JPH10259284A - 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム - Google Patents

農業用塩化ビニル系樹脂フィルム

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JPH10259284A
JPH10259284A JP10018205A JP1820598A JPH10259284A JP H10259284 A JPH10259284 A JP H10259284A JP 10018205 A JP10018205 A JP 10018205A JP 1820598 A JP1820598 A JP 1820598A JP H10259284 A JPH10259284 A JP H10259284A
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vinyl chloride
weight
chloride resin
drip
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JP10018205A
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Toshimi Machida
稔巳 町田
Naoshige Nakagawa
直重 中川
Nobuyuki Kikuiri
信幸 菊入
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Achilles Corp
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Achilles Corp
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 農業用塩化ビニル系樹脂フィルムの防滴持続
性並びに防霧持続性を向上させる。 【解決手段】 エチレン含有量が0.1〜10重量%で
あるエチレン−塩化ビニル系共重合体5〜100重量%
と、他の塩化ビニル系重合体95〜0重量%とからなる
塩化ビニル系樹脂100重量部当たり、防滴剤0.5〜
6重量部、眼フッ素化合物0.01〜1.0重量部、少
なくともLi、Al、Siを含み、平均粒子径が0.0
1〜10μmの板状無機粒子0.1〜15重量部添加し
た塩化ビニル系樹脂組成物をフィルム化して農業用塩化
ビニル系樹脂フィルムを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農業用被覆材とし
て使用される農業用塩化ビニル系樹脂フィルム、詳細に
は、塩化ビニル系樹脂として特定のエチレン−塩化ビニ
ル共重合体を使用した防滴持続性、防霧持続性に優れた
農業用塩化ビニル系樹脂フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、トンネルや農業用ハウス等の
農業用施設に使用する被覆材(農業用被覆材)として、
安価で透明性がよく、保温性や強度等にも優れる上、フ
ィルム化が容易等の理由から、塩化ビニル単独重合体で
あるポリ塩化ビニルからなるフィルム(農業用ポリ塩化
ビニルフィルム)が広く使用されている。この農業用ポ
リ塩化ビニルフィルムは、一般に、ポリ塩化ビニルに、
可塑剤、安定剤、防滴剤、防霧剤、紫外線吸収剤等の添
加剤を所定量配合してなる組成物を、カレンダー法等の
手段にてフィルム化したものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで近年では、農
家の人手不足や省資源等の理由から、長期に亘って展張
することが可能な農業用被覆材が望まれており、農業用
ポリ塩化ビニルフィルムに関しても、長期展張を指向し
た提案が数多くなされてきた。特に、農業用塩化ビニル
系樹脂フィルムを長期に亘って展張可能とするために
は、防滴性、防霧性を長期間持続させることが必要不可
欠であり、防滴剤や防霧剤の種類を特定したり、他の添
