JP3374158B2 - 感熱記録媒体 - Google Patents

感熱記録媒体

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JP3374158B2
JP3374158B2 JP12083492A JP12083492A JP3374158B2 JP 3374158 B2 JP3374158 B2 JP 3374158B2 JP 12083492 A JP12083492 A JP 12083492A JP 12083492 A JP12083492 A JP 12083492A JP 3374158 B2 JP3374158 B2 JP 3374158B2
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岡 康 明 吉
取 研 二 江
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基体上に感熱印字記録
用薄膜層を設けた感熱記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】感熱記録媒体は紙、プラスチックなどの
基体上に感熱着色層が設けられて形成されている。感熱
記録媒体はサ−マルヘッドやレーザビーム等を用いて加
熱され、可視画像情報が記録される。加熱するだけで発
色画像が得られるため、感熱記録媒体の用途は乗車券や
定期券など広範囲に利用されている。
【0003】感熱記録媒体の感熱発色層としては染料を
用いたものや金属等の薄膜を用いたものがある。金属等
の薄膜を用いた感熱記録媒体は、保存性に優れ、また微
細に情報を記録できるという利点を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、情報産
業の発達した近年、一つの感熱記録媒体に多種、多量の
情報を記録する需要が急速に増してきた。これに伴い、
本体上に一層しか感熱印字記録用薄膜層が設けられてい
なかった従来の感熱記録媒体(例えば、特公昭60−1
8388)は単一の色しか発色させることができず、情
報量を多量に記録できないという問題点が浮上してき
た。また、色彩的に情報を区別して記録できないという
問題点も浮上してきた。
【0005】そこで本発明の目的は、上記従来技術の有
する問題を解消し、多量の情報量を記録できるととも
に、色彩的に情報を区別して多彩な記録をすることがで
きる感熱記録媒体を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、基体上に積層された複数の感熱印字記録
用薄膜層を備え、前記複数の感熱印字記録用薄膜層は金
属または合金あるいはこれらの化合物からなり、前記複
数の感熱印字記録用薄膜層は感熱した部分が感熱破壊し
除去されて記録を形成するものであり、前記複数の感熱
印字記録用薄膜層の上層に位置する感熱印字記録用薄膜
層は、下層に位置する感熱印字記録用薄膜層を感熱破壊
することなく感熱記録可能に形成されており、前記下層
に位置する感熱印字記録用薄膜層は、前記上層に位置す
る感熱印字記録用薄膜層の全面あるいは一部が感熱破壊
されて除去された状態で、前記上層に位置する感熱印字
記録用薄膜層における感熱記録とは独立に感熱記録可能
に形成されており、前記複数の感熱印字記録用薄膜層は
異なる融点を有し、前記感熱印字記録用薄膜層の上また
は下の少なくとも一方にバインダーとしての樹脂と顔料
または染料とからなる着色層を設けたことを特徴とす
る。
【0007】
【0008】また、前記感熱印字記録用薄膜層は基体上
に層設された磁気記録層上に設けられたことを特徴とす
ることが好適である。
【0009】
【0010】サ−マルヘッドやレーザビーム等を用い
て、基体上に積層された複数の感熱印字記録用薄膜層の
下層と上層とに異なる熱量を印加し、各薄膜層を選択的
に破壊することにより、下層と上層とに区別して情報を
