JP3369448B2 - ディジタルスイッチングアンプ - Google Patents

ディジタルスイッチングアンプ

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JP3369448B2
JP3369448B2 JP26461797A JP26461797A JP3369448B2 JP 3369448 B2 JP3369448 B2 JP 3369448B2 JP 26461797 A JP26461797 A JP 26461797A JP 26461797 A JP26461797 A JP 26461797A JP 3369448 B2 JP3369448 B2 JP 3369448B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オーディオ信号等
のアナログ信号を増幅する電力増幅器に関するものであ
り、特にデルタシグマ変調を応用したディジタルスイッ
チングアンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、小型、大出力、高S/Nを実現し
た音響信号の高効率電力増幅器の信号処理方法として、
アナログ信号をデルタシグマ変調することによりパルス
密度変調(PDM)信号を得、キャリア信号をエネルギ
ー拡散させることにより、簡単な構成で効率よく電力増
幅できるデルタシグマ変調を応用したディジタルスイッ
チングアンプが提供されている。例えば、デルタシグマ
変調を応用した高効率電力増幅器が、特開平5−634
57号公報に開示されている。
【0003】ここで、従来のディジタルスイッチングア
ンプについて説明する前に、スイッチトキャパシタ積分
器について説明しておく。
【0004】本発明の説明図である図23に示すよう
に、スイッチトキャパシタ積分器には逆相型と正相型が
ある。逆相型と正相型では、スイッチの配置が異なるの
みで、動作のタイミングは同一である。
【0005】図23(a)に、逆相型のスイッチトキャ
パシタ積分器(以下、逆相型積分器と略す。)mの構成
を示す。逆相型積分器mは、差動増幅器aと、二つのコ
ンデンサca,c0と、二つのスイッチφ1,φ2と、
二つのスイッチψ1,ψ2とを備えて構成されている。
入力端子からのアナログ信号が、スイッチψ1、コンデ
ンサca、スイッチψ2を順に介して、差動増幅器aの
反転入力端子に入力される。ここで、スイッチψ1とコ
ンデンサcaとの間が、スイッチφ1を介して接地され
ている。同様に、コンデンサcaとスイッチψ2との間
も、スイッチφ2を介して接地されている。また、この
差動増幅器aの非反転入力端子は接地されている。この
差動増幅器aからの出力信号は、出力端子から出力され
るとともに、コンデンサc0を介して反転入力端子に入
力されて負帰還される。
【0006】上記逆相型積分器mの動作は、以下のとお
りである。なお、スイッチφ1,φ2、およびスイッチ
ψ1,ψ2は、図23(c)に示す動作タイミングに従
って開閉動作する。スイッチφ1,φ2がON状態の
とき、コンデンサcaに蓄積されていた電荷が放電され
る。スイッチφ1,φ2がOFF状態になる。スイ
ッチψ1,ψ2がON状態となる。このとき、コンデン
サc0からコンデンサcaに電荷が転送される。
【0007】このように動作することにより、入力端子
に信号が入力されると、標本化キャパシタであるコンデ
ンサcaの電荷が、積分キャパシタであるコンデンサc
0ヘ移動する。よって、逆相型積分器mは、抵抗に置換
されるコンデンサcaとコンデンサc0の比(c0/c
a)で表されるゲインで積分動作する。なお、ここでの
電荷の移動は1クロックのタイミングで行なわれるた
め、逆相型積分器mには遅延はない。
【0008】これに対して、図23(b)に、正相型の
スイッチトキャパシタ積分器(以下、正相型積分器と略
す。)Mの構成を示す。正相型積分器Mは、差動増幅器
Aと、二つのコンデンサCa,C0と、二つのスイッチ
Φ1,Φ2と、二つのスイッチΨ1,Ψ2とを備えて構
成されている。入力端子からのアナログ信号が、スイッ
チΦ1、コンデンサCa、スイッチΨ2を順に介して、
差動増幅器Aの反転入力端子に入力される。ここで、ス
イッチΦ1とコンデンサCaとの間が、スイッチΨ1を
介して接地されている。同様に、コンデンサCaとスイ
ッチΨ2との間も、スイッチΦ2を介して接地されてい
る。また、この差動増幅器Aの非反転入力端子は接地さ
れている。この差動増幅器Aからの出力信号は、出力端
子から出力されるとともに、コンデンサC0を介して反
転入力端子に入力されて負帰還される。
【0009】上記正相型積分器Mの動作は、以下のとお
りである。なお、スイッチΦ1,Φ2、およびスイッチ
Ψ1,Ψ2は、図23(c)に示す動作タイミングに従
って開閉動作する。スイッチΦ1,Φ2がON状態の
とき、コンデンサCaに電荷が蓄積される。スイッチ
Φ1,Φ2がOFF状態になる。スイッチΨ1,Ψ2
がON状態となる。このとき、コンデンサCaに蓄積さ
れた電荷がコンデンサC0に転送される。
【0010】このように動作することにより、入力端子
に信号が入力されると、標本化キャパシタであるコンデ
ンサCaの電荷が、積分キャパシタであるコンデンサC
0ヘ移動する。よって、正相型積分器Mは、抵抗に置換
されるコンデンサCaとコンデンサC0の比(C0/C
a)で表されるゲインで積分動作する。なお、ここでの
電荷の移動は1クロック前の信号によるものであるた
め、正相型積分器Mには1クロックの遅延がある。
【0011】典型的な従来技術のデルタシグマ変調を応
用したディジタルスイッチングアンプ71を、図25に
基づいて説明する。上記ディジタルスイッチングアンプ
71は、差分器82と、逆相型積分器群83と、加算器
84と、量子化器85と、パルス増幅器86と、ローパ
スフィルタ(LPF)87と、減衰器90とを備えて構
成されている。なお、逆相型積分器群83と、加算器8
4と、量子化器85とからデルタシグマ変調部ADが構
成されている。
【0012】そして、上記逆相型積分器群83は、上述
した逆相型積分器mを縦続接続することによって構成さ
れている。上記逆相型積分器群83の具体的な電気的構
成を図26に示す。なお、図26に示したディジタルス
イッチングアンプ72は、典型的な従来技術のデルタシ
グマ変調を応用したディジタルスイッチングアンプの他
の従来例である。
【0013】上記ディジタルスイッチングアンプ72
は、差分器82と、逆相型積分器群83と、加算器84
と、量子化器85と、パルス増幅器86と、ローパスフ
ィルタ87と、ディジタル/アナログ変換器93とを備
えて構成されている。
【0014】特に、上記逆相型積分器群83は、縦続接
続された7次の逆相型積分器m1,m2,…,m7を備
えて構成されている。また、信号α11,α12が帰還
ループ89,99によって、ディジタル/アナログ変換
器93を介して、差分器82に負帰還されている。
【0015】以上のように構成されたデルタシグマ変調
を応用したディジタルスイッチングアンプ71(図2
5)は、次のように動作する。
【0016】入力端子81に入力されたオーディオ信号
(アナログ信号)と、帰還ループ89によって負帰還さ
れた帰還信号とを入力として、差分器82でこれら二信
号の差分値を求める。逆相型積分器群83で、この差分
値を積分し、差分積分信号を出力する。そして、逆相型
積分器群83を構成する各逆相型積分器の出力を、加算
器84で加算し、量子化器85で加算された差分積分信
号の極性を判定してディジタル信号に変換する。つづい
て、パルス増幅器86で量子化器85のディジタル出力
信号を電力増幅し、ローパスフィルタ87で不要な信号
成分を除去した後、出力端子88へ出力する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】以上のような構成の、
逆相型積分器m(図23(a))からなる逆相型積分器
群を備えたディジタルスイッチングアンプは、正相型積
分器M(図23(b))からなる正相型積分器群を備え
たディジタルスイッチングアンプに比べて発振限界が高
く、量子化ノイズレベルも低いため、S/Nが大きく取
れることから、一般に広く用いられている。
【0018】そして、典型的な従来技術のデルタシグマ
変調を応用したディジタルスイッチングアンプでは、通
常パルス増幅器にFET(field-effect transistor :
電界効果トランジスタ)ドライバなどのスイッチング素
子が使用される。これらのスイッチング素子は、原理的
にスイッチングラグを生じるため、これらのスイッチン
グ素子において信号遅延が生じる。
【0019】また、従来のディジタルスイッチングアン
プでは、パルス増幅器で発生するスイッチングノイズ、
クロックノイズ、外来ノイズを含む信号を効果的に除去
するため、パルス増幅器から帰還ループによって入力側
へ負帰還している。しかし、逆相型積分器群では、帰還
された信号と入力端子からの入力信号との差分値が積分
されるため、両者の信号に遅延が生じると量子化器から
の出力に正確なディジタル出力信号が減少する。よっ
て、発振限界が低下し、S/Nが低下することにより、
周波数特性が低下するとともに、ダイナミックレンジも
低下する。
【0020】ここで、スイッチトキャパシタ積分器のス
イッチングのタイミングは、クロック周波数のタイミン
グで行う。また、サンプリング周波数はクロック周波数
と一致している。これに対して、FETの動作速度はク
ロック周波数に依存せず、デバイスの性能で決定され
る。よって、サンプリング周波数が高くなるほど、FE
Tスイッチングの遅延の影響が大きくなる。
【0021】したがって、積分器を逆相型積分器mによ
って構成する従来のディジタルスイッチングアンプで
は、性能を上げるために、サンプリング周波数を上げる
につれて、パルス増幅器のFETスイッチングの遅延が
増大し、信号遅延の影響が無視できなくなる。そして、
ついには逆相型積分器群が発振して、正常に動作しなく
なる。
【0022】以上のことを図24を用いて説明すると、
つぎのとおりである。
