JP3376797B2 - 感光性樹脂組成物および印刷版材 - Google Patents

感光性樹脂組成物および印刷版材

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JP3376797B2
JP3376797B2 JP33952295A JP33952295A JP3376797B2 JP 3376797 B2 JP3376797 B2 JP 3376797B2 JP 33952295 A JP33952295 A JP 33952295A JP 33952295 A JP33952295 A JP 33952295A JP 3376797 B2 JP3376797 B2 JP 3376797B2
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は印刷版用感光性樹脂組成
物およびそれを用いた印刷版材に関するものであり、特
に耐水性と水現像性が両立されたフレキソ印刷版用感光
性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塩素化ゴム、スチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体、ポリウレタン等のエラストマ−を担体樹
脂成分として、これにエチレン系不飽和化合物、光重合
開始剤を配合した感光性樹脂組成物はエラストマーの特
性を生かして、フレキソ印刷版材として有用であり、米
国特許2948611号、3024180号、特公昭5
1−43374号公報等のように、多くの提案がなされ
ている。
【0003】このような感光性樹脂固形版材は、ハロゲ
ン化炭化水素現像を必要としていたため、水で現像でき
る感光性樹脂固形フレキソ印刷版材の開発が望まれ、提
案されている。
【0004】特開昭51−53903号公報、特開昭5
3−10648号公報には、カルボキシル基を有するポ
リマが金属塩やアンモニウム塩を形成したものを含有す
る感光性樹脂組成物が提案されたが、組成物が液状であ
ったり、印刷版として使用の場合に十分な耐水性が得ら
れないという問題があった。また特開昭61−2233
9号公報にカルボキシル基を有する共重合体と第2級ま
たは第3級窒素原子を有するビニル化合物との塩構造を
有する光重合性組成物が提案されているが、印刷時の機
械的強度が不足することや、低硬度の版材を作成するこ
とが困難であるという問題があった。それを解消するた
めに、特公平5−6178号公報、米国特許第5229
434号にはカルボキシル基を有するマイクロゲル粒子
がアンモニウムと塩構造を形成し、その結果、水現像性
と耐水性とを両立し機械的強度を改良したとする感光性
樹脂組成物が提案されている。しかしながらマイクロゲ
ル粒子を含有するために、現像時にゲル粒子が粒子の形
態で、残存や脱離するため、水現像後のレリーフエッジ
に凹凸が発生し、そのため微小なレリーフの画像再現性
が低下するという問題が存在していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、画像再現性
が良好で、水による現像が可能であり、さらに水性イン
キに適合性のある印刷版用感光性樹脂組成物を開発する
ことを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の課題は、 「A)0.2〜2.0mole/kg のアニオン性基を含有
する疎水性ポリマ、 (B)0.2〜3.5mole/kg のカチオン性基を含有す
る数平均分子量1000以上のポリマ、 (C)エチレン系不飽和モノマおよび (D)光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物であっ
て、全組成物中に、アニオン性基を0.15mole/kg 以
含有し、カチオン性基を0.15mole/kg 以上含有
ことを特徴とする感光性樹脂組成物。」によって解決
される。
【0007】本発明では特定量のアニオン性基を含有す
疎水性ポリマと特定量のカチオン性基を含有するポリ
マとを組み合わせることによって、塩構造を形成し、水
で現像するときは、その塩構造が解離して溶解する特性
を有し、また光照射によって架橋構造が生成し、その結
果溶解性は著しく低下する特性を有するものである。さ
らにカチオン性基を含有するポリマとして数平均分子量
1000以上のポリマを配合することによって、さらに
水に対する溶解性や光による架橋構造を堅固なものと
し、その結果、水現像、水性インキに対する耐性、高い
印刷特性を有する印刷版を得ることができるものと推察
している。
【0008】本発明のアニオン性基とは、アニオンを有
する官能基または解離によってアニオンを生じる官能基
を言い、それぞれカルボキシル基、スルホン酸基、フェ
ノール性水酸基、リン酸基およびこれらの誘導体が例示
される。なかでもカルボキシル基が好ましく用いられ
る。
【0009】また本発明のカチオン性基とは、プロトン
の付加によってカチオン生成を有する性質の基またはカ
チオンを有する官能基を言う。なかでも金属イオン以外
のもの、アンモニア以外のものが好ましく、特にアミノ
基が好ましい。さらにさらに3級アミノ基および4級ア
ミノ基が好ましく、なかでも3級アミノ基が好ましく用
いられる。
【0010】本発明の感光性樹脂組成物におけるアニオ
ン性基の量としては、0.15mole/kg 以上含有する必
要があり、さらに0.15〜1.40mole/kg の量が好
ましく用いられる。一方、感光性樹脂組成物におけるカ
チオン性基の量としては0.15mole/kg 以上含有する
必要があり、さらに0.20〜1.65mole/kg の量が
好ましく用いられる。アニオン性基およびカチオン性基
の量が少ないと、水現像性が低下する傾向があり、また
量が多いと得られる印刷版の水に対する膨潤が大きくな
り好ましくない。またアニオン性基数/カチオン性基数
の比が0.2〜1.7の範囲にあることが好ましい。こ
の値が小さいと得られる印刷版の水に対する膨順が大き
くなる傾向にあり、また小さいと水現像性が低下する傾
向にある。
【0011】本発明の感光性樹脂組成物にはカチオン性
基を含有する数平均分子量1000以上のポリマを含有
させる必要がある。数平均分子量1000以上のポリマ
が配合されない場合には、水に対する膨潤が大きくなた
ったり、印刷時の機械的強度が不足する傾向があるため
である。ここでカチオン性基を含有する数平均分子量1
000以上のポリマには、同一分子内にアニオン性基が
結合されていても良い。
【0012】さらに感光性樹脂組成物には、感光性をも
たせるために、光照射によって、架橋性、分解性、官能
基転化性の官能基を有する化合物が一般的に配合され
る。なかでも、本発明の目的である印刷版の用途には、
光によって架橋性の構造をとるものが好ましく、本発明
