JP3371299B2 - ゴースト除去装置 - Google Patents

ゴースト除去装置

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JP3371299B2
JP3371299B2 JP25885793A JP25885793A JP3371299B2 JP 3371299 B2 JP3371299 B2 JP 3371299B2 JP 25885793 A JP25885793 A JP 25885793A JP 25885793 A JP25885793 A JP 25885793A JP 3371299 B2 JP3371299 B2 JP 3371299B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は送信電波の経路差により
テレビジョン受像機等の画面上に発生するゴースト現象
を解消するためのゴースト除去回路に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図10はテレビジョン受像機の画像に表
れるゴーストの発生原因を概念的に示す説明図である。
この図に示すように、受信アンテナに対しては実線で示
す送信塔から直接届く主信号となるような電波のほか
に、破線で示すように建物(あるいは図示しない山等)
に反射した後受信アンテナに到達する電波(後ゴース
ト)、更には一点鎖線で示すようにテレビジョン受像機
のアンテナ端子に対して直接届き、時間的に主信号より
前に位置するような電波(前ゴースト)も存在する。こ
れらの電波は送信塔からアンテナ端子に至るまでの経路
差、つまり時間差を当然有している。したがって、これ
らの信号が時間差を持ってテレビジョン受像機で受信さ
れると、受信信号には主信号のほかにこれらの反射波や
直接波等の成分が合成されることとなり、結果として表
示画像には主映像の外にこれらの電波の時間差や受信レ
ベルに応じたゴーストが表れることとなる。
【0003】このようにして生じるゴーストをキャンセ
ルするために、送信側で映像信号にゴーストキャンセル
用基準信号(以下GCR(Ghost Cancel Reference)信
号という)を挿入し、受信側でこのGCR信号に基づい
てゴースト信号成分を検出し、この検出データに応じて
トランスバーサルフィルタの特性を可変することにより
受信信号からゴースト信号成分を除去するという方法が
知られている。
【0004】図7は上記GCR信号SGCRを示し、これら
の図においてHDは水平同期信号を、BRSTはカラーバー
スト信号を示している。そして、GCR信号SGCRとして
は、図7(a)の波形図に示すGCR波形GCR と図7
(b)の波形図に示すペデスタル波形PDS が一組として
設定されている。この図7(a)に示すGCR波形GCR
は、水平期間の後ろ側に位置するバー波形とされると共
に、その幅は44.7μ秒、レベルは70IRE とされ
る。また、立上がり特性はsinχ/χのリンギング特
性とされており、その周波数スペクトラムは図7(c)
に示すように映像帯域としてはほぼ4.2MHz までフラ
ットとなるような特性とされている。また、図7(b)
に示すペデスタル波形PDS は、この図に示すように0レ
ベルとされている。
【0005】そして、上記GCR信号SGCRとしてのGC
R波形GCR およびペデスタル波形PDS は、例えば図8
(a)〜(h)に示すようにして映像信号に挿入されて
いる。つまり、映像信号の8フィールド期間を繰り返し
周期とし、その第1、第3、第6、第8フィールドにお
けるそれぞれの第18Hあるいは第281Hに前記した
図7(a)のGCR波形GCR が挿入され、残りの第2、
第4、第5、第7フィールドにおけるそれぞれの第18
Hあるいは第281Hに前記した図7(b)のペデスタ
ル波形PDS が挿入される。なお、この場合の各フィール
ドの第17Hあるいは第280Hは固定波形であると規
定されている。
【0006】次に、図9の波形図はこれらのGCR信号
SGCRに基づくゴースト信号成分の検出原理を概念的に示
しており、例えば図9(a)は第1フィールドにおける
17Hと18Hの波形を示し、この18Hに対してGC
R波形GCR が挿入されているものとし、図9(b)は第
5フィールドにおける17Hと18Hの波形を示し、こ
の18Hに対してペデスタル波形PDS が挿入されている
とする。そして、受信信号にゴースト成分が含まれてい
る場合には、GCR波形GCR は例えば図9(a)に示す
ように、主信号成分に対する時間差やレベルに応じたゴ
ースト成分の波形(BRST(G) はゴースト信号成分におけ
るカラーバースト信号を示す)が合成された波形変化を
示すこととなる。ところで、映像信号においては4フィ
ールド分先の水平同期信号HD及びカラーバースト信号
BRST(及びBRST(G) )は同相とされている。そこで、第
1フィールドの18HのGCR波形GCR (図9(a))
から第5フィールドの18Hのペデスタル波形PDS (図
9(b))を減算すれば、互いのフィールドの水平同期
信号HDとカラーバースト信号BRSTが相殺されるため
に、図9(c)に示す波形が得られることとなる。そし
て、例えばこの波形を微分回路に入力すれば、図9
(d)に示すような微分パルス波形を得ることができ、
例えばこの図の矢印Aに示す微分パルスは少なくとも主
信号成分に対するゴースト成分のレベル及び時間差を表
している。これに基づいてゴースト成分を検出すること
が可能となる。
【0007】そこで、実際のゴースト成分の検出にあた
っては、8フィールド期間において第1と第5、第2と
第6、第3と第7、第4と第8フィールドごとの18H
について上記したような減算を行って4セットのGCR
波形GCR (ゴースト成分を含む)を得て、次にこれらの
平均をとるという演算を行っている。つまり、図9
(a)〜(h)の第1フィールド〜第8フィールドに示
すGCR波形GCR あるいはペデスタル波形PDS をそれぞ