【0023】クロック発振器のタイミングが図24
(a)である回路において、量子化器の出力のタイミン
グが図24(b)とすると、FETドライバなどを含む
パルス増幅器の出力のタイミングは、図24(c)のよ
うに遅延する。
【0024】このとき、積分器が遅延無しの逆相型積分
器mよりなるディジタルスイッチングアンプでは、サン
プリング周波数を高く(クロック周波数を高く)する
と、1クロックで決定されるサンプリング時間に対する
FETスイッチングの遅延(サンプリング周波数に依存
しない固定値、約100〜200nsec)の割合が大
きくなる。
【0025】これにより、図24(c)のような遅延を
含んだパルス増幅器の出力信号が、アナログ値としてフ
ィードバックされ、入力側での影響が大きくなるため、
逆相型積分器mで構成されるデルタシグマ変調回路は、
発振限界が低下し、S/Nが低下する。
【0026】また、サンプリング周波数が高い場合(64
×44.1kHz = 2.8224MHz)に、一定の正弦波(344.5312
5Hz,-60dBV)を入力してサンプリングしたときの量子化
器出力の周波数に対する信号強度を、フィードバック信
号に遅延があるときについて調べると、従来の逆相型積
分器mよりなる積分器を有するディジタルスイッチング
アンプでは、図27に示すような量子化ノイズ分布とな
り、発振状態(動作不良が生じている状態)となってい
る。
【0027】以上のように、上記従来の構造のディジタ
ルスイッチングアンプでは、サンプリング周波数を上げ
るにつれて、電力増幅器のFETスイッチングの遅延が
増大し、信号遅延の影響が無視できなくなる。そして、
ついには積分器である逆相型積分器群が発振して、正常
に動作しなくなるという問題が生ずる。
【0028】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、高いサンプリング周波数
においても、量子化ノイズを抑制し、発振限界を高く維
持するとともに、電力効率に優れたディジタルスイッチ
ングアンプを提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】請求項1のディジタルス
イッチングアンプは、上記の課題を解決するために、入
力アナログ信号をデルタシグマ変調して量子化出力信号
に変換する積分器、加算器および量子化器よりなるデル
タシグマ変調部と、該量子化出力信号に基づいて定電圧
印加をスイッチングすることにより上記量子化出力信号
を電力増幅する電力増幅部とを有するディジタルスイッ
チングアンプにおいて、上記積分器が、正相型スイッチ
トキャパシタ積分器よりなることを特徴としている。
【0030】上記の構成により、電力増幅部を構成する
FETドライバの遅延により出力信号に遅延を生じ、帰
還回路を介して積分器に入力されるフィードバック信号
と、入力端子から入力される音響信号とに過剰な遅延を
生じても、正相型スイッチトキャパシタ積分器が1クロ
ック前の信号の電荷を転送するので、フィードバック信
号の遅延の影響を受けず、積分動作に何ら支障をきたさ
ない。
【0031】これにより、入力信号と帰還回路を経由し
た電力増幅部からのフィードバック信号とに最大1クロ
ック分の遅延が生じても、積分器は正常に動作する。し
たがって、サンプリング周波数を上げて、フィードバッ
クされた信号に遅延が生じても、量子化ノイズの増加を
抑えることができ、また、発振限界の低下も抑制できる
ことから、十分なS/Nが確保できる。
【0032】請求項2のディジタルスイッチングアンプ
は、上記の課題を解決するために、入力アナログ信号を
デルタシグマ変調して量子化出力信号に変換する積分
器、加算器および量子化器よりなるデルタシグマ変調部
と、該量子化出力信号に基づいて定電圧印加をスイッチ
ングする電力増幅部とを有するディジタルスイッチング
アンプにおいて、上記デルタシグマ変調部は、上記積分
器が正相型スイッチトキャパシタ積分器よりなる第1の
デルタシグマ変調部と、上記積分器が逆相型スイッチト
キャパシタ積分器よりなる第2のデルタシグマ変調部と
を有するとともに、上記第1のデルタシグマ変調部と上
記第2のデルタシグマ変調部とを、サンプリング周波数
に応じて切り替える切替手段を有することを特徴として
いる。
【0033】上記の構成により、サンプリング周波数が
低く、電力増幅部から帰還する信号の遅延の影響が小さ
いときには、発振限界がより高く、S/Nが確保できる
遅延のない逆相型スイッチトキャパシタ積分器を使用す
る。また、サンプリング周波数が高く、電力増幅部を構
成するFETドライバの遅延により出力信号に遅延を生
じ、帰還回路を介して積分器に入力される信号と、入力
端子から入力される信号とに生じる遅延の影響が大きい
ときには、動作原理上1クロック前の信号を積分する正
相型スイッチトキャパシタ積分器を使用する。
【0034】これにより、サンプリング周波数が低い場
合は、逆相型スイッチトキャパシタ積分器を使用するこ
とで、発振限界を高くし、S/Nが確保できる。一方、
サンプリング周波数が高い場合は、正相型スイッチトキ
ャパシタ積分器を使用することで、より周波数帯域を広
げ、ダイナミックレンジを確保できる。したがって、サ
ンプリング周波数の高低にかかわらず、常に十分なS/
Nを得ることができる。
【0035】請求項3のディジタルスイッチングアンプ
は、上記の課題を解決するために、請求項1または2の
構成に加えて、上記デルタシグマ変調部の出力と上記電
力増幅部の出力との少なくとも何れか一方を、該デルタ
シグマ変調部の入力信号として負帰還する帰還ループが
設けられていることを特徴としている。
【0036】上記の構成により、請求項1または2の構
成による作用に加えて、上記デルタシグマ変調部の出力
と上記電力増幅部の出力との少なくとも何れか一方が、
帰還ループによって、デルタシグマ変調部の入力信号と
して負帰還する。そして、入力端子からの入力信号と、
負帰還された帰還信号との差分がとられる。
【0037】これにより、定電圧をスイッチングする電
力増幅部で発生するスイッチングノイズ、クロックノイ
ズ、あるいは外部より侵入してくるノイズ等を積分器へ
負帰還することでノイズをキャンセルすることができ
る。したがって、これらに起因する量子化ノイズの増加
を抑えることができるとともに、発振限界の低下も抑制
できることから、十分なS/Nが確保できる。
【0038】請求項4のディジタルスイッチングアンプ
は、上記の課題を解決するために、請求項1から3の何
れかの構成に加えて、上記積分器は、積分回路定数をサ
ンプリング周波数に応じて切り替える切替手段が設けら
れていることを特徴としている。
【0039】上記の構成により、請求項1から3の何れ
かの構成による作用に加えて、サンプリング周波数に応
じて、積分器が最も適当な積分回路定数を有する回路と
なるように切り替えられる。
【0040】これにより、積分器を、常にサンプリング
周波数に対して最適な積分回路定数が設定された回路構
成にすることができる。したがって、出力信号の量子化
ノイズを抑制できるとともに、発振限界を高く維持する
ことができる。それゆえ、常に十分なS/Nを得ること
ができる。
【0041】請求項5のディジタルスイッチングアンプ
は、上記の課題を解決するために、請求項1から4の何
れかの構成に加えて、上記量子化器は、量子化閾値に基
づいて3値以上の多値化信号を出力することを特徴とし
ている。
【0042】上記の構成により、請求項1から4の何れ
かの構成による作用に加えて、デルタシグマ変調部の量
子化出力信号を3値化する場合、この3値信号[+1,
0,−1]に対応して『正電圧印加』、『OFF』、
『負電圧印加』を設定する。
【0043】以上のように、量子化出力信号を多値化す
ることにより、スイッチング回数が減少するとともに、
量子化出力信号が“0”の区間では負荷に電圧が印加さ
れないので、負荷で消費される電力が小さくなる。それ
ゆえ、電力効率が飛躍的に向上する。
【0044】また、電圧変動や±電源のアンバランス等
の影響がキャンセルされるので、出力信号の量子化ノイ
ズが低減され、発振限界も高くなる。それゆえ、十分な
S/Nが得られる。
【0045】請求項6のディジタルスイッチングアンプ
は、上記の課題を解決するために、請求項5の構成に加
えて、上記量子化器は、量子化閾値をサンプリング周波
数に応じて切り替える切替手段が設けられていることを
特徴としている。
【0046】上記の構成により、請求項5の構成による
作用に加えて、サンプリング周波数に応じて、量子化器
が最も適当な量子化閾値を有する回路となるように切り
替えられる。
【0047】これにより、デルタシグマ変調部の量子化
出力信号を多値化する場合、量子化器を、常にサンプリ
ング周波数に対して最適な量子化閾値が設定された回路
構成にすることができる。したがって、出力信号の量子
化ノイズを抑制できるとともに、発振限界を高く維持す
ることができる。それゆえ、常に十分なS/Nを得るこ
とができる。
【0048】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕 本発明の一実施の形態について図1から図19に基づい
て説明すれば、以下のとおりである。
【0049】図1に示すように、本実施の形態にかかる
デルタシグマ変調を応用したディジタルスイッチングア
ンプ21は、差分器2と、正相型積分器群(積分器)3
と、加算器4と、量子化器5と、パルス増幅器(電力増
幅部)6と、ローパスフィルタ7と、減衰器10とを備
えて構成されている。なお、正相型積分器群3と、加算
器4と、量子化器5とからデルタシグマ変調部ADが構
成されている。
【0050】上記差分器2は、入力端子1に入力された
オーディオ信号(アナログ信号)とパルス増幅器6から
帰還ループ9によって負帰還する帰還信号とを入力信号
として、これら二信号の差分値を求める。
【0051】上記正相型積分器群3は、正相型積分器M
(図23(b))が縦続接続された高次の積分器であ
り、差分器2で得られた差分値を積分し、差分積分信号
を出力する。ここで、上記正相型積分器群3を構成する
各正相型積分器Mの積分回路定数は、想定されるサンプ
