JPH08302131A - 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム - Google Patents

農業用塩化ビニル系樹脂フィルム

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JPH08302131A
JPH08302131A JP7128851A JP12885195A JPH08302131A JP H08302131 A JPH08302131 A JP H08302131A JP 7128851 A JP7128851 A JP 7128851A JP 12885195 A JP12885195 A JP 12885195A JP H08302131 A JPH08302131 A JP H08302131A
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JP
Japan
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vinyl chloride
chloride resin
alkyl
aryl
group
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JP7128851A
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Toshimi Machida
稔巳 町田
Tokutaro Kanai
徳太郎 金居
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Achilles Corp
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
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    • Y02A40/25Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor

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  • Protection Of Plants (AREA)
  • Greenhouses (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐候性を付与する目的で従来より添加されて
いたトリキシリルホスフェート等の添加せずとも、それ
以上の耐候性を有する農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
を提供する。 【構成】 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、特定
の有機リン酸化合物0.1〜5.0重量部および特定の
有機リン酸金属塩化合物0.01〜2.0重量部添加し
た塩化ビニル系樹脂組成物をフィルム化してなる。可塑
剤として、トリキシリルホスフェート等のリン酸エステ
ル系可塑剤は添加しないのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、農業用塩化ビニル系樹
脂フィルムに関し、詳しくは、トリクレジルホスフェー
トやトリキシリルホスフェート等に代表されるリン酸エ
ステル系可塑剤を含有しなくとも、優れた耐候性が付与
された農業用塩化ビニル系樹脂フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、農業用のトンネル、簡易温室
等の被覆材として、安価で透明性が良く、保温性や強度
に優れ、かつフィルムに加工するのが容易であるなどの
理由から、ポリ塩化ビニル樹脂に代表される塩化ビニル
系樹脂からなる農業用フィルムが広く用いられている。
【0003】一方、近年では農家の人手不足等の理由に
より、展張作業がなるべく少ない回数で済むように、長
期間にわたって展張することが可能な耐候性に優れた農
業用フィルムが求められており、このような農業用フィ
ルムとして、塩化ビニル系樹脂にトリクレジルホスフェ
ートやトリキシリルホスフェート等に代表されるリン酸
エステル系可塑剤を特定量添加した塩化ビニル系樹脂組
成物をフィルム化した農業用フィルムが広く用いられて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のリン
酸エステル系可塑剤を特定量添加した塩化ビニル系樹脂
組成物をフィルム化した農業用フィルムは、リン酸エス
テル系可塑剤が比較的高価である分コスト高となるとい
った問題があるばかりでなく、耐候性を付与するために
リン酸エステル系可塑剤を比較的多量に添加する必要が
あり、そのため、リン酸エステル系可塑剤がブルームし
て、フィルムの透明性が悪化するといった問題があっ
た。しかも、肝心な耐候性についても未だ充分とは言え
