JP3375024B2 - 電波透過型の熱線遮蔽ガラス - Google Patents
電波透過型の熱線遮蔽ガラスInfo
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- JP3375024B2 JP3375024B2 JP16333395A JP16333395A JP3375024B2 JP 3375024 B2 JP3375024 B2 JP 3375024B2 JP 16333395 A JP16333395 A JP 16333395A JP 16333395 A JP16333395 A JP 16333395A JP 3375024 B2 JP3375024 B2 JP 3375024B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車輌用等の被膜付きの
熱線遮蔽ガラスとして使用するものであって、とりわけ
熱暑感を防止し紫外線も遮断でき冷暖房効果を向上せし
めるとともに、比較的低い可視光線透過率で遮光性を持
ちプライバシ−保護性能を有するものであり、AM電波、
FM電波等の放送における受信障害などの低減、あるいは
ゴ−スト現象等の電波障害を低減ができ、通常のフロ−
トガラス並の電波透過性能を必要とするガラス、ことに
単板ガラスとして使用可能な電波透過型の熱線遮蔽ガラ
スである。
熱線遮蔽ガラスとして使用するものであって、とりわけ
熱暑感を防止し紫外線も遮断でき冷暖房効果を向上せし
めるとともに、比較的低い可視光線透過率で遮光性を持
ちプライバシ−保護性能を有するものであり、AM電波、
FM電波等の放送における受信障害などの低減、あるいは
ゴ−スト現象等の電波障害を低減ができ、通常のフロ−
トガラス並の電波透過性能を必要とするガラス、ことに
単板ガラスとして使用可能な電波透過型の熱線遮蔽ガラ
スである。
【0002】特に自動車用窓材、例えばフロントウイン
ドーやリヤウインドーのシェ−ドバンド、あるいはリヤ
ウインドーやサイドウインドーのプライバシ−ガラス、
またはサンルーフの遮光ガラス等、なかでもガラスアン
テナ(アンテナ導体)を備えるガラスに有用な電波透過
型の熱線遮蔽ガラスに関する。
ドーやリヤウインドーのシェ−ドバンド、あるいはリヤ
ウインドーやサイドウインドーのプライバシ−ガラス、
またはサンルーフの遮光ガラス等、なかでもガラスアン
テナ(アンテナ導体)を備えるガラスに有用な電波透過
型の熱線遮蔽ガラスに関する。
【0003】
【従来技術】近年、車輌用ガラスを通して車内に流入す
る太陽輻射エネルギーを遮蔽し、車内の温度上昇、冷房
負荷を低減させる目的から熱線遮蔽ガラスが車輌用に採
用されている。また最近は特に該車輌用ガラスにおい
て、高熱線遮蔽性能に加えて、比較的低い可視光線透過
率で遮光性を持ちプライバシ−保護性能を有し各種電波
の透過性が要求されるようにもなってきている。
る太陽輻射エネルギーを遮蔽し、車内の温度上昇、冷房
負荷を低減させる目的から熱線遮蔽ガラスが車輌用に採
用されている。また最近は特に該車輌用ガラスにおい
て、高熱線遮蔽性能に加えて、比較的低い可視光線透過
率で遮光性を持ちプライバシ−保護性能を有し各種電波
の透過性が要求されるようにもなってきている。
【0004】また、従来の熱線吸収ガラスは可視光等の
透過率が適宜選択できかつ電波透過性を高くすることが
できるが、熱線反射率が低く熱線遮断性に劣り、しかも
ハイマウントランプ用のパタ−ンニングができないもの
であり、またオンライン熱線反射ガラスは熱線遮断性お
よび電波透過性が高いが、ハイマウントランプ用のパタ
−ンニングができないものであった。
透過率が適宜選択できかつ電波透過性を高くすることが
できるが、熱線反射率が低く熱線遮断性に劣り、しかも
ハイマウントランプ用のパタ−ンニングができないもの
であり、またオンライン熱線反射ガラスは熱線遮断性お
よび電波透過性が高いが、ハイマウントランプ用のパタ
−ンニングができないものであった。
【0005】該車輌用の熱線遮蔽ガラスについては、例
えば特開平1-145351号公報には、赤外線遮断ガラスが記
載されており、ガラス基板上に、基板側から順に透明誘
電体膜、窒化物膜、及び透明誘電体膜の少なくとも3層
構成膜が形成してなる赤外線遮断ガラスにおいて、少な
くとも透明誘電体膜が酸化タンタルよりなることが開示
され、窒化物膜が窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化
ハフニウム、窒化タンタル、及び窒化クロムのうち少な
くとも1種からなることが開示されている。
えば特開平1-145351号公報には、赤外線遮断ガラスが記
載されており、ガラス基板上に、基板側から順に透明誘
電体膜、窒化物膜、及び透明誘電体膜の少なくとも3層
構成膜が形成してなる赤外線遮断ガラスにおいて、少な
くとも透明誘電体膜が酸化タンタルよりなることが開示
され、窒化物膜が窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化
ハフニウム、窒化タンタル、及び窒化クロムのうち少な
くとも1種からなることが開示されている。
【0006】一方、電波透過性と熱線遮蔽性を備える車
輌用ガラスについては、例えば、特開平2-177601号公報
には、電波透過性能を有する車輌用窓ガラスが記載され
ており、熱線反射膜とアンテナ導体とを設けてなるもの
であって、熱線反射膜の表面抵抗率が20kΩ/口未満の
膜では、本来のガラスアンテナ性能を発揮できなくなる
ものであり、熱線反射膜がアンテナ導体と接触状態にあ
る場合には、熱線反射膜の表面抵抗率は500KΩ/口以
上、望ましくは1MΩ/口以上が好ましいことが開示され
ている。
輌用ガラスについては、例えば、特開平2-177601号公報
には、電波透過性能を有する車輌用窓ガラスが記載され
ており、熱線反射膜とアンテナ導体とを設けてなるもの
であって、熱線反射膜の表面抵抗率が20kΩ/口未満の
膜では、本来のガラスアンテナ性能を発揮できなくなる
ものであり、熱線反射膜がアンテナ導体と接触状態にあ
る場合には、熱線反射膜の表面抵抗率は500KΩ/口以
上、望ましくは1MΩ/口以上が好ましいことが開示され
ている。
【0007】また、電波透過性と熱線遮蔽性を備えかつ
遮光性を有する車輌用ガラスについては、例えば、特開
平5-170485号公報には、熱線遮蔽膜および自動車用窓硝
子が記載されており、可視光線透過率35%以下で、 20K
Ω/口以上のシ−ト抵抗値を有する熱線遮蔽膜。該熱線
遮蔽膜が窒化物、ほう化物、酸窒化物、酸化物のうち1
種からなる膜、あるいはNbOx(1.1 ≦x≦1.8 )を主成
分とする膜。ならびに上述の膜及びアンテナ導体を有
し、かかる熱線遮蔽膜はアンテナ導体と非接触状態にあ
り、 20KΩ/口以上のシ−ト抵抗値を有する自動車用窓
硝子。またかかる熱線遮蔽膜はアンテナ導体と接触状態
にあり、500KΩ/口以上のシ−ト抵抗値を有する自動車
用窓硝子が開示されている。
遮光性を有する車輌用ガラスについては、例えば、特開
平5-170485号公報には、熱線遮蔽膜および自動車用窓硝
子が記載されており、可視光線透過率35%以下で、 20K
Ω/口以上のシ−ト抵抗値を有する熱線遮蔽膜。該熱線
遮蔽膜が窒化物、ほう化物、酸窒化物、酸化物のうち1
種からなる膜、あるいはNbOx(1.1 ≦x≦1.8 )を主成
分とする膜。ならびに上述の膜及びアンテナ導体を有
し、かかる熱線遮蔽膜はアンテナ導体と非接触状態にあ
り、 20KΩ/口以上のシ−ト抵抗値を有する自動車用窓
硝子。またかかる熱線遮蔽膜はアンテナ導体と接触状態
にあり、500KΩ/口以上のシ−ト抵抗値を有する自動車
用窓硝子が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする問題点】前述したような、例