加剤を組み合わせて使用することを特定した提案等が多
くなされている。しかしながら、防滴性や防霧性が長期
間持続するようにした場合、一般に初期の防滴性や防霧
性が低下する傾向にある。
【0004】一方、本発明出願人は、特願昭63−17
4286号として、特定のエチレン−塩化ビニル共重合
体を使用した、防滴持続性及び防霧持続性に優れる農業
用塩化ビニル系樹脂フィルムを提案(以下、「先提案」
という)した。本発明は、上記の先提案に更に改良を加
えたものであり、特定の無機粒子を併用することによ
り、防滴持続性及び防霧持続性を更に向上させた農業用
塩化ビニル系樹脂フィルムを提供することを目的とする
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
は、エチレン含有量が0.1〜10重量%であるエチレ
ン−塩化ビニル共重合体5〜100重量%と、他の塩化
ビニル系重合体95〜0重量%とからなる塩化ビニル系
樹脂100重量部当たり、防滴剤0.5〜6重量部、含
フッ素化合物0.01〜1.0重量部、少なくともL
i、Al、Siを含み、平均粒子径0.01〜10μm
の板状無機粒子を0.1〜15重量部添加した塩化ビニ
ル系樹脂組成物をフィルム化したことを特徴とするもの
である。
【0006】本発明において使用される塩化ビニル系樹
脂は、エチレン含有量が0.1〜10重量%であるエチ
レン−塩化ビニル共重合体単独、もしくはエチレン含有
量が0.1〜10重量%であるエチレン−塩化ビニル共
重合体と他の塩化ビニル系重合体との混合物であり、エ
チレン含有量が0.1〜10重量%であるエチレン−塩
化ビニル共重合体5〜100重量%と、他の塩化ビニル
系重合体95〜0重量%とからなるものである。
【0007】上記のエチレン−塩化ビニル共重合体は、
エチレン含有量が0.1〜10重量%、特に好ましくは
0.5〜7重量%である。エチレン−塩化ビニル共重合
体中のエチレン含有量が少なすぎると、防滴持続性及び
防霧持続性の向上が充分に発現せず、逆にエチレン−塩
化ビニル共重合体中のエチレン含有量が多すぎると、得
られる農業用塩化ビニル系樹脂フィルムの耐候性が悪化
する。
【0008】上記のエチレン−塩化ビニル共重合体に混
合される他の塩化ビニル系重合体としては、塩化ビニル
の単独重合体であるポリ塩化ビニルの他、塩化ビニルと
エチレン以外の他のモノマー、具体的には、プロピレ
ン、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、アクリル酸、メタク
リル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、
マレイン酸、フマール酸、アクリロニトリル、アルキル
ビニルエーテル等との共重合体が挙げられる。また、エ
チレン含有量が0.1重量%未満あるいは10重量%を
超えるエチレン−塩化ビニル共重合体を混合しても差し
支えないが、特にエチレン含有量が10重量%を超える
エチレン−塩化ビニル共重合体を使用する場合には、塩
化ビニル系樹脂中の全エチレン量が、多くなりすぎない
ように留意する必要がある。
【0009】上記の塩化ビニル系樹脂中に含まれる全エ
チレン量は、0.1〜7重量%程度とするのが望まし
い。すなわち、エチレン含有量が0.1重量%のエチレ
ン−塩化ビニル共重合体を使用する場合には、エチレン
−塩化ビニル共重合体単独からなる塩化ビニル系樹脂と
するのが望ましく、またエチレン含有量が7〜10重量
%のエチレン−塩化ビニル共重合体を使用する場合に
は、エチレン−塩化ビニル共重合体とエチレンを含まな
い他の塩化ビニル系重合体を混合して塩化ビニル系樹脂
とするのが望ましい。
【0010】上記の塩化ビニル系樹脂には、防滴剤が添
加される。この防滴剤としては、従来から知られている
ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステ
ル、グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エ
ステル、ソルビタン脂肪酸・二塩基酸エステル、ソルビ
