JPH10292012A - 樹脂添加剤、樹脂組成物、および該樹脂組成物を成形した成形体 - Google Patents

樹脂添加剤、樹脂組成物、および該樹脂組成物を成形した成形体

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JPH10292012A
JPH10292012A JP10190997A JP10190997A JPH10292012A JP H10292012 A JPH10292012 A JP H10292012A JP 10190997 A JP10190997 A JP 10190997A JP 10190997 A JP10190997 A JP 10190997A JP H10292012 A JPH10292012 A JP H10292012A
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copolymer
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JP10190997A
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Yuriko Kaida
由里子 海田
Hirotsugu Yamamoto
博嗣 山本
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】樹脂表面に優れた抗菌性、防黴性を付与しうる
樹脂添加剤の提供。 【解決手段】ホスホニウム骨格を含む1価の基等が結合
した重合性単量体に基づく重合単位(b1 )、フッ素原
子を含有する重合性単量体に基づく重合単位(b2 )、
および塩化ビニル系樹脂との相溶性を有する重合性単量
体に基づく重合単位(b3 )を含む共重合体からなる樹
脂添加剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた抗菌性およ
び/または防黴性を有する樹脂添加剤、該樹脂添加剤を
含む樹脂組成物、さらに該樹脂組成物を成形してなる成
形体に関する。
【0002】
【従来の技術】有機樹脂は、一般に安価であり、耐水
性、耐候性、耐薬品性に優れ、印刷や接着等の二次加工
性にも優れることから、各種の産業資材製品や生活資材
製品に大量に使用されている。
【0003】近年、健康指向や環境衛生指向の高まりに
より、吸排水管、壁材や床材等の内装材等として用いら
れる樹脂成形体に、抗菌性および/または防黴性を付与
する要望がある。細菌類や黴菌類の繁殖は食中毒や感染
性疾患の原因になるばかりでなく、小児喘息やアトピー
性疾患の原因と考えられており、健康面でも大きな問題
となっている。特に、一般家庭、オフィスビル、医療施
設、食品加工場などにおいては、細菌や黴等の微生物が
原因と考えられる汚染は、重大な問題になっている。ま
た、美観上の問題もある。
【0004】細菌類や黴等の繁殖を防ぐ方法としては、
繁殖を発見次第、次亜塩素酸ソーダや過酸化水素水等の
薬品を用いて殺菌・殺黴をする方法があるが、これらの
薬品は、繁殖中の細菌類や黴菌類に対しては優れた殺菌
・殺黴性を発揮するものの残効性に劣るため、時間の経
過とともに繁殖が再発する問題がある。また、繁殖によ
る内装材や下地材の汚着や汚損を修復するものではな
い。
【0005】また、抗菌性を有する塗料を塗布したり、
各種の無機系抗菌剤や有機系抗菌剤を樹脂中に練り込む
方法も知られている。しかし、抗菌性塗料を塗布する方
法はコストが高く、抗菌効果の持続性が乏しい問題があ
る。無機系抗菌剤を練り込む方法は抗菌効果の持続性は
得られるが、耐候性に劣り、また、変色の問題がある。
また、従来の有機系抗菌剤を練り込む方法は、有機系抗
菌剤の耐熱性が乏しく、また、揮発や分解を起こす問題
がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の状況
に鑑みなされたもので、優れた抗菌性および/または防
黴性を有する樹脂添加剤、および該樹脂添加剤を含む樹
脂組成物を提供する。本発明の樹脂添加剤は、樹脂の各
種特性を維持し、しかも優れた抗菌性および/または防
黴性を付与する。また、樹脂成形体表面に優れた撥水性
や防汚性をも付与しうるため、結露や降雨等による水
分、または、汚れの付着による細菌類や微菌類の繁殖を
防止しうる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の種々
の課題を解決すべく検討した結果、特定の3種の重合単
位、すなわち、抗菌性および/または防黴性を発現する
有機残基を含有する特定の重合単位(b1 )、表面移行
性を有する重合単位(b2 )、および塩化ビニル系樹脂
との相溶性を有する重合単位(b3 )の3つを必須の重
合単位として含む共重合体を樹脂添加剤として樹脂に配
合すると、優れた抗菌・防黴性を有する樹脂組成物が提
供されうることを見いだした。また、該樹脂組成物を成
形した成形体表面においては、抗菌・防黴性を発現する
有機残基が濃縮され、効率的に高い抗菌・防黴性を発源
しうることを見いだした。
【0008】すなわち本発明は、下記重合単位(b
1 )、下記重合単位(b2 )、および下記重合単位(b
3 )を含む共重合体(B)からなる樹脂添加剤、および
