JP2914887B2 - 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム - Google Patents

農業用塩化ビニル系樹脂フィルム

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JP2914887B2
JP2914887B2 JP7115162A JP11516295A JP2914887B2 JP 2914887 B2 JP2914887 B2 JP 2914887B2 JP 7115162 A JP7115162 A JP 7115162A JP 11516295 A JP11516295 A JP 11516295A JP 2914887 B2 JP2914887 B2 JP 2914887B2
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
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    • Y02A40/25Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor

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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、農業用塩化ビニル系樹
脂フィルムに関し、詳しくは耐候性に優れ、長期間にわ
たって展張可能な農業用塩化ビニル系樹脂フィルムに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、農業用のトンネル、簡易温室
等の被覆材として、安価で透明性が良く、保温性や強度
に優れ、かつフィルムに加工するのが容易であるなどの
理由から、塩化ビニル単独重合体であるポリ塩化ビニル
樹脂からなる農業用フィルムが広く用いられている。ま
た、積極的にポリ塩化ビニル以外の塩化ビニル系樹脂を
用いた農業用フィルムとしては、特開平2−24341
号公報に提案されている特定量のエチレンを含有するエ
チレン−塩化ビニル共重合樹脂を用いたものが知られて
いる。この提案は、農業用塩化ビニル系樹脂フィルムの
防滴持続性、または防霧持続性を向上させることを目的
とし、そのためにエチレン−塩化ビニル共重合樹脂中の
エチレン含有量を比較的広範囲に設定し、さらに防滴剤
を加えることを必須の要件とするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年では農家の
人手不足等の理由により、展張作業がなるべく少ない回
数で済むように、長期間にわたって展張することが可能
な耐候性に優れた農業用フィルムが求められており、こ
のような農業用フィルムを得る手段として、ポリ塩化ビ
ニルに特定の添加剤を添加する等の各種手段が提案され
てはいる。しかしながら、これらのポリ塩化ビニルから
なる農業用フィルムであっても、耐候性が充分とは言え
ず、より一層優れた耐候性を有する農業用フィルムの開
発が望まれていた。
【0004】本発明者等は、先に提案された上記の特定
量のエチレンを含有するエチレン−塩化ビニル共重合樹
脂を用いた農業用塩化ビニル系樹脂フィルムを基に、更
に研究を進めていった結果、全く意外にも上記提案より
も更に特定範囲量のエチレンを含有するエチレン−塩化
ビニル共重合樹脂を含む塩化ビニル系樹脂を用い、かつ
塩化ビニル系樹脂中の全エチレン量と特定するととも
に、トリアリールホスフェートおよび特定の有機リン酸
化合物を塩化ビニル系樹脂に特定量添加することによっ
て、従来のポリ塩化ビニルを用いた農業用フィルムより
も優れた耐候性を有する農業用フィルムが得られること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の農業用塩化ビニ
ル系樹脂フィルムは、エチレン含有量が0.1〜7.0