れS1 〜S8 とすると、 (式1) S=1/4{−(S5 −S1 )+(S6 −S
2 )−(S7 −S3 )+(S8 −S4=GCR で示される演算を行うものである。上記演算処理によっ
て得られたGCR波形GCR は、ゴースト成分が含まれて
いれば、例えば図9(c)に示したような主信号成分に
対してゴースト信号成分が合成された波形が得られるこ
ととなり、この後微分回路を介することで同様に図9
(d)に示す微分パルスとされてゴースト信号成分の検
出を行うことができる。
【0008】そこで、図6のブロック図を参照して上記
検出方法を適用したゴースト除去回路の一例について説
明する。この図において、1は受信信号について検波を
行い検波信号SYを出力する検波回路であり、2は検波
回路1から供給された検波信号SYについて、例えば4
fsc(fsc=色副搬送波周波数)のサンプル周波数
でA/D変換を行うA/Dコンバータを示す。3はトラ
ンスバーサルフィルタを示し、A/Dコンバータ2にて
デジタル信号化された検波信号SYが入力される。この
トランスバーサルフィルタ3は例えばタップ付遅延線
と、各々のタップに任意のタップ利得(荷重)を与えら
れる係数器と、全てのタップについての荷重出力の総和
を得る加算回路から構成され、有限のインパルス応答の
フィルタ特性を有する。そして、図のようにトランスバ
ーサルフィルタ3の出力を後述するマイクロコンピュー
タ8に供給し、このマイクロコンピュータ8から出力さ
れる修正量データSTに基づいてトランスバーサルフィ
ルタ3の係数を制御することにより、トランスバーサル
フィルタ3ではこれに応じた打ち消し信号を生成してゴ
ースト信号成分を除去していくこととなる。
【0009】4はトランスバーサルフィルタ3の出力に
ついてD/A変換を行い、ゴースト除去処理を経たアナ
ログの検波信号SYとして出力するD/Aコンバータ、
5はこの検波信号SYを内部又は外部の他の所要回路に
供給するための出力端子である。
【0010】6はトランスバーサルフィルタ3から供給
されるデジタル信号から、フィールド期間ごとの18H
あるいは281Hに挿入されているGCR信号SGCR(G
CR波形GCR 、ペデスタル波形PDS )を抽出して出力す
るゲート回路であり、7はゲート回路6から供給されて
くるGCR信号SGCRを1フィールド期間ごとに保持して
マイクロコンピュータ8に出力するバッファメモリを示
す。
【0011】図の破線で示す8はマイクロコンピュータ
である。したがって破線内の回路構成は実際にはコンピ
ュータ及びソフトウェアにより実現されるものである
が、ここでは動作手段を示す便宜上ハードウェアにより
示している。このマイクロコンピュータ8においてはバ
ッファメモリ7から1フィールド期間ごとに入力される
GCR信号SGCRに基づいてゴースト信号成分の検出を行
い、この検出結果に応じてトランスバーサルフィルタ3
の係数を制御する修正量データSTを出力するものであ
る。
【0012】このマイクロコンピュータ8において9は
フィールド演算回路を示し、バッファメモリ7からのG
CR信号SGCRについて、図8及び図7及び(式1)によ
り説明した8フィールドシーケンスの演算を行って、例
えば図9(c)に示すと同様の波形、つまりGCR波形
GCR とゴースト信号成分Sgが合成された信号(GCR+
Sg)を得る。例えば、(式1)に示した演算は、 (式2) S=1/4(S1 −S2 +S3 −S4 −S5 +S6 −S7 +S8 ) と書き換えることが可能であり、実際のフィールド演算
はフィールド順に得られるGCR信号SGCRを上記のよう
に積算してけばよい。
【0013】10は所定の時定数が設定された微分回路
を示す。フィールド演算回路9から出力されたゴースト
信号成分を含むGCR波形(GCR +Sg)はこの微分回
10を介することで、微分パルス波形(PGCR+Pg)
に変化される。この微分パルス(PGCR+Pg)は、例え
ば図9(d)にて説明したと同様の波形として得られ
る。11はリファレンス波形形成回路であり、GCR波
形GCR を微分回路10と同様の時定数により微分して得
られる微分パルス波形(PGCR)を発生させて出力する。
12は減算器を示し、微分回路10より入力される信号
PGCR+Pgからリファレンス波形形成回路11より入力
される信号PGCRを減算するものである。したがって出力
としては、(PGCR+Pg)−PGCR=Pgが得られる。つ
まり、ゴースト信号成分Sgのみを微分して得られるゴ
ースト信号成分の微分パルスが出力されることとなる。
13は変換器であり、減算器12から入力されたゴース
ト信号成分の微分パルスPgの信号位相及びレベルに基
づいて、ゴースト信号の主信号に対する時間差やレベル
に対応するデータを得、このデータからトランスバーサ
ルフィルタ3のタップ係数をゴーストを除去する打ち消
し信号が得られるための修正量STに設定し、この信号
STがトランスバーサルフィルタ3に帰還されることで
フィルタの通過特性が制御されることとなる。そして、
上記した動作が繰り返されていくことでトランスバーサ
ルフィルタ3の特性は徐々にゴースト信号成分Sgを除
去するように収束していき、これにともない表示される
画像に表れているゴーストも消えていくこととなる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、フィー
ルド演算回路9は(式1)あるいは(式2)に示した8
フィールドシーケンスの演算を行い、例えば図9(c)
に示したと同様のGCR波形GCR とゴースト信号成分S
gが合成された信号(GCR +Sg)を得ている。つま
り、8フィールド期間内において4セットのGCR波形
GCR (ゴースト成分を含む)を得て、次にこれらの平均
をとるという演算を行っている。ただし、弱電界の受信
電波についてゴースト除去を行うような場合には、この
受信電波を検波して得られる検波信号SYにノイズ成分
が多く含まれるため、1回の8フィールドシーケンスの