該樹脂添加剤を含む樹脂組成物、該樹脂組成物を成形し
た成形体を提供する。 重合単位(b1 ):抗菌性および/または防黴性を発現
する有機残基を有する重合性単量体に基づく重合単位。 重合単位(b2 ):フッ素原子を含有する重合性単量体
に基づく重合単位であり、かつ、重合単位(b1 )以外
の重合単位。 重合単位(b3 ):塩化ビニル系樹脂との相溶性を有す
る重合性単量体に基づく重合単位であり、かつ、重合単
位(b1 )および重合単位(b2 )以外の重合単位。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明における共重合体(B)
は、特定の3種の構成単位、すなわち、重合単位(b
1 )、重合単位(b2 )、および重合単位(b3 )を含
む共重合体である。
【0010】重合単位(b1 )は、抗菌性および/また
は防黴性を発現する有機残基を有する重合性単量体[以
下、単量体(b1 )と記す。]に基づく重合単位であ
る。
【0011】該有機残基は、抗菌性および/または防黴
性を発現する化合物からn個の水素原子を除いたn価の
残基であり、1価残基が好ましい。
【0012】単量体(b1 )としては、下式1で表され
る化合物が好ましい。 D−Q1 −U1 ・・・式1 ただし、式1中の記号は、以下の意味を示す。 D:重合性不飽和基。 Q1 :単結合、または、2価連結基。 U1 :フェノール骨格、ピリジン骨格、ピリジニウム骨
格、キノリン骨格、トリアジン骨格、イソチアゾロン骨
格、フタルイミド骨格、アニリド骨格、ビグアニド骨
格、イミダゾール骨格、チアゾール骨格、グルコサミン
骨格、トロポロン骨格、フェノキサアルシン骨格、ホス
ホニウム骨格、アルデヒド基含有骨格、カルボキシル基
含有骨格、エステル基含有骨格、エポキシ基含有骨格、
パーオキシ基含有骨格、ジスルフィド基含有骨格、チオ
カルボニル基含有骨格、またはアンモニウム基含有骨格
を含む1価の基。
【0013】式1における重合性不飽和基(D)として
は、ビニル基またはこれらの基中の水素原子の1個以上
が、ハロゲン原子(塩素原子、フッ素原子等)または低
級アルキル基(たとえばメチル基等)に置換された基が
好ましい。Q1 が2価連結基である場合には、−COO
(CH2m −(ただし、mは0〜4の整数を示
す。)、−(CH2m −(ただし、mは2〜4の整数
を示す。)、または、−(CH2p −Ph −(CH
2q −(ただし、p、qはそれぞれ0〜4の整数を示
し、Ph は1,4−フェニレン基を示す。)が好まし
い。
【0014】U1 は、フェノール骨格、ピリジン骨格、
ピリジニウム骨格、キノリン骨格、トリアジン骨格、イ
ソチアゾロン骨格、フタルイミド骨格、アニリド骨格、
ビグアニド骨格、イミダゾール骨格、チアゾール骨格、
グルコサミン骨格、トロポロン骨格、フェノキサアルシ
ン骨格、ホスホニウム骨格、アルデヒド基含有骨格、カ
ルボキシル基含有骨格、エステル基含有骨格、エポキシ
基含有骨格、パーオキシ基含有骨格、ジスルフィド基含
有骨格、チオカルボニル基含有骨格、またはアンモニウ
ム基含有骨格を含む1価の基を示し、これらの骨格を含
む化合物(U)から、水素原子を1個除いた残基が好ま
しい。
【0015】化合物(U)としては、上記骨格を含む化
合物であり、抗菌性および/または防黴性を有すること
が公知である化合物が好ましい。たとえば、フェノール
骨格を有する化合物としては、ビオゾール、チモール
[5−メチル−2−(1−メチルエチル)フェノー
ル]、4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール、クレ
ゾール、クロロフェン等が好ましい。
【0016】ピリジン骨格を有する化合物としては、
2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニ
ル)−ピリジンが好ましい。ピリジニウム骨格を有する
化合物としては、前記ピリジン骨格を有する化合物のピ
リジン環がピリジニウムの窒素原子がN+ となった化合
物が好ましい。該N+ の対イオンとしてはハロゲンイオ
ンが好ましい。
【0017】キノリン骨格を有する化合物としては、8
−オキシキノリンが好ましい。トリアジン骨格を有する
化合物としては、ヘキサミン(ヘキサメチルテトラミ
ン)が好ましい。イソチアゾロン骨格を有する化合物と
しては、2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オ
ン、1,2−ベンゾイソチアゾロンが好ましい。
【0018】フタルイミド骨格を有する化合物として
は、N−フルオロジクロロメチルチオ−フタルイミドが
好ましい。アニリド骨格を有する化合物としては、1,
3−ジフェニルカルバミド骨格を有する化合物が好まし
く、3’,4’,4”−トリクロロ−1,3−ジフェニ
ルカルバミド、3’−トリフルオロメチル−4’、4”
−ジクロロ−1,3−ジフェニルカルバミドが好まし
い。ビグアニド骨格を有する化合物としては、塩酸クロ
ロヘキシジンが好ましい。
【0019】イミダゾール骨格またはチアゾール骨格を
有する化合物としては、2−(4’−チアゾリル)−ベ
ンゾイミダゾール、2−(4−チオシアノメチルチオ)
ベンゾチアゾールが好ましい。グルコサミン骨格を有す
