JP2023067846A - Led基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】LED基板の新たな製造技術を提供する。【解決手段】LED素子103a~103cが実装されている素子搭載基板110を準備する工程と、黒色樹脂組成物111を圧縮成形することにより、黒色樹脂組成物111をLED素子103a~103cの間に充填して封止材を形成する工程と、を含む、LED基板の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、LED基板の製造方法に関する。
発光ダイオード(LED)表示装置において、発光素子の形成層に対向して配置されるカラーフィルターには、混色防止等のためのブラックマトリックスが用いられている。
また、LED基板等の発光素子基板の製造技術として、特許文献1(特開2021-101455号公報)に記載のものがある。同文献には、第1電極及び第2電極を備えており、光を出射する発光面を有する複数個の発光素子と、少なくとも発光面が露出するように、発光素子を埋め込んでいる光学補助層と、第1電極及び/又は第2電極に直接的かつ電気的に接続されている配線であって、光学補助層の表面であって、発光面が露出している面とは反対側の表面に延在する配線を含む第1配線層と、第1配線層及び光学補助層を覆うように設けられている第1絶縁層と、第1絶縁層に設けられており、第1配線層と電気的に接続されている第2配線層と、発光面を覆うように、発光素子を封止しており、発光面から出射する光を透過させることができる封止部とを具備する、発光素子パッケージについて記載されており、発光素子がLED素子であることが記載されている(請求項1、2)。また、同文献には、光学補助層が黒色層であること(請求項4)、ならびに、光学補助層の形成には、光学補助層を有する接着シートを準備して発光素子を埋め込むようにこれを積層し、加熱加圧処理する方法や、ラミネート処理する方法が用いられることが記載されている(段落0303~0305)。
特開2021-101455号公報
発光ダイオード(LED)表示装置の製造方法には、キャリア基板等にLED素子を搭載した後、光学補助層等を形成、次いで再配線層(Redistribution Layer:RDL)を形成するRDL Last方式と、基板にRDLを形成した後、LED素子を搭載、次いで光学補助層等を形成するRDL First方式が検討されている。上記特許文献1に記載の方法はRDL Last方式によるものであるが、RDL Last方式はRDL形成後までディスプレイの検討検査が行えない為に、不良LED素子の修理のしやすさに課題がある一方で、RDL First方式では、LED素子搭載後時点でディスプレイの点灯検査が行えることから、不良LED素子の検出、修理が行いやすいという利点がある。しかし、RDL First方式では、LED素子と基板間の狭部への光学補助層の充填性に改善の余地があった。
そこで、本発明は、LED基板の新たな製造技術を提供する。
本発明によれば、
複数のLED素子が実装されている基板を準備する工程と、
黒色樹脂組成物を圧縮成形することにより、前記黒色樹脂組成物を前記複数のLED素子間に充填して封止材を形成する工程と、
を含む、LED基板の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、上記本発明におけるLED基板の製造方法により製造されるLED基板が提供される。
また、本発明によれば、上記本発明におけるLED基板の製造方法に用いられる黒色樹脂組成物が提供される。
本発明によれば、LED基板の新たな製造技術を提供することができる。
実施形態におけるLED基板の製造工程の一例を模式的に示す断面図である。 実施形態におけるLED基板の製造工程の一例を模式的に示す断面図である。 実施形態におけるLED基板の製造工程の一例を模式的に示す断面図である。 実施形態におけるLED基板の製造工程の一例を模式的に示す断面図である。 実施形態におけるLED基板の製造工程の一例を模式的に示す図である。 実施形態におけるLED基板の製造工程の一例を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。
本実施形態において、組成物は、各成分をいずれも単独でまたは2種以上を組み合わせて含むことができる。
本明細書において、数値範囲を示す「~」は、以上、以下を表し、両端の数値をいずれも含む。
(第一の実施形態)
図1(a)~図1(c)、図2(a)および図2(b)は、本実施形態におけるLED基板の製造工程の一例を模式的に示す断面図である。
本実施形態において、LED基板の製造工程は、以下の工程1および2を含む。
(工程1)複数のLED素子(LED素子103a~103c)が実装されている基板101を準備する工程
(工程2)黒色樹脂組成物111を圧縮成形することにより、黒色樹脂組成物111をLED素子103a~103cの素子間に充填して封止材(黒色封止材113)を形成する工程
また、LED基板の製造工程は、以下の工程3をさらに含んでもよい。
(工程3)工程2の後、LED素子103a~103cの上部に形成された黒色封止材113を研削する工程
以下、各工程をさらに説明する。
(工程1)
工程1は、具体的には、素子搭載基板110を準備する工程である(図1(a))。図1に示した素子搭載基板110においては、プリント回路板(Printed Circuit Board:PCB)等の基板101に、LED素子103a~103cが搭載されており、各LED素子と基板101の導電部材との間が電極105により電気的に接続されている。
ここで、図1(a)には、3個のLED素子が配置された断面図を示したが、基板101に搭載するLED素子の数に制限はない。
