JP2789403B2 - 防曇、防霧持続性に優れた農業用塩化ビニル系樹脂フィルム - Google Patents
防曇、防霧持続性に優れた農業用塩化ビニル系樹脂フィルムInfo
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Description
に重要である防曇持続性、防霧持続性に優れ、被覆材と
して求められる他の特性を何ら悪化させることなく、こ
れらの重要特性を経済的に安価に達成した、極めて高い
有用性を有する農業用塩化ビニル系樹脂フィルムに関す
るものである。
資材としては、塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリエチレ
ンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、
ポリエステルフィルム等が使用されている。中でも軟質
塩化ビニル系樹脂フィルムは、光線透過率、保温性、機
械的強度、耐久性、作業性、経済性等の諸特性のバラン
スの良いことが評価され、合成樹脂フィルムの中で総合
して最も優れているので、農業用被覆材の約9割を占め
るほど広く使用されている。しかしながら、特にハウス
やトンネルの被覆資材として今尚改善を要求される性質
は、被覆材の内表面に付着した凝縮水を作物に落下さ
せることなく、フィルム内面に沿って流下させる防曇性
に優れ、かつ、この防曇性が長期間に亘り持続し、水滴
の葉面への落下による病害の発生を抑制すること。長
期間にわたって被覆材の内表面近傍において霧が発生せ
ず、作物が霧により濡れ、病害発生することがなく、し
かも良好な光線透過率を維持し、太陽光線による加温と
炭酸同化作用の確保による栽培作物の生育を促進するこ
と。等であり、かつ、これらを安価に提供することであ
る。
性を付与したものが主であり、ハウスへの展張下でフィ
ルムからの防曇剤のブルーム(滲み出し)と付着水によ
る流失作用により経日で防曇性が低下し、防曇持続性の
改良が要望されている。防曇持続性を改良するために、
例えば、グリセリンの脂肪酸エステル、ソルビタンの脂
肪酸エステル等のいわゆる防曇剤を適宜組み合わせて、
塩化ビニル系樹脂に練り込む方法が提案されているが、
防曇剤の組合せにて防曇持続性を向上させると、低温防
曇性が悪化して冬季に使用する場合に使用時期や地域に
よって流滴開始が遅れたり、平滑(均一)な流滴面が得
られない等の問題が発生し、完全なものではなかった。
農業用塩化ビニル系樹脂フィルムをハウスに展張する
と、ハウス内の塩化ビニル系樹脂フィルム内表面近傍に
霧が発生し、この霧により作物が濡れ、病害発生の原因
となることが知られている。この霧発生を防止するため
に、防曇剤とともにフッ素系界面活性剤やフッ素系オリ
ゴマー化合物を練り込んだ農業用塩化ビニル系樹脂フィ
ルムが開発された。
ル系樹脂フィルムとしては、具体的に、塩化ビニル系
樹脂に防曇剤としての非イオン系界面活性剤とフッ素系
界面活性剤とを練り込んだ農業用塩化ビニル系樹脂フィ
ルム(特公昭59−35573号公報)、塩化ビニル
系樹脂に防曇剤としての非イオン系界面活性剤とフッ素
系オリゴマー化合物とを練り込んだ農業用塩化ビニル系
樹脂フィルム(特開昭59−80468号公報)などが
知られている。
曇剤としての非イオン系界面活性剤とフッ素系界面活性
剤とを練り込んだ農業用塩化ビニル系樹脂フィルムは、
防曇性、防霧性に極めて優れるものの、その持続性に劣
るものであった。一方、塩化ビニル系樹脂に防曇剤とし
ての非イオン系界面活性剤とフッ素系オリゴマー化合物
とを練り込んだ農業用塩化ビニル系樹脂フィルムは、防
霧性の持続性は優れるものの、防霧性がフッ素系界面活
性剤を使用した場合に比較して、かなり劣り、しかもフ
ィルムに防霧性が発現するまでに時間がかかり、展張初
期における防霧性が悪いものであった。
期から防曇性、防霧性に優れるとともに、その持続性に
も優れ、長期間にわたりハウスに展張できる農業用塩化
ビニル系樹脂フィルムを提供することを目的とし、鋭意
研究した結果、塩化ビニル系樹脂に防曇剤としてのフッ
素原子を分子中に含まない非イオン系界面活性剤と、防
霧剤として(A)フッ素置換有機基とアルキレンオキサ
イド基を有し少なくともいずれかを2個以上有するフッ
素系界面活性剤と、(B)フッ素置換有機基とアルキレ
ンオキサイド基を各1個ずつ有するフッ素系界面活性剤
との混合物からなり、(A):(B)=5:95〜9
0:10である防霧剤を配合することにより、驚くべき
ことに、防曇持続性及び防霧持続性に優れ、長期間にわ
たりハウスに展張使用ができ、ハウス管理を容易にした
農業用フィルムが得られ、かつ、経済的に安価に達成で
きることを見出し、本発明を完成したものである。
曇、防霧持続性に優れた農業用塩化ビニル系樹脂フィル
ムは、塩化ビニル系樹脂100重量部当たり、可塑剤3
0〜70重量部、防曇剤としてのフッ素原子を分子中に
含まない非イオン系界面活性剤0.5〜10重量部、防
霧剤0.01〜5重量部を含有する塩化ビニル系樹脂フ
ィルムであって、前記防霧剤が、(A)フッ素置換有機
基とアルキレンオキサイド基を有し少なくともいずれか
を2個以上有するフッ素系界面活性剤と、(B)フッ素
置換有機基とアルキレンオキサイド基を各1個ずつ有す
るフッ素系界面活性剤との混合物で、(A):(B)=