る化合物としては、キチン、キトサン、アミノグルコシ
ドが好ましい。トロポロン骨格を有する化合物としては
ヒノキチオールが好ましい。
【0020】フェノキサアルシン骨格を有する化合物と
しては、10,10’−オキシビスフェノキサアルシン
が好ましい。ホスホニウム骨格を有する化合物として
は、トリ(n−ブチル)ホスホニウムクロリド、トリ
(n−ブチル)(ベンジル)ホスホニウムクロリドが好
ましい。
【0021】アルデヒド基含有骨格を有する化合物とし
ては、グルタルアルデヒド、α−ブロモシンナムアルデ
ヒドが好ましい。カルボキシル基含有骨格を有する化合
物としては、安息香酸、ウンデシレン酸、ナフテン酸、
プロピオン酸、またはこれらの化合物中のカルボキシル
基が−COO- ・M+ (M+ は1価の金属陽イオン)と
なった化合物が好ましい。
【0022】エステル基含有骨格を有する化合物として
は、脂肪酸グリセリド、p−ヒドロキシ安息香酸エステ
ルが好ましい。エポキシ基含有骨格を有する化合物とし
ては、エチレンオキシド、プロピレンオキシドが好まし
い。パーオキシ基含有骨格を有する化合物としては、過
酢酸が好ましい。
【0023】ジスルフィド基含有骨格を有する化合物と
しては、ビス(ジメチルチオカルバモイル)ジスルフィ
ドが好ましい。チオカルボニル基含有骨格を有する化合
物としては、N−メチルジチオカルバミン酸、N−メチ
ルジチオカルバミン酸、、これらのナトリウム塩または
カリウム塩が好ましい。
【0024】アンモニウム基含有骨格を有する化合物と
しては、塩化ベンザルコニウム、塩化セタルコニウム、
アルキルジ(アミノエチル)グリシン等が好ましい。
【0025】これらの化合物(U)のうち、本発明にお
いてはホスホニウム骨格を有する化合物を採用するのが
熱安定性に優れることから好ましい。
【0026】単量体(b1 )としては、下式2で表され
る化合物が好ましい。 CH2 =CR1 −Q2 −U2 ・・・式2
【0027】ただし、式2中の記号は、以下の意味を示
す。 R1 :水素原子またはメチル基。 Q2 :単結合または2価連結基を示し、2価連結基であ
る場合には、−COO(CH2m −(ただし、mは0
〜4の整数を示す。)、−(CH2m −(ただし、m
は2〜4の整数を示す。)、または、−(CH2p
h −(CH2q −(ただし、p、qはそれぞれ0〜
4の整数を示し、Ph は1,4−フェニレン基を示
す。)が好ましい。 U2 :−P+345 ・X- (ただし、R3 、R
4 、およびR5 はそれぞれ同一であっても異なっていて
もよく1価有機基を示す。X- は対イオンを示し、ハロ
ゲンイオンが好ましく、塩素イオンが好ましい。)。
【0028】U2 におけるR3 、R4 、およびR5 はそ
れぞれ炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、メチル
基、エチル基、n−ブチル基、n−オクチル基、2−エ
チルヘキシル基が好ましい。
【0029】式2で表される化合物の具体例としては、
下記化合物が挙げられる。 トリ−n−ブチル(2−メタクリルオキシエチル)ホス
ホニウムクロリド CH2=C(CH3)COOCH2CH2P+[(CH2)3CH3]3・Cl- トリ−n−オクチル(4−ビニルベンジル)ホスホニウ
ムクロリド CH2=CH-C6H4-CH2P+[(CH2)7CH3]3・Cl- トリ−n−ブチル(4−ビニルベンジル)ホスホニウム
クロリド CH2=CH-C6H4-CH2P+[(CH2)3CH3]3・Cl-
【0030】重合単位(b2 )は、フッ素原子を含有す
る重合性単量体[以下、単量体(b2 )と記す]に基づ
く重合単位である。重合単位(b2 )は、フッ素原子を
含有するため、樹脂組成物中で共重合体(B)を表面に
移させ、かつ、樹脂表面に撥水撥油性および防汚性を付
与する機能を発揮すると考えられる。
【0031】単量体(b2 )としては、フッ化ビニル等
のフッ素置換された重合性不飽和基を有する化合物、ま
たは、フッ素原子含有基と重合性不飽和基とを併有する
化合物が好ましい。
【0032】フッ素原子含有基としてはポリフルオロア
ルキル基が好ましい。なお、以下において、ポリフルオ
ロアルキル基をRf 基といい、分子内にRf 基と重合性
の基とを含有する化合物をRf 基含有単量体(b2 )と
いう。また、アクリレートとメタアクリレートとを総称
して(メタ)アクリレートと記す。他の化合物について
も同様に記す。
【0033】共重合体(b2 )としては、Rf 基含有単
量体(b2 )が好ましく、特にRf基を有する(メタ)
アクリレート、Rf 基を有するビニル化合物、Rf 基を
有するアリル化合物が好ましい。
【0034】さらに単量体(b2 )としては、下式3で
表されるRf 基含有(メタ)アクリレートが好ましい。 CH2 =CR2 COO−Q3 −Rf ・・・式3
【0035】ただし、式3中の記号は、以下の意味を示
す。 R2 :水素原子またはメチル基。 Q3 :単結合または2価連結基。 Rf :Rf 基。
【0036】式3中のQ3 は2価の有機連結基が好まし
く、特に、後述の具体例中に挙げるものが好ましい。
【0037】また、Rf 基は、アルキル基の水素原子の
2個以上がフッ素原子に置換された基をいう。Rf 基中
のフッ素原子の数は、(Rf 基中のフッ素原子の数)/
