JP3378374B2 - 樹脂封止型半導体装置の製造方法、樹脂封止型半導体装置及び封止用樹脂シート - Google Patents

樹脂封止型半導体装置の製造方法、樹脂封止型半導体装置及び封止用樹脂シート

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JP3378374B2 JP24494894A JP24494894A JP3378374B2 JP 3378374 B2 JP3378374 B2 JP 3378374B2 JP 24494894 A JP24494894 A JP 24494894A JP 24494894 A JP24494894 A JP 24494894A JP 3378374 B2 JP3378374 B2 JP 3378374B2
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    • H01L2224/16151Disposition the bump connector connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive
    • H01L2224/16221Disposition the bump connector connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked
    • H01L2224/16245Disposition the bump connector connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked the item being metallic

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は樹脂封止型半導体装置の
製造方法、およびこれにより製造された半導体装置およ
び半導体封止用樹脂シートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体装置の高集積化に伴い樹脂
封止型半導体装置はそのパッケージの大型化が進む一
方、実装スペースの微細化に伴い薄型化の傾向を強めて
いる。またASIC(Applcation Spec
ific IC)に代表されるように、半導体装置の高
集積化、高速化が進んでおり、動作時の発熱量が大きく
なってきている。そのため、この熱をヒートシンクある
いは実装基板などを介して半導体装置の外部に容易に逃
がすことのできるように、熱伝導性の高い樹脂封止技術
が望まれている。更にパッケージの種類が多様化する結
果、樹脂封止型半導体装置の品種が多くなるが、個々の
品種の生産量は少なくなる傾向があり、多品種少量生産
に適した樹脂封止型半導体装置の製造方法の確立が望ま
れている。
【0003】樹脂封止型半導体装置の製造方法としては
エポキシ樹脂を封止樹脂に用いたトランスファ成形法が
広く用いられている。しかしながらトランスファ成形法
では樹脂封止工程はバッチ処理となり、インライン化が
困難であり、多品種少量生産に適さない。
【0004】この点を改善した方法として封止用樹脂を
プリプレグのシートとして供給する方法が提案されてい
る(特開平2−257662号公報)。この方法は半導
体素子の両側に封止用樹脂シートを配置し、金型により
加熱圧着するというものである。この方法はインライン
化が可能であり、また薄型パッケージ化が可能であるた
め、大型パッケージ,多品種少量生産に適している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ある種の配合
剤は樹脂特性を向上させるために用いられるが、その配
合剤のために他の特性を下げる場合がある。
【0006】例えば、一般にトランスファ成形のように
金型を用いた成形の場合、金型と樹脂との離型性の問題
がある。離型性が悪いとバリが生じたりしてパッケージ
形状の良好なものが得難い。そこで離型性の向上のため
封止樹脂には一般にワックスなどの離型剤成分が添加さ
れる。しかしながら離型剤の添加は、一方では半導体素
子と封止樹脂との剥離を招きやすくなる。従ってクラッ
クが発生しやすくなり、耐湿性の低下につながり、半導
体装置の信頼性の低下につながる。
【0007】この問題を解決するために例えば金属シー
ト,セラミックシートまたは樹脂シートを外側にし、封
止工程で溶融し半導体素子を直接覆う樹脂からなるシー
トを内側に設けた複合シートを用いる方法も提案されて
いる(特開平2−257662号)。この方法では機械
的強度が向上し、また外側の層は溶融させないので金型
との離型性の問題もない。しかしながら異種シート間の
接合界面は剥離しやすく、信頼性に問題がある。同じく
強度向上を考慮しプリプレグ層とガラスファイバー層と
を交互に積層する提案もなされているが(米国特許46
80617号明細書)、金型との離型性の問題は解消さ
れない。
【0008】ところで封止樹脂に要求される重要な特性
として高い熱伝導性がある。前述の如く半導体素子から
の発熱を外部に逃がす必要があるからである。このため
トランスファ成形用の封止樹脂では一般に高熱伝導性の
充填材が添加されている。しかしながら充填材の添加は
樹脂の流動性を低下させるため、金型による成形が困難
になるという問題、また強度の低下などの問題があり、
自ずとその添加量には限界があり、十分な熱伝導性は得
難い。またこの充填材は半導体素子表面部においては、
リードや素子表面へダメージを与える原因ともなりやす
い。
【0009】また素子表面には低応力・低粘度レジンか
らなる樹脂シートを用い、素子裏面には高熱伝導・高強
度・高粘度レジンからなる樹脂シートを用いようという
提案もなされている(特開平5−175264号公
報)。この公報には具体的手段の開示はないものの、異
なるベース樹脂からなるシートを用いた場合は、表裏面
のシート間の界面は剥離しやすく、信頼性は十分ではな
い。
【0010】更に封止樹脂として硬化性樹脂を用いた場
合は硬化促進剤の添加が必須であり、生産性を上げるた
めには硬化促進剤の量は多いことが好ましいが、多量の
添加は未反応の硬化促進剤の残存を招く。この硬化促進
剤の半導体素子表面での多量の存在は、配線などの腐食
を招く恐れがある。
【0011】更に封止樹脂には安全性向上のため難燃剤
の添加が必須である。この難燃剤も半導体素子表面での
多量の存在は配線の腐食などを引き起こす恐れがある。
【0012】このように封止樹脂としては各種の特性が
要求され、各種の添加物が配合されているが、相反する
特性を持ち、各々の特性についてその要求が必ずしも満
足されるものではない。
【0013】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
であり、封止樹脂に要求される諸特性、例えば半導体素
子との接着強度などの他の特性を損なうことなく金型と
の離型性を向上できる樹脂封止型半導体装置およびその
製造方法を提供することを目的とする。
【0014】また本発明の他の目的は、封止樹脂に要求
される諸特性、例えば成形性などの他の特性を損なうこ
となく熱伝導性が向上できる樹脂封止型半導体装置およ
びその製造方法を提供することを目的とする。
【0015】また本発明の他の目的は、信頼性を低下す
ることなく生産性を向上できる樹脂封止型半導体装置お
よびその製造方法を提供することを目的とする。
【0016】また本発明の他の目的は、信頼性を低下す
ることなく難燃性を向上できる樹脂封止型半導体装置お
よびその製造方法を提供することを目的とする。
【0017】また本発明の他の目的は、半田実装時の信
頼性を向上できる樹脂封止型半導体装置およびその製造
方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段および作用】本発明は、封
止樹脂部と、前記封止樹脂部で封止される半導体素子か
らなる樹脂封止型半導体装置であって、前記封止樹脂部
は前記半導体素子の上面にある第一の樹脂層および半導
体素子の下面にある第二の樹脂層とからなり、 a:第一の樹脂層の熱膨張係数(K-1) b:第一の樹脂層の弾性率(Pa) c:第一の樹脂層の樹脂厚さ(mm) d:第二の樹脂層の熱膨張係数(K-1) e:第二の樹脂層の弾性率(Pa) f:第二の樹脂層の樹脂厚さ(mm) とするとき、 0.8<(abc)/(def)<1.2 の範囲となることを特徴とする樹脂封止型半導体装置で
ある。
【0019】また、本発明の樹脂封止型半導体装置は、
上記樹脂封止型半導体装置において、 L :樹脂封止型半導体装置の厚さ L´:成形後の樹脂封止型半導体装置を平面上に静置し
たとき水平な面より測定した最大高さとするとき {(L´−L)/L}<0.06 の範囲となることを特徴とする。
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】以下の本発明について詳細に説明する。
【0026】本発明では配合剤の相反する特性を同時に
満たすために、樹脂シートの組成を均一でなく、配合剤
の濃度、種類を部分的に変化させた。つまり、ある種の
配合剤は特定の部分に濃度を高くすることにより特性を
向上させることができ、他の部分にこの配合剤の濃度を
低くすることにより特性の低下を抑えることができる。
もちろん、ある種の配合剤を特定の部分のみに配合する
こともできる。
【0027】しかし、トランスファモールド法を用いて
はこのように樹脂の組成を一部で変化させることはでき
ない。
【0028】組成変化した樹脂シートを作るために、基
本的な樹脂組成を同一にして配合剤のみを変化させた第
一の樹脂シートおよび第二の樹脂シートを用意する。第
一の樹脂シートおよび第二の樹脂シートを圧着し、一体
化することにより封止用樹脂シートができる。第一の樹
脂シートと第二の樹脂シートの配合剤の濃度を変化させ
て封止用樹脂シートを作ることもできる。
【0029】本発明において、樹脂シートは成形時に溶
融し第一のシート及び第二のシートの界面で混合するた
め、成形後にこの界面で剥離することはない。したがっ
て、第一のシートおよび第二のシートの組成はまったく
同じである必要はないが、溶融混合する必要がある。
【0030】配合剤の濃度および種類は、シートの片面
と他の面と間で厚さ方向に変化させても良いし、一部の
領域と他の領域との間で変化させても良い。また、配合
剤の変化は連続的でも、段階的でも良い。
【0031】本発明において、二枚の配合剤の組成の異
なる樹脂シートの間に半導体素子を挟んで封止すること
もできる。この場合は、各封止樹脂シートの組成は均一
であるが、封止後の半導体素子の能動面側と裏側で樹脂
の組成が異なる。
【0032】本発明の樹脂封止型半導体装置の製造方法
を図1により説明する。図1はアセンブリから封止まで
を連続工程で行う概念図である。
【0033】フィルムキャリア7を供給リール100と
巻取リール500との間で移動せしめつつ連続的に封止
する。この装置は供給リール100と、半導体素子搭載
部200と、上方と下方から2枚の未硬化樹脂シートを
供給し貼着するシート貼着部300とプレス成形部40
0と、巻取リール500とから構成されている。
【0034】半導体素子を載置するフィルムキャリア等
の外部リード構成体および封止用シートは、リール方式
で供給することができる。例えば、両者がそれぞれ対応
するようにリールで供給し、合体、封止することによ
り、半導体装置のアセンブリから封止までを連続工程で
行うことができる。
【0035】製造工程は、まず、チップ搭載部200で
位置合わせを行いつつフィルムキャリア7上に半導体素
子5をフェイスダウンでバンプ4を介して接続する。こ
の後シート貼着部300で、未硬化樹脂シートを半導体
素子の上面側および下面側に貼り付ける。ただし、金型
で密着性よく外部リード構成体の樹脂封止部を枠取りす
るためには、封止用樹脂シートはカットされたもので供
給するのが望ましい。そしてさらに、プレス成形部40
0においてヒーター402により加熱された金型401
内で圧縮成形する。その後、巻取リール500を用いて
巻取る。また、半導体素子の能動面側のみを封止用樹脂
シートを用いて封止しても良い。
【0036】貼着部300は、封止用未硬化樹脂シート
を積み重ねて収納する容器とチップの位置を自動的に検
出できるチップ位置検出機を備え、貼着部を上下前後左
右に移動して封止用未硬化樹脂シートをチップに供給で
き、しかも、自動的に樹脂シートを供給できる装置であ
る。また、貼着部300には、封止用未硬化樹脂シート
をチップに貼着するため、チップおよび封止用未硬化樹
脂シートのいずれかを予熱する装置を備えていてもよ
い。予熱工程とはチップまたは樹脂シートを最適な温度
プロファイルで加熱しておくことにより、樹脂シートが
軟化してチップに貼着することができる。加熱する方法
は特に限定するものではないが、好ましくは赤外線を照
射する方法、オーブンを用いる方法等がある。また、光
により加熱する方法においては、効率よく加熱するため
に集光レンズを装着していることが好ましい。
【0037】プレス成形部400における成形工程を図
2を参考に説明する。
【0038】まず、図2(a)に示すように素子5の能
動面側に素子能動面側封止用樹脂シート1、素子の裏面
側に素子裏面側封止用樹脂シート2を貼着したものを金
型内の所定の場所に配置する。ここで封止用樹脂シート
1は配合剤の濃度が異なる樹脂シート1a,1bとの積
層体となっている。また封止用樹脂シート2も配合剤の
濃度が異なる樹脂シート2a,2bとの積層体となって
いる。樹脂シート1aおよび2aが素子に接する樹脂シ
ートであり、樹脂シート1bおよび2bが金型に接する
樹脂シートである。ついで、図2(b)に示すように外
側金型8aおよび8bによりフレーム7をクランプす
る。最後に、図2(c)に示すように内側金型9aおよ
び9bにより、封止用樹脂シート1および2を圧縮成形
し、封止用樹脂シートを素子5に加圧しながら硬化させ
る。なお図2(d)は金型8および9の斜視図である。
【0039】なお、未硬化樹脂を硬化させる具体的な方
法としては、熱硬化性樹脂の場合、一体成形時に使用さ
れる金型を加熱する方法、誘導加熱により未硬化樹脂の
みを選択的に加熱する方法等が挙げられる。さらに成形
後にパッケージの各種特性を向上するために、アフター
キュアを行うことが望ましい。
【0040】本発明に係わる金型内で封止用樹脂シート
を同時に成形硬化させ半導体素子を封止する工程は、上
述の仮止めされた封止用樹脂シートを加圧、加熱あるい
は光硬化等により金型内で硬化させ半導体素子を封止す
る工程である。
【0041】本発明に使用できる金型は、その形状とし
ては樹脂シートの形状に等しいか、やや大きく形成され
ており、かつ金型の容積は、2枚の樹脂シートの体積の
合計よりやや小さく、成形時に樹脂が加圧されるように
したものを用いることが望ましい。また、加圧時に余分
な樹脂を放出するエアベントを金型に設けることが望ま
しい。また、半導体素子および封止用樹脂シートの圧縮
成形時に際してボイドの発生を防止するために金型内を
減圧することができる構造であることが望ましい。さら
に、2個の凹状金型を内部に空間を有するように向かい
合わせる方式や枠状金型とプレス金型とを組み合わせて
加圧成形する方式でもよい。このような方式により、封
止工程がインライン化できる。このため多品種少量生産
に極めて適した製造方法となる。
【0042】金型の材質としては金属、セラミック、耐
熱性プラスチック、ガラス等を使用することができる。
とくに光硬化性樹脂を使用する場合は、金型を介して光
を照射することができるように、金型をシリカガラス等
の透光性部材で構成することが好ましい。
【0043】本発明で使用される半導体装置の種類はと
くに限定されない。ワイヤーボンディングされたもので
も、TAB(Tape Automated Bond
ing)等でも構わないが、本発明の構造は半導体パッ
ケージが薄く、チップ面積が大きく、表面実装される半
導体装置に最も適している。
【0044】本発明の樹脂封止型半導体装置において、
外部リード構成体および半導体素子の種類については、
とくに制限されない。例えば、外部リード構成体として
リードフレーム、フィルムキャリア、外部ピンを有する
回路基板等を挙げることができる。
【0045】本発明に係わる樹脂組成物について具体的
に説明する。本発明の樹脂封止型半導体装置において使
用することのできる樹脂単体は、熱硬化性樹脂、光硬化
