JP3370240B2 - 磁気記録媒体及びその製造方法並びにそれを用いた磁気印写装置 - Google Patents

磁気記録媒体及びその製造方法並びにそれを用いた磁気印写装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体が表
面に形成された磁気潜像担持体に磁気潜像を形成し、磁
気潜像を磁性トナーで現像して顕像化し、磁性トナーを
記録紙に転写し定着させてハードコピーを得るための磁
気記録媒体とその製造方法並びにそれを用いた磁気印写
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ハードコピーを得る磁気印写法は、一般
にマグネトグラフィーと呼ばれている。このうち、磁気
記録媒体を加熱してその保磁力を低減し、さらに磁界を
印加することにより磁気潜像を形成する熱磁気記録方式
を利用した磁気プリンタが従来より知られている。
【0003】磁気潜像を形成する方法は、磁化の向きと
いう観点から図29(a)に示す面内記録方式(磁化方
向が媒体表面に平行)と、図29(b)に示す垂直記録
方式(磁化方向が媒体表面に垂直)とに分けられる。
【0004】しかしながら、電子写真学会誌(14頁、
第24巻、第4号、1985年)には、熱磁気プリンタ
における面内記録方式の優位性が説かれている。これは
以下の理由による。一般に磁気記録媒体に記録を行う場
合、記録領域で生じる反磁界のために記録磁界の減少が
見られるが、通常形成される厚さ(1〜5μm)の記録
膜に幅10〜200μmで記録する場合には、面内記録
方式の方が垂直記録方式よりも反磁界が小さい。従っ
て、面内記録方式の方が記録磁界が大きくなり記録効率
の点で有利である。また、上記のように磁気記録媒体の
磁化を予め一方向に揃えて初期化し、この初期の方向と
磁化方向が逆方向の磁化領域を形成することで磁気潜像
を記録する方法では、面内記録方式の方が磁性トナーに
対して大きな磁気吸引力が発生することから、熱磁気プ
リンタの記録方式としては適している。
【0005】また、上記熱磁気プリンタに用いられる磁
気記録媒体には、 磁気吸引力が大きいこと。(高いコントラスト) 保磁力が大きいこと。(記録情報の安定性) 高解像度の磁気潜像が記録ができること。
【0006】等の特性が要求される。尚、消費電力の低
減や磁気潜像記録の高速化のためには、温度上昇による
保磁力の低下がより大きいことも必要である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の面内
記録方式に使われる磁気記録媒体は、特開昭56−16
1572号公報、特開昭56−161573号公報、及
び特開昭56−161574号公報に開示されている。
上記各公報では、シート状のベース層の上に、CrO2
からなる磁気記録媒体が形成されている。また、特開昭
59−71076号公報には、ポリイミドフィルム上に
バインダと共にCrO2 が塗布形成された磁気記録媒体
が開示されている。
【0008】また、特開昭61−20077号公報及び
特開昭61−20078号公報には、FenN を含む材
料から形成された磁気記録媒体が開示されている。この
FenN は、ポリウレタン,ポリイミド等の高分子樹脂
結合剤に分散させてポリエチレンテレフタレート,ポリ
イミド等の50〜100μm厚さのベース基板に5〜3
0μmの厚さに塗布して使用される。
【0009】しかしながら、CrO2 は、その成分であ
るCrの毒性が従来から指摘されており、昨今の環境問
題等を考えた場合には、CrO2 の使用は極力避けた方
が好ましい。また、実際には、CrO2 の入手が最近で
は困難な情勢となってきている。
【0010】また、FenN は、その成分に鉄を含んで
いるので酸化しやすい。したがって、高温で空気中に晒
される熱磁気プリンタにおいては、連続的に長時間使用
した時の特性の劣化が問題となる。
【0011】さらに、CrO2、FenNともに、基本的
には溶剤に溶解させた高分子樹脂中に分散させてドラム
ベースやフィルムシート等の上に塗布して膜形成がなさ
れるが、この方法では次のような欠点がある。
【0012】まず、樹脂中におけるCrO2やFenNの
分布の偏りによって、磁気記録媒体の特性にバラツキが
生じやすく、分散状態の管理が非常に難しい。
【0013】また、サーマルヘッドによる記録を行う場
合には、磁気記録媒体への均一で且つ十分な熱入力を確
保するため、サーマルヘッドと磁気記録媒体との密着性
が厳しく要求される。しかし、上記の溶剤を蒸発させる
工程において、場所による蒸発速度を厳しく制御してお
かないと、磁気記録媒体の膜厚にムラが生じる上、さら
に、媒体の膜厚を大面積に一様に制御することが難し
い。
【0014】上記の問題を解決するための手段として、
膜形成にスパッタリングや電子ビーム蒸着法などを用い
ることが考えられる。しかしながら、CrO2やFen
は高分子バインダ中に分散させた塗布膜において優れた
特性を発現するものであり、スパッタリングや電子ビー
ム蒸着で膜形成を行い塗布膜と同等の特性を確保するこ
とは難しい。
【0015】また、磁気記録媒体としては、上記したも
のの他に、希土類と遷移金属とからなるアモルファス磁
性体が挙げられる。特開昭62−100767号公報、
特開昭63−142361号公報、特開昭64−467
66号公報には、NdDyFeCo及びこれにTi,A
l,Cu,Crなどの元素を添加したアモルファス磁性
体が開示されている。また、特開昭57−136673
号公報には、GdCo,TbFe,GdFe,DyT
b,(GdTb)Fe,(GdTb)Co,TbFe
3,HoCo,DyFe,GdCoMo等の希土類金
属と遷移金属とからなるアモルファス磁性体が開示され
ている。
【0016】しかしながら、上記アモルファス磁性体
は、垂直記録方式に用いる材料であるため、そのままで
は面内記録方式に利用できないという問題を有してい
る。
【0017】上記アモルファス磁性体においても、希土
類金属の組成比を小さくすれば、面内記録方式に使用で
きる面内磁化膜を作製することができるが、希土類と遷
移金属とからなるアモルファス磁性体で作製された面内
磁化膜は、磁性トナーに対して十分な吸引力を得るため
には、磁性体の厚さを厚くする必要がある。
【0018】しかしながら、スパッタリングや電子ビー
ム蒸着にて希土類と遷移金属とからなるアモルファス磁
性体を作製する場合、磁性体の膜厚を厚くすると、形成
された磁気潜像の磁化反転境界に現れる鋸歯状の磁化転
移構造の鋸歯の高さが大きくなり、磁気潜像記録の解像
度を高くできないという問題を有している。(電子情報
通信学会、磁気記録研究会資料、MR75−29) 一方、磁気印写装置としての性能を高めるためには、従
来の技術で記したような特性を向上させることが必要で
ある。このため、上記のようにして膜厚を厚くして作製
されたアモルファス磁性体のように、形成された磁気潜
像の解像度が低いと、高解像度の画像が得られないとい
う問題があった。
【0019】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであって、磁性トナーに対して十分な磁気吸引力
を有し、且つ、形成された磁気潜像の解像度の高い、磁
気記録媒体及びその製造方法を提供すると共に、上記磁
気記録媒体を用いて良質の画像を得ることのできる磁気
印写装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の磁気記
録媒体は、上記課題を解決するため、磁化方向が表面と
平行であり、保磁力が温度上昇に伴って低下し、加熱さ
れた状態で初期状態の磁化方向とは逆方向のバイアス磁
界が印加されることにより磁気潜像を形成する磁気記録
媒体において、表面に平行で互いに異なる方向に磁気異
方性を有する少なくとも2つの磁性膜を含む複数の表面
に平行な方向に磁気異方性を有する磁性膜からなり、最
上部に希土類金属と遷移金属とからなるアモルファス合
金膜を有してなるものである。
【0021】請求項2に記載の磁気記録媒体は、請求項
1に記載の磁気記録媒体において、表面に平行な第1の
方向に磁気異方性を有する第1の磁性膜と、第1の磁性
膜上に形成され、表面に平行な第1の方向とは異なる第
2の方向に磁気異方性を有する希土類金属と遷移金属と
からなるアモルファス合金膜である第2の磁性膜からな
るものである。
【0022】請求項3に記載の磁気記録媒体は、請求項
2に記載の磁気記録媒体において、第1の磁性膜の磁気
異方性の方向と、第2の磁性膜の磁気異方性の方向との
成す角度が、45度以上90度以下であるものである。
【0023】請求項4に記載の磁気記録媒体は、請求項
2または請求項3に記載の磁気記録媒体において、第1
の磁性膜の膜厚が、0.1μm以上であるものである。
【0024】請求項5に記載の磁気記録媒体は、請求項
2ないし請求項4のいずれかに記載の磁気記録媒体にお
いて、第2の磁性膜の膜厚が、0.5μm以上であるも
のである。
【0025】請求項6に記載の磁気記録媒体は、請求項
2ないし請求項5のいずれかに記載の磁気記録媒体にお
いて、第2の磁性膜の膜厚が、第1の磁性膜よりも厚い
ものである。
【0026】請求項7に記載の磁気記録媒体は、請求項
2ないし請求項6に記載の磁気記録媒体の製造方法であ
って、第1の磁性膜を、第1の方向に磁界を印加しなが
ら形成する工程と、その工程の後、第2の磁性膜を第2
の方向に磁界を印加しながら形成する工程と、を含んで
なるものである。
【0027】請求項8に記載の磁気記録媒体は、請求項
2ないし請求項6に記載の磁気記録媒体の製造方法であ
って、第1の磁性膜を形成後、熱処理により第1の磁性
膜の磁気異方性の方向を第1の方向に向ける工程と、そ
の工程の後、第2の磁性膜を第2の方向に磁界を印加し
ながら形成する工程と、を含んでなるものである。
【0028】請求項9に記載の磁気記録媒体は、請求項
2ないし請求項6に記載の磁気記録媒体の製造方法であ
って、第1の磁性膜の形成後、第2の磁性膜の形成前
に、第1の磁性膜をスパッタリングして、第1の磁性膜
の表面を清浄化する工程を含んでなるものである。
【0029】請求項10に記載の磁気記録媒体は、基体
上に、磁気潜像を記録する磁気記録媒体が形成された磁
気潜像担持体を有する磁気印写装置において、磁気記録
媒体が、請求項1に記載の磁気記録媒体であることを特
徴とする。
【0030】以下に、本発明の作用を説明する。
【0031】請求項1に記載の磁気記録媒体では、磁気
記録媒体が、一層の希土類金属と遷移金属とからなるア
モルファス合金膜のみではなく、面内に磁気異方性を有
する複数の層からなるため、磁気潜像の磁化反転境界に
現れる鋸歯状の磁化転移構造の鋸歯の高さの小さい磁気
潜像を形成することができ、解像度が高く、且つ磁性ト
ナーに対する磁気吸引力の大きな磁気潜像を形成するこ
とができる。 請求項2に記載の磁気記録媒体では、面
