JP3368032B2 - 圧力調整弁及びその製造方法 - Google Patents

圧力調整弁及びその製造方法

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JP3368032B2
JP3368032B2 JP02278094A JP2278094A JP3368032B2 JP 3368032 B2 JP3368032 B2 JP 3368032B2 JP 02278094 A JP02278094 A JP 02278094A JP 2278094 A JP2278094 A JP 2278094A JP 3368032 B2 JP3368032 B2 JP 3368032B2
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秋夫 中野
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マルヤス工業株式会社
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Safety Valves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車の電子制
御燃料噴射装置に用いられて噴射弁に圧送される燃料の
圧力を一定に保つなど、ポンプから圧送されて他の装置
に供給される流体の圧力を一定に保つ圧力調整弁、及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の圧力調整弁は、図3に示
すように、カップ状に形成され互いに開口部が対向する
ように重ね合わせられて内部に空間を形成する第1及び
第2シェル11,12と、第1及び第2シェル11,1
2間に周縁部にて固定されて前記空間を第1及び第2室
R1,R2に区画するダイヤフラム13と、第1シェル
11の側部に組み付けられ第1室R1に向けて開口して
なり流入経路を構成する筒状のブッシュ14と、板状部
材を湾曲して対向辺を溶接することによって形成され第
1シェル11の底部に組み付けられて第1室R1内にて
ダイヤフラム13に向けて突出してなり流出経路を構成
する流出パイプ15と、流出パイプ15の上部に圧入さ
れダイヤフラム13の中央部に向けた開口面を有する筒
状の弁座部材16と、弁座部材16の開口面に対向する
ようにダイヤフラム13の中央部に支持されダイヤフラ
13とともに変位てブッシュ14と流出パイプ15
との間に形成される流路を開閉する弁体17と、第2室
R2内に収容され一端にて第2シェル12の底面に支持
されかつ他端にてダイヤフラム13に支持されたスプリ
ング18とを備え、第1室R1とブッシュ14に連通す
る装置内の圧力がスプリング18の付勢力に応じた所定
の圧力に維持されるように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記の従来の
装置においては、弁座部材16と流出パイプ15とは確
実な液密性を保って装着する必要がある。通常この種の
弁座部材16はステンレスで構成されているため、弁座
部材16と流出パイプ15をろう付けし液密性を保って
装着する方法が考えられるが、弁座部材16を流出パイ
プ15にろう付けすると、ろう付けの際の熱処理(10
00℃程度)によって弁座部材16が変質してその座面
の面粗度が劣化し、座面と弁体との液密性が悪くなって
流路の開閉が確実でなくなる可能性がある。そこで弁座
部材16は流出パイプ15内に圧入することによって液
密性を保って装着する手法を採用することが望まれる。
【0004】一方流出パイプ15の成形では、板状部材
を丸めてその対向辺を溶接する手法、いわゆる一重巻加
工が製造上の簡便さから採用されているが、このように
形成された流出パイプ15の溶接部は盛り上がって、い
わゆる溶接ビードが発生することが多い。したがってこ
の流出パイプ15に弁座部材16を圧入すると、この溶
接ビードを介して流出パイプ15の内面と弁座部材16
の外面との間にわずかな隙間ができ、第1室R1と流出
パイプ15を介した外部との液密性が悪化する。
【0005】そこで、流出パイプ15に発生している溶
接ビードを切削、研磨などを行うことで除去することも
考えられるが、流出パイプ15の内側を工作することは
面倒であり、また、確実に除去処理を行うことは困難で
ある。
【0006】
【発明の目的】そこで本発明は上記問題に対処するため
になされたもので、液密性が良好な圧力調整弁を提供す
ること、及び簡単な方法で液密性の保たれた同圧力調整
弁を製造することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の構成上の特徴は、流出パイプのダイヤフラ
ムに向かって突出している方の上端面が弁座部材の側面
に圧接するように屈曲していることを特徴とする。ま
た、流出パイプの上端面を弁座部材に圧接させるための
製造方法が、流出パイプを、(1)板状部材を湾曲して
対向辺を溶接し筒状部材を形成する工程、(2)この筒
状部材の上端面から所定距離だけ離間した部位の周り
を、同上端面側の内周縁部に切り欠き部の形成された把
持部材によって把持する工程、(3)外周径が前記筒状
部材の内周径よりも大きくかつ同筒状部材の内周径より
も小さい外周径を有する凸部が形成された加圧成形用治
具を同凸部を前記上端面から前記筒状部材に挿入し、同
筒状部材を前記把持部材の切り欠き部に沿って外周方向
に膨出させ同時に前記上端面が前記凸部側面に当接する
