JPH0580576A - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
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- JPH0580576A JPH0580576A JP24303591A JP24303591A JPH0580576A JP H0580576 A JPH0580576 A JP H0580576A JP 24303591 A JP24303591 A JP 24303591A JP 24303591 A JP24303591 A JP 24303591A JP H0580576 A JPH0580576 A JP H0580576A
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- Japan
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- film
- recording medium
- artificial lattice
- magnetic
- magnetic recording
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Abstract
(57)【要約】
【目的】残留磁束密度が高く、保磁力が大きく、しかも
低キュリー温度を有する材料で作られ、高密度記録に適
した垂直記録用の磁気記録媒体を提供する。 【構成】ステンレス基板8の上にCo酸化膜9を積層
し、その上に垂直磁化膜として人工格子膜を積層するこ
とによって磁気記録媒体11が形成される。上記人工格
子膜は、Co層とAu層を交互に積層したCo/Au人
工格子膜10で形成されている。上記Co酸化膜9は、
膜厚Dを0.01μm≦D≦10μmとし、上記Co/
Au人工格子膜10は、Co層厚dCoを3Å≦dCo≦3
0Åとし、Au層厚dAuを6Å≦dAu≦60Åとしてい
る。したがって、保磁力及び残留磁束密度を向上させる
ことができるとともに、キュリー温度を低下させること
ができる。Co酸化膜9及びCo/Au人工格子膜10
を作成した後に真空中で熱処理を施すと、磁気特性が向
上する。
低キュリー温度を有する材料で作られ、高密度記録に適
した垂直記録用の磁気記録媒体を提供する。 【構成】ステンレス基板8の上にCo酸化膜9を積層
し、その上に垂直磁化膜として人工格子膜を積層するこ
とによって磁気記録媒体11が形成される。上記人工格
子膜は、Co層とAu層を交互に積層したCo/Au人
工格子膜10で形成されている。上記Co酸化膜9は、
膜厚Dを0.01μm≦D≦10μmとし、上記Co/
Au人工格子膜10は、Co層厚dCoを3Å≦dCo≦3
0Åとし、Au層厚dAuを6Å≦dAu≦60Åとしてい
る。したがって、保磁力及び残留磁束密度を向上させる
ことができるとともに、キュリー温度を低下させること
ができる。Co酸化膜9及びCo/Au人工格子膜10
を作成した後に真空中で熱処理を施すと、磁気特性が向
上する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気潜像を形成するの
に適した磁気記録媒体に関するものである。
に適した磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気記録媒体は、例えば熱磁気プ
リンティングに用いられており、その場合、記録用磁気
ドラムに磁気潜像が形成され、これを磁気的に現像して
可視像を得るようにしている(「マグネトグラフィプリ
ンタ」今村舜仁著、大野信編集、CMC「ノンインパク
トプリンティング」第15章P.159〜P.168、
1986参照)。
リンティングに用いられており、その場合、記録用磁気
ドラムに磁気潜像が形成され、これを磁気的に現像して
可視像を得るようにしている(「マグネトグラフィプリ
ンタ」今村舜仁著、大野信編集、CMC「ノンインパク
トプリンティング」第15章P.159〜P.168、
1986参照)。
【0003】上記熱磁気プリンティングによって印刷を
行う従来の熱磁気プリンタについて説明する。図2は従
来の熱磁気プリンタの印刷プロセス図である。図におい