えば特開平1-145351号公報等に記載されたものは、熱線
遮蔽性能を得るために窒化チタン等の窒化物を膜厚が通
常5〜60nmであり、また酸化タンタルとしては膜厚が比
較的厚い40〜90nmが好ましく、より好ましくは55〜75nm
であり、その結果必ずしも電波透過性に優れるものとは
言い難く、自動車に搭載のテレビ、ラジオ、携帯電話の
ためのガラスアンテナの受信性能が低下することとな
り、比較的低い可視光透過率性と低い可視光反射率、膜
色調、刺激純度、熱線遮蔽性能および電波透過性能が充
分バランスよく有するような所期の自動車用窓材として
の特性を得難いという問題がある。
えば特開平1-145351号公報等に記載されたものは、熱線
遮蔽性能を得るために窒化チタン等の窒化物を膜厚が通
常5〜60nmであり、また酸化タンタルとしては膜厚が比
較的厚い40〜90nmが好ましく、より好ましくは55〜75nm
であり、その結果必ずしも電波透過性に優れるものとは
言い難く、自動車に搭載のテレビ、ラジオ、携帯電話の
ためのガラスアンテナの受信性能が低下することとな
り、比較的低い可視光透過率性と低い可視光反射率、膜
色調、刺激純度、熱線遮蔽性能および電波透過性能が充
分バランスよく有するような所期の自動車用窓材として
の特性を得難いという問題がある。
【0009】一方、例えば特開平2-177601号公報に記載
されたものは、仮に熱線反射膜がアンテナ導体と接触状
態にある場合、熱線反射膜の表面抵抗率が500KΩ/口以
上、例えば1〜8MΩ/口程度のものでは、一応アンテナ
の受信性能を満たすものの、少々の性能の低下は避けら
れず、また例えば無限大の表面抵抗率すなわち絶縁膜を
なし得てアンテナの受信性能は充分であるものとして
も、各種光学特性が不十分および膜厚ムラが生じる等各
種性能を満足するものではなくなり、プライバシ−保護
性能が得られず、到底充分に優れた電波透過性能を有し
かつバランスよく各種光学特性および各種性能を備えて
いて、充分満足できる所期の自動車用窓材等とは言い難
いものである。
されたものは、仮に熱線反射膜がアンテナ導体と接触状
態にある場合、熱線反射膜の表面抵抗率が500KΩ/口以
上、例えば1〜8MΩ/口程度のものでは、一応アンテナ
の受信性能を満たすものの、少々の性能の低下は避けら
れず、また例えば無限大の表面抵抗率すなわち絶縁膜を
なし得てアンテナの受信性能は充分であるものとして
も、各種光学特性が不十分および膜厚ムラが生じる等各
種性能を満足するものではなくなり、プライバシ−保護
性能が得られず、到底充分に優れた電波透過性能を有し
かつバランスよく各種光学特性および各種性能を備えて
いて、充分満足できる所期の自動車用窓材等とは言い難
いものである。
【0010】また、例えば特開平5-170485号公報に記載
されたものは、仮に熱線遮蔽膜がアンテナ導体と接触状
態にある場合、熱線遮蔽膜の表面抵抗率が500KΩ/口以
上、さらに例えば1MΩ/口以上程度のものでは、一応ア
ンテナの受信性能を満たすものの、少々の性能の低下は
避けられず、特にホイップアンテナ(ポ−ルアンテナ)
をなくしてガラスアンテナのみでAM電波帯を障害なく受
信することができ難く、また例えば無限大の表面抵抗率
すなわち絶縁膜をなし得てアンテナの受信性能は充分で
あるものとしても、各種光学特性が不十分および膜厚ム
ラが生じる等各種性能を満足するものではなくなり、到
底充分に優れた電波透過性能を有しかつプライバシ保護
性能を有してバランスよく各種光学特性および各種性能
を備え、充分満足できる所期の自動車用窓材等とは言い
難いものである。
されたものは、仮に熱線遮蔽膜がアンテナ導体と接触状
態にある場合、熱線遮蔽膜の表面抵抗率が500KΩ/口以
上、さらに例えば1MΩ/口以上程度のものでは、一応ア
ンテナの受信性能を満たすものの、少々の性能の低下は
避けられず、特にホイップアンテナ(ポ−ルアンテナ)
をなくしてガラスアンテナのみでAM電波帯を障害なく受
信することができ難く、また例えば無限大の表面抵抗率
すなわち絶縁膜をなし得てアンテナの受信性能は充分で
あるものとしても、各種光学特性が不十分および膜厚ム
ラが生じる等各種性能を満足するものではなくなり、到
底充分に優れた電波透過性能を有しかつプライバシ保護
性能を有してバランスよく各種光学特性および各種性能
を備え、充分満足できる所期の自動車用窓材等とは言い
難いものである。
【0011】また、従来の方法では例えばガラスボディ
カラ−あるいは熱間スプレ−により処理するため、プラ
イバシ−保護性能等その特性は得られるものの、後加工
等がしにくいものであった。近年車輌用窓ガラスとして
室内の居住性向上のために熱線遮断ガラスが有用になっ
てきており、最近ではこの特性に加えて各種電波をバッ
クウインド−のプリントアンテナ(ガラスアンテナ)で
受信する傾向にあり、ことにこれまでのホイップアンテ
ナで受信していたAM電波もガラスアンテナで受信するよ
うになってきた。
カラ−あるいは熱間スプレ−により処理するため、プラ
イバシ−保護性能等その特性は得られるものの、後加工
等がしにくいものであった。近年車輌用窓ガラスとして
室内の居住性向上のために熱線遮断ガラスが有用になっ
てきており、最近ではこの特性に加えて各種電波をバッ
クウインド−のプリントアンテナ(ガラスアンテナ)で
受信する傾向にあり、ことにこれまでのホイップアンテ
ナで受信していたAM電波もガラスアンテナで受信するよ
うになってきた。
【0012】このため、電波透過性としては従来より高
い 10MΩ/口以上の表面抵抗値が必要となってきてお
り、また居住性の点から車内のプライパシ−を確保する
ため可視光透過率が25〜50%程度と低くかつ反射率が15
%以上のものが所望されてきている。さらに車の後方へ
の安全性確保の点でハイマウントストップランプをバッ
クウインド−に装着することが通常化してきており、こ
の部分の光量低下となるのを防ぐため該ハイマウントス
トップランプ領域のみ膜を付けないようなパタ−ンニン
グが必要となってきた。
い 10MΩ/口以上の表面抵抗値が必要となってきてお
り、また居住性の点から車内のプライパシ−を確保する
ため可視光透過率が25〜50%程度と低くかつ反射率が15
%以上のものが所望されてきている。さらに車の後方へ
の安全性確保の点でハイマウントストップランプをバッ
クウインド−に装着することが通常化してきており、こ
の部分の光量低下となるのを防ぐため該ハイマウントス
トップランプ領域のみ膜を付けないようなパタ−ンニン
グが必要となってきた。
【0013】
【問題点を解決するための手段】本発明は、従来のこの
ような点に鑑みてなしたものであり、透明なガラス基板
上に、特定したSUSNxOyで表すSUSの窒素酸化物またはCr
NxOyで表すCrの窒素酸化物とTaまたはTiの酸化物とを、
スパッタリング法により、成膜不要な部分をマスキング
によりパタ−ンニングしかつ微量のO2コントロ−ルによ
る窒素酸化物の膜にして特定の膜厚で組み合わせ積層し
た積層成膜とし、可視光透過率を25〜50%で表面抵抗値
を 10KΩ/口以上であるものとしたことにより、遮光性
を発現しプライバシ−の確保ならびに反射率15%以上が
確保ができ、熱線遮断性に優れ、バランスよくその特性
を発揮し、より優れた電波透過特性を有する電波透過型
の熱線遮蔽ガラスをうることができ、単板でかつガラス
アンテナを備えるようなものを含む各種自動車用窓材に
も充分使用でき、最近のニーズに最適なものとなる有用
な電波透過型の熱線遮蔽ガラスを提供するものである。
ような点に鑑みてなしたものであり、透明なガラス基板
上に、特定したSUSNxOyで表すSUSの窒素酸化物またはCr
NxOyで表すCrの窒素酸化物とTaまたはTiの酸化物とを、
スパッタリング法により、成膜不要な部分をマスキング
によりパタ−ンニングしかつ微量のO2コントロ−ルによ
る窒素酸化物の膜にして特定の膜厚で組み合わせ積層し