また、複数のLED素子の種類(色)についても制限はなく、たとえば、一または二以上の任意の色とすることができる。また、たとえば赤(R)、緑(G)および青(B)の3色としてもよい。
工程1において、素子搭載基板110を製造する場合、公知の方法を用いて製造することができる。
たとえば、サファイア基板、GaAs基板等の基板に、GaN等の層をエピタキシャル成長させ、所望のサイズ、形状に加工して上部に電極等を形成することによりLEDチップを得た後、レーザーリフトオフ等により基板を剥離、除去する。そして、LEDチップを基板101に実装し、たとえば熱圧着により、LEDチップの電極と基板101の導電部材とを電気的に接続する。たとえば、再配線層を有する基板101を用い、LEDチップの電極と再配線とを接続することができる。
(工程2)
工程2においては、圧縮成形により、LED素子103a~103cを黒色封止材113にて封止するとともに、隣接するLED素子間を遮光する。
具体的には、図1(b)に示したように、金型107b(雌型)のキャビティに黒色樹脂組成物111を投入する。図1(b)の例では、金型107bの上に離型膜109を配設した後、黒色樹脂組成物111が導入されている。離型膜109としては、たとえばフッ素樹脂フィルム等を用いることができる。フッ素樹脂フィルムの市販品の具体例として、高機能性フッ素樹脂フィルム アフレックス(AGC社製)が挙げられる。
そして、金型107aにおける金型107bとの対向面に素子搭載基板110を配置して、黒色樹脂組成物111に対向配置して金型107aおよび107bを加熱加圧する(図1(c))。成形後、金型107aおよび107bならびに離型膜109から成形物を分離して、封止体を得る(図2(a))。図2(a)に示した封止体においては、素子搭載基板110の素子搭載面に設けられるとともに黒色樹脂組成物111の硬化物である黒色封止材113により、LED素子103a~103cが封止されている。
黒色樹脂組成物の充填性向上の観点から、工程2において、素子搭載基板110の素子搭載面から基板101の鉛直方向における黒色封止材113の充填高さを30μm以上とすることが好ましく、50μm以上とすることがより好ましい。
また、上記充填高さは、LED基板の薄型化の観点から、たとえば300μm以下であり、好ましくは150μm以下である。
黒色封止材113の可視光領域、具体的には400~800nmの波長領域における光学濃度(OD値)は、コントラスト向上の観点から、好ましくは3以上であり、また、たとえば3.5以上、または4以上であってもよい。
また、黒色封止材113の上記光学濃度(OD値)の上限に制限はないが、たとえば10以下であってもよい。
ここで、黒色封止材113のOD値は、たとえば光学濃度計を用いて黒色封止材113の入射光および透過光の強度を測定し、以下の式により算出する方法で得ることができる。
OD=log10(PI/PT)=-log10
(上記式中、PIは入射光強度、PTは透過光強度、Tは透過率である。)
(工程3)
工程3は、具体的には、各LED素子の上部に設けられた遮光層を除去する工程である。たとえば、工程3において、グラインドや化学処理などにより、LED素子103a~103cの上部に形成された黒色封止材113を除去して各LED素子の上面を露出させる。
工程3については第三の実施形態においても後述する。
以上の手順により、LED基板100が得られる(図2(b))。LED基板100中の各LED素子は、LED基板100を有するLED表示装置において画素を構成することができる。
本実施形態における製造方法においては、簡便な手順で隣接するLED素子間に黒色封止材113を形成できるとともに、黒色樹脂組成物111の狭部充填性に優れるため、LED素子のサイズが微細化した場合でも、隣接するLED素子間を安定的に遮光することができる。このため、本実施形態における製造方法は、たとえばLED素子の平面サイズに関し、一辺100μm以下であるマイクロLED基板や、一辺数~数十μmであるナノLED基板の製造にも好適に用いることができる。
(第二の実施形態)
図3(a)は、本実施形態における製造工程の一例を模式的に示す断面図である。
図3(a)に示した素子搭載基板112の基本構成は第一の実施形態にて前述した素子搭載基板110と同様であるが、LED素子103a~103cの上面に接して犠牲層115が設けられている点が異なる。
すなわち、本実施形態において、第一の実施形態で前述の工程1は、基板101上のLED素子103a~103cの上面に透明犠牲層(犠牲層115)が配設された複数のLED素子が実装されている素子搭載基板112を準備する工程であってもよい。
犠牲層115の厚さは、研削工程におけるLED素子の破損抑制の観点から、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは5μm以上である。
また、犠牲層115の厚さに制限はないが、たとえば、工程3の後に残存する犠牲層115の厚さがたとえば50μm以下になる程度とする点、および、LED基板100の薄型化の観点から、たとえば200μm以下であってもよい。
本実施形態において、工程3を行う場合、たとえば工程3を研磨工程とすることができる。研磨後の犠牲層115の厚さは、LED素子の輝度を低下させないという観点で、好ましくは50μm以下、より好ましくは20μm以下である。
本実施形態において、犠牲層115を有する素子搭載基板112は、素子形成に用いる基板の透明性等に応じて製造することができる。
たとえば、工程1において、または、工程1より前の段階において、LED素子の形成に用いるLED素子形成基板(不図示)が、サファイア基板のように透明な場合は、LED素子形成基板を剥離せずに犠牲層115として用いてもよい。LED素子形成基板を剥離して基板101にLED素子(LED発光層)を搭載する場合には、LED素子形成基板上にLED発光層を形成する前に、透明無機層を形成して犠牲層115として残存させてもよいし、LED素子形成基板の剥離後に透明シリコーン層等の有機層をLED発光層上に新たに形成してもよい。