記録する。上層の感熱印字記録用薄膜層を破壊すると、
その下層にある層の色を呈する。下層の感熱印字記録用
薄膜層を破壊するとより下層にある層の色を呈する。
【0011】この場合、背景色として上層感熱印字記録
用薄膜層の表面の色を背景色として、下層の感熱印字記
録用薄膜層の色を呈する情報と、より下層の感熱印字記
録用薄膜層の表面の色を呈する情報を得ることができ
る。
【0012】また、各層の感熱印字記録用薄膜層毎に情
報を感熱記録する場合は、感熱破壊されて情報の記録さ
れた層の感熱印字記録用薄膜層の色が背景色となる。
【0013】感熱印字記録用薄膜層の下に着色層を設け
ない場合には、上層の感熱印字記録用薄膜層を破壊して
情報を記録するとこの情報の呈する色は下層にある感熱
印字記録用薄膜層の表面の色を呈し、また最下層の感熱
印字記録用薄膜層を破壊して情報を記録するとこの情報
の呈する色は基体の表面の色となる。
【0014】一方、感熱印字記録用薄膜層の下に着色層
を設けた場合には、上層の感熱印字記録用薄膜層を破壊
して情報を記録するとこの情報の呈する色は、下層にあ
る着色層の表面の色となる。
【0015】複数の感熱印字記録用薄膜層が異なる融点
を有する場合には、より低い融点を有する感熱印字記録
用薄膜層のみを感熱破壊させることができる一方、より
高い融点を有する層をより低い融点を有する層と一緒に
感熱破壊させることができる。これにより、融点の異な
る感熱印字記録用薄膜層を選択的に感熱破壊する。
【0016】また、下層にある感熱印字記録用薄膜層を
より低い融点を有するようにした場合には、上層の感熱
印字記録用薄膜層は感熱破壊されず下層の感熱印字記録
用薄膜層のみが感熱破壊される。この破壊された下層の
感熱印字記録用薄膜層によって潜像を形成することがで
き、この潜像を画像情報として利用することも可能であ
る。なお、この場合、下層にある感熱印字記録用薄膜層
が下方向から光線で照らされる構成の場合、例えば基体
が少くとも部分的に光線を透過する場合には、感熱破壊
されない上層および下層を透過する像と、感熱破壊され
ない上層と感熱破壊された下層とを透過する像との間の
透過率の違いによって明確に像を認識することができ
る。
【0017】また、複数の感熱印字記録用薄膜層がほぼ
同一の融点を有する場合には、各感熱印字記録用薄膜層
への距離の相違に基づき、サ−マルヘッド等によって印
加される熱量を上層のみを感熱破壊するように制御して
上層の感熱印字記録用薄膜層のみに選択的に記録するこ
とができる一方、下層をも感熱破壊するほどの熱量を印
加するようにサ−マルヘッド等を制御することによっ
て、上層および下層の薄膜層を一緒に感熱破壊して下層
の薄膜層に記録することができる。このようにして、下
層の薄膜層と上層の薄膜層とに区別して情報を記録す
る。
【0018】また、基体上に層設された磁気記録層上に
感熱印字記録用薄膜層が設けられる場合は、感熱印字記
録用薄膜層は金属または合金あるいはこれらの化合物か
らなるので薄く作ることができ、磁気記録層と磁気記録
読取りヘッドとの距離を小さくすることができる。
【0019】
【実施例】以下に図面を参照して本発明による感熱記録
媒体実施例を説明する。
【0020】図1を参照して本発明の第1参考例を説明
する。図1において、感熱記録媒体1は紙やプラスチッ
クなどからなるシート状の基体2と、この基体2上に層
設された下層の感熱印字記録用薄膜層4と、下層感熱印
字記録用薄膜層4の上に層設された上層の感熱印字記録
用薄膜層3とを備えている。感熱印字記録用薄膜層3、
4は金属または合金あるいはこれらの化合物からなる。
上層感熱印字記録用薄膜層3は、下層感熱印字記録用薄
膜層4の融点よりも低い融点を有する。
【0021】次に本参考例の作用について説明する。サ
−マルヘッド等を用いて感熱記録媒体1の感熱印字記録
用薄膜層3、4に熱量を印加し情報を感熱記録する。こ
の際、まず上層感熱印字記録用薄膜層3のみに感熱記録
する。このために、印加される熱量を供給するサ−マル