リング周波数に対して最適に設定されている。
【0052】上記加算器4は、正相型積分器群3を構成
する各正相型積分器Mからの出力信号を加算し、量子化
器5に出力する。
【0053】上記量子化器5は、加算器4で加算された
差分積分信号の極性を判定して、2値(1ビット)のデ
ィジタル信号(量子化出力信号)に変換する。ここで、
量子化器5の量子化閾値は、想定されるサンプリング周
波数に対して最適に設定されている。
【0054】上記パルス増幅器6は、量子化器5の2値
のディジタル出力信号で高速にスイッチングし、このデ
ィジタル出力信号を電力増幅する高速スイッチングパル
ス増幅器である。なお、上記パルス増幅器6には、通常
FETドライバなどのスイッチング素子が使用されるた
め、原理的にスイッチングラグが生じる。
【0055】上記ローパスフィルタ7は、例えばコイル
およびコンデンサからなるフィルタであり、パルス増幅
器6の出力信号から不要な信号成分を除去した後、出力
端子8へ出力する。
【0056】上記減衰器10は、パルス増幅器6の出力
信号を差分器2に負帰還する帰還ループ9上に設けら
れ、パルス増幅器6の出力信号を減衰する。
【0057】以上のように構成されたデルタシグマ変調
を応用したディジタルスイッチングアンプ21の動作を
説明すると、つぎのとおりである。
【0058】入力端子1にアナログ信号が入力される
と、差分器2でパルス増幅器6の出力信号との差分値が
求められる。正相型積分器群3が、この差分値を積分
し、差分積分信号を出力する。正相型積分器群3の各正
相型積分器Mより出力された信号は、加算器4において
加算され、量子化器5に入力されて、1ビットのディジ
タル信号に変換される。この1ビットディジタル信号は
パルス増幅器6により電力増幅される。パルス増幅器6
の出力信号は、ローパスフィルタ7に入力され、不要な
信号成分が除去されて出力端子8から出力される。ま
た、パルス増幅器6の出力信号は、減衰器10を経て帰
還ループ9により差分器2に負帰還される。なお、サン
プリング周波数は所望の周波数特性、ダイナミックレン
ジを得るために、例えば32×44.1kHz =1.4112MHz に設
定される。
【0059】本実施の形態にかかるデルタシグマ変調を
応用したディジタルスイッチングアンプは、上記の構成
に限らない。例えば、第一に、図2に示すディジタルス
イッチングアンプ22のように、量子化器5とパルス増
幅器6の代わりに、それぞれ量子化器15とパルス増幅
器(電力増幅部)16を備える構成としてもよい。ここ
で、上記量子化器15は、差分積分信号の極性を判定し
て3値のディジタル信号に変換する。また、上記パルス
増幅器16は、3値のディジタル出力信号で高速にスイ
ッチングして、このディジタル出力信号を電力増幅す
る。なお、正相型積分器群3と、加算器4と、量子化器
15とからデルタシグマ変調部ADが構成されている。
【0060】第二に、図3に示すディジタルスイッチン
グアンプ23のように、上記ディジタルスイッチングア
ンプ22の構成に加えて、帰還ループ9上で減衰器10
より差分器2側に、クロック発振器12と接続した遅延
器11を備える構成としてもよい。ここで、上記クロッ
ク発振器12は、任意の周波数のクロックパルスを発生
する。また、上記遅延器11は、D型フリップフロップ
などで構成され、量子化器15のディジタル出力信号
を、クロック発振器12から供給されるクロックの繰り
返し周期に応じた時間分遅延される。
【0061】第三に、図4に示すディジタルスイッチン
グアンプ24のように、上記ディジタルスイッチングア
ンプ23の構成において、帰還ループ9の代わりに帰還
ループ19を設けることにより、減衰器10がなく、パ
ルス増幅器16がフィードバックループ外にある構成と
してもよい。つまり、量子化器15のディジタル出力信
号が遅延器11で遅延され、帰還ループ19によって、
差分器2に負帰還される構成としてもよい。
【0062】第四に、図5に示すディジタルスイッチン
グアンプ25のように、上記ディジタルスイッチングア
ンプ24の構成において、量子化器15のディジタル出
力信号が帰還ループ19によって差分器2に直接負帰還
されるように、遅延器11とクロック発振器12とがな
い構成としてもよい。
【0063】つぎに、本実施の形態にかかるデルタシグ
マ変調を応用したディジタルスイッチングアンプの正相
型積分器群3および加算器4の具体的な電気的構成を説
明する。
【0064】図6に示すように、ディジタルスイッチン
グアンプ26は、差分器2と、正相型積分器群3と、加
算器4と、量子化器5と、パルス増幅器6と、ローパス
フィルタ7と、ディジタル/アナログ変換器13とを備
えて構成されている。なお、正相型積分器群3と、加算
器4と、量子化器5とからデルタシグマ変調部ADが構
成されている。
【0065】なお、図6中のΦ系統のすべてのスイッチ
は、図23(c)のスイッチΦの動作タイミングで開閉
動作する。同様に、図6中のΨ系統のすべてのスイッチ
は、図23(c)のスイッチΨの動作タイミングで開閉
動作する。すなわち、Φ系統のスイッチとΨ系統のスイ
ッチは、クロック周波数に従って互いにほぼ反対の状態
となるよう動作する。また、スイッチSW1とスイッチ
SW2は、クロック周波数に従って互いにほぼ反対の状
態となるよう動作する。ただし、Φ系統とΨ系統のスイ
ッチと、スイッチSW1,SW2との動作タイミングが
一致している必要はない。
【0066】上記差分器2は、コンデンサCa0と、二
つのスイッチΦ01,Φ02と、二つのスイッチΨ0
1,Ψ02とを備えて構成されている。入力端子1から
のオーディオ信号(アナログ信号)が、スイッチΦ0
1、コンデンサCa0、スイッチΨ02を順に介して、
正相型積分器M1の差動増幅器A1の反転入力端子に入
力される。ここで、スイッチΦ01とコンデンサCa0
との間は、スイッチΨ01を介して接地されている。同
様に、コンデンサCa0とスイッチΨ02との間も、ス
イッチΦ02を介して接地されている。また、上記ディ
ジタル/アナログ変換器13から出力される信号β13
がスイッチΨ02を介して、正相型積分器M1の差動増
幅器A1の反転入力端子に入力されて負帰還される。こ
のような構成により、上記差分器2は、入力端子1に入
力されたアナログ信号と帰還ループ9によって負帰還さ
れた信号β13とを入力信号として、これら二信号の差
分値を求める。
【0067】上記正相型積分器群3は、縦続接続された
7次の正相型積分器M1,M2,…,M7と、三つの帰
還回路N1,N2,N3とを備えて構成されており、差
分器2で得られた差分値を積分し、差分積分信号を出力
する。
【0068】第1次の正相型積分器M1は、差動増幅器
A1と、コンデンサC01とを備えて構成されている。
入力端子1からのアナログ信号は、差分器2を介して、
差動増幅器A1の反転入力端子に入力される。この差動
増幅器A1の非反転入力端子は接地されている。この差
動増幅器A1から出力された信号β1は、上記加算器4
へ出力されるとともに、コンデンサC01を介して反転
入力端子に入力されて負帰還される。
【0069】第2次の正相型積分器M2は、差動増幅器
A2と、二つのコンデンサCa2,C02と、二つのス
イッチΦ21,Φ22と、二つのスイッチΨ21,Ψ2
2とを備えて構成されている。上記正相型積分器M1か
ら出力された信号β1が、スイッチΦ21、コンデンサ
Ca2、スイッチΨ22を順に介して、差動増幅器A2
の反転入力端子に入力される。ここで、スイッチΦ21
とコンデンサCa2の間は、スイッチΨ21を介して接
地されている。同様に、コンデンサCa2とスイッチΨ
22との間も、スイッチΦ22を介して接地されてい
る。また、この差動増幅器A2の非反転入力端子は接地
されている。この差動増幅器A2からの出力β2は、上
記加算器4へ出力されるとともに、コンデンサC02を
介して反転入力端子に入力されて負帰還される。
【0070】残余の正相型積分器M3〜M7も、上記正
相型積分器M2と同様に構成されており、対応する部分
の参照符号は、同一の英字に各正相型積分器M3〜M7
の次数に対応した添数字を付して示している。したがっ
て、たとえば第3次の正相型積分器M3では、正相型積
分器M2から出力された信号β2が入力され、出力する
信号β3は上記加算器4に入力されるとともに、次位の
正相型積分器M4に入力される。
【0071】さらに、第2次の正相型積分器M2と第3
次の正相型積分器M3とに関連して、帰還回路N1が設
けられている。すなわち、正相型積分器M2から出力さ
れた信号β2は、正相型積分器M3で積分および反転さ
れ、さらに帰還回路N1を介して、正相型積分器M2の
差動増幅器A2の反転入力端子に入力されて負帰還され
る。
【0072】帰還回路N1は、コンデンサCb1と、ス
イッチΦb1と、スイッチΨb1とを備えて構成されて
いる。差動増幅器A3からの出力は、スイッチΦb1を
介して、コンデンサCb1に入力される。スイッチΦb
1とコンデンサCb1との間は、スイッチΨb1を介し
て接地されている。また、このコンデンサCb1の出力
は、第2次の正相型積分器M2のスイッチΨ22を介し
て、差動増幅器A2の反転入力端子に入力される。
【0073】同様に、第4次の正相型積分器M4と第5
次の正相型積分器M5とに関連して帰還回路N2が設け
られており、第6次の正相型積分器M6と第7次の正相
型積分器M7とに関連して帰還回路N3が設けられてい
る。上記帰還回路N2は、コンデンサCb2と、スイッ
チΦb2と、スイッチΨb2とを備えて構成されてい
る。同様に、上記帰還回路N3は、コンデンサCb3
と、スイッチΦb3と、スイッチΨb3とを備えて構成
されている。
【0074】ここで、上記正相型積分器群3を構成する
各正相型積分器M1〜M7に信号が入力されると、標本
化キャパシタであるコンデンサCaの電荷が、積分キャ
パシタであるコンデンサC0ヘ移動する。よって、各正
相型積分器M1〜M7は、抵抗に置換されるコンデンサ
CaとコンデンサC0の比(C0/Ca)で表されるゲ
インでそれぞれ積分動作する。そこで、各正相型積分器
M1〜M7は、想定されるサンプリング周波数に対して