た積層成膜とし、可視光透過率を25〜50%で表面抵抗値
を 10KΩ/口以上であるものとしたことにより、遮光性
を発現しプライバシ−の確保ならびに反射率15%以上が
確保ができ、熱線遮断性に優れ、バランスよくその特性
を発揮し、より優れた電波透過特性を有する電波透過型
の熱線遮蔽ガラスをうることができ、単板でかつガラス
アンテナを備えるようなものを含む各種自動車用窓材に
も充分使用でき、最近のニーズに最適なものとなる有用
な電波透過型の熱線遮蔽ガラスを提供するものである。
【0014】すなわち、本発明は透明なガラス基板表面
に、ガラス面側から第1層として膜厚が55nm以下15nm以
上のSUSNxOyで表すSUSの窒素酸化物薄膜またはCrNxOyで
表すCrの窒素酸化物薄膜、第2層として膜厚が4nm以上
12nm以下のTaまたはTiの酸化物薄膜を積層成膜してな
り、しかも該SUS またはCrの窒素酸化物の薄膜が、N2ガ
スとO2ガスの比が98:2ないしは93:7の範囲の雰囲気
ガスにある真空系装置内でSUSまたはCrターゲットに印
加しスパッタすることで xとy の値を選択決定して成る
SUSNxOy またはCrNxOyでなり、可視光透過率が25%以上
50%以下で、かつ表面抵抗値が 10MΩ/口以上であるこ
とを特徴とする電波透過型の熱線遮蔽ガラス。
に、ガラス面側から第1層として膜厚が55nm以下15nm以
上のSUSNxOyで表すSUSの窒素酸化物薄膜またはCrNxOyで
表すCrの窒素酸化物薄膜、第2層として膜厚が4nm以上
12nm以下のTaまたはTiの酸化物薄膜を積層成膜してな
り、しかも該SUS またはCrの窒素酸化物の薄膜が、N2ガ
スとO2ガスの比が98:2ないしは93:7の範囲の雰囲気
ガスにある真空系装置内でSUSまたはCrターゲットに印
加しスパッタすることで xとy の値を選択決定して成る
SUSNxOy またはCrNxOyでなり、可視光透過率が25%以上
50%以下で、かつ表面抵抗値が 10MΩ/口以上であるこ
とを特徴とする電波透過型の熱線遮蔽ガラス。
【0015】ならびに、前記2層の積層成膜の表面抵抗
値が、 15MΩ/口以上10G Ω/口以下の高抵抗値である
ことを特徴とする上述した電波透過型の熱線遮蔽ガラ
ス。また、前記電波透過型の熱線遮蔽ガラスが、単板で
あることを特徴とする上述した電波透過型の熱線遮蔽ガ
ラス。
値が、 15MΩ/口以上10G Ω/口以下の高抵抗値である
ことを特徴とする上述した電波透過型の熱線遮蔽ガラ
ス。また、前記電波透過型の熱線遮蔽ガラスが、単板で
あることを特徴とする上述した電波透過型の熱線遮蔽ガ
ラス。
【0016】さらに、前記電波透過型の熱線遮蔽ガラス
が、少なくともアンテナ導体と前記2層でなる積層成膜
とを備えることを特徴とする上述した電波透過型の熱線
遮蔽ガラスをそれぞれ提供するものである ここで、前記したように、ガラス面側から第1層として
膜厚が55nm以下15nm以上のSUS またはCrの窒素酸化物薄
膜、第2層として膜厚が4nm以上12nm以下のTaまたはTi
の酸化物薄膜を積層成膜してなるものとしたのは、先
ず、膜厚が55nm以下15nm以上のSUS またはCrの窒素酸化
物薄膜については、比抵抗が高くしたがって比較的高い
電波透過性を示すことはもちろん熱線遮蔽性能も有する
ものであり、前記積層成膜の該電波透過性能はほぼSUS
またはCrの窒素酸化物薄膜で決まり、しかも前記積層成
膜の該熱線遮蔽性能とバランスをさせる必要があるもの
のプライバシ−保護性能等他の光学特性をもほぼ決定す
るものである。例えば膜厚が15nm未満では可視光透過率
を50%以下にし難くなり、膜厚が55nmを超えると可視光
透過率を25%以上にすることが困難となるものである。
可視光透過率を25%以上50%以下に確実にでき、かつ表
面抵抗値を10M Ω/口より高抵抗、例えば 15MΩ/口以
上として電波透過性能を高めるためには好ましくは20nm
以上50nm以下程度である。
が、少なくともアンテナ導体と前記2層でなる積層成膜
とを備えることを特徴とする上述した電波透過型の熱線
遮蔽ガラスをそれぞれ提供するものである ここで、前記したように、ガラス面側から第1層として
膜厚が55nm以下15nm以上のSUS またはCrの窒素酸化物薄
膜、第2層として膜厚が4nm以上12nm以下のTaまたはTi
の酸化物薄膜を積層成膜してなるものとしたのは、先
ず、膜厚が55nm以下15nm以上のSUS またはCrの窒素酸化
物薄膜については、比抵抗が高くしたがって比較的高い
電波透過性を示すことはもちろん熱線遮蔽性能も有する
ものであり、前記積層成膜の該電波透過性能はほぼSUS
またはCrの窒素酸化物薄膜で決まり、しかも前記積層成
膜の該熱線遮蔽性能とバランスをさせる必要があるもの
のプライバシ−保護性能等他の光学特性をもほぼ決定す
るものである。例えば膜厚が15nm未満では可視光透過率
を50%以下にし難くなり、膜厚が55nmを超えると可視光
透過率を25%以上にすることが困難となるものである。
可視光透過率を25%以上50%以下に確実にでき、かつ表
面抵抗値を10M Ω/口より高抵抗、例えば 15MΩ/口以
上として電波透過性能を高めるためには好ましくは20nm
以上50nm以下程度である。
【0017】しかも、該SUS またはCrの窒素酸化物薄膜
を、N2ガスとO2ガスの比が98:2ないしは93:7の範囲
の雰囲気ガスにある真空系装置内でSUS またはCrターゲ
ットに印加しスパッタすることで xとy の値を選択決定
して成るSUSNxOy またはCrNxOyであるものとしたのは、
前記膜厚のみだけではなく反応性スパッタリングにおい
て前記雰囲気ガスをコントロールした該 xとy の値によ
っても、前記積層成膜の表面抵抗値(シ−ト抵抗値 MΩ
/口)、その光学特性ならびに物理的化学的性能に微妙
な影響を与えるためであり、例えば xの値に係わる前記
N2ガスとO2ガスの比としての値(O2ガスの値)が2未満
では導電性方向に移行し前記表面抵抗値が低下して10M
Ω/口未満となり電波透過性能を減少するようになると
ともに、25%以上の可視光透過率の値等をもクリアする
ことは膜厚との兼ね合いを考慮したとしても難しい場合
もあり得るものであり、また例えば xの値に係わる前記
N2ガスとO2ガスの比としての値(O2ガスの値)が7を超
えるようになると絶縁性の方向に移行し前記表面抵抗値
が増大して電波透過性を増加するようになるものの、可
視光透過率と日射透過率の値が大きくなり、可視光透過
率50%以下をクリアすることができ難く、熱線遮断性能
に優れるものとしてクリアすることは膜厚との兼ね合い
を考慮したとしても難しい場合もあり得るものである。
を、N2ガスとO2ガスの比が98:2ないしは93:7の範囲
の雰囲気ガスにある真空系装置内でSUS またはCrターゲ
ットに印加しスパッタすることで xとy の値を選択決定
して成るSUSNxOy またはCrNxOyであるものとしたのは、
前記膜厚のみだけではなく反応性スパッタリングにおい
て前記雰囲気ガスをコントロールした該 xとy の値によ
っても、前記積層成膜の表面抵抗値(シ−ト抵抗値 MΩ
/口)、その光学特性ならびに物理的化学的性能に微妙
な影響を与えるためであり、例えば xの値に係わる前記
N2ガスとO2ガスの比としての値(O2ガスの値)が2未満
では導電性方向に移行し前記表面抵抗値が低下して10M
Ω/口未満となり電波透過性能を減少するようになると
ともに、25%以上の可視光透過率の値等をもクリアする
ことは膜厚との兼ね合いを考慮したとしても難しい場合
もあり得るものであり、また例えば xの値に係わる前記
N2ガスとO2ガスの比としての値(O2ガスの値)が7を超
えるようになると絶縁性の方向に移行し前記表面抵抗値
が増大して電波透過性を増加するようになるものの、可
視光透過率と日射透過率の値が大きくなり、可視光透過