ヘッド等を、上層感熱印字記録用薄膜層3の融点よりは
高い温度であるが下層感熱印字記録用薄膜層4の融点よ
りも低い温度になるように制御する。上層感熱印字記録
用薄膜層3に記録された画像情報に対応する薄膜部分は
破壊され、下層感熱印字記録用薄膜層4の表面の色を呈
し可視情報となる。
【0022】次に下層の感熱印字記録用薄膜層4に情報
を記録する場合は、この上層にある感熱印字記録用薄膜
層3の全面あるいは一部をサ−マルヘッド等によって所
定の熱用を印加することによって感熱破壊して除去す
る。この後、サ−マルヘッド等を下層感熱印字記録用薄
膜層4の融点よりは高い温度になる熱量を印加するよう
にサ−マルヘッド等を制御する。下層感熱印字記録用薄
膜層4に記録された画像情報に対応する薄膜部分は破壊
され、基体2の表面の色を呈し可視情報となる。これに
より、総計2層に渡って情報を記録することができるの
で、感熱記録媒体1に多量の情報を記録することができ
る。
【0023】また、本参考例においては、次のような情
報記録の仕方も可能である。すなわち、感熱記録媒体1
の表面のある部分は上層感熱印字記録用薄膜層3に記録
し、他の部分は下層感熱印字記録用薄膜層4に記録する
仕方である。この場合、いずれの薄膜層に情報を記録す
るかによって、サ−マルヘッド等の位置と感熱記録媒体
1との相対位置の位置制御と同時にサ−マルヘッド等に
よって印加される熱量を制御する。サ−マルヘッド等の
熱量の制御は、上述したように、上層感熱印字記録用薄
膜層3に情報を記録する場合は上層感熱印字記録用薄膜
層3の融点よりは高い温度であるが下層感熱印字記録用
薄膜層4の融点よりも低い温度になるように制御して、
上層のみを感熱破壊する。また、下層の感熱印字記録用
薄膜層4に情報を記録する場合には下層感熱印字記録用
薄膜層4の融点より高い温度になる熱量を印加し、上層
感熱印字記録用薄膜層3と下層感熱印字記録用薄膜層4
とを同時に感熱破壊する。
【0024】この結果、上層感熱印字記録用薄膜層3を
感熱破壊して記録された画像情報は薄膜層3の表面色を
背景色とするとともに薄膜層4の表面の色を呈する。ま
た、上層および下層の感熱印字記録用薄膜層3、4を感
熱破壊して記録した画像情報は、薄膜層3の表面色を背
景色とするとともに基体2の表面の色を呈する。
【0025】なお、本参考例においては、感熱印字記録
用薄膜層を2層設けた例を示したが、3層以上であって
も構わない。
【0026】また、下層の感熱印字記録用薄膜層4は必
ずしも下層にある基体2あるいはより下層にある感熱印
字記録用薄膜層と同じ面積を有する必要はなく、図2に
示すように基体2等の表面の一部分に設けられていても
よい。
【0027】また、本参考例では、上層と下層の感熱印
字記録用薄膜層3、4とが異なる融点を有するとした
が、必ずしも異なる融点を有する必要はない。この場
合、サ−マルヘッド等から各感熱印字記録用薄膜層への
距離が相違することに基づき、サ−マルヘッド等によっ
て印加される熱量を上層の薄膜層のみを感熱破壊するよ
うに制御して上層の感熱印字記録用薄膜層のみに選択的
に記録する。また、下層の薄膜層をも感熱破壊するほど
の熱量を印加するようにサ−マルヘッド等を制御するこ
とにより上層および下層を一緒に感熱破壊して下層の薄
膜層に情報を記録する。
【0028】以上述べたように、本参考例の構成によれ
ば、感熱記録媒体1の感熱印字記録用薄膜層3、4は金
属または合金あるいはこれらの化合物からなるので、保
存性に優れた細密の画像情報を記録することができる。
【0029】また、複数の感熱印字記録用薄膜層を設け
たので、各感熱印字記録用薄膜層毎に情報を記録するこ
とにより、多量の情報を記録することができる。
【0030】また、複数の感熱印字記録用薄膜層を設け
たので、各感熱印字記録用薄膜層を選択的に感熱破壊す
ることにより、共通の背景色のもとに色彩的に多彩な色
を呈する画像情報を得ることができる。