の感光性樹脂組成物に(C)エチレン系不飽和モノマお
よび(D)光重合開始剤を含有させることが一般的であ
る。
【0013】上記に示したような感光性樹脂組成物の具
体的な組成としては、 (A)0.2〜2.0mole/kg のアニオン性基を含有す
疎水性ポリマ、 (B)0.2〜3.5mole/kg のカチオン性基を含有す
る数平均分子量1000以上のポリマ、 (C)エチレン系不飽和モノマ、および (D)光重合開始剤を含有するものが好ましく用いられ
る。
【0014】(A)成分のアニオン性基を含有するポリ
マとしては、疎水性のものが好ましく、厚さ1mmのフ
ィルムとして、室温の水に24時間浸せきした後に、水
膨潤率が5重量%以下のものが好ましく用いられる。
【0015】このようなポリマとしては、アニオン性基
を側鎖に有する付加重合体、重縮合体、重付加体、付加
縮合体があげられる。なかでも付加重合体、重付加体が
好ましく用いられる。
【0016】付加重合体からなる(A)アニオン性基を
含有するポリマは、側鎖にアニオン性基を有し、重合性
の炭素−炭素不飽和結合を有するモノマを重合すること
によって得られる。また、さらに側鎖にアニオン性基を
有さない重合性の炭素−炭素不飽和結合を有するモノマ
との共重合体であることも有効である。またアニオン性
基を持たない重合体にグラフト反応させることによっ
て、アニオン性基を導入することもできる。
【0017】アニオン性基と重合性の炭素−炭素不飽和
結合を有するモノマとしては、例えばアクリル酸、メタ
クリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハ
ク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル
酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのカルボキ
シル基を持つ化合物が一般的に用いられる。
【0018】また上記アニオン性基を有するモノマとは
別に、共重合することができるアニオン性基を有しない
重合性の炭素−炭素不飽和結合を有するモノマとして
は、(メタ)アクリル酸エステル類、脂肪族ジエンモノ
マなどをあげることができる。 具体的な(メタ)アク
リル酸エステル類とは、例えば、メチル(メタ)アクリ
レート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソ
アミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メ
タ)アクリレート等を挙げることができる。
【0019】また脂肪族ジエンモノマとしては、例えば
ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、ペンタジエン
等を挙げることができる。
【0020】その他に共重合可能なモノマとして、スチ
レン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族
ビニルや芳香族ビニリデン、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル等のシアン化ビニルやシアン化ビニリデン
などが例示される。
【0021】これらの化合物から、公知の方法により付
加重合することによりアニオン性基を有するポリマを得
ることができる。例えば、炭素−炭素不飽和結合とアニ
オン性基とを有する化合物をベンゼンやメチルエチルケ
トンなどの有機溶剤中に溶解し、熱重合開始剤や光重合
開始剤などによりラジカル重合することにより得ること
ができる。
【0022】また重付加体としては、ウレタン結合を有
するポリマすなわちポリウレタンが好ましく用いられ
る。このようなポリマはジイソシアネート類とアニオン
性基含有のポリオール類とを組み合わせて、イソシアネ
ートと水酸基とのウレタン化反応によって製造すること
ができる。
【0023】ジイソシアネート類としては、例えば、ト
リレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシア
ネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,
4’−ジイソシアネート、フェニレンジイソシアネー
ト、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ナフチ
レン−1,5−ジイソシアネート、キシリレンジイソシ
アネート、テトレメチルキシリレンジイソシアネート、
1,4−テトラメチレンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート等の芳香族、脂肪族、脂環族、芳香脂
環族のジイソシアネートが挙げられる。
【0024】またジイソシアネートとして組み合わせて
重合されるアニオン性基を含有するポリオールとして
は、分子中に2つの水酸基と1つ以上のアニオン性基を
有する化合物が一般的である。
【0025】具体的にはジメチロール酢酸、ジメチロー
ルプロピオン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草
酸、ジメチロールカブロン酸などの分子中に2つの水酸
基と1つのカルボキシル基を有する化合物が挙げられ
る。また、特開平3−206456公報にあるスルホン
酸基含有ポリアミドジオールやスルホン酸基含有ポリエ
ステルジオール、特開平5−263060公報にあるカ
ルボキシル基を有する部分酸変性ポリオールなどが挙げ
られる。
【0026】またアニオン性基を有しないポリオールを
共重合成分として含有させることもでき、多価アルコー
ル、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール
が使用できる。
【0027】多価アルコールとしては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、グレセリン、トリメチロ
ールプロパン、ペンタエリトリットなどが例示される。
またポリエーテルポリオールとしては、ポリオキシエチ
レングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポ
リオキシエチレンポキシプロピレングリコール、ポリオ
キシテトラメチレングリコールなどが例示される。末端
水酸基を有する1,4−ポリブタジエン、水添又は非水
添1,2−ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重
合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体などのポ
リマーポリオールなど挙げられる。
【0028】それ以外にも、ポリエステルポリオールを
用いることができる。例えばポリカプロラクトンジオー