内の第1の方向に磁気異方性を有する第1の磁性膜の上
に、第1の磁性膜とは異なる面内の第2の方向に磁気異
方性を有する希土類金属と遷移金属とからなるアモルフ
ァス合金膜である第2の磁性膜が積層されているため、
第2の磁性膜には、磁気潜像の磁化反転境界に現れる鋸
歯状の磁化転移構造の鋸歯の高さの小さい磁気潜像を形
成することができ、解像度が高く、且つ磁性トナーに対
する磁気吸引力の大きな磁気潜像を形成することができ
る。
【0032】請求項3に記載の磁気記録媒体によれば、
第2の磁性膜に、磁気潜像の磁化反転境界に現れる鋸歯
状の磁化転移構造の鋸歯の高さの小さい磁気潜像を、繰
り返し形成することができる。
【0033】この構成のように、第1の磁性膜の磁気異
方性の方向と、上記第2の磁性膜の磁気異方性の方向と
のなす角度が45度以上90度以下となっていないと
(角度が45度未満であると)、磁気潜像の記録の際に
外部より印加される磁界の方向と第1の磁性膜の磁気異
方性の方向とのなす角度が45度以下となる。その結
果、磁気記録媒体に外部磁界印加の下で熱入力される時
に、第1の磁性膜は、磁気異方性の方向が外部磁界より
影響を受けて、外部磁界の方向へ回転しやすくなる。こ
うして、外部磁界印加の下での熱入力による記録が繰り
返されると、第1の磁性膜の磁気異方性の方向が、第2
の磁性膜の磁気異方性の方向に回転しやすくなるため
に、その結果として、第2の磁性膜に形成される磁気潜
像の磁化反転境界に現れる鋸歯状の磁化転移構造の鋸歯
の高さが大きくなる。
【0034】本構成では、上記の角度を45度以上90
度以下に設定するため、繰り返し記録によっても、第1
の記録媒体と第2の記録媒体の磁化異方性の成す角度が
変化せず、常に、鋸歯状の磁化転移構造の鋸歯の高さの
小さい磁気潜像を形成でき、高解像度の画像形成に寄与
できる。
【0035】請求項4に記載の磁気記録媒体によれば、
磁気潜像の磁化反転境界に現れる鋸歯状の磁化転移構造
の鋸歯の高さを十分小さくすることができ、磁気潜像記
録の解像度を高くすることができる。
【0036】請求項5に記載の磁気記録媒体によれば、
形成した磁気潜像から磁性トナーへの磁気吸引力を大き
くすることができる。
【0037】請求項6に記載の磁気記録媒体によれば、
磁化反転境界に現れる鋸歯状の磁化転移構造の鋸歯の高
さが小さい磁気潜像を形成することができ、磁気潜像記
録の解像度を高くすることができる。
【0038】請求項7に記載の磁気記録媒体の製造方法
によれば、第1の磁性膜を形成する時に面内の第1の方
向に磁界を印加しながら形成するので、容易に第1の磁
性膜の第1の方向に磁気異方性を持たせることができ、
また、第2の磁性膜を第1の磁性膜に積層して形成する
時に面内の第2の方向に磁界を印加しながら形成するの
で、容易に第2の磁性膜の第2の方向に磁気異方性を持
たせることができる。
【0039】さらに、第1、第2の磁性膜ともに、形成
時に印加する磁界の方向で、面内磁気異方性の方向を制
御することができるので、第1の磁性膜の磁気異方性の
方向と、第2の磁性膜の磁気異方性の方向とのなす角度
を任意に制御することができる。
【0040】また、第1、第2の磁性膜ともに、形成時
に印加する磁界の大きさで、磁気特性を制御することが
できるので、所望の磁気特性を持つ磁性膜を容易に得る
ことができる。
【0041】請求項8に記載の磁気記録媒体の製造方法
によれば、第1の磁性膜の磁気異方性を、第1の磁性膜
形成後に付与することができるので、第1の磁性膜の形
成時に磁界を印加することが困難である場合にも、容易
に第1の磁性膜に磁気異方性を付与することができる。
【0042】さらに、第1の磁性膜を磁界中でアニール
するので、印加磁界の大きさやアニール温度を変えるこ
とで、第1の磁性膜の磁気特性を制御することが可能と
なり、所望の磁気特性を持つ磁性膜を容易に得ることが
できる。
【0043】請求項9に記載の磁気記録媒体の製造方法
よれば、第1の磁性膜の形成後、第2の磁性膜形成前
に、第1の磁性膜をスパッタリングするため、第1の磁
性膜の表面が清浄になり、第1の磁性膜と第2の磁性膜
との間に磁気的な結合を持たせることができ、第2の磁
性膜には、磁化反転境界に現れる鋸歯状の磁化転移構造
の鋸歯の高さが小さい磁気潜像を形成することができ
る。
【0044】請求項10に記載の磁気印写装置によれ
ば、磁気記録媒体に形成された磁気潜像は、磁化反転境
界に現れる鋸歯状の磁化転移構造の鋸歯の高さが小さい
ものであるため、磁気潜像記録の解像度を高くすること
ができる。したがって、この磁気記録媒体上に形成され
た磁気潜像を現像すれば、高コントラストで、且つ高解
像度の画像を得ることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕以下、本発明の熱磁気プリンタの実施
の形態1の構成を図1ないし図24,及び図30に基づ
いて説明すれば、以下の通りである。尚、本実施例の形
態では、磁気記録媒体を、磁気印写装置としての熱磁気
プリンタに適用した場合について説明する。
【0046】熱磁気プリンタは、図2に示すような画像
形成部を有している。上記画像形成部には、磁気ドラム
4,現像器6,転写ローラー8、及び搬送ベルト9が備
えられている。
【0047】磁気ドラム4(磁気潜像坦持体)は、図1
の拡大図に示すように、Alを材質とするドラムベース
1(基体)の表面に、温度上昇に伴い保磁力が低下する
特性を有した磁気記録媒体2及び保護膜3が形成された
ものである。保護膜3は、AlN,TiN等の窒化物に
より形成される。これは、磁気記録媒体2の耐環境性を
考慮したものであると共に、サーマルヘッドにより記録
を行う場合には、サーマルヘッドと磁気ドラム4の表面
とが接触することから、耐摩耗性も考慮して設けられた
ものである。この保護膜3はスパッタリング法や電子ビ
ーム蒸着法により形成され、その膜厚は0.01〜1.
0μmが好ましい。尚、レーザー等による非接触の熱入
力を施す場合には、保護膜3としては、耐環境性のみを
考慮して、高分子材料を使用することが可能である。
【0048】現像器6は、内部に磁性トナー7を有して
おり、磁気潜像が形成された磁気ドラム4に磁性トナー
7を送り込むためのものである。転写ローラー8は、搬
送ベルト9を間に挟んで磁気ドラム4と対向して配置さ
れ、記録紙(図示しない)に磁性トナー7を転写する。
搬送ベルト9は、記録紙を図示しない定着器に搬送する
ものである。
【0049】上記磁気ドラム4の外周面には、クリーニ
ング装置10,一方向磁化磁石11,及びサーマルヘッ
ド装置12,バイアス磁界印加用磁石13が設けられて
いる。
【0050】一方向磁化磁石11は、上記磁気記録媒体
2の磁化方向を一方向に揃え初期化する。サーマルヘッ
ド装置12は、磁気記録媒体を所定温度まで加熱するた
めの熱入力を行う。また、バイアス磁界印加用磁石13
は、上記初期化方向とは逆向きに、磁気記録媒体2の上
記所定温度での保磁力よりも大きな外部磁界を磁気記録
媒体2に印加する。また、クリーニング装置10は、記
録紙に転写されずに磁気ドラム4の表面に残留した余分
の磁性トナー7を取り除くものである。
【0051】次に、このような構成の熱磁気プリンタの
動作を動作順に説明する。
【0052】図2において、磁気ドラム4は矢印で示
す方向に回転し、磁気記録媒体2が、一方向磁化磁石1
1により磁化方向が一方向に飽和するように磁化されて
初期化される。次に、磁気記録媒体2に対してサーマル
ヘッド装置12により熱入力が行われ、磁気記録媒体2
が所定温度まで加熱されると共に、この状態の磁気記録
媒体2にバイアス磁界印加用磁石13により上記初期化
の方向とは逆方向の磁界が印加される。このバイアス磁
界の印加動作は、形成すべき画像信号に応じて図示しな
い制御装置により制御してもよく、また、バイアス磁界
を永久磁石により印加してもよい。これにより、磁化方
向が反転した磁気潜像が磁気記録媒体2に形成される。
【0053】次に、磁気潜像が形成された磁気記録媒
体2に、現像器6により磁性トナー7が振りかけられ
る。これにより磁気潜像は磁性トナー7により現像さ
れ、顕像化した可視像となる。このトナー像は、転写ロ
ーラ8により記録紙へ転写される。
【0054】その後、記録紙は搬送ベルト9により定
着器(図示せず)に搬送され、この定着器によりトナー
像が記録紙に定着される。一方、磁気ドラム4の表面に
残留した磁性トナー7は、クリーニング装置10により
除去される。
【0055】以上が一つの画像を得る場合の動作である
が、続けて別の画像を得る場合には、上記〜の動作
が繰り返される。また、同一画像を複数得る場合、即
ち、マルチコピーの場合には、磁気記録媒体2の初期化
を行わずに及びの動作が繰り返される。
【0056】尚、熱磁気プリンタは、図2に示したもの
に限らず、図30に示すように、画像形成部に、磁気ド
ラムのかわりに磁気ベルト24を備えた熱磁気プリンタ
の構成であってもよい。
【0057】この熱磁気プリンタでは、磁気ベルト24
が3つのローラ35により支持されており、ローラ35
の回転に伴い図中矢印方向に移動する。磁気ベルト24
の外周部には、一方向磁化磁石31,クリーニング装置
30,サーマルヘッド装置32,バイアス磁界印加用磁
石33,内部に磁性トナー27を有する現像器26,転
写ローラ28,及び搬送ベルト29が備えられている。
【0058】磁気ベルト24は、フィルムシート21の
表面に上記した磁気記録媒体2が形成されたものであ
る。フィルムシート21は、ポリイミド、ポリエチレン
テレフタレート等の高分子からなるものでもよい。この
熱磁気プリンタの動作は図2に示した磁気ドラムの場合
と同様であるので説明は省略する。
【0059】次に、図2,図30に示したような熱磁気
プリンタにおける磁気記録媒体2について詳しく説明す
る。
【0060】磁気記録媒体2は、面内の第1の方向に磁
気異方性を有する第1の磁性膜の上に、第1の方向とは
異なる面内の第2の方向に磁気異方性を有する第2の磁
性膜がスパッタリング法や電子ビーム蒸着法により形成
されたものである。第1の磁性膜は、所定の組成を持つ
TbCo膜,DyCo膜,GdCo膜,TbFeCo
膜,DyFeCo膜,GdFeCo膜等の希土類金属と
遷移金属とからなるアモルファス合金膜、Co、Coと
Crの合金膜、CoとNiの合金膜、CoとNiとPの
合金膜、FeとNiの合金膜、MO・Fe23という分
子式で示されるフェライト(MはMn,Fe,Co,N
i,Cu,Zn,Mgのいずれか、またはこれらの混合
物)のいずれかであり、第2の磁性膜は、所定の組成を
持つTbCo膜,DyCo膜,GdCo膜,TbFeC
o膜,DyFeCo膜,GdFeCo膜等の希土類金属
と遷移金属とからなるアモルファス合金膜である。磁気
記録媒体2を構成する第1の磁性膜の厚みは0.1μm
〜1.5μm、第2の磁性膜の厚みは0.5μm〜3.