トール脂肪酸・二塩基酸エステル、グリセリン脂肪酸・
二塩基酸エステル、ジグリセリン脂肪酸・二塩基酸エス
テル等の多価アルコールと脂肪酸とのエステル、多価ア
ルコールの脂肪酸及び二塩基酸とのエステル、或いはこ
れらに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等
のアルキレンオキサイドが付加された化合物等が使用で
き、具体的には、ソルビタンパルミテート、ソルビタン
ステアレート、ソルビタンステアレート・エチレンオキ
サイド2モル付加物、ソルビタンステアレート・プロピ
レンオキサイド3モル付加物、ソルビトールステアレー
ト、ソルビトールステアレート・エチレンオキサイド3
モル付加物、ジグリセリンパルミテート、ジグリセリン
ステアレート、グリセリンステアレート、グリセリンパ
ルミテート・エチレンオキサイド2モル付加物、ソルビ
タンステアレートアジペート・エチレンオキサイド3モ
ル付加物、ソルビトールステアレートアジペート・エチ
レンオキサイド2モル付加物、ジグリセリンパルミテー
トセバケート・プロピレンオキサイド3モル付加物、ソ
ルビトールパルミテートアジペート・エチレンオキサイ
ド3モル付加物等が使用できるが、特に好ましくは、ソ
ルビタンパルミテート等のソルビタン系の防滴剤であ
る。これらの防滴剤は、単独で使用してもよいし、二種
以上を組み合わせて使用してもよい。
【0011】上記の防滴剤の添加量は、上記の塩化ビニ
ル系樹脂100重量部に対し、0.5〜6重量部であ
る。防滴剤の添加量が少なすぎると、得られるフィルム
の防滴性が不充分であり、また防滴剤の添加量が多すぎ
ると、コスト高となるばかりでなく、添加した防滴剤が
ブルームして、フィルムの透明性を損なう懸念がある。
【0012】上記の塩化ビニル系樹脂には、上記の防滴
剤と共に、防霧剤として含フッ素化合物を含む。この含
フッ素化合物は、一分子中に、含フッ素基と、水酸基ま
たはアルキレンオキサイド基の少なくとも一種を有する
化合物である。含フッ素基としては、パーフルオロアル
キル基(Cn 2n+1基)、パーフルオロアルコキシ基
(Cn 2n+1O基)、ポリフルオロアルキル基(Hm
n 2n+1-m基)、パーフルオロアルケニル基(Cn
2n-1基)、ポリフルオロアルケニル基(Hm n
2n-1-m基)、パーフルオロアルキレン基(Cn 2n基)
等が挙げられ(但し、式中のmは1〜3、nは3〜20
の整数)、アルキレンオキサイド基としては、(C2
4 O)n 、(C36 O)n 等が挙げられる(但し、式
中のnは1〜30の整数)。
【0013】含フッ素化合物として具体的には、化3の
(1)〜(13)に示すものが挙げられるが、これらに
限定されるものではない。
【化3】
【0014】含フッ素化合物の添加量は、塩化ビニル系
樹脂100重量部に対し、0.01〜1.0重量部、特
に好ましくは0.05〜0.5重量部である。含フッ素
化合物の添加量が少なすぎると、得られるフィルムの防
霧性が不充分となり、含フッ素化合物の添加量が多すぎ
るとコスト高となる。
【0015】本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
を構成する塩化ビニル系樹脂組成物は、上記した防滴剤
及び含フッ素化合物とともに、Li、Al、Siを含
み、かつ平均粒子径0.01〜10μmの板状無機粒
子、例えば、化4、化5に示す構造式で示される板状無
機粒子が添加される。
【化4】
【化5】
【0016】化4、化5に示す化合物は、Li、Al及
びSiを有する複合金属水酸化物塩である。また、式中
のMとして具体的には、Mg、Zn、Ba、Ca、C
d、Pb等から選ばれる一種以上が挙げられるが、特に
好ましくは、Mg及び/又はZnである。尚、化4に示
す化合物においては、Mは必ずしも含んでいなくてもよ
い。むしろ、この金属の比率が高いものを使用しても、
本発明の目的とする防滴性、防霧性の持続性の向上が充
分に発現しない。従って、化4に示す化合物として好ま
しくは、a+xの値が0.5以上、更に好ましくは0.