て、記録用磁気ドラム1は矢印A方向に回転する。該記
録用磁気ドラム1面上には磁気潜像を形成するための磁
気記録媒体としてCrO2 薄膜などが形成されている。
行う従来の熱磁気プリンタについて説明する。図2は従
来の熱磁気プリンタの印刷プロセス図である。図におい
て、記録用磁気ドラム1は矢印A方向に回転する。該記
録用磁気ドラム1面上には磁気潜像を形成するための磁
気記録媒体としてCrO2 薄膜などが形成されている。
【0004】印刷プロセスにおいて、まず消磁手段2が
磁気記録媒体を一定方向に磁化する。次に、磁気記録手
段3が所定の磁気潜像を形成し、現像手段4が磁気潜像
上にトナーを付着させることによって、磁気潜像は可視
像化される。ここで、トナーは磁気記録媒体面上の漏れ
磁界による磁力線と磁気記録媒体面とが交差する部分に
付着し、その結果、磁気潜像は可視像化される。
磁気記録媒体を一定方向に磁化する。次に、磁気記録手
段3が所定の磁気潜像を形成し、現像手段4が磁気潜像
上にトナーを付着させることによって、磁気潜像は可視
像化される。ここで、トナーは磁気記録媒体面上の漏れ
磁界による磁力線と磁気記録媒体面とが交差する部分に
付着し、その結果、磁気潜像は可視像化される。
【0005】その後、転写手段5及び定着手段6は、可
視像を用紙上に転写し、定着する。最後にクリーニング
手段7は磁気記録媒体上の残留トナーを除去し、印刷プ
ロセスを終了する。ところで、上記磁気記録媒体上に磁
気潜像を形成する方法としてはサーマルヘッドを用いる
方法やレーザビーム光照射によって加熱する方法があ
る。また、磁気記録媒体の磁化方向は、主として磁気記
録媒体の表面に沿う方向(面内記録の場合)と磁気記録
媒体の表面に対し垂直の方向(垂直記録の場合)とがあ
り、高解像度を必要とする場合には垂直記録が用いられ
る。垂直記録に用いられる磁気記録媒体は、希土類元素
と鉄族元素との合金膜、すなわちRE−TM合金膜又は
Co−Cr合金膜で形成される。上記RE−TM合金膜
は熱すなわち光を照射することによって磁気潜像を形成
するのに適しており、熱磁気記録法を用いた光磁気ディ
スクに用いられ、またCo−Cr合金膜は信号磁界を与
えることによって磁気潜像を形成するのに適しており、
磁気ヘッド記録法を用いた磁気ディスクに多く用いられ
ている。
視像を用紙上に転写し、定着する。最後にクリーニング
手段7は磁気記録媒体上の残留トナーを除去し、印刷プ
ロセスを終了する。ところで、上記磁気記録媒体上に磁
気潜像を形成する方法としてはサーマルヘッドを用いる
方法やレーザビーム光照射によって加熱する方法があ
る。また、磁気記録媒体の磁化方向は、主として磁気記
録媒体の表面に沿う方向(面内記録の場合)と磁気記録
媒体の表面に対し垂直の方向(垂直記録の場合)とがあ
り、高解像度を必要とする場合には垂直記録が用いられ
る。垂直記録に用いられる磁気記録媒体は、希土類元素
と鉄族元素との合金膜、すなわちRE−TM合金膜又は
Co−Cr合金膜で形成される。上記RE−TM合金膜
は熱すなわち光を照射することによって磁気潜像を形成
するのに適しており、熱磁気記録法を用いた光磁気ディ
スクに用いられ、またCo−Cr合金膜は信号磁界を与
えることによって磁気潜像を形成するのに適しており、
磁気ヘッド記録法を用いた磁気ディスクに多く用いられ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成の磁気記録媒体において、Co−Cr合金膜で形成し
た場合はキュリー温度が高いため熱磁気記録が困難とな
り、RE−TM合金膜で形成した場合は残留磁束密度が
低いためトナーの付着力が不十分となる。上述したよう
に、磁気記録媒体の表面に対し垂直の方向に磁化させて
形成される垂直記録用の垂直磁化膜を用いると、原理的
には記録の安定性が高く高解像度を得ることができ、低
消費電力で作動させることができるが、垂直磁化膜を安
価な材料で形成することができない。
成の磁気記録媒体において、Co−Cr合金膜で形成し
た場合はキュリー温度が高いため熱磁気記録が困難とな
り、RE−TM合金膜で形成した場合は残留磁束密度が
低いためトナーの付着力が不十分となる。上述したよう
に、磁気記録媒体の表面に対し垂直の方向に磁化させて