演算では主信号に含まれたゴースト信号成分を充分に検
出可能なS/N比のゴースト信号成分を含むGCR波形
(GCR +Sg)を得ることができない場合がある。
【0015】そこで、通常マイクロコンピューター8に
おいては、例えばバッファメモリ7から入力されるGC
R信号SGCRのS/N比を測定するように構成されてい
る。そしてフィールド演算回路9では、測定されたS/
N比に応じて設定される所定回数の8フィールドシーケ
ンス演算を行い、この結果をさらに平均化する処理を行
うようにされることとなる。つまり、8フィールドシー
ケンス演算結果の平均化にあたり、8フィールドシーケ
ンス演算結果をより多くとれば、それだけノイズ成分が
抑圧されていくことになるため、最終的に少なくともゴ
ースト成分の検出が可能なだけのS/N比を有するゴー
スト信号成分を含むGCR波形(GCR +Sg)を得るこ
とができるわけである。そしてこの後は、同様にして微
分回路10を介して最終的に変換器13からトランスバ
ーサルフィルタ3に修正量データSTを供給することと
なる。従って、この後は上記処理動作を繰り返すことに
よりS/N比の悪い検波信号SYについてもゴースト成
分除去を行うことが可能となる。すなわち、『測定され
たS/N比に対応する回数の8フィールドシーケンス演
算/平均化(フィールド演算回路9)』→『微分パルス
化(微分回路10)』→『リファレンス波形(PGCR)に
よる減算(減算器12)』→『減算結果(ゴースト成分
の微分パルスPg)を修正量データSTに変換(変換器
13)』という一連の処理動作がマイクロコンピュータ
ー8にて繰り返されることで、トランスバーサルフィル
タ3の特性は徐々にゴースト信号成分Sgを除去するよ
うに収束していくこととなる。
【0016】ところが、上記した一連の処理動作におい
ては、8フィールドシーケンス演算は特に時間を要す
る。従って、上述のように受信電波のS/N比が悪いよ
うな場合、8フィールドシーケンス演算を複数回行うよ
うな場合には、1回のトランスバーサルフィルタ3の特
性の修正までに要する時間は実際に約30秒〜1分間程
度にもなる。例えば、最終的にトランスバーサルフィル
タ3の通過特性がゴースト信号成分を除去するように収
束するまでには、トランスバーサルフィルタ3の特性の
修正は約10回程度繰り返されることが必要とされてお
り、従って画面上からゴースト映像が消えるまでには、
長い場合には10分程度も要することとなり、非常に時
間がかかるという問題点を有している。
【0017】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は上記した
問題点を解決するため、入力信号からゴースト信号成分
を除去することのできるトランスバーサルフィルタと、
このトランスバーサルフィルタの出力からフィールドご
とに抽出されるゴースト信号成分を含むゴースト検出用
信号について所定の演算処理を行って、平均化波形を得
ることのできるフィールド演算部と、このフィールド演
算部からの平均化波形によりゴースト信号成分を検出す
ることのできるゴースト検出部と、このゴースト検出部
の検出出力に基づいてトランスバーサルフィルタの通過
特性を修正するためのフィルタ特性可変データを設定
フィルタ特性可変データ出力部と、フィールド演算手
段の前記平均化波形を波形データとして記憶することの
できる波形メモリ手段とを備えゴースト除去動作開始
時に高速ゴースト除去期間を設定し、この設定された
速ゴースト除去期間において、先ず前記フィールド演
算手段により得られた前記平均化波形に基づいて1回目
の前記トランスバーサルフィルタの通過特性を修正する
と共に、前記平均化波形を前記波形メモリ手段に前記波
形データとして記憶させ、2回目以降の前記トランスバ
ーサルフィルタの通過特性の修正時には、前記波形メモ
リ手段に記憶された前記波形データが前記トランスバー
サルフィルタを通過するようにされ、更に前記フィール
ド演算手段を介さずに前記ゴースト検出手段に供給され
るよう構成することとした。
【0018】 また、入力信号をトランスバーサルフィル
タを通過させずに直接出力側に供給するよう切換えるこ
とのできる信号切換部を設け、少なくとも前記高速ゴー
スト除去期間における2回目以降のトランスバーサルフ
ィルタの通過特性の修正時からは、信号切換部により入
力信号が直接出力側に供給されるよう構成することとし
た。
【0019】
【作用】上記構成によれば、1度8フィールドシーケン
ス演算/平均化を行って得たGCR波形(ゴースト成分
を含む)を、波形メモリ部に記憶保持させておくことが
可能となる。従って、高速ゴースト除去期間においては
波形メモリ部に記憶された波形データをトランスバーサ
ルフィルタに入力してタップ係数の修正を行うようにす
れば、タップ係数の修正ごとに8フィールドシーケンス
演算/平均化を行う必要がなくなるため、より早いゴー
スト除去が可能となる。そのうえで、この高速ゴースト
除去期間がゴースト除去動作開始時に設定されること
で、例えばチャンネル等の切換えに伴い、発生するゴー
ストの条件が以前と異なるような状態となった場合に最
初に高速のゴースト除去が行われる。また、高速ゴース
ト除去期間には波形データがトランスバーサルフィルタ
を通過することになるが、この際、入力信号(映像検波
信号)が直接出力端子に供給されるように構成すれば、
高速ゴースト除去期間においても画像表示が中断されな
い。
【0020】
【実施例】以下、図1〜図4を参照して本発明の一実施
例について説明する。図1は本発明のゴースト除去回路
の一実施例を示すブロック回路図であり、図6と同一部
分は同一符号を付して説明を省略する。この図におい
て、14〜17は信号切換スイッチを示しており、それ
ぞれa,b,cの端子を有し、端子cが端子a,bのい
づれかに対して択一的に切換えられるものとされる。そ
して、信号切換スイッチ14は、マイクロコンピュータ
8から出力される制御信号Cs2がLレベルの時は端子