8以上となっているものである。
【0017】上記の板状無機粒子は、凝集して二次粒子
を形成したものであってもよい。また、上記の板状無機
粒子としては、平均(二次)粒子径が5μm以下、屈折
率が1.45〜1.55程度のものが特に好適である。
なお、上記の板状無機粒子は、塩化ビニル系樹脂組成物
中への分散性を向上させるために、パラフィン、高級脂
肪酸、高級脂肪酸のアルカリ金属塩、高級アルコール、
多価アルコール、カップリング剤などの表面処理剤によ
って表面処理したものであってもよい。
【0018】上記の板状無機粒子の添加量は、塩化ビニ
ル系樹脂100重量部に対し、0.1〜15重量部、特
に好ましくは、1〜10重量部である。板状無機粒子の
添加量が少なすぎると、防滴持続性及び防霧持続性が向
上せず、添加量が多すぎると、得られるフィルムの透明
性や強度が低下する。
【0019】本発明において使用する板状無機粒子は、
少なくともLi、Al、Siを含んでいることが肝要で
ある。同じ平均粒子径の板状無機粒子であっても、L
i、Al、Siのいずれか一つでも欠いたものを使用し
た場合には、防滴持続性及び防霧持続性が向上しない。
しかし、少なくともLi、Al、Siを含み、かつ平均
粒子径0.01〜10μmの板状の無機粒子を使用した
場合には、理由は定かではないが、初期の防滴性及び防
霧性を損なうことなく防滴持続性及び防霧持続性が向上
するのである。
【0020】上記の塩化ビニル系樹脂には、防滴剤、含
フッ素化合物、板状無機粒子に加えて、必要に応じて、
可塑剤、安定剤、滑剤又は粘着防止剤、紫外線吸収剤、
抗酸化剤、光安定剤等の各種添加剤が添加される。
【0021】可塑剤として具体的には、ジ−n−オクチ
ルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ
イソノニルフタレート、ジブチルフタレート、ブチルベ
ンジルフタレート、ジラウリルフタレート、ジデシルフ
タレート、ジウンデシルフタレート、ジトリデシルフタ
レート等のフタル酸エステル系可塑剤;トリクレジルホ
スフェート、トリキシリルホスフェート、トリス(イソ
プロピルフェニル)ホスフェート、トリブチルホスフェ
ート、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフェ
ート、トリエチルフェニルホスフェート等のリン酸エス
テル系可塑剤;ジオクチルアジペート、ジトリノニルア
ジペート、ジイソデシルアジペート等のアジピン酸エス
テル系可塑剤;ポリエステル系可塑剤;セバチン酸エス
テル系可塑剤;トリメリット酸エステル系可塑剤;エポ
キシ化大豆油等のエポキシ系可塑剤、などから選ばれる
一種以上が使用できる。また、可塑剤の添加量は、塩化
ビニル系樹脂100重量部当たり30〜70重量部程度
である。
【0022】安定剤としては、金属石鹸、有機ホスファ
イト系安定剤等の通常使用されている安定剤を使用する
ことができる。金属石鹸としては、ステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、リシ
ノール酸バリウム、ラウリン酸カルシウム、オレイン酸
カルシウム、オクトイン酸亜鉛などが挙げられる。有機
ホスファイト系安定剤としては、ジフェニルデシルホス
ファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニル
フェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、ト
リス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリステア
リルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト等
が挙げられる。上記の安定剤は、一種又は二種以上を組
み合わせて使用することができる。
【0023】滑剤又は粘着防止剤としては、ステアリン
酸、イソステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸系滑
剤;ステアリン酸アミド、メチレンビスステアロアミ
ド、エチレンビスステアロアミド等の脂肪酸アミド系滑
剤;ブチルパルミテート、ブチルステアレート等のエス
テル系滑剤;バリウムイソデシルホスフェート、カルシ
ウムオクタデシルホスフェート等の有機リン酸金属塩系
滑剤;ポリエチレンワックス、流動パラフィン等が挙げ
られる。上記の滑剤又は粘着防止剤は、一種又は二種以
上を組み合わせて使用することができる。
【0024】紫外線吸収剤としては、一般に使用されて
いるベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチ
ル酸エステル系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収
剤が使用できる。上記の紫外線吸収剤は、一種又は二種
以上を組み合わせて使用することができる。