重量%のエチレン−塩化ビニル共重合樹脂5〜100重
量部と他の塩化ビニル系樹脂95〜0重量部からなり、
かつ全エチレン含有量が0.1〜7.0重量%である塩
化ビニル系樹脂100重量部に対し、トリアリールホス
フェートを0.05〜5重量部、化1あるいは化2に示
す一般式で表される有機リン酸化合物から選ばれる少な
くとも一種以上を0.05〜2.5重量部添加した塩化
ビニル系樹脂組成物をフィルム化してなることを特徴と
するものである。
【0006】
【化1】 (式中R1 〜R4 は、同一または置換基を有してもよい
相異なるアリール基を示す)
【0007】
【化2】 (式中R1 、R3 は、同一または相異なる置換基を有し
てもよいアリール基を示し、R2 、R4 、R5 は、同一
または異なるアルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、アルキル置換アリール基、アリール置換アルキル
基、アルケニル基、アリール置換アルケニル基、エポキ
シ基を示す。Yは多価アルコール残基で、一般式〔R’
(OR’)m 〕で表される。R’は炭素数5以下のアル
キレン基またはアルケニレン基またはこれらの置換され
た基を示し、mは0〜10の整数を示す。)
【0008】本発明で全塩化ビニル系樹脂中に5重量%
以上含まれるエチレン−塩化ビニル共重合樹脂は、エチ
レンの含有量が0.1〜7.0重量%の範囲である。エ
チレン含有量が0.1重量%未満のエチレン−塩化ビニ
ル共重合樹脂を用いても、本発明が期待する耐候性の向
上が見られず、またエチレンの含有量が7.0重量%を
超えるエチレン−塩化ビニル共重合樹脂を用いると、フ
ィルムに加工するのが困難となり、表面平滑で、かつ透
明性に優れる農業用塩化ビニル系樹脂フィルムを得るこ
とができない。
【0009】エチレン−塩化ビニル共重合樹脂は、単独
で用いることもできるし、全塩化ビニル系樹脂中のエチ
レン−塩化ビニル共重合樹脂量が5重量%未満となら
ず、かつ全塩化ビニル系樹脂中の全エチレン量が0.1
〜7.0重量%となる範囲であれば、他の塩化ビニル系
樹脂と混合して使用してもよい。
【0010】本発明で使用される、上記のエチレン−塩
化ビニル共重合樹脂単独またはエチレン−塩化ビニル共
重合樹脂と他の塩化ビニル系樹脂の混合物からなる塩化
ビニル系樹脂は、塩化ビニル系樹脂中の全エチレン量が
0.1〜7.0重量%、好ましくは0.3〜3.0重量
%の範囲になければならない。エチレン含有量が0.1
〜7.0重量%のエチレン−塩化ビニル共重合樹脂を用
いても、塩化ビニル系樹脂中の全エチレン量が0.1〜
7.0重量%の範囲内にないと、耐候性の向上が充分に
発揮されないのみならず、得られる塩化ビニル系樹脂フ
ィルムの強度が充分でなかったり、フィルムに加工する
のが困難となるといった問題が生じる虞がある。また、
全塩化ビニル系樹脂中の全エチレン量が0.1〜7.0
重量%の範囲内にあっても、エチレン含有量が0.1〜
7.0重量%の範囲のエチレン−塩化ビニル共重合樹脂
が5重量%以上含まれていないと、同様に耐候性の向上
が充分に発揮されないのみならず、塩化ビニル系樹脂フ
ィルムの強度が充分でなかったり、フィルムに加工する
のが困難となるといった問題が生じる虞がある。
【0011】エチレン含有量が0.1〜7.0重量%の
エチレン−塩化ビニル共重合樹脂に混合可能な塩化ビニ
ル系樹脂としては、ポリ塩化ビニル(塩化ビニル単独重
合樹脂)の他、塩化ビニルと他モノマーとの共重合樹脂
が挙げられる。塩化ビニルと共重合可能なエチレン以外
のモノマーとしては、例えばプロピレン、酢酸ビニル、
塩化ビニリデン、アクリル酸、アクリル酸エステル、メ
タクリル酸、メタクリル酸エステル、マレイン酸、フマ
ール酸、アクリロニトリル、アルキルビニルエーテル等
が挙げられる。また、全塩化ビニル系樹脂中の全エチレ
ン含有量が、0.1〜7.0重量%の範囲内となる程度
であれば、上記のエチレン−塩化ビニル共重合樹脂に混
合する塩化ビニル系樹脂として、エチレン含有量が0.