ように変形させる工程を経て構成し、次にこの流出パイ
プに前記弁座部材を圧入させたことを特徴とする。
【0008】
【発明の作用・効果】このように構成した本発明の圧力
調整弁においては、流出パイプが板状部材を湾曲して対
向辺を溶接する、いわゆる一重巻加工によって形成され
ていて、たとえ溶接部に溶接ビードが発生していても、
流出パイプのダイヤフラムに向かって突出している方の
上端面が弁座部材の側面に圧接しているため、この圧接
部分で流出パイプと弁座部材の液密性が保たれるととも
に、弁座部材は流出パイプにしっかりと固定されて抜け
出てしまうことがない。またこの流出パイプは、板状部
材を湾曲させて対向辺を溶接するだけの簡単な工程でパ
イプ状に製造されるものであってよく、上端面を弁座部
材に圧接させるための成形も、簡単な構成の把持部材と
加圧成形用治具を用いるだけの簡単な工程で行うことが
できる。
【0009】そしてこのような製造方法によれば、流入
パイプの内側の溶接ビードを除去するための面倒な切削
あるいは研磨工程を行う必要がなく、また弁座部材と流
出パイプとの装着をろう付けによって行っていないの
で、ろう付けの際の熱処理による弁座部材の座面の面粗
度の劣化が起きることがないため、座面と弁体との液密
性が悪くなるような不具合は生じない。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例の圧力調整弁を図1
を用いて説明する。この圧力調整弁はカップ状に形成さ
れた第1及び第2シェル21,22を有し、各シェル2
1,22は、互いに開口部が対向するように重ね合わせ
られて内部に空間を形成している。これらの第1及び第
2シェル21,22間にはダイヤフラム23がその周縁
部にて各シェル21,22の端部をかしめることにより
固定されており、前記空間はこのダイヤフラム23によ
って第1室R1と第2室R2とに区画されている。
【0011】第1シェル21の側面には筒状のブッシュ
24が組み付けられている。このブッシュ24は、燃料
ポンプからの燃料を燃料噴射弁に圧送する燃料供給路側
に接続されており、第1室R1に向けて開口する流入経
路を構成している。第1シェル21の底面中央部には板
状部材を湾曲して対向辺を溶接する、いわゆる一重巻加
工によって形成され、流出経路を構成する流出パイプ2
5が垂直に組み付けられている。この流出パイプ25は
第1シェル21の底面を貫通しており、その外周面にて
同底面に固着され、同流出パイプ25の上方がダイヤフ
ラム23に向かって突出している。この流出パイプ25
の上部には膨出部25aが形成されて端面25bが流出
パイプ25の内側を向き、そして同端面25bの周径が
同流出パイプ25の内周径よりも小さくなるように変形
されている。ステンレス製で円筒状に形成された弁座部
材26はこのように変形された流出パイプ25の内部に
圧入され、端面25bが弁座部材26に圧接している。
こうして弁座部材26の座面はダイヤフラム23の中央
部に向けて開口している。
【0012】ダイヤフラム23の中央部には保持体31
が組み付けられ、この保持体31により弁座部材26の
座面に対向した弁体32が支持されている。弁体32は
平板状に形成されてその下面にて弁座部材26の座面に
着座するものであり、その上面にはボール33が固着さ
れている。このボール33は、保持体31にかしめ固定
された保持板34により下方への移動が規制されてい
る。
【0013】第2室R2内にはスプリング35が収容さ
れている。スプリング35は、その上端にて第2シェル
22の底面22aにより支持され、その下端にて保持体
31にかしめ固定されたばね受け36により支持されて
いる。また、第2シェル22には負圧導入パイプ37が
組み付けられており、第2室R2は負圧導入パイプ37
を介してエンジンの吸気管に連通している。
【0014】ここで、流出パイプ25の製造工程及び弁
座部材26の取り付け工程の一実施例について図2を用
いて説明する。この流出パイプ25の成形ではまず、板
状部材を湾曲して対向辺を溶接して筒状部材に形成され
る。次にこの流出パイプ25の上部を変形成形するため
には、図2(a)に示すように、把持部材41と加圧成
形用治具42が用いられる。把持部材41は、この筒状
部材のダイヤフラムに向かって突出させる方の端面25
bから所定距離だけ離間した部位の周りをしっかりと固
定するものであって、内周縁部の同端面25b側には切
り欠き部41aが形成されている。一方加圧成形用治具
42は、外周径が筒状部材の内周径よりも大きくかつ同
筒状部材の内周径よりも小さい外周径を有する凸部42
aが形成されており、この凸部42aが端面25bから
筒状部材内に挿入される。これによって、この筒状部材
は把持部材41の切り欠き部41aに沿って外周方向に
膨出し、同時に端面25bが凸部42aの側面に当接す
るように変形することによって本発明の膨出部25aが
設けられた流出パイプ25が成形される。この際、端面
25aが凸部42aの側面に強く当接するため、板状部
材を筒状部材に形成する時に端面25aの溶接部にビー
ドが発生していたりまた溶接部で端面25aに段差が生
じていたりしても、端面25aは凸部42aの側面に合
わせた形状になるように平滑化される。なお、この流出
パイプ25の成形時の歩どまりが悪い場合には、あらか
じめ各種の治具を用いて前加工した後、最終的に加圧成
形用治具42を用いれば加工精度が向上する。弁座部材
26は、こうして成形された流出パイプ25に圧入され
て固定される(図2(b)参照)。