【0025】光安定剤としては、一般に使用されてい
る、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン単位を有
するヒンダードアミン系光安定剤を使用することができ
る。このヒンダードアミン系光安定剤としては、分子量
が800〜2000程度のものが好適である。また、上
記の光安定剤の添加量は、塩化ビニル系樹脂100重量
部に対し、0.01〜0.3重量部程度である。
【0026】なお、本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フ
ィルムを構成する塩化ビニル系樹脂組成物中には、上記
の通常使用される添加剤に加えて、得られるフィルムの
耐候性を更に向上させるために、化6に示す有機リン系
化合物を添加することもできる。
【化6】
【0027】本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
においては、上記の板状無機粒子と、従来より農業用塩
化ビニル系樹脂フィルムに使用されている、炭酸マグネ
シウム、マグネシウム珪酸塩、酸化珪素、酸化アルミニ
ウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト類等の
他の無機粒子とを併用しても差し支えない。これらの他
の無機粒子としては、粒径が20μm以下のものを使用
するのが望ましい。
【0028】なお、上記の板状無機粒子を塩化ビニル系
樹脂組成物中に添加した場合、カレンダー加工等でフィ
ルム化するときに、該組成物が変色し易くなる。それを
防止するためには、上記に加えてβ−ジケトン化合物を
添加するのが望ましい。このβ−ジケトン化合物として
は、ジベンゾイルメタン、メトキシベンゾイル・ベンゾ
イルメタン、クロロベンゾイル・ベンゾイルメタン、パ
ルミチルベンゾイルメタン等が使用できる。β−ジケト
ン化合物の添加量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に
対し、0.001〜0.3重量部である。β−ジケトン
化合物の添加量が少なすぎると、上記の効果が充分に発
現せず、また、β−ジケトン化合物を上記添加量を超え
て添加しても、上記の効果は比例的に向上せず、コスト
高となるだけである。
【0029】また、上記の板状無機粒子を塩化ビニル系
樹脂組成物中に添加した場合、得られるフィルムの耐候
性が低下する傾向にある。これを防止するためには、紫
外線吸収剤の種類や添加量を選定、調整することによっ
て330nmの波長の光線透過率は50%以下に抑制し
ておくのが望ましい。但し、紫外線帯の光線透過率を必
要以上に抑制してしまうと、作物の色付き等に悪影響を
及ぼすことが懸念されるため、使用する作物の特性など
も考慮した上で、紫外線帯の光線透過率を決定すること
が重要である。勿論、上記のように330nmの波長の
光線透過率は50%以下にするとともに、耐候性を向上
させるトリキシリルホスフェート等のリン酸エステル系
可塑剤、上記化6に示す有機リン系化合物、ヒンダード
アミン系光安定剤等を添加するなどして耐候性を向上さ
せることが、長期展張可能な農業用フィルムを得る上で
は必要である。
【0030】上記の塩化ビニル系樹脂組成物は、カレン
ダー法、押出法、インフレーション法等の公知の手段に
てフィルム化され、本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フ
ィルムが得られる。なお、フィルム化するときの温度等
の加工条件は、従来の農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
の場合と特に変える必要はない。
【0031】上記のようにして得られた本発明の農業用
塩化ビニル系樹脂フィルムは、従来の農業用塩化ビニル
系樹脂フィルムのように、展張した際に外側となる面
に、溶剤型、水系型あるいは紫外線硬化型の塗料を塗布
して形成した防塵性被膜を設けることもできる。上記の
溶剤型塗料としては、例えば、アクリル樹脂系、塩化ビ
ニル樹脂系、セルロース樹脂系、フッ素樹脂系、ポリア
ミド樹脂系、ウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系、シリコ
ーン樹脂系などの塗料が使用できる。水系型塗料として
は、例えば、アクリル樹脂系、ポリエステル樹脂系、ウ
レタン樹脂系、エポキシ樹脂系などの塗料が使用でき
る。紫外線硬化型塗料としては、例えば、アクリル樹脂
系、アクリル変性ウレタン樹脂系、アクリル変性エポキ
シ樹脂系、メルカプト誘導体系、エポキシ樹脂系などの
塗料が使用できる。
【0032】また、本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フ
ィルムは、展張した際に内側となる面に、防滴性を付与
することを目的とする被膜、例えば、上記の溶剤型、水
系型あるいは紫外線硬化型の塗料にコロイダルシリカな