0μmで第1の磁性膜よりも厚く設定されている。
【0061】このような磁気記録媒体2における第2の
磁性膜は、磁化方向が表面と平行であり、保磁力が温度
上昇に伴って低下するものであり、キュリー点以下の所
定温度に加熱された状態にて、初期状態の磁化方向とは
逆方向のバイアス磁界が印加されると、磁気潜像を形成
する。
【0062】以下に、磁気記録媒体2が有する上記の機
能を確認した実施例について説明する。
【0063】(実施例)上記のような熱磁気プリンタに
用いる磁気記録媒体2とその製造方法及び磁気潜像記録
装置を検討するために、図3に示す構成の磁気潜像形成
体である試料A、及び、図4に示す熱入力装置41及び
バイアス磁界印加装置42より構成される磁気潜像記録
装置40を作製して評価を行った。
【0064】図4に示す磁気潜像記録装置40は、熱入
力装置41として、幅30μm,長さ5mm,厚さ1.
0μmのNi薄膜43を発熱抵抗体として形成したガラ
ス基板44を、バイアス磁界印加用磁石42の間に配置
したもので、バイアス磁界印加の下でNi薄膜43と磁
気記録媒体2とを接触させ、Ni薄膜43に直流電圧を
印加することにより通電してNi薄膜を発熱させて磁気
記録媒体2に熱入力を行うものである。
【0065】試料Aは、ガラス基板5上に磁気記録媒体
2,保護膜3をこの順序で積層して形成したものであ
る。ガラス基板5にはコーニング社製のものを、現像器
6の磁性トナー7には日立金属社製(H700,磁粉量
70%、平均粒径12.2μm)のものをそれぞれ使用
した。
【0066】本実施例においては、以下の手順で試料A
を作製した。ガラス基板5上に、所定の組成となるよ
うにCoターゲット上にTbのチップを乗せた複合ター
ゲットを用い、面内の第1の方向に磁界を印加しなが
ら、スパッタリング法により厚さ0.4μmのTbCo
アモルファス合金膜2a(第1の磁性膜)を形成する。
続いて、第1の磁性膜に逆スパッタを施して表面を清
浄にした後、第1の磁性膜の上に、同じく、所定の組成
となるようにCoターゲット上にTbのチップを乗せた
複合ターゲットを用い、面内の第1の方向とは異なった
面内の第2の方向に磁界を印加しながら、スパッタリン
グ法により厚さ1.5μmのTbCoアモルファス合金
膜2b(第2の磁性膜)を積層した。さらに、保護膜
3として0.1μmのTiN膜を同じくスパッタリング
法にて形成した。
【0067】TbCoアモルファス合金膜2a,2bは
ともに、Tb組成がatm%で11.0%であった。
尚、本実施例では、第1の磁性膜の面内磁気異方性の方
向である第1の方向と、第2の磁性膜の面内磁気異方性
の方向である第2の方向とのなす角度は90度、即ち直
交するように設定されており、上記のスパッタリングは
バイアス電圧をかけない高周波スパッタリング法にて行
っている。
【0068】このようにして作製された試料Aにおける
磁気記録媒体2の、第2の磁性膜の磁気異方性の方向に
磁界を印加して測定した室温でのヒステリシスループを
調べたところ、図5に示すものとなった。図5より、磁
気記録媒体2は室温での保磁力が620Oe,残留磁化
が160emu/ccであることが分かる。
【0069】また、試料Aにおける磁気記録媒体2の、
第2の磁性膜の磁気異方性の方向に磁界を印加して測定
したヒステリシスループより求めた保磁力の温度依存性
を図6に示す。この図から、磁気記録媒体2の保磁力が
温度上昇とともに低下することが分かる。
【0070】次に、試料Aに、予め第2の磁性膜の磁気
異方性の方向に飽和するまで初期化磁界を加えた後、図
4に示した磁気潜像記録装置40により磁気潜像を形成
し、形成された磁気潜像に磁性トナーを振りかけて現像
テストを行ったところ、幅180μmの線状に磁性トナ
ーが付着して、良好な顕像が得られた。但し、磁気潜像
の形成は、バイアス磁界印加装置42より初期化磁界の
方向とは逆向きに300Oeのバイアス磁界を印加しな
がら、15Vの直流電圧が20msecの時間印加され
る熱入力装置41のNi薄膜43と磁気記録媒体2とを
接触させることにより行った。
【0071】この磁気記録媒体2に形成された磁気潜像
を粉末図形法により観察したところ、図7(a)に示す
ようになり、図7(b)に模式図的に示すように、磁気
潜像の幅は150μmで、磁化反転境界の鋸歯状の磁化
転移構造の鋸歯の高さは12μmという低いものであっ
た。
【0072】次に、この試料Aを用いて、高い解像度の
記録を行うために、Ni薄膜43への電力の印加を、1
5Vの直流電圧で10msecの時間に変えて、現像テ
ストしたところ、熱入力時間を短くしたので、300O
eのバイアス磁界によって磁化方向が反転する領域が狭
くなり、幅80μmの線状に磁性トナーが付着して、良
好な顕像が得られた。
【0073】また、この磁気記録媒体2に形成された磁
気潜像を粉末図形法により観察したところ、図8に示す
ように、磁気潜像の幅は50μmで、磁化反転境界の鋸
歯状の磁化転移構造の鋸歯の高さは10μmという低い
ものであった。
【0074】さらに、この試料Aを用いて、より高い解
像度の記録を行うために、Ni薄膜43への電力の印加
を、15Vの直流電圧で7msecの時間に変えて、現
像テストしたところ、幅60μmの線状に磁性トナーが
付着して、良好な顕像が得られた。
【0075】また、上記のようにして、磁気記録媒体2
に形成された磁気潜像を粉末図形法により観察したとこ
ろ、図9に模式図的に示すように、磁気潜像の幅は30
μmで、磁化反転境界の鋸歯状の磁化転移構造の鋸歯の
高さは8μmという低いものであった。
【0076】次に、比較のために図3における試料Bを
作製した。試料Bは、試料Aと同じくガラス基板5上に
所定の組成となるようにCoターゲット上にTbのチッ
プを乗せた複合ターゲットを用いて、面内の一方向に磁
界を印加しながらスパッタリング法により厚さ1.5μ
mのTbCoアモルファス合金膜からなる記録媒体2を
形成し、その上に、保護膜3として0.1μmのTiN
膜を同じくスパッタリング法にて形成することにより、
作製した。
【0077】この試料BのTbCoアモルファス合金膜
は、面内に一方向に磁気異方性を持つ面内磁化膜で、T
b組成がatm%で11.0%であった。尚、上記のス
パッタリングも、試料Aの場合と同じくバイアス電圧を
かけない高周波スパッタリング法にて行っている。
【0078】このようにして作製された試料Bにおける
磁気記録媒体2の、磁気異方性の方向に磁界を印加して
測定した室温でのヒステリシスループを調べたところ、
図10に示すものとなった。図10より、磁気記録媒体
2は室温での保磁力は570Oe、残留磁化は170e
mu/ccで、上記図5に示した磁気記録媒体2(試料
A)の特性とほぼ同様の磁気特性であることが分かる。
【0079】試料Bに、予め磁気異方性の方向に飽和す
るまで初期化磁界を加えた後、図4に示した磁気潜像記
録装置40により磁気潜像を形成し、形成された磁気潜
像に磁性トナーを振りかけて現像テストを行ったとこ
ろ、250μmの線状に磁性トナーが付着したが、磁性
トナーの付着は不十分であった。但し、磁気潜像の形成
は、上記した試料Aに磁気潜像を記録した場合と同様の
方法、即ち、バイアス磁界印加装置42より初期化磁界
の方向とは逆向きに300Oeのバイアス磁界を印加し
ながら、15Vの直流電圧が20msecの時間印加さ
れる熱入力装置41のNi薄膜43と磁気記録媒体2と
を接触させることにより行った。
【0080】また、この試料Bの磁気記録媒体2に形成
された磁気潜像を粉末図形法により観察したところ、図
11(a)に示すようになり、図11(b)に模式図的
に示すように、磁気潜像の幅は220μmで、試料Aに
同一の記録条件で形成された磁気潜像の幅よりも広く、
また、磁化反転境界の鋸歯状の磁化転移構造の鋸歯の高
さも50μmで、試料Aに同一の記録条件で形成された
磁気潜像の磁化反転境界の鋸歯状の磁化転移構造の鋸歯
の高さ(図7(a),(b)参照)よりも大きなもので
あった。このように、磁化反転境界の鋸歯状の磁化転移
構造の鋸歯の高さが大きいことが、磁性トナーに対する
磁気吸引力の低下を示していると考えられる。
【0081】さらに、この試料Bを用いて、高い解像度
の記録を行うために、Ni薄膜43への電力の印加を、
15Vの直流電圧で10msecの時間に変えて、現像
テストしたところ、熱入力時間を短くしたので、300
Oeのバイアス磁界によって磁化方向が反転する領域が
狭くなり、幅160μmの線状に磁性トナーが付着した
が、これは、試料Aに同一の記録条件で磁気潜像を形成
して磁性トナーで現像した場合より広い幅であり、磁性
トナーの付着量も試料Aに比べて不十分であった。
【0082】この磁気記録媒体2に形成された磁気潜像
を粉末図形法により観察したところ、図12に模式図的
に示すように、磁気潜像の幅は130μmで、試料Aに
同一の記録条件で形成された磁気潜像の幅よりも広く、
また、磁化反転境界の鋸歯状の磁化転移構造の鋸歯の高
さも45μmで、試料Aに同一の記録条件で形成された
磁気潜像の磁化反転境界の鋸歯状の磁化転移構造の鋸歯
の高さよりも大きなものであった(図8参照)。このこ
とから、磁化反転境界の鋸歯状の磁化転移構造の鋸歯の
高さが大きいことが、磁性トナーに対する磁気吸引力を
低下させていると考えられる。
【0083】さらに、この試料Bにより、より高い解像
度の記録を行うために、Ni薄膜43への電力の印加
を、15Vの直流電圧で7msecの時間に変えて、現
像テストしたところ、幅120μmの線状に磁性トナー
が付着したが、磁性トナーの付着量は非常に不十分であ
った。
【0084】この磁気記録媒体2に形成された磁気潜像
を粉末図形法により観察したところ、図13(a)に示
すようになり、図13(b)に模式図的に示すように、
磁気潜像の幅は90μmであるが、連続した線状の磁化
反転境界が形成されていなかった。このことから、磁化
反転境界が連続して形成されていないことが、磁性トナ
ーに対する磁気吸引力を低下させていると考えられる。
【0085】次に、第1の磁性膜2aと第2の磁性膜2
bの磁気異方性の成す角度について説明する。
【0086】図14は、試料Aと同様の材料・膜厚から