性樹脂、エンジニアリングプラスチックス等を挙げるこ
とができる。
【0046】熱硬化性樹脂としては、たとえばエポキシ
樹脂、ポリイミド樹脂、マレイミド樹脂、シリコーン樹
脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂
等を挙げることができる。これらの樹脂は単独で用いて
も組み合わせてもよく、またこれらの樹脂の中に硬化
剤、硬化促進剤、可塑剤、着色剤、難燃化剤、充填材、
低応力添加剤、その他各種添加剤等を含有することもで
きる。
【0047】熱硬化性樹脂の中でも素子への接着性の高
い樹脂としてエポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂と
して1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであ
ればいかなるものでもよいが、耐熱性の面からエポキシ
当量が250以下のエポキシ樹脂が好ましい。例えば、
フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキ
シ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジル
エステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ
樹脂、脂環式エポキシ樹脂、フェノールまたはアルキル
フェノール類とヒドロキシベンズアルデヒド類との縮合
物をエポキシ化して得られるトリス(ヒドロキシフェニ
ル)アルカンベースのエポキシ樹脂、テトラ(ヒドロキ
シフェニル)アルカンベースのエポキシ樹脂、2,
2′,4,4′−テトラグリシジルベンゾフェノン、パ
ラアミノフェノールのトリグリシジルエーテル、ポリア
リルグリシジルエーテル、1,3,5−トリグリシジル
エーテル化ベンゼン、2,2′,4,4′−テトラグリ
シジドキシベンゼンなどがあげられる。これらの樹脂は
単独で用いても、2種類以上を組み合わせても良い。
【0048】また、パッケージの難燃性を向上するため
には、各種のハロゲン化エポキシ樹脂、特に臭素化エポ
キシ樹脂を使用することが好ましい。例えば、臭素化さ
れたビスフェノールタイプのエポキシ樹脂、臭素化され
たフェノールノボラックタイプのエポキシ樹脂が挙げら
れる。
【0049】また、下記の一般式(I)で示されるビフ
ェニル型のエポキシ樹脂が好ましい。このエポキシ樹脂
は、本発明に係わる硬化物の接着性を向上するだけでな
く、耐熱衝撃性を向上させる作用も有する。
【0050】
【化1】 ここで、各RはHまたはCH3 であり、R2 、R3
、R5 、R6 、R2'、R3'、R5'、R6'はH,C
l,Brまたはメチル,エチル,イソプロピル,ブチ
ル,フェニル等の有機基を示す。nは0〜5の整数であ
る。
【0051】一般式(1)で示されるエポキシ樹脂の具
体例を示すと、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロ
ポキシ)ビフェニル、4,4´−ビス(2,3−エポキ
シプロポキシ)−3,3´−5,5´−テトラメチルビ
フェニル、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポキ
シ)−3,3´−5,5´−テトラメチル−2−クロロ
ビフェニル、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポ
キシ)−3,3´−5,5´−テトラメチル−2−ブロ
モビフェニル、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロ
ポキシ)−3,3´−5,5´−テトラエチルビフェニ
ル、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−
3,3´−5,5´−テトラブチルビフェニル、4,4
´−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3´−
5,5´−テトラフェニルビフェニル等を挙げることが
できる。
【0052】また、接着性が高く好ましいエポキシ樹脂
としてビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0053】さらに耐クラックを向上するために、下記
の一般式(II)で示される3官能型のエポキシ樹脂を
使用することが好ましい。
【0054】
【化2】 ここで、R7 およびR8 はHや1〜20の炭素原子
を持つアルキル基等の有機基を表す。nは0〜10の整
数である。
【0055】一般式(II)で示されるエポキシ樹脂の
具体例としては、EPPN−502(日本化薬製商品
名、軟化点70℃、エポキシ当量170)、YL−93
2H(油化シェル製商品名、軟化点63℃、エポキシ当
量171)、ESX−221(住友化学製商品名、軟化
点85℃、エポキシ当量210)等を挙げることができ
る。
【0056】これらのエポキシ樹脂は、通常、硬化剤を
用いて硬化反応を進めることにより成形される。硬化剤
は、通常、エポキシ樹脂の硬化剤として公知のものであ
ればいかなるものであってもよい。例えば、フェノール
ノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂などのフェ
ノール性水酸基2個以上有するノボラック型フェノール
樹脂、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テト
ラヒドロ無水フタル酸などの酸無水物、トリエチレンテ
トラミン、メタフェニレンジアミンなどのアミン類、な
どが挙げられる。
【0057】光硬化性樹脂としては、ポリエステルアク
リレート、エポキシアクリレート、ポリウレタンアクリ
レート、ポリエーテルアクリレート、オリゴアクリレー
ト、アルキッドアクリレート、ポリオールアクリレート
等を挙げることができる。また、これら光硬化性樹脂の
光開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、
ミヒラーケトン、ベンジン、ベンゾイン、ベンゾインア
ルキルエーテル、ベンジルメチルケタール、テトラメチ
ルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類、アゾ
化合物類等を挙げることができる。
【0058】エンジニアリングプラスチックス類として
は、ポリアセタール、ポリカーボネート、ナイロン6や
ナイロン66などのポリアミド類、エチレン−四フッ化
エチレン共重合体やポリテトラフルオロエチレンなどの
フッ素系高分子、ポリオキシベンゾイル等を挙げること
ができる。樹脂成分に添加される配合剤としても通常用
いられているものを使用することが可能である。
【0059】本発明に係わる成分に配合する高熱伝導性
の充填材としては石英ガラス、溶融シリカ、結晶性シリ
カ、ガラス、タルク、硫酸バツウム、マグネシア、マイ
カ、酸化ベリリウム、窒化アルミニウム、酸化マグネシ
ウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム等の
無機質充填材や表面を酸化防止処理したアルミニウム粉
末、銅粉末等の各種金属の粉末およびそれらの合金粉末
を挙げることができる。その他に無機粉末として半導体
封止樹脂として使用可能なものであればいかなるもので
あってもよく、例えば溶融シリカ、結晶性シリカ等を挙
げることができる。これらの無機材料は大きな無機材料
を破砕して得られる破砕状のものや、真球に近い形状や
亜球状にしたもの、破砕の過程でカットエッジをなくし
ただけの形状をもたせたものや、偏平なもの、繊維状の
もの、破砕上の無機粉末の表面に同種あるいは異種の結
晶を成長させ連続面を形成させたもの等がある。これら
の無機材料を半導体封止樹脂に用いる場合には単独で
も、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0060】また、金型との離型性をよくするため、離
型剤として、炭化水素系ワックス、脂肪酸系ワックス、
脂肪酸アミド系ワックス、エステル系ワックス等を封止
樹脂に添加あるいは金型への接触面に塗布することも有
効である。具体例としては、耐湿性の点から、カルナバ
ワックス、モンタンワックス等のエステル系ワックスが
好ましく、その他にステアリン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の長鎖カルボ
ン酸およびそれらの金属塩、低分子量ポリエチレンワッ
クス等が挙げられる。これらの離型剤は単独で用いて
も、組み合わせて用いてもよい。
【0061】本発明に使用することのできる硬化促進剤
は、樹脂成分の硬化反応を促進することのできるもので
あれば、とくに制限なく使用することができる。エポキ
シ樹脂を例にとれば、硬化促進剤は例えば各種のアミン
類、イミダゾール類、ジアザビシクロアルケン類、有機
ホスフィン類、ジルコニウムアルコラート、ジルコニウ
ムキレート等を挙げることができる。具体的には、アミ
ン類として、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、
N−メチルジシクロヘキシルアミン、トリエチレンジア
ミン、ジアミノジフェニルスルホン、ジメチルアミノメ
チルフェノール、ベンジルジメチルアミン、トリスジメ
チルアミノメチルフェノール等を、イミダゾール類とし
て、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾー
ル、ヘプタデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミ
ダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−
メチルイミダゾール等を、ジアザビシクロアルケン類と
して、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセ
ン−7(DBU)、DBUのフェノール塩(例えば、U
−CAT SA No.1)等を、有機ホスフィン類と
して、トリフェニルホスフィン(TPP)、トリブチル
ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、メチルジ
フェニルホスフィン等を挙げることができる。
【0062】これらの硬化促進剤のなかで、得られた樹
脂封止型半導体装置が優れた電気特性を示すトリフェニ
ルホスフィン(TPP)、ヘプタデシルイミダゾールが
とくに好ましい。
【0063】本発明において難燃剤は、ハロゲン系、リ
ン系、無機系の難燃剤を使用することができる。ハロゲ
ン系難燃剤は、主に臭素系と塩素系とに大別される。好
ましい臭素系の難燃剤としては、臭素化ビスフェノール
A型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA(T
BA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブ
ロモベンゼン(HBB)、トリス(2,3−ジブロモプ
ロピル)イソシアヌレート(TAIC−6B)、2,2
−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−ジブロモフ
ェニル)プロパン(TBA−EO)、デカブロモジフェ
ニルオキサイド(DBDPO)、含ハロゲンポリフォス
フェート等がある。臭素系は塩素系に比べて難燃効果が
高く、三酸化アンチモンとの併用効果が大きい。好まし
い塩素系の難燃剤としては塩素化パラフィンがある。ハ
ロゲン系難燃剤としてとくに使用が好ましいのは臭素化
ビスフェノールA型エポキシ樹脂である。
【0064】好ましいリン系難燃剤としてはリン酸アン
モニウム、トリグリシジルホスフェート(TCP)、ト
リエチルホスフェート(TEP)、トリス(β−クロロ
エチル)ホスフェート(TCEP)、トリスクロロエチ
ルホスフェート(CLP)、トリスジクロロプロピルホ
スフェート(CRP)、クレジルジフェニルホスフェー
ト(CDP)、キシレニルジフェニルホスフェート(X
DP)、酸性リン酸エステル、含窒素リン化合物等があ
る。
【0065】好ましい無機系難燃剤としては、赤リン、
酸化スズ、三酸化アンチモン、水酸化ジルコニウム、メ
タホウ酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウム、水酸化カルシウム、カルシウムアルミネート水
和物等があり、その中でとくに使用が好ましい無機系難
燃剤としては、三酸化アンチモンと水酸化アルミニウム
がある。
【0066】以上述べた、硬化促進剤、難燃剤、充填材
または着色剤などの配合剤の種類と濃度はそれぞれ単独
で変化させても相互に同時に変化させても良い。
【0067】次に本発明の樹脂封止型半導体装置の製造
方法について説明する。本発明の樹脂封止型半導体装置
は、素子の少なくとも一方、または両面に封止用樹脂シ
ートを配置し、金型内で成形硬化させることにより得ら
れる。
【0068】まず、本発明に係わる未硬化樹脂組成物か
らなる封止用樹脂シートについて説明する。封止用樹脂
シートは、例えばエポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、
充填材、難燃剤、離型剤、着色剤、低応力添加剤、その
他の材料を粉砕混合、溶融してロールにかけることによ
って作製することができる。このようにしてできた樹脂
シートは、例えば熱伝導性の良い樹脂シートと熱伝導性
は劣るが成形性に優れた樹脂シートとを重ね合わせてプ
レスで加熱圧着する。得られた封止用樹脂シートは非常
に脆いので所定の大きさに切断するために、まず樹脂シ
ートを離型紙上で加熱し、冷えた刃を押し当てることに
より切断するかもしくは樹脂シートは室温のままで加熱
した刃を用いて切断する。樹脂シートまたは刃の加熱温
度として70℃〜130℃が好ましい。この温度では樹
脂は充分に溶融するが硬化は進まないからである。
【0069】封止用樹脂シートの配合剤の量や種類を傾
斜もしくは多層化させる方法は、異なる組成の樹脂シー
トを複数枚重ね合わせ加熱圧着し、その後に樹脂シート
を規定の大きさに切断する方法がある。この方法を用い
ると、素子の上の組成と同じ組成の樹脂が、パッケージ
の側面に露出することになるが、樹脂シートの量産に有
効である。もうひとつのシートの作成方法として、図3
に示すように、硬化促進剤の種類や濃度をそれぞれ変化
させた大きな樹脂シート21と小さな樹脂シート22を
重ね合わせて加熱圧着する方法がある。この方法を用い
ると、素子の上のみに異なる樹脂組成を配置することが
できるという利点がある。
【0070】本発明において樹脂シートは、不連続的に
多層化させても連続的に傾斜させてもよいが、連続的に
配合剤の濃度を傾斜させると多層化したシートと比較し
て界面がないために樹脂の特性が向上する。
【0071】また、配合剤の濃度もしくは種類を傾斜さ
せたシートをつくる方法を図4により説明する。図4に
示すように、配合剤18の濃度や種類が段階的に異なる
樹脂シート19a、19bおよび19cを複数枚重ね合
わせ、プレスで加熱圧着すると、各シートの間で樹脂が
溶融し混合するために連続的に濃度や種類が変化したシ
ート20が得られる。傾斜した配合剤18の濃度や種類
の連続性を向上させた封止用樹脂シートは重ね合わせる
樹脂シートの枚数を増やし、各シートの厚さを薄くする
ことで得られる。
【0072】なお、充填材の量や種類を不連続に多層化
したシートと連続的に傾斜させたシートの明確な区別は
なく、多数の薄いシートを重ね合わせて高い圧力でゆっ
くりと高い温度で加熱圧着すると連続的に傾斜したシー
トができ、厚めのシートを重ね合わせて低圧で素早く低
い温度で加熱圧着すると不連続的に多層化したシートが
できる。
【0073】上述の様に、必要な配合剤を樹脂シートの
必要な部分のみに配合することにより、相反する特性を
両立することができる。
【0074】さらに、本発明の製造方法は半導体チップ
と封止用樹脂シートとを、リードフレームもしくはライ
ンで供給することができるので、半導体チップをフィル
ムキャリアで供給することができる。その結果、バッチ
処理が必須であるトランスファ成形法に比較して、封止
工程を完全にインライン化することができ、半導体装置
のアセンブリから封止までを連続的な工程で行うことが
できる。したがって、本発明の製造方法は多品種少量生