(Rf 基に対応する同一炭素数)×100(%)で表現
した場合に60%以上が好ましく、80%以上が特に好
ましい。また、Rf 基の炭素−炭素単結合間には、エー
テル性の酸素原子(−O−)が挿入されていてもよい。
たとえば、オキシポリフルオロエチレン、オキシポリフ
ルオロプロピレン等のオキシポリフルオロアルキレン部
分を含有するRf 基が挙げられる。
【0038】Rf 基の炭素数は1〜20が好ましく、4
〜16がより好ましく、6〜12が特に好ましい。Rf
基は、直鎖または分岐の構造であり、直鎖の構造が好ま
しい。分岐の構造である場合には、分岐部分がRf 基の
末端付近に存在し、かつ、炭素数1〜3程度の短鎖であ
る場合が好ましい。また、末端部分に塩素原子が存在し
ていてもよい。Rf 基の末端部分の構造としては、CF
3 −、CF2 H−、CF2 Cl−、(CF32 CF−
等の構造が挙げられる。
【0039】本発明におけるRf 基は、アルキル基の水
素原子の実質的にすべてがフッ素原子に置換されたパー
フルオロアルキル基(以下、RF 基と記す。)が好まし
い。RF 基の炭素数は1〜20が好ましく、4〜16が
特に好ましい。また、RF 基は直鎖または分岐の構造の
F 基であり、F(CF2n −[nは4〜16の整
数]で表される直鎖のRF 基が好ましく、nが7〜13
のものが特に好ましい。また、RF 基は、該基中の炭素
−炭素結合間にエーテル性の酸素原子(−O−)が挿入
されていてもよい。
【0040】Rf 基の具体例としては、以下の構造が挙
げられるがこれらに限定されない。なお、以下の具体例
中には、構造異性の基に相当する基も含まれる。
【0041】C25 −、C37 −[F(CF23
−、および(CF32 CF−の両者を含む。]、C4
9 −[F(CF24 −、(CF32 CFCF2
−、(CF33 C−、CF3 CF2 CF(CF3 )−
を含む]、C511−[F(CF25 −、(CF3
2 CF(CF22 −、(CF33 CCF2 −、CF
3 CF2 CF(CF3 )CF2 −などの構造異性の基を
含む]、C613−[F(CF23 C(CF32
などの構造異性の基を含む]、C817−、C10
21−、C1225−、C1531−、HCt2t−(tは1
〜18の整数)、(CF32 CFCs2s−(sは1
〜15の整数)など。
【0042】CF3 (CF24 OCF(CF3 )−、
F[CF(CF3 )CF2 O]s CF(CF3 )CF2
CF2 −、F[CF(CF3 )CF2 O]t CF(CF
3 )−、F[CF(CF3 )CF2 O]u CF2 CF2
−、F(CF2 CF2 CF2O)v CF2 CF2 −、F
(CF2 CF2 O)w CF2 CF2 −、C65 −、C
65 CF=CF−、CH2 =CHC612−(s、t
は1〜10の整数、uは2〜6の整数、v、wは1〜1
1の整数)など。
【0043】本発明におけるRf 基含有(メタ)アクリ
レートの例としては、下式の化合物が挙げられる。ただ
し、下式におけるR2 、Rf は式3における意味と同じ
意味を示す。
【0044】CH2=C(R2)COOCH2CH2Rf、 CH2=C(R2)COOCH2CH2N(C3H7)CORf 、 CH2=C(R2)COOCH(CH3)CH2Rf、 CH2=C(R2)COOCH2CH2N(CH3)SO2Rf 、 CH2=C(R2)COOCH2CH2N(CH3)CORf、 CH2=C(R2)COOCH2CH2N(C2H5)SO2Rf、 CH2=C(R2)COOCH2CH2N(C2H5)CORf 、 CH2=C(R2)COOCH2CH2N(C3H7)SO2Rf、 CH2=C(R2)COOCH(CH2Cl)CH2OCH2CH2N(CH3)SO2Rf
【0045】上記のRf 基含有(メタ)アクリレート
は、1種または2種以上を使用できる。2種以上を用い
る場合には、異なる構造の化合物を2種以上用いてもよ
く、Rf 基の炭素数が異なる化合物の2種以上を用いて
もよい。
【0046】Rf 基含有(メタ)アクリレートは、式3
におけるRf が炭素数4〜16のRF 基である化合物が
好ましい。Rf 基における炭素数が少ないと、樹脂中で
の表面移行性が不充分となるおそれがある。一方、Rf
基における炭素数が多すぎると、式3で示される化合物
と他の単量体との相溶性が低くなり、共重合時の収率が
低下するおそれがある。また、樹脂に対する相溶性が低
下し、これにより表面移行性が低下するおそれもある。
【0047】重合単位(b3 )は、単独重合体とした場
合に塩化ビニル系樹脂との相溶性を有する重合性単量体
[以下、単量体(b3 )と記す。]に基づく重合単位で
ある。また、重合単位(b3 )は、重合単位(b1 )お
よび重合単位(b2 )以外の重合単位でもある。重合単
位(b3 )は、樹脂に対するアンカーとしての機能を有
すると考えられる。
【0048】一般に相溶性の有無は、重合体間のSp
(Solubility parameter)の差に
より決まり、相溶性を有するためには該差が−2〜+2
の範囲内にあるのが好ましく、特に−1.5〜+1.5
の範囲内にあるのが好ましい。さらに、本発明の単量体
(b3 )は、単独重合体とした場合のSp 値が、絶対値
として7.5〜11.5であるのが好ましく、特に8.