なる第1の磁性膜2aと第2の磁性膜2bが、それらの
磁気異方性の成す角度が50度である試料Cの磁気記録
媒体2を示す図である。以下に、この磁気記録媒体2を
用いて記録テストした場合について説明する。
【0087】図15は、予め第2の磁性膜2bの磁気異
方性の方向に飽和するまで初期化磁界を加えた後、図4
に示した磁気潜像記録装置40により磁気潜像を形成
し、形成された磁気潜像を粉末図形法により観察したも
のを模式図的に示したもので、磁気潜像の幅は160μ
mで、試料Aに同一の記録条件で形成された磁気潜像の
幅よりも広いが、磁化反転境界の鋸歯状の磁化転移構造
の鋸歯の高さは18μmで、試料Aの場合と同様に、同
一の記録条件で形成された磁気潜像の磁化反転境界の鋸
歯状の磁化転移構造の鋸歯の高さよりも小さく、高解像
度の磁気潜像が記録できることが分かる。但し、磁気潜
像の形成は、バイアス磁界印加装置42より初期化磁界
の方向とは逆向きに300Oeのバイアス磁界を印加し
ながら、15Vの直流電圧が20msecの時間印加さ
れる熱入力装置41のNi薄膜43と磁気記録媒体2と
を接触させることにより行った。
【0088】従って、面内の第1の方向に磁気異方性を
有する第1の磁性膜の上に、第1の磁性膜とは異なる面
内の第2の方向に磁気異方性を有する希土類金属と遷移
金属とからなるアモルファス合金膜である第2の磁性膜
を積層した磁気記録媒体を作製すれば、磁気潜像の磁化
反転境界に現れる鋸歯状の磁化転移構造の鋸歯の高さの
小さい磁気潜像を形成することができるので、磁気潜像
記録の解像度を高くすることができるとともに、磁性ト
ナーに対する磁気吸引力の大きな高解像度の磁気潜像を
形成できることが分かる。
【0089】よって、このような磁気記録媒体によれ
ば、高解像度の磁気潜像を形成できると共に、磁性トナ
ーを安定して吸着することができるので、この磁気記録
媒体を熱磁気プリンタとして用いれば、高解像度、高コ
ントラストの記録画像が得られる熱磁気プリンタとする
ことが可能となる。
【0090】尚、本実施例では、第1、第2の磁性膜と
して、共に、希土類金属と遷移金属とからなるアモルフ
ァス合金膜としてTbCoを用いた例について示した
が、第1、第2の磁性膜としてDyCo、GdCo等、
他の希土類金属と遷移金属とのアモルファス合金膜を用
いてもよく、また、第1の磁性膜がDyCoアモルファ
ス合金膜で、第2の磁性膜がGdCoアモルファス合金
膜である場合のような、異なる希土類金属と遷移金属と
からなるアモルファス合金膜であっても、面内の第1の
方向に磁気異方性を有する第1の磁性膜の上に、第1の
磁性膜とは異なる面内の第2の方向に磁気異方性を有す
る希土類金属と遷移金属とからなるアモルファス合金膜
である第2の磁性膜を積層した構造の磁気記録媒体であ
る限り、以上に述べた磁気記録媒体2が有する機能に変
わりはない。
【0091】さらに、第1の磁性膜がCo,CoとCr
の合金膜,CoとNiの合金膜,CoとNiとPの合金
膜,あるいはFeとNiの合金膜,MO・Fe23とい
う分子式で示されるフェライト(MがMn,Fe,C
o,Ni,Cu,Zn,Mgのいずれか、あるはこれら
の混合物)等の他の磁性膜である場合でも、面内の第1
の方向に磁気異方性を有する第1の磁性膜の上に、第1
の磁性膜とは異なる面内の第2の方向に磁気異方性を有
する希土類金属と遷移金属とからなるアモルファス合金
膜である第2の磁性膜を積層した構造の磁気記録媒体で
ある限り、以上に述べた磁気記録媒体2が有する機能に
変わりはない。
【0092】次に、磁気記録媒体の第1の磁性膜の磁気
異方性の方向と、第2の磁性膜の磁気異方性の方向との
なす角度と、磁気記録媒体に繰り返し磁気潜像を形成し
た時の、磁気潜像の磁化反転境界に現れる鋸歯状の磁化
転移構造の鋸歯の高さとの関係について、図16及び図
17を参照しながら以下に説明する。
【0093】図16は、試料Aと同様の材料・膜厚の第
1の磁性膜と第2の磁性膜を磁気異方性の成す角度が3
0度となるように積層した磁気記録媒体2(試料D)
に、予め第2の磁性膜の磁気異方性の方向に飽和するま
で初期化磁界を加えた後、図4に示した磁気潜像記録装
置40により磁気潜像を形成し、再び、形成された磁気
潜像を第2の磁性膜の磁気異方性の方向に飽和するまで
初期化磁界を加えた後、再度、同様にして磁気潜像を形
成するという、記録の繰り返しを100回行った時に、
100回目の記録時に形成された磁気潜像を観察したも
のを模式図的に示したものである。
【0094】この図に示すように、磁気潜像の幅は20
0μmで、試料Aに同一の記録条件で形成された磁気潜
像の幅よりも広く、また、磁化反転境界の鋸歯状の磁化
転移構造の鋸歯の高さも31μmで、試料Bに同一の記
録条件で形成された磁気潜像よりも小さくなっている
が、試料Aに同一の記録条件で形成された磁気潜像の磁
化反転境界の鋸歯状の磁化転移構造の鋸歯の高さより大
きなものであった。これは、第1の磁性膜の磁気異方性
の方向と第2の磁性膜の磁気異方性の方向とのなす角度
が30度という小さいものであるので、外部磁界印加の
下での熱入力による記録が繰り返されると、第1の磁性
膜の磁気異方性の方向が外部磁界の影響を受けて第2の
磁性膜の磁気異方性の方向に近づき、その結果として、
磁気潜像の磁化反転境界の鋸歯状の磁化転移構造の鋸歯
の高さが大きくなったものと考えられる。
【0095】図17は、試料Aと同様の第1の磁性膜2
aと第2の磁性膜2bを、それらの磁気異方性のなす角
度を30度、40度、45度、50度、90度とした磁
気記録媒体2、及び、試料Bにおける、繰り返し記録回
数と形成された磁気潜像の磁化反転協会の鋸歯状の磁化
転移構造の鋸歯の高さとの関係を示したものである。但
し、繰り返し記録は以下のようにして行った。予め磁
気記録のされる磁性膜の磁気記録異方性の方向に飽和す
るまで初期化磁界を加える。図4の磁気潜像記録装置
40を用いて、バイアス磁界印加装置42より初期化磁
界の方向とは逆向きに300Oeのバイアス磁界を印加
しながら、熱入力装置41のNi薄膜43を磁気記録媒
体2に接触させ、Ni薄膜43に15Vの直流電圧を2
0msecの時間印加して、磁気記録媒体2に磁気潜像
を形成する。再度初期化して、前回記録した磁気潜像
と同一場所に熱入力を行って、再度記録する。
【0096】図17より、第1の磁性膜2aと第2の磁
性膜2bの磁気異方性のなす角度が45度より小さい磁
気記録媒体2に記録を繰り返すと、記録された磁気潜像
の磁化反転境界の鋸歯状の磁化転移構造の鋸歯の高さ
が、記録回数とともに大きくなる。第1の磁性膜2aと
第2の磁性膜2bの磁気異方性のなす角度45度以上で
は、記録を繰り返しても、記録された磁気潜像の磁化反
転境界の鋸歯状の磁化転移構造の鋸歯の高さは20μm
以下の小さいままであることが分かる。
【0097】尚、90度以上の角度αについては、18
0度−αと等価である(例えば、120度は60度の場
合と等価である)。
【0098】このように、面内の第1の方向に磁気異方
性を有する第1の磁性膜の上に、第1の磁性膜とは異な
る面内の第2の方向に磁気異方性を有する希土類金属と
遷移金属とからなるアモルファス合金膜である第2の磁
性膜を積層した構造である磁気記録媒体で、第1の磁性
膜の磁気異方性の方向と第2の磁性膜の磁気異方性との
なす角度が45度以上90度以下であれば、磁気記録媒
体に記録と消去(初期化)を繰り返しても、磁気潜像の
磁化反転境界に現れる鋸歯状の磁化転移構造の鋸歯の高
さの小さい磁気潜像を形成することができるので、繰り
返し記録しても、高い解像度と磁性トナーに対する磁気
吸引力の大きな磁気記録媒体とすることができる。
【0099】次に、磁気記録媒体2の第1の磁性膜2
aの厚さと磁気記録媒体2に形成された磁気潜像の解像
度との関係、磁気記録媒体2の第2の磁性膜2bの厚
さと磁気記録媒体2に形成された磁気潜像への磁性トナ
ーの吸着性との関係、磁気記録媒体2の第1の磁性膜
2aの厚さと磁気記録媒体の第2の磁性膜2bの関係と
磁気記録媒体2に形成された磁気潜像の解像度との関
係、について、図18ないし図24を参照しながら以下
に説明する。
【0100】まず、磁気記録媒体2の第1の磁性膜2
aの厚さと磁気記録媒体2に形成された磁気潜像の解像
度との関係について、試料E,Fを用いて説明する。
【0101】試料Eは、ガラス基板5上に、所定の組成
となるようにCoターゲット上にTbのチップを乗せた
複合ターゲットを用い、第1の磁性膜2aとして面内の
第1の方向に磁界を印加しながらスパッタリング法によ
り厚さ0.11μmのTbCoアモルファス合金膜を形
成し、続いて、第1の磁性膜2aに逆スパッタを施して
表面を清浄にした後、第1の磁性膜2aの上に、同じ
く、所定の組成となるようにCoターゲット上にTbの
チップを乗せた複合ターゲットを用い、第2の磁性膜2
bとして、面内の第1の方向とは異なった面内の第2の
方向に磁界を印加しながらスパッタリング法により厚さ
1.5μmのTbCoアモルファス合金膜を積層して形
成した磁気記録媒体2の上に、保護膜3として0.1μ
mのTiN膜を同じくスパッタリング法にて形成したも
のである。
【0102】このTbCoアモルファス合金膜は、第1
及び第2の磁性膜2a,2bともに、Tb組成がatm
%で11.0%であった。尚、試料Eでは、試料Aの場
合と同じく、第1の磁性膜2aの面内磁気異方性の方向
である第1の方向と、第2の磁性膜2bの面内磁気異方
性の方向である第2の方向とのなす角度は90度、即ち
直交するように設定されており、上記のスパッタリング
はバイアス電圧をかけない高周波スパッタリング法にて
行っている。したがって、試料Eは、上記した試料Aに
おいて、第1の磁性膜2aの膜厚を0.11μmとした
ものである。
【0103】図18は、この試料Eに、予め磁気記録媒
体2の磁気異方性の方向に飽和するまで初期化磁界を加
えた後、磁気記録媒体2に磁気潜像を形成し、形成した
磁気潜像を粉末図形法により観察したものを模式図的に
示したものである。磁気潜像の形成は、図4の磁気潜像
記録装置40を用いて、バイアス磁界印加装置42より
初期化磁界の方向とは逆向きに300Oeのバイアス磁