産に適したフレキシブルな製造方法となる。
【0075】また、前述したように封止用樹脂シートが
予め半導体チップおよびリードに対して当接せしめられ
た状態で封止が行われているため、トランスファ成形法
に比較して未硬化樹脂の溶融時の粘度が大きくても良好
に封止を行うことができる。
【0076】その結果、本発明に係わる構造を有する樹
脂封止型半導体装置の製造方法は、製造工程の簡略化が
でき、外観の良い樹脂封止型半導体装置を得ることがで
きる。
【0077】例えば金型との離型性をとりあげる。この
離型性と相反する特性は半導体素子と封止樹脂との接着
性である。
【0078】半導体装置を表面実装するにあたって基板
に半田付けする際には、通常装置全体が200〜240
℃の高温雰囲気中に5〜90秒間さらされる。このよう
な過酷な熱衝撃を受けると、パッケージ内部に取り込ま
れた水分の気化が原因となり、封止樹脂にクラックを生
じることがある。特に、樹脂と素子との接着が弱い時に
は、樹脂と素子との間の界面が剥離してそこに水分がた
まり、この水分の爆発的な気化によって大きなクラック
を生じてしまう。封止樹脂と半導体素子との接着強度が
十分に大きければ、クラックの発生を防止することがで
きる。ところが一方、通常、樹脂組成物中には、金型か
らの離型性の向上を目的としたワックス等の離型剤が含
有されており、このために樹脂と素子との接着強度が十
分ではなかった。
【0079】本発明によれば、封止シートの金型面側に
離型剤を高濃度に配することで、所望の離型性を維持し
つつ、素子との接着強度をあげることができる。逆に言
えば最大限の接着強度を有する状態(例えば素子側離型
剤なし)で、所望の離型剤を得ることができる。
【0080】例えば前述の離型剤の濃度の異なる樹脂シ
ートを貼り合わせ、高濃度シートを金型側に配置すれば
よい。
【0081】また単に金型側面にこの離型剤を塗布する
だけでも良い。
【0082】更に離型剤の代わりに接着性付与剤を用い
ることでも同様の効果を得ることができる。ただしこの
場合は、素子側の濃度を高くするか、または素子側面の
みに塗布することになる。また離型剤との併用も可能で
ある。
【0083】また、離型剤を多く含む樹脂層の厚さは1
0μm以上が望ましい。
【0084】さらに、接着性付与剤を含む樹脂層の厚さ
は、10μm以上が望ましい。
【0085】例えば、図2に示す様に、濃度の高い離型
剤を含む樹脂シート1bと離型剤濃度の低い樹脂シート
1aが積層される。また離型剤を片面に塗布することで
同様の効果が得られる。
【0086】さらに、接着性付与剤を変化させることで
同様の効果を得ることができる。
【0087】素子側のシートを構成する樹脂組成物に含
有させる、又はこの樹脂シートの素子に接する面に塗布
する接着性付与剤としては、金属キレート化合物を用い
ることが好ましい。金属キレート化合物は、接着性を向
上させると共に耐水性を向上させる。この様な金属キレ
ート化合物としては、Zrキレート、Tiキレート、A
lキレート等が挙げられる。Zrキレート化合物として
は、テトラキスアセチルアセトナトジルコニウム、モノ
ブトキシトリスアセチルアセトナトジルコニウム、ジブ
トキシビスアセチルアセトナトジルコニウム、トリブト
キシアセチルアセトナトジルコニウム、テトラキスエチ
ルアセチルアセテートジルコニウム、ブトキシトリスエ
チルアセチルアセテートジルコニウム、トリブトキシモ
ノエチルアセチルアセテートジルコニウム、テトラキス
エチルラクテートジルコニウム、ジブトキシビスエチル
ラクテートジルコニウム、ビスアセチルアセトナトビス
エチルアセチルアセトナトジルコニウム、モノアセチル
アセトナトトリスエチルアセチルアセトナトジルコニウ
ム、モノアセチルアセトナトビスエチルアセチルアセト
ナトブトキシジルコニウム、ビスアセチルアセトナトビ
スエチルラクトナトジルコニウム等が挙げられる。Ti
キレート、Alキレートとしては、β−ジケトン、ヒド
ロキシカルボン酸、ケトエステル、ケトアルコール、グ
リコールなど配位子を有する化合物が挙げられる。これ
らの添加剤は、単独で用いても、組合わせて用いてもよ
い。
【0088】次に熱伝導性をとりあげる。熱伝導性に大
きく寄与するのは無機物からなる充填材である。
【0089】例えば、動作時の発熱量を低減するため高
熱伝導性の充填材を充填させた樹脂封止型半導体装置を
得ようとするとトランスファ成形で成形可能な粘度は1
00Pa・sec程度までであり、充填材を高充填する
と粘度が上昇するために形成難となり、その充填量には
限界があった。一方、成形性を損なわない範囲で熱伝導
性充填材を添加すると、近年の発熱量の大きいASIC
に対応した高熱伝導性の樹脂封止型半導体装置が得られ
なくなるという問題がある。
【0090】本発明の樹脂封止型半導体装置は、この充
填材の配合割合を変えることにより熱伝導率を変えた複
数種の封止用樹脂組成物を用いて樹脂封止をすることに
より、1つのパッケージで従来の方法では達成不可能な
非常に高い熱伝導率と良好な成形性に起因する高い信頼
性が得られる。すなわち、本発明は、従来のように成形
性と熱伝導性を一種類の樹脂組成物で両立させることな
く、成形性と熱伝導性の機能を複数種の封止用樹脂組成
物で機能分離することにより、一つの半導体装置におい
てその機能の両立化と、さらにそれらの機能を限界まで
高められることを見出したことに基づくものである。
【0091】半導体素子の熱放散性を高めるために素子
近傍に高熱伝導フィラーを高充填化することが求められ
ている。しかし素子能動面側表面はフィラーにより非常
にダメージを受けやすいために、例えばこの方法を用い
て素子裏面側のみにフィラーを高充填することが可能で
ある。またリードやワイヤーに接する部分は樹脂との高
接着性が求められさらに変形しやすいために低粘度でフ
ィラー充填割合が小さい樹脂を使用する。
【0092】充填材の配合割合は充填材の種類によって
異なるが、40〜90重量%であることが好ましい。さ
らに熱膨張係数を下げ、チップ表面のダメージを減らす
ためには特に60〜85重量%であることが好ましい。
【0093】本発明の樹脂封止型半導体装置において第
1および第2の封止用樹脂組成物の配置に特に制限はな
く、素子の上下面にあっても、一面だけであってもよ
く、各組成物が上下面に複数個に分かれていてもよい。
封止用樹脂組成物の配置の態様を図6(a)〜(j)に
示す。
【0094】図6(a)〜(d)および(i)はTCP
(tape carrier package)タイプ
であり、素子5の能動面側にあるパッド部とフレーム
(ポリイミドフィルムキャリア)7はバンプ4、リード
線3を介して接続されている。これら素子5、バンプ
4、リード線3はフィラー充填割合の高い第1の封止用
樹脂組成物12およびフィラー充填割合の低い第2の封
止用樹脂組成物13により封止されている。
【0095】図6(a)では、第1の封止樹脂組成物1
2は半導体素子5の裏面および能動面に接するように配
置されている。リード3やバンプ4に接する部分は第2
の封止用樹脂組成物13が配置されている。
【0096】図6(b)では、第1の封止用樹脂組成物
12がパッケージの側面まで広がっている。
【0097】図6(c)では、第1の封止用樹脂組成物
12は素子能動面に接するように配置されているが、そ
の領域はパッドの内側のみに限定される。
【0098】図6(d)では、図6(c)における裏面
側の第1の封止用樹脂組成物12がない代わりに第2の
封止用樹脂組成物13により封止されている。
【0099】図6(e)〜(h)および(j)はリード
フレームタイプであり、ダイパッド10およびリード1
1により構成されている。半導体素子5は、裏面におい
てダイパッド10と接続され、素子5の能動面はワイヤ
3を介してリード11と接続されている。第1の封止用
樹脂組成物12はダイパッド10の下側にある。ワイヤ
3の部分は第2の封止用樹脂組成物13により封止され
ている。
【0100】図6(e)では、第1の封止用樹脂組成物
12は素子能動面のパッド領域の内側のみに限定されて
いる。
【0101】図6(f)では、半導体素子5裏面の第1
の封止用樹脂組成物12がパッケージの側面まで広がっ
ている。つまり、第2の封止用樹脂組成物13の間に第
1の封止用樹脂組成物12により封止された素子5とワ
イヤ3が挟まれた構造になっている。
【0102】図6(g)では、第1の封止用樹脂組成物
12はほぼ素子の大きさに限定されている。
【0103】図6(h)では、素子上側の第1の封止用
樹脂組成物12は分割されている。
【0104】半導体パッケージに、アルミニウム、銅、
AlN等の放熱板14、15を取り付けて封止すること
もできる。
【0105】図6(i)および(j)では、第1の封止
用樹脂組成物12に接するように放熱板が取り付けられ
ている。
【0106】本発明に係わる熱伝導率が異なる複数種の
樹脂組成物のうち、少なくとも一種類の樹脂組成物は他
の樹脂組成物に比して、熱伝導率の高い樹脂組成物を適
用する。この第1の樹脂組成物は、その熱伝導率が5W
/mk以上にすることが好ましい。熱伝導率は高ければ
高いほど望ましく、さらに好適な範囲としては8W/m
K以上が望ましい。
【0107】このような熱伝導率の高い樹脂は高熱伝導
性充填材を高充填して得られるが、本発明の第1の樹脂
組成物の高熱伝導性充填材の好適な配合量は60体積%
以上、さらに熱伝導率を高めるためには70体積%以上
配合することが好適である。この場合樹脂の粘度は上が
り成形性は劣るが、少なくとも高化式フローテスターに
よる溶融粘度は3000Pa・s以下であることが望ま
しい。充填材の値がこれ未満であると素子の信頼性が低
下する。
【0108】また、本発明に係わる樹脂組成物のうち、
少なくとも一種類の樹脂組成物は、他の樹脂組成物に比
し成形性の高い樹脂組成物を適用する。第2の樹脂組成
物は、175℃での高化式フローテスターによよる溶融
粘度が300Pa・s以下であることが望ましい。リー
ド線や素子表面へのダメージを減らし成形性を上げるた
めには溶融粘度は低い方が望ましく、さらに好適範囲と
して1000Pa・s以下が望ましい。第2の樹脂組成
物も熱障壁とならないために、上述した粘度で示される
成形性を損なわない範囲で熱伝導性充填材を配合して熱
伝導率がある程度高い方が望ましい。この熱伝導率の大
きさとしては0.5W/mK以上が好適である。熱伝導
率がこの値より小さいと熱障壁となり半導体装置の熱放
散性を損なう恐れがある。
【0109】また、封止後の半導体装置において第1の
樹脂組成物が第2の樹脂組成物に囲まれた構造、あるい
は少なくとも一面を装置の外部に露出したような構造で
は、樹脂組成物としての強度・成形性を完全に第2の樹
脂組成物に負担させることにより、高熱伝導性充填材を
さらに配合可能となり、第1の樹脂組成物における好適
な配合量は80〜95体積%になるまで高めることがで
きる。高熱伝導性充填材の配合量が95体積%をこえる
と、成形性の良好な樹脂組成物との接着性が低下し、半
田リフロー、赤外線リフロー等の半導体装置の実装時に
パッケージにクラックが発生する要因となり好ましくな
い。
【0110】本発明によれば、樹脂組成物の機能を熱伝
導性と成形性とに分離して、それぞれの特性に優れた封
止用樹脂組成物を作成し、それぞれの樹脂組成物からな
る樹脂組成物を併用することにより、均一な樹脂組成で
は得られない高熱伝導性と成形性という2つの相違なる
要求を十分に満足できる。すなわち、樹脂封止型半導体
装置の半導体素子から発生する熱は高熱伝導性の封止樹
脂層を通じて効率的に廃熱することができる。また、密
着性や樹脂強度が問題となる半導体パッケージ実装時の
高温雰囲気下では、成形性の良好な樹脂により、十分な
密着性や樹脂強度が得られる。
【0111】さらに、高熱伝導性樹脂と成形性の良好な
樹脂とは成形時に共に溶融硬化して、その界面で完全に
一体となる。このため、セラミックスや金属との接着よ
りもはるかに樹脂間の接着力は強固なものとなり、半導
体装置の実装時の高温雰囲気下でのパッケージクラック
に対して非常に良好な特性を示す。また、高熱伝導性樹
脂は熱膨張率を金属やセラミックスに近付けることが可
能であるため、金属やセラミックスと成形時に一体化す
ることもできる。樹脂封止型半導体装置の製造に際して
は、高熱伝導性の封止樹脂と成形性の良好な封止樹脂を
組み合わせた機能分離型の封止樹脂構造を採用すること
により、極めて容易に一体化して形成することが可能
で、半導体素子と封止樹脂の密着性がよく熱伝導性が極
めて良好なパッケージを大量かつ安価に供給することと
ができる。
【0112】このように本発明によれば、従来不可能で
あった極めて高いレベルの高熱伝導性と良好な信頼性を
有する樹脂封止型半導体装置を容易に製造することがで
きる。
【0113】半導体素子の能動面側に用いる熱伝導性の
良好な樹脂シートの大きさとしては、リード構成体に接
続された半導体素子のインナーリードあるいはワイヤー
が接続されたパッド部の内側に入る大きさが好ましい。
これは高熱伝導性樹脂シートは充填材の高い充填量によ
り溶融粘度が高いため、半導体素子の接続部がダメージ
を受ける確率を低下させるためである。
【0114】本発明において変化させることのできる充
填材の種類や量を得られる作用効果とともにイ)から
ヘ)の項目に分けて以下説明する。
【0115】イ)金型に接する樹脂組成物の充填材量を
多く、素子に接する樹脂組成物の充填材量を少なくす
る。
【0116】一般に封止用樹脂組成物の充填材量を多く
すると、吸水率が下がる一方、熱伝導率や樹脂強度が向
上するので、樹脂封止型半導体装置はパッケージクラッ
クを低減させたり、傷の発生を防ぐことができる。しか
し樹脂シートを素子に圧着して押し付けたときに、充填
材量が多いとボンディングワイヤやインナーリードの変
形、素子へのダメージの発生が多くなるという問題があ
る。
【0117】本発明にあっては、金型に接する樹脂組成
物の充填材量を多く、素子に接する樹脂組成物の充填材
量を少なくした封止用樹脂シートを作成し、このシート
を用いてパッケージを成形することにより吸水率が低
く、熱伝導性がよく、強度も向上し、しかもリードの変
形や素子へのダメージの少ないパッケージを得ることが
できる。なお、金型に接する樹脂組成物はパッケージ外
周部の樹脂部分を形成することとなる。
【0118】金型に接する充填材量を多くした樹脂層の
厚さはパッケージの吸水率を低下させるために30μm
以上であることが好ましく、素子に接する充填材量を減
らした樹脂層の厚さもリードやワイヤーの変形を防ぐた
めに30μm以上であることが好ましい。
【0119】パッケージ外周部の樹脂部分の充填材の全
組成物に対する割合は、素子に接する樹脂部分の充填材
の全組成物に対する割合よりも大きい必要があり、外周
部の割合は素子に接する部分の割合の1.5倍以上であ
ることが望ましく、特性をさらに向上させるには2倍以
上であることが好ましい。とくに5倍以上では非常に良
好な特性が得られる。
【0120】ロ)金型に接する樹脂組成物に破砕状充填
材の量を多く、素子に接する封止用樹脂組成物に球状充
填材の量を多くする。
【0121】一般に樹脂組成物の充填材として破砕状充
填材量を多くすると、樹脂強度の向上によるパッケージ
クラックの低減、金型の隙間へのバリの発生等を防ぐこ
とができる。しかし樹脂シートを素子に圧着して押し付
けた時に、破砕状充填材を用いるとボンディングワイヤ
やインナーリードを変形させたり、充填材の鋭角な角が
素子に突き刺さり、不良の発生が多くなるという問題が
ある。一方、球状充填材を用いるとリードの変形や素子
へのダメージは少ないものの、バリの発生が多くなると
いう問題がある。
【0122】本発明にあっては、金型に接する樹脂組成
物に破砕状充填材を多く、素子に接する樹脂組成物に球
状充填材の量を多くした封止用樹脂シートを作成し、こ
のシートを用いてパッケージを成形することにより強度
が高く、バリの発生が少く、しかもリードの変形や素子
へのダメージの少ないパッケージを得ることができる。
【0123】金型に接する破砕状充填材の多くした樹脂
層の厚さは、強度を保ちバリを防ぐために30μm以上
であることが好ましく、素子に接する破砕状充填材を少
なくした樹脂層の厚さはリードやワイヤーの変形を防ぐ
ために30μm以上であることが好ましい。
【0124】パッケージ外周部の樹脂部分の破砕状充填
材の全組成物に対する割合は、素子に接する樹脂部分の
破砕状充填材の全組成物に対する割合よりも大きい必要
があり、外周部の割合は素子に接する部分の割合の1.