ル、ポリバレロラクロンジオール、ポリエチレンアジペ
ートジオール、ポリプロピレンアジペートジオールが例
示される。例えば、(無水)マレイン酸、(無水)コハ
ク酸、アジピン酸、フマル酸、(無水)フタル酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸、(無水)メチルテトラヒドロ
フタル酸、(無水)テトラヒドロフタル酸、セバシン
酸、ドデカン二酸、アゼライン酸、グルタル酸、(無
水)トリメリット酸、(無水)ヘキサヒドロフタル酸等
の多塩基酸と、例えば、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−
ブチレングレコール、1,4−ブチレングリコール、
2,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、
デカンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グ
リコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコ
ール等の脂肪族ポリエーテルグリコール、グリセリン、
トリメチロールプロパン、1,4−シクロヘキサンジメ
タノール、ヒドロキシビバリン酸ネオペンチルグリコー
ルエステル、1,4−シクロヘキサンジオール等の多価
アルコールを通常の方法にてエステル化反応させること
により得ることができる。
【0029】その他に末端水酸基を有する1,4−ポリ
ブタジエン、水添又は非水添1,2−ポリブタジエン、
ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−アクリロ
ニトリル共重合体などのポリマーポリオールなど挙げら
れる。
【0030】上記、ジイソシアネート類とポリオール類
との反応は公知の方法で行うことができる。例えば、ジ
イソシアネートとアニオン性基含有のポリオール類とそ
の他のポリオールなどを、必要であれば有機溶剤などに
溶解し、加熱撹はんすることなどにより得ることができ
る。
【0031】このような付加重合体からなるアニオン性
基を含有するポリマと、重付加体からなるアニオン性基
を含有するポリマ、すなわち疎水性ポリウレタンとは、
混合して使用することも可能である。
【0032】この場合、アニオン性基を含有するポリウ
レタンの含有量としては、感光性樹脂組成物において、
10重量%以上、さらに15重量%以上、また70重量
%以下さらに60重量%以下が好ましく用いられる。さ
らにアニオン性基を含有する疎水性ポリマ(A)中にお
いて、50重量%以上、さらに80重量%以上で含むこ
とが好ましい。添加量が少ないと、得られる印刷版の柔
軟性が不足することが多いためである。
【0033】アニオン性基を含有するポリマ(A)にお
けるアニオン性基当量としては、好ましくは0.2〜
2.0mole/kg の範囲で、さらに好ましくは0.3〜
1.0mole/kg の範囲である。アニオン性基当量が0.
2mole/kg より小さいと水現像性が遅くなる傾向にあ
り、また2.0mole/kg より大きいと水膨潤率が大きく
なり水性インキに対する耐性が劣る傾向がある。
【0034】(A)アニオン性基を含有するポリマの分
子量としては、数平均分子量が1000〜100000
0が好ましい。分子量が低いと版材の固化性が悪く、ま
た分子量が大きいと水現像性が悪化する傾向がある。
【0035】(A)アニオン性基を含有するポリマの量
としては、全組成物に対して、10〜70重量%、さら
に15〜50重量%が好ましく用いられる。10重量%
より少ないと、得られる印刷版の耐水性が不足し、70
重量%より多いと水現像性が不足する傾向がある。
【0036】次に(B)成分のカチオン性基を含有する
分子量1000以上のポリマについて説明する。
【0037】このようなポリマとしては、カチオン性基
を側鎖に有する付加重合体、重縮合体、重付加体、付加
縮合体があげられる。なかでも付加重合体が好ましく用
いられる。
【0038】付加重合体からなる(B)カチオン性基を
含有する疎水性ポリマは、側鎖にカチオン性基を有し、
重合性の炭素−炭素不飽和結合を有するモノマを重合す
ることによって得られる。また、さらに側鎖にカチオン
性基を有さない重合性の炭素−炭素二重結合を有するモ
ノマとの共重合体であることも有効である。また重合体
に対して、グラフト反応によってカチオン性基を導入し
たものも有効である。
【0039】付加重合体としては、アミノアルキル(メ
タ)アクリレート系モノマやアミノアルキル(メタ)ア
クリルアミド系化合物を重合して得られるところのポリ
マであり、さらに上記モノマのアミノ基が3級化されて
いるものが好ましい。具体的には、ジアルキルアミノア
ルキル(メタ)アクリレート系モノマとして、N,N−
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−
ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどがあ
り、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド
系化合物としては、N,N−ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル
(メタ)アクリルアミドなどがある。さらにこれらが持
つ3級アミノ基と塩酸、硫酸、酢酸などとの塩形成物
や、第3級アミンとハロゲン化アルキル、硫酸エステル
などと反応させて得られるところの第4級アンモニウム
塩形成物などがある。
【0040】さらに、上記モノマと他の種類のモノマと
の共重合体も使用できる。共重合できるモノマとして
は、2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレートなどのアルコール性水
酸基を有するモノ(メタ)アクリル酸エステルや、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)ア
クリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル
(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレー
ト、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)ア
クリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル
(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレー
ト、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル
(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレ
ート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシ
ル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレ
ート、エイコサ(メタ)アクリレート、ウネイコサ(メ
タ)アクリレート、ドデイコサ(メタ)アクリレートお
よびそれらの異性体などのアルキル(メタ)アクリレー
トや、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、イソオクチルオキシジエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール
(メタ)アクリレート、フェノキシトリエチレングリコ
ール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリ
コール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレング
リコール(メタ)アクリレート、ノニルフェニルオクタ
デシルエチレングリコール(メタ)アクリレート、メト
キシジプロピレングリコール(メタ)アクリレートおよ
びそれらの異性体などのアルコキシアルキレングリコー
ル(メタ)アクリレートや、(メタ)アクリルアミド、
N−メチロール(メタ)アクリルアミドが例示される。
【0041】なかでも、カチオン性基を持たないモノマ
として好ましいのはアルキル(メタ)アクリレート、ア
ルコール性水酸基を有するモノ(メタ)アクリレートで
あり、その結果(B)カチオン性基を含有する数平均分
子量1000以上のポリマがアルコール性水酸基を有す
るものであることも、水現像性の向上のために有効であ
る。
【0042】付加重合体においてカチオン性基と炭素−
炭素不飽和結合を有する化合物、水酸基を有するモノ
(メタ)アクリレートおよびアルキル(メタ)アクリレ
ートの共重合比率は、それぞれ10〜70重量%、0〜
50重量%、20〜90重量%であることが好ましい。
カチオン性基と炭素−炭素不飽和結合を有する化合物の
量が10重量%より少ないと水現像性が遅く好ましくな
く、70重量%より多いと印刷版の耐水性が不足するこ
とが多い。また水酸基を有するモノ(メタ)アクリレー
トの量が、50重量%より多いと印刷版の耐水性が不足
することが多い。アルキル(メタ)アクリレートの量が
20重量%より少ないと印刷版の耐水性が不足し、90
重量%より多くなると水現像性が不足することが多い。
【0043】カチオン性基を含有する分子量1000以
上のポリマ(B)のカチオン性基当量は0.2〜3.5
mole/kg 、より好ましくは0.5〜3.0mole/kg の範
囲である。当量が0.2mole/kg より小さいと水現像性
が不足することが多く、3.5mole/kg より大きいと印
刷物の耐水性が不足することが多い。
【0044】カチオン性基を含有する分子量1000以
上のポリマ(B)は、全組成物に対して1〜60重量
%、さらに3〜50重量%であることが好ましく、1重
量%より少ないと水現像性が不足することが多く、60
重量%より多いと水膨潤率が大きくなる傾向にある。
【0045】本発明に好ましく配合される(C)成分の
エチレン系不飽和モノマは、付加重合性のものであれば
任意に用いられる。例えば、次のようなものを挙げるこ
とができる。メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、、
ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アク
リレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、
ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)ア
クリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、シクロ
ヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メ
タ)アクリレート、クロロエチル(メタ)アクリレー
ト、クロロプロピル(メタ)アクリレート等のハロゲン
化アルキル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メ
タ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキ
シアルキル(メタ)アクリレート、フェノキシエチルア
クリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレ
ートなどのフェノキシアルキル (メタ)アクリレー
ト、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、メトキシジプロピレングレコール(メタ)アクリ
レートなどのアルコキシアルキレングリコール(メタ)
アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,
6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなどのア
ルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、その他ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートのような
(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸のエステル
類。(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アク
リルアミド、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリル
アミドのような(メタ)アクリルアミド類。2、2−ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2,2−ジ
エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどで
ある。その他、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベ
ンゼン、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリド
ンなども使用できる。
【0046】以上説明した(A)成分および(B)成分
の化学構造としては、直鎖構造または分岐構造のもので
あることが好ましい。
【0047】(C)成分のエチレン系不飽和モノマは、