形成される垂直記録用の垂直磁化膜を用いると、原理的
には記録の安定性が高く高解像度を得ることができ、低
消費電力で作動させることができるが、垂直磁化膜を安
価な材料で形成することができない。
【0007】本発明は、上記従来の磁気記録媒体の問題
点を解決して、残留磁束密度が高く、保磁力が大きく、
しかも低キュリー温度を有する材料で作られ、高密度記
録に適した垂直記録用の磁気記録媒体を提供することを
目的とする。
点を解決して、残留磁束密度が高く、保磁力が大きく、
しかも低キュリー温度を有する材料で作られ、高密度記
録に適した垂直記録用の磁気記録媒体を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の磁
気記録媒体においては、基板の上にCo酸化膜を積層
し、その上に垂直磁化膜として人工格子膜を積層して形
成される。そして、該人工格子膜が、Co層とAu層を
交互に積層したCo/Au人工格子膜で形成されてい
る。
気記録媒体においては、基板の上にCo酸化膜を積層
し、その上に垂直磁化膜として人工格子膜を積層して形
成される。そして、該人工格子膜が、Co層とAu層を
交互に積層したCo/Au人工格子膜で形成されてい
る。
【0009】上記基板上にCo酸化膜及びCo/Au人
工格子膜を積層した後に真空中で熱処理が施される。上
記熱処理の温度Tは 100°C≦T≦350°C であり、かつ、熱処理時間が1分以上とする。
工格子膜を積層した後に真空中で熱処理が施される。上
記熱処理の温度Tは 100°C≦T≦350°C であり、かつ、熱処理時間が1分以上とする。
【0010】また、上記Co酸化膜は、膜厚Dを 0.01μm≦D≦10μm とし、Co/Au人工格子膜は、Co層厚dCoを 3Å≦dCo≦30Å とし、Au層厚dAuを 6Å≦dAu≦60Å とする。
【0011】
【作用】本発明によれば、上記のように基板の上にCo
酸化膜を積層し、その上に垂直磁化膜として人工格子膜
を積層することによって磁気記録媒体が形成される。上
記人工格子膜は、Co層とAu層を交互に積層したCo
/Au人工格子膜で形成されている。
酸化膜を積層し、その上に垂直磁化膜として人工格子膜
を積層することによって磁気記録媒体が形成される。上
記人工格子膜は、Co層とAu層を交互に積層したCo
/Au人工格子膜で形成されている。
【0012】上記Co酸化膜は、膜厚Dを 0.01μm≦D≦10μm とし、上記Co/Au人工格子膜は、Co層厚dCoを 3Å≦dCo≦30Å とし、Au層厚dAuを 6Å≦dAu≦60Å としている。したがって、保磁力及び残留磁束密度を向
上させることができるとともに、キュリー温度を低下さ
せることができる。
上させることができるとともに、キュリー温度を低下さ
せることができる。
【0013】上記Co酸化膜及びCo/Au人工格子膜
は、高周波スパッタ法によって形成され、Co酸化膜及
びCo/Au人工格子膜を作成した後に真空中で熱処理
が施される。上記熱処理の温度Tは 100°C≦T≦350°C であり、かつ、熱処理時間が1分以上とする。
は、高周波スパッタ法によって形成され、Co酸化膜及
びCo/Au人工格子膜を作成した後に真空中で熱処理
が施される。上記熱処理の温度Tは 100°C≦T≦350°C であり、かつ、熱処理時間が1分以上とする。
【0014】したがって、熱処理後には、磁気特性が向
上する。
上する。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら詳細に説明する。図1は本発明の磁気記録媒体を
示す図である。図の(A)は磁気記録媒体の断面を、
(B)は記録用磁気ドラムの断面を示している。図にお
いて、板厚が数十〜数百μmの曲折自在なステンレス基
板8上に、高周波(RF)スパッタ法を用いてCo酸化
膜9が積層され、該Co酸化膜9の上に高周波スパッタ
法を用いて垂直磁化膜であるCo/Au人工格子膜10
が積層される。上記Co酸化膜9及びCo/Au人工格
子膜10を積層した後、スパッタ・チャンバ中において
熱処理が施され、磁気記録媒体11が形成される。該磁
気記録媒体11はシート状に形成され、記録用磁気ドラ
ム芯材12上に巻き付けられる。また、上記磁気記録媒
