JP3370189B2 - 農業用合成樹脂フィルム - Google Patents

農業用合成樹脂フィルム

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JP3370189B2
JP3370189B2 JP21063794A JP21063794A JP3370189B2 JP 3370189 B2 JP3370189 B2 JP 3370189B2 JP 21063794 A JP21063794 A JP 21063794A JP 21063794 A JP21063794 A JP 21063794A JP 3370189 B2 JP3370189 B2 JP 3370189B2
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、農業用合成樹脂フィル
ムに関し、詳しくは表面に均一な防滴性被膜を有する農
業用合成樹脂フィルムに関する。また、本発明は、防滴
性被膜を形成する防滴処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ハウスやトンネル等の農業施
設の被覆資材として、ポリエチレンフィルム、エチレン
−酢酸ビニル共重合樹脂フィルム、ポリエステルフィル
ム、塩化ビニル系樹脂フィルム、フッ素樹脂フィルム等
の合成樹脂フィルムあるいはこれらの積層フィルムが使
用されているが、このような合成樹脂フィルムをハウス
やトンネル等に使用すると、フィルム内表面に結露を生
じて、太陽光線の透過を妨げるという問題がある。
【0003】上記の問題を解決するために、界面活性剤
の1種である防滴剤を含有させ、フィルム表面の親水性
を高めることにより、表面の濡れ性を良好にし表面が均
一に濡れるようにするとともに、表面に生じた水滴を速
やかに流れ落ちるようにしてフィルム内表面への結露を
防止した農業用合成樹脂フィルムや、合成樹脂フィルム
の表面に、必要に応じてシランカップリング剤で処理し
たコロイダルシリカやコロイダルアルミナ等とバインダ
ーとからなる組成物に由来する塗膜を設けた農業用合成
樹脂フィルム、または、アクリル系樹脂やセルロース系
樹脂からなる親水性塗膜を設けた農業用合成樹脂フィル
ム等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
防滴剤を含有させ、フィルム表面の親水性を高めた農業
用合成樹脂フィルムでは、防滴持続性が充分でなく、比
較的短期間のうちに防滴性が消失してしまうという問題
があった。また、親水性塗膜を設ける方法では、防滴持
続性は防滴剤を含有させたものに比して優れるものの、
合成樹脂フィルム表面に塗布する際に、フィルム表面で
塗布液がはじかれて、均一な塗膜を形成することが難し
く、その結果として均一な防滴性能が得られないといっ
た欠点があった。
【0005】本発明者等は、上記の欠点を解消するため
に鋭意研究した結果、水系防滴処理剤に特定の界面活性
剤を含有させることによって、塗布時にフィルム表面で
塗布液がはじかれることなく均一な塗膜を形成すること
ができ、その結果として均一な防滴性能が得られること
を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の農業用合成樹脂
フィルムは、樹脂を含有する水系防滴処理剤100重量
部に対し、シリコン系界面活性剤を0.1重量部以上添
加した水系防滴処理剤による防滴性被膜を形成してなる
ことを特徴とする。
【0007】本発明に使用される合成樹脂フィルムとし
ては、塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリエチレンフィル
ム、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂フィルム、ポリエ
ステルフィルム、フッ素樹脂フィルム、またはこれらの
積層フィルム等の従来より農業用合成樹脂フィルムとし
て使用されているものであれば、特に限定はされない。
【0008】塩化ビニル系樹脂フィルムに使用される塩
化ビニル系樹脂としては、ポリ塩化ビニルの他、塩化ビ
ニルと他のモノマー、例えば塩化ビニリデン、アクリロ
ニトリル、マレイン酸、イタコン酸、メタクリル酸、酢
酸ビニル、エチレン、プロピレン、マレイン酸エステ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エステル、アク
リル酸エステル、高級ビニルエーテルなどとの共重合樹
脂、もしくはこれらのブレンド物等が使用できる。
【0009】上記の合成樹脂フィルムは、必要に応じて
可塑剤が添加されていても良い。可塑剤としては、フタ
ル酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、エポ
キシ系可塑剤等が使用できる。フタル酸エステル系可塑
剤として具体的には、ジ−2−エチルヘキシルフタレー
ト、ジイソノニルフタレート、ジブチルベンジルフタレ
ート、ジイソデシルフタレート、ジウンデシルフタレー
ト等が挙げられ、リン酸エステル系可塑剤として具体的