全組成物に対して10〜50重量%での配合量が好まし
く、より好ましくは15〜40重量%である。10重量
%より少ないと、印刷版の画像再現性が悪く、50重量
%より多いと反発弾性が不足する傾向にある。
【0048】(D)成分の光重合開始剤としては、光に
よって(C)成分のエチレン系不飽和モノマを重合させ
ることが可能な化合物が全て使用できる。なかでも、光
吸収によって、自己分解や水素引き抜きによってラジカ
ルを生成する機能を有するものが好ましく用いられる。
例えば、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンゾフェノ
ン類、アントラキノン類、ベンジル類、アセトフェノン
類、ジアセチル類などある。光重合開始剤の配合量とし
ては、全組成物に対して0.1〜10重量%の範囲が好
ましい。
【0049】また(A)〜(D)の他に、カチオン性基
を有する低分子量の化合物も添加することも可能であ
る。そのような化合物としては、分子量500以下で第
3級アミンを有するものであることが好ましい。分子量
500以下の第3級アミンを有する化合物としては、ト
リメチルアミン、トリエチルアミン、ステアリルジメチ
ルアミン等のアルキルアミン類、トリメタノールアミ
ン、トリエタノールアミンなどのアルコールアミン類が
例示される。カチオン性基を含有する低分子化合物を配
合する場合には、全組成物に対して0.1〜20重量
%、より好ましくは0.5〜10重量%である。
【0050】また、(A)〜(D)に定義されていない
各種ポリマを配合することができる。例えば、各成分間
の相溶性を増すために室温で液状のポリエン化合物の配
合が有効である。このような化合物としては、数平均分
子量500〜50000のものが好ましく用いられる。
具体的には、実質的に結晶性を有しておらず、室温で液
体のポリブタジエン、ポリイソプレン、さらにはこれら
のポリエンの末端基あるいは分子鎖の反応性を利用した
変性体がある。変性体としては、分子内あるいは末端マ
レイン化物、エポキシ化物、アクリロイル化物およびメ
タクリロイル化物が例示される。このポリエン化合物を
配合する場合には、全組成物に対して1〜15重量%の
範囲の量が好ましい。また印刷版の耐水性や反発弾性を
向上させるために、室温で固体状のエラストマも配合で
き、例えば天然ゴムや合成ゴムが使用できる。具体的に
はニトリルゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、エピクロ
ルヒドリンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エチ
レン−プロピレン共重合体、ウレタン系エラストマー、
エステル系エラストマー、塩素化ポリエチレンなどのエ
ラストマーが例示される。このような室温で固形状のエ
ラストマを配合する場合には、全組成物に対して、1〜
50重量%、さらに10〜40重量%の範囲が有効であ
る。またポリメチルペンテン等の固体ポリオレフィン等
の配合も有効である。
【0051】本発明の感光性樹脂組成物の調合時、また
保存時における安定性を増すために、重合禁止剤を若干
量配合することができる。このような重合禁止剤として
は、フェノール類、ハイドロキノン類、カテコール類、
さらにはフェノチアジン等が例示される。これらの熱安
定剤は全組成物に対して0.001〜5重量%の範囲が
好ましく使用される。
【0052】その他に添加剤として染料、顔料、紫外線
吸収剤、香料などを添加することができる。
【0053】本発明においては、先に説明した(A)〜
(B)成分およびその他のポリマとして、架橋構造を有
するものも任意に使用できるが、得られる印刷版のレリ
ーフ形状を向上させるという観点から、架橋構造を有す
るものは20重量%以下、さらに10重量%以下とする
ことが好ましい、本発明の感光性樹脂組成物を製造する
方法としては、上記に説明した配合成分を有機溶剤、例
えば、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケ
トン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどに溶解し、溶剤を蒸
発させることにより得ることができる。
【0054】この感光性樹脂組成物を用いて、支持体上
に感光性樹脂組成物を塗設して固形の感光層となして、
印刷版材を製造することができる。例えば、本感光性樹
脂組成物の溶液を支持体上に直接流延し蒸発乾燥し、感
光層とすることにより成型することができる。またはカ
バ−フィルム上に直接流延し蒸発乾燥し、支持体と感光
性樹脂組成物とを張り合わせることによっても成型する
ことができる。その他の方法としては、有機溶剤を蒸発
させて得られた感光性樹脂組成物からなる感光層を加熱
したプレスによりシート状にし、支持体とカバーフィル
ムにラミネートすることによっても得ることができる。
また、単軸押し出し機や2軸押し出し機にT−ダイを設
置し、シート状に押し出し成型することができる。
【0055】このようにして得られた印刷版材の感光層
において、支持体とは逆側の面には、通常ネガフィルム
との密着性を向上させるために、主として水可溶性ない
し分散性の樹脂からなる薄膜層を形成させることが好ま
しい。
【0056】ここで支持体としては、必要に応じて接着
層を有するスチール、ステンレス、アルミニウム、銅な
どの金属板、ポリエステルフィルムなどのプラスチック
シート、合成ゴムシートなどが用いられ、感光層は通常
0.1〜10mmの厚さに形成される。
【0057】本発明の感光性樹脂組成物を用いて印刷用
レリーフ像を形成するには、上記のように作製した感光
層上にネガテイブ、またはポジテイブの原画フィルムを
密着し、通常300〜450mμの波長を中心とする高
圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセ
ノン灯、ケミカル灯、カーボナーク灯などからの紫外線
を照射し、光反応により、硬化を行わせる。ついで未硬
化部分をスプレー式現像装置またはブラシ式現像装置を
用いて水中に溶出あるいは分散させることにより、レリ
ーフが支持体上に形成される。これを必要であれば、乾
燥後大気中、ないし真空中で活性光線処理して印刷版を
得ることができる。
【0058】本発明の感光層組成物から得られる印刷版
は、ショアA硬度30〜70でフレキソ印刷に適した反
発弾性率を有するフレキソ印刷版として好適に使用でき
る。
【0059】
【実施例】以下、本発明を実施例で詳細に説明する。実
施例中の部数は重量部のことである。また分子量はゲル
パーミエーションクロマトグラフィ法(GPC法)で測
定したものである。
【0060】合成例 <A−1>アニオン性基を有する化合物 ポリテトラメチレンエーテルグリコール(分子量約40
00)76g、ジメチロールプロピオン酸9.0g、ト