0〜11.0であるのが好ましい。
【0049】単量体(b3 )としては、(メタ)アクリ
ル酸エステル系単量体、ビニルエステル系単量体、シア
ン化ビニル系単量体、または芳香族ビニル系単量体から
選ばれる1種以上が挙げられ、特に(メタ)アクリル酸
エステル系単量体が好ましい。
【0050】さらに(メタ)アクリル酸エステル系単量
体としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好
ましく、アルキル基部分の炭素数が1〜8であるものが
好ましく、炭素数が1〜6であるものが特に好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メ
タ)アクリル酸メチル(メタアクリル酸メチル単独重合
体のSp 値:9.5)、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸ブチル(アクリル酸ブチル単独重合
体のSp 値:8.6)等が特に好ましい。
【0051】ビニルエステル系単量体としては、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルが好ましく、シ
アン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリルが好ましく、芳香族ビニル系単量体と
しては、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロ
スチレンが好ましい。
【0052】本発明の共重合体(B)は上記の重合単位
(b1 )、(b2 )、および(b3)以外の重合単位
[以下、他の重合単位と記す。]を含んでいてもよい。
他の重合単位としては、単量体(b1 )〜(b3 )以外
の単量体[以下、他の単量体という。]に基づく重合単
位が好ましい。
【0053】他の単量体としては、エチレン、酢酸ビニ
ル、スチレン、p−メチルスチレン、ビニルアルキルエ
ーテル、アルキル基部分の炭素数が9以上の(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル等が挙げられる。他の単量体
に基づく重合単位を含ませる場合には、共重合体(B)
中に30重量%以下とするのが好ましく、特に0重量%
超〜10重量%とするのが好ましい。
【0054】本発明の共重合体の構造は、上記の重合単
位(b1 )〜(b3 )を含む共重合体である。共重合体
の連鎖構造としては、グラフト、ブロック、ランダムの
いずれでもよく、ランダムが望ましい。グラフト重合体
やブロック重合体では、成形体とした場合に、単量体
(b2 )に基づく重合単位(b2 )は表面に濃縮される
ものの、他の重合単位(b2 )は表面に移行しにくくな
るおそれがある。
【0055】共重合体(B)中の重合単位(b1 )の割
合は5〜90重量%が好ましい。重合単位(b1 )の割
合が90重量%超では、重合単位(b2 )および重合単
位(b3 )の割合が相対的に少なくなるため、樹脂中で
の表面移行性が低下するおそれがある。また重合単位
(b1 )の割合が5重量%未満では、樹脂の抗菌・防黴
性能が不充分となるおそれがあり、また、樹脂添加剤の
大量添加が必要となって樹脂の物性を低下させるおそれ
がある。
【0056】また、共重合体(B)中の重合単位(b
2 )の割合は、共重合体(B)中から、重合単位(b
1 )を除いた部分の10〜60重量%[すなわち、共重
合体(B)中に1〜57重量%]が好ましく、特に30
〜40重量%[すなわち、共重合体(B)中に3〜38
重量%]が好ましい。共重合体(B)中の重合単位(b
2)の割合が1重量%未満では、共重合体(B)中のフ
ッ素含量が少なくなり、フッ素原子に由来する表面移行
性が発現されず、共重合体(B)の樹脂表面近傍への濃
縮が充分でなくなるおそれがある。また、重合単位(b
2 )の割合が57重量%超では、共重合体(B)の樹脂
に対する相溶性が上がりすぎ、表面移行性が低下するた
めに、表面近傍の共重合体(B)の濃度が低下するおそ
れがある。
【0057】共重合体(B)中の重合単位(b3 )の割
合は、共重合体(B)中から、重合単位(b1 )を除い
た部分の40〜90重量%[すなわち、共重合体(B)
中に4〜86重量%]が好ましく、特に60〜70重量
%[すなわち、共重合体(B)中に6〜67重量%]が
好ましい。
【0058】共重合体(B)の合成法は特に制限され
ず、公知ないしは周知の共重合方法を採用できる。例え
ば、単量体(b1 )〜(b3 )、および必要に応じて他
の単量体、を、アゾビスイソブチロニトリル(以下、A
IBNと記す)や過酸化ベンゾイル等のラジカル開始剤
を用いて、懸濁重合、乳化重合、または溶液重合する方
法が挙げられる。溶液重合に用いられる溶液としては、
トルエン、テトラヒドロフラン(以下、THFと記
す)、アセトン、1,1,2−トリクロロトリフルオロ
エタン等が挙げられる。
【0059】共重合体(B)の数平均分子量Mn は50
00〜30000が好ましい。Mnが5000未満で
は、塩化ビニル系樹脂に対するアンカー効果が不充分で
あるおそれがあり、Mn が30000超では、分子の運
動性が低く表面への濃縮率が不充分となるおそれがあ
る。
【0060】共重合体(B)からなる本発明の樹脂添加
剤は、樹脂に含ませて樹脂組成物とすることにより、樹
脂に抗菌性および/または防黴性を付与しうる。樹脂と
しては共重合体(B)と相溶性の樹脂であれば特に限定
されず、共重合体(B)とのSp 値の差が+2〜−2の
範囲内にあるものが好ましい。たとえば、ポリウレタン
樹脂、塩化ビニル系樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹
脂、または、エポキシ樹脂が好ましい。樹脂組成物中の
共重合体(B)の量は、樹脂組成物中に0.1〜20重
量%となる量が好ましい。0.1 重量%未満では目的の
表面特性が得られないおそれがあり、20重量%超では
樹脂の物性を低下させるおそれがある。
【0061】さらに、本発明の共重合体(B)は、塩化
ビニル系樹脂に含ませて塩化ビニル系樹脂樹脂組成物と
するのが特に好ましい。ここで、塩化ビニル系樹脂とし
ては、塩化ビニルの単独重合体、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合