1重量%未満あるいは7.0重量部を超えるエチレン−
塩化ビニル共重合樹脂を用いることもできる。
【0012】本発明で使用される、上記のエチレン−塩
化ビニル共重合樹脂単独またはエチレン−塩化ビニル共
重合樹脂と他の塩化ビニル系樹脂の混合物からなる塩化
ビニル系樹脂(以下、単に「塩化ビニル系樹脂」と記
す)には、必要に応じて、可塑剤、防滴剤、含フッ素化
合物、安定剤、滑剤または粘着防止剤、紫外線吸収剤、
抗酸化剤、光安定剤、無機質充填剤等の各種添加剤を添
加することもできる。
【0013】上記の可塑剤として具体的には、ジ−n−
オクチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレー
ト、ジイソノニルフタレート、ジブチルフタレート、ブ
チルベンジルフタレート、ジラウリルフタレート、ジデ
シルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジトリデシ
ルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤;ジオクチ
ルアジペート、ジトリノニルアジペート、ジイソデシル
アジペート等のアジピン酸エステル系可塑剤;トリキシ
リルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリス
(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリブチルホ
スフェート、トリエチルホスフェート、トリフェニルホ
スフェート、トリエチルフェニルホスフェート等のリン
酸エステル系可塑剤;ポリエステル系可塑剤;セバチン
酸エステル系可塑剤;トリメリット酸エステル系可塑
剤;エポキシ化大豆油等のエポキシ系可塑剤等から選ば
れる一種以上が挙げられるが、本発明において使用され
る塩化ビニル系樹脂組成物は、少なくとも、塩化ビニル
系樹脂100重量部に対し0.05〜5重量部のトリキ
シリルホスフェート等のトリアリールホスフェート、好
ましくは (a)キシレノールが50%以上 (b)クレゾールが0〜20% (c)エチルフェノール10〜40% の組成比からなる混合アルコールを原料として製造され
たトリアリールホスフェートを含むものである。また、
上記のトリアリールホスフェートを含む全可塑剤の添加
量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し30〜70
重量部程度である。
【0014】防滴剤として具体的には、ソルビタン脂肪
酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン
脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸・二塩基酸エステル、ソルビトール脂肪酸・
二塩基酸エステル、ジグリセリン脂肪酸・二塩基酸エス
テル等の多価アルコールと脂肪酸とのエステルや多価ア
ルコールと脂肪酸および二塩基酸とのエステル、あるい
はこれらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドが付
加された化合物等が挙げられ、具体的には、ソルビタン
パルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタンス
テアレート・エチレンオキサイド2モル付加物、ソルビ
タンステアレート・プロピレンオキサイド3モル付加
物、ソルビトールステアレート、ソルビトールステアレ
ート・エチレンオキサイド3モル付加物、ジグリセリン
パルミテート、ジグリセリンステアレート、グリセリン
ステアレート、グリセリンパルミテート・エチレンオキ
サイド2モル付加物、ソルビタンステアレートアジペー
ト・エチレンオキサイド3モル付加物、ソルビトールス
テアレートアジペート・エチレンオキサイド2モル付加
物、ジグリセリンパルミテートセバケート・プロピレン
オキサイド3モル付加物、ソルビトールパルミテートア
ジペート・エチレンオキサイド3モル付加物等が挙げら
れる。上記防滴剤は、一種または二種以上を組み合わせ
て使用することができる。また、上記の防滴剤の添加量
は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、0.5〜
6.0重量部程度である。
【0015】上記の含フッ素化合物は、一分子中に含フ
ッ素基と水酸基またはアルキレンオキサイド基の少なく
とも一種を有する化合物である。含フッ素基としては、
パーフルオロアルキル基(Cn 2n+1基)、パーフルオ
ロアルコキシ基(Cn 2n+1O基)、ポリフルオロアル
キル基(Hm n 2n+1-m基)、パーフルオロアルケニ
ル基(Cn 2n-1基)、ポリフルオロアルケニル基(H
m n 2n-1-m基)、パーフルオロアルキレン基(Cn
2n基)等が挙げられ〔式中mは1〜3、nは3〜20
の整数〕、アルキレンオキサイド基としては、(C2
4 O)n 、(C3 6 O)n 等が挙げられる〔式中n
は、1〜30の整数)。
【0016】含フッ素化合物として具体的には、化3の
(1)〜(13)に示すものが挙げられるが、これらに
限定されるものではない。また、含フッ素化合物の添加
量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し0.01〜
1.0重量部、好ましくは0.05〜0.5重量部であ
る。
【0017】
【化3】
【0018】安定剤としては、金属石鹸、有機ホスファ
イト系安定剤などの通常使用される安定剤を使用するこ
とができる。金属石鹸としては、ステアリン酸亜鉛、ス
テアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、リシノ
ール酸バリウム、ラウリン酸カルシウム、オレイン酸カ
ルシウム、オクトイン酸亜鉛等が挙げられる。有機ホス
ファイト系安定剤としては、ジフェニルデシルホスファ
イト、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェ
ニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス
(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリステアリル
ホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト等が挙
げられる。上記の安定剤は、一種または二種以上組み合
わせて使用することができる。また安定剤の添加量は、
塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、0.5〜10
重量部、好ましくは1〜5重量部程度である。
【0019】滑剤または粘着防止剤としては、ステアリ
ン酸、イソステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸系滑
剤;ステアリン酸アミド、メチレンビスステアロアミ
ド、エチレンビスステアロアミド等の脂肪酸アミド系滑
剤;ブチルパルミテート、ブチルステアレート等のエス
テル系滑剤;バリウムイソデシルホスフェート、カルシ
ウムオクタデシルホスフェート等の有機リン酸金属塩系
滑剤;ポリエチレンワックス;流動パラフィン等が挙げ
られる。上記の滑剤または粘着防止剤は、一種または二
種以上組み合わせて使用することができる。
【0020】紫外線吸収剤としては、一般に使用されて
いるベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチ
ル酸エステル系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収
剤が挙げられる。上記の紫外線吸収剤は、一種または二
種以上組み合わせて使用することができる。
【0021】光安定剤としては、ヒンダードアミン系化
合物等の一般に使用されている光安定剤を用いることが
できる。光安定剤は、一種または二種以上組み合わせて
使用することができる。
【0022】無機質充填剤としては、炭酸マグネシウ
ム、マグネシウム珪酸塩、酸化珪素、酸化アルミニウ
ム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ハイド
ロタルサイト類の少なくとも一種以上を用いることがで
きる。上記の無機質充填剤は、粒径が20μm以下のも
のが好ましい。
【0023】本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
は、下記化1または化2に示す一般式で表される有機リ
ン酸化合物から選ばれる一種以上の化合物が添加され
る。このように、上記した特定の塩化ビニル系樹脂に、
特定の有機リン酸化合物を添加することによって、農業
用塩化ビニル系樹脂フィルムに優れた耐候性を付与する
ことができる。
【0024】
【化1】 (式中R1 〜R4 は、同一または相異なる置換基を有し
てもよいアリール基を示す)
【0025】
【化2】 (式中R1 、R3 は、同一または相異なる置換基を有し
てもよいアリール基を示し、R2 、R4 、R5 は、同一
または異なるアルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、アルキル置換アリール基、アリール置換アルキル
基、アルケニル基、アリール置換アルケニル基、エポキ
シ基を示す。Yは多価アルコール残基で、一般式〔R’
(OR’)m 〕で表される。R’は炭素数5以下のアル
キレン基またはアルケニレン基またはこれらの置換され
た基を示し、mは0〜10の整数を示す。)
【0026】上記の有機リン酸化合物の添加量は、塩化
ビニル系樹脂100重量部に対し、0.05〜2.5重
量部、好ましくは0.1〜1.5重量部である。添加量
が少なすぎると、農業用塩化ビニル系樹脂フィルムに充
分な耐候性を付与することができず、添加量が2.5重
量部を超えて添加しても耐候性は比例的に向上せずにコ
スト高となるばかりか、添加した有機リン酸化合物がブ
リードして農業用塩化ビニル系樹脂フィルムの透明性を
損う虞がある。
【0027】上記の塩化ビニル系樹脂組成物はカレンダ
ー法、押出法、インフレーション法等の公知の手段でフ
ィルム化され、本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィル
ムが得られる。フィルム化するときの温度等の加工条件
は、従来のポリ塩化ビニルフィルムの場合と同様でよ
い。
【0028】本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
は、従来の農業用ポリ塩化ビニルフィルムと同様に、展
張した際に外側となる面に、防塵性を付与する目的で、
溶剤型、水系型、あるいは紫外線硬化型の塗料による被
膜を形成してもよい。溶剤型塗料としては、例えばアク
リル樹脂系、塩化ビニル樹脂系、セルロース樹脂系、フ
ッ素樹脂系、ポリアミド樹脂系、ウレタン樹脂系、エポ
キシ樹脂系、シリコーン樹脂系などが挙げられる。水系
型塗料としては、例えばアクリル樹脂系、ポリエステル
樹脂系、ウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系等が使用でき