率50%以下をクリアすることができ難く、熱線遮断性能
に優れるものとしてクリアすることは膜厚との兼ね合い
を考慮したとしても難しい場合もあり得るものである。
【0018】次に、第2層として膜厚が4nm以上12nm以
下のTaまたはTiの酸化物薄膜については、表面抵抗値が
高く絶縁膜と言えるものであり、しかも第1層目である
SUSまたはCrの窒素酸化物薄膜との密着性がよく、可視
光透過率、可視光反射率あるいは刺激純度等に対する影
響がほとんどないことはもちろん、耐薬品性、耐摩耗
性、耐擦傷性ならびに耐候性等耐久性に優れるものであ
る。
下のTaまたはTiの酸化物薄膜については、表面抵抗値が
高く絶縁膜と言えるものであり、しかも第1層目である
SUSまたはCrの窒素酸化物薄膜との密着性がよく、可視
光透過率、可視光反射率あるいは刺激純度等に対する影
響がほとんどないことはもちろん、耐薬品性、耐摩耗
性、耐擦傷性ならびに耐候性等耐久性に優れるものであ
る。
【0019】また、膜厚を12nm以下4nm以上としたの
は、12nmを超えるとガラスならびにSUS またはCrの窒素
酸化物薄膜との相互作用上必要がないだけでなく経済的
でなくなり、4nm未満では上記した耐薬品性、耐摩耗
性、耐擦傷性ならびに耐候性等耐久性が充分でなくなる
ためである。好ましくは10nm以下5nm以上である。
は、12nmを超えるとガラスならびにSUS またはCrの窒素
酸化物薄膜との相互作用上必要がないだけでなく経済的
でなくなり、4nm未満では上記した耐薬品性、耐摩耗
性、耐擦傷性ならびに耐候性等耐久性が充分でなくなる
ためである。好ましくは10nm以下5nm以上である。
【0020】なお、耐摩耗性について同一の膜厚構成で
しいて比較すれば、TiOx膜よりはTaOx膜の方が良好であ
り、またCrNxOy膜よりはSUSNxOy 膜の方が良好であり、
G(ガラス基板)/SUSNxOy 膜/TaOx膜の構成が最もよ
い。
しいて比較すれば、TiOx膜よりはTaOx膜の方が良好であ
り、またCrNxOy膜よりはSUSNxOy 膜の方が良好であり、
G(ガラス基板)/SUSNxOy 膜/TaOx膜の構成が最もよ
い。
【0021】またさらに、前記した構成でなる電波透過
型の熱線遮蔽ガラスは単板で使用でき、特に自動車用窓
材とて合せガラスとしてはもちろん、例えばリアガラ
ス、サイドガラスあるいはサンルーフガラス等に単板と
して使用できるものである。
型の熱線遮蔽ガラスは単板で使用でき、特に自動車用窓
材とて合せガラスとしてはもちろん、例えばリアガラ
ス、サイドガラスあるいはサンルーフガラス等に単板と
して使用できるものである。
【0022】さらに、種々の条件ないし環境のもとで使
用する際には、これに対応して前記第2層目である最外
表層の表面に、例えばシラザンやその他からなる酸化珪
素系保護膜等でハードコートをすること、あるいは反射
低減機能等機能性膜をさらに被覆することができること
は言うまでもない。
用する際には、これに対応して前記第2層目である最外
表層の表面に、例えばシラザンやその他からなる酸化珪
素系保護膜等でハードコートをすること、あるいは反射
低減機能等機能性膜をさらに被覆することができること
は言うまでもない。
【0023】また、前記2層の積層成膜の表面抵抗値が
10MΩ/口以上の高抵抗値であることとしたのは、10M
Ω/口未満の表面抵抗値では、積層成膜を被膜する以前
のガラス板の電波透過性に比し充分安定確実に1dB(絶
対値として)以内の変動差内に収めることができないも
のであり、より充分安定確実に1dB以内の変動差内、例
えば0.8 dB以内の変動差内とするためには15M Ω/口以
上、さらに電波透過性能および光学特性ならびに物理的
化学的特性を充分満足する好ましい積層成膜の表面抵抗
値としては20M Ω/口以上10G Ω/口以下程度の範囲で
あり、より好ましい表面抵抗値としては22M Ω/口以上
10G Ω/口以下程度の範囲である。
10MΩ/口以上の高抵抗値であることとしたのは、10M
Ω/口未満の表面抵抗値では、積層成膜を被膜する以前
のガラス板の電波透過性に比し充分安定確実に1dB(絶
対値として)以内の変動差内に収めることができないも
のであり、より充分安定確実に1dB以内の変動差内、例
えば0.8 dB以内の変動差内とするためには15M Ω/口以
上、さらに電波透過性能および光学特性ならびに物理的
化学的特性を充分満足する好ましい積層成膜の表面抵抗
値としては20M Ω/口以上10G Ω/口以下程度の範囲で
あり、より好ましい表面抵抗値としては22M Ω/口以上
10G Ω/口以下程度の範囲である。
【0024】さらに、前記電波透過型の熱線遮蔽ガラス
は、透明なガラス基板が、例えば可視光透過率が約80%
程度、可視光反射率が約7%程度、日射透過率が約62%
程度、刺激純度が2〜3%程度で、人や環境に優しく夜
間や雨天でもギラつかない、しかも紫外線吸収性能も付
与しうるグリーン系色調ガラス基板(例えば、3.5mm厚
み程度)を用いれば、該基板とほぼ同等の電波透過性能
(積層成膜を被覆する前の着色ガラス基板のみの電波透
過性に比してその差が1dB未満内、例えば0.8〜0dB で
ある)を有する前記積層成膜と特に光学特性上で巧みに
相互に絡ませ相乗効果をもたらしめるようにすること
で、電波透過性能および熱線遮蔽性能を高めたことはも
ちろん、格段に優れた光学的機能を備える卓越した特に
自動車用窓ガラスとして最適なものとなる。
は、透明なガラス基板が、例えば可視光透過率が約80%
程度、可視光反射率が約7%程度、日射透過率が約62%
程度、刺激純度が2〜3%程度で、人や環境に優しく夜
間や雨天でもギラつかない、しかも紫外線吸収性能も付
与しうるグリーン系色調ガラス基板(例えば、3.5mm厚
み程度)を用いれば、該基板とほぼ同等の電波透過性能
(積層成膜を被覆する前の着色ガラス基板のみの電波透
過性に比してその差が1dB未満内、例えば0.8〜0dB で
ある)を有する前記積層成膜と特に光学特性上で巧みに
相互に絡ませ相乗効果をもたらしめるようにすること
で、電波透過性能および熱線遮蔽性能を高めたことはも
ちろん、格段に優れた光学的機能を備える卓越した特に
自動車用窓ガラスとして最適なものとなる。
【0025】さらにまた、前記電波透過型の熱線遮蔽ガ
ラスは、透明なガラス基板が、例えば可視光透過率が約
79%程度、可視光反射率が約7%程度、日射透過率が約
72%程度、刺激純度が2〜3%程度で、人や環境に優し
く夜間や雨天でもギラつかないグリーン系色調ガラス基
板より同等かやや劣るブロンズ系色調ガラス基板(例え
ば、3.5mm 厚み程度)を用いることで、該基板とほぼ同
等の電波透過性能(積層成膜を被覆する前の着色ガラス
基板のみの電波透過性に比して1dB未満内、例えば0.8
〜0dB )を有する前記積層成膜と特に光学特性上で巧み
に相互に絡ませ相乗効果をもたらしめるようにすること
で、単に電波透過型熱線遮蔽ガラスとする従来とは異な
り、電波透過性能および熱線遮蔽性能を高めたことはも
ちろん、格段に優れた光学的機能を備える卓越した特に
自動車用窓ガラスとして好適なものとなる。
ラスは、透明なガラス基板が、例えば可視光透過率が約
79%程度、可視光反射率が約7%程度、日射透過率が約
72%程度、刺激純度が2〜3%程度で、人や環境に優し
く夜間や雨天でもギラつかないグリーン系色調ガラス基
板より同等かやや劣るブロンズ系色調ガラス基板(例え
ば、3.5mm 厚み程度)を用いることで、該基板とほぼ同
等の電波透過性能(積層成膜を被覆する前の着色ガラス
基板のみの電波透過性に比して1dB未満内、例えば0.8
〜0dB )を有する前記積層成膜と特に光学特性上で巧み
に相互に絡ませ相乗効果をもたらしめるようにすること
で、単に電波透過型熱線遮蔽ガラスとする従来とは異な
り、電波透過性能および熱線遮蔽性能を高めたことはも
ちろん、格段に優れた光学的機能を備える卓越した特に