界を印加しながら、磁気記録媒体2と熱入力装置41の
Ni薄膜43とを接触させ、Ni薄膜43に15Vの直
流電圧を20msecの時間印加することにより行っ
た。
【0104】図18に示すように、磁気潜像の幅は17
0μmで、試料Aに同一の記録条件で形成された磁気潜
像の幅よりも広いが、磁化反転境界の鋸歯状の磁化転移
構造の鋸歯の高さは14μmで、試料Aに同一の記録条
件で形成された磁気潜像の磁化反転境界の鋸歯状の磁化
転移構造の鋸歯の高さとほぼ同じであった。
【0105】さらに、この試料Eを用いて、より高い解
像度の記録を行うために、Ni薄膜43への電力印加を
15Vの直流電圧で7msec時間に変更して磁気潜像
を形成し、形成された磁気潜像に磁性トナーを振りかけ
て現像テストしたところ、幅65μmの線状に磁性トナ
ーが付着し、良好な顕像が得られた。
【0106】この磁気記録媒体2に形成された磁気潜像
を粉末図形法により観察したところ、図19の模式図に
示すように、磁気潜像の幅は35μmで、試料Aに同一
の記録条件で形成された磁気潜像の幅よりも広いが、磁
化反転境界の鋸歯状の磁化転移構造の鋸歯の高さは9μ
mで、試料Aに同一の記録条件で形成された磁気潜像の
磁化反転境界の鋸歯状の磁化転移構造の鋸歯の高さとほ
ぼ同じであった。
【0107】試料Fは、比較例であり、ガラス基板5上
に、所定の組成となるようにCoターゲット上にTbの
チップを乗せた複合ターゲットを用い、第1の磁性膜と
して面内の第1の方向に磁界を印加しながらスパッタリ
ング法により厚さ0.08μmのTbCoアモルファス
合金膜を形成し、続いて、第1の磁性膜に逆スパッタを
施して表面を清浄にした後、第1の磁性膜の上に、同じ
く、所定の組成となるようにCoターゲット上にTbの
チップを乗せた複合ターゲットを用い、第2の磁性膜と
して、面内の第1の方向とは異なった面内の第2の方向
に磁界を印加しながらスパッタリング法により厚さ1.
5μmのTbCoアモルファス合金膜を積層して形成し
た磁気記録媒体2の上に、保護膜3として0.1μmの
TiN膜を同じくスパッタリング法にて形成したもので
ある。
【0108】この試料FのTbCoアモルファス合金膜
は、第1及び第2の磁性膜ともに、Tb組成がatm%
で11.0%であった。尚、試料Fでは、試料A,Eの
場合と同じく、第1の磁性膜2aの面内磁気異方性の方
向である第1の方向と、第2の磁性膜2bの面内磁気異
方性の方向である第2の方向とのなす角度は90度、即
ち直交するように設定されており、上記のスパッタリン
グはバイアス電圧をかけない高周波スパッタリング法に
て行っている。したがって、試料Fは、試料Aにおいて
第1の磁性膜2aの厚さを0.08μmとしたものであ
る。
【0109】図20は、この試料Fに、予め磁気記録媒
体2の磁気異方性の方向に飽和するまで初期化磁界を加
えた後、磁気記録媒体2に磁気潜像を形成し、形成した
磁気潜像を粉末図形法により観察したものを模式図的に
示したものである。磁気潜像の形成は、磁気潜像記録装
置40を用いて、バイアス磁界印加装置42より初期化
磁界の方向とは逆向きに300Oeのバイアス磁界を印
加しながら、磁気記録媒体2と熱入力装置41のNi薄
膜43とを接触させ、Ni薄膜43に15Vの直流電圧
を20msecの時間印加することにより行った。
【0110】図20に示すように、磁気潜像の幅は21
0μmで、試料Aに同一の記録条件で形成された磁気潜
像の幅よりも広く、また、磁化反転境界の鋸歯状の磁化
転移構造の鋸歯の高さも45μmで、試料Aに同一の記
録条件で形成された磁気潜像の磁化反転境界の鋸歯状の
磁化転移構造の鋸歯の高さよりも大きなものであった。
【0111】さらに、この試料Fを用いて、より高い解
像度の記録を行うために、Ni薄膜43への電力印加を
15Vの直流電圧で7msec時間に変更して磁気潜像
を形成し、形成された磁気潜像に磁性トナーを振りかけ
て現像テストしたところ、磁性トナーの付着量は非常に
不十分であった。
【0112】また、上記の方法で磁気記録媒体2に形成
された磁気潜像を粉末図形法により観察したところ、図
21に模式図的に示すように、磁気潜像の幅は85μm
であるが、連続した線状の磁化反転境界が形成されてい
なかった。このことから、磁化反転境界が連続して形成
されていないことが、磁性トナーに対する磁気吸引力の
低下を示していると考えられる。
【0113】このように、磁気記録媒体2において、第
1の磁性膜の厚さが0.1μmよりも小さくなると、第
1の磁性膜と磁気異方性の方向が異なる第2の磁性膜を
積層した構造の磁気記録媒体2に形成された磁気潜像の
解像度を高くすることができないが、第1の磁性膜の厚
さを0.1μmより大きくすると、磁気記録媒体2に形
成された磁気潜像の解像度を高くすることができる。
【0114】次に、磁気記録媒体2の第2の磁性膜2
bの厚さと磁気記録媒体2に形成された磁気潜像への磁
性トナーの吸着性との関係について、試料G,試料Hを
用いて説明する。
【0115】試料Gは、ガラス基板5上に、所定の組成
となるようにCoターゲット上にTbのチップを乗せた
複合ターゲットを用い、第1の磁性膜として面内の第1
の方向に磁界を印加しながらスパッタリング法により厚
さ0.3μmのTbCoアモルファス合金膜を形成し、
続いて、第1の磁性膜に逆スパッタを施して表面を清浄
にした後、第1の磁性膜の上に、同じく、所定の組成と
なるようにCoターゲット上にTbのチップを乗せた複
合ターゲットを用い、第2の磁性膜として、面内の第1
の方向とは異なった面内の第2の方向に磁界を印加しな
がらスパッタリング法により厚さ0.52μmのTbC
oアモルファス合金膜を積層して形成した磁気記録媒体
2の上に、保護膜3として0.1μmのTiN膜を同じ
くスパッタリング法にて形成したものである。
【0116】試料GのTbCoアモルファス合金膜は、
第1及び第2の磁性膜ともに、Tb組成がatm%で1
1.0%であった。尚、試料Gでは、試料A,E,Fの
場合と同じく、第1の磁性膜の面内磁気異方性の方向で
ある第1の方向と、第2の磁性膜の面内磁気異方性の方
向である第2の方向とのなす角度は90度、即ち直交す
るように設定されており、上記のスパッタリングはバイ
アス電圧をかけない高周波スパッタリング法にて行って
いる。したがって、試料Gは試料Aにおける第1の磁性
膜2aの膜厚を0.3μmに、第2の磁性膜2bの膜厚
を0.52μmとしたものである。
【0117】この試料Gに、予め磁気記録媒体2の磁気
異方性の方向に飽和するまで初期化磁界を加えた後、磁
気記録媒体2に磁気潜像を形成し、形成した磁気潜像に
磁性トナーを振りかけて現像テストしたところ、幅21
0μmの線状に磁性トナーが付着し、良好な顕像が得ら
れた。但し、磁気潜像の形成は、図4の磁気潜像記録装
置40を用いて、バイアス磁界印加装置42より初期化
磁界の方向とは逆向きに300Oeのバイアス磁界を印
加しながら、磁気記録媒体2と熱入力装置41のNi薄
膜43とを接触させ、Ni薄膜43に15Vの直流電圧
を20msecの時間印加することにより行った。
【0118】また、この磁気記録媒体2に形成された磁
気潜像を粉末図形法により観察したところ、図22に模
式図的に示すように、磁気潜像の幅は180μmで、試
料Aに同一の記録条件で形成された磁気潜像の幅よりも
広いが、磁化反転境界の鋸歯状の磁化転移構造の鋸歯の
高さは16μmで、試料Aに同一の記録条件で形成され
た磁気潜像の磁化反転境界の鋸歯状の磁化転移構造の鋸
歯の高さとほぼ同じであった。
【0119】一方、試料Hは、ガラス基板5上に、所定
の組成となるようにCoターゲット上にTbのチップを
乗せた複合ターゲットを用い、第1の磁性膜として面内
の第1の方向に磁界を印加しながらスパッタリング法に
より厚さ0.3μmのTbCoアモルファス合金膜を形
成し、続いて、第1の磁性膜に逆スパッタを施して表面
を清浄にした後、第1の磁性膜の上に、同じく、所定の
組成となるようにCoターゲット上にTbのチップを乗
せた複合ターゲットを用い、第2の磁性膜として、面内
の第1の方向とは異なった面内の第2の方向に磁界を印
加しながらスパッタリング法により厚さ0.49μmの
TbCoアモルファス合金膜を積層して形成した磁気記
録媒体2の上に、保護膜3として0.1μmのTiN膜
を同じくスパッタリング法にて形成したものである。
【0120】この試料HのTbCoアモルファス合金膜
は、第1及び第2の磁性膜ともに、Tb組成がatm%
で11.0%であった。尚、試料Hでは、試料A,E,
F,Gの場合と同じく、第1の磁性膜の面内磁気異方性
の方向である第1の方向と、第2の磁性膜の面内磁気異
方性の方向である第2の方向とのなす角度は90度、即
ち直交するように設定されており、上記のスパッタリン
グはバイアス電圧をかけない高周波スパッタリング法に
て行っている。したがって、試料Hは試料Aにおける第
1の磁性膜2aの膜厚を0.3μmに、第2の磁性膜2
bの膜厚を0.49μmにしたものである。
【0121】この試料Hに、予め磁気記録媒体2の磁気
異方性の方向に飽和するまで初期化磁界を加えた後、形
成した磁気潜像に磁性トナーを振りかけて現像テストし
たところ、十分な量の磁性トナーが付着しなかった。但
し、磁気潜像の形成は、図4の磁気潜像記録装置40を
用いて、バイアス磁界印加装置42より初期化磁界の方
向とは逆向きに300Oeのバイアス磁界を印加しなが
ら、磁気記録媒体2と熱入力装置41のNi薄膜43と
を接触させ、Ni薄膜43に15Vの直流電圧を20m
secの時間印加することにより行った。
【0122】このように、磁気記録媒体2において、第
2の磁性膜の厚さが0.5μmよりも小さくなる(試料
H)と、第1の磁性膜と磁気異方性の方向が異なる第2
の磁性膜を積層した構造の磁気記録媒体2に磁気潜像を
形成しても、第2の磁性膜の厚さが小さいので、第2の
磁性膜に形成された磁気潜像から、磁性トナーに対して
十分な大きさの磁気吸引力を生じることができない。
【0123】次に、磁気記録媒体2の第1の磁性膜2
aの厚さと磁気記録媒体の第2の磁性膜2bの関係と磁
気記録媒体2に形成された磁気潜像の解像度との関係に