体11の全体の厚みは0.1〜数十μmである。
ながら詳細に説明する。図1は本発明の磁気記録媒体を
示す図である。図の(A)は磁気記録媒体の断面を、
(B)は記録用磁気ドラムの断面を示している。図にお
いて、板厚が数十〜数百μmの曲折自在なステンレス基
板8上に、高周波(RF)スパッタ法を用いてCo酸化
膜9が積層され、該Co酸化膜9の上に高周波スパッタ
法を用いて垂直磁化膜であるCo/Au人工格子膜10
が積層される。上記Co酸化膜9及びCo/Au人工格
子膜10を積層した後、スパッタ・チャンバ中において
熱処理が施され、磁気記録媒体11が形成される。該磁
気記録媒体11はシート状に形成され、記録用磁気ドラ
ム芯材12上に巻き付けられる。また、上記磁気記録媒
体11の全体の厚みは0.1〜数十μmである。
【0016】上記構成の磁気記録媒体11を作成するに
当たり、Co酸化膜9を積層する際にはCo3 O4 をタ
ーゲットに使用し、Co/Au人工格子膜10を積層す
る際にはCoとAuをターゲットに使用し、ステンレス
基板8を回転させて各ターゲット上を通過させるように
している。ここで、スパッタ条件は、 バックグラウンド真空度 :PBG=1.0×10-6To
rr以下 アルゴンガス圧 :PAr=3.0×10-3To
rr 投入電力 :高周波300〜700W ステンレス基板8の回転数:r=7rpm である。
当たり、Co酸化膜9を積層する際にはCo3 O4 をタ
ーゲットに使用し、Co/Au人工格子膜10を積層す
る際にはCoとAuをターゲットに使用し、ステンレス
基板8を回転させて各ターゲット上を通過させるように
している。ここで、スパッタ条件は、 バックグラウンド真空度 :PBG=1.0×10-6To
rr以下 アルゴンガス圧 :PAr=3.0×10-3To
rr 投入電力 :高周波300〜700W ステンレス基板8の回転数:r=7rpm である。
【0017】そして、Co酸化膜9の膜厚Dは 0.01μm≦D≦10μm である。また、Co/Au人工格子膜10を構成するC
o層厚dCoは 3Å≦dCo≦30Å であり、Au層厚dAuは 6Å≦dAu≦60Å である。
o層厚dCoは 3Å≦dCo≦30Å であり、Au層厚dAuは 6Å≦dAu≦60Å である。
【0018】また、熱処理条件は 熱処理温度 :100°C≦T≦350°
C 熱処理時間 :t≧1min 真空度 :1.0×10-6Torr以
下 である。
C 熱処理時間 :t≧1min 真空度 :1.0×10-6Torr以
下 である。
【0019】次に、上記構成の磁気記録媒体11を用い
て磁気記録を行った結果について説明する。この実験に
は、Co酸化膜9の膜厚Dを0.1μmとしている。ま
た、Co/Au人工格子膜10としてCo層厚dCoが1
5Å、Au層厚dAuが30ÅとなるようにCo層とAu
層を周期的に積層して全体の膜厚を3.5μmとしたも
のを使用している。さらに、熱処理温度Tは250°
C、熱処理時間tは30分としている。
て磁気記録を行った結果について説明する。この実験に
は、Co酸化膜9の膜厚Dを0.1μmとしている。ま
た、Co/Au人工格子膜10としてCo層厚dCoが1
5Å、Au層厚dAuが30ÅとなるようにCo層とAu
層を周期的に積層して全体の膜厚を3.5μmとしたも
のを使用している。さらに、熱処理温度Tは250°
C、熱処理時間tは30分としている。
【0020】図3は本発明の磁気記録媒体における人工
格子膜の熱処理前後の磁化曲線を示す図である。図の
(a)は熱処理前の磁化曲線を、(b)は熱処理後の磁
化曲線を示している。図に示すように、磁気記録媒体1
1を評価したところ、熱処理を施すと磁気特性が向上
し、保磁力Hc は1300Oe程度、残留磁束密度Mr
は2000Gauss程度となり、磁性体であるトナー
の吸着に必要とされる十分な磁気力を発生する。また、
キュリー温度は200°C程度となる。
格子膜の熱処理前後の磁化曲線を示す図である。図の
(a)は熱処理前の磁化曲線を、(b)は熱処理後の磁
化曲線を示している。図に示すように、磁気記録媒体1
1を評価したところ、熱処理を施すと磁気特性が向上
し、保磁力Hc は1300Oe程度、残留磁束密度Mr
は2000Gauss程度となり、磁性体であるトナー