本実施形態においても、第一の実施形態と同様の効果が得られる。加えて、犠牲層115を設けておくことにより、本実施形態では、工程3を行う場合に、LED素子の上部の損傷を抑制しつつ、LED素子上部の透明性を確保することができる。
(第三の実施形態)
以上の実施形態において、LED基板の製造方法は、以下の工程4をさらに含んでもよい。
(工程4)工程2の前に、素子搭載基板を表面処理する工程
以下、工程1において、第二の実施形態で前述した素子搭載基板112(図3(a))を準備する場合を例に説明する。
図3(b)は、本実施形態において得られる素子搭載基板114の構成例を示す断面図である。素子搭載基板114の基本構成は素子搭載基板112と同様であるが、素子搭載基板112の素子搭載面に表面処理層117が設けられている点が異なる。
工程4において、素子搭載基板112の素子搭載面全面を表面処理してもよいし、素子搭載面の一部を表面処理してもよいが、密着効果向上の観点から、好ましくは素子搭載面全面を表面処理する。
同様の観点から、工程4における表面処理は、好ましくはプラズマ処理またはプライマー処理である。
表面処理をプラズマ処理とする場合、たとえばアルゴン(Ar)プラズマにより、500W、30秒の条件で行う。
また、表面処理をプライマー処理とする場合、たとえばPAI(ポリアミドイミド)を含有したプライマーを塗布するプライマー処理を行う。
本実施形態においても、工程4の後、素子搭載基板114(図3(b))を用いて第一の実施形態にて前述の工程2に準じてLED基板を製造することができる。
すなわち、図4(a)に示したように、金型107b(雌型)のキャビティに黒色樹脂組成物111を投入する。図4(a)の例でも、図1(b)の例と同様に、金型107bの上に離型膜109を配設した後、黒色樹脂組成物111が導入されている。
そして、金型107aにおける金型107bとの対向面に素子搭載基板114を配置して、黒色樹脂組成物111に対向配置して金型107aおよび107bを加熱加圧する(図4(b))。成形後、金型107aおよび107bならびに離型膜109から成形物を分離し、適宜工程3を経て、封止体を得る(図5(a)および図5(b))。ここで、図5(b)は、封止体中のLED素子の平面配置例を示す上面図である。
また、工程2の後、好ましくは前述の工程3すなわち黒色封止材113を研削する工程をおこなう。本実施形態においては、工程1が、LED素子の上面に犠牲層115が配設されたLED素子103a~103cが実装されている素子搭載基板112を準備する工程であり、工程3(図6(a))において、犠牲層115を露出させ、LED基板102を得る(図6(b))。
工程3は、デフラッシュ工程であってもよい。図5(a)および図5(b)に示した封止体において、たとえば、犠牲層115の上部に薄膜状の黒色封止材113(図5(b)の黒色層121)が残存したり、黒色封止材113の端部や犠牲層115の周辺に黒色封止材113のバリが残存する場合(図5(a)のバリ119、図5(b)のバリ125)にも、デフラッシュ工程により、黒色封止材113を除去して各LED素子の上面を露出させることができる。
デフラッシュ工程として、たとえば、プラズマ処理、レーザーデフラッシュ、ケミカルデフラッシュ、ウォーターデフラッシュ、イオンミリングが挙げられる。
また、図6(a)には、研磨パッド123でLED素子上の黒色封止材113を研磨、除去する例が示されている。
本実施形態においても、第一の実施形態と同様の効果が得られる。加えて、表面処理層117を設けておくことにより、本実施形態では、封止樹脂と基板の濡れ性を向上することができる。
さらに、犠牲層115を有するLED素子103a~103cの上部を表面処理することにより、封止材と犠牲層との濡れ性向上が期待できる。
次に、黒色樹脂組成物111として用いられる樹脂組成物の構成を説明する。
(樹脂組成物)
樹脂組成物は、たとえば以下の成分を含む。
エポキシ樹脂
硬化剤
無機充填材
黒色顔料
以下、各成分の具体例を挙げて説明する。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂は、たとえば、ビフェニル型エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;スチルベン型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂等に例示されるトリフェニルメタン型エポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂;フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂等のフェノールアラルキル型エポキシ樹脂;ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレンの2量体をグリシジルエーテル化して得られるエポキシ樹脂等のナフトール型エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート等のトリアジン核含有エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等の有橋環状炭化水素化合物変性フェノール型エポキシ樹脂;およびオキシラン環含有アシルグリセロールからなる群から選択される1種または2種以上である。
エポキシ樹脂は、好ましくはトリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂、4,4'-ビフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂およびジシクロペンタジエン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂からなる群から選択される一種または二種以上である。