【0031】また、上層と下層の感熱印字記録用薄膜層
3、4の融点を異なるようにしたので、各感熱印字記録
用薄膜層3、4を容易に選択的に感熱破壊させることが
できる。
【0032】次に図3を参照して本発明の第実施例を
説明する。図3において、上層の感熱印字記録用薄膜層
3と下層の感熱印字記録用薄膜層4との間に着色層5が
層設されている。その他の構成は図1の場合と同様であ
る。上層の感熱印字記録用薄膜層3を選択的に感熱破壊
して記録される画像情報は着色層5の色を呈する。
【0033】本実施例の構成によれば、広範囲の色から
着色層5の色を選択することにより、下層の印字記録用
薄膜層4の表面の色に限定することなく、感熱印字記録
用薄膜層3を感熱破壊して記録される画像情報の色を選
択することができる。
【0034】次に図4を参照して本発明の第実施例を
説明する。図4において、下層の感熱印字記録用薄膜層
4と基体2との間にさらに着色層6が設けられている。
その他の構成は図3の場合と同様である。上層および下
層の感熱印字記録用薄膜層3、4を感熱破壊して記録さ
れる画像情報は着色層6の色を呈する。
【0035】本実施例の構成によれば、着色層5、6を
設けたので、上層の薄膜層3を感熱破壊して記録された
画像情報は薄膜層3の表面色を背景色とするとともに着
色層5の色を呈する。また、上層の薄膜層3、着色層5
および下層薄膜層4を感熱破壊して記録した画像情報
は、薄膜層3の表面色を背景色とするとともに着色層6
の表面の色を呈する。なお、背景色は、薄膜層3の表面
色に限らず、部分的に着色層5または下層薄膜層4の色
をとることも可能である。
【0036】この結果、色彩的に変化に富んだ画像情報
を感熱記録媒体1に記録することができる。
【0037】次に図5を参照して本発明の第2参考例
説明する。図5において、下層の感熱印字記録用薄膜層
4と基体2との間に磁気記録層7が設けられている。そ
の他の構成は図1の場合と同様である。
【0038】本参考例の構成によれば、感熱印字記録用
薄膜層3、4は金属または合金あるいはこれらの化合物
からなるので、複数の薄膜層3、4の総計の膜厚を薄く
するように形成することができる。この結果、基体2上
に磁気記録層7を設けても、磁気記録を読み書きするた
めの磁気記録読み書きヘッドと磁気記録層7の記録層と
の距離を小さくすることができる。これによって、磁気
記録層7の上に複数の感熱印字記録用薄膜層を設けても
磁気記録の読み書きに支障がなくなり、感熱破壊により
記録する多量の可視画像情報と、磁気記録層7に記録す
る磁気記録情報とを1個の感熱記録媒体1に保持するこ
とが可能となる。
【0039】次に図6を参照して本発明の第3参考例
説明する。図6において、上層の感熱印字記録用薄膜層
3の上に保護層8が設けられている。その他の構成は図
1の場合と同様である。
【0040】本実施例によれば、保護層8を設けたの
で、感熱記録媒体1の表面を外部環境から保護すること
ができる。
【0041】次に図7を参照して本発明の第実施例を
説明する。図7において、基体2の上に磁気記録層7が
層設され、磁気記録層7の上に着色層6が層設され、着
色層6の上に下層感熱印字記録用薄膜層4が層設され、
下層感熱印字記録用薄膜層4の上に着色層5が層設さ
れ、着色層5の上に上層感熱印字記録用薄膜層3が層設
され、上層感熱印字記録用薄膜層3の上に保護層8が層
設されている。上層感熱印字記録用薄膜層3は、下層感
熱印字記録用薄膜層4の融点よりも低い融点を有する。
【0042】次に本実施例の作用について説明する。ま
ず印加される熱量を供給するサ−マルヘッド等を、上層
感熱印字記録用薄膜層3の融点よりは高い温度であるが
下層感熱印字記録用薄膜層4の融点よりも低い温度にな
るように制御する。上層感熱印字記録用薄膜層3に記録
された画像情報に対応する薄膜部分は破壊され、着色層
の表面の色を呈し可視情報となる。
【0043】次に下層の感熱印字記録用薄膜層4に情報