体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体等が挙げら
れ、これらを単独で用いても、二種以上を用いてもよ
い。本発明における塩化ビニル系樹脂は、Sp 値が9〜
10の範囲にあるものが好ましい。
【0062】塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、好まし
くは600〜3500、さらに好ましくは800〜25
00の範囲のものが使用される。平均重合度が小さすぎ
ると樹脂の耐衝撃性、弾性率等の機械的特性や、熱安定
性が低下するおそれがある。また、平均重合度が大きす
ぎると成形性が低下するおそれがある。
【0063】また、本発明の樹脂組成物に含ませうる他
の添加剤としては、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、可塑
剤が好ましく、その他必要に応じて、紫外線吸収剤、光
安定剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤、または難燃助剤等
を併用できる。
【0064】他の添加剤の例としては、ジブチル錫ジラ
ウレート、ジブチル錫マレート等の有機錫系熱安定剤、
ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等の脂肪族
カルボン酸塩、Ba−Zn系の無機安定剤、エポキシ化
大豆油等のエポキシ化合物、有機リン酸塩等の安定剤、
MBS(メチルメタクリレートとブタジエンとスチレン
との共重合体)、アクリルシリコーン等の耐衝撃改良
剤、高級脂肪酸などの滑剤、フェノール系抗酸化剤、カ
ーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム等の充填剤等
がある。
【0065】本発明の樹脂組成物が塩化ビニル系樹脂と
樹脂添加剤とを含む塩化ビニル系樹脂組成物である場合
には、塩化ビニル系樹脂として、可塑剤を含む軟質塩化
ビニル系樹脂を採用してもよい。また、塩化ビニル系樹
脂は、可塑剤を含まない硬質塩化ビニル系樹脂であって
もよい。
【0066】軟質塩化ビニル系樹脂に用いられる可塑剤
としては、一般に使用されているものが採用できる。該
可塑剤としては、下記化合物が挙げられる。これらの可
塑剤は、1種または2種以上を使用できる。
【0067】ジブチルフタレート、ジエチルフタレー
ト、ジヘプチルフタレート、ビス−2−エチルヘキシル
フタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジノニルフ
タレート、ジイソデシルフタレート、ジトリデシルフタ
レート、ブチルベンジルフタレートなどのフタル酸エス
テル系の可塑剤。
【0068】ジメチルアジペート、ジイソブチルアジペ
ート、ジブチルアジペート、ビス−2−エチルヘキシル
アジペート、ジイソデシルアジペート、ジブチレングリ
コールアジペート、ビス−2−エチルヘキシルアゼレー
ト、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ビス−
2−エチルヘキシルセバケートなどの脂肪族二塩基酸系
エステル。
【0069】エポキシ化大豆油、オクチルエポキシステ
アレートなどのエポキシ系化合物。トリメチルホスフェ
ート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェー
ト、トリス−2−エチルヘキシルホスフェート、トリブ
トキシエチルホスフェート、トリオレイルホスフェー
ト、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェ
ート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニ
ルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、
2−エチルヘキシルジフェニルホスフェートなどのリン
酸エステル系の可塑剤。
【0070】2−メチル−1,8−オクタンジオール、
1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、
2−エチルヘキサノール、n−オクタノールなどのヒド
ロキシ化合物とアジピン酸とのエステル等のエステル系
の可塑剤。トリス(2−エチルヘキシル)トリメリレー
ト、トリ(イソデシル)トリメリレートなどのトリメリ
ット酸系の可塑剤。その他、2−エチルヘキシルピロメ
リレートなどのピロメリット酸系化合物、ビフェニルテ
トラカルボン酸エステル系の可塑剤。
【0071】本発明の樹脂組成物は、成形して種々の成
形体とすることができる。樹脂組成物の成形方法として
は、熱可塑性樹脂に適用される一般的方法である射出成
形、押出成形、プレス成形、カレンダー成形等の方法が
挙げられる。樹脂組成物は、ペレットまたはパウダー等
にしたのちに成形するのが好ましい。ペレットは通常の
押出機で作製できる。また、押出の条件は樹脂が劣化し
ない条件であればよく、スクリュー形状、押出温度、押
出速度等は特に限定されない。成形の条件についても、
通常の成形機における条件が採用でき、スクリュー形
状、射出温度、速度、圧力等は、樹脂が劣化しない条件
であれば特に限定されない。
【0072】本発明の成形体は、樹脂自体の物性を損な
うことなく、表面に優れた抗菌性、防黴性、撥水撥油性
を付与できる。したがって、これらの性能を必要とされ
る種々の用途に使用できる。たとえば、給水管、配水
管、電線の被覆剤、手袋、農業用合成樹脂フィルム、合
成皮革、壁紙等の壁材、床材、テント用の幕、日除また
は雨除用の幌、ブーツ、冷蔵庫用ガスケット、サッシ用
のシーリング剤、シート等が挙げられる。
【0073】
【実施例】実施例で用いた重合性単量体、重合溶媒、再
沈溶媒、およびラジカル開始剤は、全て未精製のものを
用いた。また、各種測定は、以下の条件で行った。
【0074】(1)数平均分子量、分子量分布 数平均分子量Mn 、分子量分布Mw /Mn は、ゲルパー
ミエーションクロマトグラフ[東ソー社製HLC802
0]を用い、下記の条件で測定した。 カラム:東ソー社製TSKゲルカラム。 検出器:UVおよびRI。 溶離液:THF。 流速:1.0ml/分。 温度:40℃。 基準物質:スチレン。
【0075】(2)1 H−NMR 重溶媒にCDCl3 を用い、室温で測定した。基準物質