ついて説明する。ここまでの説明では、第1の磁性膜2
aの厚さは第2の磁性膜の厚さよりも低く設定されてい
たが、ここでは、第1の磁性膜2aの厚さは第2の磁性
膜の厚さよりも厚い場合(試料I)について述べる。
【0124】試料Iは、ガラス基板5上に、所定の組成
となるようにCoターゲット上にTbのチップを乗せた
複合ターゲットを用い、第1の磁性膜として面内の第1
の方向に磁界を印加しながらスパッタリング法により厚
さ1.0μmのTbCoアモルファス合金膜を形成し、
続いて、第1の磁性膜に逆スパッタを施して表面を清浄
にした後、第1の磁性膜の上に、同じく、所定の組成と
なるようにCoターゲット上にTbのチップを乗せた複
合ターゲットを用い、第2の磁性膜として、面内の第1
の方向とは異なった面内の第2の方向に磁界を印加しな
がらスパッタリング法により厚さ0.9μmのTbCo
アモルファス合金膜を積層して形成した磁気記録媒体2
の上に、保護膜3として0.1μmのTiN膜を同じく
スパッタリング法にて形成したものである。
【0125】試料IのTbCo膜は、第1及び第2の磁
性膜ともに、Tb組成がatm%で11.0%であっ
た。尚、試料Iでは、試料A,E,F,G,Hの場合と
同じく、第1の磁性膜の面内磁気異方性の方向である第
1の方向と、第2の磁性膜の面内磁気異方性の方向であ
る第2の方向とのなす角度は90度、即ち直交するよう
に設定されており、上記のスパッタリングはバイアス電
圧をかけない高周波スパッタリング法にて行っている。
したがって、試料Iは試料Aにおける第1の磁性膜2a
の厚さを1.0μmに、第2の磁性膜2bの厚さを0.
9μmとしたものである。
【0126】図23は、この試料Iに、予め磁気記録媒
体2の磁気異方性の方向に飽和するまで初期化磁界を加
えた後、形成した磁気潜像を粉末図形法により観察した
ものを模式図的に示したものである。但し、磁気潜像の
形成は、図4の磁気潜像記録装置40を用いて、バイア
ス磁界印加装置42より初期化磁界の方向とは逆向きに
300Oeのバイアス磁界を印加しながら、磁気記録媒
体2と熱入力装置41のNi薄膜43とを接触させ、N
i薄膜43に15Vの直流電圧を20msecの時間印
加することにより行った。
【0127】図23に示すように、磁気潜像の幅は22
0μmで、試料Aに同一の記録条件で形成された磁気潜
像の幅よりも広く、また、磁化反転境界の鋸歯状の磁化
転移構造の鋸歯の高さも45μmで、試料Aに同一の記
録条件で形成された磁気潜像の磁化反転境界の鋸歯状の
磁化転移構造の鋸歯の高さよりも大きなものであった。
【0128】さらに、この試料Iを用いて、より高い解
像度の記録を行うために、Ni薄膜43への電力印加を
15Vの直流電圧で7msec時間に変更して磁気潜像
を形成し、形成された磁気潜像に磁性トナーを振りかけ
て現像テストしたところ、幅120μmの線状に磁性ト
ナーが付着したが、磁性トナーの付着量は不十分であっ
た。
【0129】また、この磁気記録媒体2に形成された磁
気潜像を粉末図形法により観察したところ、図24に模
式図的に示すように、磁気潜像の幅は90μmである
が、連続した線状の磁化反転境界が形成されていなかっ
た。
【0130】このように、磁気記録媒体2において、第
2の磁性膜の厚さ2bが第1の磁性膜2aの厚さよりも
小さくなると、第1の磁性膜2aと磁気異方性の方向が
異なる第2の磁性膜2bを積層した構造の磁気記録媒体
2に形成された磁気潜像の解像度を高くすることができ
ない。
【0131】また、第1の磁性膜2aの厚さを1.5μ
mより厚くすると、磁気記録媒体に形成される磁気潜像
の解像度を高くするためには、第2の磁性膜2bの厚さ
を第1の磁性膜より厚くする必要があり、それらの合計
である磁気記録媒体の厚さが3.0μmより厚くなって
しまう。このように3.0μm以上に厚膜化すると、製
作に長時間要し、生産コストが高くなる。
【0132】また、第2の磁性膜2bの厚さが3.0μ
mより厚くなると、第1の磁性膜2aとの合計である磁
気記録媒体の厚さを3.1μm以上にしなければならな
い。このように3.0μm以上に厚膜化すると、製作に
長時間要し、生産コストが高くなる。
【0133】以上のことから、面内の第1の方向に磁気
異方性を有する第1の磁性膜2aの上に、第1の方向と
は異なる面内の第2の方向に磁気異方性を有する希土類
金属と遷移金属とからなるアモルファス合金膜である第
2の磁性膜2bを積層した構造である磁気記録媒体にお
いて、第1の磁性膜2aの厚さを0.1から1.5μm
の範囲に、第2の磁性膜2bの厚さを0.5から3.0
μmの範囲に、且つ第1の磁性膜2aよりも第2の磁性
膜2bを厚く設定すれば、磁気潜像の磁化反転境界に現
れる鋸歯状の磁化転移構造の鋸歯の高さの小さい磁気潜
像を形成することができるので、磁気潜像記録の解像度
を高くすることができるとともに、磁性トナーに対する
磁気吸引力の大きな高解像度の磁気潜像を形成できる磁
気記録媒体を低コストで作製することができる。
【0134】よって、このような磁気記録媒体によれ
ば、高解像度の磁気潜像を形成できると共に、磁性トナ
ーを安定して吸着することができるので、この磁気記録
媒体を熱磁気プリンタとして用いれば、高解像度、高コ
ントラストの記録画像が得られる熱磁気プリンタとする
ことが可能となる。
【0135】なお、以上の例では、磁気記録媒体が2層
の磁性膜からなる場合についてのみ記したが、例えば、
磁気記録媒体が8層からなり、下方の3層が面内の同一
方向に磁気異方性を有しており、上方の5層が上記の下
方の5層とは異なる面内の同一方向に磁気異方性を有し
ているような構成であっても、上記したような効果を得
ることができることは言うまでもない。
【0136】以下の各実施の形態では、磁気記録媒体の
製造方法について説明する。
【0137】〔実施の形態2〕第2の実施の形態につい
て図25,26に基づいて説明すれば以下の通りであ
る。
【0138】本実施の形態では、図3(a)に示したよ
うな面内の第1の方向に磁気異方性を有する第1の磁性
膜2aの上に、第1の磁性膜2aとは異なる面内の第2
の方向に磁気異方性を有する希土類金属と遷移金属とか
らなるアモルファス合金膜である第2の磁性膜2bを積
層した構造の磁気記録媒体2の製造方法において、第1
の磁性膜2aを面内の第1の方向に磁界を印加しながら
形成した後、第2の磁性膜2bを面内の第2の方向に磁
界を印加しながら形成して積層する方法について説明す
る。
【0139】本実施の形態では、図25に示すホルダー
50を使用する。回転可能な基板ホルダー51にガラス
基板5が取り付けられ、ガラス基板5には、所望の強さ
の外部磁界が、図25の矢印で示すガラス基板の表面と
平行な方向に印加されている。外部磁界印加装置55は
永久磁石、あるいは電磁石からなり、そのN極とS極が
対向してガラス基板を挟むように、回転しない基板ホル
ダー52へ固定されている。ここで、回転可能な基板ホ
ルダー51を回転させることで、ガラス基板5の表面と
平行な方向に印加されるガラス基板5に対する磁界の向
きを任意に変えることができる。
【0140】尚、ガラス基板5に印加される外部磁界の
向きを変えるために、ガラス基板5を固定して、外部磁
界印加装置55が回転しても良く、また、ガラス基板5
と外部磁界印加装置55の両者が回転しても構わない。
【0141】また、外部磁界を永久磁石で印加する場合
は、外部磁界印加用の電源が必要なく、低コストである
という利点があり、電磁石で印加する場合には、外部磁
界の大きさを任意に制御することが容易であるという利
点があるが、以下の本実施の形態では、外部磁界印加装
置55として永久磁石を使用する製造方法について説明
する。尚、外部磁界印加装置55によりガラス基板5の
表面と平行な方向に印加される外部磁界は200Oeも
あれば十分で、本実施の形態では250Oeとした。
【0142】また、本実施の形態では、第1,第2の磁
性膜2a,2bとしてTbCoのアモルファス合金膜を
用いた。このTbCoアモルファス合金は、所望の組成
となるように、Coターゲット上にTbのチップを乗せ
た複合ターゲット54を用いた、スパッタリングにより
作製した。尚、第1の磁性膜2aの厚さを0.4μm、
第2の磁性膜2bの厚さを1.5μmとした。さらに保
護膜として0.1μmのTiN膜を同じくスパッタリン
グにて第1の磁性膜1a上に形成した。上記TbCo膜
は、Tb組成がatm%で11.0%であった。尚、上
記スパッタリングとしては、バイアス電圧をかけない高
周波スパッタ法を使用した。
【0143】上記の製造方法について、図25及び図2
6を参照しながら、詳しく説明すると以下のようにな
る。
【0144】回転可能な基板ホルダー51と、所望の
強さの外部磁界をその表面と平行な方向に印加できる外
部磁界印加装置55である永久磁石とが、その永久磁石
のN極とS極との間に基板ホルダー51が配置されるよ
うに取り付けられた、ホルダー50の基板ホルダー51
上にガラス基板5を設置し、ホルダー50をスパッタリ
ング装置のチャンバー内にセットする。
【0145】スパッタリング装置のチャンバー内の圧
力が0.001Paになるまで排気する。
【0146】スパッタリングガスであるアルゴンガス
をチャンバー内に導入し、チャンバー内の圧力が1.0
7Paになるようにする。そして、放電を開始しアルゴ
ンイオンで複合ターゲット54をスパッタリングし、シ
ャッター53を開けることで、ガラス基板5上に第1の
磁性膜であるTbCoアモルファス合金膜2aを所望の
厚さで形成する。
【0147】その後、基板ホルダー50とターゲット
との間に設けられたシャッター53を閉じて、ガラス基
板上へのTbCoアモルファス合金膜膜2aの形成を停
止する。
【0148】尚、本実施の形態では、シャッター53を
閉じることで、TbCoアモルファス合金膜2aの形成
を停止したが、放電を停止するか、あるいはシャッター
を閉じてしかも放電を停止することで、TbCoアモル
ファス合金膜2aの形成を停止しても構わない。
【0149】その後、回転可能な基板ホルダー51を
45度以上回転させる。尚、本実施の形態では、基板ホ
ルダー51は90度回転させた。