を記録する場合には下層感熱印字記録用薄膜層4の融点
より高い温度になる熱量を印加し、上層感熱印字記録用
薄膜層3と下層感熱印字記録用薄膜層4とを同時に感熱
破壊する。
【0044】この結果、上層感熱印字記録用薄膜層3を
感熱破壊して記録された画像情報は薄膜層3の表面色を
背景色とするとともに着色層5の表面の色を呈する。ま
た、上層および下層の感熱印字記録用薄膜層3、4を感
熱破壊して記録した画像情報は、薄膜層3の表面色を背
景色とするとともに着色層6の表面の色を呈する。な
お、この場合、サ−マルヘッド等で印加される熱量を調
節することによって、下層の薄膜層4に記録される情報
を着色層5の色と着色層6の色との混合色にすることも
可能である。さらに、両色の混合の程度はサ−マルヘッ
ド等で印加される熱量を微調節することによって可能と
なる。
【0045】本実施例の構成によれば、第1実施例乃至
実施例による効果を合わせもつことができる。
【0046】次に図8を参照して本発明の第実施例を
説明する。図8において、基体2の片側上に磁気記録層
7aが層設され、磁気記録層7aの上に着色層6aが層
設され、着色層6aの上に下層感熱印字記録用薄膜層4
aが層設され、下層感熱印字記録用薄膜層4aの上に着
色層5aが層設され、着色層5aの上に上層感熱印字記
録用薄膜層3aが層設され、上層感熱印字記録用薄膜層
3aの上に保護層8aが層設されている。また、基体2
の他側上に磁気記録層7b、着色層6b、下層感熱印字
記録用薄膜層4b、着色層5b、上層感熱印字記録用薄
膜層b、および保護層8bがこの順で層設されている。
なお、各層の間には各層間の接合を強固にするために接
着層を設けることも可能である。
【0047】本実施例の構成によれば、基体1の両側に
感熱印字記録用薄膜層等の各層を設けたので、感熱記録
媒体1の両面において第実施例による効果を有すると
ともに、1個の感熱記録媒体1に多量の情報を記録する
ことができる。
【0048】以下、本発明に係る感熱記録媒体の製造方
法ならびに用いられる材料について説明する。
【0049】本発明に係る感熱記録媒体1は、基体2上
に、感熱印字記録用薄膜層3、4を真空蒸着法により蒸
着する一方、必要に応じて着色層5、6、磁気記録層
7、保護層8、あるいは接着層を、印刷法あるいはコー
ティング法などにより設ける直接法によって形成するこ
とができる。
【0050】また、転写基体上に剥離層を介して感熱印
字記録用薄膜層3、4、着色層5、6等からなる積層体
を準備しておき、この積層体のホットメルト接着層を基
体2の表面上に接着させるとともに剥離層により転写用
基体を取り去るという転写法によって、本発明に係る記
録媒体1を形成することもできる。
【0051】さらに、一旦貼着用基体上に、感熱印字記
録用薄膜層3、4、着色層5、6等からなる貼着用の積
層体を準備し、この積層体の裏面に粘着層を設け、この
粘着層を介して、基体2と貼着用基体とを一体に接着さ
せるという貼着法によって、本発明に係る記録媒体1を
形成することもできる。
【0052】基材2はシート状あるいは板状を呈してお
り、この基材2としては、ナイロン、セルロースジアセ
テート、セルローストリアセテート、ポリスチレン、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリイミ
ド、ポリカーボネートなどのプラスチック類、銅、アル
ミニウムなどの金属、紙、含浸紙などを単独であるいは
組合せて複合体として用いることができる。基材として
要求される物性たとえば強度、剛性、隠蔽性、光不透過
性などを考慮して、上記材料の中から好ましいものを適
宜選択すればよい。なお基材2の膜厚は0.005〜5
mm程度である。
【0053】感熱印字記録用薄膜層3、4は、Te,S
n,In,Al,Bi,Pb,Zn,Cu,Fe,C
o,Ni,Cr,Tiなどの金属または合金あるいはこ
れらの混合物もしくはTe−カーバイドなどの他元素と
の化合物からなり、真空蒸着法、スパッタ法、めっき法