の吸着に必要とされる十分な磁気力を発生する。また、
キュリー温度は200°C程度となる。
【0021】図4は熱処理温度による残留磁束密度及び
保持力の変化を示す図である。ここで、熱処理時間tは
すべて30分としている。この図により、熱処理温度T
が100〜350°Cの熱処理によって磁気特性が向上
し、熱処理温度Tが250°Cにおいて最も良い値を示
すことが分かる。図5は磁気記録媒体の熱処理時間によ
る残留磁束密度の変化を示す図である。
保持力の変化を示す図である。ここで、熱処理時間tは
すべて30分としている。この図により、熱処理温度T
が100〜350°Cの熱処理によって磁気特性が向上
し、熱処理温度Tが250°Cにおいて最も良い値を示
すことが分かる。図5は磁気記録媒体の熱処理時間によ
る残留磁束密度の変化を示す図である。
【0022】この図により、熱処理時間tが1分以上の
熱処理によって磁気特性が徐々に向上し、熱処理時間t
が30分程度以上では一定となることが分かる。図6は
Co酸化膜の膜厚を変えた場合における磁気特性の変化
を示す図である。この場合、熱処理温度Tは250°
C、熱処理時間tは30分としている。図に示すよう
に、Co酸化膜9の膜厚Dを0.01μm以上として熱
処理した場合に、磁気特性の向上が見られ、膜厚Dが
0.05μm以上では一定となる。また、高速記録を実
現するためには、下地の膜厚はできる限り小さい方が良
く、その点からCo酸化膜9の膜厚Dが10μm以下で
あることが望ましい。
熱処理によって磁気特性が徐々に向上し、熱処理時間t
が30分程度以上では一定となることが分かる。図6は
Co酸化膜の膜厚を変えた場合における磁気特性の変化
を示す図である。この場合、熱処理温度Tは250°
C、熱処理時間tは30分としている。図に示すよう
に、Co酸化膜9の膜厚Dを0.01μm以上として熱
処理した場合に、磁気特性の向上が見られ、膜厚Dが
0.05μm以上では一定となる。また、高速記録を実
現するためには、下地の膜厚はできる限り小さい方が良
く、その点からCo酸化膜9の膜厚Dが10μm以下で
あることが望ましい。
【0023】本発明の磁気記録媒体11を評価する比較
対象として、Co/Au人工格子膜10としてCo層厚
dCoが35Å、Au層厚dAuが65Åのもの、及びCo
層厚dCoが2.5Å、Au層厚dAuが5.5Åのものを
作成した。いずれの場合も、膜面内に容易軸を有する磁
化膜となってしまい、垂直磁気記録を行うことができな
い。
対象として、Co/Au人工格子膜10としてCo層厚
dCoが35Å、Au層厚dAuが65Åのもの、及びCo
層厚dCoが2.5Å、Au層厚dAuが5.5Åのものを
作成した。いずれの場合も、膜面内に容易軸を有する磁
化膜となってしまい、垂直磁気記録を行うことができな
い。
【0024】上記実施例においては、磁気記録媒体11
の応用例として熱磁気プリンタを示しているが、熱及び
光の照射によって記録を行う他の記録装置にも応用する
ことができる。また、垂直磁化膜の全膜厚を0.1〜数
十μmとし、ステンレス基板8の板厚を数十〜数百μm
としたが、これらの厚さは用途に応じて変化させること
ができる。
の応用例として熱磁気プリンタを示しているが、熱及び
光の照射によって記録を行う他の記録装置にも応用する
ことができる。また、垂直磁化膜の全膜厚を0.1〜数
十μmとし、ステンレス基板8の板厚を数十〜数百μm
としたが、これらの厚さは用途に応じて変化させること
ができる。
【0025】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形すること
が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するもの
ではない。
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形すること
が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するもの
ではない。
【0026】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、基板の上にCo酸化膜及び垂直磁化膜として人工