ず、更に優れた耐候性を有する農業用フィルムの開発が
切望されていた。
【0005】本発明者等は、上記の課題を解決するため
に鋭意研究した結果、塩化ビニル系樹脂に特定の有機リ
ン酸化合物および有機リン酸金属塩化合物を添加した塩
化ビニル系樹脂組成物を用いることによって、リン酸エ
ステル系可塑剤を使用しなくても優れた耐候性を付与す
ることができるのみならず、従来のリン酸エステル系可
塑剤を添加した農業用フィルムよりも、更に優れた耐候
性を有する農業用塩化ビニル系樹脂フィルムが得られる
ことを見出し本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
は、塩化ビニル系樹脂100重量部に、化1に示す一般
式で表される有機リン酸化合物から選ばれる一種以上の
化合物0.1〜5.0重量部および化2、化3に示す一
般式で表される有機リン酸金属塩化合物から選ばれる化
合物0.01〜2.0重量部添加した塩化ビニル系樹脂
組成物をフィルム化して得られることを特徴とするもの
である。また、本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィル
ムは、従来、耐候性を向上させる目的で添加されていた
トリクレジルホスフェートやトリキシリルホスフェート
等に代表されるリン酸エステル系可塑剤を添加せずと
も、リン酸エステル可塑剤を使用した従来の農業塩化ビ
ニル系樹脂フィルムよりも優れた耐候性を有するもので
ある。
【0007】
【化1】 (式中R1 、R2 、R3 、R4 は、炭素数6〜18のア
ルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリル
基、アルキル置換アリル基を表し、R1 、R2 、R3
4 はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい)
【0008】
【化2】 (式中、Mは亜鉛、カルシウム、バリウム、マグネシウ
ムまたはストロンチウムを表し、R1 、R2 、R3 はア
ルキル基、アリール基、アリール置換アルキル基、アル
キル置換アリール基またはエーテル結合を有する炭化水
素基を表す。)
【0009】
【化3】 (式中、Mは亜鉛、カルシウム、バリウム、マグネシウ
ムまたはストロンチウムを表し、R1 、R2 、R3 はア
ルキル基、アリール基、アリール置換アルキル基、アル
キル置換アリール基またはエーテル結合を有する炭化水
素基を表す。)
【0010】本発明で使用される塩化ビニル系樹脂とし
ては、ポリ塩化ビニルの他、塩化ビニルと他のモノマ
ー、例えばエチレン、プロピレン、酢酸ビニル、塩化ビ
ニリデン、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリ
ル酸、メタクリル酸エステル、マレイン酸、フマール
酸、アクリロニトリル、アルキルビニルエーテル等との
共重合樹脂、あるいはこれらの樹脂の混合物等が挙げら
れる。
【0011】上記の塩化ビニル系樹脂には、必要に応じ
て可塑剤、防滴剤、含フッ素化合物、安定剤、滑剤また
は粘着防止剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、光安定剤、無
機質充填剤等の各種添加剤を添加することもできる。
【0012】上記の可塑剤として具体的には、ジ−n−
オクチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレー
ト、ジイソノニルフタレート、ジブチルフタレート、ブ
チルベンジルフタレート、ジラウリルフタレート、ジデ
シルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジトリデシ
ルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤;ジオクチ
ルアジペート、ジトリノニルアジペート、ジイソデシル
アジペート等のアジピン酸エステル系可塑剤;トリキシ
リルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリス
(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリブチルホ
スフェート、トリエチルホスフェート、トリフェニルホ
スフェート、トリエチルフェニルホスフェート等のリン
酸エステル系可塑剤;ポリエステル系可塑剤;セバチン
酸エステル系可塑剤;トリメリット酸エステル系可塑
剤;エポキシ化大豆油等のエポキシ系可塑剤等から選ば
れる一種以上が使用できるが、前記した通り、従来より
耐候性向上目的で添加されていたリン酸エステル系可塑
剤は、本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィルムでは、
必ずしも添加する必要はなく、ブルームの防止、コスト
等の面からみれば、リン酸エステル系可塑剤は添加しな
いのが好ましい。また、上記の可塑剤の添加量は、塩化