などにより、基材2上に設けられた磁気記録層上に形成
することができる。この感熱印字記録用薄膜層3、4
は、感熱記録層としての役割を果たすため、低融点を有
することが好ましい。また、磁性薄膜層の膜厚は100
オングストローム〜1ミクロン好ましくは、500〜1
000オングストローム程度である。
【0054】着色層5、6は、エチルセルロース、エチ
ルヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート
プロピオネート、酢酸セルロースなどのセルロース誘導
体、ポリスチレン、ポリ‐α‐メチルスチレンなどのス
チレン樹脂あるいはスチレン共重合樹脂、ポリメタクリ
ル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸
エチル、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル樹脂また
はメタクリル樹脂の単独あるいは共重合樹脂、ロジン、
ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹
脂、重合ロジンなどのロジンエステル樹脂、ポリ酢酸ビ
ニル樹脂、クマロン樹脂、ビニルトルエン樹脂、塩化ビ
ニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ブチ
ラール樹脂などのバインダーに、着色すべき色に応じて
各種の顔料、染料を添加し、さらに必要に応じて、可塑
剤、安定剤、ワックス、グリース、乾燥剤、乾燥補助
剤、硬化剤、増粘剤、分散剤を添加した後、溶剤あるい
は希釈剤で充分に混練してなる着色塗料あるいはインキ
を用いて、通常のグラビア法、ロール法、ナイフエッジ
法、オフセット法などの塗布方法あるいは印刷方法によ
り、所望部分に形成できる。
【0055】磁気記録層7は、γ−Fe2O3、Co
着γ−Fe2O3,Fe3O4,CrO2,Fe,Fe
−Cr,Fe−Co,Co−Cr,Co−Ni,MnA
l,Baフェライト、Srフェライトなどの従来公知の
磁性微粒子が適当な樹脂あるいはインキビヒクル中に分
散されてなる分散物を、グラビア法、ロール法、ナイフ
エッジ法などの従来公知の塗布方法によって基材2上に
形成することができる。また、磁気記録層7は、Fe,
Fe−Cr,Fe−Co,Co−Crなどの金属または
合金あるいはその酸化物を用いて、真空蒸着法、スパッ
タ法、めっき法などによって基材2上に形成することも
できる。
【0056】塗布方法によって磁気記録層7を形成する
場合には、その膜厚は1〜100ミクロン好ましくは5
〜20ミクロン程度である。また真空蒸着法、スパッタ
法、めっき法によって磁気記録層3を形成する場合に
は、その膜厚は100オングストローム〜1ミクロン好
ましくは500〜2000オングストローム程度であ
る。
【0057】γ−Feなどの磁性微粒子が分散さ
れる樹脂あるいはインキビヒクルとしては、ブチラール
樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂、ウレタン
樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂、アクリル
樹脂、スチレン/マレイン酸共重合体樹脂などが用いら
れ、必要に応じて、ニトリルゴムなどのゴム系樹脂ある
いはウレタンエラストマーなどが添加される。また、磁
性微粒子が上記樹脂中に分散されてなる分散物中に、必
要に応じて、界面活性剤、シランカップリング剤、可塑
剤、ワックス、シリコーンオイル、カーボンその他の顔
料を添加することもできる。
【0058】保護層8は、合成樹脂フィルムをラミネー
トするか、エクストルージョンコート法によるか、ある
いは合成樹脂塗料を塗布することなどによって形成する
ことができる。保護層を構成する合成樹脂は、用途ある
いは他層との密着性などを考慮して、着色層を形成する