自動車用窓ガラスとして好適なものとなる。
【0026】さらにまた、前記電波透過型の熱線遮蔽ガ
ラスはアンテナ導体と少なくとも前記2層でなる積層成
膜とを備えている窓ガラス、例えば自動車用窓ガラス、
ことにリアガラス、リアクオウタ(サイド)ガラスとし
て有用であり、具体的には断面上の構成としては例えば
前記ガラス基板と前記積層成膜との間にアンテナ導体を
設け、平面上では前記積層成膜をガラス基板の全面に被
膜することを基本にし、例えばガラス基板の周辺部の黒
枠内で周縁端からある幅で全周部分または給電点部より
やや大きめの部分を除いて被膜すること、あるいは該給
電点部と同様にししかもモール(枠体)を一体成型また
は後付けする部分を除き被膜すること、さらには該アン
テナ導体部分の全部または一部を除いて被膜すること等
とすることができるものであり、その構成は種々の構成
が自在になし得ることは言うまでもない。
ラスはアンテナ導体と少なくとも前記2層でなる積層成
膜とを備えている窓ガラス、例えば自動車用窓ガラス、
ことにリアガラス、リアクオウタ(サイド)ガラスとし
て有用であり、具体的には断面上の構成としては例えば
前記ガラス基板と前記積層成膜との間にアンテナ導体を
設け、平面上では前記積層成膜をガラス基板の全面に被
膜することを基本にし、例えばガラス基板の周辺部の黒
枠内で周縁端からある幅で全周部分または給電点部より
やや大きめの部分を除いて被膜すること、あるいは該給
電点部と同様にししかもモール(枠体)を一体成型また
は後付けする部分を除き被膜すること、さらには該アン
テナ導体部分の全部または一部を除いて被膜すること等
とすることができるものであり、その構成は種々の構成
が自在になし得ることは言うまでもない。
【0027】さらにまた、前記被膜した熱線遮蔽性能を
有する膜の表面抵抗値を前記したように高い値としたこ
とにより、AM電波、FM電波等の放送における受信障害あ
るいはTV映像でのゴ−スト現象等の電波障害などをより
確実に発現しないようにすることができ、充分な電波透
過性能を有するガラスが必要を得て、環境に優しいもの
とするためである。また例えば、ガラスアンテナ素子に
前記被覆した高抵抗の熱線遮蔽性能を有する膜を直接積
層した場合においても、電波受信性能の低下には全く影
響を及ぼすことがないと言えるものとなるものである。
有する膜の表面抵抗値を前記したように高い値としたこ
とにより、AM電波、FM電波等の放送における受信障害あ
るいはTV映像でのゴ−スト現象等の電波障害などをより
確実に発現しないようにすることができ、充分な電波透
過性能を有するガラスが必要を得て、環境に優しいもの
とするためである。また例えば、ガラスアンテナ素子に
前記被覆した高抵抗の熱線遮蔽性能を有する膜を直接積
層した場合においても、電波受信性能の低下には全く影
響を及ぼすことがないと言えるものとなるものである。
【0028】また、前記したようにガラス基板としては
所謂フロート法で製造された無機質で透明な無色または
着色ガラスであって、好ましくは例えばグリーン系ガラ
スやブロンズ系ガラスであり、さらに例えばグレー系ガ
ラスやブルー系ガラス等にも採用可能である。また単板
で使用できることはもとより、複層ガラスあるいは合せ
ガラス(本電波透過型の熱線遮蔽ガラスはクリア同志は
もちろんクリアと着色ガラス基板との組み合わせをも含
む)、シェ−ドバンド付きガラス、バイレイヤ−ガラ
ス、強化ガラス等、さらに平板あるいは曲げ板等各種板
ガラス製品として使用できることは言うまでもない。ま
た板厚としては例えば約1.5mm 程度以上約4.5mm 程度以
下が好ましく、より好ましくは約2.0mm 程度以上約4.0m
m 程度以下の無色または着色ガラスである。
所謂フロート法で製造された無機質で透明な無色または
着色ガラスであって、好ましくは例えばグリーン系ガラ
スやブロンズ系ガラスであり、さらに例えばグレー系ガ
ラスやブルー系ガラス等にも採用可能である。また単板
で使用できることはもとより、複層ガラスあるいは合せ
ガラス(本電波透過型の熱線遮蔽ガラスはクリア同志は
もちろんクリアと着色ガラス基板との組み合わせをも含
む)、シェ−ドバンド付きガラス、バイレイヤ−ガラ
ス、強化ガラス等、さらに平板あるいは曲げ板等各種板
ガラス製品として使用できることは言うまでもない。ま
た板厚としては例えば約1.5mm 程度以上約4.5mm 程度以
下が好ましく、より好ましくは約2.0mm 程度以上約4.0m
m 程度以下の無色または着色ガラスである。
【0029】
【作用】前述したとおり、本発明の電波透過型の熱線遮
蔽ガラスは、透明なガラス基板上に、特異にx とyの値
をコントロールしたSUSNxOy またはCrNxOyで表されるSU
S またはCrの窒素酸化物薄膜と該薄膜を被覆するTaOxま
たはTiOxで表されるTaまたはTiの酸化物薄膜を少なくと
も2層にそれぞれ特定の膜厚で形成してなり、可視光透
過率が25%以上50%以下で、かつ表面抵抗値が 10MΩ/
口以上であるものとしたことにより、該少なくとも2層
の積層膜のうち、第1層として非常に高い表面抵抗値を
持ちかつその値を制御でき得、しかも目標の光学特性を
前記ガラス基板の光学特性と巧みに整合せしめてバラン
スさせるようコントロールでき易いSUSNxOy またはCrNx
Oyを配置し、積層膜に充分な電波透過特性を与えるもの
である。さらに単板でも耐薬品性、耐候性、耐摩耗性お
よび耐久性で絶縁性の性質を合わせもつTaOx膜またはTi
Ox膜を最外表層に配置することで、高耐摩耗性、高耐久
性を有する膜を得ることを可能にしたものであり、単板
でも2層構成において電波透過性、高耐摩耗性、高耐久
性を保持し、可視光透過率、可視光反射率、日射透過率
ならびに反射の刺激純度とをバランスよく顕著にする作
用を与えるものである。
蔽ガラスは、透明なガラス基板上に、特異にx とyの値
をコントロールしたSUSNxOy またはCrNxOyで表されるSU
S またはCrの窒素酸化物薄膜と該薄膜を被覆するTaOxま
たはTiOxで表されるTaまたはTiの酸化物薄膜を少なくと
も2層にそれぞれ特定の膜厚で形成してなり、可視光透
過率が25%以上50%以下で、かつ表面抵抗値が 10MΩ/
口以上であるものとしたことにより、該少なくとも2層
の積層膜のうち、第1層として非常に高い表面抵抗値を
持ちかつその値を制御でき得、しかも目標の光学特性を
前記ガラス基板の光学特性と巧みに整合せしめてバラン
スさせるようコントロールでき易いSUSNxOy またはCrNx
Oyを配置し、積層膜に充分な電波透過特性を与えるもの
である。さらに単板でも耐薬品性、耐候性、耐摩耗性お
よび耐久性で絶縁性の性質を合わせもつTaOx膜またはTi
Ox膜を最外表層に配置することで、高耐摩耗性、高耐久
性を有する膜を得ることを可能にしたものであり、単板
でも2層構成において電波透過性、高耐摩耗性、高耐久
性を保持し、可視光透過率、可視光反射率、日射透過率
ならびに反射の刺激純度とをバランスよく顕著にする作
用を与えるものである。
【0030】とりわけ、可視光透過率が25%以上50%以
下で遮光性機能膜としてクリアでき、しかも日射透過率
を向上し、可視光反射率等光学特性も適宜バランスし得
ることができて、優れた車室内プライバシ−保護性の高
熱線遮蔽性能を有することとなり、指紋等の汚れも付き
にくく、熱暑感を緩和し冷暖房の効果を高め居住性を向
上し、さらにAM帯、FM帯、TV帯等での電波低反射性能が
格段に優れて通常のフロ−トガラス並の電波透過性能で
あることから、車輌用のテレビ、ラジオ、携帯電話等の
ためのガラスアンテナの受信性能を低下させることな
く、またゴ−スト現象等の電波障害を低減することがで
き、本来のガラスアンテナ性能を発揮させ、車輌内外で
の快適な環境を確保することができ、ことにガラスアン
テナでAM帯電波を支障なく受信でき、かつハイマウント