ビニル系樹脂100重量部に対し、30〜70重量部程
度である。
【0013】防滴剤として具体的には、ソルビタン脂肪
酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン
脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸・二塩基酸エステル、ソルビトール脂肪酸・
二塩基酸エステル、ジグリセリン脂肪酸・二塩基酸エス
テル等の多価アルコールと脂肪酸とのエステルや多価ア
ルコールと脂肪酸および二塩基酸とのエステル、あるい
はこれらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドが付
加された化合物等が挙げられ、具体的には、ソルビタン
パルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタンス
テアレート・エチレンオキサイド2モル付加物、ソルビ
タンステアレート・プロピレンオキサイド3モル付加
物、ソルビトールステアレート、ソルビトールステアレ
ート・エチレンオキサイド3モル付加物、ジグリセリン
パルミテート、・エチレンオキサイド2モル付加物、ソ
ルビタンステアレートアジペート・エチレンオキサイド
3モル付加物、ソルビトールステアレートアジペート・
エチレンオキサイド2モル付加物、ジグリセリンパルミ
テートセバケート・プロピレンオキサイド3モル付加
物、ソルビトールパルミテートアジペート・エチレンオ
キサイド3モル付加物等が挙げられる。上記防滴剤は、
一種または二種以上を組み合わせて使用することができ
る。また、上記の防滴剤の添加量は、塩化ビニル系樹脂
100重量部に対し、0.5〜6.0重量部程度であ
る。
【0014】上記の含フッ素化合物は、一分子中に含フ
ッ素基と水酸基またはアルキレンオキサイド基の少なく
とも一種を有する化合物である。含フッ素基としては、
パーフルオロアルキル基(Cn 2n+1基)、パーフルオ
ロアルコキシ基(Cn 2n+1O基)、ポリフルオロアル
キル基(Hm n 2n+1-m基)、パーフルオロアルケニ
ル基(Cn 2n-1基)、ポリフルオロアルケニル基(H
m n 2n-1-m基)、パーフルオロアルキレン基(Cn
2n基)等が挙げられ〔式中mは1〜3、nは3〜20
の整数〕、アルキレンオキサイド基としては、(C2
4 O)n 、(C3 6 O)n 等が挙げられる〔式中n
は、1〜30の整数)。
【0015】含フッ素化合物として具体的には、化4の
(1)〜(13)に示すものが挙げられるが、これらに
限定されるものではない。また、含フッ素化合物の添加
量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し0.01〜
1.0重量部、好ましくは0.05〜0.5重量部であ
る。
【0016】
【化4】
【0017】安定剤としては、金属石鹸、有機ホスファ
イト系安定剤などの通常使用される安定剤を使用するこ
とができる。金属石鹸としては、ステアリン酸亜鉛、ス
テアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、リシノ
ール酸バリウム、ラウリン酸カルシウム、オレイン酸カ
ルシウム、オクトイン酸亜鉛等が挙げられる。有機ホス
ファイト系安定剤としては、ジフェニルデシルホスファ
イト、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェ
ニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス
(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリステアリル
ホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト等が挙
げられる。上記の安定剤は、一種または二種以上組み合
わせて使用することができる。また安定剤の添加量は、
塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、0.5〜10
重量部、好ましくは1〜5重量部程度である。
【0018】滑剤または粘着防止剤としては、ステアリ
ン酸、イソステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸系滑
剤;ステアリン酸アミド、メチレンビスステアロアミ
ド、エチレンビスステアロアミド等の脂肪酸アミド系滑
剤;ブチルパルミテート、ブチルステアレート等のエス
テル系滑剤;バリウムイソデシルホスフェート、カルシ
ウムオクタデシルホスフェート等の有機リン酸金属塩系
滑剤;ポリエチレンワックス;流動パラフィン等が挙げ
られる。上記の滑剤または粘着防止剤は、一種または二
種以上組み合わせて使用することができる。
【0019】紫外線吸収剤としては、一般に使用されて
いるベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチ
ル酸エステル系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収
剤が挙げられる。上記の紫外線吸収剤は、一種または二
種以上組み合わせて使用することができる。
【0020】光安定剤としては、ヒンダードアミン系化
合物等の一般に使用されている光安定剤を用いることが
できる。光安定剤は、一種または二種以上組み合わせて
使用することができる。
【0021】無機質充填剤としては、炭酸マグネシウ
ム、マグネシウム珪酸塩、酸化珪素、酸化アルミニウ
ム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ハイド
ロタルサイト類の少なくとも一種以上を用いることがで
きる。上記の無機質充填剤は、粒径が20μm以下のも
のが好ましい。
【0022】本発明で使用される上記の塩化ビニル系樹
脂組成物には、化1に示す一般式で表される有機リン酸
化合物から選ばれる一種以上の化合物および化2、化3
に示す一般式で表される有機リン酸金属塩化合物から選
ばれる一種以上の化合物が添加される。
【0023】
【化1】 (式中R1 、R2 、R3 、R4 は、炭素数6〜18のア
ルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリル
基、アルキル置換アリル基を表し、R1 、R2 、R3
4 はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい)
【0024】
【化2】 (式中、Mは亜鉛、カルシウム、バリウム、マグネシウ
ムまたはストロンチウムを表し、R1 、R2 、R3 はア
ルキル基、アリール基、アリール置換アルキル基、アル
キル置換アリール基またはエーテル結合を有する炭化水
素基を表す。)
【0025】
【化3】 (式中、Mは亜鉛、カルシウム、バリウム、マグネシウ
ムまたはストロンチウムを表し、R1 、R2 、R3 はア
ルキル基、アリール基、アリール置換アルキル基、アル
キル置換アリール基またはエーテル結合を有する炭化水
素基を表す。)
【0026】上記の有機リン酸化合物または有機リン酸
金属塩化合物の添加量は、有機リン酸化合物では、塩化
ビニル系樹脂100重量部に対し0.1〜5.0重量
部、好ましくは0.1〜3.0重量部で、有機リン酸金
属塩化合物では、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し
0.01〜2.0重量部、好ましくは0.1〜2.0重
量部である。有機リン酸化合物または有機リン酸金属塩
化合物の添加量が少なすぎると、耐候性の向上が充分で
なく、また、有機リン酸化合物または有機リン酸金属塩
化合物を多く添加量しすぎても耐候性は比例的に向上せ
ずにコスト高となるばかりか、添加した有機リン酸化合
物が有機リン酸金属塩化合物のブルーム等に起因して農
業用塩化ビニル系樹脂フィルムの透明性を損う虞があ
る。
【0027】上記の塩化ビニル系樹脂組成物はカレンダ
ー法、押出法、インフレーション法等の公知の手段でフ
ィルム化され、本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィル
ムが得られる。フィルム化するときの温度等の加工条件
は、従来のポリ塩化ビニルフィルムの場合と同様でよ
い。
【0028】本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
は、従来の農業用ポリ塩化ビニルフィルムと同様に、展
張した際に外側となる面に、防塵性を付与する目的で、
溶剤型、水系型、あるいは紫外線硬化型の塗料による被
膜を形成してもよい。溶剤型塗料としては、例えばアク
リル樹脂系、塩化ビニル樹脂系、セルロース樹脂系、フ
ッ素樹脂系、ポリアミド樹脂系、ウレタン樹脂系、エポ
キシ樹脂系、シリコーン樹脂系などが挙げられる。水系
型塗料としては、例えばアクリル樹脂系、ポリエステル
樹脂系、ウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系等が使用でき
る。紫外線硬化型塗料としては、アクリル樹脂系、アク
リル変性ウレタン樹脂系、アクリル変性エポキシ樹脂
系、メルカプト誘導体系、エポキシ樹脂系等が使用でき
る。また、本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
は、展張した際に内側となる面に、防滴性を付与するこ
とを目的とする被膜、例えば上記の溶剤型、水系型、あ
るいは紫外線硬化型の塗料にコロイダルシリカなどを添
加して得た塗料による被膜などを形成してもよい。
【0029】
【作用】本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィルムは、
特定の有機リン酸化合物あるいは有機リン酸金属塩化合
物を特定量添加してなる塩化ビニル系樹脂組成物を用い