に際して用いられた合成樹脂類と同様なものが広く用い
られうる。特に、熱硬化型の合成樹脂を用いると、表面
の硬度、汚染の防止という点で有利であり、さらに紫外
線硬化型の合成樹脂を含む塗料を用いれば、塗布後の硬
化が瞬時に行なえるので好ましい。また、保護層中にシ
リコーンなどを添加して表面を剥離性とすることもでき
る。
【0059】接着層は、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合
体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル/プロ
ピオン酸共重合体、ゴム系樹脂、シアノアクリレート樹
脂、セルロース系樹脂、アイオノマー樹脂、ポリオレフ
ィン系共重合体などのバインダーに、必要に応じて、可
塑剤、安定剤、硬化剤などを添加した後、溶剤あるいは
希釈剤で充分に混練してなる接着層用塗料を用いて、グ
ラビア法、ロール法、ナイフエッジ法などの塗布方法に
よって、基体上の所望部分に形成できる。特に、磁気記
録層上に接着層を設ける場合には、磁気記録層の再溶解
を防止するため、熱可塑性樹脂をエマルジョン化して塗
布し、乾燥してヒートシール型の接着層とすることが好
ましい。
【0060】バーコード、OCR文字、氏名、有効期限
などの可視情報は、サーマルヘッド、レーザービーム、
ホットスタンプなどの加熱手段により感熱印字記録用薄
膜層3、4を選択的に破壊することによって記録され
る。また、磁気情報は磁気ヘッドなどの通常の方法によ
って磁気記録層3中に記録される。
【0061】可視情報および磁気情報を記録する場合、
まず可視情報次いで磁気情報の順序で記録してもよく、
あるいは磁気情報次いで可視情報の順で記録してもよ
い。ただし、可視情報を記録するのに加熱手段が用いら
れているため、可視情報の記録時に磁気記録層の温度が
キュリー温度以上になる恐れがある場合には、まず可視
情報を記録し次いで磁気情報を記録することが好まし
い。
【0062】なお、以上に示した実施例において、着色
層5等は感熱破壊型印字記録層3、4の下に設けた場合
のみを示したが、これに限らず、着色層5等は感熱破壊
型印字記録層3、4の上または上下に設けてもよい。着
色層5等を構成するものが染料が含有されている場合に
は透明性の着色層を形成することもできるため感熱破壊
型印字記録層3、4の上に設けることにより背景色とし
て利用することができるからである。
【0063】以下に本発明を実施した例により説明する
が、本発明はこれらの実施した例に限定されるものでは
ない。なお以下の実施した例において、特に言及しない
限り、すべての「部」は重量部である。例1 厚さ188ミクロンのポリエチレンテレフタレートシー
ト上に、下記組成の塗料をグラビアコート法にて塗布
し、厚さ2ミクロンの着色層6を形成した。
【0064】 塗料の組成: 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂 20部 顔料 10部 イソシアネート系硬化剤 3部 メチルエチルケトン 30部 次いでその上に真空蒸着法により、アルミニウムを水晶
振動子による膜厚測定法で測定して600オングストロ
ームの膜厚に蒸着して感熱印字記録用薄膜層4を形成し
た。
【0065】次に感熱印字記録用薄膜層4上に、下記組
成の塗料をグラビアコート法にて塗布し、厚さ2ミクロ
ンの着色層を形成した。
【0066】 塗料の組成: 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂 20部 顔料 10部 イソシアネート系硬化剤 3部 メチルエチルケトン 30部 次いでその上に真空蒸着法により、スズを水晶振動子に
よる膜厚測定法で測定して600オングストロームの膜
厚に蒸着して感熱印字記録用薄膜層を形成した。
【0067】次に感熱印字記録用薄膜層上に、下記組
成の塗料をグラビアコート法にて塗布し、厚さ1ミクロ