格子膜を積層して磁気記録媒体を形成している。上記人
工格子膜は、Co層とAu層を交互に積層したCo/A
u人工格子膜で形成され、上記Co酸化膜及びCo/A
u人工格子膜を積層した後に真空中で熱処理が施され
る。
れば、基板の上にCo酸化膜及び垂直磁化膜として人工
格子膜を積層して磁気記録媒体を形成している。上記人
工格子膜は、Co層とAu層を交互に積層したCo/A
u人工格子膜で形成され、上記Co酸化膜及びCo/A
u人工格子膜を積層した後に真空中で熱処理が施され
る。
【0027】したがって、磁気記録媒体はキュリー温度
が低く、残留磁束密度が高く、かつ、保磁力が大きくな
り、垂直記録を行う場合の磁気記録密度を高くすること
ができる。そして、例えば熱磁気プリンタにこれを用い
た場合、高解像度を得ることができ、消費電力を低減す
ることもできる。
が低く、残留磁束密度が高く、かつ、保磁力が大きくな
り、垂直記録を行う場合の磁気記録密度を高くすること
ができる。そして、例えば熱磁気プリンタにこれを用い
た場合、高解像度を得ることができ、消費電力を低減す
ることもできる。
【図1】本発明の磁気記録媒体を示す図である。
【図2】従来の熱磁気プリンタの印刷プロセス図であ
る。
る。
【図3】本発明の磁気記録媒体における人工格子膜の熱
処理前後の磁化曲線を示す図である。
処理前後の磁化曲線を示す図である。
【図4】熱処理温度による残留磁束密度及び保持力の変
化を示す図である。
化を示す図である。
【図5】磁気記録媒体の熱処理時間による残留磁束密度
の変化を示す図である。
の変化を示す図である。
【図6】Co酸化膜の膜厚を変えた場合における磁気特
性の変化を示す図である。
性の変化を示す図である。
8 ステンレス基板 9 Co酸化膜 10 Co/Au人工格子膜 11 磁気記録媒体 12 記録用磁気ドラム芯材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 政信 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 (a)基板と、 (b)該基板上に積層されたCo酸化膜と、 (c)該Co酸化膜の上に積層されるとともに、人工格
子膜で形成される垂直磁化膜とから成るとともに、 (d)真空中において熱処理が施され、 (e)上記人工格子膜が、Co層とAu層を交互に積層
したCo/Au人工格子膜であることを特徴とする磁気
記録媒体。 - 【請求項2】 上記Co酸化膜は、膜厚Dが 0.01μm≦D≦10μm である請求項1記載の磁気記録媒体。
- 【請求項3】 上記人工格子膜は、Co層厚dCoが 3Å≦dCo≦30Å であり、Au層厚dAuが 6Å≦dAu≦60Å である請求項1記載の磁気記録媒体。
- 【請求項4】 上記熱処理の温度Tが 100°C≦T≦350°C であり、かつ、熱処理時間が1分以上である請求項1記
載の磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24303591A JPH0580576A (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24303591A JPH0580576A (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | 磁気記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0580576A true JPH0580576A (ja) | 1993-04-02 |
Family
ID=17097885
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24303591A Withdrawn JPH0580576A (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0580576A (ja) |
-
1991
- 1991-09-24 JP JP24303591A patent/JPH0580576A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19981203 |