5:95〜90:10であることを特徴とするものであ
る。
は、ポリ塩化ビニルのほか、塩化ビニルと他のビニルモ
ノマー、例えば塩化ビニリデン、アクリロニトリル、マ
レイン酸、イタコン酸、メタクリル酸、酢酸ビニル、エ
チレン、プロピレン、マレイン酸エステル、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステ
ル、高級ビニルエーテルなどとの共重合体、もしくはこ
れらのブレンド物が挙げられる。
剤、脂肪酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑
剤、エポキシ系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑
剤、ピロメリット酸エステル系可塑剤、ポリエステル系
可塑剤等が使用でき、これらは単独でも2種以上を併用
して使用しても良い。可塑剤の添加量は、塩化ビニル系
樹脂100重量部に対し30〜70重量部であり、好ま
しくは40〜60重量部である。
キシルフタレート、ヘプチルフタレート、ジオクチルフ
タレート、ジノニルフタレート、ジデシルフタレート、
ジウンデシルフタレート、ジドデシルフタレート、オク
チルヘキシルフタレート、オクチルヘプチルフタレー
ト、オクチルノニルフタレート、オクチルデシルフタレ
ート、オクチルウンデシルフタレート、オクチルドデシ
ルフタレート、ノニルデシルフタレート、ノニルウンデ
シルフタレート、ノニルドデシルフタレート、ペンチル
ノニルフタレート、ペンチルデシルフタレート、ペンチ
ルウンデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、
オクチルカプリルフタレート、エチルフタリルエチルグ
リコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチ
ルフタリルエチルグリコレートなどが挙げられ、これら
フタル酸エステル系可塑剤はオルト体でもメタ体でも何
れのものでも使用でき、単独または2種以上を併用して
使用できる。2種以上を併用する場合には、少なくとも
1種にメタ体を使用し、メタ体がフタル酸エステル系可
塑剤の5重量%以上となるようにすると、更に防曇、防
霧持続性に優れ好ましいものである。
チルアジペート、ジオクチルアゼレート、ジオクチルセ
バケート、トリアセチルグリセリン、グリセロールセバ
ケート、ジイソデシルサクシネート、ジイソデシルアジ
ペート、コハク酸混合アルキルエステルなどが挙げられ
る。
チルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキ
シレニルホスフェート、トリフェニルホシフェート、ト
リクロルエチルホスフェート、トリオクチルホスフェー
ト、トリエチルホスフェート、トリエチルフェニルホス
フェート、ジフェニルクレジルホスフェート、モノフェ
ニルジクレジルホスフェート、ジクレジルモノキシレニ
ルホスフェート、モノクレジルジキシレニルホスフェー
ト、ジフェニルモノキシレニルホスフェート、モノフェ
ニルジキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピル
フェニル)ホスフェートなどが挙げられる。
豆油、エポキシ化亜麻仁油などのエポキシ化油系可塑
剤、3,4−エポキシシクロヘキシル−6−メチルエポ
キシシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘ
キセンジエポキサイド、ジシクロペンタジエポキサイ
ド、ビスフェノールA・ジグリシジルエーテル、3−
(2−キセノキシ)−1,2−エポキシプロパン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとエピハ
ロヒドリンとの縮合物などのエポキシ樹脂系可塑剤など
が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を併用して
使用できる。
は、トリメリット酸トリオクチルエステルなどが挙げら
れ、ピロメリット酸エステル系可塑剤としてはピロメリ
ット酸テトラオクチルエステルなどが挙げられ、ポリエ
ステル系可塑剤としてはアジピン酸系ポリエステル、セ
バシン酸系ポリエステルなどが挙げられる。
00重量部当たり、0.5〜5重量部のフッ素原子を分
子中に含まない非イオン系界面活性剤(以下、単に「非
イオン系界面活性剤」と記すことがある)を添加するも
のである。0.5重量部未満では防曇性が悪く、5重量
部を越えるとフィルム表面へのふき出しが多くなり好ま
しくない。この非イオン系界面活性剤としてはソルビタ
ン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、グリ
セリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、
或いはこれらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサ
イド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドが
付加された化合物など、一般に塩化ビニル系樹脂フィル