aに、Hレベルの時は端子bに切換わるようにされる。
また、信号切換スイッチ15、16、17については制
御信号Cs1がLレベルの時は端子aに、Hレベルの時
は端子bに切換わるようにされる。
【0021】本実施例の場合、検波回路1から出力され
る検波信号SYは分岐されており、一方はA/Dコンバ
ータ2側に供給され、他の一方は上記信号切換スイッチ
14の端子aに接続される。そして、この信号切換スイ
ッチ14の端子bにはD/Aコンバータ4の出力が接続
され、端子cは出力端子5と接続される。従って、信号
切換スイッチ14が端子a側に切換えられている場合に
は検波回路1の出力は直接出力端子5に供給され、端子
b側に切換えられている場合には、通常のトランスバー
サルフィルタ3を通過してゴースト成分が除去された検
波信号SYがD/Aコンバータ4を介して出力端子5に
供給されることとなる。
【0022】また、信号切換スイッチ15の端子aはA
/Dコンバータ2の出力と、端子bは後述する波形メモ
リ18の出力と、端子cはトランスバーサルフィルタ3
の入力とそれぞれ接続されている。従って、この信号切
換スイッチ15が、端子a側に切換えられている場合に
はA/Dコンバータ2によりデジタル信号化された検波
信号SYがトランスバーサルフィルタ3に供給され、端
子b側に切換えられている場合には、波形メモリ18か
ら出力されるメモリ波形MGCRがトランスバーサルフィル
タ3に供給されることとなる。
【0023】また、信号切換スイッチ16では端子aは
ゲート回路6の出力と、端子bはゲート回路6を介さな
いトランスバーサルフィルタ3の出力と、端子cはバッ
ファメモリ7の入力と接続される。従って、この信号切
換スイッチ16が端子a側に切換えられている場合に
は、ゲート回路6から出力されるGCR信号SGCRがバッ
ファメモリ7に供給され、端子b側に切換えられている
場合には、ゲート回路6を経由しないトランスバーサル
フィルタ3の出力を直接バッファメモリ7に供給する信
号経路になる。
【0024】また、信号切換スイッチ17はマイクロコ
ンピュータ8内部に設けられる。したがって、少なくと
もこの信号切換スイッチはゴースト除去のためのアルゴ
リズムによって具体化することができる。この信号切換
スイッチ17の端子aはフィールド演算回路9の出力
と、端子bはフィールド演算回路9を介さないバッファ
メモリ7からの出力と接続され、端子cは微分回路10
に接続される。これにより、信号切換スイッチ17が端
子aに切換えられている場合には、フィールド演算回路
9の出力が微分回路10に入力され、端子b側に切換え
られている場合にはバッファメモリ7の出力が微分回路
10に入力されることとなる。
【0025】また、本実施例においては波形メモリ部1
8が設けられる。この波形メモリ部18に対しては、図
のようにフィールド演算回路9の出力が入力される。す
なわち、前述のようにGCR信号SGCRのS/N比に応じ
て設定された複数回の8フィールドシーケンスの演算結
果を平均化して得られるゴースト信号成分を含むGCR
波形(GCR +Sg)のデータが入力されることとなる。
そして波形メモリ部18では、上記のようにして入力さ
れた波形(GCR +Sg)をメモリ波形(MGCR)として記
憶保持し、後述するマイクロコンピュータ8の読出し制
御により、このメモリ波形(MGCR)を信号切換スイッチ
15の端子bに出力する動作が行われるものである。
【0026】19はトリガ回路を示し、例えばユーザー
により電源投入、あるいはチャンネル切換えやゴースト
除去開始のキー操作等が行われた場合には、これに基づ
いてマイクロコンピュータ8に対してゴースト除去動作
の開始を指示するトリガパルスPtを出力する。
【0027】上記のようにして構成される本実施例のゴ
ースト除去回路では、ゴースト除去動作開始時において
高速ゴースト除去期間を設定し、この高速ゴースト除去
期間においては、最初にフィールド演算回路9にて8フ
ィールドシーケンス演算/平均化によるゴースト信号成
分を含むGCR波形(GCR +Sg)を得て、1回目のト
ランスバーサルフィルタ3のタップ係数の修正を行うと
共に、この信号をメモリ波形(MGCR)として波形メモリ
部18に記憶保持させ、2回目の次のゴースト除去段階
からは、波形メモリ部18に記憶保持されているメモリ
波形(MGCR)に基づいてタップ係数を修正していくよう
にすることができる。すなわち、一度8フィールドシー
ケンス演算/平均化により信号を得て、これを波形メモ
リ部18に記憶させておけば、以後はタップ係数を求め
る一連の処理ごとに8フィールドシーケンス演算/平均
化を行わなくても、これと同等の信号がメモリ波形(MG
CR)として得られるわけである。例えばあるチャンネル
を受信中の場合、発生するゴーストの基本的な条件はあ
る程度時間が経過しても著しい変化は通常起きないの
で、初めに8フィールドシーケンス演算/平均化により
得ることのできた波形を、以後のタップ修正に用いても
特に問題はないこととなる。そこで、このメモリ波形
(MGCR)をトランスバーサルフィルタ3に供給するよう
にしてタップ係数を求める一連の処理を行えば、特に時
間を要する8フィールドシーケンス演算/平均化を省略
することができる。このため、ゴースト除去のためのト
ランスバーサルフィルタ3のタップ係数の収束までの処
理を高速化することができ、その時間は大幅に短縮され
ることになるわけである。
【0028】そこで次に、図2のタイミングチャート及
び図3の波形図を参照して本実施例のゴースト除去回路
の動作について説明する。ここで、図2(a)はトリガ
回路19から出力されるトリガパルスPtの出力タイミ
ングを示し、図2(b)はマイクロコンピュータ8にお
ける処理シーケンスのタイミングを示している。また、
図2(c)は制御信号Cs1の出力タイミングを、図2
(d)は制御信号Cs2の出力タイミングを示し、図2
(e)は波形メモリ部18の記憶内容を示している。
【0029】先ず、T1 時点以前においては、本実施例