また、エポキシ樹脂が、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂、4,4'-ビフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂およびナフチルエーテル型エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも一種であることも好ましい。
樹脂組成物中のエポキシ樹脂の含有量は、成形時において、優れた流動性を実現し、充填性や密着性の向上を図る観点から、樹脂組成物全体に対して好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは7質量%以上、さらに好ましくは8質量%以上である。
また、樹脂組成物を用いて得られる半導体装置について、高温信頼性や耐リフロー性を向上させる観点から、樹脂組成物中のエポキシ樹脂の含有量は、樹脂組成物全体に対して好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは14質量%以下、さらに好ましくは13質量%以下、さらにより好ましくは12質量%以下である。
(硬化剤)
硬化剤としては、たとえば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の炭素数2~20の直鎖脂肪族ジアミン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、パラキシレンジアミン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジフェニルプロパン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、4,4'-ジアミノジフェニルスルホン、4,4'-ジアミノジシクロヘキサン、ビス(4-アミノフェニル)フェニルメタン、1,5-ジアミノナフタレン、メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミン、1,1-ビス(4-アミノフェニル)シクロヘキサン、ジシアノジアミド等のアミノ類;
アニリン変性レゾール樹脂やジメチルエーテルレゾール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert-ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;
トリヒドロキシフェニルメタン型フェノール樹脂等の多官能型フェノール樹脂;
フェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂、ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂等のフェノールアラルキル樹脂;ナフタレン骨格やアントラセン骨格のような縮合多環構造を有するフェノール樹脂;上記以外のフェノール樹脂;ポリパラオキシスチレン等のポリオキシスチレン;ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)等の脂環族酸無水物、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)等の芳香族酸無水物等を含む酸無水物等;ポリサルファイド、チオエステル、チオエーテル等のポリメルカプタン化合物;イソシアネートプレポリマー、ブロック化イソシアネート等のイソシアネート化合物;ならびにカルボン酸含有ポリエステル樹脂等の有機酸類からなる群から選択される1種または2種以上が挙げられる。
硬化剤は、好ましくは4,4'-ビフェノール、ビスA型フェノール、ビスF型フェノール、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型フェノールアラルキル樹脂、ビフェニル骨格含有フェノールアラルキル樹脂、ナフタレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂、フェノールノボラック樹脂およびジシクロペンタジエン骨格含有フェノールアラルキル樹脂からなる群から選択される一種または二種以上である。
また、硬化剤が、ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル型樹脂、ホルムアルデヒドで変性したトリフェニルメタン型フェノール樹脂およびフェノールノボラック樹脂からなる群から選択される少なくとも一種であることも好ましい。
樹脂組成物中の硬化剤の含有量は、硬化特性向上の観点から、樹脂組成物全体に対し、好ましくは0.3質量%以上であり、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上、さらにより好ましくは1.5質量%以上である。
また、成形時の流動性や充填性を向上する観点から、樹脂組成物中の硬化剤の含有量は、樹脂組成物全体に対し、好ましくは10.0質量%以下であり、より好ましくは7.0質量%以下、さらに好ましくは5.0質量%以下、さらにより好ましくは4.0質量%以下、よりいっそう好ましくは3.0質量%以下である。
(無機充填材)
無機充填材として、たとえば、溶融シリカ、結晶シリカ等のシリカ;アルミナ;タルク;酸化チタン;窒化珪素;窒化アルミニウムが挙げられる。
無機充填材は、汎用性に優れている観点から、好ましくはシリカを含み、より好ましくはシリカである。
シリカの形状の一例として、溶融球状シリカ等の球状シリカ、破砕シリカが挙げられる。
また、無機充填材がシリカ粒子を含むとき、シリカ粒子は、シリカ粒子中のウラン、トリウムの合計量が10ppb未満の低α線タイプであってもよいし、上記合計量が10ppb以上のタイプであってもよい。