どを添加して得た塗料による被膜などを形成してもよ
い。
【0033】
【実施例】以下、具体的な実施例を挙げ、本発明をより
詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施例に限定さ
れるものではない。
【0034】〔実施例1〜7、比較例1〜5〕表1、表
2に示す配合からなる塩化ビニル系樹脂組成物を、ロー
ル温度180℃のカレンダー装置を用いて、厚さ0.1
mmのフィルムに成形し、塩化ビニル系樹脂フィルムを
得た。得られた塩化ビニル系樹脂フィルムを、幅1m、
高さ80cm、長さ10mのトンネルハウスに展張し、
初期の防滴性、防滴持続性、初期の防霧性、防霧持続性
について下記方法にて評価した。結果を表1、表2に示
す。
【0035】<評価方法> (1)初期の防滴性 展張後してから3日後に、フィルムのハウス内表面側の
状態を目視により観察し、下記基準にて評価した。 〔基準〕 5:水滴が全く見られず、水が膜状となってきれいに流
れている。 4:極僅かに水滴が見られるが、水が膜状となってきれ
いに流れている。 3:水滴は少ないが、水が筋状となって流れている。 2:水滴が多く、水が筋状となって流れている。 1:多量の水滴が付着し、殆ど流れていない。 (2)防滴持続性 展張してから3ケ月後、6ケ月後、12ケ月後の、フィ
ルムのハウス内表面側の状態を目視により観察し、上記
と同じ基準にて評価した。 (3)初期の防霧性 展張してから3日後に、ハウス内での霧の発生状態を目
視により観察し、下記基準にて評価した。 〔基準〕 5:霧の発生が全く見られない。 4:僅かに霞んで見える部分がある。 3:霧の発生が僅かに見られる。 2:霧の発生が多く見られる。 1:ハウス内が霧で充満している。 (4)防霧持続性 展張してから3ケ月後、6ケ月後、12ケ月後の、ハウ
ス内での霧の発生状態を目視により観察し、上記と同じ
基準にて評価した。 (5)耐候性 展張してから12ケ月後のフィルムの状態(特に、金属
製パイプとの接触部)の状態を目視により観察し、変色
の殆どないものを○、変色の見られるものを×として評
価した。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】上記の実施例からも明らかなように、板状
無機粒子を添加しない場合や、板状無機粒子として、タ
ルクのようにLi、Al、Siのいずれかを欠いたもの
を使用した場合(比較例1、2)、あるいは塩化ビニル
系樹脂としてポリ塩化ビニルを使用した場合(比較例
4、5)では、実施例1〜7のものに比較して、防滴持
続性並びに防霧持続性に劣り、エチレン含有量の高いエ
チレン−塩化ビニル共重合体を使用した場合(比較例
3)では、防滴持続性並びに防霧持続性の面では、実施
例1〜7より僅かに劣る程度であるが、耐候性の面で著
しく劣ることがわかる。
【0039】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明の農業用
塩化ビニル系樹脂フィルムは、特定のエチレン−塩化ビ
ニル共重合体を含む塩化ビニル系樹脂からなり、特定量
の防滴剤、含フッ素化合物及び特定の板状無機粒子を添
加してなるので、初期の防滴性及び防霧性を損なうこと
なく、防滴持続性及び防霧持続性が著しく向上したもの
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5/06 C08K 5/06 5/07 5/07 5/10 5/10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン含有量が0.1〜10重量%で
    あるエチレン−塩化ビニル共重合体5〜100重量%
    と、他の塩化ビニル系重合体95〜0重量%とからなる
    塩化ビニル系樹脂100重量部当たり、防滴剤0.5〜
    6重量部、含フッ素化合物0.01〜1.0重量部、少
    なくともLi、Al、Siを含み、平均粒子径が0.0
    1〜10μmの板状無機粒子0.1〜15重量部添加し
    た塩化ビニル系樹脂組成物をフィルム化した農業用塩化
    ビニル系樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】 板状無機粒子が、化1の構造式で示され
    る化合物又は化2の構造式で示される化合物である請求
    項1記載の農業用塩化ビニル系樹脂フィルム。 【化1】 【化2】
  3. 【請求項3】 塩化ビニル系樹脂100重量部当たり、
    β−ジケトン化合物を0.001〜0.3重量部添加し
    てなる請求項1または2記載の農業用塩化ビニル系樹脂
    フィルム。
  4. 【請求項4】 塩化ビニル系樹脂中の全エチレン量が、
    0.1〜7重量%である請求項1〜3いずれか1項記載
    の農業用塩化ビニル系樹脂フィルム。
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