のゴースト除去回路は図2(b)に示されている定常処
理を行っている期間とされる。この定常処理の場合に
は、図2(c),(d)に示すように制御信号Cs1は
Lレベル、制御信号Cs2はHレベルが出力される。こ
れにより、信号切換スイッチ14は端子b側に接続、信
号切換スイッチ15〜17はそれぞれ端子a側に接続さ
れていることとなる。各信号切換スイッチ14〜17が
上記の状態にあると、検波回路1から出力された検波信
号SYは、A/Dコンバータ2→(信号切換スイッチ1
5→)トランスバーサルフィルタ3→D/Aコンバータ
4→(信号切換スイッチ14→)出力端子5で示される
信号経路で出力され、トランスバーサルフィルタ3のタ
ップ係数を修正するループは、トランスバーサルフィル
タ3→ゲート回路6→(信号切換スイッチ16)→バッ
ファメモリ7→フィールド演算回路9→(信号切換スイ
ッチ17)→微分回路10→減算器12(リファレンス
波形形成回路11のリファレンス波形PGCRによる減算)
→変換器13→トランスバーサルフィルタ3で示される
信号経路となる。
【0030】これはすなわち、図6に示したゴースト除
去回路と同等の構成となるものであり、従ってここでい
う定常処理とは、前述のようにマイクロコンピューター
8において、『測定されたS/N比に対応する回数の8
フィールドシーケンス演算/平均化(フィールド演算回
路9)』→『微分パルス化(微分回路10)』→『リフ
ァレンス波形(PGCR)による減算(減算器12)』→
『減算結果Pgを修正量データSTに変換(変換器1
3)』という一連の処理動作を繰り返して、ゴースト除
去を行う回路構成をとっている。
【0031】次にT1 時点において、ユーザーにより電
源投入、あるいはチャンネル切換えやゴースト除去開始
のキー操作等が行われたとする。すると、これに応じて
図2(a)に示すようにトリガ回路19からトリガパル
スPtが出力される。このトリガパルスPtに応じて、
マイクロコンピュータ8では改めてゴースト除去動作を
開始することとなる。なお、このゴースト除去動作開始
時点においては、例えばトランスバーサルフィルタ3に
て設定されているタップ係数は初期値にクリアされるこ
とが好ましい。あるいは、チャンネルごとに求められた
タップ係数を記憶可能なように構成し、電源投入やチャ
ンネル切換え時には、現在選択されているチャンネルに
対応したタップ係数にセットするようなことも考えられ
る。
【0032】そして、本実施例ではこのゴースト除去動
作開始時点(T1 時点)においては、上述の定常処理よ
りもより早いゴースト除去処理を行う高速ゴースト除去
期間TR が設定されることとなる。この高速ゴースト除
去期間TR は、図に示すT1 〜T3 期間にあたり、さら
にこの期間は、図2(b)に示すように8フィールド演
算/平均化の処理を行うT1 〜T2 期間と、実際に修正
量データSTを求めるT2 〜T3 期間に分割される。
【0033】先ず、T1 〜T2 期間においては、制御信
号Cs2は図2(d)に示すようにLレベルが出力され
る状態とされる。このため、信号切換スイッチ14は端
子a側に切換わり、出力端子5には検波回路1から出力
される検波信号SYが直接供給されることとなる。ま
た、制御信号Cs1も図2(c)に示すようにLレベル
が出力されて、信号切換スイッチ15、16、17はそ
れぞれ端子b側に切換えられている。これによりT1
2 期間では次に述べるような処理動作が行われる。
【0034】この場合、検波回路1から出力される検波
信号SYは信号切換スイッチ14を介して直接出力端子
5に供給される一方、分岐してA/Dコンバータ2から
信号切換スイッチ15を介することで、トランスバーサ
ルフィルタ3にも供給されている。そこで、ゲート回路
6ではトランスバーサルフィルタ3の出力である検波信
号SYからGCR信号SGCRを抽出して、これを信号切換
スイッチ16を介してバッファメモリ7に供給する。そ
して、フィールド演算回路9ではバッファメモリ7から
入力されるGCR信号SGCRに基づいて、8フィールドシ
ーケンス演算/平均化処理を行うこととなる。この際、
8フィールドシーケンス演算の回数は前述のようにマイ
クロコンピュータ8で測定されたGCR信号SGCRのS/
N比に基づいて設定され、複数回行われたのであれば、
これらの演算結果をさらに平均化することとなる。この
ようにT1 〜T2 期間とは、フィールド演算回路9によ
りノイズ成分がゴースト検出可能なまでに充分抑圧され
たゴースト信号成分を含むGCR波形(GCR +Sg)を
得る期間とされる。そして、このゴースト信号成分を含
むGCR波形(GCR +Sg)は信号切換スイッチ17及
び波形メモリ部18に対して出力されることとなる。
【0035】上記のようにしてT1 〜T2 期間が終了す
ると、次は修正量データSTを求める処理が行われるT
2 〜T3 期間とされる。このT2 〜T3 期間において
は、制御信号Cs2は図2(d)に示すようにLレベル
が維持される。これにより、出力端子5には先のT1
2 期間と同様、検波回路1から出力される検波信号S
Yが直接供給されている状態にある。
【0036】一方、制御信号Cs1は図2(c)に示す
ようにHレベルが出力される状態となり、これにより信
号切換スイッチ15は端子b側に切換えられることとな
る。従って、このT2 〜T3 期間においてトランスバー
サルフィルタ3に入力される信号は波形メモリ部18か
らのメモリ波形(MGCR)とされる。また、信号切換スイ
ッチ16、17も共に端子b側に切換えられるため、ト
ランスバーサルフィルタ3を通過したメモリ波形(MGC
R)は、ゲート回路6及びフィールド演算回路9をパス
して、バッファメモリ7から微分回路10に入力される
こととなる。このように信号経路が形成されることによ
り、トランスバーサルフィルタ3を通過する信号は検波
信号SYではなくメモリ波形(MGCR)とされる、つまり
メモリ波形(MGCR)に基づいてゴースト成分を検出する