最適な積分回路定数(C0/Ca)となるように、コン
デンサCaとコンデンサC0の容量が設定される。な
お、各正相型積分器M1〜M7の各スイッチが上述した
ように動作するため、ここでの電荷の移動は1クロック
前の信号によって行われる。したがって、正相型積分器
群3には1クロックの遅延がある。
【0075】上記加算器4は、二つの差動増幅器A8,
A9と、九つの抵抗R10,R11,R12,R13,
R14,R20,R21,R22,R23とを備えて構
成されており、正相型積分器群3を構成する各正相型積
分器M1〜M7からの出力信号を加算する。
【0076】上記の正相型積分器M1,M3,M5,M
7から出力された信号β1,β3,β5,β7が、それ
ぞれ抵抗R11,R12,R13,R14を介して、差
動増幅器A8の反転入力端子に入力される。ここで、こ
の差動増幅器A8の非反転入力端子は接地されている。
この差動増幅器A8から出力される信号β8は、上記量
子化器5へ出力されるとともに、抵抗R10を介して反
転入力端子に入力されて負帰還される。また、上記の正
相型積分器M2,M4,M6から出力された信号β2,
β4,β6が、それぞれ抵抗R21,R22,R23を
介して、差動増幅器A9の反転入力端子に入力される。
ここで、この差動増幅器A9の非反転入力端子は接地さ
れている。この差動増幅器A9から出力される信号β9
は、上記量子化器5へ出力されるとともに、抵抗R20
を介して反転入力端子に入力されて負帰還される。
【0077】上記量子化器5は、各正相型積分器M1〜
M7からの出力が、前述のように加算器4に入力されて
相互に加算された後、出力される信号β8,β9が入力
される。量子化器5は、加算器4で加算された差分積分
信号を判定して、2値(1ビット)のディジタル信号
(量子化出力信号)に変換する。ここで、上記量子化器
5の量子化閾値は、想定されるサンプリング周波数に対
して最適に設定されている。例えば、量子化器5は、加
算器4からの出力が0以上であるときには「1」を導出
し、また0未満であるときには「0」を導出して、パル
ス増幅器6へ信号β10として出力する。これにより、
各正相型積分器M1〜M7からの出力信号の加算値が1
ビット量子化される。また、量子化器5は、反転出力端
子から、信号β10の反転信号を、信号β11としてデ
ィジタル/アナログ変換器13へ帰還ループ19を介し
て出力する。
【0078】上記ディジタル/アナログ変換器13は、
二つのコンデンサCd1,Cd2と、六つのスイッチΦ
d1,Φd2,Ψd1,Ψd2,SW1,SW2とを備
えて構成されており、量子化器5とパルス増幅器6から
それぞれフィードバックされたディジタル信号β11,
β12を電圧Vref1か電圧Vref2のアナログ信
号に変換し、差分器2に負帰還する。
【0079】上記ディジタル/アナログ変換器13に
は、パルス増幅器6から出力されたβ12がスイッチS
W1に入力され、量子化器5の反転出力端子から出力さ
れたβ11がスイッチSW2に入力される。スイッチS
W1,SW2は、一端が互いに接続されている。また、
スイッチSW1は、他端がスイッチΦd1、コンデンサ
Cd1、および差分器2のスイッチΨ02を順に介し
て、第1次の正相型積分器M1の差動増幅器A1の反転
入力端子に接続されているとともに、電圧Vref1に
よって印加されている。同様に、スイッチSW2は、他
端がスイッチΦd2、コンデンサCd2、および差分器
2のスイッチΨ02を順に介して、第1次の正相型積分
器M1の差動増幅器A1の反転入力端子に接続されてい
るとともに、電圧Vref2によって印加されている。
さらに、スイッチΦd1とコンデンサCd1との間と、
スイッチΦd2とコンデンサCd2との間が、縦続接続
された二つのスイッチΨd1,Ψd2によって接続され
ている。そして、スイッチSW1とスイッチSW2との
間と、スイッチΨd1とスイッチΨd2との間が直結さ
れている。
【0080】なお、パルス増幅器6と、ローパスフィル
タ7については、上述したディジタルスイッチングアン
プ21(図1)のものと同様であるため、その説明は省
略する。
【0081】上述したように、FETドライバなどを含
むパルス増幅器を備えたディジタルスイッチングアンプ
では、クロック発振器のタイミングが図24(a)であ
る回路において、量子化器の出力のタイミングが図24
(b)とすると、パルス増幅器の出力のタイミングが図
24(c)のように遅延する。そして、サンプリング周
波数(クロック周波数)を高くするにつれて、1クロッ
クで決定されるサンプリング時間に対するFETスイッ
チングの遅延の割合が大きくなり、アナログ値としてフ
ィードバックされる遅延を含んだパルス増幅器の出力信
号の入力側での影響が大きくなる。
【0082】ここで、遅延のない逆相型積分器mよりな
る逆相型積分器群を積分器に使用する従来のディジタル
スイッチングアンプでは、フィードバックされた信号に
遅延が生じると、逆相型積分器群を含むデルタシグマ変
調回路での発振限界が低下するとともに、S/Nが低下
していた。そして、ついには逆相型積分器群が発振し
て、デルタシグマ変調回路が正常に動作しなくなってい
た。
【0083】これに対して、本実施の形態にかかるディ
ジタルスイッチングアンプでは、積分器に1クロックの
遅延のある正相型積分器Mよりなる正相型積分器群を使
用する。そして、正相型積分器Mでは、1クロック前の
信号の電荷を転送するので、フィードバックされるアナ
ログ信号に1クロックで決定されるサンプリング時間以
下の遅延があっても、フィードバック信号の遅延の影響
を受けず、積分動作に何ら支障をきたさない。
【0084】したがって、本実施の形態にかかるディジ
タルスイッチングアンプでは、サンプリング周波数を上
げて、フィードバックされた信号に遅延が生じても、デ
ルタシグマ変調回路での発振限界の低下およびS/Nの
低下を防止することができる。もちろん、正相型積分器
群が発振することはなく、デルタシグマ変調回路は正常
に動作する。
【0085】例えば、サンプリング周波数が高い場合
(64×44.1kHz =2.8224MHz )に、一定の正弦波(344.
53125Hz,-60dBV)を入力してサンプリングしたときの量
子化器出力の周波数に対する信号強度を、フィードバッ
ク信号に遅延があるときについて調べると、本実施の形
態にかかる正相型積分器Mよりなるディジタルスイッチ
ングアンプでは、図7に示すような量子化ノイズ分布と
なり、可聴帯域で十分な(100dB以上)S/Nが確
保できていることがわかる。
【0086】つぎに、上記の量子化器15およびパルス
増幅器16を備えたディジタルスイッチングアンプ22
(図2)等の動作について説明する。
【0087】上記ディジタルスイッチングアンプ22等
は、入力アナログ信号をデルタシグマ変調した後、量子
化器15で3値[+1,0,−1]の量子化出力信号を
得、これに基づいてパルス増幅器16が[+E,0,−
E]の間で高速にスイッチングして電力増幅する。
【0088】なお、この量子化出力信号は、“0”区間
を含む3値を越える値をとってもよく、3値に限定され
ない。例えば、上記量子化器15の量子化出力信号を5
値化信号[+2,+1,0,−1,−2]とし、この5
値化信号に対応して、パルス増幅器16が『正電圧E1
印加』、『正電圧印加E2 』、『OFF』、『負電圧−
2 印加』、『負電圧−E1 印加』をスイッチング制御
信号として設定し、負荷に対してそれぞれ「正電圧
1 」の印加、「正電圧E2 」の印加、無印加、「負電
圧−E2 」および「負電圧−E1 」の印加の状態を取る
ように制御してもよい。
【0089】以上のように、量子化出力信号を多値化す
ることにより、量子化出力信号が“0”の区間では負荷
に電圧が印加されないので、負荷で消費される電力が小
さくなる。それゆえ、電力効率が飛躍的に向上する。
【0090】また、電圧変動や±電源のアンバランス等
の影響がキャンセルされるので、出力信号の量子化ノイ
ズが低減され、発振限界も高くなる。それゆえ、十分な
S/Nが得られる。
【0091】例えば、上記量子化器15は、図8に示す
ような構成とすることができる。量子化器15は、二つ
のコンパレータQ1,Q2と、二つの抵抗R1,R3
と、可変抵抗R2と、インバータINVとを備えて構成
されている。
【0092】上記の抵抗R1,R2,R3は縦続接続さ
れて、電圧Vを抵抗分割しており、コンパレータQ1の
非反転入力端子に電圧V1を、コンパレータQ2の反転
入力端子に電圧V2を印加している。そして、入力信号
の電圧Vinが、コンパレータQ1の反転入力端子と、
コンパレータQ2の非反転入力端子とに印加されてい
る。さらに、コンパレータQ2の出力側にインバータI
NVが設けられており、出力が反転される。
【0093】上記の構成により、量子化器15は、コン
パレータQ1,Q2によって、加算器4からの入力信号
の電圧Vinと抵抗分割された電圧V1,V2とを比較
演算し、3値化ディジタル信号[+1,0,−1]を生
成する。すなわち、Vin>V1のとき+1が出力さ
れ、Vin<V2のとき−1が出力される。
【0094】さらに、上記量子化器15は、抵抗R2の
抵抗値を変更することによって、コンパレータQ2の量
子化閾値を任意に変更することができる。
【0095】ここで、図9から図18に、ディジタルス
イッチングアンプ22に、一定の入力信号(最大振幅を
0dBとしたとき、−60dBの振幅値をもつ正弦波
(344.53125Hz,振幅0.001 ))を入力したときの出力信
号をFFT分析し、得られた周波数に対する量子化ノイ
ズ分布を、量子化器15で生成する3値化ディジタル信
号の量子化閾値別に示す。なお、このときのディジタル
スイッチングアンプ22のデルタシグマ変調部ADは、
積分器が7次の正相型積分器よりなる7次デルタシグマ
変調部である。また、サンプリング周波数は、32×44.1
kHz =1.4112MHzであり、サンプリング周波数が高い場
合に相当する。
【0096】図9から図18では、量子化器15で生成
する3値化ディジタル信号の量子化閾値が異なる。上記
の各図における量子化閾値は、図9から順に0、0.