無機充填材の平均粒径d50は、成形時の収縮抑制の観点から、好ましくは0.1μm以上であり、より好ましくは1.0μm以上、さらに好ましくは2.0μm以上、さらにより好ましくは4.0μm以上である。
また、成形時の充填性を向上する観点から、無機充填材の平均粒径d50は、好ましくは20μm以下であり、より好ましくは18μm以下、さらに好ましくは15μm以下、さらにより好ましくは12μm以下、よりいっそう好ましくは10μm以下である。
ここで、無機充填材の平均粒径d50は、市販のレーザー式粒度分布計(たとえば、島津製作所社製 SALD-7000)で測定したときの平均粒径(体積平均径)である。
無機充填材の最大粒径(フィラーカットポイント)は、成形時の流動性や充填性を向上する観点から、好ましくは32μm以下であり、より好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下、さらに好ましくは12μm以下、さらにより好ましくは10μm以下である。
また、無機充填材の最大粒径(フィラーカットポイント)は、たとえば3μm以上であってもよい。
樹脂組成物中の無機充填材の含有量は、機械的強度、耐水性および耐熱性の向上の観点、ならびに、反りや剥離の抑制の観点から、樹脂組成物全体に対し、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは83質量%以上である。
また、成形時の流動性や充填性向上の観点から、樹脂組成物中の無機充填材の含有量は、樹脂組成物全体に対し、たとえば98質量%以下であり、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。
(黒色顔料)
黒色顔料の具体例として、カーボンブラック、黒色酸化チタン(チタンブラック)、ピッチ等の黒色系着色剤が挙げられる。樹脂組成物が黒色含量を含む構成とすることにより、隣接するLED素子間を好適に遮光することができる。
さらに具体的には、黒色顔料は、カーボンブラックおよびチタンブラックの少なくとも一方を含む。
ここで、チタンブラックは、Tin(2n-1)(nは正の整数)として存在する。本実施形態において用いられる黒色酸化チタンTin(2n-1)としては、nが4以上6以下であるものを用いることが好ましい。nを4以上とすることにより、封止用樹脂組成物中での黒色酸化チタンの分散性を向上させることができる。一方、nを6以下とすることにより、YAGレーザー等のレーザーの捺印性を向上させることができる。ここでは、黒色酸化チタンとしてTi47、Ti59、およびTi611のうちの少なくとも一つを含むことが好ましい。
樹脂組成物中の黒色顔料の含有量は、黒色封止材113の遮光性向上の観点から、樹脂組成物全体に対して好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上である。
また、流動性の向上とコスト増加の抑制とのバランスの観点から、樹脂組成物中の黒色顔料の含有量は、樹脂組成物全体に対して好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下である。
また、封止用樹脂組成物には、上述した成分以外の成分を含んでもよく、たとえば硬化促進剤、カップリング剤、離型剤、イオン捕捉剤(イオンキャッチャー)、低応力成分、難燃剤等の各種添加剤のうち1種以上を適宜配合することができる。
樹脂組成物中のその他の添加剤の含有量は、それぞれ、樹脂組成物全体に対してたとえば0.01~10質量%程度とすることができる。
硬化促進剤は、たとえば、有機ホスフィン、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物等のリン原子含有化合物;1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7、ベンジルジメチルアミン、2-メチルイミダゾール等が例示されるアミジンや3級アミン、上記アミジンやアミンの4級塩等の窒素原子含有化合物から選択される1種類または2種類以上を含むことができる。これらの中でも、硬化性を向上させる観点からはリン原子含有化合物を含むことがより好ましい。また、成形性と硬化性のバランスを向上させる観点からは、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物等の潜伏性を有するものを含むことがより好ましい。
樹脂組成物中の硬化促進剤の含有量は、樹脂組成物の硬化性をより好ましいものとするの観点から、樹脂組成物全体に対して好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、また、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下である。
カップリング剤は、たとえば、エポキシシラン、メルカプトシラン、フェニルアミノシラン等のアミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン、メタクリルシラン等の各種シラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニウム系化合物等の公知のカップリング剤から選択される1種類または2種類以上を含むことができる。これらの中でも、本発明の効果をより効果的に発現するものとして、エポキシシランまたはアミノシランを含むことがより好ましい。また、カップリング剤がアミノシランおよびメルカプトシランからなる群から選択される少なくとも一種を含むことも好ましい。
同様の観点から、樹脂組成物中のカップリング剤の含有量は、樹脂組成物全体に対して好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、また、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以下である。