ムに使用されるものが使用できる。具体的には、ソルビ
タンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタ
ンベヘネート、ソルビタンステアレート・エチレンオキ
サイド2モル付加物、ソルビタンステアレート・プロピ
レンオキサイド3モル付加物、ソルビトールステアレー
ト、ソルビトールステアレート・エチレンオキサイド3
モル付加物、ジグリセリンパルミテート、ジグリセリン
ステアレート、グリセリンステアレート、グリセリンパ
ルミテート・エチレンオキサイド2モル付加物、ソルビ
タンステアレートアジペート・エチレンオキサイド3モ
ル付加物、ソルビトールステアレートアジペート・エチ
レンオキサイド2モル付加物、ジグリセリンパルミテー
トセバケート・プロピレンオキサイド3モル付加物、ソ
ルビトールパルミテートアジペートエチレンオキサイド
3モル付加物等が挙げられる。これらの非イオン系界面
活性剤は単独または2種以上を組み合わせて使用するこ
とが出来る。
置換有機基と親水性基としてのアルキレンオキサイド基
を有し少なくともいずれかを2個以上有するフッ素系界
面活性剤と、(B)フッ素置換有機基と親水性基として
のアルキレンオキサイド基を各1個ずつ有するフッ素系
界面活性剤との混合物であって、(A):(B)=5:
95〜90:10であるものが使用できる。
ルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキレン基
等に代表される有機基の「C」に結合した「H」の全部
或いは一部を「F」に置換したものであり、具体的に
は、パーフルオロアルキル基(CnF2n+1基)、パ
ーフルオロアルコキシ基(CnF2n+1O基)、ポリ
フルオロアルキル基(Hm Cn F
2n+1−m基)、パーフルオロアルケニル基(Cn
F2n−1基)、ポリフルオロアルケニル基(Hm C
n F2n−1−m基)、パーフルオロアルキレン基
(Cn F2n基)等が挙げられる(式中m=1〜3、
nは3〜20の整数である)。また、アルキレンオキサ
イド基としては、(C2H4O)n、(C3H6O)n
等が挙げられる(式中n=1〜30である)。
基を有し少なくともいずれかを2個以上有するフッ素系
界面活性剤としては、 等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
とアルキレンオキサイド基を各1個ずつ有するフッ素系
界面活性剤は、上記したフッ素置換有機基と(C2H4
O)n,(C3H6O)n等のアルキレンオキサイド基
(式中n=1〜30)を各1個ずつ有する化合物であ
る。上記のフッ素系界面活性剤の具体例としては、 等が挙げられるが、これらに限定されるものではない
基と親水性基としてのアルキレンオキサイド基を有し少
なくともいずれかを2個以上有するフッ素系界面活性剤
の一部を炭素数4〜20個のフッ素基を含有する不飽和
エステルと他の共重合し得る化合物との共重合オリゴマ
ーに置き換えることも可能である。
有する不飽和エステルと他の共重合し得る化合物との共
重合オリゴマーを得るために使用する炭素数4〜20個
のフッ素置換有機基を含有する不飽和エステルとして
は、特に限定されるものではないが、例えば下記のアク
リレート又はメタクリレートが好ましい。
としては、本発明の作用効果を阻害しない限り、広範囲
に選択可能である。例えば、エチレン、酢酸ビニル、塩
化ビニル、弗化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、スチレ
ン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、アクリ
ル酸とそのアルキルエステル、メタクリル酸とそのアル
キルエステル、ポリ(オキシアルキレン)アクリレー
ト、ポリ(オキシアルキレン)メタクリレート、アクリ
ルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミ
ド、メチロール化ジアセトンアクリルアミド、N−メチ
ロールアクリルアミド、ビニルアルキルアミド、ビニル
アルキルエーテル、ハロゲン化アルキルビニルエーテ
ル、ビニルアルキルケトン、ブタジエン、イソプレン、
クロロプレン、グリシジルアクリレート、ベンジルメタ
クリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルア
クリレート、無水マレイン酸、アジリジニルアクリレー
ト又はメタクリレート、N−ビニルカルバゾールのごと
きフッ素置換有機基を含まない重合し得る化合物の1種
又は2種以上を、共重合オリゴマーの構成単位として共
重合させることが可能である。これらの共重合成分のフ
ッ素置換有機基を含有する不飽和ポリエステルに対する
共重合割合は、通常1〜70重量%、特に10〜50重
量%が適当である。また、本発明の共重合オリゴマーを
得るためには、原料の重合しうる化合物を、適当な有機
溶媒に溶かし、重合開始源(使用する有機溶剤に溶ける
過酸化物、アゾ化合物あるいは電離性放射線など)の作
用により溶液重合させる方法が採用される。溶液重合に
好適な溶剤は、トルエン、酢酸エチル、イソプロピルア
ルコール、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリ
フルオロエタン、テトラクロルジフルオロエタン、メチ
ルクロロホルム等である。共重合オリゴマーとしては、
数平均分子量が、ほぼ1000〜50000の範囲に入
るものが使用できる。
上記以外の添加剤として、熱安定剤、滑剤又は粘着防止
剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、光安定剤、充填剤、着色
剤、防黴剤、防藻剤、有機リン酸金属塩、など一般にプ
ラスチックに添加可能な添加剤を含むことができる。こ
れらの添加剤は前記塩化ビニル系樹脂100重量部に対
して各々5重量部以下で使用するのが好ましい。
ァイト系安定剤等の通常使用される安定剤が使用でき、
金属石鹸としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バ
リウム、ステアリン酸カルシウム、リシノール酸バリウ
ム、ラウリン酸カルシウム、オレイン酸カルシウム、オ
クトイン酸亜鉛等が挙げられ、有機スファイト系安定剤
としては、ジフェニルデシルホスファイト、トリフェニ
ルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイ
ト、トリデシルホスファイト、トリス(2−エチルヘキ
シル)ホスファイト、トリステアリルホスファイト、オ
クチルジフェニルホスファイト等が挙げられる。またジ
ブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレート、有機錫メ
ルカプチド、有機錫スルホンアミド等の錫系安定剤など
も用いることができる。これらの安定剤は単独でまたは
2種以上を併用して使用できる。
酸、イソステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸等
の脂肪酸系滑剤、ステアリン酸アミド、パルミチン酸ア
ミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステ
アロアミド、エチレンビスオレイルアミド、エチレンビ
スラウリルアミド等の飽和脂肪酸アミド系滑剤、ブチル
パルミテート、ブチルステアレート等のエステル系滑
剤、ポリエチレンワックス、流動パラフィン等が挙げら
れ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベ
ンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベ
ゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カ
ルボキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−
4,4’−ジメトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノ
ン系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−
メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒ
ドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−カルボン酸ブ
チルエステルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロ
キシ−5’−メチルフェニル)−5,6−ジクロルベン
ゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤
の他、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、シアノアク
リレート系紫外線吸収剤等が挙げられ、これらの1種又
は2種以上を用いることができる。
プロピオン酸エステル系、脂肪族サルファイド系等の抗
酸化剤を1種又は2種以上を用いることができる。
キシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ト
リス−(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)トリアジン−2,4,6−トリカルボキシレート
等のような下記の一般式で示されるヒンダードアミン等
の一般に使用されている光安定剤を1種又は2種以上を
用いることができる。 一般式 (式中、Rは1〜4価のカルボン酸から誘導されるモノ
〜テトラアルシル基、R1〜R4は炭素数1〜4のアル
キル基、nは1〜4の整数を示す。)
温性を向上させる目的で使用することができる。このよ
うな充填剤としては、加工温度にて溶融、分解などの物
理的、化学的な変化を起こさない耐熱性に優れた無機質
及び/又は有機質の充填剤であれば何れのものでも使用
できるが、次にその例を掲げる。炭酸マグネシウム、マ
グネシウム系珪酸塩、酸化珪素、酸化アルミニウム、水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、タルク、ハイ
ドロタルサイト類などの無機質充填剤のほか、架橋され
た塩化ビニル系樹脂粉末、アクリル系樹脂粉末などの架
橋された熱可塑性樹脂粉末等の有機質充填剤等が使用で