5倍以上であることが望ましく、特性をさらに向上させ
るためには2倍以上であることが好ましい。とくに5倍
以上では非常に良好な特性が得られる。また素子に接す
る樹脂部分の球状充填材の全組成物に対する割合は、パ
ッケージの外周部の樹脂部分の球状充填材の全組成物に
対する割合よりも大きい必要があり、素子に接する部分
の割合は外周部の割合の1.5倍以上であることが望ま
しく、特性をさらに向上させるためには2倍以上である
ことが好ましい。とくに5倍以上では非常に良好な特性
がえられる。
【0125】ハ)金型に接する封止用樹脂組成物に汎用
充填材の量を多く、素子に接する充填材として低α線充
填材の量を多くする。
【0126】半導体パッケージを封止する場合にメモリ
ー等の素子に汎用充填材を用いると、充填材中に含まれ
るウランやトリウムが放射するα線により、樹脂封止型
半導体装置が誤動作することがある。
【0127】しかしウランやトリウムを取り除いた低α
線充填材は、汎用充填材に比べて非常に高価であり、使
用量を少くすることが求めらにれている。しかし低α線
充填材が必要なのは素子の近傍だけであり、素子より離
れた部分に含まれる充填材は汎用充填材で十分である。
【0128】本発明にあっては、金型に接する封止用樹
脂組成物の充填材として汎用充填材の量を多く、素子に
接する充填材として低α線充填材の量を多くした封止用
樹脂シートを作成し、このシートを用いてパッケージを
成形することにより樹脂封止型半導体装置が誤動作させ
ず、しかもコストが低いパッケーシを得ることができ
る。
【0129】α線の到達距離を考えると、低α線充填材
を多くした樹脂層の厚さは50μm以上であることが好
ましい。
【0130】また素子に接する樹脂部分の低α線充填材
の全組成物に対する割合は、パッケージの外周部の樹脂
部分の低α線充填材の全組成物に対する割合よりも大き
い必要があり、素子に接する部分の割合は外周部の割合
の1.5倍以上であることが望ましく、特性をさらに向
上させるためには2倍以上であることが好ましい。とく
に5倍以上では非常に良好な特性が得られる。
【0131】ニ)金型に接する樹脂組成物に粒子径の大
きい充填材の量を多く、素子に接する樹脂組成物に粒子
径の小さい充填材の量を多くする。
【0132】一般に樹脂組成物の充填材として粒子径の
大きい充填材量を多くすると、樹脂強度の向上によりパ
ッケージクラックの低減、金型の隙間へのバリの発生等
を防ぐことができる。しかし樹脂シートを素子に圧着し
て押し付けたときに、粒子径の大きい充填材を用いると
ボンディングワイヤやインナーリードを変形させたり、
充填材の角が素子に突き刺さり、不良の発生が多くなる
という問題がある。一方、粒子径の小さい微細状充填材
を用いるとリードの変形や素子へのダメージは少いもの
の、バリの発生が多くなるという問題がある。
【0133】本発明にあっては、金型に接する樹脂組成
物に粒子径の大きい充填材の量を多く、素子に接する樹
脂組成物に粒子径の小さい充填材の量を多くした封止用
樹脂シートを作成し、このシートを用いてパッケージを
成形することにより強度が高く、バリの発生が少なく、
しかもリードの変形や素子へのダメージの少ないパッケ
ージを得ることができる。
【0134】金型側に接する粒子径の大きい充填材を多
くした樹脂層の厚さは、パッケージの強度を保ち、バリ
を防ぐために70μm以上であることが好ましく、素子
に接する粒子径の小さい充填材を多くした樹脂層の厚さ
は、リードやワイヤーの変形を防ぐために30μm以上
であることが好ましい。
【0135】パッケージ外周部の樹脂部分の粒子径の大
きい充填材の全組成物に対する割合は、素子に接する樹
脂部分の粒子径の大きい充填材の全組成物に対する割合
よりも大きい必要があり、外周部の割合は素子に接する
部分の割合の1.5倍以上であることが望ましく、特性
をさらに向上させるためには2倍以上であることが好ま
しい。とくに5倍以上では非常に良好な特性が得られ
る。また素子に接する樹脂部分の粒子径の大きい充填材
の全組成物に対する割合は、パッケージの外周部の樹脂
部分の粒子径の大きい充填材の全組成物に対する割合よ
りも大きい必要があり、素子に接する部分の割合は外周
部の割合の1.5倍以上であることが望ましく、特性を
さらに向上させるためには2倍以上であることが好まし
い。とくに5倍以上では非常に良好な特性がえられる。
【0136】粒子径の大きい充填材の平均粒子径と粒子
径の小さい充填材の平均粒子径の差は大きい方が良く、
1.5倍以上であることが望まれ、特性をさらにに向上
させるためには3倍以上であることが好ましく、5倍以
上では非常に良好な特性が得られる。
【0137】ホ)金型に接する樹脂組成物に繊維状充填
材の量を多く、素子に接する封止用樹脂組成物に繊維状
充填材の量を少なくする。
【0138】半導体パッケージを封止する場合に繊維状
充填材を用いることは強度を上げるために非常に有効で
あることが一般に知られていたが、トランスファ成形法
で成形するとゲートで繊維が引っ掛かったり、ボンディ
ングワイヤを押し流したりするという問題がある。ま
た、封止用樹脂シートを圧着する方法でも、繊維状充填
材を用いると樹脂粘度が増大するためにワイヤー変形を
起こすという問題がある。また、繊維状充填材の材質は
一般にガラス繊維であり、ガラス中に含まれるナトリウ
ム等が溶け出すと素子を腐食させ信頼性を低下させると
いう問題もある。
【0139】本発明にあっては、金型に接する樹脂組成
物に繊維状充填材の量を多く、素子に接する封止用組成
物に繊維状充填材の量を少なくし、一般の破砕状、球
状、亜球状の充填材を多くした封止用樹脂シートを作成
し、このシートを用いてパッケージを成形することによ
り強度が高く、しかもリードの変形や素子へのダメージ
の少ないパッケージを得ることができる。
【0140】金型側に接する繊維状充填材の多く含む樹
脂層の厚さは、30μm以上であることが好ましく、素
子側に接する繊維状充填材を少し含むもしくは含まない
樹脂層の厚さは30μm以上であることが好ましい。
【0141】ヘ)金型に接する樹脂組成物に非透湿性薄
片状充填材の量を多く、素子に接する封止用樹脂組成物
に汎用充填材の量を多くする。
【0142】半導体パッケージを封止する通常の充填材
を用いて耐湿性を確保するためには充填材の配合割合を
高くする必要があるが、非透湿性薄片状充填材を用いる
ことにより、薄型のパッケージであっても水分の透湿を
抑制することができる。また、素子に接する部分では、
一般に非透湿性薄片は不純物を含み、さらに形状からリ
ードの変形を起こす可能性が大きいことから、汎用充填
材(球状、亜球状、破砕状等)を用いることにより充填
性が良好になる。
【0143】本発明はこのような知見に基づきなされた
もので、金型に接する樹脂組成物に非透湿性薄片状充填
材の量を多く、素子に接する封止用樹脂組成物に汎用充
填材の量を多くした封止用樹脂シートを作成し、このシ
ートを用いてパッケージを成形することにより耐湿性が
高く素子の信頼性が高いパッケージを得ることができ
る。
【0144】金型側に接する非透湿性薄片状充填材を多
く含む樹脂層の厚さは、30μm以上であることが好ま
しく、素子側に接する非透湿性薄片状充填材を少し含む
もしくは含まない樹脂層の厚さは30μm以上であるこ
とが好ましい。
【0145】上述のイ)からヘ)の項目において使用す
ることのできる充填材の材質としては、石英ガラス、溶
融シリカ、結晶性シリカ、ガラス、タルク、アルミナ、
ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、マ
グネシア、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸化アルミ
ニウム、酸化マグネシウム、雲母、金属等があり、これ
らを破砕状、片球状、亜球状、薄片状に加工したものを
挙げることができる。
【0146】このうち、破砕状充填材、亜球状充填材、
球状充填材の材質として石英ガラスや結晶性シリカを用
いるのが最も好ましい。また繊維状充填材の材料として
ガラスを用いることが最も好ましい。
【0147】本発明で使用される充填材は、最大粒径が
半導体素子封止後の素子能動面側の樹脂厚さの90%以
下であるものが望ましい。樹脂厚さ以上の粒径のものを
用いると、半導体能動面に力がかかわり、配線を切断す
るおそれがある。また、素子裏面の樹脂シートについて
も、同様に最大粒径が封止後の樹脂厚さの90%以下で
あることが望ましい。
【0148】次に難燃性である。樹脂封止型半導体装置
の難燃性は必要不可欠な性能であり、種々の難燃剤が使
用されているが、一方それぞれ以下のような問題があ
る。
【0149】一般的に使用されている難燃剤として、封
止用樹脂組成物の一部に臭素化エポキシ樹脂等のハロゲ
ン含有樹脂を、充填材の一部に三酸化アンチモン等の重
金属の酸化物を使用する場合がある。また、三酸化アン
チモンはその表面が親水性であり、封止用樹脂組成物は
吸水率がより高くなる。このため、この樹脂組成物によ
って封止された半導体装置は、高温放置および吸湿によ
ってアンチモンが熱水溶解し、さらには、高温によるハ
ロゲンの遊離によって素子上のアルミニウム配線が腐食
劣化し、樹脂封止型半導体装置の長期的な信頼性が損な
われる。
【0150】難燃剤として各種のリン化合物があるが、
リン化合物は有害な物質であり、また樹脂組成物に吸湿
性を付与するために、前述と同様の問題がある。また難
燃剤として使用される金属酸化物水和物は、燃焼時に有
害な物質を発生しないが、含有する水分や、水酸化物イ
オンが発生するために、素子上のアルミニウム配線を腐
食劣化させ、信頼性を低下させる。このため、従来難燃
剤の量を増加して難燃性を向上させると一方で素子の信
頼性を低下させるという問題があった。
【0151】本発明では素子に接する封止用樹脂組成物
に含まれる難燃剤の濃度がその外側を形成する封止用樹
脂組成物に含まれる難燃剤の濃度より低いか、または難
燃剤が含まれていないことを特徴とする。
【0152】このような樹脂シートを用いて成形したパ
ッケージは、内側の素子に接する部分に含まれる難燃剤
の量が少ない。したがって素子を腐食することがないの
で信頼性は向上する。また、パッケージの外周部は難燃
剤を多く含むために難燃性は従来のパッケージと同等の
値が得られる。さらに、全体としての難燃剤の量も少な
くなるために、燃焼時に発生する有害なガスの量も低減
し、環境に対しても良い効果が得られる。
【0153】難燃剤を多く含む層の厚さは樹脂厚の5〜
90%であることが好ましく、とくに難燃性を必要とす
るパッケージでは50〜90%であることが好ましい。
またとくに信頼性を向上するためには5〜50%である
ことが好ましい。これは、難燃性を上げるために樹脂シ
ートの難燃剤を含む層の割合を多くすることが必要であ
るが、パッケージの信頼性や発生する有害ガスの量を減
らすためには、難燃剤を含む層の割合を少なくすること
が必要となるからである。
【0154】難燃剤の量は、素子に接する部分よりも金
型に接する部分を増やすことが望まれる。金型に接する
部分の難燃剤は、種類によって配合する割合が異なり、
例えば無機系難燃剤の三酸化アンチモンでは1〜10重
量%の範囲が好ましい。金属水酸化物は充填材と同様に
扱えるため、充填材の代わりに10〜80重量%使用す
ることが好ましい。ハロゲン系難燃剤は0.5〜50重
量%使用することが望ましく、とくに臭素化エポキシ樹
脂では1〜30重量%使用することが好ましい。
【0155】パッケージ外周部の樹脂部分の難燃剤の全
組成物に対する割合は、素子に接する樹脂部分の難燃剤
の全組成物に対する割合よりも大きい必要があり、外周
部の割合は素子に接する部分の割合の1.5倍以上であ
ることが望ましく、とくに信頼性と難燃性の向上を得る
ためには2倍以上であることが好ましい。
【0156】上述したような封止樹脂シートを用いるこ
とにより、パッケージ外周部の樹脂の難燃剤含有割合が
高いために難燃性が十分に保たれる。また、素子に接す
る部分の難燃剤含有割合が低いために信頼性は向上し、
さらに難燃剤使用量が少なくなるために環境に対して悪
影響を及ぼすことが少なくなる。このように本発明によ
れば、長期にわたって良好な信頼性を有する樹脂封止型
半導体装置を得ることができる。
【0157】一方、樹脂封止型半導体装置製造の生産性
を上げるために封止用樹脂に含まれる硬化促進剤量を増
やす場合がある。しかし、この硬化促進剤は一般的に低
分子量であるため、その量が増えると封止用樹脂組成物
中で不純物となり素子を腐食させるなどの作用をする。
その結果、硬化促進剤の量が増えるとともに樹脂封止型
半導体装置の信頼性が低下するという問題がある。
【0158】そこで、本発明は素子に接する封止用樹脂
組成物に含まれる硬化促進剤の濃度が、その外側を形成
する封止用樹脂組成物に含まれる硬化促進剤の濃度より
低くする。
【0159】金型に接する部分の樹脂層には硬化促進剤
の量が多いため短時間に硬化し、直ぐに型を開けること
ができる。しかも、素子に接する部分の樹脂層には硬化
促進剤の量が少ないために、未反応物として残存硬化促
進剤が少なく素子を腐食することがないので樹脂封止型
半導体装置の信頼性が向上する。
【0160】金型に接する硬化促進剤を多く含む層の厚
さは、30μm以上が望ましく、素子に接し、硬化促進
剤の量が少ない層の厚さは、30μm以上であることが
望ましい。
【0161】硬化促進剤の濃度は、封止用有機樹脂成分
に対する割合(重量%)で表して、金型に接する部分を
p重量%、素子に接する部分をq重量%とすると、0.
006<P<10、0.005<q<9の範囲であり、
かつp>1.1qであることが好ましい。さらに、pと
qとの差が大きいp>1.5qであることが樹脂封止型
半導体装置の生産性を高め、かつ信頼性を上げるために
好ましく、とくにp>2.0qであることが好ましい。
【0162】硬化促進剤の量は、封止用有機樹脂成分に
対する割合で表して0.005〜10重量%の範囲が好
ましい。これは0.005重量%未満では硬化促進が十
分でなく、一方10重量%をこえるとエポキシ樹脂の網
目の隙間に浮遊する未反応の硬化促進剤が素子の金属を
腐食させたり耐湿性を下げるために、樹脂封止型半導体
装置の信頼性を低下させるからである。信頼性を低下さ
せないために、好ましい範囲は0.1〜9重量%、とく
に好ましい範囲は0.2〜8重量%である。なお、トリ
フェニルホスフィン(TPP)は0.3〜9重量%、ヘ
プタデシルイミダゾールは0.2〜7重量%の範囲で配
合することが好ましい。
【0163】一方、現在適用されている実装方法が樹脂
封止型半導体装置の信頼性に影響を与える場合がある。
すなわち、近年、樹脂封止型半導体装置の実装を効率的
に行うために赤外線を用いて一括して半田を溶融して樹
脂封止型半導体装置と基板とを接続するIRリフロー法
が行われている。この方法では、半田部分以外のパッケ
ージの樹脂面にも赤外線が照射されるので、赤外線を吸
収して加熱された封止用樹脂組成物中の水分が急激に熱
膨張し樹脂クラックが発生するという問題がある。とく
に光による誤動作を防ぐために封止用樹脂組成物には遮
光性のある黒色着色剤の使用が不可欠であるが、この黒
色着色剤は赤外線をとくに吸収しやすい性質がある。こ
のため、光による誤動作を防ぐ黒色パッケージでは樹脂
クラックが発生しやすくなり、樹脂封止型半導体装置の
信頼性が低下するという問題がある。
【0164】さらに、樹脂封止型半導体装置を識別する
ために、従来は熱硬化性インクでパッケージ樹脂表面に
社名、品名、ロット番号等の捺印を行っていた。しか
し、この方法は工程が複雑であるのに加えて、捺印文字
がこすれて見えにくくなる等の問題があった。このた
め、レーザービームのエネルギーにより半導体パッケー
ジの樹脂の表面層を数μm〜10数μmの深さに破壊し
て表面を粗面化し、この破壊部と非破壊部の表面性の対
比によってマーキングとして視覚的に認識させるマーキ
ング方式が実用化されている。しかし、黒色着色剤を使
用した黒色パッケージのみではこの破壊部と非破壊部の
表面性の対比が必ずしも良好でなく、従って、マーキン
グが鮮明に見えないという問題がある。
【0165】このような特性に影響を与えるのが着色剤
である。
【0166】本発明においては黒色着色剤の量は、金型
に接する部分よりも素子に接する部分を増やすことが望
ましく、半導体素子に接する層の黒色着色剤の全組成物
に対する割合をm(重量%)、金型に接する層の全組成
物に対する黒色着色剤の割合をn(重量%)としたと
き、0.006<m<10、0<n<9、m>1.1n
の範囲であることが望ましい。さらに金型に接する部分
と素子に接する部分の黒色着色剤の量の差が大きい方が
よく、m>1.5nであることが好ましく、とくに0.
1<m<1、0<n<0.5、m>2nであることが好
ましい。
【0167】素子に接する面側の黒色着色剤を多くし、
金型に接する面側の着色剤は黒以外の色もしくは着色剤
を含有しないことが好ましい。このようなシートを用い
て成形したパッケージは、内側の素子に接する部分に黒
色着色剤が多く含まれる。したがって遮光性は十分とな
る。しかもパッケージの外観は黒色以外の色になり、カ
ラー化によるパッケージの識別が容易になる。さらにI
Rリフロー特性を向上させるためにはこの外側の色を反
射率の高い色にすることが好ましく、とくに白色もしく
は黄色等の白色に近い色、また、色が着いていても薄い
色が好ましい。
【0168】レーザーマーキング特性を向上させるため
には、金型に接する部分の樹脂とその下数μmの部分の
樹脂の色が異なる必要がある。金型に接する部分の樹脂
の色とその下数μmの色はとくに指定はないが、なるべ
く明度、色差が大きいものの組み合わせがよい。また遮
光性を上げるために樹脂シートの一部に黒色着色剤が多
い部分を設けることが好ましい。金型に接する層の厚さ
は1〜200μmであることが求められ、薄型のパッケ
ージでは1〜20μmが好ましい。とくにレーザーマー
キングに適するためには1〜5μm程度であることが好
ましい。
【0169】また、レーザーによるマーキングの破壊部
と非破壊部との表面性状の対比が鮮明となる着色剤とし
て黒色有機染料を使用することが好ましい。この黒色有
機染料は前重量物基準で0.1〜1.0重量%のときに
マーキング特性が著しく鮮明となる。しかし、この染料
は素子の信頼性を低下させる場合があり、素子に接する
層に含まれることは好ましくない。そのためパッケージ
の外周部の樹脂に用い、素子に接する層にはカーボンブ
ラック等の無機顔料を含有することが好ましい。
【0170】着色剤の分布を変えることにより、EPR
OM(erasable program read
only memory)の封止に応用できる。EPR
OMパッケージには半導体素子に書き込まれた情報を消
すためにUVなどの光を透過させる窓が必要である。一
般に二段モールド法により窓の部分と他の部分を別々に
樹脂封止している。しかしこの方法は大変に複雑であ
る。この方法では樹脂シートを用いることにより窓の部
分と他の部分を同時に封止することができる。それゆ
え、EPROMの封止が非常に容易にできる。この方法
は窓などを持つ他の半導体パッケージにも応用できる。
【0171】本発明において用いられる着色剤は樹脂に
色を発色させるものであればいかなるものであってもよ
く、光を遮光するものとしては黒色の顔料の着色剤が好
ましく、とくにカーボンブラックが好ましい。また様々
な色の着色剤として無機顔料、有機顔料、染料等が使用
できる。無機顔料は一般に色が鮮明でないが、耐光、耐
熱、耐溶剤性に優れ、隠薮力が大きい。好ましい無機顔
料は、白色顔料として、ZnO、TiO2 、2PbCO
3 ・Pb(OH)2 、ZnS+BaSO4 等を、黄色顔
料として、PbCrO4 、CdS+ZnO、K3 [Co
(NO2 6 ]等を、橙色顔料としてはPbCrO4
PbSO4 +PbMoO4 等を、赤色顔料として、Cd
S+CdSe、Fe2 3 、Pb3 4 等を、青色顔料
として、KFe[Fe(CN)6 ]、NaFe[Fe
(CN)6 ]、NH4 Fe[Fe(CN)6 ]等を、緑
色顔料として、CoO+ZnO、Cr2 3 等を、黒色
顔料としてFe3 4 等を例示することができる。この
他、体質顔料として炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水
酸化アルミニウム、バライト粉、アルミニウム粉、ブロ
ンズ粉があり、これらの顔料を単独で用いても複数の顔
料を組み合わせて用いてもよい。また好ましい有機顔料
や染料としては、赤色や橙色顔料として、アゾ系、アン
トラキノン系、キナクリドン類があり、紫色顔料や染料
として、トリフェニルメタン系レーキ、オキサジン染
料、アントラキノン塗料があり、青色顔料や染料とし
て、フタロシアニン顔料、インダントロン染料、アント
ラキノン染料、トリフェニルメタン系レーキがあり、緑
色顔料としてはフタロシアニン系、アントラキノン系が
あり、黒色染料として、アニリンの酸化縮合物であるダ
イヤモンドブラックがあり、これらの顔料や染料を単独
で用いても複数組み合わせて用いてもよい。
【0172】本発明で用いられる黒色有機染料としてと
くにアゾ系を含む金属染料が好ましい。アゾ系の染料と
してはモノアゾ系の染料が好適である。モノアゾ系の染
料中に含まれる金属成分としては、銅、カリウム、ナト
リウム、クロム、コバルト等を挙げることができるが、
とくに銅、クロムが好適である。また、金属含有率は
0.01〜20重量%が好ましい。さらに染料の融点は
100℃以上であり、分解温度は200℃であることが
好ましい。
【0173】このような着色剤は、それぞれの色の発色
性が異なるため、その添加量は変化するが、全組成物に
対して0.005〜10重量%の範囲で加えることが好
ましい。これは0.005重量%未満では着色が十分で
なく、一方、10重量%を越えるとエポキシ樹脂の網目
の隙間に浮遊する着色剤が素子の金属を腐蝕させたり耐
湿性を下げるために信頼性を低減するからである。した
がって、さらに好ましくは着色剤は有機樹脂成分に対し
て0.05〜5%範囲であることが好ましく、とくに
0.1〜2%の範囲であることが好ましい。
【0174】本発明において樹脂封止型半導体装置をマ
ーキングするときに用いられるレーザーとしては、炭酸
ガスレーザー、YAGレーザー、半導体レーザー等を挙
げることができる。照射されるレーザーの強さはエネル
ギー密度で0.05〜2ジュール・cm2 であり、0.