離型剤は、たとえばカルナバワックス等の天然ワックス;ジエタノールアミン・ジモンタンエステル、モンタン酸エステルワックス等の合成ワックス;1-アルケン(C>10)・マレイン酸無水物の重縮合物;ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸およびその金属塩類;ならびにパラフィンから選択される1種類または2種類以上を含むことができる。
樹脂組成物中の離型剤の含有量は、樹脂組成物全体に対してたとえば0.05~0.5質量%である。
イオン捕捉剤(イオンキャッチャー)は、たとえば、ハイドロタルサイトを含む。
樹脂組成物中のイオン捕捉剤の含有量は、樹脂組成物全体に対してたとえば0.1~0.5質量%である。
低応力成分は、たとえば、シリコーンオイル、シリコーンゴム等のシリコーン類;ジメチルシロキサン-アルキルカルボン酸-(1-メチルエチリデン)ビスフェノールジグリシジルエーテル共重合体、および、カルボキシル基末端ブタジエン・アクリロニトリル共重合体からなる群から選択される少なくとも一種を含む。
樹脂組成物中の低応力成分の含有量は、樹脂組成物全体に対してたとえば0.1~2質量%である。
難燃剤は、たとえば水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、ホスファゼンから選択される1種または2種以上を含むことができる。
樹脂組成物中の難燃剤の含有量は、樹脂組成物全体に対してたとえば1~3質量%である。
また、工程が増加するのを抑制する観点、および、現像液による浸食及びLED装置の信頼性向上の観点から、樹脂組成物は好ましくは感光材を含まない。
(樹脂組成物の製造方法)
次に、樹脂組成物の製造方法を説明する。
樹脂組成物は、たとえば、上述した各成分を、公知の手段で混合し、さらにロール、ニーダーまたは押出機等の混練機で溶融混練し、冷却した後に粉砕する方法により得ることができる。また、必要に応じて、上記方法における粉砕後にタブレット状に打錠して粒状の樹脂組成物を得てもよい。また、上記方法における粉砕後にたとえば真空ラミネート成形または圧縮成形によりシート状の樹脂組成物を得てもよい。また得られた封止用樹脂組成物について、適宜分散度や流動性等を調整してもよい。
得られた樹脂組成物を黒色樹脂組成物111(図1(b)等)としてLED表示装置の製造に用いることができる。
(特性)
以下、樹脂組成物またはその硬化物の特性の具体例を示す。なお、各特定の測定方法については実施例の項で後述する。
樹脂組成物のスパイラルフローは、成形時の充填性向上の観点から、たとえば115~200cmである。
樹脂組成物のゲルタイムは、成形性をより好ましいものとする観点から、たとえば45~75秒である。
樹脂組成物の硬化物について、TMAにて測定されるガラス転移温度Tgは、耐熱性向上の観点から、たとえば105℃以上であり、また、たとえば170℃以下であってもよい。
TMAにて測定される、樹脂組成物の硬化物のTg未満における線膨張係数α1は、反り抑制の観点から、たとえば5~20ppm/℃である。同様の観点から、樹脂組成物の硬化物のTg以上における線膨張係数α2は、たとえば30~55ppm/℃である。
樹脂組成物の硬化物の25℃における曲げ強度は、信頼性向上の観点から、たとえば120~190MPaである。同様の観点から、樹脂組成物の硬化物の260℃における曲げ強度は、たとえば5~35MPaである。
樹脂組成物の硬化物の25℃における曲げ弾性率は、ハンドリング性向上および反り抑制の観点から、たとえば16000~21000MPaである。樹脂組成物の硬化物の260℃における曲げ弾性率は、機械強度および信頼性向上の観点から、たとえば100~1200MPaである。
また、樹脂組成物の硬化物の吸水率は、信頼性向上の観点から、たとえば0.3%以下であり、また、たとえば0.01%以上であってもよい。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
本発明は、以下の態様を含む。
[1] 複数のLED素子が実装されている基板を準備する工程と、
黒色樹脂組成物を圧縮成形することにより、前記黒色樹脂組成物を前記複数のLED素子間に充填して封止材を形成する工程と、
を含む、LED基板の製造方法。
[2] 基板を準備する前記工程が、LED素子の上面に透明犠牲層が配設された前記複数のLED素子が実装されている前記基板を準備する工程である、[1]に記載のLED基板の製造方法。
[3] 基板を準備する前記工程の後、封止材を形成する前記工程の前に、前記基板を表面処理する工程をさらに含む、[1]または[2]に記載のLED基板の製造方法。
[4] 封止材を形成する前記工程の後、前記LED素子の上部に形成された前記封止材を研削する工程をさらに含む、[1]乃至[3]いずれか一つに記載のLED基板の製造方法。
[5] 基板を準備する前記工程が、LED素子の上面に透明犠牲層が配設された前記複数のLED素子が実装されている前記基板を準備する工程であり、
封止材を研削する前記工程において、前記透明犠牲層を露出させる、[4]に記載のLED基板の製造方法。
[6] 封止材を形成する前記工程において、前記基板の前記LED素子の搭載面から前記基板の鉛直方向における前記封止材の充填高さを30μm以上とする、[1]乃至[5]いずれか一つに記載のLED基板の製造方法。
[7] 前記黒色樹脂組成物の硬化物の400~800nmの波長領域における光学濃度(OD値)が3以上である、[1]乃至[6]いずれか一つに記載のLED基板の製造方法。
[8] 前記黒色樹脂組成物が、
エポキシ樹脂と、
硬化剤と、
無機充填材と、
黒色顔料と、
を含む、[1]乃至[7]いずれか一つに記載のLED基板の製造方法。