1、0.2、・・・、0.8、0.9である。ここで、
量子化閾値0の図9は、比較のため2値(1bit)で
量子化したときの量子化ノイズ分布である。
【0097】上記の各図より、20kHz以上の量子化
ノイズ分布の形状は、量子化閾値が大きくなるにつれ
て、80kHz付近のノイズピークが大きくなり、S/
N比は小さくなる。また、20kHz以下の可聴帯域で
は、量子化閾値を大きくすると、少しずつ量子化ノイズ
レベルが低下するが、量子化閾値0.2のときを極大に
して、次第にノイズレベルが上昇する。
【0098】ついで、信号の発振する限界値に対する量
子化ノイズレベルの比(S/N)を調べると、図19に
示すとおりである。図19より、量子化閾値を最適化す
ると、2値(1bit)のスイッチング制御信号時より
も、S/Nを大きく取ることができることがわかる。す
なわち、正相型積分器Mを用いたディジタルスイッチン
グアンプ22で、サンプリング周波数を32×44.1kHz =
1.4112MHz とするときには、量子化閾値は少なくとも
0.1〜0.4の範囲で2値の場合を上回り、およそ
0.2が最適な量子化閾値であることがわかる。なお、
ディジタルスイッチングアンプ22において、正相型積
分器群3の代わりに逆相型積分器mからなる逆相型積分
器群83を用いたディジタルスイッチングアンプでは、
サンプリング周波数を32×44.1kHz =1.4112MHz とする
ときには、量子化閾値はおよそ0.4が最適値となる。
【0099】したがって、サンプリング周波数に応じ
て、量子化閾値を変更することができる量子化器15を
用いることにより、それぞれの積分器が最も発振限界が
高く、S/Nが大きくとれるディジタルスイッチングア
ンプとすることができる。
【0100】つぎに、本発明の他の実施の形態として、
上述した実施の形態1の構成に加えて、デルタシグマ変
調部に逆相型積分器群も用いる構成について説明する。
【0101】〔実施の形態2〕 本発明の他の実施の形態について図20から図22に基
づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0102】図20に示すように、本実施の形態にかか
るデルタシグマ変調を応用したディジタルスイッチング
アンプ31は、差分器2と、正相型積分器群(積分器)
3と、加算器4と、量子化器5と、パルス増幅器(電力
増幅部)6と、ローパスフィルタ7と、減衰器10とに
加えて、スイッチ(切替手段)14と、逆相型積分器群
(積分器)83と、加算器84と、量子化器85とを備
えて構成される。なお、正相型積分器群3と、加算器4
と、量子化器5とから第1のデルタシグマ変調部AD1
が構成され、逆相型積分器群83と、加算器84と、量
子化器85とから第2のデルタシグマ変調部AD2が構
成されている。さらに、上記の第1のデルタシグマ変調
部AD1および第2のデルタシグマ変調部AD2と、ス
イッチ14とからデルタシグマ変調部ADが構成されて
いる。
【0103】なお、説明の便宜上、実施の形態1および
従来の技術において示した構成と同一の部材には、同一
の符号を付記し、その説明を省略する。
【0104】上記逆相型積分器群83は、逆相型積分器
m(図23(a))が縦続接続された高次の積分器であ
り、差分器2で得られた差分値を積分し、差分積分信号
を出力する。ここで、上記逆相型積分器群83を構成す
る各逆相型積分器mの積分回路定数は、想定されるサン
プリング周波数に対して最適に設定されている。
【0105】上記加算器84は、逆相型積分器群83を
構成する各逆相型積分器mからの出力信号を加算する。
なお、上記加算器84は、上記加算器4と同一の構成で
あってもよい。
【0106】上記量子化器85は、加算器84で加算さ
れた差分積分信号の極性を判定して、2値(1ビット)
のディジタル信号(量子化出力信号)に変換する。な
お、上記量子化器85は、上記量子化器5と同一の構成
であってもよい。
【0107】上記スイッチ14は、サンプリング周波数
に応じて、正相型積分器群3と、逆相型積分器群83と
を切り替えるスイッチである。
【0108】以上のように構成されたデルタシグマ変調
を応用したディジタルスイッチングアンプ31の動作を
説明すると、つぎのとおりである。
【0109】入力端子1にアナログ信号が入ると、差分
器2でパルス増幅器6の出力信号との差分値が求められ
る。この差分値は、サンプリング周波数に応じてスイッ
チ14が切り替わることにより、正相型積分器群3と逆
相型積分器群83のより最適な方へ出力される。したが
って、スイッチ14が、差分値を正相型積分器群3に出
力した場合は、正相型積分器群3が、この差分値を積分
し、正相型積分器群3の各正相型積分器Mより出力され
た信号が加算器4によって加算され、量子化器5によっ
て1ビットのディジタル信号に変換される。これに対し
て、スイッチ14が、差分値を逆相型積分器群83に出
力した場合は、逆相型積分器群83が、この差分値を積
分し、逆相型積分器群83の各逆相型積分器mより出力
された信号が加算器84によって加算され、量子化器8
5によって1ビットのディジタル信号に変換される。つ
づいて、得られた1ビットディジタル信号がパルス増幅
器6により電力増幅される。パルス増幅器6の出力信号
は、ローパスフィルタ7に入力され、不要な信号成分が
除去されて出力端子8から出力される。また、パルス増
幅器6の出力信号は、帰還ループ9により減衰器10を
経て差分器2に負帰還される。
【0110】ここで、スイッチ14は、サンプリング周
波数が高い場合は正相型積分器群3を選択し、低い場合
は逆相型積分器群83を選択するように切り替わる。例
えば、サンプリング周波数が、32×fs(fs=4
4.1kHz)のときは、パルス増幅器6から帰還する
信号の遅延の影響が大きいので、1クロック遅延の正相
型積分器Mからなる正相型積分器群3を積分器として選
択する。これに対して、例えば、サンプリング周波数
が、16×fs(fs=44.1kHz)のときは、パ
ルス増幅器6から帰還する信号の遅延の影響が小さいの
で、遅延のない逆相型積分器mからなる逆相型積分器群
83を積分器として選択する。
【0111】なお、同じサンプリング周波数に対して
も、正相型積分器群3と逆相型積分器群83とでは、最
適な積分回路定数が異なる。したがって、正相型積分器
群3を構成する各正相型積分器Mの積分回路定数と、逆
相型積分器群83を構成する各逆相型積分器mの積分回
路定数とを、想定されるサンプリング周波数に対してそ
れぞれ独立に最適に設定することができる。これによ
り、上記スイッチ14で第1のデルタシグマ変調部AD
1か第2のデルタシグマ変調部AD2かの選択をする
際、それぞれの積分器の積分回路定数がより適した方を
選択することができる。
【0112】本実施の形態にかかるデルタシグマ変調を
応用したディジタルスイッチングアンプは、上記の構成
に限らない。例えば、第一に、図21に示すディジタル
スイッチングアンプ32のように、量子化器5とパルス
増幅器6の代わりに、それぞれ量子化器15とパルス増
幅器16を備えるとともに、量子化器85の代わりに量
子化器95を備える構成としてもよい。ここで、上記量
子化器15,95は、差分積分信号の極性を判定して3
値のディジタル信号に変換する。また、上記パルス増幅
器16は、3値のディジタル出力信号で高速にスイッチ
ングして、このディジタル出力信号を電力増幅する。な
お、上記量子化器95は、量子化閾値を除いて、上記量
子化器15と同一の構成であってもよい。
【0113】第二に、図3に示すディジタルスイッチン
グアンプ23のように、上記ディジタルスイッチングア
ンプ32の構成に加えて、帰還ループ9上で減衰器10
より差分器2側に、クロック発振器12と接続した遅延
器11を備える構成としてもよい。
【0114】第三に、図4に示すディジタルスイッチン
グアンプ24のように、上記ディジタルスイッチングア
ンプ32の構成において、帰還ループ9の代わりに帰還
ループ19を設けることにより、減衰器10がなく、パ
ルス増幅器16がフィードバックループ外にある構成と
してもよい。つまり、量子化器15,95のディジタル
出力信号が、帰還ループ19を介して遅延器11で遅延
され差分器2に負帰還される構成としてもよい。
【0115】第四に、図5に示すディジタルスイッチン
グアンプ25のように、上記ディジタルスイッチングア
ンプ32の構成において、帰還ループ9の代わりに帰還
ループ19を設けて、量子化器15,95のディジタル
出力信号を差分器2に直接フィードバックする構成とし
てもよい。
【0116】ここで、上記ディジタルスイッチングアン
プ32(図21)では、同じサンプリング周波数に対し
ても、量子化器15と量子化器95とでは、最適な量子
化閾値が異なる。よって、上記量子化器15,95の量
子化閾値は、想定されるサンプリング周波数に対してそ
れぞれ独立に最適に設定することができる。これによ
り、上記スイッチ14で第1のデルタシグマ変調部AD
1か第2のデルタシグマ変調部AD2かの選択をする
際、それぞれの量子化器の量子化閾値がより適した方を
選択することができる。
【0117】したがって、ディジタルスイッチングアン
プ32のスイッチ14で積分器を選択する際、それぞれ