には、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホス
フェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェー
ト、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェー
ト、トリフェニルホスフェート、トリエチルフェニルホ
スフェート等が挙げられる。また、エポキシ系可塑剤と
しては、植物油のエポキシ化物、エポキシ樹脂等が使用
でき、植物油のエポキシ化物としては、エポキシ化大豆
油、エポキシ化アマニ油等が挙げられ、エポキシ樹脂と
しては、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシステアリ
ン酸メチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシス
テアリン酸エチルヘキシル、トリス(エポキシプロピ
ル)イソシアヌレート、3−(2−キセノキシ)−1,
2−エポキシプロパン、ビスフェノールAジグリシジル
エーテル、ビニルジシクロヘキセンジエポキサイド、
2,2−ビス(4−ヒドロキフェニル)プロパンとエピ
クロルヒドリンの重縮合物等が挙げられる。また、上記
のフタル酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑
剤、エポキシ系可塑剤の他、ジ−2−エチルヘキシルア
ジペート等アジピン酸エステル系可塑剤、ジ−2−エチ
ルヘキシルセバケート等のセバチン酸エステル系可塑
剤、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート等のアゼライン
エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、
ポリプロピレンアジペート等のポリエステル系可塑剤、
塩素化パラフィン等の可塑剤も使用できる。上記の可塑
剤は、単独で使用しても良いし、2種以上を混合して使
用しても良い。
【0010】上記の可塑剤の好ましい添加量としては、
樹脂100重量部に対し、フタル酸エステル系可塑剤で
20〜70重量部、リン酸エステル系可塑剤で1〜7重
量部、エポキシ系可塑剤で0.5〜7重量部で、可塑剤
全体としての好ましい添加量は樹脂100重量部に対
し、20〜70重量部であって、用いられる合成樹脂フ
ィルムの素材等によって適宜決定される。
【0011】本発明の農業用合成樹脂フィルムには、必
要に応じて防滴剤として公知の非イオン系界面活性剤を
添加することによって、防滴効果が相乗的に向上するの
でより好ましい。非イオン系界面活性剤として具体的に
は、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エ
ステル、グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪
酸エステル、ソルビタン脂肪酸・二塩基酸エステル、ソ
ルビトール脂肪酸・二塩基酸エステル、グリセリン脂肪
酸・二塩基酸エステル、ジグリセリン脂肪酸・二塩基酸
エステル等の多価アルコールと脂肪酸とのエステル、多
価アルコールと脂肪酸及び二塩基酸とのエステル、或い
はこれらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドが付
加された化合物等が挙げられ、具体的には、ソルビタン
パルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタンス
テアレート・エチレンオキサイド2モル付加物、ソルビ
タンステアレート・プロピレンオキサイド3モル付加
物、ソルビトールステアレート、ソルビトールステアレ
ート・エチレンオキサイド3モル付加物、ジグリセリン
パルミテート、ジグリセリンステアレート、グリセリン
ステアレート、グリセリンパルミテート・エチレンオキ
サイド2モル付加物、ソルビタンステアレートアジペー
ト・エチレンオキサイド3モル付加物、ソルビトールス
テアレートアジペート・エチレンオキサイド2モル付加
物、ジグリセリンパルミテートセバケート・プロピレン
オキサイド3モル付加物、ソルビトールパルミテートア
ジペート・エチレンオキサイド3モル付加物等が挙げら
れる。これらの非イオン系界面活性剤は単独または2種
以上を組み合わせて使用することができる。また、上記
の非イオン系界面活性剤の添加量は樹脂100重量部に
対し、3重量部以下である。3重量部を超えると、フィ
ルム表面への吹き出しが多くなり好ましくない。
【0012】本発明の合成樹脂フィルム中には、上記の
可塑剤、非イオン系界面活性剤の他に、必要に応じて防
霧剤としての含フッ素化合物、安定剤、滑剤または粘着
防止剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、光安定剤、無機充填
剤等の添加剤を添加することもできる。
【0013】本発明の用いられる上記含フッ素化合物と
しては、1分子中にフッ素基と水酸基またはアルキレン