1〜1ジュール・cm2 であることが好まれ、とくに
0.2〜0.5ジュール・cm2 であることが好まし
い。
【0175】上述したような封止用樹脂シートを用いる
ことにより、金型に接する部分の樹脂の光の反射率が高
いためにIRリフロー時にパッケージの温度上昇が抑え
られ、リフロー後の耐湿信頼性の向上が得られ、さらに
表面層とその下の層の色差によりレーザーマーキング特
性が向上する。このように本発明によれば、長期にわた
って良好な信頼性を有する樹脂封止型半導体装置を得る
ことができる。
【0176】また、図7(a)に示すTAB(Tape
Automated Bonding)型のパッケー
ジや図7(b)に示すLOC(Lead on Chi
p)型素子の両面を封止するパッケージを成形する場
合、パッケージの構造上、素子能動面側の樹脂厚さt1
と裏面側の樹脂厚さt2 とが異なる場合がある。その場
合、従来法すなわち均一樹脂を用いる場合であるとパッ
ケージの薄型化に伴い樹脂厚さの違いに由来する素子に
かかる応力の差で、パッケージに反りが発生し、実装を
困難にしたり素子割れやパッシベーションクラック、配
線の切断等が発生し、樹脂封止型半導体装置の信頼性が
低下するという問題が生じる。
【0177】このようにTAB型やLOC型素子の両面
封止型のパッケージでは素子上下の厚さの違いにより反
りが発生しやすい。反り量と樹脂封止型半導体装置の特
性との関係を調べたところ、反り量が6%を越えると耐
熱衝撃性や耐湿性が大きく低下することが認められた。
なお、本発明において、反り量(%)は成形直後の樹脂
封止型半導体装置を水平な平面上に静置したときパッケ
ージ厚さをLとし、水平な面より測定してパッケージの
最大高さをL′としたとき、{(L′−L)/L}×1
00で示される量をいう。この関係を図8に示す。図8
において、16は水平な平面を17は樹脂封止型半導体
装置を示す。
【0178】本発明においては、熱膨張係数および弾性
率が異なる複数種の樹脂組成物を封止し、反り量を6%
以内に抑えるものである。さらに具体的には、樹脂封止
型半導体装置において、半導体チップや半導体モジュー
ルなどの素子の一面を封止する封止用樹脂組成物の熱膨
張係数をa(1/K)、弾性率をb(Pa)、樹脂厚さ
をc(mm)とし、他の一面を封止する封止用樹脂組成
物の熱膨張係数をd(1/K)、弾性率をe(Pa)、
樹脂厚さをf(mm)とするとき、0.8<(abc/
def)<1.2の範囲にある特性を有する封止用樹脂
組成物で封止することにより、反りの少ない樹脂封止型
半導体装置を得ることができる。ここで、封止用樹脂組
成物の熱膨張係数、弾性率、樹脂厚さはそれぞれ成形に
より硬化した後の値をいう。
【0179】本発明は、成形後の上下の樹脂厚さの比が
1.1倍以上、つまりc>1.1fである樹脂封止型半
導体装置に対してとくに有効であり、さらには反りの影
響が大きく出易い上下厚さの比が1.2倍以上、つまり
c>1.2fである樹脂封止型半導体装置においては反
りを抑える効果が高い。
【0180】本発明における成形後の樹脂厚さ、熱膨張
係数および弾性率の関係は、理想的にはabc=def
であることが望まれるが、0.8<(abc/def)
<1.2の範囲において非常に有効であり、とくに0.
9<(abc/def)<1.1であることが望まれ
る。
【0181】本発明樹脂封止型半導体装置によれば、上
述したような構成とすることにより、パッケージの成形
が容易で反りが抑えられ、素子割れやパッシベーション
クラック、配線の切断等の問題が生じない樹脂封止型半
導体装置ができる。そのような樹脂封止型半導体装置に
係わる封止用樹脂組成物としては、前述の樹脂および配
合剤の種類を適宜組み合わせて使用することができる。
【0182】前述の如く配合剤の種類、濃度を変えるこ
とで諸特性を両立できるが、その量を上述の式を満足す
る範囲で調整することが好ましい。
【0183】なお本発明においては封止樹脂組成物中に
他の添加物を配合してもよい。
【0184】上述の無機充填材に加えて、半導体封止樹
脂の応力を低下させるためにゴム、エラストマー、シリ
コーンゲル等の低応力添加剤を添加することが好まし
い。低応力添加剤は、最大粒子径が素子封止後の素子能
動面側の樹脂厚さの90%以下であるものが望ましい。
樹脂厚さ以上の粒子径のものを用いると、半導体素子能
動面に力がかかり、配線を切断する恐れがある。また、
素子裏面についても、同様に最大粒子径が封止後の樹脂
厚の90%以下であることが望ましい。
【0185】また、本発明では、上述の未硬化樹脂組成
物を各種の織布類で強化することもできる。織布の材質
の代表例を列挙すると無機系ではガラス、石英、炭素繊
維、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、アル
ミナ、ジルコニア、チタン酸カリウム繊維等があり、有
機系ではナイロン系、アクリル系、ビニロン系、ポリ塩
化ビニル系、ポリエステル系、アラミド系、フェノール
系、レーヨン系、アセテート系、綿、麻、絹、羊毛等が
ある。これらを単独で用いても組み合わせて用いてもよ
い。
【0186】ガラス織布等の織布で強化したプリプレグ
を使用する封止用樹脂シートについて述べると、樹脂、
硬化剤、触媒、充填材、その他の材料をアセトン等の溶
剤に溶解して適当な濃度の溶液を調整し、この溶液を織
布に塗布するか、溶液中に織布を含浸させ、放置、加
熱、または減圧下において、溶媒を揮発させることによ
りプリプレグを作製することができる。
【0187】さらに、本発明では、未硬化樹脂組成物と
金属材料または高熱伝導性セラミックス材料とが積層さ
れてなる封止用樹脂シートを用いることもできる。これ
らの材料は厚さ1000μm以下の金属箔あるいは高熱
伝導性セラミックス板が好ましい。また、金属材料また
は高熱伝導性セラミックス材料からなる放熱板として加
工済みのものを積層してなる封止用樹脂を用いると樹脂
封止型半導体装置の熱放散性がさらに良好となる。この
場合、封止用樹脂の未硬化樹脂側と素子の能動面側とが
対向するように封止用樹脂が配置される。金属材の材質
としては熱伝導性の高いものが好ましい。金属の一例と
しては、例えば鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、クロ
ム、亜鉛、スズ、銀、金、鉛、マグネシウム、チタン、
ジルコニア、タングステン、モリブデン、コバルト、ス
テンレス、42ニッケル−鉄合金、真鍮、ジュラルミン
等これらの金属の合金が挙げられる。
【0188】また、高熱伝導性セラミックスとしてはア
ルミナ、窒化アルミ、窒化ケイ素、窒化ホウ素、マグネ
シア、結晶性シリカ等が挙げられる。ただし、パッケー
ジの薄型化を指向する場合は、とくに薄型に加工でき、
かつ軽量の材料を用いることが望ましい。
【0189】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。 参考例1 本発明の第1の樹脂封止型半導体装置に係わる実施例に
ついて説明する。
【0190】実施例1から実施例10および比較例1か
ら比較例4に使用する封止用樹脂シートを以下の方法で
作製した。
【0191】まず、封止用樹脂組成物1から6を作製す
るための原料を以下に示す。
【0192】第1のエポキシ樹脂:YX−4000H
(4,4′−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−
3,3′−5,5′−テトラメチルビフェニル、油化シ
ェルエポキシ社製、エポキシ当量193、融点100
℃) 第2のエポキシ樹脂:エピコート1001(ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、油化シェルエポキシ社製、エポ
キシ当量480、軟化点68℃) 第3のエポキシ樹脂:エピコート807(ビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂、油化シェルエポキシ社製、エポキ
シ当量170、粘度30Ps) 第4のエポキシ樹脂:ESX−221(住友化学社製、
エポキシ当量220、軟化点85℃) 第5のエポキシ樹脂:ESCN−195XL(オルソク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂、住友化学社製、エ
ポキシ当量197) 第1のフェノール樹脂:BRL−556(昭和高分子社
製、フェノールノボラック樹脂、水酸基当量104) 第2のフェノール樹脂:XL−225L(三井東圧化学
社製、フェノールアラルキル樹脂、軟化点84℃、水酸
基当量180) シランカップリング剤:A−187(UCC社製) カーボンブラック:CB−30(三菱化成社製) 硬化促進剤:C17Z(四国化成社製、ヘプタデシルイ
ミダゾール) シリコーンゲル:加熱硬化タイプ付加型シリコーンゲル MBS樹脂:平均粒径30μm 離型剤:カルナバワックス 難燃助剤:三酸化アンチモン 充填材(A):溶融シリカ粒子(球状) :平均粒径8μm (B):溶融シリカ粒子(破砕状) :平均粒径7μm (C):アルミナ粒子(鋭角なし) :平均粒径20μm (D):アルミナ粒子(球状) :平均粒径0.5μm (E):窒化ケイ素粒子(破砕状) :平均粒径3μm (F):窒化アルミ粒子(鋭角なし):平均粒径20μm、表面耐水処理 (G):窒化ホウ素粒子(六角板状):平均粒径0.8μm。
【0193】上述の原料を使用して封止用樹脂組成物1
から6を表1に示す配合割合(重量部)で以下の方法で
調整した。なお、密度より算出した充填材料の体積%を
表1中に示す。
【0194】最初に万能混合機中でフェノール樹脂を軟
化点以上の温度で加熱溶融し、シリコーンゲルおよびM
BS樹脂粉末を添加した後、攪拌・混合し、さらに3本
ロールにて混練し、MBS樹脂粉末を均一に分散させ、
かつその最大粒子径を小さくした予混品を作製した。次
にヘンシェルミキサー中で充填材をシランカップリング
剤で処理し、次いでこの中に前述の予混品とエポキシ樹
脂などの他の成分を配合して混合した。得られた混合物
を60〜110℃の2本ロールで混練し、封止用樹脂組
成物を得た。
【0195】得られた封止用樹脂組成物について以下の
評価試験を行った。 (1)高化式フローテスターを用い、175℃における
溶融粘度を測定して流動性を評価した。 (2)175℃、3分の条件でトランスファー成形によ
り試験片を作成し、180℃で8時間アフターキュアし
た。これらの試験片について、熱膨張係数、曲げ弾性
率、曲げ強度、熱伝導率を測定した。測定結果を表1に
示す。封止用樹脂組成物1、3および5が熱伝導性に優
れた樹脂組成物であり、封止用樹脂組成物2、4および
6が成形性に優れた樹脂組成物である。
【0196】
【表1】 実施例1から実施例10 上述の封止用樹脂組成物を用いて封止用樹脂シートを作
製した。まず封止用樹脂組成物をプレスを用いて所定の
厚さに圧延して1枚の樹脂シートを得る。つぎに、この
樹脂シートを2枚重ね合わせてプレスで加熱圧着し所定
の厚さに圧延し、1枚の封止用樹脂シートにする。つぎ
に加熱した封止用樹脂シートに冷えた刃を押し当てて所
定の大きさに切断した。各実施例に使用した封止用樹脂
厚さおよび組み合わせを表2に示す。
【0197】
【表2】 つぎに、この封止用樹脂シートを用いて図6(a)〜
(j)に示す構造の半導体パッケージを作製した。実施
例1から実施例4および実施例9はフィルムキャリアを
用いバンプで接続するTAB方式(チップサイズ5mm
×15mm×200μm,パッケージサイズ8mm×1
8mm×500μm)、実施例5から実施例8および実
施例10はリードフレームを用いリード線で接続するワ
イヤボンディング方式(チップサイズ15mm×15m
m×450μm,パッケージサイズ25mm×25mm
×3000μm)である。金型は図2に示す方式の金型
を使用した。
【0198】成形性および得られた樹脂封止型半導体装
置について以下の評価試験を行った。 (1)成形性はボイドの有無および離型性を目視で判断
した。
【0199】表中、「優」はボイド、離型性ともに何の
問題もないレベル、「良」は1〜5%のボイド率(0.