の積分器の積分回路定数が最適に設定され、また量子化
器の量子化閾値が最適に設定されている回路構成を選択
することができる。
【0118】つぎに、本実施の形態にかかるデルタシグ
マ変調を応用したディジタルスイッチングアンプの正相
型積分器群3および加算器4と、逆相型積分器群83お
よび加算器84の具体的な電気的構成を説明する。
【0119】図22に示すように、ディジタルスイッチ
ングアンプ33は、差分器2と、正相型積分器群3と、
加算器4と、量子化器5と、パルス増幅器6と、ローパ
スフィルタ7と、ディジタル/アナログ変換器13とに
加えて、スイッチ14と、逆相型積分器群83と、加算
器84と、量子化器85とを備えて構成されている。な
お、正相型積分器群3と、加算器4と、量子化器5とか
ら第1のデルタシグマ変調部AD1が構成され、逆相型
積分器群83と、加算器84と、量子化器85とから第
2のデルタシグマ変調部AD2が構成されている。さら
に、上記の第1のデルタシグマ変調部AD1および第2
のデルタシグマ変調部AD2と、スイッチ14とからデ
ルタシグマ変調部ADが構成されている。
【0120】ここで、ディジタルスイッチングアンプ3
3の第1のデルタシグマ変調部AD1の回路構成と、図
6に示したディジタルスイッチングアンプ26のデルタ
シグマ変調部ADの回路構成とは同一であるため、正相
型積分器群3および加算器4の詳細については上述した
とおりである。また、ディジタルスイッチングアンプ3
3の第2のデルタシグマ変調部AD2の回路構成と、図
26に示したディジタルスイッチングアンプ72のデル
タシグマ変調部ADの回路構成とが同一であるため、逆
相型積分器群83および加算器84の詳細な回路構成に
ついては図26に示すとおりである。
【0121】図22に示す上記ディジタルスイッチング
アンプ33の逆相型積分器群83(図26参照)は、縦
続接続された7次の逆相型積分器m1,m2,…,m7
と、帰還回路n1,n2,n3とを備えて構成されてい
る。
【0122】第1次の逆相型積分器m1は、差動増幅器
a1と、コンデンサc01とを備えて構成されている。
入力端子1からのアナログ信号は、差分器2とスイッチ
14を介して、差動増幅器a1の反転入力端子に入力さ
れる。この差動増幅器a1の非反転入力端子は接地され
ている。この差動増幅器a1から出力された信号α1
は、上記加算器84へ出力されるとともに、コンデンサ
c01を介して反転入力端子に入力されて負帰還され
る。
【0123】第2次の逆相型積分器m2は、差動増幅器
a2と、二つのコンデンサca2,c02と、二つのス
イッチφ21,φ22と、二つのスイッチψ21,ψ2
2とを備えて構成されている。逆相型積分器m1から出
力された信号α1が、スイッチψ21、コンデンサca
2、スイッチψ22を順に介して、差動増幅器a2の反
転入力端子に入力される。ここで、スイッチψ21とコ
ンデンサca2の間は、スイッチφ21を介して接地さ
れている。同様に、コンデンサca2とスイッチψ22
との間も、スイッチφ22を介して接地されている。ま
た、この差動増幅器a2の非反転入力端子は接地されて
いる。この差動増幅器a2からの出力α2は、上記加算
器84へ出力されるとともに、コンデンサc02を介し
て反転入力端子に入力されて負帰還される。
【0124】残余の逆相型積分器m3〜m7も、上記逆
相型積分器m2と同様に構成されており、対応する部分
の参照符号は、同一の英字に各逆相型積分器m3〜m7
の次数に対応した添数字を付して示している。したがっ
て、たとえば第3次の逆相型積分器m3では、逆相型積
分器m2から出力された信号α2が入力され、出力する
信号α3は上記加算器84に入力されるとともに、次位
の逆相型積分器m4に入力される。
【0125】さらに、第2次の逆相型積分器m2と第3
次の逆相型積分器m3とに関連して、帰還回路n1が設
けられている。すなわち、逆相型積分器m2から出力さ
れた信号α2は、逆相型積分器m3で積分および反転さ
れ、さらに帰還回路n1を介して、逆相型積分器m2の
差動増幅器a2の反転入力端子に入力されて負帰還され
る。
【0126】帰還回路n1は、コンデンサcb1と、ス
イッチφb1と、スイッチψb1とを備えて構成されて
いる。差動増幅器a3からの出力は、スイッチφb1を
介して、コンデンサcb1に入力される。スイッチφb
1とコンデンサcb1との間は、スイッチψb1を介し
て接地されている。また、このコンデンサcb1の出力
は、第2次の逆相型積分器m2のスイッチψ22を介し
て、差動増幅器a2の反転入力端子に入力される。
【0127】同様に、第4次の逆相型積分器m4と第5
次の逆相型積分器m5とに関連して帰還回路n2が設け
られており、第6次の逆相型積分器m6と第7次の逆相
型積分器m7とに関連して帰還回路n3が設けられてい
る。上記帰還回路n2は、コンデンサcb2と、スイッ
チφb2と、スイッチψb2とを備えて構成されてい
る。同様に、帰還回路n3は、コンデンサcb3と、ス
イッチφb3と、スイッチψb3とを備えて構成されて
いる。
【0128】上記加算器84は、二つの差動増幅器a
8,a9と、九つの抵抗r10,r11,r12,r1
3,r14,r20,r21,r22,r23とを備え
て構成されている。逆相型積分器m1,m3,m5,m
7から出力された信号α1,α3,α5,α7が、それ
ぞれ抵抗r11,r12,r13,r14を介して、差
動増幅器a8の反転入力端子に入力される。ここで、こ
の差動増幅器a8の非反転入力端子は接地されている。
この差動増幅器a8から出力される信号α8は、上記量
子化器85へ出力されるとともに、抵抗r10を介して
反転入力端子に入力されて負帰還される。また、逆相型
積分器m2,m4,m6から出力された信号α2,α
4,α6が、それぞれ抵抗r21,r22,r23を介
して、差動増幅器a9の反転入力端子に入力される。こ
こで、この差動増幅器a9の非反転入力端子は接地され
ている。この差動増幅器a9から出力される信号α9
は、上記量子化器85へ出力されるとともに、抵抗r2
0を介して反転入力端子に入力されて負帰還される。
【0129】上記量子化器85は、各逆相型積分器m1
〜m7からの出力が、前述のように加算器84に入力さ
れて相互に加算された後、出力される信号α8,α9が
入力される。量子化器85は、加算器84からの出力が
0以上であるときには「1」を導出し、0未満であると
きには「0」の導出し、信号α10として非反転出力端
子よりパルス増幅器6へ出力する。これにより、各逆相
型積分器m1〜m7からの出力加算値が1ビット量子化
される。また、量子化器85は、反転出力端子から、信
号α11として信号α10の反転信号をディジタル/ア
ナログ変換器13へ出力する。
【0130】上記スイッチ14は、第1のデルタシグマ
変調部AD1と第2のデルタシグマ変調部AD2とを、
サンプリング周波数に応じて切り替えるスイッチであ
る。
【0131】以上のように、デルタシグマ変調を応用し
たディジタルスイッチングアンプでは、サンプリング周
波数を上げるにつれて、パルス増幅器のFETスイッチ
ングの遅延が増大し、信号遅延の影響が無視できなくな
る。そして、積分器に逆相型積分器mよりなる逆相型積
分器群を使用すると、ついには発振して、正常に動作し
なくなる。
【0132】一方、正相型積分器Mは、逆相型積分器m
に比べて、ディジタルスイッチングアンプに使う上で、
S/Nや、ダイナミックレンジが劣るため、ディジタル
スイッチングアンプの積分器として使用することは考え
られていなかった。
【0133】しかし、本実施の形態にかかるディジタル
スイッチングアンプでは、積分器を正相型積分器Mで構
成することにより、正相型積分器Mが1クロック前の信
号の電荷を転送するので、フィードバックされるアナロ
グ信号に1クロックで決定されるサンプリング時間以下
の遅延があっても、フィードバック信号の遅延の影響を
受けず、積分動作に何ら支障をきたさない。
【0134】したがって、サンプリング周波数を上げ
て、フィードバックされた信号に遅延が生じても、量子
化ノイズの増加を抑えることができ、また、発振限界の
低下も抑制できることから、十分なS/Nが確保できる
ことがわかった。
【0135】また、本実施の形態にかかるディジタルス
イッチングアンプでは、パルス増幅器からの出力を、減
衰してデルタシグマ変調部へ負帰還する。これにより、
定電圧をスイッチングするパルス増幅器で発生するスイ
ッチングノイズ、クロックノイズ、あるいは外部より侵
入してくるノイズ等をキャンセルすることができる。し
たがって、これらに起因する量子化ノイズの増加を抑え
ることができるとともに、発振限界の低下も抑制できる
ことから、十分なS/Nが確保できる。
【0136】また、本実施の形態にかかるディジタルス
イッチングアンプでは、量子化出力信号を量子化閾値に
基づいて多値化している。これにより、量子化出力信号
が“0”の区間では負荷に電圧が印加されないので、負
荷で消費される電力が小さくなる。したがって、電力効
率が飛躍的に向上する。また、電圧変動や±電源のアン
バランス等の影響がキャンセルされる。したがって、出
力信号の量子化ノイズが低減され、発振限界も高くな
る。それゆえ、十分なS/Nが得られる。
【0137】また、本実施の形態にかかるディジタルス