リレンジイソシアネート15.0gを反応させ、数平均
分子量14000、カルボキシル基当量0.67mole/k
g の疎水性ポリウレタンを得た。
【0061】<A−2>アニオン性基を有する化合物 ポリテトラメチレンエーテルグリコール(分子量約40
00)103.2g、ジメチロールプロピオン酸8.1
g、トリレンジイソシアネート15.0gを反応させ、
数平均分子量15000、カルボキシル基当量0.48
mole/kg の疎水性ポリウレタンを得た。
【0062】<A−3>アニオン性基を有する化合物 ポリテトラメチレンエーテルグリコール(分子量約40
00)84.0g、ジメチロールプロピオン酸5.2
g、ジフェニルメタンジイソシアネート15.0gを反
応させ、数平均分子量20000、カルボキシル基当量
0.37mole/kgの疎水性ポリウレタンを得た。
【0063】<B−1>カチオン性基を有するポリマ ラウリルメタクリレート68.3g、2−ヒドロキシエ
チルメタクリル酸27。1g、N,N−ジメチルアミノ
エチルメタクリレート20.0gを反応させ、数平均分
子量2900、アミノ基当量1.10mole/kg のポリマ
を得た。
【0064】<B−2>カチオン性基を有するポリマ ラウリルメタクリレート68.6g、2−ヒドロキシエ
チルメタクリル酸20.0g、N,N−ジメチルアミノ
エチルメタクリレート30.0gを反応させ、数平均分
子量2200、アミノ基当量1.61mole/kg のポリマ
を得た。
【0065】<B−3>カチオン性基を有するポリマ ラウリルメタクリレート64.5g、2−ヒドロキシエ
チルメタクリル酸29.0g、N,N−ジメチルアミノ
エチルメタクリレート20.0gを反応させ、数平均分
子量12000、アミノ基当量1.12mole/kg のポリ
マを得た。
【0066】実施例1 A−1のポリマ32.3部、B−1のポリマ12.9部
およびN,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミ
ド(アミノ基当量5.88mole/kg )4.3部をメチル
エチルケトン25部に投入し、十分攪拌、溶解した。さ
らにアニオン性基およびカチオン性基をもたないウレタ
ンゴム“UR−E”(武田薬品工業製)を21.5部、
ラウリルアクリレート21.5部、アクリル酸変性ブタ
ジエンゴム“MAC−1000−80”(カルボキシル
基当量1.15mole/kg 、日本石油化学製)5.3部、
光重合開始剤としてベンジルジメチルケタール2.2部
を添加して溶解、攪拌した。その後、予めポリエステル
系接着剤が塗布・キュアされている厚さ100μのポリ
エステル基板上に、乾燥後の感光性樹脂組成物の厚さが
1700μとなるように組成物溶液を流延、塗布してパ
ーフェクトオーブンで60℃、3時間乾燥して感光層と
し、印刷版材とした。組成物中のアニオン性基の量は
0.28mole/kg であり、カチオン性基の量は0.39
mole/kg であった。
【0067】この印刷版材に、20Wケミカル灯を15
本並べた露光装置で、15cmの距離から5秒間基板側
から露光した後に、感光層上に、ネガフィルムを真空密
着させて、同じ露光装置で、ネガフィルムを通じて10
分間露光した。
【0068】露光終了後、中性水を入れたブラシ式洗い
出し機(液温40℃)で現像を行なった。現像時間13
分で深さ800μのネガフィルムに忠実なレリーフ像が
形成され、これを印刷版とした。またレリーフは凹凸が
ない良好な表面形状を有するものであった。
【0069】この印刷版を使用して水性インキを用い
て、100000枚のフレキソ印刷試験を行なったとこ
ろ印刷版の表面には何ら変化は見られず、良好な印刷物
を得た。実施例2 実施例1に示したA−1のポリマをA−2のポリマに代
えた他は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物を得
た。組成物中のアニオン性基の量は0.22mole/kg で
あり、カチオン性基の量は0.39mole/kg であった。
【0070】実施例1と同様に露光、現像したところ、
現像時間18分で700μmのレリーフを有する印刷版
を得た。またレリーフは凹凸がない良好な表面形状を有
するものであった。
【0071】この印刷版を使用して、水性インキを用い
て100000枚のフレキソ印刷試験を行なったとこ
ろ、印刷版の表面には何ら変化は見られず、良好な印刷
物を得た。
【0072】実施例3 実施例1に示したA−1をA−3に代えた他は実施例1
と同様にして感光性樹脂組成物、さらに印刷版材を得
た。組成物中のアニオン性基の量は0.18mole/kg で
あり、カチオン性基の量は0.39mole/kg であった。
【0073】実施例1と同様に露光、現像したところ、
現像時間45分で700μmのレリーフを有する印刷版
を得た。またレリーフは凹凸がない良好な表面形状を有
するものであった。
【0074】この印刷版を使用して、水性インキを用い
て100000枚のフレキソ印刷試験を行なったところ
印刷版の表面には何ら変化は見られず、良好な印刷物を
得た。
【0075】実施例4 実施例1に示したB−1をB−2に代えた他は実施例1
と同様にして感光性樹脂組成物、さらに印刷版材を得
た。組成物中のアニオン性基の量は0.28mole/kg で
あり、カチオン性基の量は0.46mole/kg であった。
【0076】実施例1と同様に露光、現像したところ、
現像時間12分で800μmのレリーフを得て、これを
印刷版とした。またレリーフは凹凸がない良好な表面形
状を有するものであった。
【0077】この印刷版を使用して水性インキを用いた
100000枚のフレキソ印刷試験を行なったところ印
刷版の表面には何ら変化は見られず、良好な印刷物を得
た。
【0078】実施例5 実施例1に示したB−1をB−3に代え、アクリル変性
ブタジエンゴム“MAC−1000−80”を0部にし
た他は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物、さらに
印刷版材を得た。組成物中のアニオン性基の量は0.2
3mole/kg であり、カチオン性基の量は0.42mole/k
g であった。
【0079】実施例1と同様に露光、現像したところ、
現像時間12分で700μmのネガフィルムに忠実なレ
リーフ像が形成され、これを印刷版とした。またレリー
フは凹凸がない良好な表面形状を有するものであった。
【0080】この印刷版を使用して水性インキを用いた
100000枚のフレキソ印刷試験を行なったところ印
刷版の表面には何ら変化は見られず、良好な印刷物を得
た。
【0081】実施例6 実施例1に示したB−1の部数を12.9部から4.3
部に代えた他は実施例1と同様にして感光性樹脂組成
物、さらに印刷版材を得た。組成物中のアニオン性基の
量は0.30mole/kg であり、カチオン性基の量は0.