ことで、タップ係数の修正量を求めることとなる。そし
て、このメモリ波形(MGCR)は既に8フィールドシーケ
ンス演算/平均化処理が行われたGCR波形であるか
ら、GCR信号を抽出するゲート回路6及び8フィール
ドシーケンス演算/平均化を行うフィールド演算回路9
を改めて通過させる必要はない。従って上記信号経路を
形成することによりこれら各機能回路部を省略するわけ
である。
【0037】そして、上記のように信号経路が形成され
た上で、T2 〜T3 期間では、先ず図2(b)の処理シ
ーケンスに示すように1回目のタップ係数の修正期間T
C1が設定されることとなる。この1回目のタップ係数の
修正期間TC1の開始時点であるT2 時点直後において
は、先のT1 〜T2 期間でフィールド演算回路9のフィ
ールドシーケンス演算/平均処理により得られたゴース
ト信号成分を含むGCR波形(GCR +Sg)が、既に信
号切換スイッチ17及び波形メモリ部18に対して出力
されている状態にある。そこで先ずマイクロコンピュー
タ8では、波形メモリ部18にてこのゴースト信号成分
を含むGCR波形(GCR +Sg)を入力して、これをメ
モリ波形(MGCR)として『記憶』する処理を行う。例え
ば、図3(a)に示すGCR波形GCR を主信号成分とし
た場合、図3(b)に示すような波形がゴースト信号成
分Sgとであるすれば、8フィールドシーケンス演算/
平均化により得られるゴースト信号成分を含むGCR波
形(GCR +Sg)は図3(c)に示すような波形となる
が、この場合には、この波形がメモリ波形(MGCR)とし
て波形メモリ部18にデータとして保持されることにな
るわけである。従って、T2 〜T3 期間の波形メモリ部
18においては、図2(e)の波形メモリ部内容に示す
ように、メモリ波形(MGCR)が記憶されている状態にあ
ることとなる。
【0038】また、T2 時点直後においては、制御信号
Cs1がHレベルとされたことで信号切換スイッチ17
は端子b側に切換えられているが、このときには既に、
先のT1 〜T2 期間において信号切換スイッチ17の端
子接続が端子a→端子cとされている状態時に、フィー
ルド演算回路9から出力されたゴースト信号成分を含む
GCR波形(GCR +Sg)が微分回路10に入力されて
いるものとされる。従ってマイクロコンピュータ8は、
上記波形メモリ部18に対するメモリ波形(MGCR)の記
憶処理に伴い、期間TC1内に示すように、この微分回路
10に入力されたゴースト信号成分を含むGCR波形
(GCR +Sg)を『微分』して微分パルス(PGCR+P
g)を得る処理を行う。そして、減算器12にて微分パ
ルスPGCR+Pgからリファレンス波形形成回路11で形
成されるリファレンス波形PGCRを『減算』処理し、ゴー
スト信号成分の微分パルスPgを得る。次に、ゴースト
信号成分の微分パルスPgに基づいて修正量データST
に『変換』する処理が変換器13にて行われる。そし
て、この修正量データSTによりトランスバーサルフィ
ルタ3のタップ係数が可変される。このように1回目の
タップ係数の修正期間TC1内では、図2(b)に示すよ
うに、波形メモリ部18の『記憶』処理、微分回路10
における『微分』、減算器12による『減算』、変換器
13による『変換』処理が行われるものである。
【0039】そして、続く2回目以降のタップ係数の修
正期間TC2〜TCnについては、再びフィールド演算回路
9で8フィールドシーケンス演算/平均処理は行わず、
波形メモリ部18に記憶されているメモリ波形MGCRに基
づいて修正量データSTを求める動作となる。
【0040】この場合、マイクロコンピュータ8は図2
(b)2回目のタップ係数の修正期間TC2に示すよう
に、先ず波形メモリ部18に記憶されているメモリ波形
MGCRの『読出し』処理を行い、このメモリ波形MGCRを信
号切換スイッチ15を介してトランスバーサルフィルタ
3に供給することとなる。またこのとき、波形メモリ部
18に対する読出しタイミングに同期して、トランスバ
ーサルフィルタ3を通過して出力されるメモリ波形MGCR
が、信号切換スイッチ16の端子b→端子cを介して直
接バッファメモリ7に入力されて『保持』される。な
お、この時バッファメモリ7にて保持されるメモリ波形
MGCRは、1回目のタップ係数修正がなされたトランスバ
ーサルフィルタ3を通過しているために、例えば図3
(d)に示すようなゴースト成分Sgが軽減されたメモ
リ波形MGCR(=GCR +Sg) となっている。
【0041】次に、マイクロコンピュータ8はバッファ
メモリ7に保持されているメモリ波形MGCRを信号切換ス
イッチ17の端子b→端子cの経路により、フィールド
演算回路9を介さず微分回路10に直接入力する。そし
て、この微分回路10でメモリ波形MGCRを『微分』して
微分パルス(PGCR+Pg)化した後、減算器12にてリ
ファレンス波形PGCRにより『減算』してゴースト信号成
分の微分パルスPgを得て、これを変換器13により修
正量STに『変換』してトランスバーサルフィルタ3に
出力する。これによりトランスバーサルフィルタ3では
新たに2回目のタップ係数が求められることとなる。つ
まり、この場合にはメモリ波形MGCRの『読出し』/バッ
ファメモリ7でのデータの『保持』、微分回路10にお
ける『微分』、減算器12による『減算』、変換器13
による『変換』処理が行われたことで、タップ係数が修
正されたこととなる。
【0042】以後は、上記2回目のタップ係数の修正期
間TC2と同様に処理を繰り返していくこととなる。すな
わち、以降はフィールド演算回路9のフィールドシーケ
ンス演算/平均処理は行わない。そして、例えば最終的
にゴースト信号成分が所定のレベル以下にまで除去され
たn回目のタップ係数の修正期間TCnが終了してトラン
スバーサルフィルタ3のタップ係数が収束されたことと
なる。そして、このタップ係数が収束された時点がT3
時点とされ、高速ゴースト除去期間TR は終了すること
となる。