る。紫外線硬化型塗料としては、アクリル樹脂系、アク
リル変性ウレタン樹脂系、アクリル変性エポキシ樹脂
系、メルカプト誘導体系、エポキシ樹脂系等が使用でき
る。また、本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
は、展張した際に内側となる面に、防滴性を付与するこ
とを目的とする被膜、例えば上記の溶剤型、水系型、あ
るいは紫外線硬化型の塗料にコロイダルシリカなどを添
加して得た塗料による被膜などを形成してもよい。
【0029】
【作用】本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィルムは、
エチレン含有量が0.1〜7.0重量%のエチレン−塩
化ビニル共重合樹脂5〜100重量部と他の塩化ビニル
系樹脂95〜0重量部からなり、かつ全エチレン含有量
が0.1〜7.0重量%である塩化ビニル系樹脂100
重量部に、トリキシリルホスフェート0.5〜5重量
部、特定の有機リン酸化合物を0.05〜2.5重量部
添加した塩化ビニル系樹脂組成物をフィルム化してなる
ので、従来のポリ塩化ビニル樹脂を用いた農業用フィル
ムと比較して、より耐候性に優れる農業用塩化ビニル系
樹脂フィルムを得ることができる。
【0030】
【実施例】
〔実施例1〜7〕表1に示す配合物をヘンシェルミキサ
ーに仕込み、10分間攪拌混合した後、175℃に加熱
溶融してロール混練りし、次いで、カレンダー装置によ
って厚さ0.1mmのフィルムに成形して、農業用塩化
ビニル系樹脂フィルムを得た。得られた農業用塩化ビニ
ル系樹脂フィルムについて、下記の方法にて耐候性を評
価した。結果を表1に示す。
【0031】〔試験方法〕製造直後の農業用塩化ビニル
系樹脂フィルムの最大伸度Xと12ケ月間ハウスに展張
した後の農業用塩化ビニル系樹脂フィルムの最大伸度Y
とを測定し、下記数1に示す式にて伸び残率を計算し、
その結果を下記基準にて評価した。
【数1】 〔評価基準〕 ◎・・・伸び残率が80%以上 ○・・・伸び残率が60%以上、80%未満 □・・・伸び残率が40%以上、60%未満 △・・・伸び残率が20%以上、40%未満 ×・・・伸び残率が20%未満
【0032】
【表1】 *1 化4に示す一般式で表される化合物 *2 化5に示す一般式で表される化合物 *3 キシレノール69%、クレゾール17%、エチル
フェノール14%の組成比からなるアルコールを原料と
して製造したリン酸エステル
【0033】
【化4】
【0034】
【化5】
【0035】〔比較例1〜7〕表2に示す配合物をヘン
シェルミキサーに仕込み、10分間攪拌混合した後、1
75℃に加熱溶融してロール混練りし、次いで、カレン
ダー装置によって厚さ0.1mmのフィルムに成形し
て、農業用塩化ビニル系樹脂フィルムを得た。得られた
農業用塩化ビニル系樹脂フィルムについて、実施例1と
同様の方法で耐候性を評価した。結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の農業用塩
化ビニル系樹脂フィルムは、従来のポリ塩化ビニルを用
いた農業用フィルムに比し、著しく耐候性に優れるた
め、長期間にわたっての展張が可能である。従って、ハ
ウス等の農業用施設に展張したフィルムの張り替え作業
の回数が減らすことができ、農家の負担減に著しく寄与
するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C08K 5/52 5:523 5:524) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 1/00 - 101/14 A01G 9/00 - 9/26 C08J 5/00 - 5/24 C08K 3/00 - 13/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン含有量が0.1〜7.0重量%
    のエチレン−塩化ビニル共重合樹脂5〜100重量部と
    他の塩化ビニル系樹脂95〜0重量部からなり、かつ全
    エチレン含有量が0.1〜7.0重量%である塩化ビニ
    ル系樹脂100重量部に対し、トリアリールホスフェー
    トを0.05〜5重量部、化1あるいは化2に示す一般
    式で表される有機リン酸化合物から選ばれる少なくとも
    一種以上を0.05〜2.5重量部添加した塩化ビニル
    系樹脂組成物をフィルム化してなる農業用塩化ビニル系
    樹脂フィルム。 【化1】 (式中R1 〜R4 は、同一または相異なる置換基を有し
    てもよいアリール基を示す) 【化2】 (式中R1 、R3 は、同一または相異なる置換基を有し
    てもよいアリール基を示し、R2 、R4 、R5 は、同一
    または異なるアルキル基、シクロアルキル基、アリール
    基、アルキル置換アリール基、アリール置換アルキル
    基、アルケニル基、アリール置換アルケニル基、エポキ
    シ基を示す。Yは多価アルコール残基で、一般式〔R’
    (OR’)m 〕で表される。R’は炭素数5以下のアル
    キレン基またはアルケニレン基またはこれらの置換され
    た基を示し、mは0〜10の整数を示す。)
  2. 【請求項2】 トリアリールホスフェートが、 (a)キシレノールが50%以上 (b)クレゾールが0〜20% (c)エチルフェノール10〜40% の組成比からなる混合アルコールを原料として製造され
    たトリアリールホスフェートである請求項1記載の農業
    用塩化ビニル系樹脂フィルム。
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