オキサイド基の少なくとも1種を有する化合物であり、
前記フッ素基としては、パーフルオロアルキル基(Cn
2n+1基)、パーフルオロアルコキシ基(Cn 2n+1
基)、ポリフルオロアルキル基(Hmn
2n+1-m基)、パーフルオロアルケニル基(Cn
2n-1基)、ポリフルオロアルケニル基(Hmn
2n-1-m基)、パーフルオロアルキレン基(Cn 2n基)
等がある(式中m=1〜3、n=3〜20の整数)。ま
た、アルキレンオキサイド基としては(C2
4 O)n 、(C3 6 O)n等が挙げられる(式中n=
1〜30の整数)。上記のフッ素系化合物として具体的
には化1の(1)〜(13)に示す式で表されるものが
挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【化1】 上記の含フッ素化合物は単独で用いても良いし、2種以
上を混合して用いても良い。また、含フッ素化合物の添
加量は、樹脂100重量部に対し、0.01〜1.0重
量部、好ましくは0.05〜0.5重量部である。
【0014】安定剤としては、金属石鹸、有機ホスファ
イト系安定剤等の通常使用される安定剤が使用できる。
金属石鹸としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バ
リウム、ステアリン酸カルシウム、リシノール酸バリウ
ム、ラウリン酸カルシウム、オレイン酸カルシウム、オ
クトイン酸亜鉛等が挙げられ、有機ホスファイト系安定
剤としては、ジフェニルデシルホスファイト、トリフェ
ニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファ
イト、トリデシルホスファイト、トリス(2−エチルヘ
キシル)ホスファイト、トリステアリルホスファイト、
オクチルジフェニルホスファイト等が挙げられる。ま
た、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレート等の
錫系安定剤なども用いることができる。上記の安定剤は
単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良
い。また、これらの安定剤の添加量は、樹脂100重量
部に対し、0.5〜10重量部、好ましくは1〜5重量
部である。
【0015】滑剤または粘着防止剤としては、ステアリ
ン酸、イソステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸系滑
剤、ステアリン酸アミド、メチレンビスステアロアミ
ド、エチレンビスステアロアミド等の飽和脂肪酸アミド
系滑剤、ブチルパルミテート、ブチルステアレート等の
有機リン酸金属塩系滑剤、ポリエチレンワックス、流動
パラフィン等が挙げられる。上記の滑剤または粘着防止
剤は、単独で用いても良いし、2種以上を混合して用い
ても良い。
【0016】紫外線吸収剤としては、一般に使用されて
いるベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチ
ル酸エステル系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収
剤が挙げられる。上記の紫外線吸収剤は、単独で用いて
も良いし、2種以上を混合して用いても良い。
【0017】光安定剤としては、ヒンダードアミン等の
一般に使用されている光安定剤を単独もしくは2種以上
を混合して使用することができる。
【0018】無機充填剤としては、炭酸マグネシウム、
マグネシウム珪酸塩、酸化珪素、酸化アルミニウム、水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ハイドロタル
サイト類の1種以上を用いることができる。上記の無機
充填剤の粒径は20μm以下が好ましい。
【0019】本発明に使用される水系防滴処理剤として
は、アクリル系樹脂やセルロース系樹脂のエマルジョン
や水溶液等の水系型塗料や、必要に応じてシランカップ
リング剤で処理したコロイダルシリカやコロイダルアル
ミナ等を含有するものなど、従来より農業用合成樹脂フ
ィルム表面に塗膜を形成するために使用されていた水系
防滴処理剤であれば特に限定はされない。
【0020】上記の水系型塗料としては、樹脂を水やア
ルコールに乳化、分散または溶解させたもので、樹脂と
して具体的にはアクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩
化ビニリデン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリウレタ
ン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、
セロース系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹
脂、或いはこれらの共重合樹脂などが挙げられる。ま
た、上記の塗料を混合して用いることもできる。
【0021】上記のコロイダルシリカやコロイダルアル
ミナは、必要に応じて上記の水系型塗料等のバインダー