ンの保護層8を形成した。
【0068】 ポリビニルブチラール樹脂 10部 ウレタン樹脂 10部 テトラフルオロエチレンパウダー 10部 酢酸エチル 30部 トルエン 30部 メチルエチルケトン 30部 以上のようにして作成したシートをカード状に打ち抜
き、感熱プリンターによって1.0mJ/dotのエネ
ルギーで印字したところ、感熱印字記録用薄膜層3が溶
融し、着色層5の色をした文字を鮮明に印字することが
できた。
【0069】次に、感熱プリンターによって2.2mJ
/dotのエネルギーで印字したところ、感熱印字記録
用薄膜層3および感熱印字記録用薄膜層4が共に溶融
し、着色層5と着色層6の混色をした文字を鮮明に印字
することができた。
【0070】以上により、2色の印字が可能になった。
【0071】また、1.0mJ/dotのエネルギーで
カード一面に印字を行ったのち、同じエネルギーで全面
的に印字を行うことにより、限られた印字スペースを2
回使用できた。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
基体上に複数の感熱印字記録用薄膜層を積層し、これら
の感熱印字記録用薄膜層は金属または合金あるいはこれ
らの化合物からなるので、多量の情報量を記録できると
ともに、色彩的に情報を区別して多彩な記録をすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による感熱記録媒体の一参考例の断面
図。
【図2】本発明による感熱記録媒体の他の参考例の断面
図。
【図3】同感熱記録媒体の他の実施例の断面図。
【図4】同感熱記録媒体の他の実施例の断面図。
【図5】同感熱記録媒体の他の参考例の断面図。
【図6】同感熱記録媒体の他の参考例の断面図。
【図7】同感熱記録媒体の他の実施例の断面図。
【図8】同感熱記録媒体の他の実施例の断面図。
【符号の説明】
1 感熱記録媒体 2 基体 3 感熱印字記録用薄膜層 4 感熱印字記録用薄膜層 5 着色層 6 着色層 7 着色層 8 保護層
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−293192(JP,A) 特開 平3−293191(JP,A) 特開 昭59−127797(JP,A) 特開 昭59−194886(JP,A) 特開 昭58−183294(JP,A) 特開 平4−98286(JP,A) 特開 平5−246183(JP,A) 特開 昭60−18388(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体上に積層された複数の感熱印字記録用
    薄膜層を備え、 前記複数の感熱印字記録用薄膜層は金属または合金ある
    いはこれらの化合物からなり、 前記複数の感熱印字記録用薄膜層は感熱した部分が感熱
    破壊し除去されて記録を形成するものであり、 前記複数の感熱印字記録用薄膜層の上層に位置する感熱
    印字記録用薄膜層は、下層に位置する感熱印字記録用薄
    膜層を感熱破壊することなく感熱記録可能に形成されて
    おり、 前記下層に位置する感熱印字記録用薄膜層は、前記上層
    に位置する感熱印字記録用薄膜層の全面あるいは一部が
    感熱破壊されて除去された状態で、前記上層に位置する
    感熱印字記録用薄膜層における感熱記録とは独立に感熱
    記録可能に形成されており、前記複数の感熱印字記録用薄膜層は異なる融点を有し、 前記感熱印字記録用薄膜層の上または下の少なくとも一
    方にバインダーとしての樹脂と顔料または染料とからな
    る着色層を設けたことを特徴とする感熱記録媒体。
  2. 【請求項2】前記感熱印字記録用薄膜層は基体上に層設
    された磁気記録層上に設けられたことを特徴とする請求
    項1に記載の感熱記録媒体。
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