イッチングアンプでは、デルタシグマ変調部に、正相型
積分器群よりなる積分器と、逆相型積分器群よりなる積
分器の両方を設けるとともに、サンプリング周波数に応
じて、これらの積分器を切り替えるスイッチを設ける。
これにより、サンプリング周波数が低いときは、パルス
増幅器から帰還する信号の遅延の影響が小さいので、遅
延のない逆相型積分器mからなる逆相型積分器群を積分
器として選択することができる。また、サンプリング周
波数が高いときは、パルス増幅器から帰還する信号の遅
延の影響が大きいので、1クロック遅延の正相型積分器
Mからなる正相型積分器群を積分器として選択すること
ができる。したがって、サンプリング周波数が上がって
も、出力信号の量子化ノイズを抑制できるとともに、発
振限界を高く維持することができる。それゆえ、サンプ
リング周波数の高低にかかわらず、常に十分なS/Nを
得ることができる。
【0138】また、本実施の形態にかかるディジタルス
イッチングアンプでは、サンプリング周波数に応じて、
積分器の積分回路定数をスイッチによって切り替える。
これにより、常にサンプリング周波数に対して最適な積
分回路定数が設定された積分器を使用することができ
る。したがって、出力信号の量子化ノイズを抑制できる
とともに、発振限界を高く維持することができる。それ
ゆえ、常に十分なS/Nを得ることができる。
【0139】なお、本実施の形態にかかるディジタルス
イッチングアンプ32(図21)では、正相型積分器群
3の積分回路定数と、逆相型積分器群83の積分回路定
数とを、想定されるサンプリング周波数に対してそれぞ
れ独立に最適に設定しておき、スイッチ14で第1のデ
ルタシグマ変調部AD1か第2のデルタシグマ変調部A
D2かの選択をするときに、積分回路定数がより適した
方を選択することができる。しかし、例えば、ディジタ
ルスイッチングアンプ32の構成において、想定される
サンプリング周波数に、正相型積分器群3を用いるべき
ものが二種類ある場合には、それぞれに最適な積分回路
定数を設定した二つの正相型積分器群3,3’を有する
第1のデルタシグマ変調部AD1,AD1’を設け、ス
イッチ14によって、サンプリング周波数に応じて切り
替える構成にすることができる。もちろん、一つの正相
型積分器群3の中に、想定される複数のサンプリング周
波数に適した積分回路定数をすべて設けるとともに、該
正相型積分器群3の内部に切替手段を設け、サンプリン
グ周波数に応じて切り替える構成とすることもできる。
【0140】また、本実施の形態にかかるディジタルス
イッチングアンプでは、サンプリング周波数に応じて、
量子化器の量子化閾値をスイッチによって切り替える。
これにより、常にサンプリング周波数に対して最適な量
子化閾値が設定された量子化器を使用することができ
る。したがって、出力信号の量子化ノイズを抑制できる
とともに、発振限界を高く維持することができる。それ
ゆえ、常に十分なS/Nを得ることができる。
【0141】なお、本実施の形態にかかるディジタルス
イッチングアンプ32(図21)では、量子化器15の
量子化閾値と、量子化器95の量子化閾値とを、想定さ
れるサンプリング周波数に対してそれぞれ独立に最適に
設定しておき、スイッチ14で第1のデルタシグマ変調
部AD1か第2のデルタシグマ変調部AD2かの選択を
するときに、量子化閾値がより適した方を選択すること
ができる。しかし、例えば、ディジタルスイッチングア
ンプ32の構成において、想定されるサンプリング周波
数の中に、正相型積分器群3を用いるべきものが二種類
ある場合には、それぞれに最適な量子化閾値を設定した
二つの量子化器15,15’を有する第1のデルタシグ
マ変調部AD1,AD1’を設け、スイッチ14によっ
て、サンプリング周波数に応じて切り替える構成にする
ことができる。もちろん、一つの量子化器15の中に、
想定される複数のサンプリング周波数に適した量子化閾
値をすべて設けるとともに、該量子化器15の内部に切
替手段を設け、サンプリング周波数に応じて切り替える
構成とすることもできる。
【0142】
【発明の効果】請求項1の発明のディジタルスイッチン
グアンプは、以上のように、入力アナログ信号をデルタ
シグマ変調して量子化出力信号に変換する積分器、加算
器および量子化器よりなるデルタシグマ変調部と、該量
子化出力信号に基づいて定電圧印加をスイッチングする
ことにより上記量子化出力信号を電力増幅する電力増幅
部とを有するディジタルスイッチングアンプにおいて、
上記積分器が、正相型スイッチトキャパシタ積分器より
なる構成である。
【0143】それゆえ、入力信号と帰還回路を経由した
電力増幅部からのフィードバック信号とに最大1クロッ
ク分の遅延が生じても、積分器は正常に動作する。した
がって、サンプリング周波数を上げて、フィードバック
された信号に遅延が生じても、量子化ノイズの増加を抑
えることができ、また、発振限界の低下も抑制できるこ
とから、十分なS/Nが確保できるという効果を奏す
る。
【0144】請求項2の発明のディジタルスイッチング
アンプは、以上のように、入力アナログ信号をデルタシ
グマ変調して量子化出力信号に変換する積分器、加算器
および量子化器よりなるデルタシグマ変調部と、該量子
化出力信号に基づいて定電圧印加をスイッチングする電
力増幅部とを有するディジタルスイッチングアンプにお
いて、上記デルタシグマ変調部は、上記積分器が正相型
スイッチトキャパシタ積分器よりなる第1のデルタシグ
マ変調部と、上記積分器が逆相型スイッチトキャパシタ
積分器よりなる第2のデルタシグマ変調部とを有すると
ともに、上記第1のデルタシグマ変調部と上記第2のデ
ルタシグマ変調部とを、サンプリング周波数に応じて切
り替える切替手段を有する構成である。
【0145】それゆえ、サンプリング周波数が低い場合
は、逆相型スイッチトキャパシタ積分器を使用すること
で、発振限界を高くし、S/Nが確保できる。一方、サ
ンプリング周波数が高い場合は、正相型スイッチトキャ
パシタ積分器を使用することで、より周波数帯域を広
げ、ダイナミックレンジを確保できる。したがって、サ
ンプリング周波数の高低にかかわらず、常に十分なS/
Nを得ることができるという効果を奏する。
【0146】請求項3の発明のディジタルスイッチング
アンプは、以上のように、請求項1または2の構成に加
えて、上記デルタシグマ変調部の出力と上記電力増幅部
の出力との少なくとも何れか一方を、該デルタシグマ変
調部の入力信号として負帰還する帰還ループが設けられ
ている構成である。
【0147】それゆえ、請求項1または2の構成による
効果に加えて、定電圧をスイッチングする電力増幅部で
発生するスイッチングノイズ、クロックノイズ、あるい
は外部より侵入してくるノイズ等を積分器へ負帰還する
ことでノイズをキャンセルすることができる。したがっ
て、これらに起因する量子化ノイズの増加を抑えること
ができるとともに、発振限界の低下も抑制できることか
ら、十分なS/Nが確保できるという効果を奏する。
【0148】請求項4の発明のディジタルスイッチング
アンプは、以上のように、請求項1から3の何れかの構
成に加えて、上記積分器は、積分回路定数をサンプリン
グ周波数に応じて切り替える切替手段が設けられている
構成である。
【0149】それゆえ、請求項1から3の何れかの構成
による効果に加えて、積分器を、常にサンプリング周波
数に対して最適な積分回路定数が設定された回路構成に
することができる。したがって、出力信号の量子化ノイ
ズを抑制できるとともに、発振限界を高く維持できるこ
とから、常に十分なS/Nを得ることができるという効
果を奏する。
【0150】請求項5の発明のディジタルスイッチング
アンプは、以上のように、請求項1から4の何れかの構
成に加えて、上記量子化器は、量子化閾値に基づいて3
値以上の多値化信号を出力する構成である。
【0151】それゆえ、請求項1から4の何れかの構成
による効果に加えて、スイッチング回数が減少するとと
もに、量子化出力信号が“0”の区間では負荷に電圧が
印加されないので、負荷で消費される電力が小さくな
る。したがって、電力効率が飛躍的に向上するという効
果を奏する。
【0152】また、電圧変動や±電源のアンバランス等
の影響がキャンセルされるので、出力信号の量子化ノイ
ズが低減され、発振限界も高くなることから、十分なS
/Nが得られるという効果を奏する。
【0153】請求項6の発明のディジタルスイッチング
アンプは、以上のように、請求項5の構成に加えて、上
記量子化器は、量子化閾値をサンプリング周波数に応じ
て切り替える切替手段が設けられている構成である。
【0154】それゆえ、請求項5の構成による効果に加
えて、デルタシグマ変調部の量子化出力信号を多値化す
る場合、量子化器を、常にサンプリング周波数に対して
最適な量子化閾値が設定された回路構成にすることがで
きる。したがって、出力信号の量子化ノイズを抑制でき
るとともに、発振限界を高く維持できることから、常に
十分なS/Nを得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかるディジタルスイ
ッチングアンプの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態にかかるディジタルスイ