が添加される。また、上記のコロイダルシリカやコロイ
ダルアルミナは、平均粒径が1nm〜100nmの範囲
のものが好ましい。平均粒径が100nmを超えると形
成された塗膜が白く失透することがあり、また1nm未
満では、コロイダルシリカやコロイダルアルミナとバイ
ンダーからなる組成物の安定性に欠けることがある。
【0022】また本発明に使用されるシリコン系界面活
性剤としては、下記化2に示す一般式で表される非加水
分解性シロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重
合体型、または化3に示す一般式で表される加水分解性
シロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体型
に代表されるものが主に使用される。
【0023】
【化2】 (式中Rは、低級アルキル基、R’は水素または低級ア
ルキル基、Yは2価の有機基、a、b、c、nは正の整
数を示す。またRはそれぞれ同一でも異なっていてもよ
い)
【0024】
【化3】 (式中R、R’は、低級アルキル基、R”は水素または
低級アルキル基、a、b、c、nは正の整数を示す。ま
たRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい) 上記シリコン系界面活性剤の配合量は、使用する水系防
滴処理剤の種類によって適宜選択されるが、水系防滴処
理剤100重量部に対し、0.1重量部以上であればよ
い。シリコン系界面活性剤の配合量が少ないと、防滴処
理剤を合成樹脂フィルム表面に均一に塗布することが困
難となり、また多過ぎるとコストが高くなる。
【0025】上記の防滴処理剤の塗布方法としては、ス
プレーコート、ロールコート、グラビアコート、リバー
スロールコート、ディップコート等や、スクリーン印
刷、フレキソ印刷等の公知の方法を採用することができ
る。また、防滴処理剤による塗膜の厚みは0.01〜1
0μmが好ましい。更に、本発明の防滴処理剤は、ハウ
ス等に展張した後であっても、スプレーコート等の手段
にて合成樹脂フィルム表面へ塗布することができる。
【0026】本発明の農業用合成樹脂フィルムは、防滴
性被膜を形成していない側の面に防塵性被膜を形成する
のが望ましい。防塵性被膜の形成は、合成樹脂フィルム
の表面に、溶剤型、水系型、あるいは紫外線硬化型の塗
料よりなる被膜を形成させることにより行なわれる。溶
剤型の塗料としては、アクリル系樹脂、セルローズ系樹
脂などの樹脂を溶剤に溶解したものが挙げられる。溶剤
に溶解させる樹脂としては、単独であってもよいし、複
数種であってもよいが、性能上アクリル系樹脂を溶解し
たものが好ましい。水系型塗料としては、アクリル系樹
脂エマルジョン等が使用できる。紫外線硬化型塗料とし
ては、アクリル系、アクリル変成ウレタン系、アクリル
変成エポキシ系、メルカプト誘導体系、エポキシ樹脂系
などが使用できる。
【0027】上記塗料を合成樹脂表面に塗布する方法と
しては、防滴処理剤の塗布方法と同様、スプレーコー
ト、ロールコート、グラビアコート、リバースロールコ
ート、ディップコート等や、スクリーン印刷、フレキソ
印刷等の公知の方法を採用することができる。
【0028】
【作用】本発明の農業用合成樹脂フィルムは、シリコン
系界面活性剤を含有する水系防滴処理剤を用いているの
で、防滴性塗膜が均一に形成され、従って、均一な防滴
性能を有する農業用合成樹脂フィルムを得ることができ
る。
【0029】
【実施例】以下具体的な実施例を挙げ本発明をさらに詳
細に説明する。
【0030】〔実施例1〕表1に示す配合物をヘンシェ
ルミキサーに仕込み、10分間攪拌混合した後、175
℃に加熱溶融してロール混練りし、次いでカレンダー装
置によって厚さ0.1mmのフィルムを形成した。
【0031】
【表1】 塩化ビニル系樹脂(平均重合度 1300) 100重量部 ジ−2−エチルヘキシルフタレート 45重量部 トリクレジルホスフェート 3重量部 エポキシ樹脂 2重量部 Ca−Zn系安定剤 3重量部 防滴剤 *1 2重量部 含フッ素化合物 *2 0.2重量部 紫外線吸収剤 *3 0.2重量部 メチレンビスステアロアミド 0.3重量部 *1 ソルビタンモノステアレート *2 C8 17CH2 CH(OH)CH2 O(C2 4 O)H *3 バイオソープ #550:共同薬品社製
【0032】得られたフィルムの片面に、表2に示す樹
脂を溶剤(イソプロピルアルコール/酢酸エチル/トル
オール=80/10/10)に溶解させて固形分10%
とした塗料をグラビアコーター(150メッシュ)にて
塗工した。
【0033】
【表2】 メタクリル酸メチル 25重量部 メタクリル酸ブチル 28重量部 アクリル酸メチル 16重量部 アクリル酸ブチル 5重量部 メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル 25重量部 メタクリル酸 1重量部
【0034】得られた上記フィルムの他面にアクリル系
エマルジョン(NeoCryl A614、楠本化成社
製)3重量部、コロイダルシリカ(カタロイドSI−3
0、触媒化成社製)4重量部、水93重量部からなる水