【0150】その後、シャッター53を開き、ガラス
基板5に形成された第1の磁性膜2aの上に、第2の磁
性膜であるTbCoアモルファス合金膜2bを所望の厚
さで形成する。
【0151】その後、保護膜であるTiN膜をTiタ
ーゲットを用いた反応性スパッタ法で形成する。
【0152】このようにして作製された磁気記録媒体
は、上記及びで磁性膜を形成する際に、外部磁界印
加装置55により、ガラス基板の表面と平行な方向に磁
界が印加されるので、それぞれの磁性膜に外部磁界が印
加された方向に磁気異方性を持たせることができ、第1
の磁性膜の磁気異方性の方向と第2の磁性膜の磁気異方
性の方向を容易に制御することができる。
【0153】さらに、それぞれの磁気異方性が、スパッ
タリングにより磁性膜を形成する際に付与されるので、
第2の磁性膜の磁気異方性の方向が、第1の磁性膜の磁
気異方性の方向と異なる本実施の形態のような場合で
も、第2の磁性膜を形成する際に、第1の磁性膜の異方
性の方向が、第2の磁性膜形成時に印加される外部磁界
で変化することがない。
【0154】また、上記で回転可能な基板ホルダー5
1を、第1の磁性膜を形成後、第2の磁性膜を形成する
前に45度以上90度以下の角度回転させるので、第1
の磁性膜の磁気異方性の方向と第2の磁性膜の磁気異方
性の方向とのなす角度を容易に45度以上に設定するこ
とができる。
【0155】以上のようにして作製された磁気記録媒体
は、面内の第1の方向に磁気異方性を有する第1の磁性
膜の上に、第1の磁性膜とは異なる面内の第2の方向に
磁気異方性を有する希土類金属と遷移金属とからなるア
モルファス合金膜である第2の磁性膜を積層した構造で
あるので、第2の磁性膜には、磁気潜像の磁化反転境界
に現れる鋸歯状の磁化転移構造の鋸歯の高さが小さい磁
気潜像を形成することができるので、磁気潜像の解像度
を高めることができ、磁性トナーに対する磁気吸引力も
高くすることができ、熱磁気プリンタとして好適に使用
することができた。
【0156】〔実施の形態3〕第3の実施の形態につい
て、図27,28に基づいて説明すれば以下の通りであ
る。
【0157】本実施の形態では、面内の第1の方向に磁
気異方性を有する第1の磁性膜2aの上に、第1の磁性
膜2aとは異なる面内の第2の方向に磁気異方性を有す
る希土類金属と遷移金属とからなるアモルファス合金膜
である第2の磁性膜2bを積層した構造である磁化方向
が表面と平行な面内磁化膜であり、所定温度で加熱する
ことにより保磁力を低下させると共に、外部磁界を印加
することにより磁気潜像を形成する磁気記録媒体2(図
3(a)参照)の製造方法において、第1の磁性膜2a
の第1の方向の磁気異方性が、第1の磁性膜2a形成
後、第2の磁性膜2bを形成する前に、磁界中でアニー
ル処理することによって付与される方法について説明す
る。
【0158】本実施の形態では、電着法(電気メッキ)
により第1の磁性膜として、CoNi合金膜2aを、所
望の組成となるように、アルミニウムドラム6上に厚さ
0.5μm形成し(図27参照)、その後、CoNi合
金膜2aが形成されたアルミニウムドラム6を、CoN
i合金膜2aの表面と平行なアルミニウムドラムの長手
方向である第1の方向に磁界を印加しながらアニール処
理を施して、CoNiの合金膜の面内の第1の方向に磁
気異方性を付与する。その後、CoNiの合金膜2aが
形成されたアルミニウムドラム6の上に、スパッタリン
グにより、面内の第2の方向に磁気異方性を有する第2
の磁性膜として、所望の組成となるようにCoターゲッ
ト上にTbのチップを乗せた複合ターゲットを用いて、
TbCoアモルファス合金膜2bを積層し、さらに保護
膜として0.1μmのTiNを同じくスパッタリングに
て形成した。上記CoNi合金膜は、Ni組成がatm
%で40.0%で、TbCoアモルファス合金膜は、T
b組成がatm%で11.0%であった。尚、上記スパ
ッタリングはバイアス電圧をかけない高周波スパッタ法
を使用した。
【0159】上記の製造法について、詳しく説明すると
以下のようになる。
【0160】磁気記録媒体を形成するアルミニウムド
ラム6に、電着法によりCoNi合金膜2aを所望の厚
さ形成する。
【0161】CoNi合金膜2aが形成されたアルミ
ニウムドラム6を真空排気装置の付いたアニール炉に移
し、0.001Pa程度の真空に排気した後、CoNi
合金膜2aの表面と平行な図27の矢印で示す方向に磁
界を印加しながらアニール処理を施す。
【0162】尚、アニール温度及び印加磁界の大きさ
は、磁界中でアニール処理を施すことでCoNi合金膜
2aの面内方向に磁気異方性が付与されるように設定す
ればよく、本実施の形態では、アニール温度500℃、
磁界の大きさ400Oeとした。
【0163】その後、面内に磁気異方性が付与された
CoNi合金膜2aが形成されたアルミニウムドラム6
を、スパッタ装置のチャンバー内にセットする。
【0164】この時、図28に示すように、アルミニウ
ムドラム6に、第2の磁性膜2bを形成する際に、Co
Ni合金膜2aの磁気異方性の方向とは異なる方向に磁
界を印加しながら、第2の磁性膜2bが形成されるよう
に、永久磁石あるいは電磁石の外部磁界印加装置を配置
してからチャンバー内にセットする。本実施の形態で
は、外部磁界印加装置55として、永久磁石を用いた。
【0165】その後、スパッタリング装置のチャンバ
ー内の圧力が0.001Paになるまで排気する。
【0166】スパッタリングガスであるアルゴンガス
をチャンバー内に導入し、チャンバー内の圧力が1.0
7Paになるようにする。そして、放電を開始しアルゴ
ンイオンでターゲット54(Coターゲットの上にTb
のチップを乗せた複合ターゲット)をスパッタリングす
ることにより、CoNi合金膜2aが形成されたアルミ
ニウムドラム6上に第2の磁性膜であるTbCoアモル
ファス合金膜2bを所望の厚さで形成する。
【0167】尚、この時、アルミニウムドラム6を図2
8の矢印で示す方向に回転させながらTbCoアモルフ
ァス合金膜2bを形成することにより、図28のアルミ
ニウムドラムの周方向であるA方向に、磁気異方性を持
つTbCoアモルファス合金膜2bを、均一な厚さで形
成することができる。
【0168】また、TbCoアモルファス合金膜2bを
形成する前に、アルミニウムドラム6に形成されている
CoNi合金膜2aの表面を清浄にするために、アルゴ
ンイオンでCoNi合金膜の表面をスパッタリングして
もよい。これは、CoNi合金膜2aとTbCoアモル
ファス合金膜2bとの磁気的結合を強くするためで、第
1の磁性膜2aの表面が清浄でない時に、第2の磁性膜
2bを第1の磁性膜2aに積層した磁気記録媒体を作製
しても、第1と第2の磁性膜2a,2bの磁気的な結合
が弱くなるために、作製した磁気記録媒体2に磁気潜像
を形成しても高解像度の記録が行えない。第1の磁性膜
2aを電着法で形成する場合や、第1の磁性膜2aに磁
界中でのアニール処理を施す場合には、第2の磁性膜2
bを積層する前に、第1の磁性膜をスパッタリングする
ことが好ましい。
【0169】その後、保護膜3であるTiN膜をTi
ターゲットを用いた反応性スパッタ法にて、同じくアル
ミニウムドラム6を回転させながら形成する。
【0170】このようにして作製された磁気記録媒体
は、上記において第1の磁性膜2aに磁界中でアニー
ル処理を施すことにより磁気異方性を付与されるので、
第1の磁性膜2aを作製する際に異方性を付与すること
が困難な電着法により作製された膜でも、容易に磁気異
方性を付与することができる。また、基体がアルミニウ
ムドラムの場合のように、スパッタ法では図27の矢印
で示す方向に磁気異方性を付与することが困難な基体で
も、容易に磁気異方性を付与することができる。
【0171】以上のことから、このようにして作製され
た磁気記録媒体は、面内の第1の方向に磁気異方性を有
する第1の磁性膜の上に、第1の磁性膜とは異なる面内
の第2の方向に磁気異方性を有する希土類金属と遷移金
属とからなるアモルファス合金膜である第2の磁性膜を
積層した構造であるので、第2の磁性膜には、磁気潜像
の磁化反転境界に現れる鋸歯状の磁化転移構造の鋸歯の
高さが小さい磁気潜像を形成することができるので、磁
気潜像の解像度を高くすることができ、磁性トナーに対
する磁気吸引力も高くすることができ、熱磁気プリンタ
として好適に使用することができる。
【0172】尚、本実施の形態では、第1の磁性膜とし
てCoNi合金膜を電着法で形成する例について説明し
たが、第1の磁性膜としてスパッタリング法や蒸着法で
希土類金属と遷移金属とからなるアモルファス合金膜を
用いる場合にも、本実施の形態で説明したような磁界中
でアニール処理する製造方法は非常に有効であるが、こ
れは、以下の理由による。
【0173】基体として図27に示すようなアルミニウ
ムドラム6を用いる場合には、第1の磁性膜2aをスパ
ッタリング法や蒸着法で外部磁界を印加しながら形成す
ることで第1の方向に磁気異方性を持たせるためには、
アルミニウムドラム6の長手方向に外部磁界を印加する
必要がある。しかしながら、図28に示すように、アル
ミニウムドラム6の周方向に磁界を印加しながら第2の
磁性膜2bをスパッタリング法や蒸着法で形成すること
は容易であるが、アルミニウムドラム6の長手方向に磁
界を印加するには、大型の磁界印加装置と真空装置が必
要となり、大掛かりな装置が必要となる。本実施の形態
で説明したように、第1の磁性膜2aの磁気異方性を、
磁界中でアニール処理することにより付与する製造方法
によれば、装置の大型化の必要がなく、低コストで製造
することが可能となる。
【0174】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体によれば、最上部
の磁性膜には、磁気潜像の磁化反転境界に現れる鋸歯状
の磁化転移構造の鋸歯の高さの小さい磁気潜像を形成す
ることができる。したがって、上記のような磁気記録媒
体上に形成された磁気潜像を現像すれば、高解像度でし
かも高コントラストの画像を得ることができる。
【0175】また、磁気記録媒体を、磁気異方性の方向
の異なる第1の磁性膜と第2の磁性膜で構成し、それら