にTMSを用いた。
【0076】[塩化ビニル系樹脂(A1 )の合成例]部
分ケン化ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社
製、商品名:ゴーセノールKH−20)3g、AIBN
0.341g、およびイオン交換水1170gを加圧型
反応器に加え、窒素ガスで置換後、塩化ビニル単量体3
00gを仕込んだ。65℃で6時間反応させた後、未反
応の単量体を回収した。つぎに、脱水、乾燥し、粉末状
の塩化ビニル系樹脂285gを得た。得られた塩化ビニ
ル系樹脂の重合度は800であった。以下、この重合体
を重合体A1 という。重合体A1のSp 値は9.5であ
る。
【0077】[塩化ビニル系樹脂(A2 )の合成例]重
合体A1 の合成例と同様にしてゴーセノールKH−20
を3g、AIBNを0.214g、およびイオン交換水
を1170g、塩化ビニル単量体を300g仕込み、重
合度1300の塩化ビニル系樹脂275gを得た。以
下、この重合体を重合体A2 という。
【0078】[合成例1:共重合体B1 の合成]内部を
窒素置換した1リットルのガラス製フラスコに、RF
の炭素数が6、8、10、12の混合物であり、その平
均炭素数が9であるパーフルオロアルキルエチルアクリ
レート[CH2 =CHCOOCH2 CH2F 、以下、
FAと記す]100g、メタクリル酸メチル(以下、M
MAと記す。)200g、トリ−n−ブチル(2−メタ
クリロイルオキシエチル)ホスホニウムクロリド(日本
化学工業社製、商品名:サイダップス4MA、以下、4
MAと記す)を300g、AIBNを5.0g、トルエ
ンを2500g仕込み、60℃で8時間反応させた。
【0079】フラスコを冷却後、内容物をメタノール中
に注ぎ込み共重合体を得た。得られた共重合体のMn
10000、Mw /Mn は1.86であった。1H−N
MRより共重合体の組成比を求めた結果、FA/MMA
/4MA=98/205/297(重量比)であった。
以下、この共重合体を共重合体B1 という。
【0080】[合成例2〜6:共重合体B2 〜B8 の合
成、比較合成例1〜2:共重合体C1〜C2 の合成]表
1〜3に示す種類および量(単位:g)の重合性単量
体、重合開始剤、およびトルエン2500gを仕込み、
合成例1と同様の条件で共重合体B2 〜B8 、C1 〜C
2 を合成した。得られた共重合体のMn 、組成比(単
位:重量比)を表1〜3に示す。
【0081】ただし、表1〜3においてアクリル酸ブチ
ルをBA、トリ−n−オクチル(4−ビニルベンジル)
ホスホニウムクロリド(日本化学工業社製、商品名:サ
イダップス8CMS)を8CMS、トリ−n−ブチル
(4−ビニルベンジル)ホスホニウムクロリド(日本化
学工業社製、商品名:サイダップス4CMS)を4CM
Sと略記した。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】
【表3】
【0085】[試験片1〜24の作成例]上記で得た塩
化ビニル系重合体A1 、および、共重合体B1 〜B8
ジブチル錫マレート(堺化学社製 商品名:TN100
0、以下、TNと記す) 、ステアリン酸(以下、StA
と記す)、酸化チタン、カーボンブラック(以下、CB
と記す)を、それぞれ、表4〜6に示す割合(単位:重
量部)で配合し、2軸ロールで180℃で混練した後、
180℃、200kg/cm2 でプレス成形し、厚さ3
mmの塩化ビニル系樹脂組成物の試験片1〜24を得
た。
【0086】
【表4】
【0087】
【表5】
【0088】
【表6】
【0089】[比較試験片25〜33の作成例]上記で
得た塩化ビニル系重合体A1 、共重合体C1 〜C2 、市
販の抗菌・防黴剤であるN−フルオロジクロロチオフタ
ルイミド(バイエル社製、商品名:Preventol
A3、以下、PA3と記す)、TN、StA、酸化チ
タン、CBを表7に示す割合(単位:重量部)で配合
し、試験片1の作成例と同様の方法で、比較試験片25
〜33を得た。
【0090】
【表7】
【0091】得られた試験片1〜24、比較試験片25
〜33の物性および特性はつぎの方法で評価した。結果
を表8〜9に示す。なお、表中の「−」は、未評価であ
ることを示す。
【0092】(1)溶融粘度(単位:104 ポイズ) キャピログラフにより、温度180℃、ノズル径1m
m、L/D=10、シェアーレート121.6sec-1
の条件で求めた。 (2)熱変形温度(単位:℃) JIS K7207に準拠し、曲げ応力18.5kg/
cm2 で測定した。 (3)接触角(単位:度) 自動接触角測定器により水に対する接触角を測定した。 (4)濃縮率(単位:倍) 試験片中に均一に分布していると仮定した場合のリン原
子の量に対する、試験片表面に濃縮されたリン原子の量
を求めた。測定はESCAにより、P/Clの原子比を
求め決定した。
【0093】(5)抗菌性 細菌として大腸菌を使用し、その大腸菌液を5cm×5
cm(厚み3mm)の平板表面に滴下した。評価開始時
(0時間)の生菌数と37℃で24時間培養後の生菌数
を数え、(24時間後の生菌数)/[評価開始時(0時
間)の生菌数]を求めた、以下の基準で表記した。 ◎:1/100未満、 ○:1/100以上〜1/500未満、 △:1/500以上〜1/10未満、 ×:1/10以上。
【0094】(6)防黴性 JIS Z2911に記載されるかび抵抗性試験方法に
したがって試験した。値が小であるほうが防黴性に優れ
る。
【0095】
【表8】
【0096】
【表9】
【0097】[試験片34〜57の作成例]上記で得た
塩化ビニル系重合体A2 、ジオクチルフタレート(以下
DOPと略す)、共重合体B1 〜B8 、酸化チタン、お
よびCBを、それぞれ、表10〜12に示す割合(単
位:重量部)で配合し、また、下記添加剤3種を全ての
組成物に添加した。これを180℃の温度でカレンダー
法により加工して0.2mm厚みの塩化ビニル系樹脂層
とし、シート状の試験片34〜57を製造した。
【0098】(添加剤) エポキシ化大豆油 :2.0重量部 Ba−Zn系安定剤 :2.5重量部 ジブチル錫ジラウレート系安定剤:0.2重量部
【0099】
【表10】
【0100】
【表11】
【0101】
【表12】
【0102】[比較試験片58〜66の作成例]上記で
得た塩化ビニル系重合体A2 、共重合体C1 〜C2 、P
