚部が左側喉厚部に比べてより高
温となると共に、引き続いて第二層または第三層の溶接
金属の凝固に際して発生する収縮応力が狭い断面積でか
つ著しく低い高温強度となる右側喉厚部に付加される。
その結果、図4に示すように初層裏波ビード余盛側に隣
接する溶接熱影響部(HAZ)71Aが折れ込んで疑似
欠陥が発生するため、初層ビードの左右喉厚比を60%
以上とする。すなわち図4はレ形開先の溶接において折
れ込み発生を説明する溶接部分の断面図で、(a)は初
層溶接後、(b)は第二層溶接後を示す。図において7
1A、71Bは初層熱影響部、72は第二層熱影響部
で、8は折れ込みによる溶接割れ状疑似欠陥である。な
お、前述したごとく円周溶接においてはたが締め現象に
より折れ込みによる疑似欠陥が助長されるため初層ビー
ドの左右喉厚比を70%以上とすることが好ましい。
【0013】
【実施例】図5に被覆アーク溶接(電流150A、電圧
25V、入熱23kJ/cm)によるレ形開先多層溶接
における初層裏波溶接ビードの止端仰角が、裏波ビード
の開先斜め側ルート止端部の折れ込みによる疑似欠陥の
発生率に及ぼす影響を示す。疑似欠陥の発生率は止端仰
角が120°以上になると極めて微小になっている。
25V、入熱23kJ/cm)によるレ形開先多層溶接
における初層裏波溶接ビードの止端仰角が、裏波ビード
の開先斜め側ルート止端部の折れ込みによる疑似欠陥の
発生率に及ぼす影響を示す。疑似欠陥の発生率は止端仰
角が120°以上になると極めて微小になっている。
【0014】表1にセルフシールドアーク溶接(電流4
00A、電圧25V、入熱24kJ/cm)によるレ形
開先多層溶接における溶接試験結果を示す。初層裏波溶
接の左右喉厚比が60%未満でも、初層裏波溶接ビード
および鋼材裏側表面で構成する角度120°以上なら裏
波ビードの開先斜め側ルート止端部の折れ込み深さは極
めて浅く、角度が180°に近くすなわち初層裏波ビー
ドが凸型から平面に近くなると疑似欠陥は全く発生しな
い。一方角度の調整に加えて左右喉厚比を高くすると折
れ込みの発生はさらに改善される。
00A、電圧25V、入熱24kJ/cm)によるレ形
開先多層溶接における溶接試験結果を示す。初層裏波溶
接の左右喉厚比が60%未満でも、初層裏波溶接ビード
および鋼材裏側表面で構成する角度120°以上なら裏
波ビードの開先斜め側ルート止端部の折れ込み深さは極
めて浅く、角度が180°に近くすなわち初層裏波ビー
ドが凸型から平面に近くなると疑似欠陥は全く発生しな
い。一方角度の調整に加えて左右喉厚比を高くすると折
れ込みの発生はさらに改善される。
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】本発明は、鋼構造物溶接または円周溶接
に際して、レ形開先多層溶接のルート止端部における裏
波ビードの止端仰角を120°以上180°未満にする
こと、さらに左右喉厚比を60%以上とすることによっ
てルート止端部に発生する折れ込みのない溶接方法を考
案し提供するものである。これにより、大型構造物の安
全設計の厳格化、地球環境問題の深刻化に伴い検査基準
が厳格化される事態に対処を可能ならしめて大型構造物
への安全性向上と立会検査への円滑な対応を可能にする
と共に、将来PL導入時において紛らわしい問題が発生
する懸念をも解消したものである。従って、本発明によ
り大型鋼構造物に対する信頼性の向上はもとより、将来
的には非価格競争力向上とともに産業界に与える工期
的、経済的利益は多大なものがある。
に際して、レ形開先多層溶接のルート止端部における裏
波ビードの止端仰角を120°以上180°未満にする
こと、さらに左右喉厚比を60%以上とすることによっ
てルート止端部に発生する折れ込みのない溶接方法を考
案し提供するものである。これにより、大型構造物の安
全設計の厳格化、地球環境問題の深刻化に伴い検査基準
が厳格化される事態に対処を可能ならしめて大型構造物
への安全性向上と立会検査への円滑な対応を可能にする
と共に、将来PL導入時において紛らわしい問題が発生
する懸念をも解消したものである。従って、本発明によ
り大型鋼構造物に対する信頼性の向上はもとより、将来
的には非価格競争力向上とともに産業界に与える工期
的、経済的利益は多大なものがある。
【図1】本発明の方法を説明する溶接部の断面図で
(a)は柱と梁の接合、(b)は柱と斜め材の接合