き、これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併
用して用いることができる。充填剤の粒径は20μ以下
が好ましい。この充填剤の添加量は、塩化ビニル系樹脂
100重量部に対して、1〜20重量部の範囲が好まし
い。
青、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、
酸化チタン、亜鉛華、キナクリドンレッド、ハンザイエ
ロー等、一般に使用される顔料や、染料が使用でき、こ
れらは単独または2種以上を併用して使用することがで
きる。
ラウレート、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾー
ル、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリ
ル、パラオキシ安息香酸エステル、5−ブロモ−5−ニ
トロ−1,3−ジオキサン、3−メチル−4−クロロフ
ェノール、2,3,5,6−テトラクロロ−4−メチル
スルホニルピリジン、N−(テトラクロロエチルチオ)
フタルイミド、10,10’−オキシビスフェノキシア
ルシン、N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイ
ミド、N−ジメチル−N’−フェニル−(N’−フロロ
ジクロロメチルチオ)スルファミド等が使用でき、これ
らは単独または2種以上を併用して使用することができ
る。
しめされるものが使用できる。 (式中、R1,R2,R3,およびR4はアルキル基、
アリル基、アルキルアリル基のいずれかであり、Mは亜
鉛、カルシウム、マグネシウム、バリウム等の2価の金
属を示す。)
の片面には溶剤型或いは水系型或いは紫外線硬化型の塗
料よりなる皮膜を設けることができるものであるが、皮
膜を設けると、更に防塵性が良くなるとともに、防曇持
続性も更に良くなり好ましいものである。溶剤型或いは
水系型或いは紫外線硬化型の塗料としては次のものが挙
げられる。溶剤型としては各種アクリル系樹脂、セルロ
ーズ系樹脂等を溶剤に溶解したもの等が使用できる。溶
剤に溶解する樹脂は単独でも良いし、複数種を混合して
溶解したものでも良い。アクリル系樹脂を溶解したもの
が性能上好ましい。架橋剤を添加し塗膜を部分架橋した
ものが特に好ましい。水系型としてはアクリル系樹脂エ
マルジョン等が使用できる。紫外線硬化型としてはアク
リル系、アクリル変性ウレタン系、アクリル変性エポキ
シ系、メルカプト誘導体系、エポキシ樹脂系のもの等が
使用できる。
塩化ビニル系樹脂100重量部当たり、可塑剤30〜7
0重量部、防曇剤としての非イオン系界面活性剤0.5
〜10重量部、(A)フッ素置換有機基とアルキレンオ
キサイド基を有し少なくともいずれかを2個以上有する
フッ素系界面活性剤と、(B)フッ素置換有機基とアル
キレンオキサイド基を各1個ずつ有するフッ素系界面活
性剤との混合物からなり、(A):(B)=5:95〜
90:10である防霧剤0.01〜5重量部を含有させ
てなるため、初期における防曇性、防霧性が極めて良好
で、しかも良好な防曇性、防霧性が長期間に亘り持続す
るものである。
ェルミキサーにて10分間攪拌混合した後、180℃に
加温した混練ロールで混練し、180℃の逆Lカレンダ
ーにより、厚さ0.1mmのフィルムを製造した。上記
のようにして製造した3種のフィルムをパイプハウスの
被覆材として、足利地区のハウスに展張し、展張直後、
3ヵ月後、6ヵ月後、12ヵ月後、18カ月後の5回に
わたりフィルム内面への水滴の付着状態(防曇性)、フ
ィルム内表面付近の霧(モヤ)の発生状況(防霧性)を
観察した。結果は表1に示す。
した水滴同士が合体して薄膜状に広がり、この薄膜状部
分の面積がフィルム内表面の1/2以上にわたるもの。 ○……フィルム内表面に付着した水滴同士が合体して薄
膜状に広がった状態は認められるが、この薄膜状部分の
面積がフィルム内表面の1/2未満であるもの。 △……フィルム内表面に付着した水滴同士の合体は認め
られるが、薄膜状部分の形状が認められないもの。 ×……フィルム内表面に付着した水滴同士の合体が認め
られないもの。
ム内表面近傍にわずかに発生が認められるもの。 ○……ハウス全体に薄い霧の発生が認められるが、15
m先のハウスの奥を明瞭に識別できる状態。 △……ハウス全体に霧がやや濃く発生し、15m先のハ
ウスの奥を識別できる状態。 ×……ハウス全体に霧が濃く発生し、15m先のハウス
の奥が全く識別できない状態。
1は防曇性、防霧性に優れるばかりでなく、防曇持続
性、防霧持続性にも優れるものであることがわかる。一
方、フッ素置換有機基とアルキレンオキサイド基を有し
少なくともいずれかを2個以上有するフッ素系界面活性
剤を単独で使用した比較例1では、防霧性があまりよく
なく、しかも防霧持続性も良くないものであった。更
に、フッ素置換有機基とアルキレンオキサイド基を各1
個ずつ有するフッ素系界面活性剤を単独で使用した比較
例2では、防霧性は優れるものの、防霧持続性に欠ける
ものであった。更にまた、理由は定かではないが、本発
明の実施例においては、防曇持続性も極めて優れたもの
であるが、比較例においては、いずれのものも防曇持続
性は本発明フィルムより劣り、フッ素置換有機基とアル