2mm以上のボイドが認められるパッケージの割合)で
離型性には問題ないレベル、「可」は5〜20%のボイ
ド率で、離型時に表面に流動痕が認められるが成形体と
して形を成しているレベルを示す。また成形「不可」は
成形体ができないことを示す。 (2)熱放散性を調べるために、樹脂封止型半導体装置
を動作させチップ上面の定常温度を測定した。なお、各
実施例における半導体デバイスの発熱量は1Wである。 (3)耐熱衝撃性を調べるために以下の冷熱サイクル試
験(TCT試験)を行った。すなわち、作製したパッケ
ージを−65℃〜室温〜150℃各30分、5分、30
分を1サイクルとする冷熱サイクルを100〜1000
サイクル繰り返し、デバイスの動作特性チェックにより
不良発生率を調べた。 (4)耐湿信頼性を調べるために以下のプレッシャーク
ッカー試験(PCT)を行った。すなわち、作製したパ
ッケージを、127℃、2.5気圧の飽和水蒸気圧のプ
レッシャークッカー内に100〜1000時間放置した
後、不良(リーク不良、オープン不良)発生率を調べ
た。 (5)耐半田浸漬性を調べるために以下の実験を行っ
た。すなわち、作製したパッケージを85℃、相対湿度
85%の雰囲気中に72時間放置して吸湿処理を行った
後、これを240℃の半田浴に30秒間浸漬した。この
時点でパッケージのクラック発生率を調べた。さらに、
この半田浸漬パッケージをプレッシャークッカー内で1
27℃、2.5気圧の飽和水蒸気雰囲気中に100〜1
000時間放置した後、不良発生率を調べた。なお、耐
熱衝撃性、耐湿信頼性および耐半田浸漬性は供試試料2
0個の中に対する不良個数で表した。評価試験結果を表
3に示す。
【0200】
【表3】 比較例1および比較例2 1種類の封止用樹脂組成物を用いて実施例1と同一の樹
脂封止型半導体装置をトランスファー成形法で作製し
た。使用した封止用樹脂組成物および成形条件を表4
(1)に示す。
【0201】成形性および得られた樹脂封止型半導体装
置について実施例1と同一の評価試験を行った。評価試
験結果を表4(2)に示す。 比較例3 1種類の封止用樹脂組成物を用いて封止用樹脂シートを
作製し、この封止用樹脂シートを用いて実施例5と同一
の樹脂封止型半導体装置を実施例5と同一の方法で作製
した。使用した封止用樹脂組成物および成形条件を表4
(1)に示す。
【0202】成形性および得られた樹脂封止型半導体装
置について実施例1と同一の評価試験を行った。評価試
験結果を表4(2)に示す。 比較例4 1種類の封止用樹脂組成物を用いて実施例5と同一の樹
脂封止型半導体装置をトランスファー成形法で作製し
た。使用した封止用樹脂組成物および成形条件を表4
(1)に示す。
【0203】成形性および得られた樹脂封止型半導体装
置について実施例5と同一の評価試験を行った。評価試
験結果を表4(2)に示す。
【0204】
【表4】 表3に示す実施例1から実施例10の樹脂封止型半導体
装置は、表4(2)に示す比較例1から比較例4の樹脂
封止型半導体装置に比べ熱放散性に極めて優れており、
また冷熱サイクル試験、プレッシャークッカー試験にお
いて優れた信頼性を示す。
【0205】とくに半田浸漬後のクラック発生率、プレ
ッシャークッカー試験において各実施例は各比較例に比
べてとくに優れた信頼性を示した。
【0206】本発明の第1の樹脂封止型半導体装置は、
少くとも半導体素子の一面が熱伝導率の異なる複数種の
封止用樹脂組成物で封止されているので、半導体素子と
封止樹脂の密着性がよく、熱伝導性が極めて良好なパッ
ケージが得られる。 参考例2 本発明の第2の樹脂封止型半導体装置に係わる実施例に
ついて説明する。
【0207】実施例11から実施例16および比較例5
から比較例10に使用する封止用樹脂シートを以下の方
法で作製した。
【0208】まず、封止用樹脂組成物7から14を作製
するための原料を以下に示す。
【0209】第1のエポキシ樹脂:YX−4000H
(4,4′−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−
3,3′−5,5′−テトラメチルビフェニル、油化シ
ェルエポキシ社製、エポキシ当量193、融点100
℃) 第2のエポキシ樹脂:ESX−221(住友化学社製、
エポキシ当量220、軟化点85℃) 第3のエポキシ樹脂:ESCN−195XL(オルソク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂、住友化学社製、エ
ポキシ当量197) 第1のフェノール樹脂:BRG−556(昭和高分子社
製、フェノールノボラック樹脂、水酸基当量104) 第2のフェノール樹脂:XL−225L(三井東圧化学
社製、フェノールアラルキル樹脂、軟化点84℃、水酸
基当量180) シランカップリング剤:A−187(UCC社製) カーボンブラック:CB−30(三菱化成社製) 硬化促進剤:C17Z(四国化成社製、ヘプタデシルイ
ミダゾール) シリコーンゲル:加熱硬化タイプ付加型シリコーンゲル MBS樹脂:平均粒径30μm 離型剤:エステルワックス 難燃助剤:三酸化アンチモン 充填材(A):溶融シリカ粒子:GR−80AK(最大
粒子径100μm以上) (B):溶融シリカ粒子:PK451(最大粒子径40
μm以下)。
【0210】上述の原料を表5に示す配合割合(重量
部)で、参考例1の方法で調整して封止用樹脂組成物7
から14を得た。
【0211】得られた封止用樹脂組成物について175
℃、3分の条件でトランスファー成形により試験片を作
成し、180℃で8時間アフターキュアした。これらの
試験片について、熱膨張係数、弾性率を測定した。測定
結果を表5に示す。
【0212】
【表5】 実施例11から実施例16および比較例5から比較例1
0 上述の封止用樹脂組成物を用いて封止用樹脂シートを作
製した。まず封止用樹脂組成物をロールにかけて、厚さ
50〜400μmの未硬化樹脂シートを作成し、5×1
5mmおよび7×17mmにカットした。つぎに5×1
5mmの大きさの樹脂シートを半導体チップの能動面側
に、7×17mmの大きさの樹脂シートを半導体チップ
の裏面側に仮止めを行った。その後、これらの樹脂シー
トを表6のような組み合わせで用いて半導体チップ(チ
ップサイズ5mm×15mm×200μm)の封止を行
い、実施例11〜16、比較例5〜10を得た。成形温
度は180℃、成形時間は1分間であり、成形後175
℃で8時間アフターキュアを行った。パッケージサイズ
は8mm×18mm×380〜450μmである。
【0213】
【表6】 得られた樹脂封止型半導体装置について以下の評価試験
を行った。 (1)耐熱衝撃性を調べるための冷熱サイクル試験(T
CT試験)および耐湿信頼性を調べるためのプレッシャ
ークッカー試験(PCT)を実施例1と同一の方法で行
った。なお、冷熱サイクル試験においては50〜500
サイクル繰り返し試験を行った。 (2)成形直後の反り量(%)を測定した。
【0214】評価試験結果を表7に示す。
【0215】
【表7】 反り量は、実施例11〜16では1.67〜5.22%
であったのに対して、比較例5〜10では、15.22
〜32.61%と非常に大きな値を示した。耐熱衝撃性
試験では、温度変化によって反り量が変化するために、
反りが大きい比較例5〜10では、素子に繰り返し力が
かかり、パッシベーションクラックが発生したり、とく
に反りが60μmを越える比較例9および10では、素
子割れが発生した。また、耐湿性試験では、反り量が大
きい比較例5〜10では、樹脂と素子の間の剥離が発生
し、その隙間を通して水分がパッケージ中に浸入するこ
とにより信頼性が低下した。
【0216】本発明の第2の樹脂封止型半導体装置は、
少くとも素子の一面が熱膨張係数および弾性率がそれぞ
れ異なる封止用樹脂組成物からなり、かつ樹脂封止型半
導体装置の反り量が6%以内であるので、パッケージに
反りが発生せず、素子割れやパッシベーションクラッ
ク、配線の切断等が発生しない。その結果、樹脂封止型
半導体装置の大型化、超薄型化に十分に対応することが
できる。 参考例3 以下、参考例3、4、5および6は本発明の第3の樹脂
封止型半導体装置に係わる実施例について説明する。
【0217】実施例17から実施例22および比較例1
1から比較例16に使用する封止用樹脂シートを以下の
方法で作製した。
【0218】まず、封止用樹脂組成物15から22を作
製するための原料を以下に示す。
【0219】第1のエポキシ樹脂:YX−4000H
(4,4′−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−
3,3′−5,5′−テトラメチルビフェニル、油化シ
ェルエポキシ社製、エポキシ当量193、融点100
℃) 第2のエポキシ樹脂:ESX−221(住友化学社製、
エポキシ当量220、軟化点85℃) 第3のエポキシ樹脂:ESCN−195XL(オルソク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂、住友化学社製、エ
ポキシ当量197) 第1のフェノール樹脂:BRL−556(昭和高分子
製、フェノールノボラック樹脂、水酸基当量104) 第2のフェノール樹脂:XL−225L(三井東圧化学
社製、フェノールアラルキル樹脂、軟化点84℃、水酸
基当量180) シランカップリング剤:A−187(UCC社製) カーボンブラック:CB−30(三菱化成社製) 第1の硬化促進剤:トリフェニルホスフィン 第2の硬化促進剤:C17Z(四国化成社製、ヘプタデ
シルイミダゾール) シリコーンゲル:加熱硬化タイプ付加型シリコーンゲル MBS樹脂:平均粒径30μm 離型剤:エステルワックス 難燃助剤:三酸化アンチモン 充填材:溶融シリカ粒子:GR−80AK(最大粒子径
100μm以上)。
【0220】上述の原料を表8に示す配合割合(重量
部)で、参考例1の方法で調整して封止用樹脂組成物1
5から22を得た。
【0221】得られた封止用樹脂組成物について180
℃の熱板上でのゲル化試験法によりゲル化時間を測定し
た。測定結果を表8に示す。
【0222】
【表8】 実施例17から実施例22および比較例11から比較例
16 上述の封止用樹脂組成物を用いて封止用樹脂シートを作
製した。まず封止用樹脂組成物をプレスを用いて所定の
厚さに圧延して1枚の樹脂シートを得る。つぎに、この
樹脂シートを表9に示す組み合わせで2枚重ね合わせて
プレスで加熱圧着し200μmの厚さに圧延し、1枚の
封止用樹脂シートにする。つぎに加熱した封止用樹脂シ
ートに冷えた刃を押し当てて5×15mmおよび7×1
7mmの大きさに切断した。
【0223】つぎにTAB半導体チップ(チップサイズ
5mm×15mm×200μm)の上下に封止用樹脂シ
ートを配置して175℃、1分間プレス金型で加熱圧着
してパッケージを成形して180℃で8時間アフターキ
ュアを行った。作製したパッケージの大きさは8×18
mm、厚さは500μmである。
【0224】封止後の素子の上下の樹脂厚さはそれぞれ
150μmであり、さらに各樹脂層の厚さの比は、成形
前と同じであった。
【0225】
【表9】 実施例17〜22において、金型側の硬化促進剤が素子
側よりも多い。一方比較例11〜15においては硬化促
進剤の量は樹脂シート中で均一であり、比較例16にお
いては素子側が金型側よりも多い。
【0226】得られた樹脂封止型半導体装置について以
下の評価試験を行った。 (1)耐熱衝撃性を調べるための冷熱サイクル試験(T
CT試験)、耐湿信頼性を調べるためのプレッシャーク
ッカー試験(PCT)および耐半田浸漬性試験を実施例
1と同一の方法で行った。なお、冷熱サイクル試験にお
いては50〜500サイクル繰り返し試験を行った。 (2)成形直後の外観を目視で判断した。成形直後の樹
脂封止型半導体装置の外観にボイドや未充填部分が見ら
れるものを不良品とみなし、供試試料20個の中に対す
る個数で表した。
【0227】評価試験結果を表10に示す。
【0228】
【表10】 比較例11〜16に比較して、実施例17〜22の樹脂
封止型半導体装置は耐熱衝撃性試験および耐湿性試験に
優れており、とくに半田浸漬後のクラック発生率が小さ
く比較例の樹脂封止型半導体装置よりも信頼性が向上し
ている。また、成形直後の外観においても優れていた。
【0229】本発明の第3の樹脂封止型半導体装置は、
少なくとも素子の一面を封止する封止用樹脂組成物の硬
化促進剤の濃度がパッケージの内部と外部とでことなる
ので、大型かつ超薄型の樹脂封止型半導体装置の信頼性
を向上することができる。すなわち素子に接する封止用
樹脂組成物に含まれる硬化促進剤の濃度が外側を形成す
る封止用樹脂組成物に含まれる硬化促進剤の濃度より低
くするので、金型に接する面の封止用樹脂組成物の硬化
が速くなり、また、未反応の硬化促進剤で素子を腐食し
たりすることがない。その結果、素子の信頼性が良く、
しかも生産性も極めて良好な樹脂封止型半導体装置を得
ることができる。 参考例4 実施例23から実施例37および比較例17から比較例
24に使用する封止用樹脂シートを以下の方法で作製し
た。
【0230】まず、封止用樹脂組成物23から32を作
製するための原料を以下に示す。
【0231】エポキシ樹脂:ESX−221(住友化学
社製、エポキシ当量220、軟化点85℃) 難燃性エポキシ樹脂:AER−745(旭化成社製、臭
素化エポキシ樹脂) フェノール樹脂:XL−225L(三井東圧化学製、フ
ェノールアラルキル樹脂、軟化点84℃、水酸基当量1
80) シランカップリング剤:A−187(UCC社製) カーボンブラック:CB−30(三菱化成社製) 硬化促進剤:C17Z(四国化成社製、ヘプタデシルイ
ミダゾール) シリコーンゲル:加熱硬化タイプ付加型シリコーンゲル MBS樹脂:平均粒径30μm 離型剤:エステルワックス 難燃剤:三酸化アンチモン 難燃剤:リン酸アンモニウム 難燃剤:水酸化アルミニウム 溶融シリカ:GR−80AK。
【0232】上述の原料を表11に示す配合割合(重量
部)で、参考例1の方法で調整して封止用樹脂組成物2
3から32を得た。未硬化樹脂組成物の組成割合を表1
1に示す。
【0233】
【表11】 実施例23から実施例32および比較例17から比較例
22 上述の封止用樹脂組成物を用いて封止用樹脂シートを作
製した。まず封止用樹脂組成物をプレスを用いて所定の
厚さに圧延して1枚の樹脂シートを得る。つぎに、この
樹脂シートを表12に示す組み合わせで重ね合わせて1
200μmになったシートをプレスで加熱圧着し、60
0μmの厚さまで圧延し、一枚の封止用樹脂シートにす
る。このとき、図4に示したように溶融した各シートの
間で、組成の混合が起きる。つぎに加熱した封止用樹脂
シートに冷えた刃を押し当てて5×15mmおよび7×
17mmの大きさに切断した。
【0234】
【表12】 つぎにTAB半導体チップ(5mm×15mm×400
μm)の上下に表13に示したシートの組み合わせで封
止用樹脂シートを配置し、175℃、1分間プレス金型
で加熱圧着してパッケージを成形し、180℃で8時間
アフターキュアして、実施例23〜32および比較例1
7〜22を得た。作製したパッケージの大きさは8×1
8mm、厚さは1350μmである。封止後の素子の上
下の樹脂厚さはそれぞれ475μmであり、さらに各樹
脂層の厚さの比は成形前と同じであった。
【0235】
【表13】 実施例23〜26において、半導体素子能動面側の樹脂
の表面側の難燃剤の量は、内側の難燃剤の量よりも多
く、半導体素子裏面側の樹脂の表面側の難燃剤の量と内
側の難燃剤の量は同じである。
【0236】実施例27〜32において半導体素子能動
面側の樹脂の表面側の難燃剤の量は、内側の難燃剤の量
よりも多く、半導体素子裏面側の樹脂の表面の難燃剤の
量は内側の難燃剤の量よりも多い。
【0237】比較例17においては、難燃剤を含まな
い。
【0238】比較例18から22においては半導体素子
の上下の樹脂のいずれにおいても難燃剤の量は一定であ
る。
【0239】得られた樹脂封止型半導体装置について以
下の評価試験を行った。 (1)耐熱衝撃性を調べるための冷熱サイクル試験(T
CT試験)および耐湿信頼性を調べるためのプレッシャ
ークッカー試験(PCT)を実施例1と同一の方法で行
った。 (2)IRリフロー後の耐湿性試験 作製したパッケージを85℃、相対温度85%の雰囲気
中に72時間放置して吸湿処理を行った後、これに赤外
線を照射して240℃に30秒間加熱した。この時点で
パッケージのクラック発生率を調べた。さらに、このパ
ッケージをプレッシャークッカー内で2.5気圧127
℃の飽和水蒸気雰囲気中に100〜1000時間放置し
た後、デバイスの動作特性チェックにより不良発生率を
調べた。 (3)難燃性試験 各半導体装置を封止したパッケージにおいて規格UL9
4(米国)に従って難燃性を評価した。評価試験結果を
表14に示す。
【0240】
【表14】 表14より、実施例23〜32の樹脂封止型半導体装置
は冷熱サイクル試験、耐湿信頼性試験、IRリフロー後
の耐湿信頼性試験において信頼性が非常に良好である。
また、難燃性についても非常に良好な値が得られてい
た。しかし、比較例18〜22の樹脂封止型半導体装置
は信頼性が良好でなかった。また実施例と同じ信頼性を
有する比較例17は十分な難燃性が得られなかった。 実施例33から実施例37および比較例23から比較例
24 表12に示した組成の組み合わせで、素子の上に当る部
分にのみ難燃剤を含まないシートを重ね合わせた7mm
×17mm×600μmの大きさの樹脂シートを図3に
示す方法でつくった。これを180℃で5時間加熱して
硬化させて樹脂シートを得た。
【0241】実施例では、難燃剤を含む層が含まない層
を囲むように2枚の同じ樹脂シートを張り合わせる。比
較例23では難燃剤を含まない樹脂シートを2枚張り合