33mole/kg であった。
【0082】実施例1と同様に露光、現像したところ、
現像時間10分で700μmのネガフィルムに忠実なレ
リーフ像が形成され、これを印刷版とした。またレリー
フは凹凸がない良好な表面形状を有するものであった。
【0083】この印刷版を使用して水性インキを用いた
100000枚のフレキソ印刷試験を行なったところ印
刷版の表面には何ら変化は見られなかったが、印刷物の
2000枚目より100000枚目の方が、若干画線が
太くなる傾向がみられていたが、十分実用的なものであ
った。
【0084】比較例1 実施例1に示したB−1のポリマを0部にし、N,N−
ジメチルアミノプロピルメタアクリルアミドの部数を
4.3部から8.6部に代えた他は実施例1と同様にし
て感光性樹脂組成物、さらに印刷版材を得た。組成物中
のアニオン性基の量は0.30mole/kg であり、カチオ
ン性基の量は0.55mole/kg であった。
【0085】実施例1と同様に露光、現像したところ、
現像時間7分で800μmのネガフィルムに忠実なレリ
ーフ像が形成され、これを印刷版とした。またレリーフ
は凹凸がない良好な表面形状を有するものであった。
【0086】この印刷版を使用して水性インキを用いた
100000枚のフレキソ印刷試験を行なったところ印
刷版のレリーフが欠けていた。カチオン性基を有する数
平均分子量1000以上のポリマであるB−1を含まな
いために、水性インキによってレリーフが膨潤し、レリ
ーフが欠けたたためである。
【0087】実施例7 実施例1に示したB−1の部数を12.9部から45.
2部に代え、アクリル変性ブタジエンゴム“MAC−1
000−80”を0部にし、N,Nージメチルアミノプ
ロピルメタアクリルアミドをN,N−ジメチルアミノプ
ロピルアクリルアミド(アミノ基当量6.41mole/kg
)4.3部にした他は実施例1と同様にして感光性樹
脂組成物、さらに印刷版材を得た。組成物中のアニオン
性基の量は0.13mole/kg であり、カチオン性基の量
は0.61mole/kg であった。
【0088】実施例1と同様に露光、現像したところ、
現像時間14分で800μmのネガフィルムに忠実なレ
リーフ像が形成され、これを印刷版とした。またレリー
フは凹凸がない良好な表面形状を有するものであった。
【0089】この印刷版を使用して水性インキを用いた
100000枚のフレキソ印刷試験を行なったところ印
刷版の表面には何ら変化は見られず、良好な印刷物を得
た。
【0090】比較例2 実施例1に示したアクリル変性ブタジエンゴム“MAC
−1000−80”を0部にし、N,Nージメチルアミ
ノプロピルメタアクリルアミド4.3部をN,Nジメチ
ルアミノプロピルアクリルアミド(アミノ基当量6.4
1mole/kg )1.0部にした他は実施例1と同様にして
感光性樹脂組成物、さらに印刷版材を得た。組成物中の
アニオン性基の量は0.27mole/kg であり、カチオン
性基の量は0.13mole/kg であった。
【0091】実施例1と同様に露光、現像したところ、
現像時間45分で100μmの深さのレリーフ像しか形
成されなかった。カチオン性基の量が少ないために水に
よる現像がほとんどできなかったためである。
【0092】実施例8 A−1のポリマ24.9部、B−1のポリマ10.4
部、N,N−ジメチルアミノプロピルメタアクリルアミ
ド3.3部をメチルエチルケトン溶液15部中に溶解し
十分攪拌した。これをパーフェクトオーブン中で40℃
で5時間乾燥した。これにSIS5000(日本合成ゴ
ム製スチレン−イソプレン−スチレンゴム)33.3
部、ラウリルアクリレート26.0部、光重合開始剤と
してベンジルジメチルケタール2.1部加えて60℃に
加温した2本ロールで混練りした。このようにして得ら
れた感光性樹脂組成物を80℃に加熱したプレス機で、
予めポリエステル系接着剤が塗布・キュアされている厚
さ100μのポリエステル基板と予めポリビニルアルコ
ールが塗布されているポリエステルカバーフィルムの間
に、感光層厚みが1.7mmになるように、感光性樹脂
組成物をプレスして、印刷版材を得た。組成物中のアニ
オン性基の量は0.16mole/kg であり、カチオン性基
の量は0.31mole/kg であった。
【0093】この印刷版材のカバーフィルムを剥離した
後に、感光層上にネガフィルムを真空密着させて、2K
W超高圧水銀灯で1mの距離から3分間露光した。
【0094】露光終了後、中性水を入れたブラシ式洗い
出し機(液温40℃)で現像を行なった。現像時間15
分で深さ800μのネガフィルムに忠実なレリーフ像を
有する印刷版を作成した。
【0095】この印刷版を使用して水性インキを用いた
100000枚のフレキソ印刷試験を行なったところ印
刷版の表面には何ら変化は見られず、良好な印刷物を得
た。
【0096】比較例3 実施例8に示したSIS5000の部数を33.3部か
ら66.6部に代えて他は実施例8と同様にして感光性
樹脂組成物、さらに印刷版材を得た。組成物中のアニオ
ン性基の量は0.127mole/kg であり、カチオン性基
の量は0.17mole/kg であった。
【0097】さらに実施例8と同様に、露光、現像した
ところ、現像時間45分で100μのレリーフ像しか得
られなかった。アニオン性基の量が少ないために水によ
る現像速度が遅くなったものと考えられる。
【0098】また各実施例、各比較例によって得られた
印刷版の特性を参考までに示す。
【0099】
【表1】 水膨潤率:印刷版を24時間水中に浸せき後の重量増加
率。この値が低い方が水性インキに対する耐性が優れて
いることを意味する。
【0100】ショアA硬度:印刷版の25℃下での硬
度。
【0101】反発弾性率:5.2gの鉄球を印刷版上に
落下したときの落下距離に対する戻った距離の割合。こ