キレンオキサイド基を有し少なくともいずれかを2個以
上有するフッ素系界面活性剤と、フッ素置換有機基とア
ルキレンオキサイド基を各1個ずつ有するフッ素系界面
活性剤とを特定の割合で混合することにより、防曇持続
性と防霧持続性に優れたフィルムが得られることがわか
る。
ムは、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、非イオン
系界面活性剤0.5〜10重量部、(A)フッ素置換有
機基とアルキレンオキサイド基を有し少なくともいずれ
かを2個以上有するフッ素系界面活性剤と、(B)フッ
素置換有機基とアルキレンオキサイド基を各1個ずつ有
するフッ素系界面活性剤との混合物であり、(A):
(B)=5:95〜90:10である防霧剤を0.01
〜5重量部を含有するので、防曇性、防霧性に優れるば
かりでなく、防曇持続性、防霧持続性にも優れる従来に
見られない有用な農業用フィルムが得られるものであ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂100重量部当たり、
可塑剤30〜70重量部、防曇剤としてのフッ素原子を
分子中に含まない非イオン系界面活性剤0.5〜10重
量部、防霧剤0.01〜5重量部を含有する塩化ビニル
系樹脂フィルムであって、前記防霧剤が、(A)フッ素
置換有機基とアルキレンオキサイド基を有し少なくとも
いずれかを2個以上有するフッ素系界面活性剤と、
(B)フッ素置換有機基とアルキレンオキサイド基を各
1個ずつ有するフッ素系界面活性剤との混合物であり、
(A):(B)=5:95〜90:10である防曇、防
霧持続性に優れた農業用塩化ビニル系樹脂フィルム。 - 【請求項2】 塩化ビニル系樹脂フィルムの一方の面
に、溶剤型或いは水系型或いは紫外線硬化型の塗料によ
る皮膜が形成されてなる請求項1に記載の防曇、防霧持
続性に優れた農業用塩化ビニル系樹脂フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4170063A JP2789403B2 (ja) | 1992-06-04 | 1992-06-04 | 防曇、防霧持続性に優れた農業用塩化ビニル系樹脂フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4170063A JP2789403B2 (ja) | 1992-06-04 | 1992-06-04 | 防曇、防霧持続性に優れた農業用塩化ビニル系樹脂フィルム |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19491597A Division JP3290105B2 (ja) | 1997-07-04 | 1997-07-04 | 防曇、防霧持続性に優れた農業用塩化ビニル系樹脂フィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05331339A JPH05331339A (ja) | 1993-12-14 |
JP2789403B2 true JP2789403B2 (ja) | 1998-08-20 |
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ID=15897948
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4170063A Expired - Lifetime JP2789403B2 (ja) | 1992-06-04 | 1992-06-04 | 防曇、防霧持続性に優れた農業用塩化ビニル系樹脂フィルム |
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Country | Link |
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JP3857779B2 (ja) * | 1997-05-12 | 2006-12-13 | クラリアント インターナショナル リミテッド | 防曇、防霧性に優れた農業用合成樹脂フィルム |
JP6176937B2 (ja) | 2012-09-19 | 2017-08-09 | キヤノン株式会社 | インプリント用光硬化性組成物及び膜の製造方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62223254A (ja) * | 1986-03-24 | 1987-10-01 | Okamoto Kk | 農業用塩化ビニル樹脂フイルム |
JPS6424842A (en) * | 1987-07-20 | 1989-01-26 | Mitsui Toatsu Chemicals | Agricultural vinyl chloride resin film |
-
1992
- 1992-06-04 JP JP4170063A patent/JP2789403B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH05331339A (ja) | 1993-12-14 |
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