[9] 前記黒色顔料がチタンブラックを含む、[8]に記載のLED基板の製造方法。
[10] 前記黒色樹脂組成物が感光材を含まない、[1]乃至[9]いずれか一つに記載のLED基板の製造方法。
以下、実施例を挙げて本実施形態を具体的に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1~5)
(樹脂組成物の調製)
各例について、以下のように黒色樹脂組成物を調製した。
まず、表1に示す各成分をミキサーにより混合した。次いで、得られた混合物をロール混練した後、冷却、粉砕して粉粒体である樹脂組成物を得た。
表1中の各成分の詳細は下記のとおりである。また、表1中に示す各成分の配合割合は、樹脂組成物全体に対する配合割合(質量部)を示している。
エポキシ樹脂1:トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂および4,4'-ビフェノール型エポキシ樹脂の混合物、EPIKOTE YL6677、三菱ケミカル社製
エポキシ樹脂2:ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、NC3000、日本火薬社製
エポキシ樹脂3:ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、NC3000L、日本火薬社製
エポキシ樹脂4:ナフチルエーテル型エポキシ樹脂、HP-6000L、DIC社製
硬化剤1:ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル型樹脂、MEH-7851SS、明和化成社製
硬化剤2:ホルムアルデヒドで変性したトリフェニルメタン型フェノール樹脂、SK Resin HE910-20、エアウォーターケミカル社製
無機充填材1:溶融シリカ、SC-2500-SQ、アドマテックス社製、平均粒径0.5μm
無機充填材2:溶融シリカ、SC-5500-SQ、アドマテックス社製、平均粒径1.5μm
無機充填材3:溶融シリカ、MUF-4V、龍森社製、平均粒径4.0μm
無機充填材4:溶融シリカ、TS-6021、マイクロン社製、平均粒径9.0μm
難燃剤1:水酸化アルミニウム、BE043、日本軽金属社製、平均粒径4.0μm
黒色顔料1:カーボンブラック、東海カーボン社製
硬化促進剤1:テトラフェニルホスホニウム・4,4'-スルフォニルジフェノラート
硬化促進剤2:テトラフェニルホスホニウムビス(ナフタレン-2,3-ジオキシ)フェニルシリケート
カップリング剤1:N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン
カップリング剤2:γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、チッソ社製
カップリング剤3:3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン
イオンキャッチャー1:ハイドロタルサイト、DHT-4H、協和化学社製
イオンキャッチャー2:ハイドロタルサイト、東亞合成社製
低応力材1:ジメチルシロキサン-アルキルカルボン酸-(1-メチルエチリデン)ビスフェノールジグリシジルエーテル共重合体
低応力材2:カルボキシル基末端ブタジエン・アクリロニトリル共重合体、HYCAR CTBN 1008-SP、ピイ・ティ・アイ・ジャパン社製
低応力材3:ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン、グリシドキシプロピル変性ジメチルポリシロキサン、FZ-3730、ダウ・東レ社製
離型剤1:モンタン酸エステルワックス、Licolub WE 4 powder、クラリアント社製
離型剤2:カルナウバワックス、TOWAX-132、東亜化成社製
離型剤3:1-アルケン(C>10)・マレイン酸無水物の重縮合物、エア・ウォーター社製
離型剤4:ジエタノールアミン・ジモンタンエステル、Licomont TP NC 133、伊藤製油社製
(樹脂組成物の特性)
(スパイラルフロー)
各例の樹脂組成物を用いてスパイラルフロー試験を行った。
試験は、低圧トランスファー成形機(コータキ精機社製「KTS-15」)を用いて、EMMI-1-66に準じたスパイラルフロー測定用の金型に、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間120秒の条件で封止用樹脂組成物を注入し、流動長(cm)を測定することにより行った。数値が大きいほど、流動性が良好であることを示す。測定結果を表1に示す。
(ゲルタイム)
175℃に加熱した熱板上で実施例および比較例の封止用樹脂組成物をそれぞれ溶融後、へらで練りながら硬化するまでの時間(単位:秒)を測定した。測定結果を表1に示す。
(ガラス転移温度Tg、線膨張係数α1、α2)
各例で得られた樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度および線膨張係数を、次のように測定した。
まず、トランスファー成形機を用いて金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間3分で半導体封止用樹脂組成物を注入成形し、15mm×4mm×4mmの試験片を得た。次いで、得られた試験片を175℃、4時間で後硬化した後、熱機械分析装置(セイコー電子工業社製、TMA100)を用いて、測定温度範囲0℃~320℃、昇温速度5℃/分の条件下で測定を行った。
この測定結果から、ガラス転移温度Tg(℃)、Tg未満における線膨張係数(α1(ppm/℃))、Tg以上における線膨張係数(α2(ppm/℃))を算出した。α1は、40℃~80℃における線膨張係数、α2は、190℃~230℃における線膨張係数とした。結果を表1に示す。
(曲げ強度、曲げ弾性率)