ているため、従来より耐候性を向上させる目的で添加さ
れていたリン酸エステル系可塑剤を添加せずとも、従来
のリン酸エステル系可塑剤を添加した農業用塩化ビニル
系樹脂フィルム以上の耐候性を有する。
【0030】
【実施例】以下に具体的な実施例を挙げ、本発明をより
詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施例に限定さ
れるものではない。
【0031】〔実施例1〜4、比較例1〜5〕表1に示
す配合からなる塩化ビニル系樹脂組成物を、ヘンシェル
ミキサーに仕込み、10分間攪拌混合いた後、175℃
に加熱溶融してロール混練りし、次いでカレンダー装置
によって厚さ0.1mmのフィルムに成形して、農業用
塩化ビニル系樹脂フィルムを得た。得られた農業用塩化
ビニル系樹脂フィルムについて、下記方法にて耐候性お
よび添加剤のブルーム性について評価した。結果を表1
に示す。
【0032】〔試験方法〕 (1)耐候性 製造直後の農業用塩化ビニル系樹脂フィルムの最大伸度
Xと12ケ月間ハウスに展張した後の農業用塩化ビニル
系樹脂フィルムの最大伸度Yとを測定し、下記数1に示
す式にて伸び残率を計算し、その結果を下記基準にて評
価した。
【数1】 〔評価基準〕 ◎・・・伸び残率が80%以上 ○・・・伸び残率が60%以上、80%未満 □・・・伸び残率が40%以上、60%未満 △・・・伸び残率が20%以上、40%未満 ×・・・伸び残率が20%未満
【0033】(2)ブルーム性 得られた農業用塩化ビニル系樹脂フィルムを室温にて放
置して1ケ月経過後、フィルムの表面を目視により観察
し、下記基準にて評価した。 〔評価基準〕 ◎・・・吹き出しが全く見られない ○・・・吹き出しが殆ど見られない △・・・吹き出しが少々見られる ×・・・吹き出しが多く見られる
【0034】
【表1】 *1 有機リン酸化合物1 化5(a)に示す化合物 *2 有機リン酸化合物2 化5(b)に示す化合物 *3 有機リン酸化合物3 化5(c)に示す化合物 *4 有機リン酸金属塩化合物1 化6(a)に示す
化合物 *5 有機リン酸金属塩化合物2 化6(b)に示す
化合物
【0035】
【化5】
【0036】
【化6】
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の農業用塩
化ビニル系樹脂フィルムは、リン酸エステル系可塑剤を
用いずとも、従来のリン酸エステル系可塑剤を用いた農
業用フィルム以上に、耐候性に優れるため、長期間にわ
たっての展張が可能である。従って、ハウス等の農業用
施設に展張したフィルムの張り替え作業の回数が減らす
ことができ、農家の負担減に著しく寄与するものであ
る。
【0038】また、本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フ
ィルムは、リン酸エステル系可塑剤の添加を必要としな
いため、農業用塩化ビニル系樹脂フィルムのコストダウ
ンとなることは勿論のこと、リン酸エステル系可塑剤の
ブルームの問題をも解決したものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂100重量部に、化1
    に示す一般式で表される有機リン酸化合物から選ばれる
    一種以上の化合物0.1〜5.0重量部および化2、化
    3に示す一般式で表される有機リン酸金属塩化合物から
    選ばれる一種以上の化合物0.01〜2.0重量部添加
    した塩化ビニル系樹脂組成物をフィルム化して得られる
    農業用塩化ビニル系樹脂フィルム。 【化1】 (式中R1 、R2 、R3 、R4 は、炭素数6〜18のア
    ルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリル
    基、アルキル置換アリル基を表し、R1 、R2 、R3
    4 はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい) 【化2】 (式中、Mは亜鉛、カルシウム、バリウム、マグネシウ
    ムまたはストロンチウムを表し、R1 、R2 、R3 はア
    ルキル基、アリール基、アリール置換アルキル基、アル
    キル置換アリール基またはエーテル結合を有する炭化水
    素基を表す。) 【化3】 (式中、Mは亜鉛、カルシウム、バリウム、マグネシウ
    ムまたはストロンチウムを表し、R1 、R2 、R3 はア
    ルキル基、アリール基、アリール置換アルキル基、アル
    キル置換アリール基またはエーテル結合を有する炭化水
    素基を表す。)
  2. 【請求項2】 塩化ビニル系樹脂組成物が、リン酸エス
    テル系可塑剤を実質的に含有しない塩化ビニル系樹脂組
    成物である請求項1記載の農業用塩化ビニル系樹脂フィ
    ルム。
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