ストップランプ等に対応できる単板で使用可能な優れた
電波透過型の熱線遮蔽ガラスを提供するものである。
下で遮光性機能膜としてクリアでき、しかも日射透過率
を向上し、可視光反射率等光学特性も適宜バランスし得
ることができて、優れた車室内プライバシ−保護性の高
熱線遮蔽性能を有することとなり、指紋等の汚れも付き
にくく、熱暑感を緩和し冷暖房の効果を高め居住性を向
上し、さらにAM帯、FM帯、TV帯等での電波低反射性能が
格段に優れて通常のフロ−トガラス並の電波透過性能で
あることから、車輌用のテレビ、ラジオ、携帯電話等の
ためのガラスアンテナの受信性能を低下させることな
く、またゴ−スト現象等の電波障害を低減することがで
き、本来のガラスアンテナ性能を発揮させ、車輌内外で
の快適な環境を確保することができ、ことにガラスアン
テナでAM帯電波を支障なく受信でき、かつハイマウント
ストップランプ等に対応できる単板で使用可能な優れた
電波透過型の熱線遮蔽ガラスを提供するものである。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし本発明は係る実施例に限定されるものではな
い。
る。ただし本発明は係る実施例に限定されるものではな
い。
【0032】実施例1
大きさ約300mmx300mm 、厚さ約3.5mm のブロンズ色調系
ガラス基板(NFL3.5)を中性洗剤、水すすぎ、イソプロピ
ルアルコールで順次洗浄し、乾燥した後、DCマグネトロ
ンスパツタリング装置の真空槽内にセットしてあるある
Crのターゲツトを対向して上方を往復できるようセット
し、つぎに前記槽内を真空ポンプで5x10 -6Torr以下ま
でに脱気した後、該真空槽内にN2ガスとO2ガスの混合ガ
ス(但し、N2ガスとO2ガスの流量比は95:5)を導入して
真空度を5x10 -3Torrに保持し、前記Crのターゲツトに
約1.0kW の電力を印加し、前記混合ガスによるDCマグネ
トロン反応スパツタの中を、Crのターゲツトの上方にお
いてスピード約200mm /min でガラス基板上に第1層と
して約45nm厚さのCrNxOy薄膜を成膜した。成膜が完了し
た後、Crターゲツトへの印加を停止する。
ガラス基板(NFL3.5)を中性洗剤、水すすぎ、イソプロピ
ルアルコールで順次洗浄し、乾燥した後、DCマグネトロ
ンスパツタリング装置の真空槽内にセットしてあるある
Crのターゲツトを対向して上方を往復できるようセット
し、つぎに前記槽内を真空ポンプで5x10 -6Torr以下ま
でに脱気した後、該真空槽内にN2ガスとO2ガスの混合ガ
ス(但し、N2ガスとO2ガスの流量比は95:5)を導入して
真空度を5x10 -3Torrに保持し、前記Crのターゲツトに
約1.0kW の電力を印加し、前記混合ガスによるDCマグネ
トロン反応スパツタの中を、Crのターゲツトの上方にお
いてスピード約200mm /min でガラス基板上に第1層と
して約45nm厚さのCrNxOy薄膜を成膜した。成膜が完了し
た後、Crターゲツトへの印加を停止する。
【0033】次いで、前記した同装置の真空槽内にセッ
トしてあるTiのターゲツトを対向して上方を往復できる
ようセットし、つぎに前記槽内を真空ポンプで5x10 -6
Torr以下までに脱気した後、該真空槽内にO2ガスを導入
して真空度を5x10 -3Torrに保持し、前記Tiのターゲツ
トに約2.0kW の電力を印加し、O2ガスによるDCマグネト
ロン反応スパツタの中を、前記Tiのターゲツトの上方に
おいてスピード約300mm /min で前記ガラス基板を搬送
することによって、前記ガラス基板に第1層として約5
nm厚さのTiOx(x は1.5 〜2程度である)薄膜を成膜し
た。成膜が完了した後、Tiターゲツトへの印加を停止す
る。
トしてあるTiのターゲツトを対向して上方を往復できる
ようセットし、つぎに前記槽内を真空ポンプで5x10 -6
Torr以下までに脱気した後、該真空槽内にO2ガスを導入
して真空度を5x10 -3Torrに保持し、前記Tiのターゲツ
トに約2.0kW の電力を印加し、O2ガスによるDCマグネト
ロン反応スパツタの中を、前記Tiのターゲツトの上方に
おいてスピード約300mm /min で前記ガラス基板を搬送
することによって、前記ガラス基板に第1層として約5
nm厚さのTiOx(x は1.5 〜2程度である)薄膜を成膜し
た。成膜が完了した後、Tiターゲツトへの印加を停止す
る。
【0034】得られた単板2層の電波透過型の熱線遮蔽
ガラスは表1に示すようになり、該電波透過型の熱線遮
蔽ガラスについて下記の測定をして評価した。 (測定および評価法) 光学特性: 可視光透過率(380nm〜780nm)、可視光反射率(380nm〜780nm) ならびに日射透過率(340nm〜1800nm) 等については340 型自 記分光光度計(日立製作所製)とJISZ8722、JISR3106によっ てそれぞれの光学的特性を求めた。
ガラスは表1に示すようになり、該電波透過型の熱線遮
蔽ガラスについて下記の測定をして評価した。 (測定および評価法) 光学特性: 可視光透過率(380nm〜780nm)、可視光反射率(380nm〜780nm) ならびに日射透過率(340nm〜1800nm) 等については340 型自 記分光光度計(日立製作所製)とJISZ8722、JISR3106によっ てそれぞれの光学的特性を求めた。
【0035】
機械的特性: (トラバース試験)
(耐摩耗性) ブロード布#40、荷重100g/cm2 、ストローク:100mm、回数
5000回後のヘ−ズ(曇り具合)値の変化量(△H%)。
【0036】
*いずれも△H%が4%以下を合格とした。
化学的特性: (耐酸性)
(耐薬品性) 常温で0.1 規定のH2SO4 溶液中に試験片を約24時間浸漬した
後、外観を目視判定。
【0037】
(耐アルカリ性)
常温で0.1 規定のNaOH溶液中に試験片を約24時間浸漬した後
、外観を目視判定。
【0038】
*いずれも外観を目視し変化が見られないものを合格とした
。OK印で表示。
電気的特性: 三菱油化製表面高抵抗計(HIRESTA HT-210)によって測定。
【0039】
(表面抵抗値) (M Ω/口)。
電波透過性: 電波のうちAM帯(約520 〜1630kHz 程度の範囲)において、
(利得差) 被膜のないガラス基板の利得と本発明の電波透過型の熱線遮
蔽ガラスの利得を各々測定し、その差の絶対値(△dB)。
【0040】
冷熱試験 常温→約80℃(4時間) →常温(0.5時間) →−30℃(1.5時間)
→常温(0.5時間) の10サイクル後、外観を目視判定。
*外観を目視し変化が見られないものを合格とした。
【0041】
OK印で表示。
なお、各薄膜の膜厚については、それぞれの薄膜につい
て被膜時に、被膜しない部分を作り、その段差を表面粗
さ計(SLOAN 社製、DEKTAK II A )で測定した後、補足
して求めた。
て被膜時に、被膜しない部分を作り、その段差を表面粗
さ計(SLOAN 社製、DEKTAK II A )で測定した後、補足
して求めた。
【0042】その結果、表1に示すようになり、優れた
遮光性で車内等のプライバシ−保護ができ、充分優れた
熱線遮蔽性等の光学特性、充分に高い表面抵抗率、充分
安定な耐酸性、耐冷熱性ならびに優れた耐摩耗性を示
し、各物性をバランスよく示す所期の電波透過型の熱線
遮蔽ガラスを得ることができ、優れた居住性をもちかつ
運転者や搭乗者あるいは環境に優しく安全性も保持され
つつしかもAM帯をはじめ各種電波を快適に受信ができる
自動車用窓ガラス、ことにアンテナ導体と同時に備える
自動車用窓ガラスに対しても充分採用できるものであっ
た。
遮光性で車内等のプライバシ−保護ができ、充分優れた
熱線遮蔽性等の光学特性、充分に高い表面抵抗率、充分
安定な耐酸性、耐冷熱性ならびに優れた耐摩耗性を示
し、各物性をバランスよく示す所期の電波透過型の熱線