わせた。比較例24では難燃剤を均一に含む樹脂シート
を2枚張り合わせた。
【0242】この樹脂シートを用いて樹脂シートの難燃
性試験(Hot Wire Ignition試験)を
以下の方法で行った。
【0243】硬化した樹脂シート23の回りに図17に
示すように抵抗線(B&SゲージNo.24抵抗線、鉄
を含まず、クロム20%、ニッケル80%、径0.02
01″、161Ω/ft、865ft/1b)24を1
/4″間隔で5回巻き付ける。抵抗線24には65Wを
発生させ発火までの秒数を測定する。樹脂シートの難燃
性試験結果を表15に示す。
【0244】
【表15】 表15に示したように、難燃剤を含まない比較例23の
シートは、難燃性が非常に低いのに対して、実施例33
〜37の難燃剤濃度が傾斜したシートは、比較例24の
難燃剤を含む単一組成のシートと同等の優れた難燃性を
示した。
【0245】本発明の第4の樹脂封止型半導体装置は、
少なくとも素子の一面を封止する封止用樹脂組成物の濃
度がパッケージの内部と外部とでことなるので、大型か
つ超薄型の樹脂封止型半導体装置の信頼性を向上するこ
とができる。すなわち、難燃剤の濃度が外側を形成する
封止用樹脂組成物に含まれる難燃剤の濃度より低くする
ので、半導体素子の信頼性が良好で、しかも比較的少量
の難燃剤で十分な難燃性を有する樹脂封止型半導体装置
を得ることができる。 参考例5 実施例38から実施例49および比較例25から比較例
36に使用する封止用樹脂シートを以下の方法で作製し
た。
【0246】まず、封止用樹脂組成物33から40を作
製するための原料を以下に示す。
【0247】エポキシ樹脂:ESX−221(住友化学
社製、エポキシ当量220、軟化点85℃) 難燃性エポキシ樹脂:AER−745(旭化成社製、臭
素化エポキシ樹脂) フェノール樹脂:XL−225L(三井東圧化学製、フ
ェノールアラルキル樹脂、軟化点84℃、水酸基当量1
80) シランカップリング剤:A−187(UCC社製) カーボンブラック:CB−30(三菱化成社製) 硬化促進剤:C17Z(四国化成社製、ヘプタデシルイ
ミダゾール) シリコーンゲル:加熱硬化タイプ付加型シリコーンゲル MBS樹脂:平均粒径30μm 離型剤:エステルワックス 難燃剤:三酸化アンチモン 充填材;破砕状シリカ:GR−80T(東芝セラミック
ス社製、平均粒子径22μm) 充填材;破砕状シリカ:SGA(東芝セラミックス社
製、平均粒子径5μm) 充填材;破砕状シリカ:USS−80(東芝セラミック
ス社製、平均粒子径20μm、低α線用充填材) 充填材;破砕状シリカ:USG−5A(東芝セラミック
ス社製、平均粒子径10μm、低α線用充填材) 充填材;球状シリカ :FB−5S(電気化学工業社
製、平均粒子径6μm) 充填材;ガラス繊維 :REVX2008(平均直径1
0μm、平均長さ60μm) 充填材;非透湿性薄膜:集成マイカ薄片。
【0248】上述の原料を表16に示す配合割合(重量
部)で、参考例1の方法で調整して封止用樹脂組成物3
3から40を得た。未硬化樹脂組成物の組成割合を表1
6に示す。
【0249】
【表16】 実施例38から実施例49および比較例25から比較例
36
【0250】上述の封止用樹脂組成物を用いて封止用樹
脂シートを作製した。まず封止用樹脂組成物をプレスを
用いて所定の厚さに圧延して1枚の樹脂シートを得る。
つぎに、この樹脂シートを表17に示す組み合わせで重
ね合わせて400μmになったシートをプレスで加熱圧
着し、300μmの厚さまで圧延し、一枚の封止用樹脂
シートにする。このとき、図4に示したように溶融した
各シートの間で、組成の混合が起きる。つぎに加熱した
封止用樹脂シートに冷えた刃を押し当てて5×15mm
および7×17mmの大きさに切断した。なお、比較例
用として封止用樹脂組成物単体を用いて厚さ400μm
の樹脂シートを作製した。
【0251】
【表17】 つぎにTAB半導体チップ(5mm×15mm×400
μm)の上下に表18に示したシートの組み合わせで封
止用樹脂シートを配置し、175℃、1分間プレス金型
で加熱圧着してパッケージを成形し、180℃で8時間
アフターキュアして、実施例38〜49および比較例2
5〜36を得た。作製したパッケージの大きさは8×1
8mm、厚さは900μmである。封止後の素子の上下
の樹脂厚さはそれぞれ250μmであり、さらに各樹脂
層の厚さの比は成形前と同じであった。
【0252】
【表18】 実施例38は比較例25と比べて半導体素子上下の近傍
のフィラーの量が少ない点で異なる。さらに実施例38
は比較例26と比べて表面のフィラー量が多い点で異な
る。
【0253】実施例39は比較例25と比べて半導体素
子の能動面の近傍のフィラー量が少ない点で異なる。さ
らに実施例39は比較例26と比べて表面のフィラー量
が多が異なる。実施例47では破砕状であり、比較例3
3では繊維状である。い点で異なる。
【0254】実施例40は比較例27と比べて半導体素
子上下の近傍のフィラーの種類が異なる。実施例40で
は球状であり、比較例27では破砕状である。
【0255】さらに実施例40は比較例28と比べて表
面のフィラーの種類が異なる。実施例40では破砕状で
あり、比較例28では球状である。
【0256】実施例41は比較例27と比べて半導体素
子の能動面の近傍のフィラーの種類が異なる。実施例4
1では球状であり、比較例27では破砕状である。
【0257】さらに実施例41は比較例28と比べて表
面のフィラーの種類が異なる。実施例41では破砕状で
あり、比較例28では球状である。
【0258】実施例42は比較例29と比べて半導体素
子の上下の近傍のフィラーの種類が異なる。実施例42
では低α線タイプであり、比較例29では汎用タイプで
ある。
【0259】さらに実施例42は比較例30と比べて表
面のフィラーの種類が異なる。実施例42では汎用タイ
プであり、比較例30では低α線タイプである。
【0260】実施例43は比較例29と比べて半導体素
子の能動面の近傍のフィラーの種類が異なる。実施例4
3では低α線タイプであり、比較例29では汎用タイプ
である。 さらに実施例43は比較例30と比べて表面
のフィラーの種類が異なる。実施例43では汎用タイプ
であり、比較例30では低α線タイプである。
【0261】実施例44は比較例31と比べて半導体素
子上下の近傍のフィラーの大きさが小さい点で異なる。
さらに実施例44は比較例32と比べて表面のフィラー
の大きさが大きい点で異なる。
【0262】実施例45は比較例31と比べて半導体素
子の能動面の近傍のフィラーの大きさが小さい点で異な
る。さらに実施例45は比較例32と比べて表面のフィ
ラーの大きさが大きい点で異なる。
【0263】実施例46は比較例33と比べて半導体素
子上下の近傍のフィラーの種類が異なる。実施例46で
は破砕状であり、比較例33では繊維状である。
【0264】さらに実施例46は比較例34と比べて表
面のフィラーの種類が異なる。実施例46では繊維状で
あり、比較例34では破砕状である。
【0265】実施例47は比較例33と比べて半導体素
子の能動面の近傍のフィラーの種類が異なる。実施例4
7では破砕状であり、比較例33では繊維状である。
【0266】さらに実施例47は比較例34と比べて表
面のフィラーの種類が異なる。実施例47では繊維状で
あり、比較例34では破砕状である。
【0267】実施例48は比較例35と比べて半導体素
子上下の近傍のフィラーの種類が異なる。実施例48で
は破砕状であり、比較例35では非透湿性薄膜である。
【0268】さらに実施例48は比較例36と比べて表
面のフィラーの種類が異なる。実施例48では非透湿性
薄膜であり、比較例36では破砕状である。
【0269】実施例49は比較例35と比べて半導体素
子の能動面の近傍のフィラーの種類が異なる。実施例4
9では破砕状であり、比較例35では非透湿性薄膜であ
る。
【0270】さらに実施例49は比較例36と比べて表
面のフィラーの種類が異なる。実施例49では非透湿性
薄膜であり、比較例36では破砕状である。
【0271】得られた樹脂封止型半導体装置について以
下の評価試験を行った。 (1)耐熱衝撃性を調べるための冷熱サイクル試験(T
CT試験)および耐湿信頼性を調べるためのプレッシャ
ークッカー試験(PCT)を実施例1と同一の方法で行
った。また、IRリフロー後の耐湿性試験を実施例23
と同一の条件で行った。ただし、実施例と比較例の効果
の差を明確にするために、TCT試験において、500
〜5000サイクル繰り返した後、PCT試験およびI
Rリフロー後の耐湿性試験において、500〜5000
時間放置した後、不良発生率を調べた。 (2)バリ長さの検討 半導体装置を成形する場合に、外側金型と内側金型の間
にバリがでる可能性があり、この外側金型と内側金型の
間のクリアランスを8μmにした金型と15μmにした
金型を用意して、成型後に隙間に発生したバリの長さを
測定した。 (3)メモリーの動作テスト 放射線に対して誤動作を起こす可能性のある4MDRA
Mの素子を用いてパッケージを成形したものの動作テス
トを行った。評価試験結果を表19〜表22に示す。
【0272】
【表19】
【0273】
【表20】
【0274】
【表21】
【0275】
【表22】 以下、同一の樹脂組成物を有する実施例と比較例とを参
照しながら本発明の効果について説明する。 (1)実施例38および39 比較例25は、充填材が非常に高充填されているために
チップにダメージを多く発生させて、表19および表2
0に示すように実施例38および39に比べて信頼性が
低下している。また比較例26は、実施例38および3
9に比べてパッケージ外周部の充填材量が少ないために
吸水性が大きくなり、耐湿信頼性試験の結果が低下して
いる。 (2)実施例40および41 比較例27は、すべて破砕状充填材を用いているために
チップにダメージを多く発生させて、表20に示すよう
に実施例40および41に比べて信頼性が若干低下して
いる。また比較例28は、実施例40および41に比べ
てパッケージ外周部の充填材が球状であるために強度が
低下し耐湿信頼性試験の結果が低下している。さらに表
21に示すようにバリの発生も多くなる。 (3)実施例42および43 比較例29、30と実施例42および43は信頼性試験
の結果がほとんど同じであったが、表22に示すように
比較例29はメモリー動作テストで誤動作を起こし、ま
た比較例30は実施例42および43に比べて高価な低
α線用充填材を多量に使用している。 (4)実施例44および45 比較例31は、充填材の粒子径が大きいために、チップ
にダメージを多く発生させて、表20に示すように実施
例44および45に比べて信頼性が低下している。また
比較例32は、実施例44および45に比べて細かい充
填材を用いているためにパッケージの強度が弱くなり信
頼性の結果が低下している。さらにパッケージ外周部の
充填材の粒子径が小さいために表21に示すようにバリ
の発生も多くなる。 (5)実施例46および47 比較例33は実施例46および47と比べてガラス繊維
が素子の近くにあり、不純物の発生により信頼性を大幅
に低下させている。また比較例34は実施例46および
47と比べて、パッケージ外周部にガラス繊維がないの
でパッケージ全体としての強度を低下させている。 (6)実施例48および49 比較例35は実施例48および49と比べて薄片が素子
の近くにあり、不純物の発生やリード線へのダメージに
より信頼性を低下させている。また比較例36は実施例
48および49と比べて、パッケージ外周部に薄片がな
いので水分を吸いやすく、信頼性を低下させている。
【0276】本発明の第5の樹脂封止型半導体装置は、
少なくとも素子の一面を封止する封止用樹脂組成物に含
まれる充填材の種類と量とを変えてなるので、パッケー
ジの強度や耐湿性、信頼性、バリ特性等の諸特性を容易
に向上させることができる。また、樹脂封止型半導体装
置の生産コストを下げることができる。 参考例6 実施例50から実施例58および比較例37から比較例
42に使用する封止用樹脂シートを以下の方法で作製し
た。
【0277】まず、封止用樹脂組成物41から50を作
製するための原料を以下に示す。
【0278】第1のエポキシ樹脂:YX−4000H
(4,4′−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−
3,3′、5,5′−テトラメチルビフェニル、油化シ
ェルエポキシ製、エポキシ当量193、融点100℃) 第2のエポキシ樹脂:ESX−221(住友化学製、エ
ポキシ当量220、軟化点85℃) 第3のエポキシ樹脂:GY−260(ビスフェノールA
型エポキシ樹脂、チバガイギー社製) 第4のエポキシ樹脂:ESCN−195XL(オルソク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂、住友化学製、エポ
キシ当量197) 第5のエポキシ樹脂:トリグリシジルイソシアヌレート 第1のフェノール樹脂:BRG−556(昭和高分子
製、フェノールノボラック樹脂、水酸基当量104) 第2のフェノール樹脂:XL−225L(三井東圧化学
製、フェノールアラルキル樹脂、軟化点84℃、水酸基
当量180) 酸無水物:THPA シランカップリング剤:A−187(UCC社製) 第1の着色剤:カーボンブラック(CB−30) 第2の着色剤:酸化チタン(TiO2 ) 第3の着色剤:アゾ系黒色有機染料(OIL BLAC
K BYチバガイギー社製) 第4の着色剤:カドミニウムイエロー(CdS+Zn
S) 第5の着色剤:ベンガラ(Fe2 3 ) 第6の着色剤:フェロシアン化カリウムK4 Fe[Fe
(CN)6 ] 第7の着色剤:コバルトグリーン(CoO+ZnO) 硬化促進剤:C17Z(四国化成製、ヘプタデシルイミ
ダゾール) シリコーンゲル:加熱硬化タイプ付加型シリコーンゲル MBS樹脂:平均粒径30μm 離型剤:エステルワックス 難燃剤:三酸化アンチモン 溶融シリカ:GR−80AK。
【0279】上述の原料を表23に示す配合割合(重量
部)で、参考例1の方法で調整して封止用樹脂組成物4
1から50を得た。未硬化樹脂組成物の組成割合を表2
3に示す。
【0280】
【表23】 実施例50から実施例58および比較例37から比較例
42 上述の封止用樹脂組成物を用いて封止用樹脂シートを作
製した。まず封止用樹脂組成物をプレスを用いて所定の
厚さに圧延して1枚の樹脂シートを得る。つぎに、この
樹脂シートを表24に示す組み合わせで重ね合わせて4
00μmになったシートをプレスで加熱圧着し、200
μmの厚さまで圧延し、一枚の封止用樹脂シートにす
る。このとき、図4に示したように溶融した各シートの
間で、組成の混合が起きる。つぎに加熱した封止用樹脂
シートに冷えた刃を押し当てて5×15mmおよび7×
17mmの大きさに切断した。
【0281】
【表24】 つぎにTAB半導体チップ(5mm×15mm×200
μm)の上下に表25に示したシートの組み合わせで封
止用樹脂シートを配置し、175℃、1分間プレス金型
で加熱圧着してパッケージを成形し、180℃で8時間
アフターキュアして、実施例50〜58および比較例3
7〜42を得た。作製したパッケージの大きさは8×1
8mm、厚さは450μmである。
【0282】
【表25】 実施例50は比較例37と比べて外側表面の着色剤が異
なる。実施例50では白であるのに対して、比較例37
では黒である。さらに実施例50は比較例38と比べて
素子表面近傍の着色剤が異なる。実施例50では黒であ
るのに対して、比較例38では白である。
【0283】また、実施例54〜58は比較例39〜4
2と比べて素子表面近傍の着色剤が異なる。実施例54
〜58では黒であるのに対して、比較例39〜42では
それぞれ黄色、赤、青、緑である。
【0284】実施例54は、比較例37と比べて外側表
面の着色剤が異なる。実施例54ではアゾ系黒色有機染
料であるのに対して、比較例37ではカーボンブラック
である。実施例51には実施例50よりも薄い白色の樹
脂層がある。また、実施例52は実施例51よりも薄い
白色の樹脂層があり、実施例53の白色樹脂層はさらに
薄い。
【0285】得られた樹脂封止型半導体装置について以
下の評価試験を行った。 (1)IRリフロー後の耐湿性試験を実施例23と同一
の方法で行った。 (2)半導体デバイス動作テスト 光の透過性を調べるために、半導体素子能動面側から可
視光線を照射しながら半導体デバイスの動作テストを行
った。 (3)レーザーマーキングコントラスト 半導体装置の上に炭酸ガスレーザー(エネルギー密度最
大0.5Joul/cm2 )を用いて、50万分の1秒
間所定のマスクを通して照射しマーキングを行った。で
きたマーキングのコントラストを肉眼で判定した結果を
3段階に分類し、さらに色差を測定した。
【0286】評価結果について、IRリフロー後の耐湿
性試験を表26に、半導体デバイス動作テストを表27
に、レーザーマーキングコントラストを表28にそれぞ
れ示す。
【0287】
【表26】
【0288】
【表27】
【0289】
【表28】 表26より、実施例50〜53、実施例55および実施
例58の樹脂封止型半導体装置は、比較例37および比
較例41に比較してIRリフロー後の耐湿性試験におい
て極めて信頼性が良好な結果が得られた。
【0290】また表27に示したように、実施例50〜
58は、黒色の遮光性の着色剤を含むために、半導体デ
バイス動作テストにおいて誤動作しなかったが、比較例
38〜42は、黒色の遮光性の着色剤を含まないため
に、誤動作した。
【0291】より、レーザーマーキングを行った結果を
示す表28より、着色剤濃度が傾斜している実施例50
〜58においては、コントラストや色差が大きいが、単
色の樹脂を用いた比較例37〜42においては、コント
ラストや色差が小さかった。