ッチングアンプの他の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施の形態にかかるディジタルスイ
ッチングアンプのさらに他の構成を示すブロック図であ
る。
【図4】本発明の一実施の形態にかかるディジタルスイ
ッチングアンプのさらに他の構成を示すブロック図であ
る。
【図5】本発明の一実施の形態にかかるディジタルスイ
ッチングアンプのさらに他の構成を示すブロック図であ
る。
【図6】本発明の一実施の形態にかかるディジタルスイ
ッチングアンプのさらに他の構成を示す回路構成図であ
る。
【図7】図6に示すディジタルスイッチングアンプに、
正弦波(344.53125Hz,-60dBV)を入力し、サンプリング
周波数 2.8224MHzでサンプリングしたときの量子化ノイ
ズ分布の測定結果を示すグラフである。
【図8】本発明の一実施の形態にかかるディジタルスイ
ッチングアンプの量子化器の構成の概略を示す回路構成
図である。
【図9】図2に示すディジタルスイッチングアンプ(7
次デルタシグマ変調部)に、正弦波(344.53125Hz,振幅
0.001 )を入力し、量子化閾値が0のときの出力信号を
FFT分析して得られた、周波数に対する量子化ノイズ
分布の測定結果を示すグラフである。
【図10】図2に示すディジタルスイッチングアンプ
(7次デルタシグマ変調部)に、正弦波(344.53125Hz,
振幅0.001 )を入力し、量子化閾値が±0.1のときの
出力信号をFFT分析して得られた、周波数に対する量
子化ノイズ分布の測定結果を示すグラフである。
【図11】図2に示すディジタルスイッチングアンプ
(7次デルタシグマ変調部)に、正弦波(344.53125Hz,
振幅0.001 )を入力し、量子化閾値が±0.2のときの
出力信号をFFT分析して得られた、周波数に対する量
子化ノイズ分布の測定結果を示すグラフである。
【図12】図2に示すディジタルスイッチングアンプ
(7次デルタシグマ変調部)に、正弦波(344.53125Hz,
振幅0.001 )を入力し、量子化閾値が±0.3のときの
出力信号をFFT分析して得られた、周波数に対する量
子化ノイズ分布の測定結果を示すグラフである。
【図13】図2に示すディジタルスイッチングアンプ
(7次デルタシグマ変調部)に、正弦波(344.53125Hz,
振幅0.001 )を入力し、量子化閾値が±0.4のときの
出力信号をFFT分析して得られた、周波数に対する量
子化ノイズ分布の測定結果を示すグラフである。
【図14】図2に示すディジタルスイッチングアンプ
(7次デルタシグマ変調部)に、正弦波(344.53125Hz,
振幅0.001 )を入力し、量子化閾値が±0.5のときの
出力信号をFFT分析して得られた、周波数に対する量
子化ノイズ分布の測定結果を示すグラフである。
【図15】図2に示すディジタルスイッチングアンプ
(7次デルタシグマ変調部)に、正弦波(344.53125Hz,
振幅0.001 )を入力し、量子化閾値が±0.6のときの
出力信号をFFT分析して得られた、周波数に対する量
子化ノイズ分布の測定結果を示すグラフである。
【図16】図2に示すディジタルスイッチングアンプ
(7次デルタシグマ変調部)に、正弦波(344.53125Hz,
振幅0.001 )を入力し、量子化閾値が±0.7のときの
出力信号をFFT分析して得られた、周波数に対する量
子化ノイズ分布の測定結果を示すグラフである。
【図17】図2に示すディジタルスイッチングアンプ
(7次デルタシグマ変調部)に、正弦波(344.53125Hz,
振幅0.001 )を入力し、量子化閾値が±0.8のときの
出力信号をFFT分析して得られた、周波数に対する量
子化ノイズ分布の測定結果を示すグラフである。
【図18】図2に示すディジタルスイッチングアンプ
(7次デルタシグマ変調部)に、正弦波(344.53125Hz,
振幅0.001 )を入力し、量子化閾値が±0.9のときの
出力信号をFFT分析して得られた、周波数に対する量
子化ノイズ分布の測定結果を示すグラフである。
【図19】図2に示すディジタルスイッチングアンプの
信号の発振する限界値に対する量子化ノイズの比(S/
N)を、量子化閾値について示す説明図である。
【図20】本発明の他の実施の形態にかかるディジタル
スイッチングアンプの構成を示すブロック図である。
【図21】本発明の他の実施の形態にかかるディジタル
スイッチングアンプの他の構成を示すブロック図であ
る。
【図22】本発明の他の実施の形態にかかるディジタル
スイッチングアンプのさらに他の構成を示す回路構成図
である。
【図23】本発明の実施の形態にかかるスイッチトキャ
パシタ積分器を説明する説明図であり、(a)は逆相型
スイッチトキャパシタ積分器の回路構成図、(b)は正
相型スイッチトキャパシタ積分器の回路構成図、(c)
は(a),(b)中のスイッチの動作タイミング図であ
る。
【図24】本発明の実施の形態にかかるディジタルスイ
ッチングアンプの動作タイミングを説明する動作タイミ
ング図であり、(a)はクロック発振器の動作タイミン
グ図、(b)は量子化器の出力信号のタイミング図、
(c)はパルス増幅器の出力信号のタイミング図であ
る。
【図25】従来のディジタルスイッチングアンプの構成
を示すブロック図である。
【図26】従来のディジタルスイッチングアンプの他の
構成を示す回路構成図である。
【図27】図26に示すディジタルスイッチングアンプ
に、正弦波(344.53125Hz,-60dBV)を入力し、サンプリ
ング周波数 2.8224MHzでサンプリングしたときの量子化
ノイズ分布の測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
3 正相型積分器群(積分器) 4 加算器 5 量子化器 6 パルス増幅器(電力増幅部) 9 帰還ループ 14 スイッチ(切替手段) 15 量子化器 16 パルス増幅器(電力増幅部) 19 帰還ループ 21 ディジタルスイッチングアンプ 22 ディジタルスイッチングアンプ 23 ディジタルスイッチングアンプ 24 ディジタルスイッチングアンプ 25 ディジタルスイッチングアンプ 26 ディジタルスイッチングアンプ 31 ディジタルスイッチングアンプ 32 ディジタルスイッチングアンプ 33 ディジタルスイッチングアンプ 83 逆相型積分器群(積分器) 84 加算器 85 量子化器 95 量子化器 M 正相型スイッチトキャパシタ積分器 m 逆相型スイッチトキャパシタ積分器 AD デルタシグマ変調部 AD1 第1のデルタシグマ変調部 AD2 第2のデルタシグマ変調部

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力アナログ信号をデルタシグマ変調して
    量子化出力信号に変換する積分器、加算器および量子化
    器よりなるデルタシグマ変調部と、該量子化出力信号に
    基づいて定電圧印加をスイッチングすることにより上記
    量子化出力信号を電力増幅する電力増幅部とを有するデ
    ィジタルスイッチングアンプにおいて、 上記積分器が、正相型スイッチトキャパシタ積分器より
    なることを特徴とするディジタルスイッチングアンプ。
  2. 【請求項2】入力アナログ信号をデルタシグマ変調して
    量子化出力信号に変換する積分器、加算器および量子化
    器よりなるデルタシグマ変調部と、該量子化出力信号に
    基づいて定電圧印加をスイッチングする電力増幅部とを
    有するディジタルスイッチングアンプにおいて、 上記デルタシグマ変調部は、 上記積分器が正相型スイッチトキャパシタ積分器よりな
    る第1のデルタシグマ変調部と、 上記積分器が逆相型スイッチトキャパシタ積分器よりな
    る第2のデルタシグマ変調部とを有するとともに、 上記第1のデルタシグマ変調部と上記第2のデルタシグ
    マ変調部とを、サンプリング周波数に応じて切り替える
    切替手段を有することを特徴とするディジタルスイッチ
    ングアンプ。
  3. 【請求項3】上記デルタシグマ変調部の出力と上記電力
    増幅部の出力との少なくとも何れか一方を、該デルタシ
    グマ変調部の入力信号として負帰還する帰還ループが設
    けられていることを特徴とする請求項1または2記載の
    ディジタルスイッチングアンプ。
  4. 【請求項4】上記積分器は、積分回路定数をサンプリン
    グ周波数に応じて切り替える切替手段が設けられている
    ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のディ
    ジタルスイッチングアンプ。
  5. 【請求項5】上記量子化器は、量子化閾値に基づいて3
    値以上の多値化信号を出力することを特徴とする請求項
    1から4の何れかに記載のディジタルスイッチングアン
    プ。
  6. 【請求項6】上記量子化器は、量子化閾値をサンプリン
    グ周波数に応じて切り替える切替手段が設けられている
    ことを特徴とする請求項5記載のディジタルスイッチン
    グアンプ。
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