【0043】ところで、この高速ゴースト除去期間TR
内の少なくともT2 〜T3 期間においては、トランスバ
ーサルフィルタ3を通過する信号は検波信号SYではな
くメモリ波形MGCRとなる。そこで本実施例のように、高
速ゴースト除去期間TR においては、制御信号Cs2を
Lレベルとして信号切換スイッチ14を端子a側に切換
えて、出力端子5に検波信号SYを直接供給するように
構成すれば画像表示が途切れることはなくなる。なお、
1 〜T2 期間においては検波信号SYはトランスバー
サルフィルタ3を通過しているので、この期間は信号切
換スイッチ14を端子b側に切換えておいても良いが、
この際トランスバーサルフィルタ3ではまだ新たなタッ
プ係数が求められていないので、画質としてはどちらの
信号経路でも変わらない。
【0044】そして高速ゴースト除去期間TR の後は、
図2(b)のT3 時点以降に示すように再び定常処理が
行われる状態に切換わる。つまり、このT3 時点以降か
らは、制御信号Cs2はHレベル(図2(d))とされ
て信号切換スイッチ14が端子b側に切換わるため、出
力端子5にはトランスバーサルフィルタ3を通過した検
波信号SYが供給されることとなる。このとき、トラン
スバーサルフィルタ3のタップ係数は既にゴースト除去
のために収束した状態にあるので、表示画像としては充
分ゴースト成分の除去のなされたものが得られることと
なる。
【0045】また、これと共に制御信号Cs1はLレベ
ル(図2(c))とされて信号切換スイッチ15、1
6、17のそれぞれが端子a側に切換えられるので、T
1 時点以前と同様の信号経路となり、検波信号SYに基
づいて修正量データSTを求めることとなる。従って、
3 時点以降からは、フィールド演算回路9にて8フィ
ールドシーケンス演算/平均化処理が行われることとな
り、高速ゴースト除去期間TR と比べてタップ係数の修
正ごとに相当の時間を要することとなるが、この時点で
例えばゴースト信号成分は所定の検出レベル以下にまで
除去が完了しているため、この後は定常処理の速度によ
りゴースト信号成分の除去に追従していくことで、特に
問題は生じないこととなる。なお、波形メモリ部18に
記憶されているメモリ波形MGCRは、例えば図2(e)に
示すようにT3 時点においてクリアされるようにすれば
よい。
【0046】図4は、従来の定常処理のみによるゴース
ト除去と、本実施例の高速ゴースト除去期間TR の高速
除去処理との比較を概念的に示す説明図である。図4
(a)は映像信号を示し、VDは垂直同期信号VDごと
の区間が1フィールドに相当する。また、1フィールド
ごとの○印はGCR信号SGCRを示している。また、図4
(b)は定常処理シーケンスを、図4(c)は高速処理
シーケンスを示しており、この場合には8フィールドシ
ーケンス演算を4回行ってこの結果について平均化処理
を行う場合について示している。従来においてトランス
バーサルフィルタ3のタップ係数を収束させていくため
には、図4(b)の期間P1 に示すように8フィールド
シーケンス演算を例えば4回行い、次にこれらの演算結
果の平均化→微分→減算によりゴースト信号成分を検出
し、更に修正量への変換を行うという一連の処理を、1
回のトランスバーサルフィルタ3のタップ係数修正ごと
に繰り返さねばならない。
【0047】ところが、本実施例の高速ゴースト除去期
間TR においては、初めに期間P2に示すように、1度
だけ8フィールドシーケンス演算(4回)及び平均化を
行い、先ずこの平均化されたGCR波形を波形メモリ部
18にメモリ波形MGCRとして『記憶』させると共に、平
均化したGCR波形に基づいて『微分』→『減算』をし
て、更に『変換』処理により1回目の修正量データST
を求める。そして、2回目以降のタップ係数修正処理と
しては、期間P3 に示すように8フィールドシーケンス
演算/平均化処理は行わず、前述した『波形メモリ部1
8のメモリ波形MGCRの読出/バッファメモリ7のメモリ
波形MGCRの保持』の後にメモリ波形MGCRに基づく『微
分』→『減算』→『変換』からなる一連の処理を繰り返
していけばよいこととなる。
【0048】前述のように、8フィールドシーケンス演
算は相当に時間を要する処理であり、一方、これに比べ
『波形メモリ部18のメモリ波形MGCRの読出/バッファ
メモリ7のメモリ波形MGCRの保持』の処理に要する時間
は非常に短い。従って、図4(b)と(c)を比較して
分かるように、2回目以降の修正量データSTを求める
一連の処理動作に要する時間は、本実施例の高速処理シ
ーケンスのほうがはるかに短いものとなる。このような
2回目以降の高速処理シーケンスによりトランスバーサ
ルフィルタ3のタップ係数が修正されていく結果、ゴー
スト信号成分の除去が収束されるまでの時間も従来に比
べて著しく短縮されることとなる。
【0049】なお、図1に示した回路構成はあくまでも
一例であり、図2(b)の処理シーケンスにより説明し
たところの処理動作が実現される限り変更が可能であ
る。また、上記実施例で用いたGCR信号以外のゴース
ト検出用信号が映像信号に挿入されたような場合にも、
このゴースト検出用信号に基づいて本発明の応用は可能
とされる。例えば、図5(a)(b)の波形図はアメリ
カにて、映像信号のフィールドごとの所定ラインに挿入
されているゴースト検出用信号を示し、この図において
HDは水平同期信号を、BRSTはカラーバースト信号を示
している。このようなゴースト検出用信号に対しても本
発明の適用は可能とされる。また、マイクロコンピュー
タ8の内部の回路構成は前述のように、実際にはソフト
ウェアによる処理動作とされるが、これら各機能回路部
をハード部品等により構成することも可能である。ただ
し、本実施例のようにマイクロコンピュータによって構
成すれば、ソフトウェアにより各回路部の動作を実現で
きるために、電子部品等の増設は不用となり、コストア
ップを避けることができて有利である。また、本実施例
のゴースト除去回路は、例えばテレビジョン受像機等に