各例で得られた樹脂組成物を、低圧トランスファー成形機(コータキ精機社製「KTS-30」)を用いて、金型温度175℃、注入圧力10.0MPa、硬化時間120秒の条件で金型に注入成形した。これにより、幅10mm、厚み4mm、長さ80mmの成形品を得た。次いで、得られた成形品を175℃、4時間の条件で後硬化させた。これにより、機械的強度の評価用の試験片を作製した。そして、試験片の25℃(室温)または260℃における曲げ強度および曲げ弾性率を、JIS K 6911に準拠して測定した。測定結果を表1に示す。
(吸水率)
各例で得られた樹脂組成物を120℃で4時間加熱して硬化物を得、これを150℃にて16時間乾燥させた。このときの硬化物の質量を吸湿処理前の質量とした。
続いて、温度125℃、圧力0.2MPa、相対湿度100%RHの条件で、24時間吸湿処理した。このときの硬化物の質量を吸湿処理後の質量とした。
そして、以下の式より、吸水率を算出した。
式:(吸水率)={(吸湿処理後の質量-吸湿処理前の質量)/吸湿処理前の質量}×100(%)
測定結果を表1に示す。
(OD値)
圧縮成形機(TOWA株式会社製、PMC1040)にて、基板上に厚さ100μmの成形物を作製した(成形条件:金型温度175℃、成形時間2分)。得られた成形物を基板上から剥がし、封止材(樹脂組成物の硬化物)のみの試験片を作製した。
試験片を切り出して、上記厚さのまま小片化し、外可視赤外分光光度計(日本分光社製、V-670)に投入しOD値を測定した。測定結果を表1に示す。
(LED基板の製造方法)
幅25μm×奥行き15μm×高さ2.5μmの微小サイズのLED素子と同一の外形を有するように熱硬化型のエポキシ樹脂を成形して擬似LED素子を、200×300mmサイズのガラスエポキシ配線基板の表面に2mmピッチで配置した擬似LEDモジュールを用意した。
その後、上記疑似LEDモジュールに対して、圧縮成形条件(金型温度175℃、成形時間2分)によって、各例で準備した樹脂組成物を成形し、硬化させた後、厚さ50μmになるように成形物を作製した。
(評価方法)
(狭部充填性)
上記「LED基板の製造方法」の項で得られた成形物について、狭部充填性を評価した。上記疑似LEDモジュールでは、2mmピッチで擬似LED素子が配置されている。この2mmの隙間への各例の樹脂組成物の埋込性について、ボイドなく完全に充填されている場合をA、ボイド又は欠損が一部でもある場合をBとして目視により評価した。評価結果を表1に示す。
(残渣除去性)
LED素子上のEME残渣(厚さ3μm)に対して、Arプラズマ照射を300W、5分行い、残渣を完全に除去できているものをA、除去できていないものをBとして目視により評価した。評価結果を表1に示す。
(遮光性)
圧縮成形条件(金型温度175℃、成形時間2分)によって、各例で準備した樹脂組成物を成形し、硬化させた後、厚さ50μmになるように成形物を作製した。その後、成形物に対して、光学濃度計(日本分光社製)を用いて波長200~1500nmの光を照射して吸収率を測定し、平均吸収率が95%以上の場合をA、平均吸収率が95%未満の場合をBとして評価した。評価結果を表1に示す。
Figure 2023067846000002
表1より、各例で得られた樹脂組成物は、硬化物の狭部充填性、残渣除去性および遮光性に優れていた。
100 LED基板
101 基板
102 LED基板
103a LED素子
103b LED素子
103c LED素子
105 電極
107a 金型
107b 金型
109 離型膜
110 素子搭載基板
111 黒色樹脂組成物
112 素子搭載基板
113 黒色封止材
114 素子搭載基板
115 犠牲層
117 表面処理層
119 バリ
121 黒色層
123 研磨パッド
125 バリ

Claims (10)

  1. 複数のLED素子が実装されている基板を準備する工程と、
    黒色樹脂組成物を圧縮成形することにより、前記黒色樹脂組成物を前記複数のLED素子間に充填して封止材を形成する工程と、
    を含む、LED基板の製造方法。
  2. 基板を準備する前記工程が、LED素子の上面に透明犠牲層が配設された前記複数のLED素子が実装されている前記基板を準備する工程である、請求項1に記載のLED基板の製造方法。
  3. 基板を準備する前記工程の後、封止材を形成する前記工程の前に、前記基板を表面処理する工程をさらに含む、請求項1または2に記載のLED基板の製造方法。
  4. 封止材を形成する前記工程の後、前記LED素子の上部に形成された前記封止材を研削する工程をさらに含む、請求項1または2に記載のLED基板の製造方法。
  5. 基板を準備する前記工程が、LED素子の上面に透明犠牲層が配設された前記複数のLED素子が実装されている前記基板を準備する工程であり、
    封止材を研削する前記工程において、前記透明犠牲層を露出させる、請求項4に記載のLED基板の製造方法。
  6. 封止材を形成する前記工程において、前記基板の前記LED素子の搭載面から前記基板の鉛直方向における前記封止材の充填高さを30μm以上とする、請求項1または2に記載のLED基板の製造方法。
  7. 前記黒色樹脂組成物の硬化物の400~800nmの波長領域における光学濃度(OD値)が3以上である、請求項1または2に記載のLED基板の製造方法。
  8. 前記黒色樹脂組成物が、
    エポキシ樹脂と、
    硬化剤と、
    無機充填材と、
    黒色顔料と、
    を含む、請求項1または2に記載のLED基板の製造方法。
  9. 前記黒色顔料がチタンブラックを含む、請求項8に記載のLED基板の製造方法。
  10. 前記黒色樹脂組成物が感光材を含まない、請求項1または2に記載のLED基板の製造方法。
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