の値が高いほど、フレキソ印刷の際に高負荷がかかった
場合の耐刷性に優れていることを意味する。
【0102】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したので、水
性インキを使用したフレキソ印刷において、水現像性、
印刷耐性が優れたフレキソ印刷版を与える感光性樹脂組
成物の提供を可能としたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−246742(JP,A) 特開 平2−178302(JP,A) 特開 平3−198058(JP,A) 特公 平5−6178(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/035 G03F 7/027 G03F 7/033 G03F 7/00 502

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)0.2〜2.0mole/kg のアニオ
    ン性基を含有する疎水性ポリマ、(B)0.2〜3.5
    mole/kg のカチオン性基を含有する数平均分子量100
    0以上のポリマ、(C)エチレン系不飽和モノマおよび
    (D)光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物であっ
    て、全組成物中に、アニオン性基を0.15mole/kg 以
    含有し、カチオン性基を0.15mole/kg 以上含有
    ことを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分の含有量が全組成に対して、
    10〜70重量%、(B)成分の含有量が全組成に対し
    て、1〜60重量%、(C)成分の含有量が全組成に対
    して、10〜50重量%、(D)成分の含有量が全組成
    に対して0.1〜10重量%であることを特徴とする請
    求項記載の感光性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A)成分ポリウレタンを含有するも
    のであることを特徴とする請求項1または2記載の感光
    性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (B)成分がアルコール性水酸基を有す
    る化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    1項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (A)成分および(B)成分の化学構造
    が実質的に直鎖状または分岐構造のものであることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹
    脂組成物。
  6. 【請求項6】 アニオン性基数/カチオン性基数の比が
    0.2〜1.7であることを特徴とする請求項1〜5の
    いずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 アニオン性基が、カルボキシル基、フェ
    ノール性水酸基およびスルホン酸基からなる群の少なく
    とも1種であることを特徴とする請求項1〜6のいずれ
    1項に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 アニオン性基が、カルボキシル基、フェ
    ノール性水酸基、リン酸基およびスルホン酸基からなる
    群の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜
    7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 カチオン性基がアミノ基であることを特
    徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の感光性樹
    脂組成物。
  10. 【請求項10】 支持体上に、請求項1〜9のいずれか
    1項に記載の感光性樹脂組成物からなる感光層を塗設し
    て構成される印刷版材。
  11. 【請求項11】 感光層が固体である請求項1記載の
    印刷版材。
  12. 【請求項12】 水で現像可能な請求項1または1
    記載の印刷版材。
  13. 【請求項13】 フレキソ印刷版用である請求項1
    のいずれか1項に記載の印刷版材。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれか1項に記
    の印刷版材を露光した後、水で現像することを特徴と
    する印刷版の製造方法。
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TW (1) TW460749B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3947546B1 (en) * 2019-04-05 2023-04-19 Fina Technology, Inc. Polyenes for curable liquid rubber-based compositions

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JPH08234431A (ja) 1996-09-13
TW460749B (en) 2001-10-21

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