遮蔽ガラスを得ることができ、優れた居住性をもちかつ
運転者や搭乗者あるいは環境に優しく安全性も保持され
つつしかもAM帯をはじめ各種電波を快適に受信ができる
自動車用窓ガラス、ことにアンテナ導体と同時に備える
自動車用窓ガラスに対しても充分採用できるものであっ
た。
【0043】なお、耐アルカリ性、耐候性(例、サンシ
ヤインウエザーメーターで約1000時間:外観上異常がな
いこと)、耐湿性(例、約30℃、約95%RHで約15日間:
外観上異常がないこと)、その他種々の特性をも評価し
たところ、いずれも合格するものであった。
ヤインウエザーメーターで約1000時間:外観上異常がな
いこと)、耐湿性(例、約30℃、約95%RHで約15日間:
外観上異常がないこと)、その他種々の特性をも評価し
たところ、いずれも合格するものであった。
【0044】実施例2
実施例1と同様の大きさ、厚さのグリ−ン色調系ガラス
基板(MFL3.5)を実施例1と同様に順次洗浄し、乾燥した
後、DCマグネトロンスパツタリング装置の真空槽内にセ
ットしてあるあるSUS のターゲツトを対向して上方を往
復できるようセットし、つぎに前記槽内を真空ポンプで
5x10 -6Torr以下までに脱気した後、該真空槽内にN2ガ
スとO2ガスの混合ガス(但し、N2ガスとO2ガスの流量比
は95:5)を導入して真空度を5x10 -3Torrに保持し、前
記SUS のターゲツトに約1.0kW の電力を印加し、前記混
合ガスによるDCマグネトロン反応スパツタの中を、SUS
のターゲツトの上方においてスピード約200mm /min で
ガラス基板上に第1層として約45nm厚さのSUSNxOy 薄膜
を成膜した。成膜が完了した後、SUS ターゲツトへの印
加を停止する。
基板(MFL3.5)を実施例1と同様に順次洗浄し、乾燥した
後、DCマグネトロンスパツタリング装置の真空槽内にセ
ットしてあるあるSUS のターゲツトを対向して上方を往
復できるようセットし、つぎに前記槽内を真空ポンプで
5x10 -6Torr以下までに脱気した後、該真空槽内にN2ガ
スとO2ガスの混合ガス(但し、N2ガスとO2ガスの流量比
は95:5)を導入して真空度を5x10 -3Torrに保持し、前
記SUS のターゲツトに約1.0kW の電力を印加し、前記混
合ガスによるDCマグネトロン反応スパツタの中を、SUS
のターゲツトの上方においてスピード約200mm /min で
ガラス基板上に第1層として約45nm厚さのSUSNxOy 薄膜
を成膜した。成膜が完了した後、SUS ターゲツトへの印
加を停止する。
【0045】次いで、前記した同装置の真空槽内にセッ
トしてあるTaのターゲツトを対向して上方を往復できる
ようセットし、つぎに前記槽内を真空ポンプで5x10 -6
Torr以下までに脱気した後、該真空槽内にO2ガスを導入
して真空度を5x10 -3Torrに保持し、前記Taのターゲツ
トに約2.0kW の電力を印加し、O2ガスによるDCマグネト
ロン反応スパツタの中を、前記Taのターゲツトの上方に
おいてスピード約500mm /min で前記ガラス基板を搬送
することによって、前記ガラス基板に第1層として約5
nm厚さのTaOx(x は4/2〜5/2程度である)薄膜を
成膜した。成膜が完了した後、Taターゲツトへの印加を
停止する。
トしてあるTaのターゲツトを対向して上方を往復できる
ようセットし、つぎに前記槽内を真空ポンプで5x10 -6
Torr以下までに脱気した後、該真空槽内にO2ガスを導入
して真空度を5x10 -3Torrに保持し、前記Taのターゲツ
トに約2.0kW の電力を印加し、O2ガスによるDCマグネト
ロン反応スパツタの中を、前記Taのターゲツトの上方に
おいてスピード約500mm /min で前記ガラス基板を搬送
することによって、前記ガラス基板に第1層として約5
nm厚さのTaOx(x は4/2〜5/2程度である)薄膜を
成膜した。成膜が完了した後、Taターゲツトへの印加を
停止する。
【0046】上記したように、前記実施例1と同様の方
法で、表1に示す各膜厚を得て、その膜構成において実
施例1で示した測定法等によって同様の評価手段で行っ
た。その結果を表1に示す。
法で、表1に示す各膜厚を得て、その膜構成において実
施例1で示した測定法等によって同様の評価手段で行っ
た。その結果を表1に示す。
【0047】また前記AM帯(約520 〜1630kHz 程度の範
囲)において、上記本実施例の電波透過型の熱線遮ガラ
スの表面抵抗値(M Ω/口)と前記利得の差の絶対値
(△dB)との関係が図1に示すような関係にあることを
見出した。
囲)において、上記本実施例の電波透過型の熱線遮ガラ
スの表面抵抗値(M Ω/口)と前記利得の差の絶対値
(△dB)との関係が図1に示すような関係にあることを
見出した。
【0048】この関係は本発明の電波透過型の熱線遮蔽
ガラスにおいて充分適用できることも確認ができ、例え
ば前記利得の差の絶対値(△dB)を1dB以下にし、充分
な電波透過性を得るためには、約10 MΩ/口以上の表面
抵抗値が良く、また例えば0.8 〜0.6dB 以下程度であれ
ば約16〜20 MΩ/口以上の表面抵抗値であり、さらに例
えば0.5 〜0.3dB 以下程度であれば約30〜40 MΩ/口以
上の表面抵抗値がよいことが判明した。
ガラスにおいて充分適用できることも確認ができ、例え
ば前記利得の差の絶対値(△dB)を1dB以下にし、充分
な電波透過性を得るためには、約10 MΩ/口以上の表面
抵抗値が良く、また例えば0.8 〜0.6dB 以下程度であれ
ば約16〜20 MΩ/口以上の表面抵抗値であり、さらに例
えば0.5 〜0.3dB 以下程度であれば約30〜40 MΩ/口以
上の表面抵抗値がよいことが判明した。
【0049】得られた該各実施例の電波透過型の熱線遮
蔽ガラスは、いずれも実施例1と同様に優れた光学特性
等の各物性をバランスよく示す所期のものであった。実施例3〜7 前記実施例1あるいは2と同様の方法で、表1に示す各
膜厚を得て、その膜構成において実施例1で示した測定
法等によって同様の評価手段で行った。その結果を表1
に示す。
蔽ガラスは、いずれも実施例1と同様に優れた光学特性
等の各物性をバランスよく示す所期のものであった。実施例3〜7 前記実施例1あるいは2と同様の方法で、表1に示す各
膜厚を得て、その膜構成において実施例1で示した測定
法等によって同様の評価手段で行った。その結果を表1
に示す。
【0050】得られた該各実施例の電波透過型の熱線遮
蔽ガラスは、いずれも実施例1と同様に優れた光学特性
等の各物性をバランスよく示す所期のものであった。特
に実施例3、4、5ならびに7については、格段に優れ
た電波透過性能を示すものであった。
蔽ガラスは、いずれも実施例1と同様に優れた光学特性
等の各物性をバランスよく示す所期のものであった。特
に実施例3、4、5ならびに7については、格段に優れ
た電波透過性能を示すものであった。
【0051】比較例1
実施例1と同様にして処理し、表1に示すようなCrNxOy
薄膜のみを被膜したガラスを得た。実施例1と同様の測
定法、同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
薄膜のみを被膜したガラスを得た。実施例1と同様の測
定法、同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0052】得られたCrNxOy薄膜のみを被膜したガラス
は、表面抵抗値が20M Ω/口と充分高く、電波透過性も
よいものの、トラバ−ス試験からみてもわかるように耐
摩耗性が充分でなく、自動車用窓ガラスとして単板使用
に対し充分であるものとは言い難いものであり、めざす
所期の電波透過型の熱線遮蔽ガラスではないものであっ
た。
は、表面抵抗値が20M Ω/口と充分高く、電波透過性も