系防滴処理剤に、シリコン系界面活性剤(SILWET
L−77、日本ユニカー社製)を0.2重量部添加し
た防滴処理剤をスプレーコートにより塗布し、塗布時の
ハジキの有無を目視によって観察すると共に、得られた
合成樹脂フィルムを農業用ハウスに展張した直後、展張
後6ケ月、12ケ月の防滴性能を下記基準にて評価し
た。結果を表3に示す。 <評価基準> ◎・・・フィルムの内表面に殆ど水滴が見られない。 ○・・・フィルムの内表面に僅かに水滴が見られる。 △・・・フィルムの内表面に水滴が見られる。 ×・・・フィルムの内表面に多くの水滴が見られる。
【0035】〔実施例2〕防滴処理剤を、コロイダルシ
リカ(カタロイドSI−30、触媒化成社製)1重量
部、水99重量部からなる水系防滴処理剤に、シリコン
系界面活性剤(SILWET L−77、日本ユニカー
社製)を0.2重量部添加したものに代える以外は実施
例1と同様にして得られた農業用合成樹脂フィルムにつ
いて、実施例1と同じ試験を行なった。結果を表3に示
す。
【0036】〔実施例3〕防滴処理剤を、コロイダルシ
リカ(カタロイドSI−30、触媒化成社製)1重量
部、水溶性セルロース(メトローズ65 SH50、信
越化学工業社製)0.1重量部、水98.9重量部から
なる水系防滴処理剤に、シリコン系界面活性剤(SIL
WET L−77、日本ユニカー社製)を0.2重量部
添加したものに代える以外は実施例1と同様にして得ら
れた農業用合成樹脂フィルムについて、実施例1と同じ
試験を行なった。結果を表3に示す。
【0037】〔比較例1〕防滴処理剤を、アクリル系エ
マルジョン(NeoCryl A614、楠本化成社
製)3重量部、コロイダルシリカ(カタロイドSI−3
0、触媒化成社製)4重量部、水/エタノール=3/1
溶液93重量部からなる水系防滴処理剤にする以外は実
施例1と同様にして得られた農業用合成樹脂フィルムに
ついて、実施例1と同じ試験を行なった。結果を表3に
示す。
【0038】〔比較例2〕防滴処理剤に、シリコン系界
面活性剤を添加しない以外は実施例1と同様にして得ら
れた農業用合成樹脂フィルムについて、実施例1と同じ
試験を行なった。結果を表3に示す。
【0039】〔比較例3〕防滴処理剤に、シリコン系界
面活性剤を添加しない以外は実施例2と同様にして得ら
れた農業用合成樹脂フィルムについて、実施例1と同じ
試験を行なった。結果を表3に示す。
【0040】〔比較例4〕防滴処理剤に、シリコン系界
面活性剤を添加しない以外は実施例3と同様にして得ら
れた農業用合成樹脂フィルムについて、実施例1と同じ
試験を行なった。結果を表3に示す。
【0041】
【表3】
【0042】
【発明の効果】本発明の農業用合成樹脂フィルムは、均
一な防滴性塗膜を形成させてなるので、優れた防滴性能
が得られるばかりか、その効果が長期間にわたって持続
する。従って、本発明の農業用フィルムをハウスやトン
ネル等の農業用施設に使用した場合、太陽光線の透過が
良く、しかも栽培作物が濡れることないため、病害の発
生が抑制され、作物の収穫が高いという効果も有するも
のである。また、本発明の防滴処理剤は、農業用合成樹
脂フィルムをハウス等に展張した後でも、スプレーコー
ト等の手段により、簡単にフィルム表面に塗布すること
ができるので、長期間使用し防滴性能が落ちてきた農業
用合成樹脂フィルムの防滴性を回復させることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 7/04 - 7/06 B32B 27/00 - 27/42 A01G 9/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂を含有する水系防滴処理剤100重量
    部に対し、シリコン系界面活性剤を0.1重量部以上添
    加した水系防滴処理剤による防滴性被膜を形成してなる
    ことを特徴とする農業用合成樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】合成樹脂フィルムの防滴性被膜を形成して
    いない側の面に、防塵性被膜を形成してなる請求項1記
    載の農業用合成樹脂フィルム。
  3. 【請求項3】合成樹脂フィルムが、樹脂100重量部に
    対し非イオン系界面活性剤を0〜3重量部含有する塩化
    ビニル系樹脂フィルムである請求項1または2記載の農
    業用合成樹脂フィルム。
  4. 【請求項4】合成樹脂フィルムが、樹脂100重量部に
    対し非イオン系界面活性剤を0〜3重量部含有するポリ
    エチレンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂フ
    ィルムまたはこれらの積層フィルムである請求項1また
    は2記載の農業用合成樹脂フィルム。
JP21063794A 1994-08-11 1994-08-11 農業用合成樹脂フィルム Ceased JP3370189B2 (ja)

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