(a)は柱と梁の接合、(b)は柱と斜め材の接合
【図2】溶接部の欠陥を示す顕微鏡組織のスケッチ図
【図3】本発明の方法を説明する溶接部の断面図
【図4】折れ込み発生を説明する溶接部の断面図で
(a)は初層溶接後、(b)は第二層溶接後
(a)は初層溶接後、(b)は第二層溶接後
【図5】初層裏波溶接ビードの止端仰角と折れ込み発生
率との関係を示すグラフ
率との関係を示すグラフ
1 柱材 2 梁材 3 溶接金属 4 熱影響部 5 割れ状欠陥 8 溶接割れ状疑似欠陥 21 斜め材 61 初層ビード 62 第二層ビード 71A、71B 初層熱影響部 72 第二層熱影響部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−125393(JP,A) 特開 昭57−62862(JP,A) 特開 昭62−254972(JP,A) 特開 昭48−11248(JP,A) 特開 平2−55691(JP,A) 特開 昭57−130766(JP,A) 特開 昭62−254971(JP,A) 特開 昭52−145350(JP,A) 特開 昭63−207477(JP,A) 特開 昭59−141372(JP,A) 特開 昭52−147526(JP,A) 特開 昭62−104677(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 9/02 B23K 9/00 B23K 9/095
Claims (2)
- 【請求項1】 柱材1に対して斜め側開先をなす梁材2
を溶接するレ形開先多層溶接において、レ形開先斜め側
のルート止端部における初層裏波溶接ビードの止端仰角
を120°以上180°未満とすることを特徴とするレ
形開先多層溶接における裏波溶接ビードの開先斜め側ル
ート止端部の折れ込み防止方法。 - 【請求項2】 柱材1に対して斜め側開先をなす梁材2
を溶接するレ形開先多層溶接において、初層裏波溶接ビ
ードにおける左右喉厚比を60%以上にすることを特徴
とする請求項1記載のレ形開先多層溶接における裏波溶
接ビードの開先斜め側ルート止端部の折れ込み防止方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5167343A JP3007243B2 (ja) | 1993-06-15 | 1993-06-15 | レ形開先多層溶接における裏波溶接ビードの開先斜め側ルート止端部の折れ込み防止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5167343A JP3007243B2 (ja) | 1993-06-15 | 1993-06-15 | レ形開先多層溶接における裏波溶接ビードの開先斜め側ルート止端部の折れ込み防止方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH071125A JPH071125A (ja) | 1995-01-06 |
JP3007243B2 true JP3007243B2 (ja) | 2000-02-07 |
Family
ID=15847975
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5167343A Expired - Lifetime JP3007243B2 (ja) | 1993-06-15 | 1993-06-15 | レ形開先多層溶接における裏波溶接ビードの開先斜め側ルート止端部の折れ込み防止方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3007243B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114083083A (zh) * | 2021-12-02 | 2022-02-25 | 沪东中华造船(集团)有限公司 | 一种分段企口熔透焊变形控制方法 |
-
1993
- 1993-06-15 JP JP5167343A patent/JP3007243B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH071125A (ja) | 1995-01-06 |
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