内蔵されるものとされているが、このような機器と別体
なゴースト除去装置として構成するようなことも考えら
れる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明のゴースト除
去回路は、高速ゴースト除去期間を設定し、この期間で
は1度8フィールドシーケンス演算/平均化を行って得
たGCR波形(ゴースト成分を含む)を波形メモリ部に
記憶させて、2回目以降のタップ係数修正からは、波形
メモリ部から読出されるGCR波形をトランスバーサル
フィルタにループさせるようにすることで、タップ係数
の修正ごとに8フィールドシーケンス演算(複数回)/
平均化を行う必要がなくなる。8フィールドシーケンス
演算/平均化に要する時間は相当に長いことから、2回
目以降のたっぷ係数修正に要する時間は非常に短いもの
となり、トランスバーサルフィルタのタップ係数がゴー
スト除去のために収束するまでの時間も著しく短縮させ
ることができる。従って、ゴーストの除去された画像を
得るまでの待機時間が非常に短くなるという効果を有し
ている。そのうえで、ゴースト除去動作開始の最初の段
階で常に高速ゴースト除去期間が設定される、すなわち
電源投入やチャンネル切換に応じてトリガ回路から出力
されるトリガパルスにより高速ゴースト除去期間が設定
されるようにすることで、以前とゴースト信号成分の条
件が異なるような状態とされた場合には初めに高速のゴ
ースト除去が行われることになるため、例えば本発明の
ゴースト除去回路を内蔵したテレビジョン受像機等を使
い勝手のよいものとすることができる。
【0051】 また、高速ゴースト除去期間はトランスバ
ーサルフィルタの出力から検波信号が得られないため、
この期間内には映像検波信号が直接出力端子に供給され
るように構成することで、画像表示が停止されてしまう
ようなことにはならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のゴースト除去回路を示すブロ
ック回路図である。
【図2】本実施例のゴースト除去回路の動作を示すタイ
ミングチャートである。
【図3】本実施例のゴースト除去回路にて得られるメモ
リ波形を示す波形図である。
【図4】本実施例のゴースト除去回路における処理シー
ケンスを概念的に示す説明図である。
【図5】アメリカで用いられているGCR波形を示す波
形図である。
【図6】従来例におけるゴースト除去回路を示すブロッ
ク回路図である。
【図7】GCR信号を示す波形図および周波数スペクト
ラムである。
【図8】映像信号におけるGCR信号の挿入方法を示す
波形図である。
【図9】ゴースト信号成分検出のためのフィールド演算
を示す波形図である。
【図10】ゴーストの発生を示す説明である。
【符号の説明】
3 トランスバーサルフィルタ 8 マイクロコンピュータ 9 フィールド演算回路 10 微分回路 11 リファレンス波形形成回路 12 減算器 13 変換器 14,15,16,17 信号切換スイッチ 18 波形メモリ 19 トリガ回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−227378(JP,A) 特開 平3−183270(JP,A) 特開 平5−244464(JP,A) 特開 平1−284179(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 5/21

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号からゴースト信号成分を除去す
    ることのできるトランスバーサルフィルタと、 前記トランスバーサルフィルタの出力からフィールドご
    とに抽出されるゴースト信号成分を含むゴースト検出用
    信号について所定の演算処理を行って、平均化波形を得
    ることのできるフィールド演算手段と、 該フィールド演算手段から出力される平均化波形により
    前記ゴースト信号成分を検出することのできるゴースト
    検出手段と、 前記ゴースト検出手段の検出出力に基づいて、前記トラ
    ンスバーサルフィルタの通過特性を修正するためのフィ
    ルタ特性可変データを設定して出力することのできるフ
    ィルタ特性可変データ出力手段と、 前記フィールド演算手段の前記平均化波形を波形データ
    として記憶することのできる波形メモリ手段とを備えゴースト除去動作開始時に 高速ゴースト除去期間を設定
    し、設定された高速ゴースト除去期間において、
    先ず前記フィールド演算手段により得られた前記平均化
    波形に基づいて1回目の前記トランスバーサルフィルタ
    の通過特性を修正すると共に、前記平均化波形を前記波
    形メモリ手段に前記波形データとして記憶させ2回目
    以降の前記トランスバーサルフィルタの通過特性の修正
    時には、前記波形メモリ手段に記憶された前記波形デー
    タが前記トランスバーサルフィルタを通過するようにさ
    れ、更に前記フィールド演算手段を介さずに前記ゴース
    ト検出手段に供給されるよう構成したことを特徴とする
    ゴースト除去回路。
  2. 【請求項2】 前記入力信号を前記トランスバーサルフ
    ィルタを通過させずに直接出力側に供給するよう切換え
    ることのできる信号切換手段を設け、少なくとも前記高
    速ゴースト除去期間において2回目以降の前記トランス
    バーサルフィルタの通過特性の修正時からは、前記信号
    切換手段により前記入力信号が直接出力側に供給される
    ことを特徴とする請求項1記載のゴースト除去回路。
  3. 【請求項3】 前記ゴースト検出用信号は映像信号の所
    定位置に挿入されるGCR信号であることを特徴とする
    請求項1記載のゴースト除去回路。
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