【0292】このように着色剤に関しては、それぞれの
封止用樹脂組成物に含まれる着色剤の濃度および種類か
ら選ばれた少なくとも1種を変えてなるので、IRリフ
ロー後の良好な信頼性が得られ、またレーザーマーキン
グ特性が向上する。 参考例7 種類や配合割合の異なる硬化促進剤、難燃剤、充填材、
着色剤を組み合わせた効果を検討するために、実施例5
9から実施例65および比較例43に使用する封止用樹
脂シートを以下の方法で作製した。
【0293】まず、封止用樹脂組成物51から65を作
製するための原料を以下に示す。
【0294】エポキシ樹脂:ESX−221(住友化学
社製、エポキシ当量220、軟化点85℃) 難燃性エポキシ樹脂:AER−745(旭化成社製、臭
素化エポキシ樹脂) フェノール樹脂:XL−225L(三井東圧化学製、フ
ェノールアラルキル樹脂、軟化点84℃、水酸基当量1
80) シランカップリング剤:A−187(UCC社製) 着色剤:カーボンブラックCB−30(三菱化成社製) 着色剤:酸化チタン 硬化促進剤:C17Z(四国化成社製、ヘプタデシルイ
ミダゾール) シリコーンゲル:加熱硬化タイプ付加型シリコーンゲル MBS樹脂:平均粒径30μm 離型剤:エステルワックス 難燃剤:三酸化アンチモン 破砕状シリカ:GR−80T(東芝セラミックス社製、
平均粒子径22μm)。
【0295】上述の原料を表29に示す配合割合(重量
部)で、参考例1の方法で調整して封止用樹脂組成物5
1から65を得た。未硬化樹脂組成物の組成割合を表2
9に示す。
【0296】
【表29】 実施例59から実施例65および比較例43 上述の封止用樹脂組成物を用いて封止用樹脂シートを作
製した。未硬化樹脂組成物はプレスを用いて200μm
の厚さに圧延する。この樹脂シートを表30のような組
み合わせで、重ね合わせて400μmになったシートを
プレスで加熱圧着し、200μmの厚さまで圧延し、一
枚の封止用樹脂シートにする。つぎに加熱した封止用樹
脂シートに冷えた刃を押し当てて5×15mmおよび7
×17mmの大きさに切断した。
【0297】
【表30】 そこでTAB半導体チップ(5mm×15mm×200
μm)の上下に表31に示したシートの組み合わせで封
止用樹脂シートを配置し、175℃、1分間プレス金型
で加熱圧着してパッケージを成形し、180℃で8時間
アフターキュアして、表31に示す実施例50〜58お
よび比較例37〜42を得た。作製したパッケージの大
きさは8×18mm、厚さは450μmである。封止後
の素子の上下の樹脂厚さはそれぞれ125μmであり、
さらに各樹脂層の厚さの比は成形前と同じであった。
【0298】
【表31】 実施例59では、素子側の樹脂層よりも金型側の樹脂層
に硬化促進剤と難燃剤が多い。
【0299】実施例60では、素子側の樹脂層よりも金
型側の樹脂層に硬化促進剤と無機フィラーが多い。
【0300】実施例61では、素子側の樹脂層よりも金
型側の樹脂層に難燃剤と無機フィラーが多い。
【0301】実施例62では、素子側の樹脂層よりも金
型側の樹脂層に硬化促進剤が多く、また素子側の樹脂層
には黒の着色剤が含まれ、金型側の樹脂層には白の着色
剤が含まれる。
【0302】実施例63では、素子側の樹脂層よりも金
型側の樹脂層に難燃剤が多く、また素子側の樹脂層には
黒の着色剤が含まれ、金型側の樹脂層には白の着色剤が
含まれる。
【0303】実施例64では、素子側の樹脂層よりも金
型側の樹脂層に無機フィラーが多く、また素子側の樹脂
層には黒の着色剤が含まれ、金型側の樹脂層には白の着
色剤が含まれる。
【0304】実施例65では、素子側の樹脂層よりも金
型側の樹脂層に硬化促進剤、難燃剤と無機フィラーが多
い。
【0305】比較例43では、素子側の樹脂層と金型側
の樹脂層に含まれる配合剤の量は同じである。
【0306】得られた樹脂封止型半導体装置について以
下の評価試験を行った。
【0307】耐熱衝撃性を調べるために冷熱サイクル試
験(TCT試験)および耐湿信頼性を調べるためにプレ
ッシャークッカー試験(PCT試験)を実施例1と同一
の方法で行った。また、IRリフロー後の耐湿信頼性試
験を実施例23と同一の方法で行った。
【0308】評価結果を表32に示す。
【0309】
【表32】 比較例43に比較して、硬化促進剤、難燃材、充填材お
よび着色剤の配合剤の中から、2種類もしくは3種類の
配合剤の配合量を変えた樹脂シートを用いた実施例59
から実施例65の樹脂封止型半導体装置は、耐熱衝撃性
試験、耐湿性試験、IRリフロー後の信頼性が大幅に向
上した。 実施例66 着色剤の配合を変えることでEPROMの封止を行うこ
ともできる。EPROMパッケージはROMに記憶され
た情報を消去するために光を照射するガラス窓が必要と
なることから、セラミックにより封止する方法では工程
が複雑で高温が必要となる。このため、ガラス窓の代わ
りに透明な樹脂をトランスファ成形法で素子の上のみに
成形してから、他の部分を通常の封止用樹脂組成物でト
ランスファ成形を行う2段成形法によってEPROMが
製造される場合がある。この工程は複雑であり、また、
高温が必要となるという問題がある。
【0310】しかしながら本発明によれば簡単に作成で
きる。
【0311】図9(a)に示すように、まず樹脂組成4
1の樹脂を用いて35mm×11mm×500μmのシ
ートを成形し、パンチで真ん中に直径6mmの穴を成形
する。着色剤を含まない樹脂組成50の透明樹脂を直径
5.5mmで厚さが500μmに成型したものを前述の
穴の中に入れて、プレスで加熱圧縮し、図9(b)に示
す厚さ400μmの透明な窓の付いた着色剤の濃度が傾
斜した封止用樹脂シート25ができる。このとき2種類
の樹脂は界面で混合し、一体化する。その後、図10
(a)に示すように、このシート25を素子の能動面側
に配置し、裏面側に樹脂組成41の樹脂を用いて成型し
た35mm×11mm×400μmのシートを配置し
て、プレスで加熱圧着することによりパッケージを図1
0(b)のように封止して樹脂封止型EPROMを作製
した。成形後のパッケージの寸法は37mm×12mm
×740μmである。
【0312】この製造方法により、パッケージの成型の
簡略化が可能となり、生産性が向上し、またセラミック
ス封止のような高温での加熱も必要ないことから、素子
に対するダメージも低減することができる。 参考例8 まず表33に示す割合の樹脂組成物を得た。
【0313】
【表33】 なお、用いた成分は、以下のとおりである。
【0314】第1のエポキシ樹脂:YX−4000H
(4,4′−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−
3,3′、5,5′−テトラメチルビフェニル、油化シ
ェルエポキシ製、エポキシ当量193、融点100℃) 第2のエポキシ樹脂:エピコート1001(ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、油化シェルエポキシ社製、エポ
キシ当量480、軟化点68℃) 第3のエポキシ樹脂:エピコート807(ビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂、油化シェルエポキシ社製、エポキ
シ当量170、粘度30Ps) 第4のエポキシ樹脂:ESX−221(住友化学製、エ
ポキシ当量220、軟化点85℃) 第5のエポキシ樹脂:ESCN−195XL(オルソク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂、住友化学製、エポ
キシ当量197) 第1のフェノール樹脂:BRG−556(昭和高分子
製、フェノールノボラック樹脂、水酸基当量104) シランカップリング剤:A−187(UCC社製) カーボンブラック:CB−30(三菱化成製) 硬化促進剤:C17Z(四国化成製、ヘプタデシルイミ
ダゾール) シリコーンゲル:加熱硬化タイプ付加型シリコーンゲル MBS:平均粒径30μm 離型剤:エステルワックス 接着性付与剤:Zrキレート 難燃助剤:三酸化アンチモン 溶融シリカ:PK451(最大粒径40μm以下) まず、万能混合機中でフェノール樹脂を軟化点以上の温
度で加熱溶融させ、予め硬化剤に分散させたシリコーン
ゲルおよびMBS粉末を添加した後、攪拌・混合した。
さらに、3本ロールを用いて混練して均一に分散させて
最大粒径を50μm程度にした。その後、各成分を2本
ロールで混練して、未硬化樹脂組成物66〜73を得
た。
【0315】なお、樹脂組成物67、69および71は
接着性付与剤を含み、樹脂組成物73は離型剤を含むも
のであり、残りの樹脂組成物は、いずれも含んでいな
い。
【0316】(樹脂組成物の接着性の評価)樹脂組成物
66〜73を、素子上に塗布されているポリイミドパッ
シベーション膜上で成形し、ポリイミドパッシベーショ
ン膜との接着力を測定して、表34にまとめた。樹脂組
成物72については、樹脂表面に離型剤および接着性付
与剤をそれぞれ塗布したものを成形し、同様に接着力を
測定した。
【0317】
【表34】 各樹脂組成物は、それぞれ表34に示すような接着強度
を有していた。このように接着強度の異なる樹脂組成物
を組合わせることによって、本発明の封止用樹脂シート
が得られる。
【0318】(封止後のパッケージの特性の評価)樹脂
組成物をプレスを用いて所定の厚さに圧延した後、表3
5に示すようにそれぞれ組合わせてプレスで加熱圧着
し、さらに圧延して素子能動面側および素子裏面側の封
止用樹脂シートを得た。
【0319】各シートを用いて、半導体チップを封止
し、実施例67〜76、および比較例44、45のパッ
ケージを得た。具体的には、加熱したシートに冷えた刃
を押し当てて14mm×14mmの大きさに切断した
後、TAB半導体チップの上下に配置し、175℃、2
分間プレス金型で加熱圧着してパッケージを成形した。
さらに、180℃で8時間アフターキュアを行って、1
5mm×15mmの大きさのパッケージを得た。なお、
実施例73〜76で使用したシートには、離型剤および
接着性付与剤の少なくとも一方を塗布した。
【0320】シートの状態を図11に示す。バンプ11
2を介してフィルムキャリア106のリード113に接
続されたチップ107の上面および下面には、それぞれ
封止用樹脂シート108および109が貼り付けられて
いる。封止用樹脂シート108および109は、それぞ
れ、接着性の高い樹脂シート108aと接着性の低いシ
ート108b,および接着性の高い樹脂シート109a
と接着性の低いシート109bからなる構造である。な
お、樹脂シートの素子側の面および金型側の面には、そ
れぞれ必要に応じ接着性付与剤114および離型剤11
5を塗布する。
【0321】
【表35】 各実施例について、以下のような試験を行った。 (1)耐熱衝撃性 各パッケージについて、−65℃〜室温〜150℃を1
サイクルとする冷熱サイクルを100〜1000サイク
ル繰り返し、デバイスの動作特性チェックにより不良発
生率を調べた。 (2)耐湿信頼性 各パッケージを2.5気圧のプレッシャークッカー内に
100〜1000時間放置した後、(1)と同様にして
不良発生率を調べた。 (3)耐半田浸漬性 各パッケージを85℃、相対湿度85%の雰囲気中に7
2時間放置して、吸湿処理を行った後、240℃の半田
浴に30秒間浸漬した。この時点でパッケージのクラッ
ク発生率を調べた。さらに、この半田浸漬パッケージを
プレッシャークッカー内で127℃飽和水蒸気雰囲気中
に100〜1000時間放置した後の不良発生率を、上
述と同様にして調べた。
【0322】得られた結果を下記表36にまとめた。
【0323】
【表36】 表36に示すように、本発明の方法により製造されたパ
ッケージ(実施例67〜76)は、比較例44および4
5のパッケージと比較して、冷熱サイクル試験、プレッ
シャークッカー試験において信頼性が良好である。特に
半田浸漬後のクラック発生率、プレッシャークッカー試
験において、実施例は比較例に比べて信頼性が良好であ
り、半導体素子と封止用樹脂シートの密着性が優れてい
ることが分かる。
【0324】以上詳述したように、本発明によれば、素
子に接する面の接着強度が金型に接する面の接着強度よ
り大きい未硬化樹脂シートを用いて封止しているので、
半導体素子と封止樹脂との密着性がよく、金型からの離
型性も極めて良好な半導体装置の製造方法が提供され
る。
【0325】このように封止樹脂が良好な状態で素子に
接着している半導体装置が製造されるので、長期にわた
って良好な信頼性を保証することができる。
【0326】
【発明の効果】上述したように、必要な特性を得るため
に必要な配合剤を樹脂シートの必要な部分にのみ配合す
ることができる。このため、ある部分では配合剤の量を
増やすことにより特性を向上させ、ある部分では不必要
な配合剤を減らすことができるために特性を向上するこ
とができる。
【0327】そのため、本発明による樹脂封止型半導体
装置では以下の特性を同時に満たすことのできるパッケ
ージを得ることができた。 (1)高信頼性と高熱伝導性 (2)高生産性と高信頼性 (3)高難燃性と高信頼性 (4)高強度と高信頼性 (5)低コストとα線に対する高信頼性 (6)耐リフロー性とマーキング特性 (7)耐湿性と高信頼性 (8)耐熱衝撃性と高信頼性 以上の結果、本発明により、長期にわたって良好な信頼
性を有する樹脂封止型半導体装置を製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂封止型半導体装置の製造工程を示
す概念図である。
【図2】本発明の樹脂封止型半導体装置の成形方法を示
す図である。
【図3】封止用樹脂シートの作製方法を示す図である。
【図4】配合剤の濃度や種類が段階的に異なる樹脂シー
トの作製方法を示す図である。
【図5】配合剤の濃度が連続的に変化したシートを用い
た樹脂封止型半導体装置の成形方法を示す図である。
【図6】本発明の樹脂封止型半導体装置の構造を示す断
面図である。
【図7】LOC(Lead on Chip)型のパッ
ケージを示す断面図である。
【図8】反り量(%)を説明する図である。
【図9】EPROMの封止用樹脂シートを示す図であ
る。
【図10】樹脂封止型EPROMの成形方法を示す図で
ある。
【図11】本発明の封止用樹脂シートを示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1…素子能動面側封止用樹脂シート 2…素子裏面側封止用樹脂シート 3…リード線、またはワイヤー 4…バンプ 5…半導体素子 7…フレーム(ポリイミドフィルムキャリア) 8…外側金型 8a…上部外側金型 8b…下部外側金型 9…内側金型 9a…上部内側金型 9b…下部内側金型 10…ダイパット 11…リードフレーム 12…高熱伝導性封止樹脂 13…成形性の良好な封止樹脂 14…AINセラミックス板 15…Al製放熱板 16…水平な面 17…樹脂封止型半導体装置 18…配合剤成分 19…配合剤濃度の異なる封止用樹脂シート 20…濃度や種類が連続的に変化した封止用樹脂シート 21…大きな樹脂シート 22…小さな樹脂シート 23…硬化した樹脂シート 24…抵抗線 25…EPROM用封止用樹脂シート 100…供給リール 106…ポリイミドフィルムキャリア 107…半導体素子 108…素子裏面側封止用樹脂シート 109…素子能動面側封止用樹脂シート 112…バンプ 113…リード線 114…接着性付与剤 115…離型剤 200…半導体素子(チップ)搭載部 300…シート貼着部 400…プレス成形部 401…金型 402…ヒーター 500…巻取リール
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // B29K 105:06 H01L 23/30 B (72)発明者 梶浦 貞夫 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝 研究開発センター内 (72)発明者 善積 章 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝 研究開発センター内 (56)参考文献 特開 平4−340258(JP,A) 特開 平5−283562(JP,A) 特開 平5−214077(JP,A) 特開 平4−279661(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/56 B29C 43/18 H01L 23/29 H01L 23/31 B29K 105:06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】封止樹脂部と、前記封止樹脂部で封止され
    る半導体素子からなる樹脂封止型半導体装置であって、
    前記封止樹脂部は前記半導体素子の上面にある第一の樹
    脂層および半導体素子の下面にある第二の樹脂層とから
    なり、 a:第一の樹脂層の熱膨張係数(K-1) b:第一の樹脂層の弾性率(Pa) c:第一の樹脂層の樹脂厚さ(mm) d:第二の樹脂層の熱膨張係数(K-1) e:第二の樹脂層の弾性率(Pa) f:第二の樹脂層の樹脂厚さ(mm) とするとき、 0.8<(abc)/(def)<1.2 の範囲となることを特徴とする樹脂封止型半導体装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の樹脂封止型半導体装置にお
    いて、 L :樹脂封止型半導体装置の厚さ L´:成形後の樹脂封止型半導体装置を平面上に静置し
    たとき水平な面より測定した最大高さとするとき {(L´−L)/L}<0.06 の範囲となることを特徴とする樹脂封止型半導体装置。
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