の成す角度を45度以上90度以下とすることにより、
磁気記録媒体に繰り返し記録を行っても、第2の磁性膜
に形成される磁気潜像の磁化反転境界に現れる鋸歯状の
磁化転移構造の鋸歯の高さの小さい磁気潜像を形成する
ことができ、常に、磁性トナーに対する磁気吸引力が大
きく、且つ高解像度の記録画像を得ることが可能とな
る。
【0176】さらに、第1の磁性膜の厚さを0.1μm
以上に、第2の磁性膜の膜厚を0.5μm以上に、且つ
第2の磁性膜の膜厚を第1の磁性膜よりも厚い構成とす
ることにより、第2の磁性膜に形成される磁気潜像の磁
化反転境界に現れる鋸歯状の磁化転移構造の鋸歯の高さ
の小さい磁気潜像を形成することができるので、磁性ト
ナーに対する磁気吸引力が大きく、且つ高解像度の記録
画像を得ることができるという効果を奏すると共に、上
記の磁気記録媒体を低コストで作製することができる。
【0177】また、本発明の磁気記録媒体の製造方法に
よれば、上記したような磁気記録媒体を容易に且つ制御
良く形成することが可能となる。
【0178】また、本発明の磁気印写装置によれば、磁
気記録媒体に形成される磁気潜像を、磁化反転境界に現
れる鋸歯状の磁化転移構造の鋸歯の高さが小さいものと
することができるので、磁気潜像記録の解像度を高くす
ることができる。これにより、高解像度で且つ高コント
ラストの画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る熱磁気プリンタの
磁気ドラムの構成を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る熱磁気プリンタの
画像形成部の構成を示す概略構成図である。
【図3】本発明の熱磁気プリンタに用いる磁気記録媒体
の評価を行うための試料の構成を示すものであって、本
発明を適用した試料(試料A)の概略図、及び、比較の
ための試料(試料B)の概略図である。
【図4】本発明の熱磁気プリンタに用いる磁気記録媒体
の評価を行うために使用した磁気潜像記録装置を示す概
略図である。
【図5】図3に示した試料Aの室温での磁気特性を表す
ヒステリシスループである。
【図6】図3に示した試料Aの保磁力の温度依存性を表
すグラフである。
【図7】図3に示した試料Aに、図4に示した磁気潜像
記録装置を用いて形成した磁気潜像を示したもので、
(a)は粉末図形法による磁気潜像を示したもの、
(b)はその概略図である。
【図8】図3に示した試料Aに、図7に示したものとは
別の記録条件で形成した磁気潜像を示す概略図である。
【図9】図3に示した試料Aに、図7,図8に示したも
のとは別の記録条件で形成した磁気潜像を示す概略図で
ある。
【図10】図3に示した試料Bの室温での磁気特性を表
すヒステリシスループである。
【図11】図3に示した試料Bに、図4に示した磁気潜
像記録装置を用いて形成した磁気潜像を示したもので、
(a)は粉末図形法による磁気潜像を示したもの、
(b)はその概略図である。
【図12】図3に示した試料Bに、図11に示したもの
とは別の記録条件で形成した磁気潜像を示す概略図であ
る。
【図13】図3に示した試料Bに、図11,12に示し
たものとは別の記録条件で形成した磁気潜像を示したも
ので、(a)は粉末図形法による磁気潜像を示したも
の、(b)はその概略図である。
【図14】本発明の熱磁気プリンタに用いる磁気記録媒
体の評価を行うための試料(試料C)の構成を示す概略
図である。
【図15】図14に示した試料Cに、図4に示した磁気
潜像記録装置を用いて形成した磁気潜像を示す概略図で
ある。
【図16】試料Dに、図4に示した磁気潜像記録装置を
用いて形成した磁気潜像を示す概略図である。
【図17】種々の磁気記録媒体に、繰り返し記録を行っ
たときの、記録回数と、磁気潜像の磁化反転境界に現れ
る鋸歯状の磁化転移構造の鋸歯の高さとの関係を示す図
である。
【図18】試料Eに、図4に示した磁気潜像記録装置を
用いて形成した磁気潜像を示す概略図である。
【図19】試料Eに、図4に示した磁気潜像記録装置を
用いて、図18に示したものとは別の記録条件で形成し
た磁気潜像を示した概略図である。
【図20】試料Fに、図4に示した磁気潜像記録装置を
用いて形成した磁気潜像を示す概略図である。
【図21】試料Fに、図4に示した磁気潜像記録装置を
用いて、図20に示したものとは別の記録条件で形成し
た磁気潜像を示す概略図である。
【図22】試料Gに、図4に示した磁気潜像記録装置を
用いて形成した磁気潜像を示す概略図である。
【図23】試料Iに、図4に示した磁気潜像記録装置を
用いて形成した磁気潜像を示す概略図である。
【図24】試料Iに、図4に示した磁気潜像記録装置を
用いて、図23に示したものとは別の記録条件で形成し
た磁気潜像を示す概略図である。
【図25】第2の実施の形態の磁気記録媒体の製造に用
いるホルダを示す図である。
【図26】第2の実施の形態の磁気記録媒体の製造に用
いるスパッタ装置を示す図である。
【図27】第3の実施の形態の磁気記録媒体の製造方法
を説明する図である。
【図28】第3の実施の形態の磁気記録媒体の製造に用
いるスパッタ装置を説明する図である。
【図29】磁気記録媒体の磁化方向を示すものであっ
て、(a)は磁化の方向が面内に平行な面内磁化方式の
場合を示し、(b)は磁化の方向が面内に垂直な垂直磁
化方式の場合を示す説明図である。
【図30】熱磁気プリンタの画像形成部の他の構成を示
す概略構成図である。
【符号の説明】
1 ドラムベース(基体) 2 磁気記録媒体 2a 第1の磁性膜 2b 第2の磁性膜 3 保護膜 4 磁気ドラム 5 ガラス基板 21 フィルムシート(基体) 24 磁気ベルト(磁気潜像担持体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−197898(JP,A) 特開 平6−95418(JP,A) 特開 平6−348179(JP,A) 特開 昭62−100767(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 19/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁化方向が表面と平行であり、保磁力が
    温度上昇に伴って低下し、加熱された状態で初期状態の
    磁化方向とは逆方向のバイアス磁界が印加されることに
    より磁気潜像を形成する磁気記録媒体において、 表面に平行で互いに異なる方向に磁気異方性を有する少
    なくとも2つの磁性膜を含む、複数の表面に平行な方向
    に磁気異方性を有する磁性膜からなり、 最上部に希土類金属と遷移金属とからなるアモルファス
    合金膜を有してなることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の磁気記録媒体におい
    て、 表面に平行な第1の方向に磁気異方性を有する第1の磁
    性膜と、該第1の磁性膜上に形成され、表面に平行で且
    つ前記第1の方向とは異なる第2の方向に磁気異方性を
    有する希土類金属と遷移金属とからなるアモルファス合
    金膜である第2の磁性膜からなることを特徴とする磁気
    記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の磁気記録媒体におい
    て、 前記第1の磁性膜の磁気異方性の方向と、前記第2の磁
    性膜の磁気異方性の方向との成す角度が、45度以上9
    0度以下であることを特徴とする磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3に記載の磁気記
    録媒体において、 前記第1の磁性膜の膜厚が、0.1μm以上であること
    を特徴とする磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項2ないし請求項4のいずれかに記
    載の磁気記録媒体において、 前記第2の磁性膜の膜厚が、0.5μm以上であること
    を特徴とする磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 請求項2ないし請求項5のいずれかに記
    載の磁気記録媒体において、 前記第2の磁性膜の膜厚が、前記第1の磁性膜よりも厚
    いことを特徴とする請磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 請求項2ないし請求項6に記載の磁気記
    録媒体の製造方法であって、 前記第1の磁性膜を、前記第1の方向に磁界を印加しな
    がら形成する工程と、 該工程の後、前記第2の磁性膜を前記第2の方向に磁界
    を印加しながら形成する工程とを含んでなることを特徴
    とする磁気記録媒体の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項2ないし請求項6に記載の磁気記
    録媒体の製造方法であって、 前記第1の磁性膜を形成後、熱処理により前記第1の磁
    性膜の磁気異方性の方向を前記第1の方向に向ける工程
    と、 該工程の後、前記第2の磁性膜を前記第2の方向に磁界
    を印加しながら形成する工程と、を含んでなることを特
    徴とする製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項2ないし請求項6に記載の磁気記
    録媒体の製造方法であって、 前記第1の磁性膜の形成後、前記第2の磁性膜の形成前
    に、前記第1の磁性膜をスパッタリングして、前記第1
    の磁性膜の表面を清浄化することを特徴とする磁気記録
    媒体の製造方法。
  10. 【請求項10】 基体上に、磁気潜像を記録する磁気記
    録媒体が形成された磁気潜像担持体を有する磁気印写装
    置において、 前記磁気記録媒体は、請求項1に記載の磁気記録媒体で
    あることを特徴とする磁気印写装置。
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