【0015】次に、上記のように構成した圧力調整弁の
作動を簡単に説明する。第1室R1内の燃料圧力による
ダイヤフラム23を上方へ押し上げる力が、スプリング
35によるダイヤフラム23を下方へ押し下げる力から
第2室R2内の負圧によるダイヤフラム23を引き上げ
る力を差し引いた合成値からより大きければ、ダイヤフ
ラム23は上方へ移動して弁体32が弁座部材26の座
面から離れるので第1室内の燃料は流出パイプ25を介
して燃料タンク側へ流れる。これによって第1室R1内
の燃料圧力が低下し、これとともにダイヤフラム23は
下方へ移動して弁体32が弁座部材26の座面に着座す
る。すると第1室R1内の燃料は閉じ込められ、新たに
ブッシュ24を介して流入する燃料によって第1室R1
内の燃料圧力が上昇する。このように、ダイヤフラム2
3及び弁体32の作用によって第1室R1内の燃料圧力
が所定圧を維持するように調整され、したがって燃料供
給路の圧力が適正に保たれる。
【0016】上記に説明したように作動する圧力調整弁
においては、流出パイプ25が板状部材を湾曲して対向
辺を溶接することによって形成されていて、たとえ溶接
部に溶接ビードが発生していても、流出パイプ25のダ
イヤフラム23に向かって突出している方の上端面25
bが弁座部材26の側面に圧接しているため、この圧接
部分で流出パイプ25と弁座部材26の液密性が保たれ
るとともに、弁座部材26は流出パイプ25にしっかり
と固定されて抜け出てしまうことがない。またこの流出
パイプ25は、板状部材を湾曲させて対向辺を溶接する
だけの簡単な工程でパイプ状に製造されるものであって
よく、端面25bを弁座部材26に圧接させるための成
形も、簡単な構成の把持部材41と加圧成形用治具42
を用いるだけの簡単な工程で行うことができる。
【0017】そしてこのような製造方法によれば、流入
パイプ25の内側の溶接ビードを除去するための面倒な
切削あるいは研磨工程を行う必要がなく、また弁座部材
26と流出パイプ25との装着をろう付けによって行っ
ていないので、ろう付けの際の熱処理による弁座部材2
6の座面の面粗度の劣化が起きることがないため、座面
と弁体との液密性が悪くなるような不具合は生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す圧力調整弁の正面断
面図である。
【図2】 (a)は、図1に示す流出パイプを成形する
工程を説明するための概略図であり、(b)は、同流出
パイプに弁座部材を圧入する工程を説明するための概略
図である。
【図3】 従来の圧力調整弁の正面断面図である。
【符号の説明】
21…第1シェル、22…第2シェル、23…ダイヤフ
ラム、24…ブッシュ、25…流出パイプ、26…弁座
部材、31…保持体、32…弁体、35…スプリング、
R1…第1室、R2…第2室、41…把持部材、42…
加圧成形用治具。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16K 17/00 - 17/168 F02M 69/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カップ状に形成され互いに開口部が対向
    するように重ね合わせられて内部に空間を形成する第1
    及び第2シェルと、前記第1及び第2シェル間に周縁部
    にて固定されて前記空間を第1及び第2室に区画するダ
    イヤフラムと、前記第1シェルの側部に設けられて前記
    第1室に向けて開口してなり流入経路を構成する筒状の
    ブッシュと、板状部材を湾曲して対向辺を溶接すること
    によって形成され前記第1シェルの底部に組み付けられ
    て前記第1室内にて前記ダイヤフラムに向けて上方に突
    出してなり流出経路を構成する流出パイプと、この流出
    パイプの上部に組み付けられ前記ダイヤフラムの中央部
    に向けた開口面を有する筒状の弁座部材と、前記弁座部
    材の開口面に対向するように前記ダイヤフラムの中央部
    支持され前記ダイヤフラムとともに変位て前記ブッ
    シュと前記流出パイプとの間に形成される流路を開閉す
    る弁体と、前記第2室内に収容され一端にて前記第2シ
    ェルの底面に支持されかつ他端にて前記ダイヤフラムに
    支持されたスプリングとを備えた圧力調整弁において、
    前記流出パイプの上端面が前記弁座部材の側面に圧接す
    るように屈曲していることを特徴とする圧力調整弁。
  2. 【請求項2】 前記流出パイプを、(1)板状部材を湾
    曲して対向辺を溶接し筒状部材を形成する工程、(2)
    この筒状部材の上端面から所定距離だけ離間した部位の
    周りを、同上端面側の内周縁部に切り欠き部の形成され
    た把持部材によって把持する工程、(3)外周径が前記
    筒状部材の内周径よりも大きくかつ同筒状部材の内周径
    よりも小さい外周径を有する凸部が形成された加圧成形
    用治具を同凸部を前記上端面から前記筒状部材に挿入
    し、同筒状部材を前記把持部材の切り欠き部に沿って外
    周方向に膨出させ同時に前記上端面が前記凸部側面に当
    接するように変形させる工程を経て構成し、次にこの流
    出パイプに前記弁座部材を圧入することを特徴とする請
    求項1記載の圧力調整弁の製造方法。
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