よいものの、トラバ−ス試験からみてもわかるように耐
摩耗性が充分でなく、自動車用窓ガラスとして単板使用
に対し充分であるものとは言い難いものであり、めざす
所期の電波透過型の熱線遮蔽ガラスではないものであっ
た。
【0053】比較例2
前記実施例2と同様の方法で、表1に示す各膜厚を得
て、その膜構成において実施例1で示した測定法等によ
って同様の評価手段で行った。その結果を表1に示す。
て、その膜構成において実施例1で示した測定法等によ
って同様の評価手段で行った。その結果を表1に示す。
【0054】得られた該比較例のガラスは、特に3M Ω
/口程度で電波透過性能が不充分となり、前記比較例1
と同様に、めざす所期の電波透過型の熱線遮蔽ガラスで
はないものであった。
/口程度で電波透過性能が不充分となり、前記比較例1
と同様に、めざす所期の電波透過型の熱線遮蔽ガラスで
はないものであった。
【0055】比較例3
前記実施例1と同様の方法で、表1に示す各膜厚を得
て、その膜構成において実施例1で示した測定法等によ
って同様の評価手段で行った。その結果を表1に示す。
て、その膜構成において実施例1で示した測定法等によ
って同様の評価手段で行った。その結果を表1に示す。
【0056】得られた該比較例のガラスは、可視光透過
率が到底25〜50%に到達するものではなく、遮光性が低
くプライバシ−保護性能を確保し難く、日射透過率も6
8.2%と比較的低いとは言えず熱線遮断性が充分に優れ
るとは言い難い光学特性となり、めざす所期の電波透過
型の熱線遮蔽ガラスではないものであった。
率が到底25〜50%に到達するものではなく、遮光性が低
くプライバシ−保護性能を確保し難く、日射透過率も6
8.2%と比較的低いとは言えず熱線遮断性が充分に優れ
るとは言い難い光学特性となり、めざす所期の電波透過
型の熱線遮蔽ガラスではないものであった。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】以上前述したように、本発明はスパッタ
法で、特定膜厚の高表面抵抗値を有するSUS またはCrの
窒素酸化物薄膜をTaまたはTiの酸化物薄膜で被覆するよ
うに少なくとも2層に被膜した熱線遮蔽ガラスであっ
て、耐摩耗性、耐食性ならびに耐久性に優れ、かつバラ
ンスよく優れる光学特性を有し、しかも電波透過の良好
な通常のフロ−トガラス並の電波低反射率であって、電
波障害を発現するようなこともなく、該熱線遮蔽ガラス
に配備したアンテナ導体の利得がフロ−トガラス並を示
し、合わせガラスあるいは複層ガラス等はもちろん単板
ガラスとして使用し得る、建築用窓ガラスはもちろん、
特に自動車用窓ガラスとして有用な電波透過型の熱線遮
蔽ガラスを効率よく提供するものである。
法で、特定膜厚の高表面抵抗値を有するSUS またはCrの
窒素酸化物薄膜をTaまたはTiの酸化物薄膜で被覆するよ
うに少なくとも2層に被膜した熱線遮蔽ガラスであっ
て、耐摩耗性、耐食性ならびに耐久性に優れ、かつバラ
ンスよく優れる光学特性を有し、しかも電波透過の良好
な通常のフロ−トガラス並の電波低反射率であって、電
波障害を発現するようなこともなく、該熱線遮蔽ガラス
に配備したアンテナ導体の利得がフロ−トガラス並を示
し、合わせガラスあるいは複層ガラス等はもちろん単板
ガラスとして使用し得る、建築用窓ガラスはもちろん、
特に自動車用窓ガラスとして有用な電波透過型の熱線遮
蔽ガラスを効率よく提供するものである。
【図1】実施例2の電波透過型の熱線遮蔽ガラスにおけ
る表面抵抗値( MΩ/口)と、被膜がない着色ガラス基
板と電波透過型熱線遮蔽ガラスとの利得差(△dB)の関
係を示す説明図である。
る表面抵抗値( MΩ/口)と、被膜がない着色ガラス基
板と電波透過型熱線遮蔽ガラスとの利得差(△dB)の関
係を示す説明図である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 冨岡 孝夫
三重県松阪市大口町1510 セントラル硝
子株式会社 硝子研究所内
(56)参考文献 特開 平8−143336(JP,A)
特開 平2−177601(JP,A)
特開 平4−243935(JP,A)
特開 平5−833(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C03C 15/00 - 23/00
B32B 1/00 - 35/00
B60J 1/00
C23C 14/00 - 14/58
Claims (4)
- 【請求項1】透明なガラス基板表面に、ガラス面側から
第1層として膜厚が55nm以下15nm以上のSUSNxOyで表すS
USの窒素酸化物薄膜またはCrNxOyで表すCrの窒素酸化物
薄膜、第2層として膜厚が4nm以上12nm以下のTaまたは
Tiの酸化物薄膜を積層成膜してなり、しかも該SUS また
はCrの窒素酸化物の薄膜が、N2ガスとO2ガスの比が98:
2ないしは93:7の範囲の雰囲気ガスにある真空系装置
内でSUSまたはCrターゲットに印加しスパッタすること
でxとyの値を選択決定して成るSUSNxOyまたはCrNxOyで
なり、可視光透過率が25%以上50%以下で、かつ表面抵
抗値が10MΩ/口以上であることを特徴とする電波透過
型の熱線遮蔽ガラス。 - 【請求項2】前記2層の積層成膜の表面抵抗値が、15M
Ω/口以上10GΩ/口以下の高抵抗値であることを特徴
とする請求項1記載の電波透過型の熱線遮蔽ガラス。 - 【請求項3】前記電波透過型の熱線遮蔽ガラスが、単板
であることを特徴とする請求項1乃至2記載の電波透過
型の熱線遮蔽ガラス。 - 【請求項4】前記電波透過型の熱線遮蔽ガラスが、少な
くともアンテナ導体と前記2層でなる積層成膜とを備え
ることを特徴とする請求項1乃至3記載の電波透過型の
熱線遮蔽ガラス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16333395A JP3375024B2 (ja) | 1995-06-29 | 1995-06-29 | 電波透過型の熱線遮蔽ガラス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16333395A JP3375024B2 (ja) | 1995-06-29 | 1995-06-29 | 電波透過型の熱線遮蔽ガラス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0912339A JPH0912339A (ja) | 1997-01-14 |
JP3375024B2 true JP3375024B2 (ja) | 2003-02-10 |
Family
ID=15771872
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16333395A Expired - Fee Related JP3375024B2 (ja) | 1995-06-29 | 1995-06-29 | 電波透過型の熱線遮蔽ガラス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3375024B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5778488B2 (ja) * | 2010-12-22 | 2015-09-16 | 株式会社ブリヂストン | 熱線遮蔽ガラス、及びこれを用いた複層ガラス |
-
1995
- 1995-06-29 JP JP16333395A patent/JP3375024B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0912339A (ja) | 1997-01-14 |
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