A3、DOP、酸化チタン、CBを表13に示す割合
(単位:重量部)で配合し、試験片34の作成例と同様
の方法で、比較試験片58〜66を得た。
【0103】
【表13】
【0104】得られた試験片34〜57、比較試験片5
8〜66について、接触角、濃縮率、抗菌性、および防
黴性を上記と同様の方法で評価した。結果を表14〜1
5に示す。
【0105】
【表14】
【0106】
【表15】
【0107】
【発明の効果】本発明の共重合体(B)からなる樹脂添
加剤は、樹脂自体の物性を損なうことなく、優れた抗菌
・抗黴性、および撥水性を樹脂表面に付与できる。ま
た、共重合体(B)は樹脂表面に効率的に濃縮される利
点もある。また、本発明の樹脂添加剤は安定したアンカ
ー効果を発現するため、樹脂中に安定に存在し、性能が
持続する利点もある。
【0108】本発明の樹脂組成物は、成形性にも優れ、
該組成物から得られた成形体は、表面が抗菌・抗黴性、
および撥水性となることから非常に衛生的であり、か
つ、外観が損なわれない利点もある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 16/34 C08F 16/34 20/10 20/10 20/22 20/22 26/00 26/00 30/02 30/02 30/04 30/04 34/02 34/02 C08J 3/20 CEV C08J 3/20 CEVZ C08L 27/00 C08L 27/00 101/00 101/00

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記重合単位(b1 )、下記重合単位(b
    2 )、および下記重合単位(b3 )を含む共重合体
    (B)からなる樹脂添加剤。 重合単位(b1 ):抗菌性および/または防黴性を発現
    する有機残基を有する重合性単量体に基づく重合単位。 重合単位(b2 ):フッ素原子を含有する重合性単量体
    に基づく重合単位であり、かつ、重合単位(b1 )以外
    の重合単位。 重合単位(b3 ):塩化ビニル系樹脂との相溶性を有す
    る重合性単量体に基づく重合単位であり、かつ、重合単
    位(b1 )および重合単位(b2 )以外の重合単位。
  2. 【請求項2】重合単位(b1 )が下式1で表される重合
    性単量体に基づく重合単位である請求項1記載の樹脂添
    加剤。 D−Q1 −U1 ・・・式1 ただし、式1中の記号は、以下の意味を示す。 D:重合性不飽和基。 Q1 :単結合、または、2価連結基。 U1 :フェノール骨格、ピリジン骨格、ピリジニウム骨
    格、キノリン骨格、トリアジン骨格、イソチアゾロン骨
    格、フタルイミド骨格、アニリド骨格、ビグアニド骨
    格、イミダゾール骨格、チアゾール骨格、グルコサミン
    骨格、トロポロン骨格、フェノキサアルシン骨格、ホス
    ホニウム骨格、アルデヒド基含有骨格、カルボキシル基
    含有骨格、エステル基含有骨格、エポキシ基含有骨格、
    パーオキシ基含有骨格、ジスルフィド基含有骨格、チオ
    カルボニル基含有骨格、またはアンモニウム基含有骨格
    を含む1価の基。
  3. 【請求項3】式1で表される重合性単量体が、下式2で
    表される重合性単量体である請求項2記載の樹脂添加
    剤。 CH2 =CR1 −Q2 −U2 ・・・式2 ただし、式中の記号は以下の意味を示す。 R1 :水素原子またはメチル基。 Q2 :単結合、または、2価連結基。 U2 :−P+345 ・X- (ただし、R3 、R
    4 、およびR5 はそれぞれ同一であっても異なっていて
    もよく1価有機基を示す。X- は対イオンを示す。)。
  4. 【請求項4】重合単位(b2 )が、下式3で表される重
    合性単量体に基づく重合単位である請求項1、2、また
    は3記載の樹脂添加剤。 CH2 =CR2 COO−Q3 −Rf ・・・式3 ただし、式3中の記号は、以下の意味を示す。 R2 :水素原子またはメチル基。 Q3 :単結合または2価連結基。 Rf :ポリフルオロアルキル基。
  5. 【請求項5】重合単位(b3 )が、アルキル基部分の炭
    素数が1〜8であるアクリル酸アルキルエステルまたは
    アルキル基部分の炭素数が1〜8であるメタクリル酸ア
    ルキルエステルに基づく重合単位である、請求項1、
    2、3、または4記載の樹脂添加剤。
  6. 【請求項6】共重合体(B)がランダム共重合体である
    請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂添加剤。
  7. 【請求項7】共重合体(B)中の重合単位(b1 )の割
    合が5〜90重量%であり、重合単位(b2 )の割合が
    1〜57重量%であり、かつ、重合単位(b3 )の割合
    が4〜86重量%である、請求項1〜6のいずれかに記
    載の樹脂添加剤。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂添加
    剤と樹脂とを含む樹脂組成物。
  9. 【請求項9】樹脂が塩化ビニル系樹脂である請求項8記
    載の樹脂組成物。
  10. 【請求項10】樹脂組成物中に樹脂添加剤を0.1 〜2
    0重量%含む請求項8または9記載の樹脂組成物。
  11. 【請求項11】請求項8、9、または10記載の樹脂組
    成物を成形してなる成形体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101287810B1 (ko) * 2005-09-22 2013-07-26 클라리안트 프로두크테 (도이칠란트) 게엠베하 연료유의 저온 유동성 및 윤활성 향상용 첨가제
CN116102673A (zh) * 2022-12-09 2023-05-12 北京化工大学 基于交联抗菌性聚合物颗粒的抗菌性添加剂和其制造方法,氯乙烯系树脂组合物和成形品
CN116102674A (zh) * 2022-12-09 2023-05-12 北京化工大学 基于非交联的抗菌性聚合物的抗菌性添加剂和其制造方法,氯乙烯系树脂组合物和成形品

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